JP2010227999A - プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法 - Google Patents

プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010227999A
JP2010227999A JP2009111068A JP2009111068A JP2010227999A JP 2010227999 A JP2010227999 A JP 2010227999A JP 2009111068 A JP2009111068 A JP 2009111068A JP 2009111068 A JP2009111068 A JP 2009111068A JP 2010227999 A JP2010227999 A JP 2010227999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plug
tip
coating
piercing
lubricant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009111068A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5169982B2 (ja
Inventor
Yasuto Higashida
泰斗 東田
Yasuyoshi Hidaka
康善 日高
Kazumune Shimoda
一宗 下田
Tomio Yamakawa
富夫 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=42709532&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2010227999(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2009111068A priority Critical patent/JP5169982B2/ja
Priority to EP10748566.6A priority patent/EP2404680B1/en
Priority to PCT/JP2010/050668 priority patent/WO2010100968A1/ja
Priority to BRPI1008747 priority patent/BRPI1008747B1/pt
Priority to CN201080010489.0A priority patent/CN102341193B/zh
Publication of JP2010227999A publication Critical patent/JP2010227999A/ja
Priority to US13/212,929 priority patent/US8544306B2/en
Publication of JP5169982B2 publication Critical patent/JP5169982B2/ja
Application granted granted Critical
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B25/00Mandrels for metal tube rolling mills, e.g. mandrels of the types used in the methods covered by group B21B17/00; Accessories or auxiliary means therefor ; Construction of, or alloys for, mandrels or plugs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B19/00Tube-rolling by rollers arranged outside the work and having their axes not perpendicular to the axis of the work
    • B21B19/02Tube-rolling by rollers arranged outside the work and having their axes not perpendicular to the axis of the work the axes of the rollers being arranged essentially diagonally to the axis of the work, e.g. "cross" tube-rolling ; Diescher mills, Stiefel disc piercers or Stiefel rotary piercers
    • B21B19/04Rolling basic material of solid, i.e. non-hollow, structure; Piercing, e.g. rotary piercing mills
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B25/00Mandrels for metal tube rolling mills, e.g. mandrels of the types used in the methods covered by group B21B17/00; Accessories or auxiliary means therefor ; Construction of, or alloys for, mandrels or plugs
    • B21B25/04Cooling or lubricating mandrels during operation

Abstract

【課題】穿孔圧延で成形された中空素管の内面疵を防止でき、製作に長時間を要することなく、寿命の向上が可能なプラグを提供する。
