JP4929596B2 - ポリイミドフィルムとその製造方法 - Google Patents
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Description
これらポリイミドフィルム上への金属箔や金属薄膜層の積層は、高温例えば300℃程度の温度さらされる場合が多く、高温での処理によるほど金属層とポリイミドフィルムとの密着性が向上する傾向を有するが、金属との高温度での密着性が得られても、基板フィルムであるポリイミドフィルムと金属との線膨張係数との差が大きければ、高温から低温への変化すなわち積層時から使用時、その後の回路作成や絶縁処理などの工程での高温処理時から常温への冷却時などのように高温〜低温、又は低音〜高温の温度変化にさらされた状態で、金属と基板との間で膨張収縮挙動に差が生じて剥離や皺などの回路としての致命的欠陥が発生する。それゆえに、基板としてのポリイミドフィルムの線膨張係数を金属の線膨張係数に近づける努力もなされている。
しかし、線膨張係数として知られている所定温度範囲における線膨張係数の平均値としての線膨張係数が上記したように金属との間で大差がないフィルムを選定した場合においても、フィルムの各温度に対する各CTE値のプロットにおいては、金属のプロットと乖離するものであった。すなわち、ポリイミドフィルムの各温度に対する各CTE値のプロットにおいては、金属と異なり大きな屈曲点を有するものであった。すなわち100〜350℃での温度に対するCTE値の微分係数が−0.20(ppm/℃2)以下の値を有するフィルムであり、低温から高温への温度変化や高温から低温への温度変化において金属との膨張・収縮挙動に差が生じ結果として剥離や皺などの回路としての致命的欠陥が発生するものであった。
すなわち本発明は、ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドのフィルムであって、該フィルムの100〜350℃における線膨張係数の平均値が6〜25ppm/℃の範囲にあり、前記100〜350℃における線膨張係数における各温度に対する各線膨張係数のプロットにおいて10℃間隔で測定及び算出される線膨張係数の微分係数の全てが−0.20〜+0.70ppm/℃2であるポリイミドフィルムであり、またポリイミドフィルムがベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が、全ジアミンの10〜90mol%の範囲であるジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドのフィルムである前記のポリイミドフィルムである。
また、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ベンゾオキサゾール構造を有さない芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比(ジアミン換算のmol比)で混合し、該混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、該グリーンフィルムを150〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなす前記のポリイミドフィルムの製造方法である。
この100〜350℃における線膨張係数の平均値は、好ましくは11〜21ppm/℃の範囲である。
本発明のポロイミドフィルムは金属と同じように、基本的に線膨張係数における各温度に対する各線膨張係数のプロットにおいて屈曲点を有しない。例えば図1における比較例1や比較例2の線膨張係数の温度に対するプロットにおいて山と谷を有しており、この山と谷とを構成する屈曲点が線膨張係数の温度に対するプロットにおいて存在しない。本発明のポリイミドフィルムは100〜350℃における線膨張係数の微分係数が、基本的には0から僅かにプラス側に存在するいわゆる漸増プロットを描くものであるが、100〜350℃における線膨張係数の微分係数が僅かなマイナス値を有する場合もある。本発明におけるポリイミドフィルムは、100〜350℃において10℃間隔で測定及び算出される流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の線膨張係数の微分係数が全てが−0.20ppm/℃2以上であり、より好ましくは−0.15ppm/℃2以上である(図2参照)。線膨張係数の微分係数が+0.70ppm/℃2より大きい場合も金属薄膜積層との密着性が低下し、金属薄膜層の剥がれや皺の発生につながるので好ましくない。
上述の「反応」は、特に限定はされないが、好ましくは溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得て、次いで、このポリアミド酸溶液からグリーンフィルムを成形した後に脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
本発明においては、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ベンゾオキサゾール構造を有さない芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比で混合し、混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、このグリーンフィルムを150〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなす方法が好ましく採用される。
上記の特定ジアミンを所定範囲内で使用することで本発明の特定線膨張係数の特性を有するポリイミドフィルムが容易に得られ、所定範囲外ではこれらの特定線膨張係数の特性を有しかつ機械的強度、高い剛性、強度を有するポリイミドフィルムを作成することが困難となる。
本発明においてベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が所定割合で使用することが好ましい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが2.0以上が好ましく、3.0以上がさらに好ましく、なおさらに4.0dl/g以上が好ましい。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
熱風乾燥を行う場合は、グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、グリーンフィルム表裏面のイミド化率の範囲及びその差を所定範囲にするために、支持体の上面/下面の温度差を10℃以下、好ましくは5℃以下に制御するのが好ましく、上面/下面の熱風温度を個別にコントロールすることにより、当該温度差を制御すること必要である。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃程度であるが、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
