JP5191419B2 - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路配線基板などに使用されるポリイミドフィルムの製造方法に関する。
ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性、機械特性、電気特性を持つ樹脂である。このポリイミド樹脂を使用したポリイミドフィルムは、フレキシブルプリント配線板に代表される回路配線基板の基材などの用途に利用が拡大している。
ポリイミドフィルムを製造する代表的方法として、テンター法およびキャスト法が挙げられる。テンター法は、回転ドラムにポリアミド酸溶液を流延し、ポリアミド酸のゲルフィルムの状態で回転ドラムから剥離し、テンター炉で加熱・硬化させてポリイミドフィルムとする方法である(例えば、特許文献1)。キャスト法は、任意の支持基材にポリアミド酸溶液を塗布し、熱処理して硬化させた後、支持基材からポリイミド樹脂層を剥離してポリイミドフィルムとする方法である(例えば特許文献2)。
近年、電子機器の小型化が進み、電子部品に使用されるポリイミドフィルムも薄膜化への対応が強く求められている。従来のテンター法では、製造されるポリイミドフィルムの膜厚が薄くなると、自己支持性が低下するため、ポリアミド酸のゲルフィルムを回転ドラムから剥離する段階、またはテンター炉で延伸、硬化させる段階で破断する確率が高くなる。このため、テンター法で工業的に製造できるポリイミドフィルムの厚みは、約7.5μm程度が限界と考えられている。
一方、キャスト法は、支持基材上にポリアミド酸溶液を塗工し、硬化させた後に剥離するため、自己支持性の低い前駆体の段階では支持基材による補強が可能であり、薄膜化への対応という側面ではテンター法よりも有利であると考えられる。キャスト法における支持基材としては、例えば銅箔、SUS箔などの金属箔や、銅張積層体(CCL)などの金属箔―樹脂積層体のほか、ポリイミドなどの樹脂フィルムが使用されてきた。支持基材には、高い耐熱性、耐溶剤性が必須であることに加え、硬化後のポリイミドフィルムを容易に剥離できること(剥離性)、低コストであることなどの特性が求められる。製造されるポリイミドフィルムが薄膜化するほど、上記特性の中でも特に剥離性が重要になってくる。ポリイミドフィルムと支持基材とが必要以上に強く接着していると、剥離時にポリイミドフィルムに皺や、割れ、裂けなどが生じて製品価値が損なわれ、歩留りが大幅に低下してしまうからである。
上記特許文献2では、キャスト法における支持基材として、CCLを使用しており、製造されるポリイミドフィルムとCCLのポリイミド層の少なくとも一方の層を、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルを40モル%以上含むジアミン化合物とテトラカルボン酸とを反応させて得られるポリイミド樹脂とすることにより、支持基材からのポリイミドフィルムの剥離性を改善できることが提案されている。
また、特許文献3では、非熱可塑性ポリイミドフィルムなどの離型フィルム上に、熱可塑性ポリイミドワニスを直接流延塗布し、乾燥して離型フィルム付きの熱可塑性ポリイミドフィルムを得る方法が提案されている。しかし、この特許文献3の技術では、製造された離型フィルム付きの熱可塑性ポリイミドフィルムは、他の被着物に加熱圧着されることが前提となっており、その後、離型フィルムを機械的に剥離することによって熱可塑性ポリイミドフィルムの転写が行われる。つまり、熱可塑性ポリイミドフィルムと離型フィルムとを分離する際には、熱可塑性ポリイミドフィルムは、被着物に接着して支持された状態となっており、熱可塑性ポリイミドフィルムを単体で剥離する工程は想定されていない。そのため、特許文献3では、熱可塑性ポリイミドフィルムを剥離する際の問題については一切注意が払われていない。
特開2000−191806号公報 特開2004−322441号公報 特開平11−10664号公報
テンター法と比較した場合のキャスト法のデメリットとして、ポリアミド酸溶液を塗布する対象として支持基材を用いるために、支持基材にかかるコストがそのまま上乗せされる形となり、コストパフォーマンスが低いことが挙げられる。そこで本発明者らは、キャスト法におけるコストパフォーマンスを改善するため、支持基材を再利用することを着想した。しかし、キャスト法で一度使用された支持基材は、その表面状態が変化してしまうため、そのまま再利用すると、製品のポリイミドフィルムの剥離時に当該ポリイミドフィルムに皺や、割れ、裂けなどが生じて製品価値が損なわれ、歩留りが大幅に低下してしまうという問題があった。このような支持基材が原因の剥離性の低下は、製品のポリイミドフィルムが薄膜になるほど大きな問題になるため、薄膜化への対応という観点でもその解決が求められていた。
従って、本発明の目的は、キャスト法によるポリイミドフィルムの製造において、ポリイミドフィルムとの剥離性を良好な状態に維持しながら、支持基材の再利用を可能とすることである。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を行った結果、キャスト法においてポリアミド酸溶液を塗布する支持基材としてポリイミド樹脂基材を利用するとともに、このポリイミド樹脂基材を片面ずつ交互に使用することにより、ポリイミドフィルムとの剥離性を良好な状態に維持しながら、支持基材として再利用できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の観点のポリイミドフィルムの製造方法は、
a)表側と裏側の両面にポリイミド樹脂表面を有する支持基材の片方の面に、ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥し、ポリアミド酸層を形成する工程、
