JP5558069B2 - 積層体、この積層体を用いた導電性基材及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、導電性粒子、バインダー樹脂及び分散媒を含む導電性ペーストを用いた積層体、導電性基材及びその前駆体、並びに導電性基材の製造方法材に関する。
現在、銀ペーストなどの導電性ペーストは、電子部品などの電極や回路を形成するために用いられている。特に、耐熱性の低い透明導電膜を有する基材に導電層を形成する場合、低い焼成温度でも基板に対して密着できる樹脂バインダー型の導電性ペーストが使用されている。このようなペーストは、金属粉末に加えて、エポキシ樹脂などのバインダー樹脂を溶媒中に分散させたペーストであり、このペーストを印刷により所定のパターンに形成した後、加熱して有機成分を飛ばし、粒子同士を焼結させて導体とすると同時に、軟化した樹脂などが基材と導体との界面で密着層を形成し、密着性を確保している。
このような樹脂バインダーを用いた導電性ペーストとして、例えば、特開2002−109957号公報(特許文献1)には、導電性粒子(A)と、表面張力が30〜50mN/mである溶剤(B)と、バインダー樹脂(C)とを含有する導電性ペーストが開示されている。この導電性ペーストでは、表面張力の高い溶媒を使用することにより、ペーストの版離れを向上させて、滲みを低減し、高精細の配線パターンを作成することを目的としている。この文献には、バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂などの熱硬化タイプ、(メタ)アクリル系樹脂などの焼成タイプが例示され、エポキシ樹脂の添加量は、導電性粒子(A)100質量部に対して1〜20質量部の範囲が好ましいと記載されている。
しかし、バインダー樹脂を含むペーストを用いて、基材に対して高い密着性を有する導電層を形成するためには、バインダー樹脂の割合を多くする必要があるが、バインダー樹脂の割合が増加すると、焼成後も多量の樹脂バインダーが残存し、抵抗率が高くなる。
特開2002−109957号公報(請求項1、段落[0018][0022][0039])
従って、本発明の目的は、低温で焼成しても、透明導電膜に対する密着性が高く、かつ抵抗率が低い導電層を形成できる導電性基材及びその前駆体、並びに導電性基材の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、透明導電膜に対して高い導通性を有する導電性基材の製造方法、及びその製造方法により得られた導電性基材を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、バインダー樹脂の割合が少なくても、高温高湿などの過酷な条件において、透明導電膜を有する基材に対する密着性が高く、かつ抵抗率が低い導電膜を形成できる導電性基材の製造方法、及びその製造方法により得られた導電性基材を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、透明導電膜に、熱可塑性樹脂で構成された接着層を形成した後、バインダー樹脂を含む導電性ペーストを塗布した積層体を焼成することにより、低温で焼成しても、透明導電膜に対する密着性が高く、かつ抵抗率が低い導電層を形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層体は、透明導電膜を有する基材と、前記透明導電膜の上に形成された接着層と、この接着層の上に形成された塗膜とで構成された積層体であって、前記接着層が熱可塑性樹脂で構成され、かつ前記塗膜が、導電性粒子、バインダー樹脂及び分散媒を含む導電性ペーストで構成されている。前記熱可塑性樹脂は水性ポリエステル系樹脂を含有していてもよい。前記接着層の厚みは0.1〜1μm程度であってもよい。前記基材は、無機材料又はプラスチックで構成されていてもよい。前記導電性粒子は、金属コロイド粒子及び金属フィラーであってもよい。前記金属コロイド粒子は、銀ナノ粒子と凝集助剤及び高分子分散剤を含む分散剤とで構成されていてもよい。前記金属フィラーは銀フィラーであってもよい。前記バインダー樹脂はエポキシ樹脂であってもよい。前記バインダー樹脂の割合は、導電性粒子100質量部に対して、0.1〜5質量部程度であってもよい。
本発明には、前記積層体を150〜300℃で焼成する導電性基材の製造方法も含まれる。本発明には、前記方法により得られた導電性基材も含まれる。
本発明の積層体は、熱可塑性樹脂で構成された接着層を介して、透明導電膜の上に、導電性ペーストが積層されているため、この積層体を低温で焼成することにより、透明導電膜に対する密着性が高く、かつ抵抗率が低い導電層を形成できる。また、接着層の厚みを薄くすることにより、透明導電膜に対して高い導通性を実現できる。さらに、バインダー樹脂の割合が少なくても、高温高湿などの過酷な条件において、透明導電膜を有する基材に対する密着性が高く、かつ抵抗率が低い導電膜を形成できる。
本発明の積層体は、透明導電膜を有する基材と、前記透明導電膜の上に形成された接着層と、この接着層の上に形成された塗膜(導電性ペースト)とで構成され、導電性基材の前駆体である。
[透明導電膜]
透明導電膜は、透明電極などに利用されている慣用の透明導電膜、例えば、酸化インジウム−酸化錫系複合酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、InO、SnO、ZnOなどの金属酸化物や、金、銀、白金、パラジウムなどの金属で構成された層(特に、ITO膜などの金属酸化物層)で構成されている。このような透明導電膜は、慣用の方法、例えば、スパッタリング、蒸着、化学的気相成長法など(通常、スパッタリング)により基材の上に形成できる。透明導電膜の厚みは、例えば、0.01〜0.2μm、好ましくは0.03〜0.15μm、さらに好ましくは0.05〜0.1μm程度である。
[基材]
基材(又は基板)としては、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。基材を構成する材質は、無機材料(無機素材)であってもよく、有機材料(有機素材)であってもよい。
無機材料としては、例えば、ガラス類(ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、クラウンガラス、バリウム含有ガラス、ストロンチウム含有ガラス、ホウ素含有ガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、シリカガラス、石英ガラス、耐熱ガラスなど)、セラミックス{金属酸化物(酸化珪素、石英、アルミナ又は酸化アルミニウム、ジルコニア、サファイア、フェライト、チタニア又は酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、ムライト、ベリリアなど)、金属窒化物(窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化炭素、窒化チタンなど)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステンなど)、金属ホウ化物(ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウムなど)、金属複酸化物[チタン酸金属塩(チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸ニオブ、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウムなど)、ジルコン酸金属塩(ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛など)など]など}、金属(アルミニウム、銅、金、銀など)、半導体(導体、半導体、絶縁体などで形成された半導体など)が挙げられる。
有機材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂[ポリアルキレンアリレート系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのホモ又はコポリアルキレンアリレートなど)、ポリアリレート系樹脂や液晶ポリマーを含む]、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース誘導体、フッ素樹脂などが挙げられる。
これらの材料は、焼成工程を経るため、耐熱性の高い材料、例えば、半導体、ガラス、金属などの無機材料、エンジニアリングプラスチック[例えば、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂など]、液晶ポリマー、フッ素樹脂などのプラスチックが好ましい。
基材の表面は、酸化処理[表面酸化処理、例えば、放電処理(コロナ放電処理、グロー放電など)、酸処理(クロム酸処理など)、紫外線照射処理、焔処理など]、表面凹凸処理(溶剤処理、サンドブラスト処理など)などの表面処理がされていてもよい。
基材の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、0.001〜10mm、好ましくは0.01〜5mm、さらに好ましくは0.05〜3mm(特に0.1〜1mm)程度であってもよい。
[接着層]
接着層は、熱可塑性樹脂で構成されており、透明導電膜に対する金属粒子の密着性を向上でき、透明導電膜と導電層とを強固に固定できる。本発明では、透明導電膜の上に熱可塑性樹脂で構成された接着層を形成することにより、熱可塑性樹脂が、導電性ペーストを焼成したときの収縮変形に追随し、基板との間に生じる隙間を無くし、ミクロな領域においても高い接触比率を確保できるため、高い密着力が得られると推定される。
