JP4929596B2 - ポリイミドフィルムとその製造方法 - Google Patents

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本発明はフレキシブルプリント配線板(フレキシブルプリント回路)、などの電子部品の基材として好適である特定の線膨張係数(CTEないしCTE値とも記す)とその特異性を付与された、特に高温での反りやカールの少ない金属薄膜層との積層において優れた耐熱密着対応性を有するポリイミドフィルムに関する。
情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料として、従来、セラミックが用いられていた。セラミックからなる基材は耐熱性を有し、近年の情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得る。しかし、セラミックはフレキシブルでなく、薄くできないので使用できる分野が限定される。
そのため、有機材料からなるフィルムを電子部品の基材として用いる検討がなされ、ポリイミドからなるフィルム、ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムが提案されている。ポリイミドからなるフィルムは耐熱性に優れ、また、強靭であるのでフィルムを薄くできるという長所を備える一方、高周波の信号への適用において、信号強度の低下や信号伝達の遅れなどといった問題が懸念される。ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムは、高周波にも対応し得るが、弾性率が低いのでフィルムを薄くできない点、表面への金属導体や抵抗体などとの接着性が悪いという点、線膨張係数が大きく温度変化による寸法変化が著しくて微細な配線をもつ回路の製造に適さない点等が問題となり、使用できる分野が限定される。このように、耐熱性、高周波対応、フレキシブル性を両立した基材用のフィルムは未だ得られていない。
また、弾性率を高くしたポリイミドフィルムとして、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムが提案されている(特許文献1参照)。このポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを誘電層とするプリント配線板も提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。
特開平6−56992号公報 特表平11−504369号公報 特表平11−505184号公報
しかし、フレキシブルプリント配線板に代表されるように、これらの電子部品は殆ど銅などの電導性金属の薄膜層を誘電層、絶縁層としてのポリイミドフィルム上に籍そうした形態を有するものである。従来公知のポリイミドフィルムやポリイミドベンゾオキサゾールフィルムからなる基材の使用は、その軽量、可撓性から広く採用さて来ている。
これらポリイミドフィルム上への金属箔や金属薄膜層の積層は、高温例えば300℃程度の温度さらされる場合が多く、高温での処理によるほど金属層とポリイミドフィルムとの密着性が向上する傾向を有するが、金属との高温度での密着性が得られても、基板フィルムであるポリイミドフィルムと金属との線膨張係数との差が大きければ、高温から低温への変化すなわち積層時から使用時、その後の回路作成や絶縁処理などの工程での高温処理時から常温への冷却時などのように高温〜低温、又は低音〜高温の温度変化にさらされた状態で、金属と基板との間で膨張収縮挙動に差が生じて剥離や皺などの回路としての致命的欠陥が発生する。それゆえに、基板としてのポリイミドフィルムの線膨張係数を金属の線膨張係数に近づける努力もなされている。
しかし、線膨張係数として知られている所定温度範囲における線膨張係数の平均値としての線膨張係数が上記したように金属との間で大差がないフィルムを選定した場合においても、フィルムの各温度に対する各CTE値のプロットにおいては、金属のプロットと乖離するものであった。すなわち、ポリイミドフィルムの各温度に対する各CTE値のプロットにおいては、金属と異なり大きな屈曲点を有するものであった。すなわち100〜350℃での温度に対するCTE値の微分係数が−0.20(ppm/℃2)以下の値を有するフィルムであり、低温から高温への温度変化や高温から低温への温度変化において金属との膨張・収縮挙動に差が生じ結果として剥離や皺などの回路としての致命的欠陥が発生するものであった。
本発明は、耐熱性、フレキシブル性をより高いレベルで両立し、かつ金属との積層における工程での温度変化に対応し得る金属との密着において高温〜低温までの密着性に優れた耐熱密着対応性のポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構造の芳香族ジアミン類を芳香族テトラカルボン酸類と反応させた特定ポリアミド酸溶液と他のポリアミド酸溶液とを所定範囲内で混合した混合溶液からポリイミド前駆体フィルムである自己支持性のグリーンフィルムを得てこれをイミド化することで、100〜350℃において所定範囲の線膨張係数の平均値を有し、かつ各温度に対する各線膨張係数値のプロットにおいて屈曲点を有しない、すなわち100〜350℃での線膨張係数の微分係数(dCTE/dT)が−0.20ppm/℃2以上のフィルムとなることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドのフィルムであって、該フィルムの100〜350℃における線膨張係数の平均値が6〜25ppm/℃の範囲にあり、前記100〜350℃における線膨張係数における各温度に対する各線膨張係数のプロットにおいて10℃間隔で測定及び算出される線膨張係数の微分係数の全てが−0.20〜+0.70ppm/℃2であるポリイミドフィルムであり、またポリイミドフィルムがベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が、全ジアミンの10〜90mol%の範囲であるジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドのフィルムである前記のポリイミドフィルムである。