b)前記ポリアミド酸層を熱処理することによってイミド化し、前記支持基材の上にポリイミドフィルムを積層形成する工程、および、
c)前記ポリイミドフィルムを前記支持基材から剥離する工程、
を備え、
前記工程cの後、前記工程aから工程cを一つのサイクルとしてさらに1サイクル以上を行うとともに、直前のサイクルの前記工程cで前記ポリイミドフィルムを剥離した側の面とは反対側の前記支持基材の面を使用して、次のサイクルの工程aを行うことを特徴とする。
本発明の第1の観点のポリイミドフィルムの製造方法において、前記工程bの熱処理を、300℃以上420℃以下の範囲内の温度で行うことが好ましい。
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法では、前記支持基材が長尺のフィルム状に形成されており、前記各工程をロール・トウ・ロール方式で行ってもよい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法によれば、支持基材を片面ずつ交互に使用して再利用を図ることによって、支持基材にかかるコストを大幅に低減することが可能となり、経済性に優れた効率的なプロセスが実現する。また、支持基材の回復に、工程bのイミド化の際の熱を有効利用できることから、熱処理に要する設備、時間、コストおよびエネルギー消費をほとんど増加させることがなく、プロセス効率に優れている。また、支持基材の表面状態をサイクル毎に回復させることにより、ポリイミドフィルムとの剥離性を良好に保つことができる。従って、各サイクルの工程cでは、一定の力で安定的にポリイミドフィルムと支持基材との剥離を行うことが可能であり、剥離時に製品のポリイミドフィルムに割れや裂け、皺などが発生することを防止し、歩留りを改善できる。従って、例えばロール・トウ・ロール方式などの連続生産において高い歩留りでの製造が可能であり、工業的に利用価値が高い。
本発明の一実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法の概要を示す工程図である。 支持基材の再利用時の熱処理の条件と剥離強度との関係を示すグラフ図面である。 支持基材の再利用時の熱処理の温度と剥離強度との関係を示すグラフ図面である。
以下、本発明の一実施の形態にかかるポリイミドフィルムの製造方法について説明する。まず、本発明方法により製造されるポリイミドフィルムの材質であるポリイミド樹脂について概略を説明する。本発明方法は、製造対象がポリイミドフィルムであるとともに、支持基材にもポリイミド樹脂を使用することから、以下のポリイミド樹脂についての説明は適宜支持基材についても適用される。
ポリイミド樹脂としては、いわゆるポリイミドを含めて、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等に代表されるように、その構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂が挙げられる。
ポリイミド樹脂は、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で反応させて製造することができる。用いられるジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。
また、上記以外のジアミンとして、例えば、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1−(3−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'−(4−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4'−(3−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−メチレンジ−o−トルイジン、4,4'−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4'−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、3,3'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシベンジジン、4,4''−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3''−ジアミノ−p−テルフェニル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン等を使用することもできる。
また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物等が挙げられる。
また、上記以外の酸無水物として、例えば、2,2',3,3'−、2,3,3',4'−又は3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物等が好ましく挙げられる。また、3,3'',4,4''−、2,3,3'',4''−又は2,2'',3,3''−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−又は3.4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8−、1,2,6,7−又は1,2,9,10−フェナンスレン−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,6−又は2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−(又は1,4,5,8−)テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−(又は2,3,6,7−)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9−、3,4,9,10−、4,5,10,11−又は5,6,11,12−ペリレン−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物等を使用することもできる。
ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用することもできる。なお、ポリイミド樹脂は、上記ジアミンと酸無水物から得られるものに限定されることはない。
また、ジアミンと酸無水物との反応は有機溶媒中で行わせることが好ましく、このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、例えばジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルムアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独で、又は混合して用いることができる。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応よって得られるポリアミド酸の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
また、このような溶媒を用いた反応において、ジアミンと酸無水物との配合割合は、全ジアミンに対して酸無水物のモル比が0.95から1.05の割合で使用することが好ましい。
ジアミンと酸無水物との反応は、0℃から60℃の範囲内の温度条件で1〜24時間反応させることが好ましい。このような温度条件が前記下限(0℃)未満では、反応速度が遅くなって分子量の増加が進まない傾向にあり、他方、前記上限(60℃)を超えるとイミド化が進行して反応溶液がゲル化し易くなる傾向にある。このような温度条件で反応させることで効率的にポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸の樹脂溶液を得ることができる。
合成されたポリアミド酸は溶液として使用される。通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、溶液としての使用が容易である。
図1に、本実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法の概要を示した。本実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法は、以下の工程a〜工程cを備えている。また、工程cの後、工程aから工程cを一つのサイクルとしてさらに1サイクル以上を行う。この場合、直前のサイクルの工程cでポリイミドフィルム7を剥離した側の面とは反対側の支持基材1の面を使用して、次のサイクルの工程aを行う。以下、各工程の内容について、順に説明する。
工程a)表側と裏側の両面にポリイミド樹脂表面を有する支持基材の片方の面に、ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥し、ポリアミド酸層を形成する工程:
本発明で用いられる支持基材1は、キャスト法によってポリアミド酸溶液の塗布を行う際の支持体としての機能と、ポリアミド酸層3を補強する機能と、を有する。支持基材1はカットシート状、ロール状のもの、又はエンドレスベルト状などの種々の形状で使用できる。生産性を得るためには、ロール状又はエンドレスベルト状のフィルムの形態とし、連続生産可能な形式とすることが効率的である。特に、支持基材1は長尺に形成されたロール状のフィルムが好ましく、工程a〜工程cまでをロール・トウ・ロール方式で連続的に行うことが好ましい。
支持基材1は、表側と裏側の両面にポリイミド樹脂表面を有する基材である。そのような支持基材1として金属箔の両面に樹脂層が積層した両面樹脂積層体などの樹脂層―金属箔―樹脂積層体を使用することは可能であるが、経済性の点でポリイミド樹脂からなるポリイミドフィルムを用いることが好ましい。この場合、ポリイミドフィルムは複数のポリイミド樹脂層が積層された構造であってもよいが、単層がより有利である。ポリイミド樹脂としては、非熱可塑性のポリイミド樹脂が好ましく使用される。非熱可塑性のポリイミド樹脂の中でも、低接着性であって、低膨張性のポリイミド樹脂で構成されるものが本発明に好適に用いることができる。具体的には、線熱膨張係数(CTE)が1×10−6〜30×10−6(1/K)、好ましくは10×10−6〜25×10−6(1/K)である低熱膨張性のポリイミド樹脂である。このようなポリイミド樹脂を適用することで、ポリイミドフィルム製造時の熱処理による寸法変化を抑制することができる。また、支持基材1に適用されるポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは300℃以上、より好ましくは320℃以上であることがよい。このようなポリイミド樹脂を用いることで、高い耐熱性を保持することができる。また、後述するイミド化の熱処理を利用して、支持基材1の表面状態を回復させるという観点から、支持基材1に適用されるポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)の上限は、好ましくは420℃以下、より好ましくは380℃以下、更に好ましくは360℃以下とすることがよい。なお、ガラス転移温度の測定は、後記実施例で規定する方法で行うことができる。