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂[例えば、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなど)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体などのポリエチレン系樹脂、非晶性ポリプロピレン系樹脂など]、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など)、塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体など)、アクリル系樹脂[例えば、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル)など]の単独又は共重合体、これらの(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体(スチレン系単量体、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、不飽和ジカルボン酸又はそのエステルなど)との共重合体など]、酢酸ビニル系樹脂[ポリ酢酸ビニル又はそのケン化物、酢酸ビニルと他の共重合性単量体(オレフィン系単量体(エチレンなど)、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和ジカルボン酸又はそのエステルなど)との共重合体又はそのケン化物、ポリビニルアセタール系樹脂など]、スチレン系樹脂[例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体など]、ポリエステル系樹脂[脂肪族ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂(例えば、非晶性脂肪族又は芳香族ポリエステル)など]、ウレタン系樹脂(熱可塑性ウレタン系樹脂、イソシアネート基含有ポリマーなど)、ゴム状重合体(スチレン−ブタジエン共重合体など)、イミノ基含有ポリマー(ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの熱可塑性樹脂のうち、導電性ペースト中のバインダー樹脂及び分散剤との親和性が高く、導電層(金属ナノ粒子)の基材に対する密着性を向上できる点から、水性又は親水性(水溶性又は水分散性)樹脂、例えば、水性ビニル系重合体(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩やビニルアルコールで構成された単位を含むビニル系重合体などなど)、水性ポリエステル系樹脂(分子内にスルホン酸塩基やカルボン酸塩基などを導入したポリエステル系樹脂など)、水性ウレタン系樹脂(分子内に遊離のカルボキシル基や第3級アミノ基などのイオン性官能基を導入したウレタン系樹脂など)などが挙げられる。これらの水性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できるが、導電性ペーストを構成する金属コロイド粒子及びバインダー樹脂との接着性を向上できる点から、少なくとも水性ポリエステル系樹脂を含むのが好ましく、例えば、水性ポリエステル系樹脂単独、又は水性ポリエステル系樹脂と水性ビニル系重合体との組み合わせなどが使用できる。
水性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などのC6−12脂肪族ジカルボン酸など)と、ジオール成分(エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−8アルカンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどの脂環族ジオールなど)との反応により得られるポリエステル樹脂において、親水性基が導入されたポリエステル樹脂が使用できる。親水性基の導入方法としては、例えば、ジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基やカルボン酸塩基などを有するジカルボン酸成分[例えば、スルホイソフタル酸(5−ナトリウムスルホイソフタル酸など)、3官能以上の多価カルボン酸(無水ピロメリット酸など)など]を用いる方法、ジオール成分として、ポリアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリC2−4アルキレングリコールなど)、ジヒドロキシカルボン酸(ジメチロールプロピオン酸など)、ジヒドロキシアミン(N−メチルジエタノールアミンなど)、ポリオール(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)などを用いる方法などが例示できる。水性ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、例えば、1000〜10万、好ましくは5000〜5万、さらに好ましくは1万〜3万程度である。また、水性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、例えば、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは20〜60℃程度であってもよい。
水性ビニル系重合体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸、マレイン酸など]、ヒドロキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、ケン化物としての酢酸ビニルなど]、アミド基含有単量体[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドなど]、スルホン酸基含有単量体[ビニルスルホン酸など]などの親水性ビニル系単量体を重合成分として含むビニル系重合体などが挙げられる。具体的には、水性アクリル系樹脂[例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体、(メタ)アクリル酸−エチレン共重合体、又はこれらの(共)重合体の塩など]、ビニルアルコール系重合体(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなど)などが挙げられる。
接着層の厚みは、0.01〜3μm程度の範囲から選択できるが、接着性を向上し、かつ透明導電膜と導電層(導電パターン)との導通性を確保する点から、例えば、0.03〜1.5μm、好ましくは0.05〜1.2μm、さらに好ましくは0.1〜1μm(特に0.1〜0.5μm)程度であり、例えば、0.05〜0.3μm程度であっても、良好な密着を実現できる。
[導電性ペースト]
本発明の導電性ペーストは、導電性粒子、バインダー樹脂及び分散媒を含む。
(1)導電性粒子
導電性粒子は、導電性を有する金属粒子を含むのが好ましく、例えば、分散剤を有する金属コロイド粒子、金属フィラー(粉末)などが利用できる。金属コロイド粒子(A)及び金属フィラー(B)は、それぞれ単独で使用できるが、両者を組み合わせて使用するのが好ましい。
(A)金属コロイド粒子
金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A1)と、分散剤(A2)とで構成されている。
(A1)金属ナノ粒子
金属ナノ粒子(A1)を構成する金属(金属原子)としては、例えば、遷移金属(例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期表第4A族金属;バナジウム、ニオブなどの周期表第5A族金属;モリブデン、タングステンなどの周期表第6A族金属;マンガンなどの周期表第7A族金属;鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、白金などの周期表第8族金属;銅、銀、金などの周期表第1B族金属など)、周期表第2B族金属(例えば、亜鉛、カドミウムなど)、周期表第3B族金属(例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)、周期表第4B族金属(例えば、ゲルマニウム、スズ、鉛など)、周期表第5B族金属(例えば、アンチモン、ビスマスなど)などが挙げられる。金属は、周期表第8族金属(鉄、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金など)、周期表第1B族金属(銅、銀、金など)、周期表第3B族金属(アルミニウムなど)及び周期表第4B族金属(スズなど)などであってもよい。なお、金属(金属原子)は、分散剤に対する配位性の高い金属、例えば、周期表第8族金属、周期表第1B族金属などである場合が多い。
金属ナノ粒子(A1)は、前記金属単体、前記金属の合金、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物などであってもよい。これらの金属ナノ粒子(A1)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。金属ナノ粒子(A1)は、通常、金属単体粒子、又は金属合金粒子である場合が多い。なかでも、金属ナノ粒子(A1)を構成する金属は、少なくとも銀などの貴金属(特に周期表第1B族金属)を含む金属(金属単体および金属合金)、特に貴金属単体(例えば、銀単体など)であるのが好ましい。
金属ナノ粒子(A1)はナノメーターサイズである。金属コロイド粒子における金属ナノ粒子(A1)の数平均粒子径(数平均一次粒子径)は、例えば、1〜100nm、好ましくは1.5〜80nm、さらに好ましくは2〜70nm、特に3〜50nm程度であってもよく、通常10〜40nm(例えば、20〜35nm)程度であってもよい。
また、金属コロイド粒子は、粗大粒子をほとんど含んでいなくてもよい。そのため、前記金属ナノ粒子(A1)の最大一次粒子径は、例えば、200nm以下、好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。さらに、金属ナノ粒子(又は金属コロイド粒子)において、一次粒子径が100nm以上の粒子の割合は、金属(又は金属成分)の質量基準で、例えば、10質量%以下(例えば、0〜8質量%程度)、好ましくは5質量%以下(例えば、0.01〜3質量%)、さらに好ましくは1質量%以下(例えば、0.02〜0.5質量%程度)であってもよい。
(A2)分散剤
分散剤(A2)は、金属ナノ粒子表面を被覆していてもよく、凝集助剤(A2−1)と高分子分散剤(A2−2)とで構成されている。
(A2−1)凝集助剤(低分子凝集助剤)
凝集助剤(A2−1)は、金属ナノ粒子に作用して溶媒中で、後述する高分子分散剤(A2−2)によるコロイド粒子の分散性を制御する成分、例えば、低分子の有機化合物であり、かつ金属ナノ粒子に対して物理的又は化学的に親和性を有するか又は結合(水素結合、イオン結合、配位結合などの化学結合など)可能な部位を有する成分であればよい。特に、溶媒中で、金属ナノ粒子の成長(粒径の増大)を抑制しつつ、コロイド粒子の凝集を適度に促進するためには、カルボキシル基を有する低分子の有機化合物が好ましい。