また、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ベンゾオキサゾール構造を有さない芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比(ジアミン換算のmol比)で混合し、該混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、該グリーンフィルムを150〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなす前記のポリイミドフィルムの製造方法である。
本発明のフィルムは、従来公知のポリイミドフィルムに比べて、高い剛性、強度、耐熱性を有し、かつ銅などの金属の線膨張係数の平均値に近い線膨張係数の平均値を有しており、かつ各温度に対する各線膨張係数値のプロットにおいて、100〜350℃における線膨張係数の微分係数が−0.20ppm/℃2以上であって大きな屈曲が無く金属との積層において高温〜低温までの温度変化に対して密着性が損なわれないので、電子機器への使用やその他の電子機器への使用に好適である。特にフレキシブルな電子回路基板の基材として有用である。
本発明のポリイミドフィルムは、100〜350℃における流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の線膨張係数の各平均値がいずれも6〜25ppm/℃の範囲にあり、かつ100〜350℃において10℃間隔で測定及び算出される流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の線膨張係数の微分係数が全て−0.20〜+0.70ppm/℃2であるポリイミドフィルムである。100〜350℃における線膨張係数の平均値が6〜25ppm/℃の範囲にあることが必須であり、この範囲に100〜350℃における線膨張係数の平均値が存在することで該ポリイミドフィルムに積層される銅などの線膨張係数と同程度の値となり、温度変化に対する膨張・収縮挙動が極端に差異を有せず、結果として積層による金属の剥がれや皺などが生じにくくなるものと考えられる。
この100〜350℃における線膨張係数の平均値は、好ましくは11〜21ppm/℃の範囲である。
本発明のポリイミドフィルムは、上記100〜350℃における線膨張係数の平均値が6〜25ppm/℃の範囲にあることに加えて、前記100〜350℃における線膨張係数における各温度に対する各線膨張係数のプロットにおいて大きな屈曲点を有しないことを特徴とするもので、すなわち本発明のポリイミドフィルムは、100〜350℃において10℃間隔で測定及び算出される流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の線膨張係数の微分係数の全てが−0.20〜+0.70ppm/℃2であるポリイミドフィルムである。これによって単に100〜350℃における線膨張係数の平均値が6〜25ppm/℃の範囲にあることでは得られなかった金属薄膜積層における密着性が得られ、金属薄膜層の剥がれや皺の発生が極端に抑制し得るものとなる。
本発明のポロイミドフィルムは金属と同じように、基本的に線膨張係数における各温度に対する各線膨張係数のプロットにおいて屈曲点を有しない。例えば図1における比較例1や比較例2の線膨張係数の温度に対するプロットにおいて山と谷を有しており、この山と谷とを構成する屈曲点が線膨張係数の温度に対するプロットにおいて存在しない。本発明のポリイミドフィルムは100〜350℃における線膨張係数の微分係数が、基本的には0から僅かにプラス側に存在するいわゆる漸増プロットを描くものであるが、100〜350℃における線膨張係数の微分係数が僅かなマイナス値を有する場合もある。本発明におけるポリイミドフィルムは、100〜350℃において10℃間隔で測定及び算出される流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の線膨張係数の微分係数が全てが−0.20ppm/℃2以上であり、より好ましくは−0.15ppm/℃2以上である(図2参照)。線膨張係数の微分係数が+0.70ppm/℃2より大きい場合も金属薄膜積層との密着性が低下し、金属薄膜層の剥がれや皺の発生につながるので好ましくない。
本発明のポリイミドフィルムは、ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドからなり、かつ、特定の構造をもつ芳香族ジアミン類を特定割合で有する芳香族ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドフィルムである。
上述の「反応」は、特に限定はされないが、好ましくは溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得て、次いで、このポリアミド酸溶液からグリーンフィルムを成形した後に脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
本発明においては、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ベンゾオキサゾール構造を有さない芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比で混合し、混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、このグリーンフィルムを150〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなす方法が好ましく採用される。
ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ベンゾオキサゾール構造を有さない芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比で混合し、混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、このグリーンフィルムを150℃〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなす方法において、A:Bの混合比は好ましくはA:Bが25〜90:75〜10のmol比であり、さらに好ましくはA:Bの混合比はA:Bが50〜90:50〜10のmol比である。
