JP3344101B2 - ポリイミド共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド共重合体の製造方法

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JP3344101B2 JP21782194A JP21782194A JP3344101B2 JP 3344101 B2 JP3344101 B2 JP 3344101B2 JP 21782194 A JP21782194 A JP 21782194A JP 21782194 A JP21782194 A JP 21782194A JP 3344101 B2 JP3344101 B2 JP 3344101B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れると共
に、高い機械的強度、低い熱膨脹係数及び吸水率を有
し、ファインパターン化フレキシブルプリント配線基板
等の基材として好適なポリイミド共重合体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ポリイミド樹脂は非常に優れた耐熱性・耐薬品性・
電気特性・機械的特性、その他優れた諸特性を有してい
ることが知られており、例えば、特公昭36−1099
9号公報に見られるような4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテルとピロメリット酸二無水物から得られる可撓
性に富んだ全芳香族ポリイミド等が良く知られている。
しかし、従来のこの種のポリイミド樹脂は線膨脹係数が
3×10-5/℃と大きく、熱的寸法安定性が悪く、金属
等と積層した場合に反りやカールが生じ易く、また、吸
水率が著しく大きいため、寸法安定性や絶縁性の低下を
生じることから電気的特性が低下するといった問題を生
じている。
【0003】一方、最近において、ポリイミド樹脂が有
する高耐熱性、高い機械的強度を維持しつつより優れた
熱的寸法安定性を有し、かつ低吸湿性のポリイミドに対
する要求が高まっており、このため、種々の検討が行わ
れている。かかる試みの中で、二種類以上の芳香族ジア
ミンを用い、機械的特性・熱的寸法安定性等の向上、低
吸水性への改善を目指す取組みが多く見られる。しかし
ながら、これらの取組みのいずれの場合にも解決課題で
ある熱的寸法安定性と吸水性においてなお十分満足する
ものではなかった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
優れた耐熱性、機械的強度を有し、しかも熱的寸法安定
性が高く、金属と同等の線膨脹係数を有すると共に、低
吸水性を有するポリイミド共重合体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、4,4’
−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ジフェニルエー
テルとp−フェニレンジアミンとを主成分とする芳香族
ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸二無水物とを重合
してポリアミド酸共重合体を得、これを熱的または化学
的に脱水閉環をすることによって、下記一般式(1)で
示される反復単位と下記一般式(2)で示される反復単
位とを主構成単位として含むポリイミド共重合体、好ま
しくは、下記一般式(1)で示される反復単位と下記一
般式(2)で示される反復単位とがモル比で(1)/
(2)=20/80〜85/15である反復単位を含む
ポリイミド共重合体が得られると共に、このポリイミド
共重合体が優れた耐熱性、機械的強度を有し、かつ熱的
寸法安定性が高く、金属と同等の低い線膨脹係数及び低
い吸水率、更に高い弾性率と柔軟性を有し、このため、
ファインパターン化フレキシブルプリント配線基板等の
基材として有効に使用されることを知見し、本発明をな
すに至ったものである。
【0006】
【化2】 (但し、式中Rは4価の芳香族炭化水素基を示す。)
【0007】従って、本発明は、4,4’−ビス(4−
アミノベンゾイルオキシ)ジフェニルエーテルとp−フ
ェニレンジアミンとを主成分とし、他の芳香族ジアミン
化合物の使用量が全芳香族ジアミン化合物に対して10
モル%以下である芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二
水和物とを重合してポリアミド酸を得、次いで該ポリア
ミド酸を熱的又は化学的に脱水閉環し、一般式(1)で
示される反復単位と一般式(2)で示される反復単位と
がモル比で(1)/(2)=20/80〜85/15の
割合である反復単位を主構成成分として含むポリイミド
共重合体を得ることを特徴とする、ポリイミド共重合体
の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のポリイミド共重合体は下記一般式(1)で
示される反復単位と下記一般式(2)で示される反復単
位とを主構成単位として含むものである。
【0009】
【化3】
【0010】上記式中Rは4価の芳香族炭化水素基であ
り、これは後述するテトラカルボン酸二無水物の主骨格
に由来する。
【0011】ここで、上記反復単位(1)と上記反復単
位(2)とはポリイミド共重合体中にモル比で(1)/
(2)=20/80〜85/15、特に40/60〜7
0/30の割合で存在することが望ましい。上記反復単
位(1)のモル比が85%を越えると、ポリイミド共重
合体の線膨脹係数及び弾性率の改善効果が十分に得られ
ない場合があり、また、上記反復単位(2)のモル比が
80%を越えると、ポリイミド共重合体の柔軟性が非常
に低下して成膜できない場合がある。
【0012】本発明のポリイミド共重合体は、上記反復
単位(1),(2)に加え、4,4’−ビス(4−アミ
ノベンゾイルオキシ)ジフェニルエーテルとp−フェニ
レンジアミン以外の他の芳香族ジアミン化合物に由来す
る単位を好ましくは全芳香族ジアミンに由来する単位の
10モル%以下、より好ましくは5モル%以下の割合で
含んでいてもよい。
【0013】上記ポリイミド共重合体は高分子量の重合
体であり、ポリアミド酸としての粘度は、0.5g/1
00mlDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)中で
測定した場合、測定温度30℃における対数粘度が0.
