JP2007277493A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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武史 吉田
Tetsuo Okuyama
哲雄 奥山
Toshiyuki Tsuchiya
俊之 土屋
Satoshi Maeda
郷司 前田
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Abstract

【課題】 引張弾性率や引張破断強度に優れ、表面が均一に粗面化されて接着性に優れたポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】 フィルムの厚さが2〜20μm、引張弾性率が5GPa以上、平均表面粗さRaが5〜500nm、(Ra/σ)が2〜5000であるポリイミドフィルムであり、その引張破断強度が300MPa以上、引裂伝播抵抗が80gf/mm以上であり、特に芳香族ジアミン類の残基がベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドからのポリイミドフィルム。ポリイミドフィルムの少なくとも一つの面に対し粒子含有スラリーをフィルム面に噴射するウェットブラスト処理することで粗面化ポリイミドフィルムを得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、引張弾性率や引張破断強度に優れ、表面が均一に粗面化されて接着性に優れたポリイミドフィルムに関する。更に詳しくは、銅などの金属層との接着性に優れるために金属層積層基板特に銅張積層基板の基板フィルムとして使用でき、この銅張積層基板を使用したフレキシブルプリント配線板など回路基板に使用でき、これらに有用な表面が均一に粗面化されて接着性に優れたポリイミドフィルムに関する。
従来、フィルムの接着性を改良する目的で表面を粗面化する方法としては、ポリマー中に粒子を添加し、これを製膜する方法があるが、この処方では表面を均一に粗面化しにくく接着性改善効果は必ずしも満足し得るものではなかった。他の接着性を改良する方法として、フィルム表面を荒らす方法やフィルム表面を電気処理する方法もあり、表面を荒らす方法として、薬液処理およびサンドマットが知られている。しかし電気処理では処理後に水洗工程および乾燥工程を経ると効果が無くなってしまう欠点があった。サンドマットでは直接研磨剤が噴射されるため、噴射部分に応力が集中するため粗大突起ができやすく、さらに薄いフィルムではピンホールが開いてしまうという欠点があった。
ピンホールの発生を避けるため弱めに処理すると、時間が掛かったり、処理斑が出来たり、粗面化効果が低かった。
多くの場合、ポリイミドフィルムは接着剤を介して金属箔と張り合わせたり、直接金属層と積層されたりする。その後金属層をエッチングして回路を形成する。更にポリイミドが露出した部分にICチップなどの半導体を接着剤で接着させる場合、エッチング工程の後、水洗工程および乾燥工程を通るため電気処理は接着改善効果が小さくなる。そこでフィルム表面部分のみを粗面化する方法として薬液処理も知られているが効果が小さかった。
さらに、比重が7以下の研磨剤(800メッシュのアルミナ(硬度9)、2000メッシュのアルミナ(硬度9)、800メッシュの球状シリカ(硬度6)並びに800メッシュ炭酸カルシウム(硬度4)など)を液体に分散し、これを芳香族ポリイミドフィルムの表面に30〜100m/sの速度で照射することでポリイミドフィルム表面を処理し、フィルム表面粗さの関係が所定の式で表される粗面化芳香族ポリイミドフィルム(特許文献1参照)が開示されているが、引張弾性率の高い例えば引張弾性率が5GPa以上のポリイミドフィルムについての開示は無く、かかるスラリーなどを薄いフィルムに強く照射してその表面を粗化する際には、対象フィルムの引張弾性率が低い場合に、表面の均一祖面化が困難でその上対象フィルムの処理中破損が発生しがちとなる課題を有している。
特開2002−60512号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、引張弾性率の高いポリイミドフィルムであって、その表面が均一に粗面化された接着性に優れたポリイミドフィルムを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.ポリイミドフィルムの厚さが2〜20μm、引張弾性率が5GPa以上、Ra(平均表面粗さ)が5〜500nm、Ra/σ((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000であることを特徴とするポリイミドフィルム。
2.ポリイミドフィルムの引張破断強度が300MPa以上、引裂伝播抵抗が80gf/mm以上である前記1記載のポリイミドフィルム。
3.ポリイミドフィルムが芳香族ジアミン類の残基がベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドからのポリイミドフィルムである前記1又は2のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
4.前記1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルムの少なくとも一つの面に銅金属層が形成された銅張積層基板。
5.前記4記載の銅張積層基板を用いて作製された銅張積層体である回路基板。
6.ポリイミドフィルムの少なくとも一つの面に対し、粒子含有スラリーをフィルム面に噴射するウェットブラスト処理することを特徴とする前記1〜3いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
7.ウェットブラスト処理することでフィルムの最表層を0.01〜1μm除去する前記6記載のポリイミドフィルムの製造方法。
8.ウェットブラスト処理のスラリー噴射エアー圧が0.01〜10MPaである前記6又は7いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
9.ウェットブラスト処理に使用するスラリー中の粒子の平均粒子径が、0.5〜500μmである前記6〜8いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
10.ウェットブラスト処理に使用するスラリーのpHが8〜14である前記6〜9いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
