JP4977953B2 - ポリイミド前駆体フィルム、ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミドフィルム - Google Patents
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Description
また、二軸延伸する工程は複雑であり、設備も高価であるという問題もあった。
ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムは従来のポリイミドフィルムに比べて耐熱性も優れているので、熱加工する時に発生するカールは抑制される傾向にあるが、電子機器の小型化、配線の高密度化が進むに伴い、更なる改良が求められている。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とが重縮合してなるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を支持体に塗布流延乾燥した自己支持性を有するポリイミド前駆フィルム体あって、前記ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)の面配向度をIaとし、他一方の面(B面)の面配向度をIbとするとき、Ia、Ib共に1以上2.5以下でありかつIa、Ibの両者の差が0.5以下であることを特徴とするポリイミド前駆体フィルム。
(2)芳香族ジアミン類が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類である、前記(1)記載のポリイミド前駆体フィルム。
(3)前記(1)記載のポリイミド前駆体フィルムをイミド化してポリイミドフィルムを製造することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
(4)前記(3)記載の製造方法で得られたカール度が5%以下でありかつ引張弾性率が5GPa以上であるポリイミドフィルム。
また、係るポリイミドフィルムの製造方法においては、ポリイミド前駆体フィルムの表裏の面配向度の差を制御するために、二軸延伸などの煩雑な工程を要することなく製造することができるという利点がある。
さらに、本発明で得られるポリイミドフィルムは、フィルム表裏の配向の絶対値差を容易に小さく制御することができる。したがって、フィルム内部に内在している応力も小さいため、配向性が影響される300℃を超えるような高温で処理したとしても、カールの発生を最小限に抑制することができるため、FPCやTABキャリアテープの製造に適するという利点を有する。
本発明のポリイミドフィルムは、芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを重縮合させて得られるポリイミドからなる略平板状のフィルムであり、カール度が5%以下でありかつ引張弾性率が5GPa以上であるという、従来にない優れた熱変形安定性を有する。
本発明において、フィルムのカール度とは、所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図1に示すように50mm×50mmの試験片を、400℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値をカール量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対するカール量の百分率(%)で表される値である。
具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
具体的測定法は、FT−IR(測定装置:Digilab社製、FTS−60A/896等)により偏光ATR測定を、一回反射ATRアタッチメントをgolden gate MkII(SPECAC社製)、IREをダイアモンド、入射角を45°、分解能を4cm−1、積算回数128回の条件でフィルム表面について測定を行った場合の1480cm−1付近に現れるピーク(芳香環環振動)における各方向の吸収係数(Kx、KyおよびKz)を求め、次式により定義されるものである。(但し、KxはMD方向、KyはTD方向、Kzは厚さ方向の吸収係数をそれぞれ示す。)
面配向度=(Kx+Ky)/2×Kz
一方の面の面配向度と他方の面との面配向度の差とは、本発明の各フィルム(前駆体フィルム、ポリイミドフィルムを含む)における表裏のそれぞれについて面配向度を測定し、その差(大きい値から小さい値を減じた値)で表されるものである。
ポリイミドフィルム表裏の面配向度の差が大きすぎる場合は、フィルム内に内在する応力の表裏の差が大きくなり、加熱処理等した場合にカールが発生しやすくなると考えられる。本発明においては、特定前駆体フィルムをイミド化することで得られたポリイミドフィルムの表裏面配向度の差が2以下となり、ポリイミドフィルムのカール度が5%以下という、FPCやTAB用キャリアテープなどに適した熱変形安定性を達成することができることを見出した。
本発明のポリイミドフィルムにおいて、面配向度が高い方の面の面配向度は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。本発明のポリイミドフィルムの面配向度が高い方の面の面配向度が15より大きくなる場合は、フィルム表裏の面配向度の差を所定の範囲に制御しにくくなるとともに、熱処理(例えば、300℃以上)による熱変形を受けやすくなる。
本発明のポリイミドフィルムの面配向度が高い面の面配向度の下限は特に限定されないが、フィルムの平面性の観点からは、好ましくは1以上であり、より好ましくは3以上であり、さらに好ましくは7.5以上である。
下記のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類および上記芳香族ジアミン類の芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシ基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシ基で置換された芳香族ジアミン類等が挙げられる。
該芳香族ジアミン類は、単独であっても二種以上を用いることも可能である。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上を併用しても構わない。用いられる非芳香族テトラカルボン酸二無水物類としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、
<工程(a)>
芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等が挙げられる。これらの溶媒は,単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)の面配向度をIaとし、他一方の面(B面)の面配向度をIbとするとき、Ia、Ib共に1以上2.5以下でありかつIa、Ibの両者の差が0.5以下である範囲を超えると、ポリイミドフィルム表裏面の面配向度の差を2以下に制御することが極めて困難となるばかりか、カール度が5%を超え引張弾性率が5GPaに満たないポリイミドフィルムとなり易い。
本発明における前記ポリイミド前駆体フィルムを得る方法は特に限定されるものではないが、以下に述べる方法が好ましい方法の例である。
熱風乾燥を行う場合は、ポリイミド前駆体フィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、ポリイミド前駆体フィルム表裏面の面配向度の範囲を所定値内にするために、支持体面の温度(Tb)とポリイミド前駆体フィルム上の雰囲気温度(Ts)との温度を制御するのが好ましい。
工程(b)で得られた表裏面の面配向度の差などが所定の範囲のポリイミド前駆体フィルムをイミド化することで表裏面面配向度の差の小さいカール度の小さいポリイミドフィルムが得られる。その具体的な方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、表裏面の面配向度の差の小さいポリイミドフィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンシート、フィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
本発明の製造方法によって得られるポリイミドフィルムは、面配向度が小さい面を巻内にして管状物に巻き取ることで、更にカール度の小さいポリイミドフィルムを得ることができる。
次に、上述したポリイミドフィルムを用いたプリント配線基板用ベース基板を説明する。
ここで、「プリント配線基板用ベース基板」とは、絶縁板の少なくとも片面に金属層を積層してなる構成の略平板状の基板である。積層される金属層は、エッチング等の加工によって回路を形成することが意図される回路用の金属層であってもよいし、特に後加工をせずに絶縁板と一緒になって放熱等の目的に用いられる金属層であってもよい。
「プリント配線基板用ベース基板」の用途としては、FPC、TAB用キャリアテープ、COF用基材、CSP用基材等が、カール度が小さいという本発明のポリイミドフィルムの特徴を活かすことができるため好ましい。
・接着剤を用いて、ポリイミドフィルムに金属板を貼り付ける手段、
・ポリイミドフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空コーティング技術を用いて金属層を形成する手段、
・無電解めっき、電気めっきなどの湿式メッキ法により金属層をポリイミドフィルムに形成する手段。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによってポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を積層することができる。
この場合、下地金属としてはCu、Ni、Cr、Mo、Zn、Ti、Ag、Au、Fe等の単体又は合金を用いることができる。また、下地金属の上に導電化層としてCu等の良導体をさらにスパッタリングにて付着させてもよい。
下地層および導電化層の厚さは、好ましくは100〜5000Åである。
電気めっきする金属としては、Cuが好ましい。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムのフィルム厚さ
フイルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1245D)を用いて測定した。
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を求めた。
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
試料を下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して下記測定条件で求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
熱分解温度は、充分に乾燥した試料を下記条件でTGA測定(熱天秤測定)して、5%質量減をもって規定した。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
[発明を実施するための最良の形態]において記述したとおりに測定した。
また、本発明におけるポリイミド前駆体フィルム表裏の面配向度の差は、一方の面の面配向度Iaと他方の面の面配向度Ibとの大きい値の面配向度から小さい値の面配向度を減じた値(差)である。
8.ポリイミドフィルムのカール度
[発明を実施するための最良の形態]において記述したとおりに測定した。
TGA装置(MACサイエンス社製TG−DTA2000S)を用い、ポリイミド前駆体フィルムを、窒素気流中にて、室温から10℃/分にて400℃まで昇温、400℃にて30分間保持した後の加熱質量減を測定し、その質量減少率を、質量減少は全て残留溶媒が揮発したものと仮定して、残留溶媒量(質量%)とした。
<重合およびフィルムの製造例1>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン9000質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物485質量部を加え,25℃の反応温度で30時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液が得られた。このもののηsp/Cは4.0dl/gであった。
続いてこのポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で90℃×20分、90℃×20分、90℃×20分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.79、Ibは1.52であり、その差は0.27であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は42.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギ ャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で90℃×10分、100℃×10分、120℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.72、Ibは1.41であり、その差は0.31であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は36.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギ ャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で110℃×10分、110℃×10分、110℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.89、Ibは1.47であり、その差は0.42であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は37.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギ ャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で100℃×10分、120℃×10分、130℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは2.0、Ibは1.39であり、その差は0.61であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は31.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギ ャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で130℃×10分、130℃×10分、130℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.57、Ibは0.93であり、その差は0.64であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は30.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギ ャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で120℃×5分、140℃×5分、150℃×5分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは1.38、Ibは0.85であり、その差は0.53であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は24.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
実施例1で得られたポリアミド酸溶液をステンレスベルトにスキージ/ベルト間のギ ャップを650μmとしてコーティングし、3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で150℃×3分、150℃×3分、150℃×3分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。得られたポリイミド前駆体フィルムのIaは2.62、Ibは1.69であり、その差は0.93であった。またポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は23.0質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、170℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、厚さ25μmの褐色のポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの特性値を表2に示す。
2 アルミナ・セラミック板
Claims (2)
- ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とが重縮合してなるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を支持体に塗布流延乾燥した自己支持性を有するポリイミド前駆フィルム体であって、前記ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)の面配向度をIaとし、他一方の面(B面)の面配向度をIbとするとき、Ia、Ib共に1以上2.5以下でありかつIa、Ibの両者の差が0.5以下である ポリイミド前駆体フィルムを150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理でイミド化してポリイミドフィルムを製造することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
- 請求項1記載の製造方法で得られた、400℃で10分間熱風処理した後のカール度が5%以下であり、かつ引張弾性率が5GPa以上であるポリイミドフィルム。
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