JP2010229544A - 金属コロイド粒子及びそのペースト並びにその製造方法 - Google Patents

金属コロイド粒子及びそのペースト並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な方法で、低温で焼成しても導電性が高く硬質な被膜を形成できる金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子を得る。
【解決手段】金属ナノ粒子(A)と分散剤(B)を含む金属コロイド粒子において、前記金属ナノ粒子(A)を、数平均粒子径50nm以下であり、かつ粒子径100〜200nmの金属ナノ粒子を含有する粒子とする。金属ナノ粒子(A)は、粒子径100nm未満の金属ナノ粒子(A1)と粒子径100〜200nmの金属ナノ粒子(A2)とで構成され、かつ両者の体積比率が、前者/後者=90/10〜30/70であってもよい。前記金属ナノ粒子(A)を構成する金属は銀であってもよい。前記分散剤(B)はC1−6脂肪族カルボン酸と高分子分散剤との組み合わせであってもよい。前記分散剤(B)の割合は金属ナノ粒子(A)100質量部に対して5質量部以下であってもよい。前記金属コロイド粒子と溶媒とでペーストを調製し、さらに数平均粒子径200nm以上の金属粉末を含有させてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ナノ粒子(銀ナノ粒子など)を含む金属コロイド粒子、この金属コロイド粒子を含むペースト及びその製造方法に関する。
金属ナノ粒子(又は金属コロイド粒子)は、非線形光学特性などの物性を有し、バルクや金属原子とは異なる性質を有することが知られており、電気・通信分野などの多様な分野への応用が期待されている。金属ナノ粒子の製造方法の一つとして、液相法が知られている。液相法は、溶液中において、金属化合物を、この金属化合物の保護コロイドに成りうる化合物(又は分散剤)の存在下で還元する方法であり、簡便である上に大量生産にも適している。このような保護コロイドを有する金属コロイド粒子は、通常、焼成して焼結させることにより導電性の金属膜を作製するために使用される。しかし、保護コロイドで被覆されているため、高い導電性及び硬度を有する膜を形成するためには、高温で焼成する必要がある。
そこで、特開2005−19028号公報(特許文献1)には、金属成分と有機成分とからなる粒子を主成分とする固形分と、溶媒とを有する金属コロイド液において、粒子の紫外線可視吸光分析における吸収ピークが300nm以上410nm以下の波長域に得られ、かつ前記ピーク値における吸光度の絶対値をApとし、ピークを示す波長より長波長で800nm以下の波長域における吸光度の最小値をAmとすると、両者の比Ap/Amが16以下である粒径分布を有する金属コロイド液が開示されている。この文献には、粒子径に広い分布幅を持たせることにより、低い焼成温度で高い導電性を発現できることが記載されている。さらに、分散剤及び還元剤のいずれにも作用する化合物として、タンニン酸及びヒドロキシ酸が記載され、分散剤として、クエン酸金属塩などのイオン性化合物が記載されている。この文献の実施例では、120℃で1時間加熱することにより、導電性の高い被膜が形成されている。
しかし、この金属コロイド液では、低温で焼成すると高い硬度を有する被膜の形成が困難であり、導電性も充分ではない。
一方、液相法での製造方法によって金属コロイド溶液を調製する技術として、特許第3594803号公報(特許文献2)には、貴金属又は銅の化合物を、溶媒に溶解し、高分子量顔料分散剤を添加した後、さらにアミンを添加することにより、貴金属又は銅に還元する貴金属又は銅のコロイド溶液の製造方法が開示されている。この文献では、金や銀などの金属コロイド粒子のプラズモン共鳴による発色を利用し、彩度及び着色性の高い塗料組成物を調製することを目的としており、得られるコロイド溶液(ヒドロゾル又はオルガノゾル)は、赤色や黄色の鮮やかな彩色を発色するとともに、3ヶ月貯蔵しても、色の変化や沈殿の生成がなく、極めて安定である。さらに、この溶液に樹脂を添加して塗料を調製して塗膜を形成しても、前記彩色を塗膜に実現できる。特に、この文献では、このような分散安定性を維持するために、高分子量顔料分散剤の含有量及び配合量は、貴金属又は銅100重量部に対して50〜1000重量部であることが記載されている。
しかし、この金属コロイド溶液は、分散安定性が高いため、溶液から金属コロイド粒子を取り出すためには、限外ろ過などの精密な精製作業が必要であり、生産性が低い。さらに、この文献では、プラズモン共鳴による発色を目的とするため、ナノサイズの金属コロイド粒子が凝集することを否定している。
特開2005−19028号公報(特許請求の範囲、段落[0018]、[0037]、[0048]、実施例) 特許第3594803号公報(請求項1、段落[0012][0037][0047]、実施例)
従って、本発明の目的は、簡便な方法で、低温で焼成しても導電性が高く硬質な被膜を形成できる金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子、この金属コロイド粒子を含むペースト、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、比較的高温で焼成しても膨れや割れの発生が抑制された被膜を形成できる金属コロイド粒子、この金属コロイド粒子を含むペースト、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、金属コロイド粒子に含まれる金属ナノ粒子の粒径分布を制御することにより、簡便な方法で、低温で焼成しても導電性が高く硬質な被膜を形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A)と、分散剤(B)とを含む金属コロイド粒子であって、前記金属ナノ粒子(A)が、数平均粒子径50nm以下であり、かつ粒子径100〜200nmの金属ナノ粒子を含有する。前記金属ナノ粒子(A)は、粒子径100nm未満の金属ナノ粒子(A1)と粒子径100〜200nmの金属ナノ粒子(A2)とで構成され、かつ両者の体積比率が、前者/後者=90/10〜30/70程度であってもよい。前記金属ナノ粒子(A)を構成する金属は、少なくとも貴金属(特に銀)を含んでいてもよい。前記分散剤(B)は、窒素原子を有する基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群から選択された少なくとも一種を有する凝集助剤(B1)(特にC1−6脂肪族カルボン酸)と、高分子分散剤(B2)との組み合わせであってもよい。前記分散剤(B)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して5質量部以下であってもよい。
本発明には、前記金属コロイド粒子及び有機溶媒を含むペーストも含まれる。このペーストは、さらに数平均粒子径200nm以上の金属粉末を含んでいてもよい。
本発明には、分散剤(B)及び/又はその前駆体の存在下、溶媒中で金属化合物を還元して金属コロイド粒子を生成するとともに、金属コロイド粒子の凝集体を沈殿物として生成させる工程、この工程で生成した凝集体を分離して回収する工程を含む前記金属コロイド粒子の製造方法も含まれる。さらに、この製造方法は、得られた凝集体を溶媒と混合して調製したペーストを加熱する工程を含んでいてもよい。
本発明では、金属コロイド粒子に含まれる金属ナノ粒子が特定のブロードな粒度分布を有するため、簡便な方法で、低温で焼成しても導電性が高く硬質な被膜を形成できる。また、比較的高温で焼成しても膨れや割れの発生が抑制された被膜を形成できる。
図1は、実施例1で得られた銀コロイド粒子の粒度分布を示すグラフである。 図2は、実施例2で得られた銀コロイド粒子の粒度分布を示すグラフである。 図3は、実施例3で得られた銀コロイド粒子の粒度分布を示すグラフである。 図4は、比較例1で得られた銀コロイド粒子の粒度分布を示すグラフである。 図5は、比較例2で得られた銀コロイド粒子の粒度分布を示すグラフである。
[金属コロイド粒子]
本発明の金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A)と、分散剤(B)とで構成されている。
(金属ナノ粒子(A))
金属ナノ粒子(A)を構成する金属(金属原子)としては、例えば、遷移金属(例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期表第4A族金属;バナジウム、ニオブなどの周期表第5A族金属;モリブデン、タングステンなどの周期表第6A族金属;マンガンなどの周期表第7A族金属;鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、白金などの周期表第8族金属;銅、銀、金などの周期表第1B族金属など)、周期表第2B族金属(例えば、亜鉛、カドミウムなど)、周期表第3B族金属(例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)、周期表第4B族金属(例えば、ゲルマニウム、スズ、鉛など)、周期表第5B族金属(例えば、アンチモン、ビスマスなど)などが挙げられる。金属は、周期表第8族金属(鉄、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金など)、周期表第1B族金属(銅、銀、金など)、周期表第3B族金属(アルミニウムなど)及び周期表第4B族金属(スズなど)などであってもよい。なお、金属(金属原子)は、分散剤(B)に対する配位性の高い金属、例えば、周期表第8族金属、周期表第1B族金属などである場合が多い。
金属ナノ粒子(A)は、前記金属単体、前記金属の合金、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物などであってもよい。これらの金属ナノ粒子(A)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。金属ナノ粒子(A)は、通常、金属単体粒子、又は金属合金粒子である場合が多い。なかでも、金属ナノ粒子(A)を構成する金属は、少なくとも銀などの貴金属(特に周期表第1B族金属)を含む金属(金属単体及び金属合金)、特に貴金属単体(例えば、銀単体など)であるのが好ましい。
金属ナノ粒子(A)はナノメーターサイズである。例えば、本発明の金属コロイド粒子における金属ナノ粒子(A)の数平均粒子径(数平均一次粒子径)は50nm以下(例えば、1〜50nm)、好ましくは1.5〜45nm、さらに好ましくは2〜40nm(特に5〜40nm)程度であってもよく、通常10〜40nm(例えば、20〜35nm)程度であってもよい。
また、金属ナノ粒子(A)は、前記数平均粒子径を有するとともに、後述するように200nm以下の範囲で広い粒度分布を示すが、200nmを超える粗大粒子をほとんど含んでいなくてもよい。そのため、前記金属ナノ粒子(A)の最大一次粒子径は、例えば、200nm以下、好ましくは100〜200nm、さらに好ましくは120〜200nm(特に150〜200nm)の範囲にあってもよい。
(分散剤(B))
分散剤(B)は、金属ナノ粒子表面を被覆していてもよく、金属ナノ粒子表面に対して親和性の又は結合可能な官能基を有する凝集助剤(B1)と、高分子分散剤(B2)とで構成されている。
(B1)凝集助剤(低分子凝集助剤)
凝集助剤(B1)は、金属ナノ粒子に作用して溶媒中で、後述する高分子分散剤によるコロイド粒子の分散性を制御する成分、例えば、低分子の有機化合物であり、かつ金属ナノ粒子に対して物理的又は化学的に親和性を有するか又は結合(水素結合、イオン結合、配位結合などの化学結合など)可能な部位を有する成分であればよい。特に、溶媒中で、金属ナノ粒子の成長(粒径の増大)を抑制しつつ、コロイド粒子の凝集を適度に促進するためには、低分子の凝集助剤が金属ナノ粒子の表面に配位して結合するのが好ましい。そのため、好ましい凝集助剤は金属ナノ粒子に配位する親和性化合物又は配位性化合物ということもできる。