本発明のRa(平均表面粗さ)が5〜500nm、Ra/σ((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000、引張弾性率が5GPa以上であるポリイミドフィルムは、例えば10μm程度の薄いポリイミドフィルムであっても引張弾性率が所定値以上保有しているために、ウェットブラスト処理のような過激な処理を受けてもその表面が均一な粗面化状態となるポリイミドフィルムが効率よく生産することができ、得られた均一な粗面化ポリイミドフィルムは、接着性に優れたポリイミドフィルムとなり得、この薄くても均一粗面化状態を保有することで、軽少短薄な回路基板となし得る銅張積層板を効率よく生産し得て、さらにこれを使用して軽少短薄な回路基板とすることができる。
以下、本発明のポリイミドフィルムの厚さが2〜20μm、引張弾性率が5GPa以上、Ra(平均表面粗さ)が5〜500nm、Ra/σ((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000であるポリイミドフィルムについて詳述する。
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムをウェットブラスト処理などの物理的処理を施すことによって得られる。処理前のポリイミドフィルムは、処理後のフィルムの厚さが2〜20μm、引張弾性率が5GPa以上、Ra(平均表面粗さ)が5〜500nm、Ra/σ((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000の特性が得られるものであれば特に限定されない。
本発明のポリイミドフィルムの物理的処理を施す前のフィルムは、まず、(a)芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類とを溶媒中で縮合してポリアミド酸溶液を得て、次いで、(b)ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して自己支持性がでる程度、例えば乾燥後の全重量に対する残留溶媒量が20〜50重量%になる条件で乾燥することによりグリーンフィルムを得て、次いで、(c)グリーンフィルムを最高温度100〜500℃で熱処理して、イミド化反応させることにより製造される。
好ましくは下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせから得られるポリイミドが好ましい例として挙げられる。
A.ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
B.ジアミノジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
D.上記のABCの一種以上の組み合わせ。
中でも特にA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイミドフィルムを製造するための組み合わせが好ましい。
本発明で特に好ましく使用できるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドベンゾオキサゾールに使用される、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類として、下記の化合物が例示できる。
Figure 2007277493
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これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
本発明は、前記事項に限定されず下記の芳香族ジアミンを使用してもよいが、好ましくは全芳香族ジアミンの30モル%未満であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上、併用してのポリイミドフィルムである。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族テトラカルボン酸類は例えば芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 2007277493
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これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸(無水物)類とを反応(重合)させてポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。 これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラムまたはベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
グリーンフィルムを得るための乾燥条件としては、例えば、N−メチルピロリドンを溶媒として用いる場合は、乾燥温度は、好ましくは70〜130℃、より好ましくは80〜125℃であり、さらに好ましくは85〜120℃である。この乾燥温度が130℃より高い場合は、分子量低下がおこり、グリーンフィルムが脆くなりやすい。また、グリーンフィルム製造時にイミド化が一部進行し、イミド化工程時に所望の物性が得られにくくなる。また70℃より低い場合は、乾燥時間が長くなり、分子量低下がおこりやすく、また乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥時間としては乾燥温度にもよるが、好ましくは10〜90分間であり、より好ましくは15〜80分間である。乾燥時間が90分間より長い場合は、分子量低下がおこり、フィルムが脆くなりやすく、また10分間より短い場合は、乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。
乾燥装置は従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。
高温処理によるイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる方法(化学閉環法)を挙げることができる。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜550℃が例示され、好ましくは200〜500℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液のイミド化反応を一部進行させて自己支持性を有する前駆体複合体を形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