【解決手段】プラグ2は、凸の曲率を有する先端部21と、略円柱状の円柱部22と、後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部23と、プラグ2の後端部に設けられた芯金結合部26と、芯金結合部26から胴部23を貫通して円柱部22の表面に開口する潤滑剤噴射孔24と、を備え、先端部21および胴部23の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜27が形成されている。穿孔圧延の際、プラグ2は噴射孔24から潤滑剤を噴射しながら素材を穿孔する。
【選択図】図5

Description

本発明は、継目無管の製造で用いられる穿孔圧延機(以下、「穿孔機(ピアサ)」ともいう)に使用されるプラグに関する。また、本発明は、そのプラグを用いた穿孔機、およびその穿孔機を用いた継目無管の製造方法に関する。
継目無管は、マンネスマン製管法により製造することができる。この製管法は、次のステップからなる:
(1)穿孔機により、所定温度に加熱された素材(丸ビレット)を穿孔圧延し、中空素管(ホローシェル)に成形する;
(2)延伸圧延機(例:マンドレルミル)により、中空素管を延伸圧延する;
(3)定径圧延機(例:ストレッチレデューサ)により、延伸圧延した中空素管を定径圧延する。
図1は、従来の穿孔機による素材の穿孔圧延を説明するための模式図である。同図に示すように、穿孔機は、各々がパスラインPLに対して傾斜した一対の傾斜ロール4と、穿孔用工具として砲弾形状のプラグ100と、プラグ100の後端に結合される芯金3とを備える。素材7は、傾斜ロール4により周方向に回転させられながら軸方向に搬送され、これに伴いプラグ100により中心部を穿孔され、中空素管8に成形される。
穿孔機による穿孔圧延の際、中空素管の内表面に疵(以下、「内面疵」という)が発生する場合がある。内面疵の主な発生メカニズムは次の通りである。穿孔時の回転鍛造効果により、プラグ先端よりも上流側の素材中心部にマンネスマン破壊が発生する。発生したマンネスマン破壊は、傾斜ロールおよびプラグにより周方向の剪断歪みを受ける。その結果、マンネスマン破壊が周方向に進展し、内面疵となる。
マンネスマン破壊に起因した内面疵の発生を抑制するには、プラグ表面の摩擦係数を低減することが有効である。これは以下の理由による。プラグ表面の摩擦係数を低減すれば、穿孔される素材の搬送速度が増し、回転鍛造効果が抑制される。また、プラグ表面の摩擦係数を低減すれば、周方向の剪断歪みが抑制される。回転鍛造効果の抑制および剪断歪みの抑制により、マンネスマン破壊が拡大するのを防止することができ、内面疵の発生を抑制することが可能になる。
プラグ表面の摩擦係数の低減は、プラグの摩耗や溶損の防止にも寄与する。そのため、プラグ表面に凹凸が形成するのを防止することができ、その凹凸に起因した内面疵の発生を抑制することも可能になる。
プラグ表面の摩擦係数を低減する従来技術は、下記のものがある。
特許文献1、2には、プラグの先端に開口する噴射孔を設け、噴射孔から潤滑剤を噴射しながら穿孔圧延する方法が開示されている。しかし、これらの特許文献1、2に開示されたプラグの先端は、素材と高面圧で接触する。そのため、プラグ先端に開口する噴射孔から潤滑剤を噴射するには、プラグ先端に接触する素材の変形抵抗以上の高い圧力で潤滑剤を噴射する必要がある。さらに、噴射孔の開口部が素材との接触により変形し閉塞する可能性もある。
特許文献3には、潤滑剤に高い圧力を付加することなく、プラグから潤滑剤を噴射する方法が開示されている。
図2は、特許文献3に開示されたプラグの縦断面図である。同図に示すように、特許文献3に開示されたプラグ101は、凸の曲率を有する先端部102と、外径が一定である円柱部103と、外径が後端に向かって徐々に拡大する胴部104とを備える。噴射孔105は、胴部104のうちで円柱部103と隣接する部分の表面に開口している。このプラグ101を用いた穿孔圧延の際、円柱部103の表面と素材7との間に隙間60が形成される。特許文献3では、その隙間60により、噴射孔105の開口部が塞がれることなく、一定量の潤滑油の供給が可能であるとしている。しかし、このプラグ101では、以下の問題がある。
穿孔時に、素材7が噴射孔105の開口部105aの上部に接触する場合がある。噴射孔105が胴部104のうちで円柱部103と隣接する部分の表面に開口しているからである。素材7が噴射孔105の開口部105aに接触した場合、中空素管8に内面疵が生じたり、その開口部105aが溶損して閉塞する可能性がある。
穿孔時に、素材7は胴部104のうちで噴射孔105の開口部105aの近傍部分に接触する。この接触に伴い、噴射孔105の開口部105aの温度は、素材7が保有する熱により上昇し高温になる。そのため、ガラス系の潤滑剤を使用すると、穿孔時に開口部105aの付近で潤滑剤が高温となって、水分が揮発するとともにガラス成分を生成することとなり、穿孔後にプラグが冷却される際、そのガラス成分が開口部105a付近で固化し、噴射孔105を閉塞させる場合がある。
特許文献4には、前記特許文献3に開示されたプラグの問題を解消する方法が開示されている。
図3は、特許文献4に開示されたプラグを説明する図であり、同図(a)はプラグの縦断面図、同図(b)は穿孔圧延状態を示す縦断面図である。同図(a)、(b)に示すように、特許文献4に開示されたプラグ120は、先端部121と胴部123との間に円柱部122が設けられ、この円柱部122の表面に噴射孔124が開口している。このプラグ120を用いた穿孔圧延の際、図3(b)に示すように、素材7と円柱部122の表面との間に隙間60が形成される。その隙間60により、穿孔時に、噴射孔124の開口部124aは素材7と接触しない。そのため、素材7と噴射孔124の開口部124aとの接触に起因して内面疵が発生するのを防止することができ、開口部124aが溶損して閉塞することも防止できる。
穿孔時に、噴射孔124の開口部124aの温度上昇が抑制される。素材7と接触する先端部121や胴部123に噴射孔124が開口していないからである。そのため、ガラス系の潤滑剤を使用する場合であっても、噴射孔124の開口部124a付近で潤滑剤が固化するのを抑制することができ、固化した潤滑剤により噴射孔124が詰まるのを防止することが可能になる。