支持基材1としては、市販のポリイミドフィルムを好適に使用可能であり、例えば東レ・デュポン株式会社製のカプトンEN、カプトンH(いずれも商品名)、宇部興産株式会社製のユーピレックスS(商品名)等を使用可能である。なお、支持基材1として銅箔、SUS箔などの金属箔を用いると、ポリイミドフィルム7との接着性が強くなりすぎ、良好な剥離性が得られない。
剛性面を考慮すると、支持基材1の材質がポリイミド樹脂からなる場合は、厚みが10μm〜250μmの範囲内であることが好ましく、25μm〜75μmの範囲内であることがより好ましい。支持基材1の厚みが10μm未満では、十分な剛性が得られず支持体としての機能が不十分となり、250μmを超えると、製品のポリイミドフィルム7(図1参照)との分離(剥離)が困難になる場合がある。この支持基材1の厚さは、後述する透湿度とも密接な相関性があり、その厚さが大きいものほど透湿度が低下する傾向になる。
また、支持基材1の透湿度は、厚さ以外にも、支持基材1を構成するポリイミド樹脂が有する配向性の度合いと相関があると考えられる。すなわち、ポリイミド樹脂の配向性が高く、緻密な構造を有するポリイミド樹脂を支持基材1に適用した場合、支持基材1の透湿度が小さいため、ポリイミドフィルム製造の乾燥・イミド化工程における有機溶剤及びイミド化進行に伴う水分が、支持基材1とポリイミドフィルム層5(図1参照)との界面に集中し、双方の密着を阻害するため、製品のポリイミドフィルム7の剥離を容易とする要因となっているものと考えられる。
以上のような観点から、支持基材1の透湿度の上限は、30g/m・24hr以下とすることが好ましい。支持基材1の透湿度が30g/m・24hrを超えると支持基材1とポリイミドフィルム7との剥離性が低下するが、透湿度が30g/m・24hr以下であれば、上記理由によって良好な剥離性を維持できるとともに、支持基材1の裏面側の表面状態を良好に維持しやすく、裏面側の剥離性も低下させにくい。一方、支持基材1の透湿度は、0.5g/m・24hr以上とすることが好ましい。透湿度が0.5g/m・24hr未満になると、ポリイミドフィルム製造の乾燥・イミド化工程における有機溶剤及びイミド化進行に伴う水分が抜けきれず、製造工程の段階でポリイミドフィルム層5の浮き(ポリイミドフィルム層5の部分剥離)が生じる傾向になる。従って、支持基材1の厚さの上限は、支持基材1の透湿度の下限値(0.5g/m・24hr)を下回らないような厚さに制御することが望ましい。なお、透湿度の測定は、後記実施例で規定する方法で行うことができる。
本工程aでは、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸の溶液を支持基材1の上に直接塗布した後に乾燥することによって、ポリアミド酸層3を形成する。ポリアミド酸は、熱可塑性ポリイミドまたは非熱可塑性ポリイミドのどちらの前駆体でもよい。ポリアミド酸の溶液を支持基材1に塗布する方法は特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
ポリアミド酸溶液としては、市販品も好適に使用可能であり、例えば宇部興産株式会社製の非熱可塑性ポリアミド酸ワニスであるU-ワニス-A(商品名)、同U-ワニス-S(商品名)、新日鐵化学株式会社製の熱可塑性ポリアミド酸ワニスSPI−200N(商品名)、同SPI−300N(商品名)、同SPI−1000G(商品名)、東レ株式会社製のトレニース#3000(商品名)等が挙げられる。
なお、ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸、溶媒以外に例えばシリカ、アルミナ、窒化ホウ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのフィラーや粘土鉱物を含有することができる。
支持基材1に塗布されたポリアミド酸層3を乾燥する際は、ポリアミド酸の脱水閉環の進行によるイミド化を完結させないように温度を制御する。ポリアミド酸層3を乾燥させる方法としては、特に制限されず、例えば、60℃〜200℃の範囲内の温度条件で1〜60分間の範囲内の時間をかけて乾燥を行うことがよいが、好ましくは、60℃〜150℃の範囲内の温度条件で乾燥を行うことがよい。乾燥後のポリアミド酸層3は、前駆体の構造の一部がイミド化していても差し支えないが、イミド化率は50%以下、より好ましくは20%以下として前駆体の構造を50%以上残すことが好ましい。なお、前駆体のイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品として、例えば日本分光製FT/IR620)を用い、透過法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1,000cm−1のベンゼン環炭素水素結合を基準とし、1,710cm−1のイミド基由来の吸光度から算出される。
ポリアミド酸層3の厚み(乾燥後)は、例えば25〜50μmの範囲内が好ましく、35〜45μmの範囲内がより好ましい。ポリアミド酸層3を厚く形成すれば、製品のポリイミドフィルム7も厚くなるため、剥離時の皺、割れ、裂け等が発生しにくくなるが、本発明方法では、薄膜フィルムへの対応が可能であることから、ポリアミド酸層3を例えば15μm〜25μmの範囲まで薄く形成することができる。
なお、ポリアミド酸層3は単層であることが工業上有利であるが、支持基材1上でポリアミド酸溶液の塗工と乾燥を繰り返し、種類や性質の異なるポリアミド酸からなる複数層が積層された構造のポリアミド酸層を形成することも可能である。