凝集助剤(B1)は、通常、金属ナノ粒子に配位可能な官能基(又は金属原子に対する親和性基)を有している。このような官能基としては、ハロゲン原子を有する基などであってもよいが、通常、ヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子など)、代表的には、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基(官能基)である場合が多い。官能基は、同種又は異種の複数のヘテロ原子を有していてもよい。官能基は塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩など)を形成していてもよい。
なお、本明細書において、「配位可能」「配位性」とは、金属に対して電子供与可能であることを意味し、必ずしも実際に金属原子に配位しなくてもよい。そのため、「配位性化合物」は、電子供与可能な(又は電子供与可能な基を有する)化合物であればよく、金属に対して配位していなくてもよい。
具体的な官能基としては、窒素原子を有する基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、イミノ基(−NH−)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基など)など]、酸素原子を有する基[ヒドロキシル基、エーテル基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基などの5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子を有する基[例えば、チオ基(−S−)、チオール基(−SH)、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−4アルキルチオ基など)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO−)など]、これらの塩を形成した基などが例示できる。
このような官能基を有する凝集助剤のうち、金属ナノ粒子を被覆する凝集助剤としては、窒素原子を有する基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群から選択された少なくとも一種の官能基を有する化合物が好ましい。このような化合物には、アミン類、アミド類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸類などが含まれる。
(アミン類)
アミン類は、モノアミン類、ポリアミン類を含み、さらに第1級〜第3級アミンに分類される。
モノアミン類のうち、第1級アミンとしては、例えば、モノアルキルアミン類[例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン(n−オクチルアミン、2−エチルへキシルアミンなど)、ノニルアミン、デシルアミンなどのC1−10アルキルアミンなど]、アルカノールアミン[例えば、モノエタノールアミン(2−アミノエチルアルコール)、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどのモノC2−6アルカノールアミン又はこれらのエチレンオキサイド付加体など]、シクロアルキルアミン類(例えば、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどのC4−10シクロアルキルアミン)、アリールアミン類(例えば、アニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン、アミノナフタレンなどのC6−10アリールアミン)、アラルキルアミン類(例えば、ベンジルアミンなど)などが挙げられる。
第2級アミンとしては、例えば、ジアルキルアミン類(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミンなどのジC1−10アルキルアミンなど)、アルキルアルカノールアミン類(例えば、N−メチルエタノールアミンなどのN−C1−3アルキルモノC2−6アルカノールアミン又はこれらのエチレンオキサイド付加体など)、ジアルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのジC2−6アルカノールアミン又はこれらのエチレンオキサイド付加体など)、アルキルシクロアルキルアミン類(例えば、メチルシクロヘキシルアミンなど)、アルキルアリールアミン類(例えば、N−メチルアニリンなど)、アルキルアラルキルアミン類(例えば、N−メチルベンジルアミンなど)、環状アミン類(例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、モルホリンなどの5〜8員環状アミンなど)などが挙げられる。
第3級アミンとしては、例えば、トリアルキルアミン類(例えば、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどのトリC1−10アルキルアミンなど)、アルキルアルカノールアミン類[例えば、N−メチルジエタノールアミンなどのN−C1−3アルキルジC2−10アルカノールアミン又はこれらのエチレンオキサイド付加体、N,N−ジメチルエタノールアミン(ジメチルアミノエタノール)、ジメチルアミノプロパノールなどのジC1−3アルキルモノC2−10アルカノールアミン又はこれらのエチレンオキサイド付加体など]、トリアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのトリC2−10アルカノールアミン又はこれらのエチレンオキサイド付加体など)、シクロアルキルジアルキルアミン類(例えば、シクロヘキシルジメチルアミンなど)、ジアルキルアリールアミン類(例えば、N,N−ジメチルアニリンなど)、ジアルキルアラルキルアミン類(例えば、N,N−ジメチルベンジルアミンなど)、環状アミン類(例えば、ピリジン、ピコリン、キノリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジンなどの5〜8員環状アミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−1など)などが挙げられる。
ポリアミン類としては、前記モノアミン類に対応するポリアミン類、例えば、鎖状第1級ポリアミン[例えば、アルカンジアミン類(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2−10アルカンジアミンなど)、ポリアルキレンポリアミン類(又はポリアルキレンイミン、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミンなどのポリC2−4アルキレンポリアミン)、アルカノールアミン(2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノールなど)など]、鎖状第2級ポリアミン(例えば、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンなどのアルカンアミンなど)、鎖状第3級ポリアミン(例えば、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパンなどのアルカンアミンなど)、芳香族第1級ポリアミン(例えば、キシリレンジアミンなど)、芳香族第2級ポリアミン(例えば、N,N′−ジメチルキシリレンジアミンなど)、芳香族第3級ポリアミン(例えば、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミンなど)、複素環式第2級ポリアミン(例えば、ピペラジン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、トリエチレンジアミンなど)、複素環式第3級ポリアミン(ピリミジン、N,N′−ジメチルピペラジンなど)などが挙げられる。
これらのアミン類は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらのアミン類のうち、C1−10アルキルアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、オクチルアミンなど)、モノC2−4アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミンなど)、ジC1−3アルキルアミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなど)、N−C1−3アルキルモノC2−6アルカノールアミン(例えば、N−メチルエタノールアミンなど)、ジC2−4アルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミンなど)、トリC1−3アルキルアミン(例えば、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミンなど)、N−C1−3アルキルジC2−6アルカノールアミン(例えば、N−メチルジエタノールアミンなど)、ジC1−3アルキルモノC2−6アルカノールアミン(例えば、N,N−ジメチルエタノールアミンなど)などが好ましい。さらに、これらのアミン類のうち、親水性又は水溶性アミンが特に好ましい。
(アミド類)
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプリル酸アミドなどのC1−10アシルアミド類、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオン酸アミド、N−メチル酪酸アミド、N−メチルカプリル酸アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチル酪酸アミド、N,N−ジメチルカプリル酸アミドなどのモノ又はジC1−4アルキルC1−10アシルアミド類、シュウ酸アミド、マロンアミド、コハク酸アミド、グルタール酸アミド、アジピン酸アミド、ピメリン酸アミド、コルク酸アミド、アゼライン酸アミド、セバシン酸アミド、ドデカンニ酸アミドなどのC2−10脂肪族ジカルボン酸アミドなどが挙げられる。
これらのアミド類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアミド類のうち、アセトアミド、プロピオン酸アミドなどのC1−4アシルアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのモノ又はジC1−2アルキルC1−4アシルアミドが好ましい。さらに、これらのアミド類のうち、親水性又は水溶性アミドが特に好ましい。
(ヒドロキシ化合物)
ヒドロキシ化合物としては、例えば、アルカノール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノールなどのC1−20アルカンモノオール)、シクロアルカノール類(例えば、シクロヘキサノールなど)、アルカンジオール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのC2−6アルカンジオールなど)、ポリアルキレングリコール類(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリC2−4アルキレングリコールなど)、アラルキルアルコール類(例えば、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール類(例えば、グリセリン、ポリグリセリンなど)などが挙げられる。
これらのヒドロキシ化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのヒドロキシ化合物のうち、C1−4アルカノール(例えば、メタノール、エタノールなど)、C2−4アルカンジオール(例えば、エチレングリコールなど)、グリセリンなどが好ましい。さらに、これらのヒドロキシ化合物のうち、親水性又は水溶性のヒドロキシ化合物が特に好ましい。
(カルボン酸類)
カルボン酸類には、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)、フェノール性水酸基を有するカルボン酸、アミノカルボン酸などが含まれる。