ところで、前記特許文献4に開示された潤滑剤噴射用の噴射孔を有するプラグは、穿孔に繰り返し使用されるため、長寿命であることが要求される。この要求から、プラグ表面には、プラグ母材を保護するために酸化スケールの被膜が形成されるのが一般的である(例えば、特許文献5〜8参照)。スケール被膜は、穿孔時に、ビレットからプラグ母材への熱伝達を遮断するとともに、ビレットとプラグとの焼付きを防止する役割を果たす。これにより、プラグ母材の損傷や溶損が抑制され、プラグ寿命の向上が期待できる。
特開平1−180712号公報 特開平10−235413号公報 特開昭51−133167号公報 再公表WO2006/134957号公報 特公平4−8498号公報 特開平4−74848号公報 特開平4−270003号公報 特公昭64−7147号公報
通常、プラグ表面のスケール被膜は、熱間工具鋼から成るプラグを900℃〜1000℃程度の高温で数時間から数十時間にわたって熱処理することにより形成される。そのため、スケール被膜の形成は多大な時間を要する。
前記特許文献4に開示されたプラグは、スケール被膜を形成するための熱処理により、噴射孔でスケールが成長する。そのため、噴射孔の開口部がスケールによって狭まる。さらに、遮熱性を高めるためにスケール被膜を厚く形成すると、噴射孔の開口部がスケールによって閉塞する場合もある。いずれの場合も、スケールに起因して潤滑剤の円滑な噴射が困難になる。
穿孔に繰り返し使用してスケール被膜の摩耗や剥離が生じたプラグは、再使用するために再熱処理を行い、スケール被膜が再形成される。その再熱処理に際し、プラグ表面に残存するスケール被膜は、ショットブラストにより完全に除去される。このため、プラグの噴射孔の開口部は、ショットブラストの威力で変形するおそれがある。また、プラグ内部の噴射孔内に残存するスケールは、ショットブラストで除去することができない。このため、再熱処理を繰り返すのに伴って、噴射孔がスケールによって閉塞する。
プラグの先端部は、穿孔中に高温の素材と高面圧で長時間接触するため、プラグを構成する各部位のうちで摩耗や溶損が発生し易い。しかし、前記特許文献4に開示されたプラグを用いた穿孔圧延において、噴射孔から噴射された潤滑剤は、主としてプラグ後方へ流れることから、プラグ先端部の表面に流れ込み難い。このため、プラグ先端部では、潤滑剤の供給が不足気味となり、潤滑剤による潤滑効果が十分に得られない可能性がある。
従って、前記特許文献4に開示されたプラグは、先端部の摩耗や溶損を有効に抑制することが困難であり、プラグ寿命の向上が図れない。
また、前記特許文献4に開示されたプラグは、母材表面にスケール被膜を形成した場合であっても、プラグ寿命の向上が図れない。スケール被膜を形成するための熱処理や再熱処理の際に噴射孔がスケールで閉塞したり、再熱処理に伴うショットブラストの際に噴射孔の開口部が変形し、潤滑剤の円滑な噴射が困難になるからである。
さらに、前記特許文献4に開示されたプラグは、母材表面にスケール被膜を形成する場合、長時間にわたる熱処理が必要であり、製作に長時間を要する問題もある。
本発明の目的は、次の特性を有するプラグ、穿孔機、およびそれを用いた継目無管の製造方法を提供することである:
(1)穿孔圧延で成形された中空素管の内面疵を防止できること;
(2)プラグ寿命を向上できること;
(3)プラグの製作に長時間を要しないこと。
本発明の要旨は、次の通りである。
(I)素材を穿孔圧延して中空素管に成形する穿孔圧延機に用いられ、芯金の先端に結合されて潤滑剤を噴射しながら素材を穿孔するプラグであって、
当該プラグは、
凸の曲率を有する先端部と、
この先端部に隣接する略円柱状の円柱部と、
この円柱部に隣接し後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部と、
当該プラグの後端部に設けられた芯金結合部と、
この芯金結合部から前記胴部を貫通して前記円柱部の表面に開口する潤滑剤噴射孔と、を備え、
前記先端部および前記胴部の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜が形成されていること、
を特徴とするプラグ。
(II)素材を穿孔圧延して中空素管に成形する穿孔圧延機に用いられ、芯金の先端に結合されて素材を穿孔するプラグであって、
当該プラグは、
凸の曲率を有する先端部と、
この先端部に直接または略円柱状の円柱部を介して隣接し後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部と、
当該プラグの後端部に設けられた芯金結合部と、を備え、
少なくとも前記先端部および前記胴部の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜が形成されていること、
を特徴とするプラグ。
上記(I)、(II)のプラグは、前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が55〜80%であること、が好ましい。
上記(I)、(II)のプラグは、前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が、母材との隣接部で40%以下であり、表層部で55〜80%であること、が好ましい。
これらのプラグは、前記被膜の厚みが前記胴部よりも前記先端部で厚いこと、が好ましい。
(III)芯金の先端に結合されたプラグから潤滑剤を噴射しながら素材を穿孔圧延して中空素管に成形する穿孔圧延機であって、
当該穿孔圧延機は、
軸方向に貫通孔を有する芯金と、
前記貫通孔に前記潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、
前記貫通孔に連通する潤滑剤噴射孔を有するプラグと、を備え、
前記プラグが、凸の曲率を有する先端部、略円柱状の円柱部、および後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部からなり、
前記潤滑剤噴射孔が前記円柱部の表面に開口し、
前記先端部および前記胴部の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜が形成されていること、
を特徴とする穿孔圧延機。
上記(III)の穿孔圧延機は、前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が55〜80%であること、が好ましい。