工程b)ポリアミド酸層3を熱処理することによってイミド化し、支持基材1の上にポリイミドフィルム層5を積層形成する工程:
イミド化は、熱処理によってポリアミド酸の脱水閉環を進行させてポリイミドを形成する工程であるが、本発明では、支持基材1のポリイミドフィルム層5の形成面とは反対の裏面側の表面状態を整え、ポリイミドフィルム7との剥離性を向上させる意義を有している。従って、工程bの熱処理は、ポリアミド酸のイミド化を完結させ得る温度であり、かつ、支持基材1の裏面側の表面状態を回復させ得る温度に設定する。このような観点から、本実施の形態において、熱処理の温度は、例えば300℃〜420℃の範囲内が好ましく、320℃〜380℃の範囲内がより好ましく、さらに、支持基材1を構成するポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)以上とすることが望ましい。上記温度で熱処理を行うことによって、支持基材1の裏面側の濡れ性を小さくすることが可能であり、次のサイクルで成膜されるポリイミドフィルム7との接着力を緩和させて剥離しやすくすることができる。分子レベルでは、熱処理には、支持基材1を構成するポリイミド樹脂表面に存在する開裂したイミド結合を閉環させる作用があるものと考えられる。熱処理温度が300℃よりも低いと、剥離性改善の効果が十分に得られず、さらに場合によってはイミド化が不十分になることがあり、420℃よりも高い場合は、それ以上効果の向上が期待できないとともに、支持基材に反りや歪みなどの変形が生じるおそれがあり、また、支持基材1とポリイミドフィルム7とが癒着しやすい傾向になる。
この工程bで熱処理に使用する加熱装置には特に制限はなく、例えば遠赤外線や紫外線、マイクロ波などの電磁波を利用した非接触型の加熱方式や、温度を精度よく制御できるジャケットロールなどの接触型の加熱方式を採用した加熱装置などを使用して行うことが可能である。熱処理は、例えば加熱炉の中を、所定時間かけて支持基材1を通過させることにより実施できる。熱処理の時間は、温度ほど重要な因子ではないが、例えば支持基材1のTg以上の温度で熱処理を行う場合は、1〜15分間が好ましく、5〜10分間がより好ましい。この場合、熱処理時間が1分よりも短いと、熱処理による効果が十分に得られず、15分よりも長くても、それ以上効果の増加が期待できないので、スループットとエネルギー効率が低下する。また、熱処理時間が長くなるほど、支持基材1とポリイミドフィルム7とが癒着しやすい傾向となるので、上記上限を超えないことが望ましい。
次回のサイクルにおいて、ポリイミドフィルム7との剥離性を十分に得るためには、工程bの熱処理後には、支持基材1のポリイミドフィルム層5が形成された側とは反対側の面(裏面)は、純水の接触角が十分に大きくなっていることが好ましい。すなわち、熱処理後の支持基材1の裏面に水滴を載せたとき、支持基材1と水との接触角が75°以上90°以下であることが好ましく、75°以上85°以下であることがより好ましい。接触角が75°以上であれば、次回のサイクルで製品のポリイミドフィルム7と支持基材1との剥離強度を小さく抑えることが可能であり、剥離時の割れ、裂けなどの発生や、剥離後における皺の発生を防止し、ポリイミドフィルム7の外観を良好にすることができる。支持基材1とポリイミドフィルム7とを剥離する際の剥離強度の適正範囲は、ポリイミドフィルム7の厚みによって変化するが、例えば2〜25μmの厚みのポリイミドフィルム7を剥離する場合は、15N/m以下(例えば5N/m以上15N/m以下)が好ましく、10N/m以下(例えば5N/m以上10N/m以下)がより好ましい。なお、剥離強度の測定の方法は、後記実施例で規定する方法で行うことができる。
工程c)ポリイミドフィルム7を支持基材1から剥離する工程:
支持基材1からポリイミドフィルム7を剥離する方法は特に問われるものではないが、例えばロール・トウ・ロール方式では、長尺な支持基材1と長尺なポリイミドフィルム7を、それぞれロールに巻き取ることにより剥離する方法が好ましく採用される。
本実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法では、上記のように、工程cの後、工程aから工程cを一つのサイクルとしてさらに1サイクル以上を行う。この場合、支持基材1の両面を片側ずつ交互に使用する。つまり、直前のサイクルの工程cでポリイミドフィルム7を剥離した側の面とは反対側の支持基材1の面を使用して、次のサイクルの工程aを行う。支持基材1のポリイミドフィルム形成面(塗工面)は、イミド化の際に加水分解を受け、部分的にイミド環が開環すると考えられる。そのため、一度使用した支持基材1は、そのまま再利用すると、表面の濡れ性が大きくなっているためポリイミドフィルム7との接着性が強まり、剥離性が低下する。しかし、本実施の形態では、工程cでポリアミド酸層3をイミド化する際の熱を利用して、支持基材1の裏面側の表面状態を回復させる。すなわち、イミド化の熱を利用して、開環したイミド環を閉環させ、それによって接触角が大きな状態に回復させることが可能である。従って、1サイクル毎にポリアミド酸を塗工する支持基材1の面を交代することによって、支持基材1からのポリイミドフィルム7の剥離性を良好な状態に維持できる。このように支持基材1の両面を交互に使用して再利用を図ることによって、支持基材1にかかるコストを大幅に低減することが可能となり、経済性に優れた効率的なプロセスが実現する。