上記の特定ジアミンを所定範囲内で使用することで本発明の特定線膨張係数の特性を有するポリイミドフィルムが容易に得られ、所定範囲外ではこれらの特定線膨張係数の特性を有しかつ機械的強度、高い剛性、強度を有するポリイミドフィルムを作成することが困難となる。
本発明においてベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が所定割合で使用することが好ましい。
本発明で所定割合で好ましく使用するベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明は、前記ジアミンとは別に下記の芳香族ジアミンを使用してもよい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ビフェニル、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4'−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5'−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5'−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル及び上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で用いられるテトラカルボン酸無水物類は、好ましくは芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマー及び生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜70時間連続して撹拌及び/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、例えば芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが2.0以上が好ましく、3.0以上がさらに好ましく、なおさらに4.0dl/g以上が好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量を制御することにより表裏面のイミド化率とその差が所定の範囲のグリーンフィルムを得ることができる。具体的には、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量は、好ましくは25〜50質量%であり、より好ましくは35〜50質量%とするグリーンフィルムの製法である。当該残留溶媒量が25質量%より低い場合は、グリーンフィルム一方の側のイミド化率が相対的に高くなりすぎ、表裏面のイミド化率の差が小さいグリーンフィルムを得ることが困難になるばかりか、分子量低下により、グリーンフィルムが脆くなりやすい。また、50質量%を超える場合は、自己支持性が不十分となり、フィルムの搬送が困難になる場合が多い。
乾燥後の全質量に対する残留溶媒量が所定の範囲であるグリーンフィルムを得るための乾燥条件としては、例えば、N−メチルピロリドンを溶媒として用いる場合は、乾燥温度は、好ましくは70〜130℃、より好ましくは75〜125℃であり、さらに好ましくは80〜120℃である。乾燥温度が130℃より高い場合は、分子量低下がおこり、グリーンフィルムが脆くなりやすい。また、グリーンフィルム製造時にイミド化が一部進行し、イミド化工程時に所望の物性が得られにくくなる。また70℃より低い場合は、乾燥時間が長くなり、分子量低下がおこりやすく、また乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥時間としては乾燥温度にもよるが、好ましくは10〜90分間であり、より好ましくは15〜80分間である。乾燥時間が90分間より長い場合は、分子量低下がおこり、フィルムが脆くなりやすく、また10分間より短い場合は、乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥効率の向上又は乾燥時気泡発生の抑制のために、70〜130℃の範囲で温度を段階的に昇温して、乾燥してもよい。
このような条件を達成する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。
熱風乾燥を行う場合は、グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、グリーンフィルム表裏面のイミド化率の範囲及びその差を所定範囲にするために、支持体の上面/下面の温度差を10℃以下、好ましくは5℃以下に制御するのが好ましく、上面/下面の熱風温度を個別にコントロールすることにより、当該温度差を制御すること必要である。
グリーンフィルムのイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒及び脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒及び脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、ポリイミドフィルム表裏面の表面面配向度の差が小さいポリイミドフィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃程度であるが、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンシート、フィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
熱閉環法とは、ポリアミド酸を加熱することでイミド化する方法である。ポリアミド酸溶液に閉環触媒及び脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒及び脱水剤の作用によってイミド化反応を促進しても構わない。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンシート、フィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