上記(III)の穿孔圧延機は、前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が、母材との隣接部で40%以下であり、表層部で55〜80%であること、が好ましい。
これらの穿孔圧延機は、前記被膜の厚みが前記胴部よりも前記先端部で厚いこと、が好ましい。
(IV)上記(III)の穿孔圧延機を用い、
前記素材を穿孔圧延している間、前記プラグの前記噴射孔から前記潤滑剤を噴射させながら中空素管に成形すること、
を特徴とする継目無管の製造方法。
本発明のプラグは、下記の顕著な効果を有する:
(1)穿孔圧延で成形された中空素管の内面疵を防止できること;
(2)プラグ寿命を向上できること;
(3)プラグの製作に長時間を要しないこと。
本発明のプラグの優れた特性は、本発明の穿孔機および継目無管の製造方法に適用することによって十分に発揮させることができる。
従来の穿孔機による素材の穿孔圧延を説明するための模式図である。 特許文献3に開示されたプラグの縦断面図である。 特許文献4に開示されたプラグを説明する図であり、同図(a)はプラグの縦断面図、同図(b)は穿孔圧延状態を示す縦断面図である。 本発明の穿孔機の構成を示す模式図である。 本発明のプラグの第1構成例を示す縦断面図である。 本発明のプラグの第2構成例を示す縦断面図である。 本発明のプラグの第2構成例の別例を示す縦断面図である。 本発明のプラグの第3構成例を示す縦断面図である。 プラグにおけるアーク溶射距離に応じた表面被膜のX線解析測定結果を示す図である。 プラグにおけるアーク溶射距離に応じた表面被膜の断面ミクロ観察組織を示す図である。 プラグにおける被膜中の酸化物比率と被膜の密着力との相関を示す図である。 プラグにおける被膜中の酸化物比率と被膜の摩耗量との相関を示す図である。 プラグにおける被膜中の酸化物比率と連続穿孔回数(パス回数)との相関を示す図である。 溶射距離を徐々に長くしてアーク溶射を行ったときのプラグにおける表面被膜の断面ミクロ観察組織を示す図である。 本発明のプラグの第1構成例の別例を示す縦断面図である。 本発明のプラグの第2構成例のさらに別例を示す縦断面図である。 本発明の第1構成例のプラグによる穿孔圧延状態を示す縦断面図である。 実施例1で用いたプラグの縦断面図である。 実施例2で用いたプラグの縦断面図である。
1.穿孔機の構成
図4は、本発明の穿孔機の構成を示す模式図である。同図に示すように、穿孔機1は、一対の傾斜ロール4と、プラグ2と、芯金3と、潤滑剤供給装置5とを備える。
プラグ2は、潤滑剤を噴射するための噴射孔24を有する。芯金3は、その先端が、プラグ2の後端に設けられた芯金結合部26に嵌め込まれ、プラグ2と結合される。芯金3は、その先端から後端まで軸方向に貫通した貫通孔31を有する。芯金3がプラグ2と結合された状態において、貫通孔31は噴射孔24と連通する。
潤滑剤供給装置5は、潤滑剤51を収容するタンク52と、ポンプ53とを備える。ポンプ53は、潤滑剤51をタンク52から貫通孔31および噴射孔24に圧送し、プラグ2の表面から噴射させる。
傾斜ロール4は、図4に示すようなコーン型に限られず、バレル型であってもよい。また、穿孔機1は、図4に示すような傾斜ロール4を2つ設けた2ロール式に限られず、傾斜ロールを3つ設けた3ロール式であってもよい。
2.プラグの構成
2−1.プラグ形状
2−1−1.第1構成例
図5は、本発明のプラグの第1構成例を示す縦断面図である。同図に示すように、プラグ2は、先端部21と、円柱部22と、胴部23と、逃げ部25とを備える。
先端部21は、プラグ2の前部を構成し、軸方向に凸の曲率を有する。穿孔圧延時、先端部21は素材に押し当てられ、素材中心部を穿孔する。
円柱部22は、先端部21に隣接して設けられる。穿孔圧延時、円柱部22の表面と素材との間に隙間が形成され、円柱部22の表面は、素材と接触しない。円柱部22は、外径が一定である円柱状に限られず、外径が後端に向かって僅かに拡大する円錐台状であってもよい。要するに、円柱部22は、穿孔圧延時に素材と接触しない程度に外径が変化したものを含む略円柱状である。
胴部23は、円柱部22に隣接して設けられる。胴部23は、横断面が円形であり、その外径が後端に向かって徐々に拡大する。穿孔圧延時、胴部23は、先端部21により穿孔された素材と接触しながら、素材の内径を徐々に拡長させ、傾斜ロール4との間で圧延して中空素管の肉厚を所望の厚さに形成する。
逃げ部25は、プラグ2の後部を構成し、胴部23に隣接して設けられる。逃げ部25の外径は、後端に向かって徐々に縮小する。穿孔圧延時、逃げ部25は、胴部23により形成された中空素管の内表面と接触しない。このため、逃げ部25は、プラグ2の後端が中空素管と接触して内面疵が発生するのを防止する役割を果たす。
プラグ2の後端部には、プラグ2を芯金3と結合するための芯金結合部26が設けられる。芯金結合部26は、プラグ2の後端面25aの中心部に所定の深さで設けられた凹部である。芯金結合部26には、周知の方法により芯金3の先端が嵌め込まれ、プラグ2と芯金3とが結合される。
プラグ2は、噴射孔24を有する。噴射孔24は、芯金結合部26の底面26aから胴部23を貫通し、円柱部22の表面に開口している。図5に示す噴射孔24は、芯金結合部26の底面26aからの経路が2つの経路に分岐し、分岐した各経路が円柱部22の表面に至り、円柱部22の周方向で等角度に配置された2つの開口部24aを形成している。噴射孔24は、経路が分岐することなく、円柱部22の表面で1つの開口部24aを形成してもよく、また、経路が3つ以上に分岐し、円柱部22の表面で3つ以上の開口部24aを形成してもよい。
芯金3が芯金結合部26に結合されると、プラグ2の噴射孔24は芯金3の貫通孔31とつながる。潤滑剤供給装置5から圧送された潤滑剤は、貫通孔31を通じて噴射孔21に供給され、開口部24aから噴射される。
プラグ2の母材の材質は、周知のプラグ母材(例:JIS規定の熱間工具鋼)と同様である。
このような潤滑剤噴射用の噴射孔24を有する本発明のプラグ2は、アーク溶射装置を用いて、開口部24aが形成された部分を除く先端部21および胴部23の母材表面に、Feを主成分とする鉄線材でアーク溶射を施すことにより、酸化物(例:Fe34やFeO)およびFe(メタル)で構成される被膜27が形成されている。