次に、支持基材1を再利用して繰り返し成膜を行う手順の具体例について説明する。まず、工程aでは支持基材1のA面にポリアミド酸溶液の塗工を行い、ポリアミド酸層3を形成する。次に、工程bでは、ポリアミド酸層3を熱処理することによってイミド化するとともに、イミド化の熱によって支持基材1の開放面であるB面の表面状態を整える。一方、イミド化の際、ポリアミド酸層3と接しているA面では、加水分解により部分的にイミド環の開裂が生じ、濡れ性が大きくなる(接触角が小さくなる)。
次に、工程cで製品のポリイミドフィルム7を支持基材1から剥離する。以上で最初の1サイクルが完了するが、使用済みの支持基材1は、イミド化の際に加水分解を受けて濡れ性が高くなったA面と、ポリイミドフィルム7との剥離性の点で良好な表面状態を有するB面とを有していることになる。本実施の形態では、1サイクル目で不使用のB面に着目し、次の2サイクル目では、このB面にポリアミド酸溶液の塗工を行うことにより、支持基材1の再利用が可能になる。
2サイクル目では、工程aで支持基材1のB面にポリアミド酸溶液の塗工を行いポリアミド酸層3を形成し、工程bでイミド化を行う。1サイクル目とは逆に、ポリアミド酸層3と接しているB面では、イミド化の際に加水分解を受けて部分的にイミド環の開裂が生じ、濡れ性が大きくなる(接触角が小さくなる)。しかし、A面は開放面であるため、イミド化の際の熱によって、イミド環の閉環反応が生じ、表面状態が整えられる。つまり、A面の濡れ性は小さく、接触角は大きくなり、ポリイミドフィルム7との剥離性の点で良好な表面状態に回復する。
次に、工程cで製品のポリイミドフィルム7を支持基材1から剥離する。以上で2サイクル目が完了するが、使用済みの支持基材1は、イミド化の際に加水分解を受けて濡れ性が高くなったB面と、イミド化の際の熱処理によってポリイミドフィルム7との剥離性の点で良好な表面状態に回復したA面とを有していることになる。
3サイクル目では、表面状態が回復した支持基材1のA面を使用して、工程aでポリアミド酸溶液の塗工を行う。以降は、上記と同様に工程b、工程cを行うことによって、3サイクル目が完了する。次に4サイクル目では、支持基材1のB面を使用して工程a〜cを実施する。このように、支持基材1のA面とB面を片方ずつ交互に使用して、工程a〜cを繰り返すことにより、支持基材1からのポリイミドフィルム7の剥離性を良好な状態に維持し、一定の剥離力で安定的に工程cの剥離を行いながら、効率良くポリイミドフィルムを製造できる。
以上のように、本実施の形態では、工程bのイミド化の際の熱処理の温度を、ポリアミド酸のイミド化を完結させ、かつ支持基材1の表面状態を整えることが可能な温度に設定することによって、支持基材1のA面とB面を交互に使用/回復させながら、ポリイミドフィルム層5の形成を行う面を常に剥離性に優れた状態で使用することが可能である。このように支持基材1を再利用することによって、支持基材1のコストを大幅に低減できる。さらに、支持基材1の回復に、工程bのイミド化の際の熱を有効利用できることから、エネルギー効率にも優れている。また、支持基材1の表面状態を1サイクル毎に回復させることにより、各サイクルの工程cでは、一定の力で安定的にポリイミドフィルム7と支持基材1との剥離を行うことが可能である。従って、剥離時に製品のポリイミドフィルム7に割れや裂け、皺などが発生することを防止し、歩留りを改善できるとともに、従来技術のテンター法では製造が困難であった例えば2〜7μmの厚みの極薄フィルムの製造も可能である。
なお、以上の説明では、本発明方法の特徴的工程のみを説明したが、上記以外の工程を含むことを妨げるものではなく、任意の工程を含めることができ、それらは常法に従い行うことができる。また、例えば工程bのイミド化の熱処理だけでは、支持基材1の裏面側の表面状態の回復が不十分な場合は、別途支持基材1を単独で熱処理する工程を、1サイクル毎または数サイクル毎に設けることを妨げるものではない。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりない限り、各種測定、評価は下記によるものである。また、実施例に用いた略号は下記の意味を有する。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
DADMB:4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル
1,3−BAB:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
[剥離強度の評価]
剥離強度は、東洋精機製作所社製、ストログラフR−1を用いて、幅10mmの短冊状に切断したサンプルについて、室温で90°、10mmピール強度を測定することにより評価した。なお、剥離強度が10N/m以下である場合を剥離性が「極めて良好」とし、10N/m超15N/m以下を剥離性が「良好」(実用上実施可能な範囲)とし、15N/m超を剥離性が「不良」と評価した。
[接触角の測定]
純水の接触角は、超純水を使用し全自動接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−W型、解析ソフトFAMAS)により測定し、θ/2θ法で算出した。
[線熱膨張係数の測定]
線熱膨張係数は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、サンプルを250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均線熱膨張係数(CTE)を求めることにより評価した。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
[透湿度の測定]