本発明のポリイミドフィルムには、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどしてフィルム表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムは、通常は無延伸フィルムであるが、1軸又は2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
本発明のポリイミドフィルムを用いた例としてプリント配線基板用ベース基板を説明する。
ここで、「プリント配線基板用ベース基板」とは、絶縁板の少なくとも片面に金属層を積層してなる構成の略平板状の基板である。積層される金属層は、エッチング等の加工によって回路を形成することが意図される回路用の金属層であってもよいし、特に後加工をせずに絶縁板と一緒になって放熱等の目的に用いられる金属層であってもよい。
「プリント配線基板用ベース基板」の用途としては、FPC、TAB用キャリアテープ、COF用基材、CSP用基材等が、カール度が小さいという本発明のポリイミドフィルムの特徴を活かすことができるため好ましい。
ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層される金属は特に限定はなく、好ましくは銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどである。積層手段は特に問わず、以下のような手段が例示される。
・接着剤を用いて、ポリイミドフィルムに金属板を貼り付ける手段、
・ポリイミドフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空コーティング技術を用いて金属薄膜層を形成する手段、
・無電解めっき、電気めっきなどの湿式メッキ法により金属層をポリイミドフィルムに形成する手段。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによってポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を積層することができる。
なかでも、金属層を積層する方法としては、スパッタリングにより下地金属層を形成し、電気めっきにて厚付けする方法が好ましい態様として挙げられる。
この場合、下地金属としてはCu、Ni、Cr、Mo、Zn、Ti、Ag、Au、Fe等の単体又は合金を用いることができる。また、下地金属の上に導電化層としてCu等の良導体をさらにスパッタリングにて付着させてもよい。
下地層及び導電化層の厚さは、好ましくは100〜5000Åである。
電気めっきする金属としては、Cuが好ましい。
金属層の厚さは特に制限はないが、当該金属層を回路用(導電性)とする場合には、その金属層の厚さは好ましくは1〜175μmであり、より好ましくは3〜105μmである。金属層を貼合わせたポリイミドフィルムを放熱基板として用いる場合には、金属層の厚さは、好ましくは50〜3000μmである。この金属層のポリイミドと接着される表面の表面粗さについては特に限定されないが、JIS B 0601(表面粗さの定義と表示)における、中心線平均粗さ(以下Raと記載する)及び十点平均粗さ(以下Rzと記載する)で表示される値が、Raについては0.1μm以下、Rzについては1.00μm以下であるものがフィルムと金属層との接着性向上の効果が大きく好ましい。その中でも特にこれらの条件を同時に満足するものが好ましい。なお、Ra及びRzは小さいほど好ましいが、入手・加工の容易さからRaの下限は0.0001μm、Rzの下限は0.001μmが例示される。
本発明で使用する金属層の表面には、金属単体や金属酸化物などといった無機物の塗膜を形成してもよい。また金属層の表面を、カップリング剤(アミノシラン、エポキシシランなど)による処理、サンドプラスト処理、ホ−リング処理、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理などに供してもよい。同様に、ポリイミドフィルムの表面をホ−ニング処理、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理などに供してもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により25℃で測定した。
( ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がDMAcの場合はDMAcを使用してポリマーを溶解測定した。)
2.ポリイミドフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
4.ポリイミドフィルムの線膨張係数の平均値
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にて流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、・・・と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃〜350℃までの全測定値の平均値を線膨張係数の平均値として算出した。MD方向、TD方向の意味は上記「3.」の測定と同様である。
5.ポリイミドフィルムの線膨張係数の微分係数
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にて流れ方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、・・・と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃〜350℃までの各測定値を温度に対して微分演算処理をして100℃〜350℃までの各10℃の間隔での温度における線膨張係数の微分係数を算出した。図1及び図2にその概略を示す。実施例、比較例における線膨張係数の微分係数の最低値及び最大値は、この温度範囲で10℃の間隔で測定及び算出したMD方向及びTD方向の線膨張係数の微分係数の最低値及び最大値を示すものである。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.ポリイミドフィルムの反り