2−1−2.第2構成例
図6は、本発明のプラグの第2構成例を示す縦断面図である。同図に示すプラグ2は、前記図5に示す第1構成例のプラグ2と比較して、噴射孔を有さない点のみが相違し、潤滑剤を噴射しない構成である。
図7は、本発明のプラグの第2構成例の別例を示す縦断面図である。同図に示すプラグ2は、図6に示す第2構成例のプラグ2と比較して、先端部21および胴部23の母材表面に形成された被膜27が、円柱部22の母材表面にも連続して形成された構成である。
2−1−3.第3構成例
図8は、本発明のプラグの第3構成例を示す縦断面図である。同図に示すプラグ2は、前記図6および図7に示す第2構成例のプラグ2を変形したものであり、第2構成例のプラグの円柱部22を省略し、胴部23の先端から先端部21が直接隣接し突出する構成である。
図6〜図8に示す第2、第3構成例のプラグ2の場合、穿孔機は、潤滑剤供給装置を要することなく、芯金に貫通孔も要しない。
以下に、本発明のプラグが具備するアーク溶射被膜の特性を説明する。
2−2.アーク溶射被膜
図9は、プラグにおけるアーク溶射距離に応じた表面被膜のX線解析測定結果を示す図である。図10は、プラグにおけるアーク溶射距離に応じた表面被膜の断面ミクロ観察組織を示す図である。溶射距離は、アーク溶射装置の溶射ノズルから対象物であるプラグ母材の表面までの距離を意味する。図9および図10では、溶射距離を200mm、400mm、600mm、800mm、1000mm、1200mmおよび1400mmとしてアーク溶射を行い、各条件で形成した被膜の測定結果および断面ミクロ組織をそれぞれ示している。
図9から、アーク溶射によりプラグ母材の表面に形成された被膜は、溶射距離が長くなるほど、酸化物であるFe34およびFeOの含有量が増加する一方、Feの含有量が減少することがわかる。これは、溶射ノズルから吹き出される溶融した溶射材料(Fe)の酸化が、溶射距離に応じて進行することに起因する。
図10に示す被膜の断面において、図中で領域を表示するように、薄い灰色で観察される領域はFeを示し、濃い灰色で観察される領域は酸化物を示し、黒色で観察される領域は空隙を示している。同図に示すように、例えば、溶射距離が200mmのときは、酸化物が被膜の20%〜30%の領域を占め、残りの70%〜80%の領域をFeが占める。溶射距離が1000mmのときは、酸化物が被膜の80%程度の領域を占め、残りの20%程度の領域をFeが占める。図10のミクロ組織からも、溶射距離が長いほど、酸化物が増加する一方、Feが減少することがわかる。
このように、被膜中で酸化物の占める領域の比率(以下、「酸化物比率」という)は、溶射距離に応じて変動する。このことから、溶射距離を調整することにより、被膜中の酸化物比率を制御することができる。
図11は、プラグにおける被膜中の酸化物比率と被膜の密着力との相関を示す図である。被膜の密着力は、被膜とプラグ母材の表面との密着性能を表し、穿孔圧延における耐剥離性の指標となる。すなわち、密着力が高ければ被膜が剥離し難く、密着力が低ければ被膜が剥離し易い。同図に示すように、被膜の耐剥離性は、被膜中の酸化物比率が高くなるのに伴って低下し、酸化物比率が80%以上で急激に低下する。
図12は、プラグにおける被膜中の酸化物比率と被膜の摩耗量との相関を示す図である。被膜の摩耗量は、表面被膜を1600回摺擦したときの重量減少分を表し、穿孔圧延における耐摩耗性の指標となる。すなわち、摩耗量が小さければ被膜が摩耗し難く、摩耗量が大きければ被膜が摩耗し易い。同図に示すように、被膜の耐摩耗性は、被膜中の酸化物比率が高くなるのに伴って低下し、酸化物比率が80%以上で急激に低下する。
被膜中の酸化物比率が高くなるのに伴い、被膜の耐剥離性および耐摩耗性が低下するのは、酸化物同士の間に介在して両者の結合に寄与するFe(メタル)が減少することに起因する。
前記図11および図12から、被膜中の酸化物比率が低いほど、被膜の耐剥離性および耐摩耗性が確保されることがわかる。但し、酸化物比率が低すぎると、Feが被膜の大半を占めるため、相対的に熱伝導率が高くなり、遮熱性が低下する。そのため、穿孔圧延時に、プラグ先端部に溶損や変形が発生し易くなる。
図13は、プラグにおける被膜中の酸化物比率と連続穿孔回数(パス回数)との相関を示す図である。同図は、下記の穿孔試験を行った結果である。
供試プラグとして、JIS規定の熱間工具鋼を母材とし、潤滑剤噴射用の噴射孔を設けない周知の砲弾形状のプラグを複数準備した。それぞれのプラグ母材の表面に、鉄線材をアーク溶射することによって400μm程度の被膜を形成した。アーク溶射の際、被膜中の酸化物比率が25、45、60、75、および85%になるように、各酸化物比率に対応する溶射距離に溶射ノズルの位置を調整した。
なお、アーク溶射を行う前に、プラグ表面にショットブラストによる下地処理を施すことが溶射被膜の密着性の観点から望ましい。ショットブラストを施すことにより、プラグ母材の表面を適度に荒らすことができ、溶射被膜とプラグ母材との密着性が高まるからである。
また、比較のために、プラズマ溶射装置を用い、プラグ母材の表面にFe34の粉末をプラズマ溶射することによって被膜を形成した。このプラズマ溶射による被膜は、100%酸化物で構成される。プラズマ溶射は、アーク溶射に比べ次の点で劣る。プラズマ溶射に用いられる装置は、粉末をプラズマ溶射するために複雑な機構を有し、莫大なコストが必要である。プラズマ溶射の溶射材料である粉末は、アーク溶射の溶射材料である鉄線材よりも著しく高価である。プラズマ溶射は、被膜中の酸化物比率を調整することができない。
被膜を形成した供試プラグを使用し、素材を繰り返し穿孔圧延する試験を行った。素材としては、材質がSUS304(JIS規定のオーステナイト系ステンレス鋼)で、外径が70mm、長さが1000mmの丸ビレットを用いた。この素材を1200℃に加熱し、外径が74mm、肉厚が8.6mm、長さが2200mmの中空素管に成形する穿孔試験を実施した。
その際、供試プラグについて、穿孔圧延を終えるたびに外観を検査し、プラグ先端部に溶損または変形が発生したときのパス回数、すなわち連続して穿孔圧延することができた素材の本数(連続穿孔回数)を調査し、プラグ寿命を評価した。
