JP3168806B2 - ポリイミド共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド共重合体及びその製造方法

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    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れると共
に、柔軟で高い機械的強度及び低い熱膨張係数を有し、
ファインパターン化フレキシブルプリント配線基板等の
基材として好適なポリイミド共重合体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ポリイミド樹脂は非常に優れた耐熱性・耐薬品性・
電気特性・機械的特性その他の優れた諸特性を有してい
ることが知られており、例えば、特公昭36−1099
9号公報に見られるような4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテルとピロメリット酸二無水物とから得られるポ
リイミドが良く知られている。このポリイミドは主鎖に
屈曲性に富むエーテル結合を含むため、全芳香族ポリイ
ミドでありながら可撓性に富むが、その反面弾性率が低
く、線膨張係数が大きく、熱的寸法安定性が悪いもので
ある。
【0003】このため、従来からより優れた熱的寸法安
定性を有し、しかも機械的強度に優れたポリイミド樹脂
の開発に対する要求が高まっており、種々検討が行われ
ている。かかる試みの中で二種以上の芳香族ジアミンを
用い、機械的特性・熱的寸法安定性等の向上を目指す取
り組みが多く見られる。しかしながら、これらの取り組
みのいずれの場合にも上記の熱的寸法安定性と機械的特
性の両者において満足するものではなかった。
【0004】即ち、従来広く使用されているポリイミド
樹脂は線膨張係数が約3×10-5/℃と大きく、熱的寸
法安定性が悪く、金属などと積層した場合に、反りやカ
ールを生ずる問題点を有しており、このためかかる点の
解決が求められていた。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
耐熱性に優れている上、柔軟で機械的強度が高く、かつ
熱的寸法安定性に優れたポリイミド共重合体及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、2−ヒド
ロキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,4’
−ジアミノジフェニルエーテルとを主成分とする芳香族
ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とを重合す
ることにより、下記式(3)と(4)で示される反復単
位を主構成単位とするポリアミド酸共重合体が得られる
こと、このポリアミド酸を熱的又は化学的に脱水閉環す
ることによって、下記一般式(1)で示される反復単位
(A)と下記一般式(2)で示される反復単位(B)と
を主構成単位として含むポリイミド共重合体、好ましく
は下記反復単位(A)と下記反復単位(B)とがモル比
で(A)/(B)=10/90〜90/10である反復
単位を含むポリイミド共重合体が得られること、このポ
リイミド共重合体が耐熱性に優れている上、高い弾性率
と柔軟性を有し、機械的強度が高く、かつ低い熱膨張係
数、低吸水率で熱的寸法安定性に優れていることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
【化2】
【0008】従って、本発明は、上記一般式(1)で示
される反復単位(A)と上記一般式(2)で示される反
復単位(B)とを主構成単位として含むポリイミド共重
合体、好ましくは上記反復単位(A)と反復単位(B)
とがモル比で(A)/(B)=10/90〜90/10
であるポリイミド共重合体、及び、2−ヒドロキシ−
4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテルとを主成分とする芳香族ジアミン
とテトラカルボン酸二無水物とを重合してポリアミド酸
共重合体を得、次いで該ポリアミド酸共重合体を熱的又
は化学的に脱水閉環することを特徴とする上記ポリイミ
ド共重合体の製造方法を提供する。
【0009】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のポリイミド共重合体は、下記一般式(1)
で示される反復単位(A)と下記一般式(2)で示され
る反復単位(B)とを主構成単位として含むものであ
る。
【0010】
【化3】
【0011】この場合、R1は4価の芳香族基を示し、
具体的には後述する芳香族テトラカルボン酸二無水物の
芳香族基に由来するものである。
【0012】ここで、上記反復単位(A)と上記反復単
位(B)とはポリイミド共重合体中にモル比で(A)/
(B)=10/90〜90/10、特に30/70〜8
0/20の割合で存在することが好ましい。反復単位
(A)のモル比が90%を超えると得られるポリイミド
共重合体の柔軟性が低下する場合がある。一方、反復単
位(B)のモル比が90%を超えると、ポリイミド共重
合体の線膨張係数及び弾性率の改善効果が十分に得られ
ない場合がある。
【0013】なお、本発明のポリイミド共重合体は、好
ましくは10モル%を超えない量、より好ましくは5モ