モノカルボン酸としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸[飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸などのC1−34脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC1−30脂肪族モノカルボン酸など)、不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸などのC4−34不飽和脂肪族カルボン酸、好ましくはC10−30不飽和脂肪族カルボン酸)]、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸などのC7−12芳香族モノカルボン酸など)などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸[例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのC2−14脂肪族飽和ポリカルボン酸、好ましくはC2−10脂肪族飽和ポリカルボン酸など)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸などのC4−14脂肪族不飽和ポリカルボン酸、好ましくはC4−10脂肪族不飽和ポリカルボン酸など)など]、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、トリメリット酸などのC8−12芳香族ポリカルボン酸など)などが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシモノカルボン酸[脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸などのC2−50脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、好ましくはC2−34脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、さらに好ましくはC2−30脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸(サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸などのC7−12芳香族ヒドロキシモノカルボン酸など)など]、ヒドロキシポリカルボン酸[脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのC2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸など)など]などが挙げられる。
フェノール性水酸基を有するカルボン酸としては、例えば、サリチル酸、オキシ安息香酸、プロトカテチュ酸、ゲンチシン酸、レゾルシン酸、オルセリン酸、カフェー酸、ウンペル酸、没食子酸、オキシフタル酸、タンニン酸などが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、アミノヘプタン酸、アミノノナン酸などのC2−10アミノカルボン酸、N−メチルアミノ酢酸、N,N−ジメチルアミノ酢酸、N,N−ジメチルアミノプロピオン酸、N,N−ジメチルアミノ酪酸などのC1−4アルキルC2−10アミノカルボン酸などが挙げられる。
なお、これらのカルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。なお、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩などの塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
これらのカルボン酸類は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらのカルボン酸類のうち、C1−24飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸など)、C4−24不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、リノール酸、オレイン酸など)、C10−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、コール酸など)、C10−34縮合多環式脂肪族カルボン酸(例えば、デヒドロコール酸、コラン酸など)、C2−10脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸など)、C2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸など)、C2−6アミノカルボン酸(例えば、グリシン、アラニンなど)、C1−4アルキルC2−6アミノカルボン酸(例えば、N,N−ジメチルアミノ酢酸、N,N−ジメチルアミノプロピオン酸など)などが好ましい。さらに、これらのカルボン酸類のうち、親水性又は水溶性カルボン酸が特に好ましい。
なお、凝集助剤(B1)の分子量は、例えば、1000以下(例えば、46〜900程度)、好ましくは800以下(例えば、50〜500程度)、さらに好ましくは300以下(例えば、55〜200程度)であってもよい。
また、凝集助剤(B1)のpKa値は、例えば、1以上(例えば、1〜10程度)、好ましくは2以上(例えば、2〜8程度)程度であってもよい。
凝集助剤(B1)は、同種の化合物だけでなく、異種の化合物の組み合わせであってもよいが、カルボン酸のカルボキシル基が金属ナノ粒子との親和性が高いため、少なくともカルボン酸類を含むのが好ましい。カルボン酸類は、単独であってもよく、他の凝集助剤、例えば、アミン類(例えば、ジメチルアミンやオクチルアミンなどのC1−10アルキルアミン、N−メチルジエタノールアミンやN,N−ジメチルエタノールアミンなどのC1−3アルキルC2−6アルカノール第3級アミンなど)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、ヒドロキシ化合物(例えば、エタノールなどのC1−4アルカノールなど)などとの組み合わせであってもよい。
さらに、凝集助剤(B1)は、コロイド粒子の製造工程において、生成するコロイド粒子が溶媒中で凝集し、かつ焼結膜の形成において、低温で分解して焼結サイトを形成できる点から、炭素数が1〜18、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6(特に1〜4)程度が好ましい。このような凝集助剤は、焼成温度で金属粒子から脱離又は消失し、焼結サイトを形成することにより金属膜の連続性及び導電性を向上できる。
具体的には、金属ナノ粒子の表面と親和性が高く、凝集性及び焼結性にも優れる点から、前記炭素数を有するカルボン酸類、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などのC1−10アルカン酸(アルカンカルボン酸)が好ましく、酢酸やプロピオン酸などのC1−6アルカン酸(好ましくはC1−4アルカン酸、さらに好ましくはC2−3アルカン酸、特に酢酸)がより好ましい。特に、酢酸などのC1−4アルカン酸を用いると、金属コロイド粒子が適度に凝集されているためか、燃焼時の割れやボイドの発生が抑制され、緻密で硬質な焼成膜を形成できる。
凝集助剤(B1)の沸点は、例えば、200℃以下が好ましく、例えば、80〜180℃、好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは100〜150℃(特に110〜130℃)程度であってもよい。
(B2)高分子分散剤
本発明では、分散剤(B)を、前記凝集助剤(B1)と高分子分散剤(B2)とで組み合わせて構成する。このような組み合わせで分散剤(B)を構成することにより、粗大粒子が著しく少ない金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子が得られる。特に、前記特定の分散剤(B)の組み合わせにより、金属ナノ粒子の割合を大きくでき、還元反応工程において、金属コロイド粒子を安定して生成できるとともに、得られた金属コロイド粒子は、生成後は速やかに凝集して沈殿するため、容易に反応液から取り出すことができる。
また、本発明では、分散剤(B)の割合を比較的少量にしているため、生成した比較的大きな金属コロイド粒子の分散安定性を維持することができず、凝集助剤(B1)の結合サイトがウイークポイントになって、金属コロイド粒子が生成するとともに、凝集が開始すると考えられる。特に、本発明では、金属コロイドの粒子の凝集は起こるものの、特定の割合で組み合わせた凝集助剤(B1)と高分子分散剤(B2)とが金属ナノ粒子を適度に被覆又は粒子間に介在するため、金属ナノ粒子の成長は適度に抑制され、数百nm単位の金属粒子は生成しない。従って、本発明では、このような作用機構によって、ナノメータサイズの金属コロイド粒子を沈殿物として容易に取り出すことができると推定できる。
さらに、本発明では、金属コロイド粒子は、凝集しているものの、金属粒子はナノメータサイズを保持しているため、加熱などにより粒子を成長させてナノサイズにおける所望の分布状態を形成でき、さらに焼成により、膜の割れやボイドの発生も少なくなって、導電性が高く、硬質で緻密な焼結膜を形成できる。特に、金属コロイド粒子が焼成前から凝集してナノ粒子が近接しているためか、焼成膜の割れやボイドの発生も抑制できる。すなわち、前記組み合わせにより、金属ナノ粒子の表面には、高分子分散剤(B2)の吸着部、前記凝集助剤(B1)の吸着部が形成されている。そして、前記高分子分散剤(B2)が吸着した部分は、強い表面保護能力により安定化されている一方、前記凝集助剤(B1)の吸着部は金属ナノ粒子表面から脱離し易く、低温焼結の反応サイトとしての役割を担う。このような反応サイトは、室温程度の雰囲気においては高分子分散剤(B2)の作用により保護されているが、比較的低温での焼成温度(例えば、約50℃以上)においてナノ粒子間で焼結反応を開始し、結果として低温焼成でも低抵抗の金属膜などを得ることができるようである。特に、焼成温度が高くなれば、さらに高分子分散剤の保護能力よりも粒子間衝突や焼結性が高くなるため、導電性はバルクの金属並になる。また、高分子分散剤は、基材に対する密着性を向上させる効果があるだけなく、本発明では基材における高分子分散剤の残存量を小さくできる。従って、本発明では、体積収縮が小さい緻密かつ密着性の高い膜を形成できるため、これらの点も基材に対する密着性に優れるとともに基材に強固に固定され、かつ金属膜の導電性を向上できる要因となっている。
高分子分散剤(又は高分子型分散剤)(B2)としては、金属ナノ粒子(A)を被覆又は粒子間に介在可能であれば特に限定されないが、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
高分子分散剤としては、通常、塗料、インキ分野などで着色剤の分散に用いられている高分子分散剤が例示できる。このような分散剤には、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸系樹脂など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリン、アラビヤゴム、カゼインなど)、ポリエチレンスルホン酸又はその塩、ポリスチレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、窒素原子含有高分子化合物[例えば、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などのアミノ基を有する高分子化合物]などが含まれる。