このようなカルボキシル基の数は、有機化合物1分子当たり、1以上であれば特に限定されず、例えば、1〜10、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3程度であってもよい。
なお、有機化合物において、一部又は全部のカルボキシル基は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよい。特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない有機化合物(すなわち、遊離のカルボキシル基を有する有機化合物)を好適に使用できる。
また、有機化合物は、カルボキシル基を有している限り、カルボキシル基以外の官能基(又は金属化合物又は金属ナノ粒子に対する配位性基など)を有していてもよい。このようなカルボキシル基以外の官能基(又は配位性基)としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基{又は官能基、例えば、窒素原子を有する基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、イミノ基(−NH−)、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基など)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基など]、酸素原子を有する基[ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基などの5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子を有する基[例えば、チオ基、チオール基、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−4アルキルチオ基など)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO−)など]、これらの塩を形成した基(アンモニウム塩基など)など}などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて有機化合物が有していてもよい。
有機化合物は、これらの官能基のうち、カルボキシル基と塩を形成可能な塩基性基(特に、アミノ基、置換アミノ基、イミノ基、アンモニウム塩基など)を有していない化合物であるのが好ましい。
代表的な凝集助剤には、カルボン酸が含まれる。このようなカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸[飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸などのC1−34脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC1−30脂肪族モノカルボン酸など)、不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸などのC4−34不飽和脂肪族カルボン酸、好ましくはC10−30不飽和脂肪族カルボン酸)]、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸などのC7−12芳香族モノカルボン酸など)などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸[例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのC2−14脂肪族飽和ポリカルボン酸、好ましくはC2−10脂肪族飽和ポリカルボン酸など)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸などのC4−14脂肪族不飽和ポリカルボン酸、好ましくはC4−10脂肪族不飽和ポリカルボン酸など)など]、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、トリメリット酸などのC8−12芳香族ポリカルボン酸など)などが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシモノカルボン酸[脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸などのC2−50脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、好ましくはC2−34脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、さらに好ましくはC2−30脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸(サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸などのC7−12芳香族ヒドロキシモノカルボン酸など)など]、ヒドロキシポリカルボン酸[脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのC2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸など)など]などが挙げられる。
なお、これらのカルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。なお、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩などの塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
これらのカルボン酸類は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらのカルボン酸類のうち、C1−24飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸など)、C4−24不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、リノール酸、オレイン酸など)、C10−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、コール酸など)、C10−34縮合多環式脂肪族カルボン酸(例えば、デヒドロコール酸、コラン酸など)、C2−10脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸など)、C2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸など)、C2−6アミノカルボン酸(例えば、グリシン、アラニンなど)、C1−4アルキルC2−6アミノカルボン酸(例えば、N,N−ジメチルアミノ酢酸、N,N−ジメチルアミノプロピオン酸など)などが好ましい。さらに、これらのカルボン酸類のうち、親水性又は水溶性カルボン酸が特に好ましい。
凝集助剤(A2−1)の分子量は、例えば、1000以下(例えば、46〜900程度)、好ましくは800以下(例えば、50〜500程度)、さらに好ましくは300以下(例えば、55〜200程度)であってもよい。
また、凝集助剤(A2−1)のpKa値は、例えば、1以上(例えば、1〜10程度)、好ましくは2以上(例えば、2〜8程度)程度であってもよい。
凝集助剤(A2−1)は、同種の化合物だけでなく、異種の化合物の組み合わせであってもよいが、カルボン酸のカルボキシル基が金属ナノ粒子との親和性が高いため、少なくともカルボン酸類を含むのが好ましい。カルボン酸類は、単独であってもよく、他の凝集助剤、例えば、アミン類(例えば、ジメチルアミンやオクチルアミンなどのC1−10アルキルアミン、N−メチルジエタノールアミンやN,N−ジメチルエタノールアミンなどのC1−3アルキルC2−6アルカノール第3級アミンなど)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、ヒドロキシ化合物(例えば、エタノールなどのC1−4アルカノールなど)などとの組み合わせであってもよい。
さらに、凝集助剤(A2−1)は、コロイド粒子の製造工程において、生成するコロイド粒子が溶媒中で凝集し、かつ焼結膜の形成において、低温で分解して焼結サイトを形成できる点から、炭素数が1〜18、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6(特に1〜4)程度が好ましい。このような凝集助剤は、焼成温度で金属粒子から脱離又は消失し、焼結サイトを形成することにより金属膜の連続性及び導電性を向上できる。
具体的には、金属ナノ粒子の表面と親和性が高く、凝集性及び焼結性にも優れる点から、前記炭素数を有するカルボン酸類、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などのC1−10アルカン酸(アルカンカルボン酸)が好ましく、酢酸やプロピオン酸などのC1−6アルカン酸(好ましくはC1−4アルカン酸、さらに好ましくはC2−3アルカン酸、特に酢酸)がより好ましい。特に、酢酸などのC1−4アルカン酸を用いると、金属コロイド粒子が適度に凝集されているためか、燃焼時の割れやボイドの発生が抑制され、緻密で硬質な焼成膜を形成できる。
凝集助剤(A2−1)の沸点は、例えば、200℃以下が好ましく、例えば、80〜180℃、好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは100〜150℃(特に110〜130℃)程度であってもよい。
(A2−2)高分子分散剤
本発明では、分散剤(A2)を、前記凝集助剤(A2−1)と高分子分散剤(A2−2)とで組み合わせて構成する。このような組み合わせで分散剤(A2)を構成することにより、粗大粒子が著しく少ない金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子が得られる。特に、前記分散剤(A2)の組み合わせにより、金属ナノ粒子の割合を大きくでき、還元反応工程において、金属コロイド粒子を安定して生成できるとともに、得られた金属コロイド粒子は、生成後は速やかに凝集して又は遠心分離により、沈殿するため、容易に反応液から取り出すことができる。前記組み合わせにより、このような優れた金属コロイド粒子が得られ、かつ凝集する理由は定かではないが、以下のような理由が考えられる。