本発明のポリイミドフィルムは、引張弾性率が粗面化処理されたフィルムの状態で5GPa以上であることが必須であり、5GPaに満たないものは粗面化状態が満足し得るものであっても、フィルムの部分破損が発生しやすく粗面化フィルムの生産効率が極めて悪い、このポリイミドフィルムの引張弾性率は好ましくは5.5GPa以上であり、さらに好ましくは6.0GPa以上である。好ましい上限は特にないが、通常引張弾性率が20GPaより大きいフィルムは得にくいため、20GPa以下が適当である。粗面化処理前の生フィルムの引張弾性率は5.0GPaを超えるものがこのましい。
本発明のポリイミドフィルムは、引張破断強度は粗面化処理されたフィルムの状態で300MPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは350MPa以上である。
本発明のポリイミドフィルムは、引裂伝播抵抗は粗面化処理されたフィルムの状態で80gf/mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは100gf/mm以上である。
本発明のポリイミドフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、2〜20μmであるが、本発明の主旨からしてより好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは2〜10μmである。
ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度の測定は、測定対象のポリイミドフィルムを、MD方向(長尺フィルムの流れ方向、縦方向)およびTD方向(長尺フィルムの幅方向、横方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とし、引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定する。
引裂き伝播抵抗の測定は、JIS P8116で規定する引裂伝播抵抗の測定法に従い、さらに、引裂伝播抵抗値がフィルム厚さに比例するとして、1.0mm厚さに換算して数値化する。
本発明のポリイミドフィルムの粗面化状態は、Ra(平均表面粗さ)が5〜500nmであり、Ra/σ((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000であることが必須であり、Raはより好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは20〜100nmである。フィルムの表面粗さの測定は、突起の観測方法として直接位相干渉型顕微鏡Micromap(株式会社菱化システム製)を用い、フィルムの表面観察をwave560Mモード、観察視野:133×133μm2で実施する。本発明でのRaは、Micromapでの測定値のSaを意味する。σの評価は、本測定を5回おこない算出した値である。Ra/σが2〜5000であることが必須であり、このRa/σは粗面化の均一性を示すものであり、好ましくは2〜1000であり、さらに好ましくは2〜200である。
本発明の引張弾性率5GPa以上、Ra(平均表面粗さ)が5〜500nm、(Ra/σ)((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000であるポリイミドフィルムの好ましい製造方法は、ポリイミドフィルムの少なくとも一つの面に対し粒子含有スラリーをフィルム面に噴射するウェットブラスト処理する製造方法である。
好ましい態様は、フィルムの最表層を0.01〜1μm除去することを伴う上記のポリイミドフィルムの製造方法である。
また、ウェットブラスト処理のスラリー噴射エアー圧が、0.01〜10MPaである製造方法が好ましく、さらにウェットブラスト処理に使用するスラリー中粒子の平均粒子径が、0.5〜500μmである製造方法が好ましく、ウェットブラスト処理に使用するスラリーのpHが8〜14である製造方法が好ましい。
次に、上述したポリイミドフィルムを用いた銅張積層基板と回路基板のプリント配線基板を説明する。
銅張積層基板は、絶縁基板としてのポリイミドフィルムの少なくとも片面に銅金属層を積層してなる構成の略平板状の基板である。積層される銅金属層は、エッチング等の加工によって回路を形成することが意図される回路用の金属層であってもよいし、特に後加工をせずに絶縁板と一緒になって放熱等の目的に用いられる金属層であってもよい。プリント配線基板の用途としては、FPC、TAB用キャリアテープ等が、高温環境下における膨れや剥がれが小さいという本発明のポリイミドフィルムの特徴を活かすことができるため好ましい。ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層される金属は特に限定はなく、好ましくは銅、アルミニウム、ステンレス鋼などである。 積層方法は特に問わず、接着剤を用いてポリイミドフィルムに金属板を貼り付ける方法、金属板を支持体として、そこにポリアミド酸溶液を塗布して上述のようにイミド化してフィルムを形成させる方法、ポリイミドフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの乾式製膜法(真空コーティング技術)を用いて金属層を形成する方法、無電解めっき、電気めっきなどの湿式メッキ法により金属層をポリイミドフィルムに形成する方法などが挙げられる。
これらの方法を単独で、あるいは組み合わせることによってポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの少なくとも片面に金属層を積層することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるのではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(商品名)1254D)を用いて測定した。
3.表面粗化後のフィルムの外観評価
外観の良否は、ウェットブラスト処理後のフィルムの平面性が保持され円滑に巻取りが可能な場合は良好とし、皺が混入する場合やフィルム裂けなどが発生した場合は不良と判断した。
4.接着性の評価方法
測定対象の金属化フィルム(銅張積層体)を90μm配線幅のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がしたときに要する強度を以って剥離強度とした。測定は、JIS C6481に準じて引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用いて行った。
5.フィルムの表面粗さの測定
突起の観測方法:直接位相干渉型顕微鏡Micromap(株式会社菱化システム製)を用いフィルムの表面観察をwave560Mモード、観察視野:133×133μm2で実施した。本発明での平均表面粗さ(Ra)は、Micromapでの測定値のSaを意味する。σの評価は、本測定を5回おこない算出した。