代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)が含まれる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体(アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸など)、ヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなど)などの付加重合系モノマー;アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)などの縮合系モノマーなどが例示できる。前記縮合系モノマーは、ヒドロキシル基などの活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体など)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。親水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
高分子分散剤は、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩など)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂やアクリル系樹脂などのように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;α−C2−20オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなど)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
高分子分散剤がコポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、星型ポリマー(又は星型ブロックコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。前記ブロックコポリマーの構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロックおよび疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記のように、親水性ユニットは、アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。親水性ブロック(ポリアルキレンオキシドなど)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロックなど)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。これらの結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィンなど)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸など)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミンなど]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシドなど)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
さらに、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。このような成分としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1000程度)などのアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどを例示できる。また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
高分子分散剤(B2)は、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、塩基性基(例えば、アミノ基など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて高分子分散剤(B2)が有していてもよい。
これらの官能基のうち、高分子分散剤(B2)は、酸基又は塩基性基、特に、遊離のカルボキシル基を有しているのが好ましい。
また、高分子分散剤(B2)が、酸基(カルボキシル基など)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基など)は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)などの酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない高分子分散剤[すなわち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤]を好適に使用できる。
酸基(特に遊離のカルボキシル基)を有する高分子分散剤(B2)において、酸価は、ナノ粒子を製造する際に生成したナノ粒子表面を保護可能である限り、下限の限定はないが、より低い方が好ましい。酸価が高すぎると、高分子由来の官能基がナノ粒子表面に多数吸着又は存在しているため、焼結ポイント(焼結サイト又は焼結点)が少なくなり、ナノ粒子間の焼結を阻害する虞がある。酸価は、例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2〜1500mgKOH/g程度)、特に10mgKOH/g以上(例えば、12〜900mgKOH/g程度)の範囲から選択できる。特に、酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤(B2)が、親水性ユニットおよび疎水性ユニットを有する化合物などである場合、酸価は、1mgKOH/g以上(例えば、2〜100mgKOH/g程度)、好ましくは3mgKOH/g以上(例えば、4〜90mgKOH/g程度)、さらに好ましくは5mgKOH/g以上(例えば、6〜80mgKOH/g程度)、特に7mgKOH/g以上(例えば、8〜70mgKOH/g程度)であってもよく、通常3〜50mgKOH/g(例えば、5〜30mgKOH/g)程度であってもよい。酸基を有する高分子分散剤(B2)において、アミン価は0(又はほぼ0)であってもよい。
なお、高分子分散剤において、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖および側鎖に位置していてもよい。このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基など)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸など)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。
高分子分散剤(B2)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、高分子分散剤として、特開平11−80647号公報に記載の高分子分散剤(高分子量顔料分散剤)を使用してもよい。
また、高分子分散剤は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。以下に、市販の高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)を具体的に例示すると、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ[アビシア(株)製];ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2010、ディスパービック2050、ディスパービック2090、ディスパービック2091などのディスパービックシリーズ[ビックケミー(株)製];EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453[EFKAケミカル(株)製];アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ[味の素(株)製];フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ[共栄社化学(株)製];ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ[ジョンソンポリマー(株)製]などが挙げられる。
これらのうち、代表的な酸基を有する高分子分散剤には、ポリ(メタ)アクリル酸類[又はポリアクリル酸系樹脂、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と共重合性単量体(例えば、(メタ)アクリレート、無水マレイン酸など)との共重合体などの(メタ)アクリル酸を主成分とするポリマー、これらの塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など)など]、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。また、代表的な塩基性基(アミノ基)を有する高分子分散剤には、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などが挙げられる。
高分子分散剤(B2)の数平均分子量は、1000〜1000000(例えば、1200〜800000)の範囲から選択でき、例えば、1500〜500000(例えば、1500〜100000)、好ましくは2000〜80000(例えば、2000〜60000)、さらに好ましくは3000〜50000(例えば、5000〜30000)、特に7000〜20000程度であってもよい。
金属コロイド粒子において、分散剤(B)(特に凝集助剤(B1)及び高分子分散剤(B2)の総量)の割合は、固形分換算で、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、0.01〜15質量部程度の範囲から選択でき、操作性及び焼結膜の導電性のバランスに優れる点から、例えば、0.05〜12質量部、好ましくは0.1〜12質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部(特に0.5〜10質量部)程度であってもよい。特に、本発明の金属コロイド粒子において、分散剤(B)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、5質量部以下(例えば、0.1〜5質量部)、好ましくは0.3〜4.5質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部(特に1〜3質量部)程度であってもよい。本発明では、前記特定の組み合わせにより分散剤(B)を構成するので、上記のような比較的少ない量の分散剤(B)であっても、金属ナノ粒子を安定に分散できる。さらに、分散剤(B)の割合が比較的少ないため、加熱によって適度に金属ナノ粒子が成長し、粒度分布の広い金属コロイド粒子が得られる。
なお、金属コロイド粒子において、凝集助剤(B1)の割合は、固形分換算で、例えば、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、0.01〜15質量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.05〜12質量部、好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.3〜10質量部(特に0.5〜8質量部)程度であってもよい。特に、本発明の金属コロイド粒子において、凝集助剤(B1)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、5質量部以下(例えば、0.1〜5質量部)、好ましくは0.2〜4.5質量部、さらに好ましくは0.3〜4質量部(特に0.5〜3質量部)程度であってもよい。