まず、高分子分散剤(A2−2)は、その構造から、比較的大きな粒子を分散安定化する効果に優れているが、比較的小さな粒子の安定化効果が十分ではないため、金属ナノ粒子原料の濃度を大きくすると、生成する粒子を十分に安定化できなくなる。一方、このようなナノ粒子の合成初期段階に生成する比較的小さい粒子を、前記凝集助剤(B1)が分散安定化する。このような凝集助剤(A2−1)と高分子分散剤(A2−2)との相乗的な作用により、金属ナノ粒子の原料が高濃度であっても金属ナノ粒子を生成できるものと考えられる。
また、本発明では、分散剤(A2)の割合を比較的少量にすると、生成した比較的大きな金属コロイド粒子の分散安定性を維持することができず、凝集助剤(A2−1)の結合サイトがウイークポイントになって、金属コロイド粒子が生成するとともに、凝集が開始すると考えられる。特に、本発明では、金属コロイドの粒子の凝集は起こるものの、特定の割合で組み合わせた凝集助剤(A2−1)と高分子分散剤(A2−2)とが金属ナノ粒子を適度に被覆するため、金属ナノ粒子の成長は適度に抑制され、数百nm単位の金属粒子は生成しない。従って、本発明では、このような作用機構によって、ナノメータサイズの金属コロイド粒子を沈殿物として容易に取り出すことができると推定できる。
さらに、本発明では、金属コロイド粒子は、凝集しても、金属粒子はナノメータサイズを保持しているため、焼成により、導電性が高く、硬質で緻密な焼結膜を形成できる。特に、金属コロイド粒子が焼成前から凝集してナノ粒子が近接しているためか、焼成膜の割れやボイドの発生も抑制できる。すなわち、前記組み合わせにより、金属ナノ粒子の表面には、高分子分散剤(A2−2)の吸着部、前記凝集助剤(A2−1)の吸着部が形成されている。そして、前記高分子分散剤(A2−2)の吸着部は、強い表面保護能力により安定化されている一方、凝集助剤(A2−1)の吸着部は金属ナノ粒子表面から脱離し易く、低温焼結の反応サイトとしての役割を担う。このような反応サイトは、室温程度の雰囲気においては高分子分散剤(A2−2)の作用により保護されているが、比較的低温での焼成温度(例えば、約50℃以上)においてナノ粒子間で焼結反応を開始し、結果として低温焼成でも低抵抗の金属膜などを得ることができるようである。特に、焼成温度が高くなれば、さらに高分子分散剤の保護能力よりも粒子間衝突や焼結性が高くなるため、導電性はバルクの金属並になる。また、高分子分散剤は、透明導電膜に対する密着性を向上させる効果があるだけでなく、本発明では透明導電膜における高分子分散剤の残存量を小さくできる。従って、本発明では、体積収縮が小さい緻密かつ密着性の高い膜を形成できるため、これらの点も基材に対する密着性に優れるとともに基材に強固に固定され、かつ金属膜の導電性を向上できる要因となっている。
高分子分散剤(又は高分子型分散剤)(A2−2)としては、金属ナノ粒子を被覆又は粒子間に介在可能であれば特に限定されないが、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
高分子分散剤としては、通常、塗料、インキ分野などで着色剤の分散に用いられている高分子分散剤が例示できる。このような分散剤には、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸系樹脂)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリン、アラビヤゴム、カゼインなどの多糖類など)、ポリエチレンスルホン酸又はその塩、ポリスチレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、窒素原子含有高分子化合物[例えば、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などのアミノ基を有する高分子化合物]などが含まれる。
代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)が含まれる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体(アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸など)、ヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなど)などの付加重合系モノマー;アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)などの縮合系モノマーなどが例示できる。前記縮合系モノマーは、ヒドロキシル基などの活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体など)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。親水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
高分子分散剤は、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩など)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂やアクリル系樹脂などのように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;α−C2−20オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなど)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
高分子分散剤がコポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、星型ポリマー(又は星型ブロックコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。前記ブロックコポリマーの構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロックおよび疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記のように、親水性ユニットは、アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。親水性ブロック(ポリアルキレンオキシドなど)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロックなど)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。これらの結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィンなど)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸など)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミンなど]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシドなど)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
さらに、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。このような成分としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1000程度)などのアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどを例示できる。また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
高分子分散剤(A2−2)は、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、塩基性基(例えば、アミノ基など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて高分子分散剤が有していてもよい。
これらの官能基のうち、高分子分散剤(A2−2)は、酸基又は塩基性基、特に、カルボキシル基を有しているのが好ましい。
また、高分子分散剤(A2−2)が、酸基(カルボキシル基など)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基など)は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)などの酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない高分子分散剤[すなわち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤]を好適に使用できる。
酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤(A2−2)において、酸価は、酸価は、ナノ粒子を製造する際に生成したナノ粒子表面を保護可能である限り下限はないが、より低い方が好ましい。酸価が高すぎると、高分子由来の官能基がナノ粒子表面に多数吸着又は存在しているため、焼結ポイントが少なくなり、ナノ粒子間の焼結を阻害する虞がある。例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2〜1500mgKOH/g程度)、特に10mgKOH/g以上(例えば、12〜900mgKOH/g程度)の範囲から選択できる。特に、酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤が、親水性ユニットおよび疎水性ユニットを有する化合物などである場合、酸価は、例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2〜100mgKOH/g程度)、好ましくは3mgKOH/g以上(例えば、4〜90mgKOH/g程度)、さらに好ましくは5mgKOH/g以上(例えば、6〜80mgKOH/g程度)、特に7mgKOH/g以上(例えば、8〜70mgKOH/g程度)であってもよく、通常3〜50mgKOH/g(例えば、5〜30mgKOH/g)程度であってもよい。なお、酸基を有する高分子分散剤において、アミン価は0(又はほぼ0)であってもよい。