熱閉環法とは、ポリアミド酸を加熱することでイミド化する方法である。ポリアミド酸溶液に閉環触媒及び脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒及び脱水剤の作用によってイミド化反応を促進しても構わない。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンシート、フィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムは、通常は無延伸フィルムであるが、1軸又は2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
ここで、「プリント配線基板用ベース基板」とは、絶縁板の少なくとも片面に金属層を積層してなる構成の略平板状の基板である。積層される金属層は、エッチング等の加工によって回路を形成することが意図される回路用の金属層であってもよいし、特に後加工をせずに絶縁板と一緒になって放熱等の目的に用いられる金属層であってもよい。
「プリント配線基板用ベース基板」の用途としては、FPC、TAB用キャリアテープ、COF用基材、CSP用基材等が、カール度が小さいという本発明のポリイミドフィルムの特徴を活かすことができるため好ましい。
・接着剤を用いて、ポリイミドフィルムに金属板を貼り付ける手段、
・ポリイミドフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空コーティング技術を用いて金属薄膜層を形成する手段、
・無電解めっき、電気めっきなどの湿式メッキ法により金属層をポリイミドフィルムに形成する手段。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによってポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を積層することができる。
この場合、下地金属としてはCu、Ni、Cr、Mo、Zn、Ti、Ag、Au、Fe等の単体又は合金を用いることができる。また、下地金属の上に導電化層としてCu等の良導体をさらにスパッタリングにて付着させてもよい。
下地層及び導電化層の厚さは、好ましくは100〜5000Åである。
電気めっきする金属としては、Cuが好ましい。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により25℃で測定した。
( ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がDMAcの場合はDMAcを使用してポリマーを溶解測定した。)
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1245D)を用いて測定した。
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にて流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、・・・と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃〜350℃までの全測定値の平均値を線膨張係数の平均値として算出した。MD方向、TD方向の意味は上記「3.」の測定と同様である。
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にて流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、・・・と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃〜350℃までの各測定値を温度に対して微分演算処理をして100℃〜350℃までの各10℃の間隔での温度における線膨張係数の微分係数を算出した。図1及び図2にその概略を示す。実施例、比較例における線膨張係数の微分係数の最低値及び最大値は、この温度範囲で10℃の間隔で測定及び算出したMD方向及びTD方向の線膨張係数の微分係数の最低値及び最大値を示すものである。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
フィルムの反り(カール度)とは、所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図3に示すように50mm×50mmの試験片を、400℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値を反り(カール量)(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対する反り(カール量)の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
反り(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
得られたポリイミドフィルムの少なくとも長さ1mを採取し、水平面に静置して、特に幅方向でのねじれとうねりを目視観察し、ほとんどねじれとうねりが観察されないものを◎、ねじれとうねりが僅かに観察できるものを△、ねじれとうねりが多く観察できるものを×として判定した。
得られた金属薄膜層積層ポリイミドフィルムの少なくとも長さ0.3mを採取し、水平面に静置して、金属薄膜層の剥がれと皺とを目視観察し、ほとんど剥がれと皺が観察されないものを◎、剥がれと皺が僅かに観察できるものを△、剥がれと皺が多く観察できるものを×として判定した。
(ポリアミド酸の重合−1)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N、N−ジメチルアセトアミド8000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(A)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.0dl/gであった。
(ポリアミド酸の重合−2)
ピロメリット酸無水物545質量部、4,4'ジアミノジフェニルエーテル500質量部を5000質量部のN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(B−1)を得た。得られた溶液のηsp/Cは2.2dl/gであった。
(ポリアミド酸の重合−3)
テトラカルボン酸二無水物として3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物398質量部、パラフェニレンジアミン147質量部を4600質量部のN、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(B−2)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.0dl/gであった。
各参考例で得られたポリアミド酸溶液を表1、2に示す割合で混合し、ポリアミド酸溶液をコンマコーターを用いて幅600mm、厚さが12μmの銅箔の片面に塗膜乾燥厚さが24μmとなるようにコーティングして110℃で60分間乾燥して各ポリイミド前駆体フィルムであるグリーンフィルムを得て、このグリーンフィルムを窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段、第2段の2段階の高温加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各例のポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの測定結果を表1、2に記載する。