また、金属コロイド粒子において、高分子分散剤(B2)の割合は、固形分換算で、例えば、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、0.005〜12質量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜8質量部、さらに好ましくは0.1〜7質量部(特に0.1〜5質量部)程度であってもよい。特に、本発明の金属コロイド粒子において、高分子分散剤(B2)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、2質量部以下(例えば、0.01〜2質量部)、好ましくは0.03〜1.5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部(特に0.1〜0.5質量部)程度であってもよい。
さらに、金属コロイド粒子において、凝集助剤(B1)と高分子分散剤(B2)との割合(溶媒などを含む場合は固形分の割合)は、前者/後者(質量比)=99/1〜1/99程度の範囲から選択でき、例えば、98/2〜10/90、好ましくは97/3〜30/70、さらに好ましくは95/5〜50/50程度であってもよい。特に、金属コロイド粒子において、凝集助剤(B1)と高分子分散剤(B2)との割合は、前者/後者(質量比)=99/1〜60/40、好ましくは98/2〜70/30、さらに好ましくは97/3〜80/20(特に95/5〜85/15)程度であってもよい。特に、高分子分散剤(B2)に対して、過剰量の凝集助剤(B2)を配合することにより、加熱による金属ナノ粒子の成長(粒径の増大)を促進できる。
なお、前記凝集助剤(B1)及び高分子分散剤(B2)の組み合わせに加えて、さらに他の有機成分を含んでいてもよい。他の有機成分は、無機化合物であってもよいが、通常、有機化合物である。
他の有機成分としては、例えば、酸素原子含有有機化合物{例えば、ケトン類[例えば、アルカノン類、シクロアルカノン類、ジケトン類(アセチルアセトンなどのβ−ジケトン類)など]、エステル類(例えば、脂肪酸エステル類、グリコールエーテルエステル類など)、アルデヒド類(カプリルアルデヒド、ラウリルアルデヒド、パルミトアルデヒド、ステアリルアルデヒドなどのC6−20脂肪族アルデヒド)など}、硫黄原子含有有機化合物[例えば、スルホキシド類、スルホン酸類(例えば、アルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸など)など]などが挙げられる。これらの他の有機成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
他の有機成分の割合は、前記分散剤(B)の組み合わせの総量100質量部に対して、例えば、0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、さらに好ましくは1〜30質量部程度であってもよい。
なお、金属コロイド粒子中の凝集助剤(B1)、高分子分散剤(B2)などの割合は、慣用の方法、例えば、熱分析(例えば、熱質量/示差熱同時分析など)により、測定することができる。
(金属コロイド粒子の粒度分布)
本発明の金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A)がナノサイズの領域において広い粒度分布を有することにより、焼成すると隙間なく充填されるためか、導電性が高く硬質の焼結膜を形成できる。
金属ナノ粒子(A)の数平均粒子径(一次粒子径)は50nm以下(例えば、1〜50nm)、好ましくは1.5〜45nm、さらに好ましくは2〜40nm(特に5〜40nm)程度であってもよく、通常10〜40nm(例えば、20〜35nm)程度であってもよい。
本発明の金属コロイド粒子に含まれる金属ナノ粒子(A)は、全体として、このような数十ナノサイズの微小な平均粒子径を有するとともに、100〜200nmの比較的大粒径の粒子も一定量含有するという特徴を有している。すなわち、本発明の金属コロイド粒子に含まれる金属ナノ粒子(A)は、200nm以下の範囲で広い粒度分布を示す。具体的には、粒子径が100nm未満の金属ナノ粒子(小粒子群)(A1)と、粒子径が100〜200nmの金属ナノ粒子(大粒子群)(A2)との体積比率が、小粒子群/大粒子群=90/10〜30/70、好ましくは70/30〜30/70、さらに好ましくは60/40〜35/65(特に50/50〜40/60)程度である。100nm以上の粒子が一定の体積を占めることにより、大粒子の隙間に小粒子が充填され、焼成による焼結膜の特性が向上すると推定される。
さらに、本発明における粒度分布は、偏りの少ない正規分布に近い分布であってもよいが、偏りのある分布であってもよく、例えば、小粒子群及び大粒子群のそれぞれの分布において1以上のピーク(極大部)を有していてもよい。特に、小粒子群では、比較的均一な分布であり、かつ大粒子群では、150〜200nmの比較的大きい粒子の割合が大きい分布であるのが好ましい。例えば、150〜200nmの粒子の体積比率が、全粒子に対して、例えば、10〜60体積%、好ましくは20〜55体積%、さらに好ましくは30〜50体積%であってもよい。このような150nmを超える粒子に対して、100nm未満の粒子が満遍なく存在することにより充填効率が向上すると推定される。さらに、小粒子群の数平均粒子径が、例えば、5〜50nm、好ましくは10〜40nm、さらに好ましくは15〜35nm程度であり、大粒子群の数平均粒子径が、例えば、120〜195nm、好ましくは150〜190nm、さらに好ましくは160〜190nm程度であってもよい。
従って、このような分布を有する本発明の金属コロイド粒子は、低温で焼成しても、緻密な膜を形成でき、導電性が高く、高硬度の膜を形成できる。さらに、大きい粒子が増加して粒子の表面積が減少し、表面に吸着する分散剤(B)の量が減少するため、焼成した際に膜から保護コロイド由来の有機物を除去し易くなり、厚膜とした場合にも低抵抗の導体が得られる。
本発明の金属コロイド粒子は、このような粒度分布を有するため、希釈すると、分散液は茶色から灰色の濁った懸濁液となり、特許文献1のように300〜410nmにおいてプラズモン共鳴による特徴的な極大吸収波長は観測されない。
(金属コロイド粒子の凝集特性)
本発明の金属コロイド粒子は、金属粒子がナノサイズで前記粒径分布を保持しつつ、各コロイド粒子が適度に凝集している。このような金属コロイド粒子は、分散剤(B)を介在して金属ナノ粒子が凝集しており、例えば、金属ナノ粒子(A)の表面が分散剤(B)で被覆された金属コロイド粒子同士が、分散剤(B)のうち、主として、凝集助剤(B1)が吸着(又は被覆)した部分がウイークポイントになって引き付け合い、凝集していると推定される。すなわち、本発明の金属コロイド粒子は、従来の保護コロイドで被覆されたコロイド粒子よりも各金属コロイド粒子が分散剤(B)を介して強固に凝集しており、分散剤(B)(特に高分子分散剤(B2))の良溶媒及び貧溶媒のいずれの溶媒に対しても、機械的撹拌で均一に微分散せず(特に分散剤が親水性の場合、水などの良溶媒に機械的撹拌で分散せず)、超音波処理した場合に、高分子分散剤(B2)の良溶媒(例えば、水)に対して、わずかに分散して茶色〜黄色のプラズモン吸収を示す特性を有している。超音波処理は、例えば、20〜100kHz(特に30〜50kHz)において、10秒〜5時間(好ましくは、1分〜3時間、さらに好ましくは10分〜2時間)程度照射する処理であってもよい。本発明では、金属コロイド粒子のこのような特性により、還元反応に使用する分散剤(B)に対する良溶媒中で、コロイド粒子の凝集体が沈殿し、容易に金属コロイド粒子を回収できる。
また、本発明の金属コロイド粒子(又はその凝集体)は、溶媒に均一な微分散はしないものの、適度な柔軟性及び離解性又は解こう性を有しているため、分散剤(B)に対して親和性を有する有機溶媒を用いて高濃度で混合すれば、焼成膜を形成するための均一なペーストを調製できる。さらに、金属コロイド粒子は、分散剤(B)が少量で、かつ焼結サイトを形成可能な凝集助剤(B1)を含むとともに、適度にコロイド粒子が凝集しているため、低温焼成であっても、金属ナノ粒子が焼結して緻密で導電性の高い焼結膜を形成できる。
[金属コロイド粒子の製造方法]
本発明の金属コロイド粒子は、前記分散剤(B)又はその前駆体の存在下(特に、前記凝集助剤(B1)及び/又はその前駆体と、高分子分散剤(B2)との存在下)、溶媒中で、前記金属ナノ粒子(A)に対応する金属化合物を還元して金属コロイド粒子を生成するとともに、金属コロイド粒子の凝集体を沈殿物として生成させる工程、この工程で生成した凝集体を分離して回収する工程を含む製造方法により調製できる。
前記反応工程において、前記金属ナノ粒子(A)に対応する金属化合物は、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などであってもよい。なお、金属塩の形態は、単塩、複塩又は錯塩のいずれであってもよく、多量体(例えば、2量体)などであってもよい。これらの金属化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属化合物のうち、金属ハロゲン化物、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などを使用する場合が多い。なお、これらの金属化合物は、溶媒に溶解又は分散させて(例えば、水溶液などの水系溶媒の溶液の形態で)用いてもよい。
金属化合物の還元剤としては、慣用の成分、例えば、水素化ホウ素ナトリウム類(水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素ナトリウムなど)、水素化アルミニウムリチウム、次亜リン酸又はその塩(ナトリウム塩など)、ボラン類(ジボラン、ジメチルアミノボランなど)、ヒドラジン、ホルマリン、アミン類、アルコール類(ヒドロキシ化合物)、ヒドロキシカルボン酸、フェノール性水酸基を有するカルボン酸などが例示できる。これらの還元剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、還元剤は、金属コロイド粒子を構成する分散剤(B)又はその前駆体(特に、凝集助剤(B1)又はその前駆体)であってもよい。すなわち、還元剤として、凝集助剤(B1)又は前駆体を使用し、その残余(余剰)物が金属コロイド粒子の分散剤(B)を構成してもよく、またその分解物又は誘導体が金属コロイド粒子の分散剤(B)を構成してもよい。このような還元剤としては、例えば、前記凝集助剤(B1)で記載のアミン類、ヒドロキシ化合物、ヒドロキシカルボン酸、フェノール性水酸基を有するカルボン酸などが挙げられる。
これらの還元剤のうち、安全で還元力(還元速度)が強い点から、3級アミン(例えば、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリC1−3アルキルアミンなど)が好ましく、さらに余剰成分又は分解成分が凝集助剤(B1)として機能することが可能であり、かつ溶媒(特に水系溶媒)に対する分散性が高い点から、アルキルアルカノール第3級アミン類(例えば、N−メチルジエタノールアミンなどのN−C1−3アルキルジC2−6アルカノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどのジC1−3アルキルモノC2−6アルカノールアミン)が特に好ましい。例えば、還元剤がジメチルアミノエタノールである場合、還元反応の終了後、余剰のジメチルエタノールアミンの他、分解生成物として、酢酸などのカルボン酸、エタノールなどのアルコール、アルキルアミン、ジメチルホルムアミドなどのアルキルホルムアミド、アルキルアミノカルボン酸、硝酸塩、硝酸イオン又水酸化物イオンとの錯体などが生成し、金属ナノ粒子に吸着又は結合すると推定できる。なお、本発明では還元剤として、凝集助剤(B1)又は前駆体を使用した場合であっても、さらにカルボン酸などの凝集助剤(B1)を配合してもよい。特に、還元剤としてアミン類を使用した場合、酢酸などの低分子カルボン酸は、金属ナノ粒子に対する吸着性が強く、還元剤由来の凝集助剤よりも優先的に金属ナノ粒子に吸着し、優れた凝集性や焼成膜の特性を発現できると推定される。