なお、高分子分散剤において、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖および側鎖に位置していてもよい。このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基など)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸など)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。
高分子分散剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、高分子分散剤として、特開平11−80647号公報に記載の高分子分散剤(高分子量顔料分散剤)を使用してもよい。
また、高分子分散剤は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。以下に、市販の高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)を具体的に例示すると、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ[アビシア(株)製];ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2010、ディスパービック2050、ディスパービック2090、ディスパービック2091などのディスパービックシリーズ[ビックケミー(株)製];EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453[EFKAケミカル(株)製];アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ[味の素(株)製];フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ[共栄社化学(株)製];ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ[ジョンソンポリマー(株)製]などが挙げられる。
これらのうち、代表的な酸基を有する高分子分散剤には、ポリ(メタ)アクリル酸類[又はポリアクリル酸系樹脂、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と共重合性単量体(例えば、(メタ)アクリレート、無水マレイン酸など)との共重合体などの(メタ)アクリル酸を主成分とするポリマー、これらの塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など)など]、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。また、代表的な塩基性基(アミノ基)を有する高分子分散剤には、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などが挙げられる。
高分子分散剤(A2−2)の数平均分子量は、例えば、1000〜1000000(例えば、1200〜900000)、1500〜800000、好ましくは2000〜700000、さらに好ましくは3000〜500000(例えば、5000〜300000)、特に7000〜200000程度であってもよい。
金属コロイド粒子において、分散剤(A2)[凝集助剤(A2−1)及び高分子分散剤(A2−2)の総量]の割合は、固形分換算で、金属ナノ粒子(A1)100質量部に対して、0.1〜15質量部程度の範囲から選択でき、操作性及び焼結膜の導電性のバランスに優れる点から、例えば、0.5〜12質量部(例えば、0.5〜10質量部)、好ましくは1〜10質量部(例えば、2〜10質量部)、さらに好ましくは3〜8質量部(特に4〜6質量部)程度であってもよい。さらに、高度に緻密で導電性に優れた焼成膜を得る点から、分散剤(B)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、例えば、0.5〜5質量部、好ましくは1〜4質量部、さらに好ましくは1.5〜3質量部程度であってもよい。
凝集助剤(A2−1)と高分子分散剤(A2−2)との割合(溶媒などを含む場合は固形分の割合)は、例えば、前者/後者(質量比)=99/1〜1/99程度の範囲から選択でき、例えば、90/10〜1/99、好ましくは80/20〜3/97(例えば、70/30〜5/95)、さらに好ましくは50/50〜10/90(特に40/60〜15/85)程度であってもよい。さらに、コロイドの焼結サイトを大きくして、高度に緻密で導電性に優れた焼成膜を得る点から、前者/後者(質量比)=90/10〜10/90、好ましくは70/30〜20/80、さらに好ましくは60/40〜30/70程度であってもよい。凝集助剤(A2−1)の割合を大きくするためには、還元剤以外に、凝集助剤(特に、アルカンカルボン酸)を配合するのが効果的である。
本発明では、分散剤(A2)の割合をこのような範囲にすることにより、前述のように、金属ナノ粒子を含むコロイド粒子を凝集体として得ることができる。
なお、金属コロイド粒子中の凝集助剤(A2−1)、高分子分散剤(A2−2)などの割合は、慣用の方法、例えば、熱分析(例えば、熱質量/示差熱同時分析など)により、測定することができる。
(A)金属コロイド粒子の製造方法
金属コロイド粒子(A)は、慣用の方法、例えば、前記金属ナノ粒子に対応する金属化合物を、分散剤(A2)及び還元剤の存在下、溶媒中で還元することにより調製できる。
前記金属ナノ粒子に対応する金属化合物は、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などであってもよい。なお、金属塩の形態は、単塩、複塩又は錯塩のいずれであってもよく、多量体(例えば、2量体)などであってもよい。これらの金属化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属化合物のうち、金属ハロゲン化物、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などを使用する場合が多い。なお、これらの金属化合物は、溶媒に溶解又は分散させて(例えば、水溶液などの水系溶媒の溶液の形態で)用いてもよい。
還元剤としては、慣用の成分、例えば、水素化ホウ素ナトリウム類(水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素ナトリウムなど)、水素化アルミニウムリチウム、次亜リン酸又はその塩(ナトリウム塩など)、ボラン類(ジボラン、ジメチルアミンボランなど)、ヒドラジン、ホルマリン、アミン類、アルコール類(前記例示のアルコール類、例えば、エチレングリコールなど)、フェノール性水酸基を有するカルボン酸(例えば、タンニン酸)などが例示できる。
アミン類としては、脂肪族アミン類(例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパンなどのアルカンアミン;トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアルキレンポリアミンなど)、脂環式アミン類(例えば、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリンなど)、芳香族アミン類(例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジンなど)、芳香脂肪族アミン類(例えば、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、キシリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミンなどのアラルキルアミン)、アルコールアミン類[特にアルカノールアミン類、例えば、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール(2−(ジメチルアミノ)エタノール)、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルアミノプロパノールなどのC2−10アルカノールアミン、好ましくはC2−6アルカノールアミン]が挙げることができる。
これらのうち、水素化ホウ素ナトリウム、第3級アミン(例えば、2−(ジメチルアミノ)エタノール、N−メチルジエタノールアミンなどの第3級アルカノールアミン)、エチレングリコール、タンニン酸などを好適に使用できる。また、安全性などの点で、アミン類、特に、アルカノールアミン類などのアルコールアミン類が好ましい。アルカノールアミン類は、通常、水溶性である場合が多く、水又は水系溶媒を溶媒とする場合には、好適である。
これらの還元剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
還元剤の使用量は、金属原子換算で前記金属化合物1当量(又は1モル)に対して、1〜30モル(例えば、1.2〜20モル)、好ましくは1.5〜15モル、さらに好ましくは2〜10モル程度であってもよく、通常1〜5モル程度であってもよい。
還元反応は、慣用の方法、例えば、温度10〜75℃(例えば、15〜50℃、好ましくは20〜35℃)程度で行うことができる。反応系の雰囲気は、空気、不活性ガス(窒素ガスなど)であってもよく、還元性ガス(水素ガスなど)を含む雰囲気であってもよい。また、反応は、通常、攪拌下(又は攪拌しながら)で行ってもよい。
なお、反応溶媒は、前記と同様の溶媒(例えば、水など)を使用できる。反応溶媒は、後述の導電性ペーストを構成する分散媒を用いてもよく、導電性ペーストを構成する分散媒とは異なる溶媒を用いてもよい。具体的には、反応溶媒は、分散剤(A2)の種類に応じて、極性溶媒及び疎水性溶媒の中から選択でき、通常、分散剤が水溶性化合物である場合には、水などの極性溶媒を用いることが多い。極性溶媒は反応系に添加される成分、例えば、還元剤などの溶媒に由来してもよい。一方、分散剤が非水溶性化合物である場合には、脂肪族炭化水素類(トリメチルペンタンなど)などの疎水性溶媒を用いることが多く、必要により、疎水性溶媒と極性溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、ジメチルアセトアミドなどのアミド類など)との混合溶媒を用いてもよい。なお、反応溶媒中の前記金属化合物の濃度は、金属の質量換算で、前記分散液中の金属ナノ粒子の濃度と同様の濃度、例えば、5質量%以上(例えば、6〜50質量%)、好ましくは8質量%以上(例えば、9〜40質量%)、さらに好ましくは10質量%以上(例えば、12〜30質量%)、通常5〜30質量%程度の高濃度であってもよい。本発明では、このような高濃度で反応させても、粗大粒子の生成をおさえつつ効率よく金属ナノ粒子を得ることができる。