5〜5dl/gであることが好ましい。
【0014】上記ポリイミド共重合体は芳香族ジアミン
と芳香族テトラカルボン酸二無水物とを重合してポリア
ミド酸共重合体を得、このポリアミド酸共重合体を公知
の方法で熱的または化学的に脱水閉環(イミド化)する
ことによって製造することができる。
【0015】ここで、テトラカルボン酸二無水物として
は、具体的にピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)エーテル二無水物、1,1−ビス(3,4
−カルボキシフェニル)エタン二無水物、3,4,9,
10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,7,8−フェニレンテトラカルボン酸二無水物など
を挙げることができ、これら一種を単独で又は二種以上
を組み合せて用いることができる。
【0016】一方、本発明において、芳香族ジアミンと
しては、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルオキ
シ)ジフェニルエーテル及びp−フェニレンジアミンの
みを使用することが最も好ましいが、これらの芳香族ジ
アミンと共にその他の芳香族多価アミン化合物を併用す
ることができる。併用が可能な芳香族ジアミンとして
は、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,
3’−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}スルフォン、ビス{4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルフォン、ビ
ス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}スルフォ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(アミノフェニル)ベンゼン、ビス{4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル}エーテル、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジア
ミノジフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジア
ミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジア
ミノビフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロ−
4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキ
シ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジ
アミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノビフ
ェニル、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニ
ル、2,4’−ジアミノトルエン、メタフェニレンジア
ミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−
ジアミノベンズアニリド、4,3’−ジアミノベンズア
ニリド、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,
2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロ−アントラセン、オルト
トリジンスルフォン等を挙げることができ、また、3,
3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル等の
テトラアミン類の一部の使用も可能である。これらは、
本発明の目的及び効果が達成される範囲内で使用可能で
あるが、これらの他の芳香族ジアミン化合物の使用量は
全芳香族ジアミン化合物に対して10モル%以下、特に
5モル%以下の少量が好ましい。
【0017】従って、本発明のポリイミド共重合体は、
上述したように、上記他の芳香族ジアミン化合物に基づ
くジアミン残基の構造単位を全ジアミン残基の構造単位
量の好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル
%以下の量を含むことができる。
【0018】本発明のポリイミド共重合体を得るに際
し、まず、上記芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物とを反応させてポリアミド酸共重合体
を合成するが、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン
酸二無水物との重合反応は、モル比として芳香族ジアミ
ン混合物100に対して芳香族テトラカルボン酸二無水
物を96〜105の割合で混合使用することが望まし
く、この範囲から外れると重合度が上がらず十分な機械
的強度が維持できない場合がある。
【0019】上記反応は有機極性溶媒中で行うことが好
ましい。有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスル
フォキシド等のスルフォキシド系溶媒、N,N−ジメチ
ルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミド等のホ
ルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド,
N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶
媒、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶
媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール,
キシレノール,ハロゲン化フェノール,カテコール等の
フェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルムア
ミド,γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。上
記有機極性溶媒は一種を単独でまたは二種以上を混合し
て用いても良く、また、キシレン、トルエン等の芳香族
炭化水素系の有機非極性溶媒を併用して用いることもで
きる。上記有機極性溶媒の使用量は特に限定されない
が、重合反応により得られるポリアミド酸共重合体が有
機極性溶媒中に5〜30重量%、特に10〜20重量%