還元剤の使用量は、金属原子換算で前記金属化合物1当量(又は1モル)に対して、1〜30モル(例えば、1.2〜20モル)、好ましくは1.5〜15モル、さらに好ましくは2〜10モル程度であってもよく、通常1〜5モル程度であってもよい。
還元反応は、慣用の方法、例えば、温度10〜75℃(例えば、15〜50℃、好ましくは20〜35℃)程度で行うことができる。反応系の雰囲気は、空気、不活性ガス(窒素ガスなど)であってもよく、還元性ガス(水素ガスなど)を含む雰囲気であってもよい。また、反応は、通常、攪拌下(又は攪拌しながら)で行ってもよい。
高分子分散剤(B2)の配合量は、凝集体として得られる金属コロイド粒子における割合が前記範囲にあれば特に限定されないが、金属化合物の金属100質量部に対して、例えば、0.1〜10質量部(例えば、0.1〜7.5質量部)、好ましくは0.5〜8質量部、さらに好ましくは1〜7.5質量部(特に3〜7質量部)程度であってもよい。
凝集助剤(B1)の配合量も、凝集体として得られる金属コロイド粒子における割合が前記範囲にあれば特に限定されず、還元剤として凝集助剤を使用するか否かに応じて選択できるが、例えば、金属化合物の金属100質量部に対して、例えば、100質量部以下、好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは1〜40質量部(特に10〜30質量部)程度であってもよい。
反応溶媒としては、還元剤や分散剤(B)の種類に応じて、極性溶媒(水溶性溶媒)であっても、疎水性溶媒(非水溶性溶媒)であってもよい。
極性溶媒には、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのC1−4アルカノールなど)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、アミド類(ホルムアミド、アセトアミドなどのアシルアミド類、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのN−モノ又はN,N−ジC1−4アシルアミド類など)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、有機カルボン酸類(酢酸など)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのC1−4アルキルセロソルブ類など)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテートなどのC1−4アルキルセロソルブアセテート類など)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトールなどのC1−4アルキルカルビトール類など)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類など)などが例示できる。これらの極性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、これらの極性溶媒の極性パラメータは、通常、後述の極性パラメータの範囲内にある場合が多い。
また、これらの極性溶媒のうち、環境保全性及び簡便性などの観点から、少なくとも水を含む極性溶媒であってもよい。さらに、用途に応じて、溶媒の蒸発を抑制するなどの点から、水にアルコール類(例えば、エタノールなどのC1−4アルカノール、エチレングリコールやグリセリンなどの脂肪族多価アルコールなど)を組み合わせてもよい。アルコール類の割合は、水100質量部に対して、例えば、0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは3〜20質量部(特に5〜15質量部)程度であってもよい。
疎水性溶媒としては、例えば、炭化水素類(ヘキサン、トリメチルペンタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類など)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなど)などが例示できる。これらの疎水性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
溶媒は、少なくとも極性溶媒(特に非芳香族系極性溶媒又は脂肪族系極性溶媒)で構成するのが好ましい。このような溶媒の極性パラメータ(Snyderによる極性パラメータ)は、例えば、2.8〜11、好ましくは3〜10.5、さらに好ましくは3.1〜10.2程度であってもよい。また、本発明では、溶媒としては、環境の負荷が少なく、取り扱いが簡便である点から、水溶性溶媒、特に、少なくとも水及び/又はアルコール類などの水溶性溶媒(特に水)が好ましい。
反応液中の金属化合物の濃度は、金属の質量換算で、例えば、0.1質量%以上(例えば、1〜50質量%)、好ましくは3質量%以上(例えば、5〜45質量%)、さらに好ましくは10質量%以上(例えば、12〜40質量%)、通常5〜35質量%(例えば、5〜30質量%)程度の高濃度であってもよい。本発明では、このような高濃度で反応させても、効率よく金属ナノ粒子を得ることができる。
なお、反応溶媒の種類などに応じて反応系のpHを調製してもよい。pH調整は、慣用の方法、例えば、酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸)、アルカリ[水酸化ナトリウム、アンモニアなどの無機塩基、アミン類(例えば、アルキルアミン、アルカノールアミンなどの第三級アミン類などの有機塩基)などの塩基類]を用いて行うことができる。
本発明では、還元反応とともに、生成した金属コロイド粒子が凝集して、沈殿し始めるため、回収工程において、反応液から上澄み液を除去した後、洗浄溶媒で洗浄するだけで金属コロイド粒子を凝集体として回収できる。
上澄み液の除去方法としては、慣用の方法が利用でき、濃縮、遠心分離、ろ過などの方法も使用できるが、簡便性の点から、デカンテーションによる除去方法が好ましい。特に、本発明では、凝集体が分散剤(B)の良溶媒にも溶解又は均一に微分散せず、分散剤(B)や還元剤に対して良溶媒を洗浄溶媒として利用できるため、デカンテーションにより上澄み液を除去した沈殿物に対して、限外ろ過などの精密で煩雑な処理を利用せずに、不純物(還元剤又はその分解物、残存した分散剤、イオン、塩など)を容易に除去できる。
洗浄溶媒を用いた洗浄方法において、洗浄溶媒としては、反応溶媒として使用可能な前記極性又は疎水性溶媒が利用でき、還元反応に利用した溶媒(例えば、水)を使用してもよい。洗浄溶媒の使用量は、凝集体に対して、重量比で、例えば、2〜100倍、好ましくは3〜50倍、さらに好ましくは5〜30倍程度であってもよい。このような洗浄処理は、複数回(例えば、2〜5回)繰り返してもよい。複数回繰り返す場合は、異なる種類の洗浄溶媒(例えば、より揮発性の高い溶媒など)を使用してもよい。さらに、洗浄溶媒で洗浄後は、自然乾燥してもよく、メンブレンフィルタなどの簡易なろ過を行って精製してもよい。
なお、本発明では、金属コロイド粒子に含まれる金属ナノ粒子の粒径分布を調整するために、分散剤(B)や添加剤により調整する方法、加熱により粒子を成長させる方法などを利用できる。分散剤(B)や添加剤により調整する方法としては、例えば、分散剤(B)の割合(特に高分子分散剤(B2)の割合)を減少させる方法や、凝集助剤(B1)として低分子の脂肪族カルボン酸(特に、酢酸などのC1−3脂肪族カルボン酸)を利用する方法とにより、金属コロイド粒子の接合部位を増加させることにより、粒子の成長を促進してもよい。加熱により粒子を成長させる方法としては、還元反応における加熱を調整してもよいが、後述するように、通常、凝集体としての金属コロイド粒子及び有機溶媒を含むペーストを調製した後、ペーストを加熱することにより、粒子を成長させて粒径分布を調整できる。
[金属ナノ粒子ペースト]
本発明の金属コロイド粒子は、有機溶媒を配合してペーストを調製してもよい。前述したように、本発明の金属コロイド粒子は、凝集体として得られ、適度に凝集しているため、適度な柔軟性及び解こう性を有しており、特定の有機溶媒を配合すると、凝集体が再分散して均質で粘性なペーストを容易に調製できる。なお、ペースト中における凝集体の再分散とは、凝集体が溶媒中でナノメーターサイズの一次粒子が均一に微分散した状態ではなく、黄色〜青色のプラズモン吸収を示すような微分散した一次粒子と、プラズモン吸収を示さない大きさで一次粒子が会合した二次粒子又は凝集体とが混在した状態であると推定される。25℃におけるペーストの粘度[シェアレート:50(1/s)]は、例えば、0.1〜100mPa・s、好ましくは1〜80mPa・s、さらに好ましくは5〜50mPa・s程度であってもよい。
有機溶媒としては、分散剤(B)の種類に応じて、前記反応溶媒として記載した極性溶媒及び疎水性溶媒を使用できるが、均質なペーストを調製するためには、分散剤(B)と親和性を有する溶媒を使用するのが好ましく、例えば、分散剤(B)が親水性である場合には、極性溶媒を使用するのが好ましい。好ましい極性溶媒としては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールなどが挙げられる。
有機溶媒は、少なくとも極性溶媒(特に非芳香族系極性溶媒又は脂肪族系極性溶媒)で構成するのが好ましい。このような溶媒の極性パラメータ(Snyderによる極性パラメータ)は、例えば、2.8〜11、好ましくは3〜10.5、さらに好ましくは3.1〜10.2程度であってもよい。
これらの極性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの極性溶媒のうち、分散剤(B)に対する親和性に優れる点から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール(特にエチレングリコールなどのアルキレングリコール)が好ましい。
ぺースト(ペースト状分散液)中の金属ナノ粒子(A)の濃度は、例えば、30〜95質量%、好ましくは50〜93質量%、さらに好ましくは70〜90質量%(特に80〜90質量%)程度であってもよい。
本発明のペーストには、用途に応じて、慣用の添加剤、例えば、バインダー樹脂(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの親水性高分子など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、界面活性剤又は分散剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、保湿剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
特に、本発明では、ペーストに数平均粒子径200nm以上の金属粉末(金属フィラー)を配合してもよい。金属コロイド粒子を含むペーストでは、ペースト中の粒子濃度が上昇するにつれて、粒子の表面間距離が縮まってくるため、粒子間又は粒子表面を被覆している分散剤(B)の絡み合いなどによる相互作用が生じ、粘度が急激に上昇して硬くなり、取り扱いが低下する。本発明では、大粒径の金属粉末を添加することにより、高濃度のペーストであっても高い流動性を付与することができるが、流動性が発現する機構としては以下の理由が考えられる。
(1)粒子の表面間距離Dは、式:D=[{(√2×π)/(6f)}1/3−1]×d(式中、f:ペースト中に占める微粒子の体積分率、d:粒径)で表され、同一の金属濃度のペーストで比較した場合、粒径が大きい成分を含む分散液の方が粒子表面間距離は大きくなるため、粘度が低下すると推定される。
(2)粒子の沈降速度Dは、式:D=kT/(3πηd)(式中、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、η:溶媒粘度、d:粒径)で表され、大粒子は沈降速度が大きくなるため、分散液中に大粒子が存在すると凝集構造が破壊され易く、流動性が発現すると推定される。