図13に白抜き丸印で示すように、被膜中の酸化物比率が25%のプラグでは、連続穿孔回数が0(ゼロ)、酸化物比率が45%および85%のプラグでは、連続穿孔回数が1パス、酸化物比率が60%および75%のプラグでは、連続穿孔回数が3パスである。
比較のためのプラズマ溶射プラグでは、図13に黒抜き丸印で示すように、連続穿孔回数が1パスである。また、被膜中の酸化物比率が25%および45%のプラグでは、プラグ先端部に溶損や変形が認められた。
図13に示す結果から、被膜中の酸化物比率が55〜80%に調整されたアーク溶射被膜付きのプラグは、プラズマ溶射プラグの2倍以上のプラグ寿命を有し、さらに、被膜中の酸化物比率が60〜75%に調整されたアーク溶射被膜付きのプラグは、プラズマ溶射プラグの3倍以上のプラグ寿命を有することが明らかである。
このようなアーク溶射被膜の特性は、上述した噴射孔を有する本発明の第1構成例のプラグ、および噴射孔を有さない本発明の第2、第3構成例のプラグに、アーク溶射を適用した場合でも同様に発揮される。この場合、前記図5〜図8に示す本発明の第1、第2、第3構成例のプラグ2は、アーク溶射により先端部21および胴部23(第2構成例のプラグでは円柱部22も可)の母材表面に被膜27を形成し、被膜27中の酸化物比率を55〜80%とすれば、プラズマ溶射プラグよりも長寿命となる。さらに、プラグ寿命の一層の向上を図る観点から、被膜27中の酸化物比率を60〜75%とするのが好ましい。
本発明のプラグ2は、円柱部22にアーク溶射による被膜を形成しない場合、円柱部22の表面を粘着テープなどでマスキングすることにより、容易に得られる。
続いて、前記図13に示す結果から明らかになった被膜中の酸化物比率に関し、更なる有効性を検討する。前記図13に示す結果を導く試験に用いたプラグは、溶射距離を一定に保持した状態でアーク溶射を行うことにより、被膜中の酸化物比率が母材との隣接部から表層部までの全域に亘って均一となる被膜を形成したものである。ここでは、被膜中の酸化物比率が表層側ほど次第に増加するプラグについて、試験を実施した。
被膜を形成する際、プラグ母材の表面に溶射ノズルを近づけた状態、すなわち溶射距離が短い状態でアーク溶射を開始し、その後徐々に溶射ノズルを遠ざけ、溶射距離が長くなった状態でアーク溶射を終了した。これにより、プラグ母材の表面には、酸化物比率が表層側ほど次第に増加する被膜が形成される。この被膜は、母材との隣接部では酸化物比率が低く、表層部では酸化物比率が高くなる。
図14は、溶射距離を徐々に長くしてアーク溶射を行ったときのプラグにおける表面被膜の断面ミクロ観察組織を示す図である。同図に示す被膜の断面おいて、前記図10と同様に、薄い灰色で観察される領域がFeを示し、濃い灰色で観察される領域が酸化物を示し、黒色で観察される領域が空隙を示している。図14に示すように、プラグ母材の表面に形成された被膜は、母材との隣接部で酸化物比率が低く、表層部で酸化物比率が高い。
このような被膜中の酸化物比率を変化させた供試プラグを使用し、上述した穿孔試験と同様の試験を実施した。その評価は、上述した連続穿孔回数(パス回数)によるプラグ寿命で行った。また、比較のために、溶射距離を一定にした状態でアーク溶射を行い、プラグ母材の表面に酸化物比率が全域に亘って均一な被膜を形成したプラグについて、同様の試験を実施した。表1にその試験結果を示す。
Figure 2010227999
同表に示すように、試験番号1のプラグは、溶射距離を1000mmと一定にしてアーク溶射を行うことにより被膜を形成したものであり、被膜中の酸化物比率が全域に亘って均一に80%程度である。
試験番号2のプラグは、溶射距離を200mmから1000mmまで徐々に変化させたアーク溶射を行うことにより被膜を形成したもの、試験番号3のプラグは、溶射距離を400mmから1000mmまで徐々に変化させたアーク溶射を行うことにより被膜を形成したもの、試験番号4のプラグは、溶射距離を500mmから1000mmまで徐々に変化させたアーク溶射を行うことにより被膜を形成したものである。このため、試験番号2のプラグは、被膜中の酸化物比率が、母材との隣接部で25%程度、表層部で80%程度であり、番号3のプラグは、被膜中の酸化物比率が、母材との隣接部で40%程度、表層部で80%程度であり、番号4のプラグは、被膜中の酸化物比率が、母材との隣接部で50%程度、表層部で80%程度である。
試験番号1〜4のいずれのプラグも、被膜の厚みが400μm程度である。
表1に示すように、被膜中の酸化物比率が均一な試験番号1のプラグは、連続穿孔回数が2パスであった。一方、被膜中の酸化物比率が母材側よりも表層側で高い試験番号2〜4のうち、試験番号2のプラグは、連続穿孔回数が4パスで、試験番号3のプラグは、連続穿孔回数が3パスであり、いずれのプラグも試験番号1のプラグよりも連続穿孔回数が向上した。試験番号4のプラグは、連続穿孔回数が2パスであり、試験番号1のプラグと同等の連続穿孔回数であった。
表1に示す結果から、被膜中の酸化物比率が母材側よりも表層側で高いプラグは、被膜中の酸化物比率が均一なプラグと同等以上のプラグ寿命を有し、さらに、被膜中の酸化物比率が母材との隣接部で40%以下であるプラグは、プラグ寿命が向上することが明らかである。これは、被膜におけるプラグ母材との隣接部において、酸化物比率が低い場合、Fe(メタル)が豊富であるため、被膜とプラグ母材との密着が強固になり、負荷された応力が緩和されて被膜が剥離し難くなることに起因する。
このような酸化物比率が変化したアーク溶射被膜の特性も、上述した噴射孔を有する本発明の第1構成例のプラグ、および噴射孔を有さない本発明の第2、第3構成例のプラグに、アーク溶射を適用した場合、同様に発揮される。この場合、被膜中の酸化物比率を母材側よりも表層側で高くするのが好ましく、特に、母材との隣接部で酸化物比率を40%以下とし、表層部で酸化物比率を55〜80%とするのが好ましい。
次に、プラグ母材の表面に形成される被膜の厚みについて検討する。上記の供試プラグは、外形が砲弾形状であり、プラグの胴部から先端部の全域に亘って均一な厚みの被膜を形成したものである。ここでは、胴部と先端部における被膜厚さの影響を明らかにするために、プラグ胴部とプラグ先端部それぞれの被膜の厚さを種々変更した。被膜厚さを変更した供試プラグを使用し、上述した穿孔試験と同様の試験を実施した。その評価は、前記表1に示す評価と同様に、上述した連続穿孔回数(パス回数)によるプラグ寿命で行った。表2にその試験結果を示す。