6.ポリイミドフィルムの引張破断強度、引張弾性率の測定
測定対象のポリイミドフィルムを、MD方向およびTD方向にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
7.引き裂き伝播抵抗の測定
JIS P8116で規定する引裂伝播抵抗の測定法に従い、さらに、引裂伝播抵抗値がフィルム厚さに比例するとして、1.0mm厚さに換算して数値化した。
8.フィルムの表層除去量の測定
フィルム表層の除去量は、フィルムに市販のポリイミド接着テープでマスキングし、ブラスト処理をおこなった後ポリイミド接着テープを剥離することで、ブラスト未処理部位を作製した。処理部位と未処理部位との段差を微細形状測定装置アルファステップIQ(株:KLAテンコール製)を用いて測定し、得られた値をポリイミドの表層除去量とした。
〔ポリアミド酸溶液(1)の重合〕
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、次いで、N−メチル−2−ピロリドン5000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485質量部を加えた。次いで、別に蒸留したN−メチル−2−ピロリドン50質量部に、コロイダルシリカを1000ppm混合して、ホモジナイザーで15分攪拌後加えた後、25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(1)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.1dl/gであった。
〔ポリアミド酸溶液(2)の重合〕
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ピロメリット酸無水物545質量部、4,4’ジアミノジフェニルエーテル500質量部を5000質量部のジメチルアセトアミドに溶解した。次いで、別に蒸留したN−メチル−2−ピロリドン50質量部に、コロイダルシリカを1000ppm混合して、ホモジナイザーで15分攪拌後加えた後、25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(2)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.0dl/gであった。
〔ポリアミド酸溶液(3)の重合〕
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ピロメリット酸無水物545質量部、4,4’ジアミノジフェニルエーテル400質量部と5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール100質量部を5000質量部のジメチルアセトアミドに溶解した。次いで、別に蒸留したN−メチル−2−ピロリドン50質量部に、コロイダルシリカを1000ppm混合して、ホモジナイザーで15分攪拌後加えた後、25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(3)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.5dl/gであった。
〔ポリイミドフィルムA1の作製〕
上記のポリアミド酸溶液(1)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは260μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却し、オンラインで大気圧プラズマ処理を行い厚さ9.8μmの褐色のポリイミドフィルムA1を得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
〔ポリイミドフィルムA2の作製〕
ダイのリップギャップを650μmとすること以外は、上記A1と同様の方法で、厚さ25.1μmの褐色のポリイミドフィルムA2を得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
〔ポリイミドフィルムB1の作製〕
上記のポリアミド酸溶液(2)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは270μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却し、オンラインで大気圧プラズマ処理を行い厚さ10.1μmの褐色のポリイミドフィルムB1を得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
〔ポリイミドフィルムB2の作製〕
ダイのリップギャップを650μmとすること以外は、上記B1と同様の方法で、厚さ24.8μmの褐色のポリイミドフィルムB2を得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
〔ポリイミドフィルムC1の作製〕
上記のポリアミド酸溶液(3)をステンレスベルトにT型ダイを用いてコーティングした。ダイのリップギャップは265μmであった。次いで、90℃にて60分間乾燥することにより得られた自己支持性をもつポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離し、連続式の乾燥炉にて、170℃で3分間、次いで、約20秒間で450℃にまで昇温して450℃にて7分間加熱して、その後、5分間で室温にまで冷却し、オンラインで大気圧プラズマ処理を行い厚さ10.5μmの褐色のポリイミドフィルムC1を得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例1)
基材として、上記のポリイミドフィルムA1を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min、
処理液:純水
処理後のフィルムを30℃で10分間水洗した後、乾燥を80℃で1時間行うことで表面粗化フィルムを得た。
上記表面粗化ポリイミドフィルムに対して、エポキシ系接着剤(東洋紡績株式会社製、UR2700)を塗工して、5分間80℃にすることで接着剤の溶媒を蒸発させた。その後、厚さ35μmの銅箔(株式会社日鉱マテリアルズ製、BHY−22B−T)をラミネーターで積層した。
その後、150℃にて2時間処理することで接着剤を硬化させた。その後、このフィルムを250mm×400mmに切り出すことで、金属化ポリイミドフィルムを得た。
測定対象の金属化ポリイミドフィルムを90μm配線幅のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がしたときに要する強度を以って剥離強度とした。測定は、JIS C6481に準じて引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用いて行った。フィルムの表面性状などの評価、および剥離強度を測定した結果を表2に示す。