ル%を超えない量で後述する式(3)で示されるジアミ
ン化合物などの多価アミンと芳香族テトラカルボン酸二
無水物との反応生成物に由来する反復単位を含んでいて
もよい。
【0014】上記ポリイミド共重合体は高分子量の重合
体であり、ポリアミド酸としての粘度は、例えば0.5
g/100mlDMF中で測定した場合、測定温度30
℃における対数粘度が0.5〜5であることが好まし
い。
【0015】本発明の上記ポリイミド共重合体は、2−
ヒドロキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルとを主成分とする芳
香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とを好
ましくは有機極性溶媒中で重合してポリアミド酸共重合
体を得、得られたポリアミド酸共重合体を公知の方法で
熱的又は化学的に脱水閉環することによって製造するこ
とができる。
【0016】ここで、芳香族酸テトラカルボン酸二無水
物としては、具体的にピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,1−
ビス(3,4−カルボキシフェニル)エタン二無水物、
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水
物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,7,8−フェニレンテトラカルボン
酸二無水物などを挙げることができ、これら1種を単独
で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0017】また、芳香族ジアミン成分として、2−ヒ
ドロキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルとの二種のジアミン
のみを使用するのが本発明の効果を得るのに最も好まし
いが、必要により下記一般式(3) H2N−R−NH2 …(3) (式中、Rは2価の有機基である。)で表されるジアミ
ン化合物、例えば、4,4’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォ
ン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフォン、ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフォン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−
メチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−クロ
ロ−4−アミノフェニル)メタン、3,3’−ジメトキ
シ−4,4’−ジアミノジフェニル、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロ
ロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,
5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’
−ジアミノオクタフルオロビフェニル、2,4−ジアミ
ノトルエン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレン
ジアミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,
4’−ジアミノベンズアニリド、4,3’−ジアミノベ
ンズアニリド、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス
(4−アミノフェニル)−10−ヒドロ−アントラセ
ン、オルトトリジンスルフォン、更には例えば、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン、3,3’,
4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル等のテトラ
アミン類の一部使用も可能である。2−ヒドロキシ−
4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル以外の多価アミンは、本発明の目
的、効果が達成される範囲内の量で使用できるが、全ア
ミンに対して10モル%を超えない量、好ましくは5モ
ル%を超えない少量が適当である。
【0018】また、有機極性溶媒としては、例えばジメ
チルスルフォキシド等のスルフォキシド系溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド等のホルムアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶
媒、フェノール、o−,m−又はp−クレゾール、キシ
レノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェ
ノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルムアミ
ド、γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、これら