なお、反応溶媒の種類などに応じて反応系のpHを調製してもよい。
pH調整は、慣用の方法、例えば、酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸)、アルカリ[水酸化ナトリウム、アンモニアなどの無機塩基、アミン類(例えば、アルキルアミン、アルカノールアミンなどの第三級アミン類などの有機塩基)などの塩基類]を用いて行うことができる。
還元反応の終了後、反応混合液を濃縮し、慣用の方法(例えば、遠心分離、メンブレンフィルタ、限外ろ過などのろ過処理など)で精製することにより、溶媒に対して分散性を有する金属コロイド粒子を調製することができる。なお、本発明では、前記特定の組み合わせにより分散剤を構成するので、前記のように、比較的少ない量の分散剤であっても、粗大粒子の少ない金属ナノ粒子とすることができ、精製しなくても金属コロイド粒子を調製できる。また、得られた金属コロイド粒子及び溶媒を含む分散液をそのまま導電性ペーストに配合してもよく、得られた金属コロイド粒子及び溶媒を含む分散液から反応に使用した溶媒を除去し、新たな異種の溶媒(必要により他の添加剤)を加えて新たに分散液を調製してもよい。
(B)金属フィラー(粉末)
本発明では、前記金属コロイド粒子(A)を金属フィラー(B)と組み合わせることにより、ペーストに流動性を付与できるとともに、焼結膜の導電性を向上できる。
金属コロイド粒子(A)を含むペーストでは、ペースト中の粒子濃度が上昇するにつれて、粒子間距離が小さくなり、粒子間又は表面に存在する分散剤の絡み合いなどによる相互作用が生じ、粘度が急激に上昇し、取り扱い性が低下する。本発明では、大粒径の金属フィラー(B)を添加することにより、高濃度のペーストであっても高い流動性を付与することができる。なお、流動性が発現する機構としては以下の理由が考えられる。
(i)粒子の表面間距離Dは、式:D=[{√2π/(6f)}1/3−1]×d(式中、f:ペースト中に占める微粒子の体積分率、d:粒径)で表され、同一の金属濃度のペーストで比較した場合、粒径が大きい成分を含む分散液の方が粒子表面間距離は大きくなるため、粘度が低下すると推定される。
(ii)粒子の沈降速度Dは、式:D=kT/(3πηd)(式中、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、η:溶媒粘度、d:粒径)で表され、同一の金属濃度のペーストで大粒子は沈降速度が大きくなるため、分散液中に大粒子が存在すると凝集構造が破壊され易く、流動性が発現すると推定される。
さらに、本発明では、金属コロイド粒子(A)を含むペーストにさらに大粒径の金属フィラー(B)を添加することにより、ペースト中に含まれる分散剤の割合が減少し、焼成に際して発生する分散剤由来のガス量が低減され、膜中からのガス抜けによる膨れや割れの発生が抑制できる。さらに、ナノ粒子と金属フィラーとの組み合わせにより、充填効率が向上するためか、低温(例えば、150℃以下)で焼成しても、高い導電性を有する被膜が得られる。
このような金属フィラー(B)の数平均粒子径は200nm以上であればよいが、例えば、0.2〜10μm、好ましくは0.3〜8μm(例えば、0.5〜7μm)、さらに好ましくは0.7〜6μm(特に1〜5μm)程度である。金属フィラー(B)の粒径範囲は、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜20μm(例えば、0.25〜10μm)、さらに好ましくは0.3〜8μm(特に0.5〜7μm)程度であってもよい。金属フィラーの粒子径が大きすぎると、例えば、スクリーン印刷などにおいて目詰まりが発生し易くなる。一方、粒子径が小さすぎると、金属フィラーの分散性が低下するため、分散剤の使用量が増加し、焼成におけるガスの発生量も増加する。
金属コロイド粒子(A)と金属フィラー(B)との平均粒径の比は、金属コロイド粒子(A)/金属フィラー(B)=1/1000〜1/5、好ましくは1/500〜1/10(例えば、1/300〜1/20)、さらに好ましくは1/200〜1/30(特に1/100〜1/40)程度である。両者の比がこの範囲にあると、金属コロイド粒子と金属フィラーとの充填効率が向上するため、焼成膜の導電性を向上できる。
金属フィラー(B)を構成する金属は、金属ナノ粒子(A1)の項で例示された金属単体、合金、金属化合物などが挙げられる。これらの金属のうち、少なくとも銀や金などの貴金属(特に周期表第1B族金属)を含む金属(金属単体及び金属合金)、特に貴金属単体(例えば、金単体など)であるのが好ましい。金属ナノ粒子を構成する金属と金属フィラーを構成する金属とは異なっていてもよいが、焼結し易い点から、同一又は同族の金属(特に同一の金属)であるのが好ましい。
金属コロイド粒子(A)と金属フィラー(B)との割合(質量比)は、金属コロイド粒子(A)/金属フィラー(B)=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは70/30〜30/70(特に60/40〜40/60)程度である。両者の比がこの範囲にあると、両者の焼結が緻密に行われるため、焼成膜の導電性を向上できる。
(2)バインダー樹脂
バインダー樹脂としては、導電性粒子を透明導電膜に固定できればよく、慣用のバインダー樹脂が利用できるが、焼成工程において加熱により接着作用を発現する必要があるため、ホットメルト樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましい。ホットメルト樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂などが利用できる。一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、レゾール型又はノボラック型フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化性アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが利用できる。さらに、熱硬化性樹脂は、慣用の硬化剤と組み合わせて使用してもよい。
これらのバインダー樹脂のうち、接着性などの点から、ホットメルト樹脂として、脂肪族又は非晶性ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂が好ましく、熱硬化性樹脂として、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂などが好ましい。さらに、本発明では、低温かつ少量であっても、導電性粒子を透明導電膜に密着できる点から、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ(メタ)アクリレートやエポキシ樹脂などのエポキシ基含有熱硬化性樹脂など)が好ましく、接着性及び耐熱性などに優れる点から、エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂としては、慣用のエポキシ樹脂、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが例示できる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂[例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などのビス(ヒドロキシフェニル)C1−10アルカン骨格を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂など]、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、脂肪族型エポキシ樹脂(例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールモノ乃至ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールモノ乃至テトラグリシジルエーテルなど)、単環式エポキシ樹脂(例えば、レゾルシングリシジルエーテルなど)、複素環式エポキシ樹脂(例えば、トリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン環を有するヒダントイン型エポキシ樹脂など)、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどが例示できる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、カルボン酸(特に多価カルボン酸)のグリシジルエステル、例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテレフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレートなどが例示できる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンモノ乃至ジオキシドなどが例示できる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、アミン類(特にポリアミン類)とエピクロルヒドリンとの反応生成物、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等が例示できる。
これらのエポキシ樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのエポキシ樹脂のうち、耐熱性、接着性などの点から、ビスフェノールA骨格を有するビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の分子量は、数平均分子量で70〜10000、好ましくは100〜5000、さらに好ましくは200〜1000程度である。エポキシ当量は、50〜5000g/eq、好ましくは100〜3000g/eq、さらに好ましくは150〜2000g/eq(特に、150〜1500g/eq)程度である。
硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤[例えば、脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、脂環族ポリアミン(メンセンジアミン、イソホロンジアミンなど)、芳香族ポリアミン(キシレンジアミン、メタフェニレンジアミンなど)など]、ポリアミノアミド系硬化剤(例えば、ポリエチレンポリアミンと脂肪酸との縮物など)、酸及び酸無水物系硬化剤[例えば、脂肪族カルボン酸無水物(ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物など)、脂環族カルボン酸無水物(メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミット酸)、芳香族カルボン酸無水物(無水フタル酸、無水トリメット酸など)など]などが例示できる。これらの硬化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの硬化剤のうち、前記アミン系硬化剤又はその変性物(エポキシ付加物、マンニッヒ反応物、ミカエル反応物、チオ尿素反応物など)などのアミン系硬化剤が好ましい。
硬化剤の割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば、1〜30質量部、好ましくは2〜20質量部、さらに好ましくは3〜15質量部(特に5〜10質量部)程度である。
バインダー樹脂の割合は、導電性粒子(導電性粒子が金属コロイド粒子及び金属フィラーで構成されている場合、両者の合計)100質量部に対して、10質量部以下程度の割合で使用できるが、導電性を向上させる点から、少量であるのが好ましく、例えば、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜4質量部、さらに好ましくは0.3〜3質量部(特に0.5〜2質量部)程度である。本発明では、接着層が形成されているため、バインダー樹脂が少量であっても、導電性粒子を透明導電膜に強固に付着できるため、高い導電性を実現できる。
本発明では、接着層が形成されているため、導電性ペースト自体には高い密着力が必要とされないので、導電性ペースト中のバインダー樹脂の割合を減少でき、低い抵抗率を実現できる。さらに、基板上に接着層が形成され、導電性ペーストが金属コロイド粒子を含む場合、導電性ペーストにバインダー樹脂が含まれていなくても、ある程度の密着力を得ることができるが、少量のバインダー樹脂を添加することにより、適度に焼成膜内の空隙が減少し、接着層との接触効率が向上するためか、接着層と金属コロイド粒子とバインダー樹脂との相乗効果により密着力が向上すると推定できる。
(3)分散媒
分散媒としては、前記導電性粒子及びバインダー樹脂との組み合わせにより、ペーストにおいて十分な粘度を生じさせる溶媒であれば特に限定されず、汎用の溶媒が使用できる。分散媒(分散溶媒)としては、例えば、水、アルコール類{例えば、脂肪族アルコール類[例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノールなど)、デカノール(1−デカノールなど)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコールなどの飽和又は不飽和C1−30脂肪族アルコール、好ましくは飽和又は不飽和C8−24脂肪族アルコールなど]、脂環族アルコール類[例えば、シクロヘキサノールなどのシクロアルカノール類;テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどのテルペンアルコール類(例えば、モノテルペンアルコールなど)など]、芳香脂肪族アルコール(例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの(ポリ)C2−4アルキレングリコールなどのグリコール類;グリセリンなどの3以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールなど)など}、グリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;2−フェノキシエタノールなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアリールエーテルなど)、グリコールエステル類(例えば、酢酸カルビトールなどの(ポリ)アルキレングリコールアセテートなど)、グリコールエーテルエステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート)、炭化水素類[例えば、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、トリメチルペンタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカンなどの飽和又は不飽和脂肪族炭化水素類)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレンなど)など]、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ベンジル、酢酸イソボルネオール、安息香酸メチル、安息香酸エチルなど)、アミド類(ホルムアミド、アセトアミドなどのアシルアミド類、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのモノ又はジC1−4アシルアミド類など)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、有機カルボン酸類(酢酸など)などが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
溶媒としては、金属コロイド粒子(A)を構成する分散剤(A2)の種類に応じて、前記反応溶媒として記載した極性溶媒及び疎水性溶媒を使用できるが、均質なペーストを調製するためには、分散剤(A2)と親和性を有する溶媒を使用するのが好ましく、例えば、分散剤(A2)が親水性である場合には、少なくとも極性基を有する溶媒(特に非芳香族系溶媒)で構成するのが好ましい。このような溶媒としては、脂肪族アルコール(例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどの飽和又は不飽和C6−30脂肪族アルコールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのC1−4アルキルセロソルブ類など)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテートなどのC1−4アルキルセロソルブアセテート類)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトールなどのC1−4アルキルカルビトール類など)、脂肪族多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなど)、脂環族アルコール類[例えば、シクロヘキサノールなどのシクロアルカノール類;テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどのテルペンアルコール類(例えば、モノテルペンアルコールなど)など]などが汎用される。このような溶媒の極性パラメータ(Snyderによる極性パラメータ)は、例えば、2.8〜11、好ましくは3〜10.5、さらに好ましくは3.1〜10.2程度であってもよい。
これらの溶媒のうち、分散剤(A2)に対する親和性に優れる点から、オクタノールなどの飽和又は不飽和C6−20脂肪族アルコール、エチレングリコールなどの脂肪族多価アルコール、テルピネオールなどの脂環族アルコールが特に好ましい。
また、分散媒の沸点(混合溶媒である場合、各溶媒の沸点)は、導電性ペーストの用途に応じて異なるが、100℃以上(例えば、100〜300℃程度)であるのが好ましく、例えば、100〜400℃(例えば、120〜380℃)、好ましくは130〜370℃(例えば、150〜350℃)、さらに好ましくは170〜320℃(例えば、180〜300℃)程度であってもよく、通常180〜270℃(例えば、185〜250℃)程度であってもよい。
導電性ペーストにおいて、分散媒の割合は、例えば、導電性粒子100質量部に対して、例えば、0.1〜100質量部、好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは3〜30質量部(特に5〜20質量部)程度であってもよい。
このようなペースト中において、高濃度で存在する導電性粒子は、溶媒に対して高い分散性を有しており、また、長期間に亘りこのような高い分散安定性を維持している。そして、このようなペーストと接着層とを組み合わせることにより、透明導電膜に対して確実に金属膜(導電層又は導電パターン)を高い密着性で形成できる。さらに、ペーストは、沈降などを生じることなく長期安定性(保存安定性)に優れているため、長期間保存後、金属膜(焼結膜)を形成しても、金属膜において抵抗値が増大することなく、優れた導電性を維持できる。
ペーストには、用途に応じて、慣用の添加剤、例えば、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、界面活性剤又は分散剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、保湿剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
導電性ペーストは、前記構成のペーストを得ることができる限り特に限定されないが、通常、前記導電性粒子及びバインダー樹脂を、前記分散媒に分散させることにより得ることができる。
[積層体(導電性基材前駆体)及び導電性基材の製造方法]
本発明の積層体は、前記基材を構成する透明導電膜の上に、接着層を形成した後、この接着層の上に、導電性ペーストを用いて塗膜を形成することにより製造できる。
接着層の形成方法としては、特に限定されず、例えば、コーティング方法、ラミネート方法(押出ラミネート方法、ドライラミネート方法)、押出成形方法、キャスティング方法などを利用できる。これらの方法のうち、簡便性などの点から、接着層を構成する熱可塑性樹脂を溶媒に溶解又は分散させた溶液をコーティングする方法が好ましい。