(実施例2)
基材として、上記のポリイミドフィルムA1を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.5MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
処理液:純水
以下、実施例1と同様の方法で表面粗化フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
基材として、上記のポリイミドフィルムA1を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
処理液:水酸化ナトリウム水溶液0.01mol/L
以下、実施例1と同様の方法で表面粗化フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
基材として、上記のポリイミドフィルムA2を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
処理液:純水
以下、実施例1と同様の方法で表面粗化フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
基材として、上記のポリイミドフィルムB2を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
処理液:純水
(比較例2)
基材として、上記のポリイミドフィルムA1にウェットブラスト処理を施さずに、エポキシ系接着剤(東洋紡績株式会社製、UR2700)を塗工して、5分間80℃にすることで接着剤の溶媒を蒸発させた。その後、厚さ35μmの銅箔(株式会社日鉱マテリアルズ製、BHY−22B−T)をラミネーターで積層した。
その後、150℃にて2時間処理することで接着剤を硬化させた。その後、このフィルムを250mm×400mmに切り出すことで、金属化ポリイミドフィルムを得た。
測定対象の金属化ポリイミドフィルムを90μm配線幅のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がしたときに要する強度を以って剥離強度とした。測定は、JIS C6481に準じて引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用いて行った。フィルムの表面性状などの評価、および剥離強度を測定した結果を表2に示す。
(比較例3)
基材として、上記のポリイミドフィルムC1を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
処理液:純水
処理後のフィルムは巻き取ることは可能であったが、フィルムの弾性が低いため、搬送中に皺が混入し、外観不良が見られた。
(比較例4)
基材として、上記のポリイミドフィルムB1を用いウェットブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
処理液:純水
処理後のフィルムは、フィルムの弾性が低いため、フィルム裂けが発生し、十分に処理することができなかった。外観不良が見られた。
(比較例5)
基材として、上記のポリイミドフィルムA1を用いサンドブラスト装置を使用して、下記の条件でウェットブラスト処理を実施した。
粒子:平均粒径3μmアルミナ
ノズルスリット巾:1mm/長さ600mm
エアー圧力:0.1MPa
フィルム搬送速度:100mm/min
以下、実施例1と同様の方法で表面粗化フィルムを得た。評価結果を表2に示す。得られたフィルムの外観は良好であったが、ウェットブラストに対して表面粗さのバラツキが大きく均一な粗化処理をすることができなかった。
Figure 2007277493
Figure 2007277493
本発明により、引張弾性率が高いポリイミドフィルムであって均一な粗面化を有するポリイミドフィルムを得ることができ、より接着性が高められた極めて薄いポリイミドフィルムを得ることが可能となり、かかる性能のポリイミドフィルムが効率よく生産することができ、軽少短薄な電子部品のための銅張積層基板、それを使用したフレキシブルプリント回路基板などの回路基板を作製することが可能であり産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (10)

  1. ポリイミドフィルムの厚さが2〜20μm、引張弾性率が5GPa以上、Ra(平均表面粗さ)が5〜500nm、Ra/σ((平均表面粗さ)/(平均表面粗さの標準偏差))が2〜5000であることを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. ポリイミドフィルムの引張破断強度が300MPa以上、引裂伝播抵抗が80gf/mm以上である請求項1記載のポリイミドフィルム。
  3. ポリイミドフィルムが芳香族ジアミン類の残基がベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドからのポリイミドフィルムである請求項1又は2のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルムの少なくとも一つの面に銅金属層が形成された銅張積層基板。
  5. 請求項4記載の銅張積層基板を用いて作製された銅張積層体である回路基板。
  6. ポリイミドフィルムの少なくとも一つの面に対し、粒子含有スラリーをフィルム面に噴射するウェットブラスト処理することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  7. ウェットブラスト処理することでフィルムの最表層を0.01〜1μm除去する請求項6記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  8. ウェットブラスト処理のスラリー噴射エアー圧が0.01〜10MPaである請求項6又は7いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  9. ウェットブラスト処理に使用するスラリー中の粒子の平均粒子径が、0.5〜500μmである請求項6〜8いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  10. ウェットブラスト処理に使用するスラリーのpHが8〜14である請求項6〜9いずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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