フィルムの反り(カール度)とは、所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図3に示すように50mm×50mmの試験片を、400℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値を反り(カール量)(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対する反り(カール量)の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
反り(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
7.捻じれとうねり
得られたポリイミドフィルムの少なくとも長さ1mを採取し、水平面に静置して、特に幅方向でのねじれとうねりを目視観察し、ほとんどねじれとうねりが観察されないものを◎、ねじれとうねりが僅かに観察できるものを△、ねじれとうねりが多く観察できるものを×として判定した。
8.積層金属薄膜の剥がれと皺
得られた金属薄膜層積層ポリイミドフィルムの少なくとも長さ0.3mを採取し、水平面に静置して、金属薄膜層の剥がれと皺とを目視観察し、ほとんど剥がれと皺が観察されないものを◎、剥がれと皺が僅かに観察できるものを△、剥がれと皺が多く観察できるものを×として判定した。
[参考例1]
(ポリアミド酸の重合−1)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N、N−ジメチルアセトアミド8000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(A)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.0dl/gであった。
[参考例2]
(ポリアミド酸の重合−2)
ピロメリット酸無水物545質量部、4,4'ジアミノジフェニルエーテル500質量部を5000質量部のN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(B−1)を得た。得られた溶液のηsp/Cは2.2dl/gであった。
[参考例3]
(ポリアミド酸の重合−3)
テトラカルボン酸二無水物として3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物398質量部、パラフェニレンジアミン147質量部を4600質量部のN、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(B−2)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.0dl/gであった。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
各参考例で得られたポリアミド酸溶液を表1、2に示す割合で混合し、ポリアミド酸溶液をコンマコーターを用いて幅600mm、厚さが12μmの銅箔の片面に塗膜乾燥厚さが24μmとなるようにコーティングして110℃で60分間乾燥して各ポリイミド前駆体フィルムであるグリーンフィルムを得て、このグリーンフィルムを窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段、第2段の2段階の高温加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各例のポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの測定結果を表1、2に記載する。
各ポリイミドフィルムを使用し、ポリイミドフィルムを真空スパッタ装置に装填し、ポリイミドフィルム走行速度4.5m/分、真空薄膜形成スパッタ時の雰囲気をアルゴンガス下で2.7×10-1Pa、アルゴン/水の存在比が96/0.5(質量比)において、投入電力を4.5W/cm2とし、Cu薄膜層を110nm厚さで形成し各ポリイミドフィルムの銅薄膜積層体を得た。得られた核銅薄膜積層体の表面抵抗値は0.29Ω/□であった。これらの各ポリイミドフィルムの銅薄膜積層体における銅薄膜層の剥がれと皺を評価した。その結果を表1、2に示す。
引張破断強度〜線膨張係数(平均値)の欄において上段は流れ方向(MD方向)、下段は幅方向(TD方向)での値を示す。
引張破断強度〜線膨張係数(平均値)の欄において上段は流れ方向(MD方向)、下段は幅方向(TD方向)での値を示す。
[応用例1]
<キャリアテープ及び半導体回路素子パッケージの製造例>
実施例、比較例により得られた各ポリイミドフィルムを用いTAB用キャリアテープを作製した。
まず幅140mmにスリットした各ポリイミドフィルムの表面に接着剤として、東洋紡績株式会社製RV50を塗布厚さ35μmとなるように塗布し、80℃のドライオーブンにて15分間乾燥させ、連続パンチング機にて、搬送用のスプロケット孔、及びデバイスホールの打ち抜きを行った。
次いで、ジャパンエナジー製圧延銅箔、BHY−22−T(18μm)の接着処理面と前記フィルムの接着剤塗布面とを合わせ、シリコンゴムローラ式のラミネータにてロール温度120℃、送り速度60cm/分にてラミネートし、巻き取り後、真空乾燥器内にて150℃5時間処理して接着剤を硬化させた。
次に、デバイスホールの裏側に相当する箇所に、エッチングレジストインキをスクリーン印刷し、紫外線にて硬化させた。さらに圧延銅箔の表面にフォトレジストを塗布し、所定のパターンを露光して現像を行なった後、パターニングしたレジストをマスクとし、塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング処理を施した。 最後にインナーリード部分とアウターリード部分に厚さ1.5μmの錫めっきを施し、50枚のTAB用キャリアテープを作成した。得られたテープの最も線幅の細い部分は線幅/線間=60/60μmである。