接着層を形成するためのドープに用いられる溶媒としては、熱可塑性樹脂の種類に応じて選択でき、例えば、熱可塑性樹脂が親水性(水性)ポリエステル系樹脂の場合、親水性ポリエステル系樹脂を溶解又は分散可能な極性溶媒が利用できる。極性溶媒としては、例えば、水の他に、前記導電性ペーストの分散媒で例示された極性溶媒などが挙げられる。これらの極性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、例えば、水単独、アルコール類単独(例えば、エタノールやオクタノールなどの脂肪族アルコール単独、テルピネオールなどの脂環族アルコール単独)、水とアルコール類との混合溶媒(例えば、水と脂肪族アルコール類との混合溶媒など)などであってもよい。ドープ中における熱可塑性樹脂の濃度は、接着層の厚みに応じて、例えば、0.1〜50質量%程度の範囲から選択でき、好ましくは0.5〜40質量%、さらに好ましくは1〜30質量%(特に2〜20質量%)程度である。
コーティング方法としては、例えば、例えば、フローコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、キャスト法、バーコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法、スリット法、フォトリソグラフィ法、インクジェット法などを挙げることができる。接着層は、パターン状などにして透明導電膜の全面に対して一部の面に形成してもよいが、導電性ペーストを焼成した導電層との密着性を向上させる点から、全面に形成するのが好ましい。
塗布後は、自然乾燥してもよいが、加熱して乾燥してもよい。加熱温度は、溶媒の種類に応じて選択でき、例えば、50〜200℃、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜150℃(特に110〜140℃)程度である。加熱時間は、例えば、1分〜3時間、好ましくは5分〜2時間、さらに好ましくは10分〜1時間程度である。
導電性ペーストを用いて塗膜を形成する方法としては、透明導電膜の種類に応じて選択できるが、前述のコーティング方法を利用して、接着層の上にコーティングできる。前記コーティング方法のうち、塗膜でパターンを形成(描画)してもよく、形成されたパターン(描画パターン)を焼成処理することにより焼結パターン(焼結膜、金属膜、焼結体層、導体層)を形成できる。パターン(塗布層)を描画するための描画法(又は印刷法)としては、パターン形成可能な印刷法であれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法(例えば、グラビア印刷法など)、オフセット印刷法、凹版オフセット印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。
得られた積層体は、導電性基材の前駆体であり、塗膜を所定の温度で加熱(又は焼成又は加熱処理)する焼成工程に供される。なお、熱処理に先立って、必要に応じて乾燥処理を行ってもよい。
本発明では、比較的低温であっても、バインダー樹脂が硬化又は接着作用を発現し、かつ金属ナノ粒子が融着して連続膜を形成するため、低温での焼成が可能であり、透明導電膜の熱損傷を抑制できる。熱処理温度は、例えば、330℃以下(例えば、100〜330℃程度)、好ましくは120〜320℃、さらに好ましくは150〜300℃(特に180〜250℃)程度である。また、熱処理時間(加熱時間)は、熱処理温度などに応じて、例えば、10分〜5時間、好ましくは15分〜3時間、さらに好ましくは20分〜1時間程度であってもよい。
得られた焼成膜又は金属膜(焼結後の塗膜、焼結パターン)の厚みは、用途に応じて0.01〜10000μm程度の範囲から適宜選択でき、例えば、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは0.3〜30μm(特に0.5〜10μm)程度であってもよい。本発明では、比較的厚膜、例えば、0.3μm以上(例えば、0.3〜100μm)、好ましくは0.5μm以上(例えば、0.5〜50μm)、さらに好ましくは1μm以上(例えば、1〜30μm)程度の厚みの金属膜を形成してもよい。このような厚膜であっても、基材に対する密着性を損なうことなく、高い導電性の金属膜とすることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(銀コロイド粒子の合成例)
硝酸銀66.8g、凝集助剤(A2−1)として酢酸(和光純薬工業(株)製、沸点118℃、炭素数2)10g、高分子分散剤(A2−2)としてカルボキシル基を有する高分子分散剤(ビッグケミー製、「ディスパービック190」、親水性ユニットであるポリエチレンオキサイド鎖と疎水性ユニットであるアルキル基とを有する両親媒性分散剤、溶媒:水、不揮発成分40%、酸価10mgKOH/g、アミン価0)2gを、イオン交換水1000gに投入し、激しく撹拌した。これに2−ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業(株)製)100gを加えた後、70℃で2時間加熱撹拌した。この反応物を高速遠心分離器((株)コクサン(Kokusan)製、H−200 SERIES)を用い、7000rpm、1時間遠心分離し、銀ナノ粒子が保護コロイドにより保護された銀コロイド粒子(個数平均粒子径30nm)が凝集した沈殿物を回収した。なお、銀ナノ粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定した。
分散剤(A2)の含有量を熱重量測定装置(TG/DTA、セイコーインスツルメンツ(株)製、EXSTAR6000)で測定(1分間に10℃の速さで30℃から550℃まで昇温したときの質量減少から算出)したところ、銀100質量部に対して2.0質量部の分散剤(A2)を含有し、凝集助剤(A2−1)/高分子分散剤(A2−2)=35/65であった。なお、(A2−1)/(A2−2)比は、まず(A2−1)量を30℃から200℃までの質量減少から算出して、(A2−2)を式[(A2)−(A2−1)]から算出し、これらの値(A2−1)(A2−2)から求めた。
(ペーストの調製例1)
前記合成例により調製した銀コロイド粒子51質量部、銀フィラー(平均粒径(D50)1.6μm)50質量部、テルピネオール(和光純薬工業(株)製、異性体混合物)10質量部を乳鉢で混合し、銀粒子ペースト1を調製した。
(ペーストの調製例2〜5)
前記ペーストの調製例1において、さらにバインダー樹脂[ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び変性ポリアミン系硬化剤の混合物、エポキシ樹脂/硬化剤(質量比)=15/1]を、それぞれ1、3、5、10質量部添加して、銀ペースト2〜5を調製した。
実施例1〜4
表面が透明導電膜(ITO膜)でコートされた厚み1mmのガラス基板(ITO膜厚み0.08μm)に、樹脂濃度が3%の水性ポリエステル樹脂の水溶液をスピンコートで塗布し、120℃で30分乾燥させて、膜厚が約0.1μmの接着層を形成した。この基板に銀ペースト2をスクリーン印刷し、焼成条件を代えて(150℃×30分、200℃×30分、250℃×30分、300℃×30分)、焼成膜を製造した。
実施例5
樹脂濃度が15%の水性ポリエステル樹脂の水溶液を用いて、接着層の厚みを0.5μmに変更する以外は実施例2と同様にして焼成膜を製造した。
実施例6
樹脂濃度が30%の水性ポリエステル樹脂の水溶液を用いて、接着層の厚みを0.5μmに変更する以外は実施例2と同様にして焼成膜を製造した。
実施例7
樹脂濃度が30%の水性ポリエステル樹脂の水溶液を用いて、接着層の厚みを2μmに変更する以外は実施例2と同様にして焼成膜を製造した。
実施例8〜10
銀ペースト2に代えて、銀ペースト3〜5を用いる以外は実施例4と同様にして焼成膜を製造した。
実施例11
透明導電膜がコートされたガラス基板に代えて、透明導電膜(ITO膜)がコートされた厚さ0.1mmのPENフィルム(ITO膜厚み0.08μm)を用いる以外は実施例1と同様にして焼成膜を製造した。
参考例1
ペースト焼成温度を350℃に変更する以外は実施例1と同様にして焼成膜を製造した。
比較例1
実施例2において、接着層を形成することなく、焼成膜を製造した。
比較例2
銀ペースト2に代えて、銀ペースト1を用いる以外は実施例2と同様にして焼成膜を製造した。
これらの実施例、参考例及び比較例で得られた焼成膜の体積抵抗率(比抵抗)を測定した。また、焼成膜の密着性をJIS K 5600−5−6クロスカット法に準じて評価し、評価結果は分類1以下を○、分類2を△、分類3以上を×とした。また、温度85℃、湿度85%で1000時間暴露した耐湿試験を行い、前記クロスカット法に準じたクロスカットを伴わないテープ剥離試験により剥離が見られたものを×とした。さらに、透明導電膜上で独立して印刷され、かつ中心間距離が4cm離れた位置にある5mm角の焼成膜上にテスターの針を載せて2点間の抵抗値を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005558069
表1の結果から、実施例1〜11の焼成膜は密着性が高く、特に、実施例1〜8及び10の焼成膜は導電性も高い。これに対して、参考例及び比較例の焼成膜では、密着性が低い。
本発明の導電性基材は、各種の導電体、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)などの表示装置、シリコン半導体系やグレッツェル式(色素増感型)などの太陽電池、タッチパネル式表示装置などの電極、RFIDタグ、電磁波シールド、家庭又は学習用配線キットなどに利用できる。

Claims (4)

  1. 透明導電膜を有する基材と、前記透明導電膜の上に形成された接着層と、この接着層の上に形成された塗膜とで構成された積層体を150〜300℃で焼成する導電性基材の製造方法であって、
    前記接着層が熱可塑性樹脂で構成され、かつ
    前記塗膜が、導電性粒子、エポキシ樹脂及び分散媒を含む導電性ペーストで構成され
    前記導電性粒子が、金属コロイド粒子及び銀フィラーであり、
    前記金属コロイド粒子が、銀ナノ粒子と凝集助剤及び高分子分散剤を組み合わせた分散剤とで構成され、
    前記エポキシ樹脂の割合が、導電性粒子100質量部に対して、0.1〜5質量部であ製造方法
  2. 熱可塑性樹脂が水性ポリエステル系樹脂を含む請求項1記載の製造方法
  3. 接着層の厚みが0.1〜1μmである請求項1又は2記載の製造方法
  4. 基材が、無機素材又はプラスチックで構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
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