Figure 2010227999
同表に示すように、試験番号11のプラグは、胴部から先端部の全域に亘って被膜厚さを400μm程度に形成したものである。試験番号12のプラグは、被膜厚さを胴部で400μm程度、先端部で600μm程度に形成したものであり、試験番号13のプラグは、被膜厚さを胴部で400μm程度、先端部で800μm程度に形成したものであり、試験番号14のプラグは、被膜厚さを胴部で600μm程度、先端部で800μm程度に形成したものである。試験番号15のプラグは、全域に亘って被膜厚さを800μm程度に形成したものである。試験番号16のプラグは、胴部の被膜厚さを試験番号11〜13のプラグと同じく400μm程度に形成し、先端部の被膜厚さをいずれのプラグよりも厚く1200μm程度に形成したものである。
また、試験番号11〜16のいずれのプラグも、溶射距離を200mmから1000mmまで徐々に変化させたアーク溶射を行うことにより被膜を形成したものであり、被膜中の酸化物比率が母材側よりも表層側で高くなっている。
表2に示すように、被膜厚さが薄くて全域に亘り均一な試験番号11のプラグは、連続穿孔回数が4パスであった。被膜厚さが胴部よりも先端部で厚い試験番号12、13、14および16のプラグは、連続穿孔回数がそれぞれ5パス、6パス、6パスおよび10パスであり、プラグ先端部の被膜厚さが厚くなるのに伴って、連続穿孔回数が向上した。被膜厚さが厚くて全域に亘り均一な試験番号15のプラグは、1パスの穿孔後にプラグ胴部の被膜が剥離し、連続穿孔回数が1パスにとどまった。
表2に示す結果から、プラグ先端部の被膜厚さが厚いほど、プラグ寿命が向上することが明らかである。また、プラグ胴部の被膜厚さが過度に厚いと、穿孔時に被膜の剥離が発生しプラグ寿命が悪化する。
このようなアーク溶射被膜の厚さに関する特性も、上述した噴射孔を有する本発明の第1構成例のプラグ、および噴射孔を有さない本発明の第2、第3構成例のプラグに、アーク溶射を適用した場合、同様に発揮される。
図15は、本発明のプラグの第1構成例の別例を示す縦断面図である。同図に示す本発明のプラグ2は、前記表2に示す結果に基づき、アーク溶射により、先端部21の被膜27の厚さt1を胴部23の被膜27の厚さt2よりも厚く形成したものである。このプラグ2は、先端部21の摩耗や溶損の防止に極めて有効である。穿孔時に噴射孔24から潤滑剤を噴射させても、プラグ先端部21は潤滑剤の供給が不足気味となり、摩耗や溶損が発生し易いからである。
図16は、本発明のプラグの第2構成例のさらに別例を示す縦断面図である。同図に示す本発明のプラグ2は、図15に示す第1構成例のプラグ2と同様に、先端部21の摩耗や溶損の防止のため、アーク溶射により、先端部21の被膜27の厚さt1を胴部23の被膜27の厚さt2よりも厚く形成した構成である。
図15および図16に示す第1構成例および第2構成例のプラグ2は、前記表2に示す結果に基づき、プラグ胴部23の被膜厚さt2を800μmよりも薄くするのが好ましく、600μm以下にするのがより好ましい。同様に、第3構成例のプラグでも、先端部と胴部の被膜厚さを規定するのが好ましい。
3.継目無管の製造方法
素材(丸ビレット)を周知の加熱炉に装入し、加熱する。加熱した素材を加熱炉から抽出する。続いて、図4に示す穿孔機1を用い、抽出された素材7を穿孔圧延し、中空素管8に成形する。その際、第1構成例のプラグ2を用いる場合、素材7を穿孔圧延している間、潤滑剤供給装置5は潤滑剤51を圧送し、プラグ2の噴射孔24から潤滑剤を噴射させる。
潤滑剤51は、素材7を穿孔圧延している間噴射され、素材7を穿孔圧延していないときは噴射されない。穿孔機1は、傾斜ロール4に負荷される荷重を検知する図示しない荷重センサを備える。潤滑剤供給装置5は、荷重センサが荷重を検知したときに出力する荷重信号に対応して、潤滑剤51を圧送する。これにより、穿孔圧延中のみ潤滑剤51を噴射することができる。荷重センサに代え、他のセンサを用いて穿孔圧延中か否かを判断してもよい。
穿孔機1により素材7を穿孔圧延して中空素管8に成形した後、延伸圧延機(例:プラグミル、マンドレルミル)によりその中空素管8を延伸圧延する。延伸圧延後、定径圧延機(例:ストレッチレデューサ、リーラ、サイザ)により形状を修正し、継目無管が得られる。
図17は、本発明の第1構成例のプラグによる穿孔圧延状態を示す縦断面図である。同図に示すように、穿孔圧延時、素材7は、プラグ2の先端部21に接触した後、円柱部22および胴部23の先端部分の表面と接触することなく、胴部23の先端部分以降の表面と接触する。すなわち、素材7と円柱部22の表面との間に隙間60が形成される。その際、噴射孔24の開口部24aは円柱部22の表面に形成されているため、潤滑剤はその開口部24aから隙間60に噴射される。そのため、潤滑剤を噴射するのに高い圧力を必要としない。
上記の隙間60により、噴射孔24の開口部24aは素材7と接触しない。そのため、素材7と開口部24aとの接触に起因して内面疵が発生するのを防止することができる。しかも、開口部24aが素材7との接触により溶損して閉塞するのを防止することができる。
噴射孔24の開口部24aは、素材7と接触する先端部21や胴部23に形成されていないため、穿孔時に開口部24aの温度上昇が抑制される。そのため、ガラス系の潤滑剤を使用する場合であっても、潤滑剤が開口部24a付近で固化し難く、固化した潤滑剤により噴射孔24が詰まることはない。
また、穿孔圧延時に素材7と接触するプラグ2の先端部21および胴部23は、その母材表面に、アーク溶射による被膜27が形成されている。その被膜27は、酸化物およびFeで構成されるため、遮熱性および焼付き防止性に優れる。このため、被膜27により、プラグ2の先端部21および胴部23の摩耗や溶損を防止することができる。
被膜27は、噴射孔24の開口部24aが形成された円柱部22に形成されていない。このため、開口部24aが被膜で狭まったり、閉塞することはなく、潤滑剤の円滑な噴射は損なわれない。円柱部22の母材表面に被膜が形成されなくても、素材7が円柱部22の表面と接触しないため、円柱部22の摩耗や溶損は発生しない。