得られたキャリアテープに半導体チップを搭載し、ギャングボンディングを用いてボンディング処理を施した後、ポッティング法による樹脂封止を行なって半導体回路素子パッケージを製作した。得られた半導体回路素子パッケージのインナーボンディング側の接点数は256である。
上記のようにして得られた各ポリイミドフィルムからのパッケージをエタック製温度サイクル試験装置に装填して加熱冷却試験を実施した。試験は、−50℃の低温と150℃の高温との間を30分ごとに繰り返して加熱冷却させることによって行なった。試験時間は3000時間とした。試験後に導通検査を行い、接続点の不良率を求めた。実施例各例からのものは0であった。この不良率0の原因の主点は加熱冷却の繰り返しによるフィルムの線膨張係数における特性がフィルムの反りやカールが少ない点とが寄与したものと考えられる。
一方同様にして比較例のポリイミドフィルムを使用した以外は上記と同様にして半導体回路素子パッケージを製作し、同様にして接続点の不良率を求めたところ20〜7000ppmであった。
[応用例2]
<金属化フィルムの製造法>
実施例、比較例により得られた各ポリイミドフィルムを25cm×25cmの正方形に切り取り、直系24cmの開口部を有するステンレス製の枠に挟んで固定した。次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はキセノンガス中で、周波数13.56MHz、出力100W、ガス圧0.8Paの条件であり、処理時の温度は25℃、処理時間は5分間であった。
次いで、周波数13.56MHz、出力400W、ガス圧0.8Paの条件、ニッケル−クロム(3%)合金のターゲットを用い、キセノン雰囲気下にてRFスパッタ法により、10Å/秒のレートで厚さ50Åのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、基板の温度を250℃に上げ、100Å/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.5μmの銅薄膜(導電化層)を形成させた。
得られた各金属化フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、引き続き300℃で10分間熱処理し目的とする各例のポリイミドフィルムからの金属化ポリイミドフィルムを得た。
得られた実施例各例の金属化フィルムは金属層の剥がれや皺やひびの発生のないものであった。
一方比較例のフィルムを使用する以外は同様にして金属化フィルムを得たが、金属層の剥がれやひびの発生が見られた。これらの金属層の剥がれや皺やひびの発生の差異はベースフィルムであるポリイミドフィルムの線膨張係数における特性と反りやねじれの発生の大小に起因するものと考えられる。
本発明のポリイミドフィルムは、線膨張係数の平均値として銅などの金属のそれと同程度の値を有しており、さらに線膨張係数が広い温度範囲において極端な変化をしないすなわち微分線膨張係数が小さい値とならないものであり、当該ポリイミドフィルムの有する耐熱性に加えて、広い温度範囲で安定した膨張・収縮挙動を示すものであって、金属薄膜積層工程などの低温から高温までに曝される工程など低温から高温に曝される用途に広く使用することができる。
ポリイミドフィルムと積層された金属薄膜の品質やフィルムとの密着性にすぐれフレキシブルプリント配線基板などの電気・電子材料の部材として広く使用できる。
ポリイミドフィルムの100〜350℃における温度と線膨張係数とのプロット図
ポリイミドフィルムの100℃〜350℃における各温度に対する線膨張係数の微分係数のプロット図
ポリイミドフィルムのカール度の測定方法を示した模式図である。(a)は上面図であり、(b)は熱風処理前の(a)におけるa−aで示される断面図であり、(c)は熱風処理後の(a)におけるa−aで示される断面図である。
符号の説明
1: ポリイミドフィルムの試験片
2: アルミナ・セラミック板

Claims (3)

  1. ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドのフィルムであって、該フィルムは、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールとピロメリット酸無水物とを反応させて得られるポリアミド酸と、ピロメリット酸無水物と 4,4'ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリアミド酸を混合した、混合物を反応させて得られるポリイミドフィルムからなり、該フィルムの100〜350℃における各線膨張係数の平均値がいずれも6〜25ppm/℃であり、かつ100〜350℃における10℃間隔で測定及び算出される線膨張係数の微分係数の全てが−0.20〜+0.70ppm/℃2であることを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. ポリイミドが、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが、全ジアミンの10〜90mol%の範囲であるジアミン類とピロメリット酸無水物とを反応させて得られるポリイミドである請求項1記載のポリイミドフィルム。
  3. 5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールとピロメリット酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ピロメリット酸無水物と5、4,4'ジアミノジフェニルエーテルとを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜90:90〜10のmol比(ジアミン換算のmol比)で混合し、該混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、該グリーンフィルムを150〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなすことを特徴とする請求項1又は2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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