さらに、本発明では、金属コロイド粒子を含むペーストにさらに大粒径の金属粉末を添加することにより、ペースト中に含まれる分散剤(B)の割合が減少し、焼成に際して発生する分散剤(B)由来のガス量が低減され、膜中からのガス抜けによる膨れや割れの発生が抑制できる。特に、本発明の粒度分布が幅広い(ブロードな)金属コロイド粒子では、充填率が高いため、緻密な膜を形成し易く、高温で一気に焼成し有機物の除去よりも速く粒子間が焼結した場合、有機物が膜中に閉じこめられ、焼成膜の膨れや割れを引き起こしやすい。このような現象に対しては、例えば、焼成膜の厚みを10μm以下程度にまで薄くする方法、線幅を細くする方法、焼成を多段階で徐々に行う方法などによって改善可能であるが、ペースト中に200nm以上の金属粉末を存在させると、焼成膜中に微小なポーラスが生成するため、気化した有機物のガスが抜け易くなり、焼成膜の膨れや、それに起因する膜の割れの発生を抑制でき、焼成工程を簡略化できる。従って、比較的高温(例えば、200℃以上、特に250〜350℃程度)で焼成するときには、金属粉末の添加が有効である。
このような金属粉末の体積基準の平均粒子径は、200nm以上であればよいが、例えば、200〜3000nm、好ましくは300〜2000nm、さらに好ましくは400〜1500nm(特に400〜1000nm)程度である。金属粉末の粒子径が大きすぎると、例えば、スクリーン印刷などにおいて目詰まりが発生し易くなり、また薄膜の焼成膜を作製すると、凹凸面が発生し、均一な面を形成し難い。一方、粒子径が小さすぎると、金属粉末の分散性が低下するため、分散剤(B)の使用量が増加し、焼成におけるガスの発生量も増加する。
金属粉末の比表面積は、例えば、0.1〜5m/g、好ましくは0.3〜2.6m/g程度の範囲から選択できる。低温焼成では、比表面積は、比較的小さい方が焼成膜の比抵抗を向上できるため、例えば、0.1〜2.6m/g(例えば、0.1〜1.5m/g)、好ましくは0.3〜1.2m/g(例えば、0.3〜0.6m/g)程度であってもよい。一方、高温焼成では、比表面積は、比較的大きい方が粒子間焼結が起こり易く、焼成膜の比抵抗を向上できるため、例えば、0.3〜5m/g、好ましくは0.4〜2.6m/g程度であってもよい。
金属粉末を構成する金属は、金属ナノ粒子(A)の項で例示された金属単体、合金、金属化合物などが挙げられる。これらの金属のうち、少なくとも銀や金などの貴金属(特に周期表第1B族金属)を含む金属(金属単体及び金属合金)、特に貴金属単体(例えば、金単体など)であるのが好ましい。金属ナノ粒子を構成する金属と金属粉末を構成する金属とは異なっていてもよいが、焼結し易い点から、同一又は同族の金属(特に同一の金属)であるのが好ましい。
金属粉末の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、例えば、0〜300質量部、好ましくは10〜200質量部、さらに好ましくは30〜150質量部(特に50〜100質量部)程度である。金属粉末の割合が多すぎると、焼結状態が悪化し、抵抗値も上昇し易い。
なお、ペーストの(ペーストを構成する)固形分全体に対する金属ナノ粒子(A)の固形分濃度(又は金属コロイド粒子における金属ナノ粒子(A)の濃度)は、用途に応じて限定されないが、例えば、50質量%以上(例えば、55〜99.5質量%)、好ましくは60質量%以上(例えば、70〜99質量%)、さらに好ましくは80質量%以下(例えば、85〜98.5質量%)、通常90〜99質量%程度であってもよい。また、インクジェット用インキなどとして用いる場合、ペーストの固形分全体に対する金属ナノ粒子(A)の固形分濃度は、60質量%以下(例えば、1〜60質量%程度)、好ましくは50質量%以下(例えば、3〜45質量%)、好ましくは40質量%以下(例えば、5〜35質量%)、さらに好ましくは30質量%以下(例えば、8〜25質量%)程度であってもよい。上記のような範囲でペースト又は金属コロイド粒子凝集体中の金属ナノ粒子濃度を調整すると、十分な金属光沢が得られやすい。
なお、前述のように、本発明における金属コロイド粒子の粒度分布を調整する方法としては、ペーストを加熱することにより粒子サイズを成長させる手法を用いてもよい。加熱温度は、室温以上であり、溶媒の沸点未満の範囲から選択される。室温以下では、粒子の成長に長時間を有するために生産性が低く、一方、溶媒の沸点を超えると、容器に還流管を付けても、ペーストが乾燥固化し、数μm以上の粒子に成長し易い。従って、加熱温度は、溶媒の種類に応じて選択できるが、100℃以上の沸点を有する溶媒の場合、例えば、50〜100℃、好ましくは55〜90℃、さらに好ましくは55〜80℃程度である。
加熱時間は、加熱温度によって適宜選択でき、例えば、1〜100時間程度の範囲から選択できるが、粒子の成長を適切な範囲にするためには、温和な条件が好ましく、例えば、エチレングリコールなどの脂肪族多価アルコールと混合したペーストに対して、50〜70℃程度の温度で、10時間以上(例えば、20〜80時間程度)かけて加熱してもよい。
なお、本発明の金属コロイド粒子を基板上などに焼成して利用する場合、焼成温度は用途に応じて広い温度範囲から選択できる。すなわち、本発明の金属コロイド粒子は、前述の如く、低温度で焼成しても、導電性が高く、硬質な被膜を形成できるとともに、高温で焼成しても、被膜の割れや膨れを抑制できる。金属コロイド粒子を焼結するための焼成温度は80〜500℃程度の範囲から選択でき、例えば、80〜200℃、好ましくは100〜150℃程度の低い温度で焼成してもよく、一方、150〜500℃、好ましくは200〜400℃程度の高い温度で焼成してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(銀コロイド粒子凝集体の合成)
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する凝集助剤(B1)として酢酸(和光純薬工業(株)製、沸点118℃、炭素数2)10g、高分子分散剤(B2)としてカルボキシル基を有する高分子分散剤(ビッグケミー製、「ディスパービック190」、親水性ユニットであるポリエチレンオキサイド鎖と疎水性ユニットであるアルキル基とを有する両親媒性分散剤、溶媒:水、不揮発成分40%、酸価10mgKOH/g、アミン価0)2.0gを、イオン交換水100gに投入し、激しく撹拌した。これに2−ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業(株)製)100gを徐々に加えたところ、反応溶液が60℃まで上昇した。液温が50℃に下がったところで70℃に設定されたウォーターバス中で2時間加熱撹拌した。1時間後、銀コロイド粒子凝集体が灰色の沈殿物として得られた。この銀コロイド凝集体に対して、37kHzの超音波を60分間照射すると、ほとんどの粒子は凝集したままであったが、わずかに黄色〜茶色のプラズモン吸収を示す程度に分散した。
銀コロイド粒子凝集体が沈殿した反応溶液の上澄み液を除去し、イオン交換水で希釈した。静置した後、上澄み液を除去し、メタノールでさらに希釈した。再度、静置後、上澄み液を除去し、メタノールで希釈した。その後、メンブレンフィルタ(アドバンテック社製、ポアサイズ0.5μm)を付けた加圧ろ過機で銀コロイド粒子凝集体を回収した。
(銀コロイド粒子凝集体の分析)
分散剤(B)の含有量を熱重量測定装置(TG/DTA、セイコーインスツルメンツ(株)製、EXSTAR6000)で測定したところ、銀100質量部に対して2.5質量部の分散剤(B)を含有していた。なお、TG/DTAによる測定は、一分間に10℃の速さで30℃から550℃まで昇温した時の質量減少から算出した。さらに、透過型電子顕微鏡(TEM)で銀コロイド粒子凝集体に含まれる金属ナノ粒子の粒径を測定し、粒度分布を図1に示し、各粒径域における粒子の含有量(体積換算)を表1に示す。粒子の体積は、顕微鏡写真から算出した各粒子の粒径に基づいて、各粒子が真球であると仮定して算出した。なお、図1において、縦軸は体積%を表し、横軸は粒径(nm)を表す。また、横軸の各棒グラフにおける粒径の意義について、例えば、棒グラフが100nmである場合、「100nm」は、90nm以上で100nm未満の粒径範囲を示し、棒グラフの高さは、その範囲にある粒子の合計の体積%を示している。これらの結果から、得られた銀ナノ粒子の数平均粒子径を算出したところ33nmであり、粒子の全体積中において100nm未満の粒子が65.3体積%、100〜200nmの粒子が34.7体積%であった。この銀コロイド粒子凝集体を蒸留水で5×10−4質量%に希釈し、紫外・可視光で測定した吸収スペクトルにおいて、波長300〜410nmに特徴的なプラズモン共鳴に基づく極大吸収波長は確認できず、ほぼ全波長領域においても極大吸収波長は確認できなかった。
(銀コロイド粒子凝集体の焼成)
合成により得られた銀コロイド粒子凝集体に、エチレングリコール(極性パラメータ6.9)を加えて作製した銀濃度85質量%のペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、粒子が緻密に充填されているためか、鉛筆硬度3H以上の硬質な焼結膜であった。銀膜の比抵抗(体積抵抗率)を測定したところ、8μΩ・cmであった。
実施例2
実施例1の合成で得られた銀コロイド粒子凝集体に、エチレングリコールを加えて作製した銀濃度88質量%のペーストをプラスチック容器(タイトボーイ)に入れ、蓋をして密閉した後、オーブンに入れて60℃で50時間加熱して粒子を成長させた。透過型電子顕微鏡で銀ナノ粒子の粒径を測定し、粒度分布を図2に示し、各粒径域における粒子の含有量(体積換算)を表1に示す。これらの結果から、得られた銀ナノ粒子の数平均粒子径を算出したところ35nmであり、粒子の全体積中において100nm未満の粒子が41.2体積%、100〜200nmの粒子が58.8体積%であった。この銀コロイド粒子凝集体を蒸留水で1×10−4質量%に希釈し、紫外・可視光で測定した吸収スペクトルにおいて、波長300〜410nmに特徴的なプラズモン共鳴に基づく極大吸収波長は確認できず、ほぼ全波長領域においても極大吸収波長は確認できなかった。
得られた銀コロイド粒子凝集体に、エチレングリコールを加えて作製した銀濃度85質量%のペーストを、ポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、鉛筆硬度3H以上の硬質な焼結膜であった。銀膜の比抵抗を測定したところ、粒度分布が変化し粒子がさらに緻密に充填されているためか、6μΩ・cmであり、実施例1よりも向上していた。TG/DTAにより分散剤(B)の含有量を測定したが、銀100質量部に対して2.5質量部の分散剤(B)を含有しており、実施例1と同じであった。
また、得られた銀コロイド粒子凝集体のペーストを無アルカリガラス基板(コーニング(株)製、品番1737)上に塗布し、ホットプレート上において150℃で1時間焼成後、昇温し、さらに300℃で3時間焼成し、基板上に厚み5μmの銀膜を形成した。焼成膜の鉛筆硬度は8H以上であり、比抵抗を測定したところ、2.1μΩ・cmであった。
実施例3
銀コロイド粒子凝集体の合成において、高分子分散剤(B2)の使用量を5.0gとする以外は実施例1と同様にして、銀コロイド粒子凝集体を合成した。分散剤(B)の含有量をTG/DTAで測定したところ、銀100質量部に対して3.9質量部であった。さらに、透過型電子顕微鏡で銀ナノ粒子の粒径を測定し、粒度分布を図3に示し、各粒径域における粒子の含有量(体積換算)を表1に示す。これらの結果から、得られた銀ナノ粒子の数平均粒子径を算出したところ20nmであり、粒子の全体積中において100nm未満の粒子が86.9体積%、100〜200nmの粒子が13.1体積%であった。この銀コロイド粒子凝集体を蒸留水で5×10−4質量%に希釈し、紫外・可視光で測定した吸収スペクトルにおいて、波長300〜410nmに特徴的なプラズモン共鳴に基づく極大吸収波長は確認できず、ほぼ全波長領域においても極大吸収波長は確認できなかった。
得られた銀コロイド粒子凝集体に、エチレングリコールを加えて作製した銀濃度85質量%のペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、粒子が緻密に充填されているためか、鉛筆硬度3H以上の硬質な焼結膜であった。銀膜の比抵抗を測定したところ、10.9μΩ・cmであった。
比較例1