を単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更には
キシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の一部使用
も可能である。
【0019】これらの有機極性溶媒中で0〜70℃、好
ましくは0〜30℃の温度で重合してポリアミド酸が得
られる。重合時間は特に制限されないが、通常2〜20
時間、好ましくは3〜8時間である。なお、このポリア
ミド酸は有機極性溶媒中に5〜30重量%、特に10〜
20重量%の範囲で溶解していることが好ましく、この
ような溶解量となるように原料、有機溶媒の使用量を決
定しておくことが良い。
【0020】このようにして得られたポリアミド酸を常
法に従い、熱的又は化学的に脱水閉環して本発明のポリ
イミド共重合体をフィルム等として得ることができる。
【0021】この場合、熱的な閉環法によるポリイミド
フィルム製造法としては、例えばポリアミド酸をエンド
レスベルト等の支持体に流延又は塗布して膜状とし、そ
の膜を100〜150℃で乾燥し、溶剤を10〜30%
含有する該ポリアミド酸の自己支持性膜を得る。次い
で、この膜を支持体上から引き剥し、端部を固定した
後、約200〜250℃に加熱して溶媒をとばし、更に
300〜450℃で脱水することによりポリイミドフィ
ルムを得ることができる。この熱処理によってイミド環
が形成されると共に、ベンゼン環に結合した−CONH
−基とオルト位にあるOH基の脱水縮合反応によりベン
ズオキサゾール環が形成される。
【0022】また、化学的な脱水閉環法を採用するに際
しては、脱水剤及び触媒を用いる方法が好適である。こ
の場合、脱水剤としては、例えば脂肪族酸無水物、芳香
族酸無水物、N,N−ジアルキルカルボンイミド、低級
脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸ハロゲン化
物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリルフォスフォン
酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物又はそれらの
2種以上の混合物が挙げられる。脱水剤の使用量は、ポ
リアミド酸の繰り返し単位あたり約0.5〜10モル
量、特に2〜6モル量が好ましい。触媒としては、例え
ばトリエチルアミン等の脂肪族第三級アミン、ジメチル
アニリン等の芳香族第三級アミン、ピリジン、β−ピコ
リン、イソキノリン等の複素環式第三級アミンの1種又
はそれらの2種以上の混合物が挙げられる。触媒の使用
量は、ポリアミド酸の繰り返し単位あたり約0.01〜
4モル量、特に0.1〜2モル量が好ましい。なお、こ
の化学的脱水閉環の反応条件は、70〜400℃で0.
2〜20時間、特に100〜300℃で1〜5時間が好
ましい。
【0023】このようにして得られるポリイミド重合体
は、耐熱性に優れ、柔軟性を有し、高い機械的強度と低
い熱膨張係数を有するため、例えば電気絶縁材料やファ
インパターン化フレキシブルプリント配線基板等のフィ
ルム基材として好適であり、この場合フィルムの厚さは
10〜150μm程度とすることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0025】[参考例]まず、下記のように2−ヒドロ
キシ−4,4’−ジアミノベンズアニリドを合成した。
【0026】テトラヒドロフラン500mlに2−アミ
ノ−5−ニトロフェノール77.1g(0.500モ
ル)とトリエチルアミン50.6g(0.520モル)
を溶解し、0℃に冷却後、その中にテトラヒドロフラン
150mlにp−ニトロ塩化ベンゾイル92.8g
(0.500モル)を溶かした溶液を、反応液の温度が
10℃以下になるように滴下した。その後、室温に戻
し、2時間撹拌を続けた。
【0027】次いで、反応液を1リットルのメタノール
中に注ぎ、反応物を析出させ、析出物を濾過し、テトラ
ヒドロフランで洗浄し、更に水、メタノールで洗浄した
後、乾燥して2−ヒドロキシ−4,4’−ジニトロベン
ズアニリドの黄色結晶を得た。その収量は147.7g
(収率97.4%)であった。粗結晶をN,N’−ジメ
チルホルムアミド/メタノールにより再結晶し、純品を
得た。
【0028】1000mlのオートクレーブに上で得ら
れた2−ヒドロキシ−4,4’−ジニトロベンズアニリ
ド70.0g(0.231モル)を5%Pd/C4g、
N,N−ジメチルホルムアミド500mlと共に装入し
た。60℃で激しく撹拌しながら水素を導入し、水素の
吸収が認められなくなるまで撹拌を続けた。
【0029】冷却後濾過して触媒を除去し、減圧濃縮し
て水1000mlへ注ぎ、沈澱物を濾過し、水で洗浄
後、減圧乾燥し、2−ヒドロキシ−4,4’−ジアミノ
ベンズアニリドの赤紫色結晶を得た。収量は53.8g
(収率95.7%)であった。粗結晶を水/メタノール
の混合溶媒により再結晶し、純品を得た。
【0030】[実施例1]500mlのフラスコにN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)142.9g入
れ、窒素ガスを流しながら、2−ヒドロキシ−4,4’
−ジアミノベンズアニリド2.250g(0.0092
5モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル5.