溶解しているように芳香族ジアミン、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物、有機極性溶媒の使用量を決定すること
が好ましい。
【0020】また、上述の重合反応において、ポリアミ
ド酸共重合体を得るための反応条件は0〜70℃、特に
0〜30℃で1〜60時間、特に4〜25時間行うこと
が好ましい。
【0021】なお、得られたポリアミド酸共重合体の粘
度は特に制限されないが、上述したように0.5g/1
00mlDMF中で測定温度30℃において測定した場
合の対数粘度が0.5〜5dl/gであることが好まし
く、これがポリイミド共重合体の分子量の指標になる。
【0022】上記のようにして合成されたポリアミド酸
共重合体は、次いでこれを脱水閉環することにより本発
明のポリイミド共重合体に転換される。この脱水閉環は
常法に従って熱的または化学的に行うことができる。
【0023】具体的には、ポリアミド酸共重合体を熱的
に脱水閉環する場合、200〜500℃で5〜120分
間加熱する方法が好適である。
【0024】また、上記で得られたポリアミド酸共重合
体を化学的に脱水閉環するには脱水剤及び触媒を用いた
方法が好適である。この場合、脱水剤としては、脂肪族
酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’−ジアルキルカル
ボンイミド、低級脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級
脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、ア
リルフォスフォン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン
化物等を挙げることができ、これらは一種を単独でまた
は二種以上を混合して用いることができる。脱水剤の使
用量はポリアミド酸共重合体の繰り返し単位あたり、約
0.1〜10モル量、特に0.5〜4モル量が好まし
い。
【0025】また、触媒としては、例えば、トリエチル
アミン等の脂肪族第三級アミン、ジメチルアニリン等の
芳香族第三級アミン、ピリジン、β−ピコリン、イソキ
ノリン等の複素環式第三級アミン等を挙げられ、これら
は一種を単独でまたは二種以上を混合して使用すること
ができる。触媒の使用量は、ポリアミド酸共重合体の繰
り返し単位あたり約0.01〜4モル量、特に0.1〜
2モル量が好ましい。
【0026】上記化学的脱水閉環の反応条件は、20〜
400℃で0.2〜20時間、特に50〜350℃で
0.5〜5時間が好ましい。
【0027】ポリイミド共重合体をフィルム状として得
るには、上記ポリアミド酸共重合体の有機極性溶媒をエ
ンドレスベルト等の支持体に流延または塗布して膜状と
し、この膜を100〜150℃で乾燥し、溶剤を10〜
30%含有するポリアミド酸共重合体の自己支持性の膜
を得る。次いでこの膜を支持体上から引き剥がし、端部
を固定した後、約200〜250℃に加熱して溶剤をと
ばし、更に、300〜500℃で脱水イミド化すること
により、厚さ約10〜150μmのポリイミドフィルム
を得ることができる。
【0028】このようにして得られるポリイミド共重合
体は、機械的特性に優れると共に、金属と同等の線膨脹
係数を有し、かつ、吸水性が低いために、例えば電気絶
縁材料やファインパターン化フレキシブル配線基板等の
フィルム材料として好適に用いられる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0030】[参考例]まず、下記のように4,4’−
ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ジフェニルエーテ
ルを合成した。
【0031】テトラヒドロフラン500mlに4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテル80.9g(0.4
00mol)とトリエチルアミン89.1g(0.88
0mol)を溶解し、0℃に冷却後、その中にテトラヒ
ドロフラン200mlにp−ニトロ塩化ベンゾイル15
5.9g(0.840mol)を溶かした溶液を反応液
の温度が10℃以下になるように滴下した。その後、室
温に戻し、2時間攪拌を続けた。
【0032】次いで、析出物を瀘過し、テトラヒドロフ
ランで洗浄し、更に水、メタノールで洗浄した後、乾燥
して、4,4’−ビス(4−ニトロベンゾイルオキシ)
ジフェニルエーテルの白色結晶を得た。その収量は19
5.8g(収率97.8%)であった。粗結晶をN,N
−ジメチルホルムアミドにより再結晶し、純品を得た。
【0033】1000mlのオートクレーブに上で得ら
れた4,4’−ビス(4−ニトロベンゾイルオキシ)ジ
フェニルエーテル125.1g(0.250mol)を
5%Pd/C3g及びジメチルホルムアミド700ml
と共に装入した。60℃で激しく攪拌しながら水素を導
入し、水素の吸収が認められなくなるまで攪拌を続け
た。冷却後、瀘過して触媒を除去し、減圧濃縮して水1
000mlへ注ぎ、沈殿物を瀘過し、水で洗浄後、減圧
乾燥し、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルオキ
シ)ジフェニルエーテルの淡茶白色固体を得た。収量は
104.6g(収率95.0%)であった。粗結晶をジ
メチルホルムアミド/メタノールの混合溶媒により再結
晶し、純品を得た。
【0034】[実施例1]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド353.4gを入れ、窒
素ガスを流しながら、4,4’−ビス(4−アミノベン
ゾイルオキシ)ジフェニルエーテル8.809g(0.
020mol)及びp−フェニレンジアミン8.651
g(0.080mol)をN,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解させた。これにピロメリット酸二無水物21.
812g(0.100mol)を加え、25℃で10時
間反応させた。
【0035】次に、これらのアミド酸溶液をガラス板上
にアプリケーターで薄くのばし、オーブン中110℃、
60分間乾燥してから剥離して、鉄枠に固定し、200
℃,60分、次いで300℃,60分、脱溶剤イミド化
して、約25μm厚のポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの特性を表1に示す。
【0036】[実施例2]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド413.3gを入れ、窒
素ガスを流しながら、4,4’−ビス(4−アミノベン
ゾイルオキシ)ジフェニルエーテル17.618g
(0.040mol)及びp−フェニレンジアミン6.