銀コロイド粒子凝集体の合成において、カルボキシル基を有する凝集助剤(B1)として酢酸の代わりにプロピオン酸(和光純薬工業(株)製、沸点141℃、炭素数3)10.0gを用い、かつ高分子分散剤(B2)の使用量を5.0gとする以外は実施例1と同様にして、銀コロイド粒子凝集体を合成した。分散剤(B)の含有量をTG/DTAで測定したところ、銀100質量部に対して5.5質量部であった。さらに、透過型電子顕微鏡で銀ナノ粒子の粒径を測定し、粒度分布を図4に示し、各粒径域における粒子の含有量(体積換算)を表1に示す。これらの結果から、得られた銀ナノ粒子凝集体の数平均粒子径を算出したところ20nmであり、粒子の全体積中において100nm未満の粒子が100体積%、100〜200nmの粒子が0体積%であった。
得られた銀コロイド粒子凝集体に、エチレングリコールを加えて作製した銀濃度85質量%のペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、鉛筆硬度は3Hであった。銀膜の比抵抗を測定したところ、18μΩ・cmであった。
比較例2
銀コロイド粒子凝集体の合成において、カルボキシル基を有する凝集助剤(B1)として酢酸の代わりにコール酸(和光純薬工業(株)製、分解温度198℃)10.0gを用い、かつ高分子分散剤(B2)の使用量を5.0gとする以外は実施例1と同様にして、銀コロイド粒子凝集体を合成した。分散剤(B)の含有量をTG/DTAで測定したところ、銀100質量部に対して7.3質量部であった。さらに、透過型電子顕微鏡で銀ナノ粒子の粒径を測定し、粒度分布を図5に示し、各粒径域における粒子の含有量(体積換算)を表1に示す。これらの結果から、得られた銀ナノ粒子の数平均粒子径を算出したところ20nmであり、粒子の全体積中において100nm未満の粒子が100体積%、100〜200nmの粒子が0体積%であった。
得られた銀コロイド粒子凝集体に、エチレングリコールを加えて作製した銀濃度85質量%のペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、鉛筆硬度は3Hであった。銀膜の比抵抗を測定したところ、1000μΩ・cmであった。
実施例4
実施例2で得られた銀コロイド粒子凝集体のペーストに、銀粉末(三井金属鉱業(株)製、型番「SPN20J」、体積基準の粒度分布曲線において積算値が50%未満の粒径値D50:3.16μm、D10:1.80μm、D90:5.25μm、比表面積0.33m/g)を銀ナノ粒子100質量部に対して100質量部添加し、銀濃度91.0質量%のペーストを作製した。このペーストは元のペーストとほぼ同様の流動性を有していた。銀コロイド粒子凝集体に含まれる分散剤(B)の含有量をTG/DTAで測定したところ、銀100質量部に対して1.3質量部であった。
このペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、鉛筆硬度3Hの焼結膜であった。銀膜の比抵抗を測定したところ、6.8μΩ・cmであり、実施例2の銀膜に比べて若干比抵抗が増大しているものの、低温焼成でも高い導電性を有していた。
さらに、前記ペーストを、無アルカリガラス基板(コーニング(株)製、品番1737)上に塗布し、ホットプレート上において300℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが15μmであり、鉛筆硬度8H以上の硬質な焼結膜であった。焼結膜には、分散剤(B)由来の有機ガスによる膨れ、割れはなかったため、大粒径の銀粉末を銀コロイド粒子凝集体に添加したことで有機ガスが抜け易くなったものと推定できる。銀膜の比抵抗を測定したところ、2.5μΩ・cmであり、この焼成温度では、金属粉末を添加する前のペーストとほぼ同等の導電膜が得られることがわかった。
実施例5
銀粉末として、銀粉末(三井金属鉱業(株)製、型番「SPQ08S」、D50:1.60μm、D10:0.47μm、D90:2.00μm、比表面積0.57m/g)を用いる以外は実施例4と同様にしてペーストを作製した。銀コロイド粒子凝集体に含まれる分散剤(B)の含有量をTG/DTAで測定したところ、銀100質量部に対して1.8質量部であった。
このペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)上に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、鉛筆硬度3Hの焼結膜であった。銀膜の比抵抗を測定したところ、8.5μΩ・cmであり、実施例2の銀膜に比べて若干比抵抗が増大しているものの、低温焼成でも高い導電性を有していた。
さらに、前記ペーストを、無アルカリガラス基板(コーニング(株)製、品番1737)上に塗布し、ホットプレート上において300℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが15μmであり、鉛筆硬度8H以上の硬質な焼結膜であった。焼結膜には、分散剤(B)由来の有機ガスによる膨れ、割れはなかったため、大粒径の銀粉末を銀コロイド粒子凝集体に添加したことで有機ガスが抜け易くなったものと推定できる。銀膜の比抵抗を測定したところ、2.4μΩ・cmであり、この焼成温度では、実施例4と略同じ導電膜が得られた。
実施例6
実施例2で得られた銀コロイド粒子凝集体のペーストに、銀粉末(三井金属鉱業(株)製、型番「EHD」、D50:0.48μm、D10:0.31μm、D90:0.785μm、比表面積1.7m/g)を銀ナノ粒子100質量部に対して100質量部添加し、銀濃度91.7質量%のペーストを作製した。このペーストは元のペーストとほぼ同様の流動性を有していた。銀コロイド粒子凝集体に含まれる分散剤(B)の含有量をTG/DTAで測定したところ、銀100質量部に対して1.5質量部であった。
このペーストを、アプリケータを用いポリエチレンテレフタレート基板(東洋紡(株)製、品番A−4300)に塗布し、ホットプレート上において120℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが10μmであり、鉛筆硬度3Hの焼結膜であった。銀膜の比抵抗を測定したところ、15.5μΩ・cmであり、実施例2の銀膜に比べて若干比抵抗が増大しているものの、低温焼成でも高い導電性を有していた。
さらに、前記ペーストを、無アルカリガラス基板(コーニング(株)製、品番1737)上に塗布し、ホットプレート上において300℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。得られた銀膜は、厚みが15μmであり、鉛筆硬度8H以上の硬質な焼結膜であった。焼結膜には、分散剤(B)由来の有機ガスによる膨れ、割れはなかったため、大粒径の銀粉末を銀コロイド粒子凝集体に添加したことで有機ガスが抜け易くなったものと推定できる。銀膜の比抵抗を測定したところ、2.3μΩ・cmであり、低抵抗な膜が得られた。
参考例1
実施例1で得られた銀コロイド粒子凝集体のペーストを、無アルカリガラス基板(コーニング(株)製、1737)上に塗布し、ホットプレート上において300℃で30分間焼成し、基板上に銀膜を形成した。ホットプレートにおいて直ぐに、銀光沢のある膜厚15μmの焼結膜が形成されたが、その後、膜中に残存した有機物が気化してガスによって、膜の膨れが発生した。
本発明の金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子濃度が高いため、低温焼結性に優れている。そのため、本発明の金属コロイド粒子凝集体は、加熱や光処理することなく金属光沢に優れた文字や画像を印字又は印刷するのに有用である。従って、本発明の金属コロイド粒子及びペーストは、各種の印字又は印刷器具や装置のインキとして利用可能である。そのような器具又は装置としては、例えば、インクジェットプロッター、インクジェットプリンター、インクジェットディスペンサー、ペンプロッターなどの描画装置、ボールペンやフェルトペン、万年筆などの筆記具(ペン)などが挙げられる。なかでも、水性インキとしても使用できるため、水性ボールペンやフェルトペンのインキとして有用である。
また、金属に導電性金属を用いた場合には、金属光沢などの光沢という装飾性だけでなく、得られた印刷像や膜が導電性を有するため、導電性インキ(又は導電性ペースト)としても利用可能である。そのため、各種の導電体、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機及び無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)などの表示装置、シリコン半導体系やグレッツェル式などの太陽電池、タッチパネル式表示装置などの電極、RFIDタグ、電磁波シールド、家庭又は学習用配線キットなどに使用される導電膜や導電印刷のための塗布液として利用することもできる。特に、紙類で構成された基材の上にも、加熱や光処理することなく、微細で強固にパターニングできるため、RFIDタグや電子ぺーパーに好適である。
本発明の金属コロイド粒子及びペーストは、各種の基板(被印刷板)に対して、光沢を発現できるとともに、基板上に強固に固定される。基板としては、例えば、紙類(クラフト紙、シリカやアルミナなどの無機粒子を含むコーティング剤で被覆された光沢紙など)、布(織布や不織布など)、化学繊維紙、合成紙、プラスチックフィルム(又はOHPシート)(ポリプロピレンフィルムなどのオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリエステルフィルムなど)などが利用可能である。
また、本発明の金属コロイド粒子及びペーストは、無機素材に対する密着性に優れているため、ガラス基板などの無機基板(易接着層が形成されていない無機基板)に対して、直接的に金属膜を形成することもできる。

Claims (9)

  1. 金属ナノ粒子(A)と、分散剤(B)とを含む金属コロイド粒子であって、前記金属ナノ粒子(A)が、数平均粒子径50nm以下であり、かつ粒子径100〜200nmの金属ナノ粒子を含有する金属コロイド粒子。
  2. 金属ナノ粒子(A)が、粒子径100nm未満の金属ナノ粒子(A1)と粒子径100〜200nmの金属ナノ粒子(A2)とで構成され、かつ両者の体積比率が、前者/後者=90/10〜30/70である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  3. 金属ナノ粒子(A)を構成する金属が、少なくとも貴金属を含む請求項1又は2記載の金属コロイド粒子。
  4. 分散剤(B)が、窒素原子を有する基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群から選択された少なくとも一種を有する凝集助剤(B1)と、高分子分散剤(B2)との組み合わせである請求項1〜3のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  5. 金属ナノ粒子(A)を構成する金属が銀であり、凝集助剤(B1)がC1−6脂肪族カルボン酸であり、かつ分散剤(B)の割合が、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して5質量部以下である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属コロイド粒子及び有機溶媒を含むペースト。
  7. さらに数平均粒子径200nm以上の金属粉末を含む請求項6記載のペースト。
  8. 分散剤(B)及び/又はその前駆体の存在下、溶媒中で金属化合物を還元して金属コロイド粒子を生成するとともに、金属コロイド粒子の凝集体を沈殿物として生成させる工程、この工程で生成した凝集体を分離して回収する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の金属コロイド粒子の製造方法。
  9. 得られた凝集体を溶媒と混合して調製したペーストを加熱する工程を含む請求項8に記載の製造方法。
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