557g(0.02775モル)をDMFに溶解させ
た。次にピロメリット酸二無水物8.070g(0.0
37モル)を加え、25℃で3時間反応させた。
【0031】次に、これらのアミド酸溶液をガラス板上
にアプリケーターで薄く伸ばし、オーブン中110℃、
60分間乾燥してから剥離して、鉄枠に固定し、200
℃、60分、200℃から400℃に昇温しながら60
分、更に400℃で15分脱溶剤イミド化して約25μ
mの厚みのフィルムを得た。
【0032】[実施例2〜3]芳香族ジアミンとして2
−ヒドロキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリドと
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用い、それら
のモル比を表1に示したように種々変えて実施例1と同
様の方法によりフィルムを得た。
【0033】[実施例4]DMFを171.8g使用
し、酸二無水物を3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボンとした以外は実施例2と同様の方法によりフ
ィルムを得た。
【0034】[比較例1]DMFを139.3g使用す
ると共に、芳香族ジアミンとして4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテルのみを用いた以外は実施例1と同様の
方法によりフィルムを得た。
【0035】[比較例2]DMFを153.6g使用す
ると共に、芳香族ジアミンとして2−ヒドロキシ−4,
4’−ジアミノベンズアニリドのみを用いた以外は実施
例1と同様の方法によりフィルムを得た。
【0036】[比較例3]DMFを179.0g使用す
ると共に、酸二無水物を3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とした以外は比較例2と同
様の方法によりフィルムを得た。
【0037】得られたフィルムについて、機械的特性、
線膨張係数を下記のように測定した。測定結果を表1に
併記する。機械的特性(引張強度、弾性率、伸度) ASTM D882−88に基づき測定した。線膨張係数 真空理工(株)製熱分析計TMA−7000を用い、昇
温速度5(℃/分)で150〜200℃での線膨張係数
の平均値を求めた。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果より、本発明のポリイミド共重
合体は、柔軟性を有すると共に機械的強度が良好であ
り、線膨張係数が低く、熱的寸法安定性に優れることが
認められる。
【0040】これに対し、芳香族ジアミンとして4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルのみを用いた場合
(比較例1)は、線膨張係数が大きく、また2−ヒドロ
キシ−4,4’−ジアミノベンズアニリドのみを用いた
場合(比較例2)は、柔軟性が劣り、更に芳香族テトラ
カルボン酸二無水物として3.3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物を用いた場合(比較例
3)も、柔軟性が劣ることが認められる。
【0041】
【発明の効果】本発明のポリイミド共重合体は、耐熱性
に優れると共に、柔軟で高い機械的強度及び低い熱膨張
係数を有し、このためファインパターン化フレキシブル
基板等の基材として好適である。
【0042】また、本発明の製造方法によれば、かかる
ポリイミド共重合体を容易かつ確実に製造することがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 湯山 昌弘 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信越化学工業株式会社 高分子機能性材 料研究所内 (72)発明者 本海 清 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信越化学工業株式会社 高分子機能性材 料研究所内 (56)参考文献 特開 平7−179605(JP,A) 特開 平7−149898(JP,A) 特開 平2−150453(JP,A) 特開 平1−321915(JP,A) 特公 昭45−20508(JP,B1) 特公 昭48−17466(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/10 C08G 73/22 CA(STN) CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される反復単位
    (A)と下記一般式(2)で示される反復単位(B)と
    を主構成単位として含むポリイミド共重合体。 【化1】 (但し、式中R1は4価の芳香族炭化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1の反復単位(A)と反復単位
    (B)とがモル比で(A)/(B)=10/90〜90
    /10である請求項1記載のポリイミド共重合体。
  3. 【請求項3】 2−ヒドロキシ−4,4’−ジアミノベ
    ンズアニリドと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
    とを主成分とする芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二
    無水物とを重合してポリアミド酸共重合体を得、次いで
    該ポリアミド酸共重合体を熱的又は化学的に脱水閉環す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリイミド共重合体
    の製造方法。
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