各ポリイミドフィルムを使用し、ポリイミドフィルムを真空スパッタ装置に装填し、ポリイミドフィルム走行速度4.5m/分、真空薄膜形成スパッタ時の雰囲気をアルゴンガス下で2.7×10-1Pa、アルゴン/水の存在比が96/0.5(質量比)において、投入電力を4.5W/cm2とし、Cu薄膜層を110nm厚さで形成し各ポリイミドフィルムの銅薄膜積層体を得た。得られた核銅薄膜積層体の表面抵抗値は0.29Ω/□であった。これらの各ポリイミドフィルムの銅薄膜積層体における銅薄膜層の剥がれと皺を評価した。その結果を表1、2に示す。
<キャリアテープ及び半導体回路素子パッケージの製造例>
実施例、比較例により得られた各ポリイミドフィルムを用いTAB用キャリアテープを作製した。
まず幅140mmにスリットした各ポリイミドフィルムの表面に接着剤として、東洋紡績株式会社製RV50を塗布厚さ35μmとなるように塗布し、80℃のドライオーブンにて15分間乾燥させ、連続パンチング機にて、搬送用のスプロケット孔、及びデバイスホールの打ち抜きを行った。
次いで、ジャパンエナジー製圧延銅箔、BHY−22−T(18μm)の接着処理面と前記フィルムの接着剤塗布面とを合わせ、シリコンゴムローラ式のラミネータにてロール温度120℃、送り速度60cm/分にてラミネートし、巻き取り後、真空乾燥器内にて150℃5時間処理して接着剤を硬化させた。
次に、デバイスホールの裏側に相当する箇所に、エッチングレジストインキをスクリーン印刷し、紫外線にて硬化させた。さらに圧延銅箔の表面にフォトレジストを塗布し、所定のパターンを露光して現像を行なった後、パターニングしたレジストをマスクとし、塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング処理を施した。 最後にインナーリード部分とアウターリード部分に厚さ1.5μmの錫めっきを施し、50枚のTAB用キャリアテープを作成した。得られたテープの最も線幅の細い部分は線幅/線間=60/60μmである。
得られたキャリアテープに半導体チップを搭載し、ギャングボンディングを用いてボンディング処理を施した後、ポッティング法による樹脂封止を行なって半導体回路素子パッケージを製作した。得られた半導体回路素子パッケージのインナーボンディング側の接点数は256である。
上記のようにして得られた各ポリイミドフィルムからのパッケージをエタック製温度サイクル試験装置に装填して加熱冷却試験を実施した。試験は、−50℃の低温と150℃の高温との間を30分ごとに繰り返して加熱冷却させることによって行なった。試験時間は3000時間とした。試験後に導通検査を行い、接続点の不良率を求めた。実施例各例からのものは0であった。この不良率0の原因の主点は加熱冷却の繰り返しによるフィルムの線膨張係数における特性がフィルムの反りやカールが少ない点とが寄与したものと考えられる。
一方同様にして比較例のポリイミドフィルムを使用した以外は上記と同様にして半導体回路素子パッケージを製作し、同様にして接続点の不良率を求めたところ20〜7000ppmであった。
<金属化フィルムの製造法>
実施例、比較例により得られた各ポリイミドフィルムを25cm×25cmの正方形に切り取り、直系24cmの開口部を有するステンレス製の枠に挟んで固定した。次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はキセノンガス中で、周波数13.56MHz、出力100W、ガス圧0.8Paの条件であり、処理時の温度は25℃、処理時間は5分間であった。
次いで、周波数13.56MHz、出力400W、ガス圧0.8Paの条件、ニッケル−クロム(3%)合金のターゲットを用い、キセノン雰囲気下にてRFスパッタ法により、10Å/秒のレートで厚さ50Åのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、基板の温度を250℃に上げ、100Å/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.5μmの銅薄膜(導電化層)を形成させた。
得られた各金属化フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、引き続き300℃で10分間熱処理し目的とする各例のポリイミドフィルムからの金属化ポリイミドフィルムを得た。
得られた実施例各例の金属化フィルムは金属層の剥がれや皺やひびの発生のないものであった。
一方比較例のフィルムを使用する以外は同様にして金属化フィルムを得たが、金属層の剥がれやひびの発生が見られた。これらの金属層の剥がれや皺やひびの発生の差異はベースフィルムであるポリイミドフィルムの線膨張係数における特性と反りやねじれの発生の大小に起因するものと考えられる。
ポリイミドフィルムと積層された金属薄膜の品質やフィルムとの密着性にすぐれフレキシブルプリント配線基板などの電気・電子材料の部材として広く使用できる。
2: アルミナ・セラミック板
Claims (3)
- ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドのフィルムであって、該フィルムは、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールとピロメリット酸無水物とを反応させて得られるポリアミド酸と、ピロメリット酸無水物と 4,4'ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリアミド酸を混合した、混合物を反応させて得られるポリイミドフィルムからなり、該フィルムの100〜350℃における各線膨張係数の平均値がいずれも6〜25ppm/℃であり、かつ100〜350℃における10℃間隔で測定及び算出される線膨張係数の微分係数の全てが−0.20〜+0.70ppm/℃2であることを特徴とするポリイミドフィルム。
- ポリイミドが、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが、全ジアミンの10〜90mol%の範囲であるジアミン類とピロメリット酸無水物とを反応させて得られるポリイミドである請求項1記載のポリイミドフィルム。
- 5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールとピロメリット酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ピロメリット酸無水物と5、4,4'ジアミノジフェニルエーテルとを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比(ジアミン換算のmol比)で混合し、該混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、該グリーンフィルムを150〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなすことを特徴とする請求項1又は2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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