透湿度は、JIS Z0208に準拠したカップ法により測定した。透過面積2.826×10−3のアルミニウム製の透湿カップに吸湿剤/塩化カルシウム(無水)を封入し、40℃、90RH%の試験条件下で24時間毎の秤量操作を繰り返し、カップの質量増加を水蒸気の透過量として評価した。
作製例1
255gのDMAcに、DADMB19.11g(0.090モル)および2.92gの1,3−BAB(0.010モル)を容器中で攪拌しながら溶解させた。次に、5.79gのBPDA(0.020モル)および17.17gのPMDA(0.079モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、固形分濃度15重量%、溶液粘度が200ポイズ[20Pa・s]のポリアミド酸溶液を得た。
実施例1
支持基材として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS;商品名、宇部興産社製、純水の接触角74.8°、CTE12×10−6/K、Tg336℃、透湿度1.7g/m・24hr)を用いた。
次に、支持基材の片側の面に、作製例1で得たポリアミド酸溶液を均一に塗布し、100℃以下の温度で加熱乾燥して過剰な溶剤分を除去した。次に、最高温度360℃の加熱炉で10分間熱処理を行い、イミド化を完結させた後、常温まで冷却し、支持基材より剥離することで厚み4μmのポリイミドフィルムを得た。この1サイクル目において、支持基材からのポリイミドフィルムの剥離強度は10N/m以下であり、剥離が容易であった。得られたフィルムには、皺、割れ、裂け等の外観上の不良は認められなかった。
ポリイミドフィルムを剥離した側の支持基材の表面の純水の接触角は69.9°まで低下していた。しかし、この使用済みの支持基材の裏面側を使用して、上記と同様の条件で2サイクル目のポリイミドフィルムの成膜を行ったところ、1サイクル目の成膜時と同様に良好な剥離性を維持しながら厚さ4μmのポリイミドフィルムを製造することができた。このときの支持基材からのポリイミドフィルムの剥離強度は1サイクル目と同様に10N/m以下で剥離が容易であった。得られたフィルムには皺、割れ、裂け等の外観上の不良は認められなかった。
さらに、上記の手順を繰り返すことによって、支持基材からのポリイミドフィルムの剥離強度を10N/m以下に保ち、フィルムの外観も維持した状態で支持基材を再利用することが可能であった。以上の結果を表1に示した。
実施例2
支持基材として、厚さ75μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS;商品名、宇部興産社製、純水の接触角74.8°、CTE12×10−6/K、Tg336℃、透湿度0.9g/m・24hr)を使用した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
実施例3
支持基材として、厚さ38μmのポリイミドフィルム(カプトンEN;商品名、東レ・デュポン社製、純水の接触角70.4°、CTE16×10−6/K、Tg364℃、透湿度17g/m・24hr)を使用した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
実施例4
支持基材として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(カプトンEN;商品名、東レ・デュポン社製、純水の接触角74.0°、CTE16×10−6/K、Tg364℃、透湿度22g/m・24hr)を使用した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
実施例5
支持基材として、厚さ75μmのポリイミドフィルム(カプトンH;商品名、東レ・デュポン社製、純水の接触角76.6°、CTE16×10−6/K、Tg411℃、透湿度27g/m・24hr)を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
実施例6
支持基材として、厚さ38μmのポリイミドフィルム(カプトンEN;商品名、東レ・デュポン社製、純水の接触角70.4°、CTE16×10−6/K、Tg364℃、透湿度17g/m・24hr)を使用し、実施例1において、最高温度360℃、10分間の熱処理の代わりに、最高温度370℃、10分間の熱処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
実施例7
支持基材として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(カプトンEN;商品名、東レ・デュポン社製、純水の接触角74.0°、CTE16×10−6/K、Tg364℃、透湿度22g/m・24hr)を使用し、実施例1において、最高温度360℃、10分間の熱処理の代わりに、最高温度370℃、10分間の熱処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
実施例8
支持基材として、厚さ75μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS;商品名、宇部興産社製、純水の接触角74.8°、CTE12×10−6/K、Tg336℃、透湿度0.9g/m・24hr)を使用し、実施例1において、最高温度360℃、10分間の熱処理の代わりに、最高温度320℃、15分間の熱処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムの成膜を行った。結果は表1に示した。
比較例1