488g(0.060mol)をN,N−ジメチルホル
ムアミドに溶解させた。次にピロメリット酸二無水物2
1.812g(0.100mol)を加え、25℃で1
0時間反応させた後、実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの特性
を表1に示す。
【0037】[実施例3]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド473.1gを入れ、窒
素ガスを流しながら、4,4’−ビス(4−アミノベン
ゾイルオキシ)ジフェニルエーテル26.427g
(0.060mol)及びp−フェニレンジアミン4.
326g(0.040mol)をN,N−ジメチルホル
ムアミドに溶解させた。次にピロメリット酸二無水物2
1.812g(0.100mol)を加え、25℃で1
0時間反応させた後、実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの特性
を表1に示す。
【0038】[実施例4]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド532.9gを入れ、窒
素ガスを流しながら、4,4’−ビス(4−アミノベン
ゾイルオキシ)ジフェニルエーテル35.236g
(0.080mol)及びp−フェニレンジアミン2.
162g(0.020mol)をN,N−ジメチルホル
ムアミドに溶解させた。次にピロメリット酸二無水物2
1.812g(0.100mol)を加え、25℃で1
0時間反応させた後、実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの特性
を表1に示す。
【0039】[比較例1]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド592.7gを入れ、窒
素ガスを流しながら、4,4’−ビス(4−アミノベン
ゾイルオキシ)ジフェニルエーテル44.045g
(0.100mol)を加えてN,N−ジメチルホルム
アミドに溶解させた。次にピロメリット酸二無水物2
1.812g(0.100mol)を加え、25℃で1
0時間反応させた後、実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの特性
を表1に示す。
【0040】[比較例2]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド293.6gを入れ、窒
素ガスを流しながら、p−フェニレンジアミン10.8
14g(0.100mol)を加えてN,N−ジメチル
ホルムアミドに溶解させた。次にピロメリット酸二無水
物21.812g(0.100mol)を加え、25℃
で3時間反応させた後、実施例1と同様の方法によりポ
リイミドフィルムを得る操作を行ったが、非常に脆く成
膜することができなかった。
【0041】[比較例3]1000mlのフラスコに
N,N−ジメチルホルムアミド376.5gを入れ、窒
素ガスを流しながら、4,4’ジアミノジフェニルエー
テル20.024g(0.100mol)を加えてN,
N−ジメチルホルムアミドに溶解させた。次にピロメリ
ット酸二無水物21.812g(0.100mol)を
加え、25℃で3時間反応させた後、実施例1と同様の
方法によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミド
フィルムの特性を表1に示す。
【0042】得られたポリイミドフィルムについて、機
械的特性、線膨脹係数、吸水率及び対数粘度の測定方法
を下記に示す。機械的特性(引張強度、弾性率、伸度) ASTM D882−88に基づき測定した。線膨張係数 真空理工(株)製熱分析計TMA−7000を用い、昇
温速度5(℃/分)で150〜200℃での線膨脹係数
の平均値を求めた。吸水率 ポリイミドフィルムを90%RHで24時間放置し、そ
の前後の重量を測定して吸水率を求めた。対数粘度 ポリアミド酸濃度0.5g/100mlDMFであっ
て、30℃の条件下で測定した結果より、次の計算式で
算出した。
【0043】
【数1】
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるポリイ
ミド共重合体は優れた機械的強度を有する上、低い線膨
脹係数及び吸水率を有するので電気絶縁材料、ファイン
パターン化フレキシブルプリント配線基板の材料として
好適に使用することができる。また、本発明の製造方法
によれば、かかるポリイミド共重合体を容易かつ確実に
得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 杉谷 厚志 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信越化学工業株式会社 高分子機能性材 料研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−2798(JP,A) 特開 平4−299885(JP,A) 特開 平6−145351(JP,A) 特開 平6−175138(JP,A) 特開 平7−3019(JP,A) 特開 平7−50474(JP,A) 特開 平7−133349(JP,A) 特開 平7−205255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4’−ビス(4−アミノベンゾイル
    オキシ)ジフェニルエーテルとp−フェニレンジアミン
    とを主成分とし、他の芳香族ジアミン化合物の使用量が
    全芳香族ジアミン化合物に対して10モル%以下である
    芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二水和物とを重合し
    てポリアミド酸を得、次いで該ポリアミド酸を熱的又は
    化学的に脱水閉環し、一般式(1)で示される反復単位
    と一般式(2)で示される反復単位とがモル比で(1)
    /(2)=20/80〜85/15の割合である反復単
    位を主構成成分として含むポリイミド共重合体を得るこ
    とを特徴とする、ポリイミド共重合体の製造方法。 【化1】 (但し、式中Rは4価の芳香族炭化水素基を示す。)
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