実施例1において、1サイクル目で使用した支持基材を、塗工面を変えずにそのまま使用して、2サイクル目の成膜を実施した。なお、1サイクル目でポリイミドフィルムを剥離した後の支持基材の表面の純水の接触角は69.9°まで低下していた。その結果、2サイクル目では、支持基材からのポリイミドフィルムの剥離強度が20N/m以上に増加してしまい、剥離の際にフィルムに裂けが生じたとともに、剥離したフィルムに塑性変形による強いカールが発生した。従って、支持基材の再利用は不可能であった。
Figure 0005191419
表1の結果から、ポリアミド酸溶液の塗工面をサイクルごとに交互に替えた実施例1〜8では、支持基材の厚みや初期の接触角に関わりなく、複数サイクルの繰り返し使用においても優れた剥離性を示した。一方、支持基材の同じ塗工面を使用した比較例1では、2サイクル目で剥離強度が15N/mを超え、実用上再利用は不可能であった。
参考試験例1
支持基材を再利用する上で、最適なイミド化の条件を検討するために以下の試験を行った。支持基材として、厚さ25μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS;商品名、宇部興産社製、純水の接触角74.8°、Tg336℃)を使用し、この支持基材の片側の面に、作製例1で得たポリアミド酸溶液を均一に塗布し、100℃以下の温度で加熱乾燥して過剰な溶剤分を除去した。次に、最高温度360℃の加熱炉で10分間熱処理を行い、イミド化を完結させた後、常温まで冷却し、支持基材より剥離することで厚み4μmのポリイミドフィルムを得た。
次に、使用済みの支持基材に対して熱処理工程を設けた後、同様の成膜操作を繰り返し行い、支持基材を再利用する時の熱処理条件と、ポリイミドフィルムを剥離する際の剥離強度との関係について調べた。熱処理工程の条件は、無処理(熱処理を実施せず)、90℃・60分間、250℃・30分間および360℃・10分間とした。以上の結果を図2に示した。
図2から、無処理、90℃・60分間および250℃・30分間の区分では、2サイクル目で剥離強度が15N/mを超え、実用上支持基材を再利用することが出来なかった。一方、360℃・10分間の熱処理では、5サイクル目でも、剥離強度が10N/m以下であり、良好な剥離性を維持していた。以上の結果から、再利用時の熱処理条件としては、時間よりも温度の方がより重要な因子であることが判明した。また、再利用時の熱処理の温度を高く設定するほど、同じ効果を得るための熱処理時間が短くてすむ傾向が明らかとなり、スループットを向上させる上でも、温度条件を適切に設定することが重要であることがわかった。
図2の結果を踏まえ、使用済みの支持基材に対する熱処理温度を変えて上記と同様の成膜操作を繰り返し行い、再利用時の熱処理温度と剥離強度との関係についてより詳細な試験を行った。再利用時の熱処理温度は、280℃、320℃、360℃とし、いずれも熱処理時間は10分間とした。結果を図3に示した。
図3に示されるように、再利用時の熱処理温度が280℃では、2サイクル目から剥離強度が15N/mを超えたが、320℃、360℃では、3サイクル目までは15N/m以下であり、実用上許容できる剥離強度であった。特に、熱処理温度が360℃では、3サイクル目でも剥離強度は約5N/m程度であり、支持基材からのポリイミドフィルムの剥離性に優れていた。
以上の結果から、支持基材を再利用するためには、300℃以上420℃以下の温度で熱処理を行うことが効果的であり、特に、支持基材を構成するポリイミド樹脂のTg以上の温度まで加熱することが好ましいことが判明した。Tg以上の温度まで加熱することによって、支持基材を再利用できるサイクル数を増加させることが可能であった。従って、両面交互塗工によって支持基材を再利用する場合、イミド化の温度を300℃以上420℃以下の範囲内に設定することが好ましく、320℃以上380℃以下の範囲内がより好ましく、さらに、支持基材を構成するポリイミド樹脂のTg以上の温度まで加熱することが望ましいことが確認された。
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく種々の変形が可能であり、そのような変形は本発明の範囲に含まれるものである。
1…支持基材、3…ポリアミド酸層、5…ポリイミドフィルム層、7…ポリイミドフィルム

Claims (3)

  1. ポリイミドフィルムの製造方法であって、
    a)表側と裏側の両面にポリイミド樹脂表面を有する支持基材の片方の面に、ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥し、ポリアミド酸層を形成する工程、
    b)前記ポリアミド酸層を熱処理することによってイミド化し、前記支持基材の上にポリイミドフィルムを積層形成する工程、および、
    c)前記ポリイミドフィルムを前記支持基材から剥離する工程、
    を備え、
    前記工程cの後、前記工程aから工程cを一つのサイクルとしてさらに1サイクル以上を行うとともに、直前のサイクルの前記工程cで前記ポリイミドフィルムを剥離した側の面とは反対側の前記支持基材の面を使用して、次のサイクルの工程aを行うことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 前記工程bの熱処理を、300℃以上420℃以下の範囲内の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 前記支持基材が長尺のフィルム状に形成されており、前記各工程をロール・トウ・ロール方式で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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