さらに、被膜27の形成はアーク溶射によって行われるため、従来のスケール被膜を形成する熱処理のような長時間にわたる処理を必要としない。このため、アーク溶射により被膜27を形成するプラグ2は製作に長時間を要しない。
上述の通り、素材7との接触に起因した開口部24aの閉塞、潤滑剤の固化に起因した開口部24aの閉塞、ならびに、先端部21および胴部23の摩耗や溶損のいずれも防止することができるため、プラグ寿命の向上が可能になる。
(実施例1)
本発明の効果を確認するため、前記図4に示す穿孔機を用いて穿孔試験を行った。その条件は、下記の通りである。
[試験方法]
(1)被加工材(素材)
・寸法:外径70mm、長さ1000mmの丸ビレット
・材質:JIS規定のSUS304
(2)プラグ
プラグは、噴射孔を有する上記第1構成例に相当するものを採用し、JIS規定の熱間工具鋼を母材とし、その母材表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、先端部と胴部それぞれの被膜厚さを種々変更して被膜を形成した。プラグの寸法形状は図18に示す通りであり、先端部の被膜厚さt1および胴部の被膜厚さt2は、表3に示す通りである。図18中、数値で表示された寸法の単位はmmである。
Figure 2010227999
被膜の形成に際し、溶射距離を1000mmと一定にした場合と、溶射距離を200mmから1000mmまで徐々に変化させた場合とを採用した。前者の場合、被膜中の酸化物比率は、全域に亘って均一に80%程度となり、後者の場合、被膜中の酸化物比率は、母材との隣接部で25%程度、表層部で80%程度となる。
また、比較のために、熱処理により母材表面の全域に亘ってスケール被膜を形成したプラグも準備した。
(3)穿孔圧延
上記の各プラグを使用して、1200℃に加熱した被加工材を繰り返し穿孔圧延し、下記寸法のホローシェルを作製した。
・ホローシェルの寸法:外径74mm、肉厚8.6mm、長さ2200mm
穿孔圧延している間、表4に示す成分組成のガラス系潤滑剤をプラグから噴射させた。
Figure 2010227999
[評価方法]
(1)プラグ寿命
プラグ寿命は、穿孔圧延を終えるたびにプラグの外観を検査し、プラグ先端部に溶損または変形が発生したときのパス回数、すなわち連続して穿孔圧延することができた素材の本数(連続穿孔回数)で評価した。
また、プラグ寿命は、穿孔圧延を終えるたびにプラグの噴射孔から潤滑剤を噴射させ、潤滑剤の噴出状態を観察して評価した。
表3の「噴射孔の状態」欄の記号の意味は次の通りである。
○:良。潤滑剤の噴出に問題が認められなかったことを示す。
△:可。潤滑剤の噴出は可能であったが、その噴出流量が減少し劣化が認められたことを示す。
×:不可。潤滑剤の噴出が不能となったことを示す。
(2)内面疵
内面疵は、穿孔圧延で成形した各ホローシェルの内表面を目視で検査し、疵の有無で評価した。
[試験結果]
表3に示す結果から次のことが示される。
熱処理でスケール被膜を形成した比較例のプラグHは、連続穿孔回数が2パスであり、プラグ先端部に溶損が認められた。このプラグHの噴射孔は、2パス後に閉塞し、潤滑剤の噴出が不能となった。これは、プラグを熱処理した際に噴射孔内にもスケールが成長し、穿孔前から噴射孔が閉塞し易い状態になっていたことに起因する。
アーク溶射により先端部と胴部に被膜を形成した本発明例のプラグA〜Gは、いずれも噴射孔の状態が良好であった。但し、そのうちで胴部の被膜厚さが200μmと薄いプラグGは、潤滑剤の噴出流量が減少した。これは、胴部の被膜厚さが薄いことから、胴部での遮熱性が低下し、穿孔を繰り返すのに伴って噴射孔の開口部が次第に変形したことが原因と考えられる。
本発明例のプラグAは、溶射距離を1000mmと一定にし、被膜厚さを先端部と胴部でともに400μmとしたプラグである。このプラグAは、連続穿孔回数が3パスであり、比較例のプラグHよりも寿命が向上した。
本発明例のプラグB〜Gは、いずれも溶射距離を変化させて、被膜中の酸化物比率を母材側よりも表層部で高くしたプラグであり、比較例のプラグHと同等以上に寿命が向上した。
そのうちで、先端部と胴部の被膜厚さをともに400μmとしたプラグBは、連続穿孔回数が4パスであった。さらに、先端部の被膜厚さを800μm、1200μmにそれぞれ増加させたプラグC、Dは、連続穿孔回数が向上し、それぞれ6パス、10パスとなった。
先端部と胴部の被膜厚さをともに800μmとしたプラグEは、2パスの穿孔後に胴部の被膜が剥離して使用不能となった。これは、胴部の被膜厚さが厚すぎて、被膜が剥離し易い状態であったことに起因する。
先端部の被膜厚さを1200μmとし、胴部の被膜厚さを400μmよりも薄い300μm、200μmとしたプラグF、Gは、連続穿孔回数がそれぞれ10パス、6パスとなった。
また、いずれのプラグA〜Hでも、得られたホローシェルに内面疵の発生は認められなかった。
(実施例2)
噴射孔を有さないプラグを採用して、穿孔試験を行った。その条件は、下記の通りである。
[試験方法]
(1)被加工材(素材)
・寸法:外径70mm、長さ1000mmの丸ビレット
・材質:JIS規定のSUS304
(2)プラグ
プラグは、噴射孔を有さない上記第2構成例に相当するものを採用し、JIS規定の熱間工具鋼を母材とし、その母材表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、先端部と胴部それぞれの被膜厚さを種々変更して被膜を形成した。プラグの寸法形状は図19に示す通りであり、先端部の被膜厚さt1および胴部の被膜厚さt2は、表5に示す通りである。図19中、数値で表示された寸法の単位はmmである。
Figure 2010227999
被膜の形成に際し、溶射距離を1000mmと一定にした場合と、溶射距離を200mmから1000mmまで徐々に変化させた場合とを採用した。前者の場合、被膜中の酸化物比率は、全域に亘って均一に80%程度となり、後者の場合、被膜中の酸化物比率は、母材との隣接部で25%程度、表層部で80%程度となる。
また、比較のために、熱処理により母材表面の全域に亘ってスケール被膜を形成したプラグも準備した。毎回の穿孔圧延の前に、各プラグの被膜表面に、前記表4に示す成分組成のガラス系潤滑剤を塗布し、積層させた。
(3)穿孔圧延
上記の各プラグを使用して、1200℃に加熱した被加工材を繰り返し穿孔圧延し、下記寸法のホローシェルを作製した。
・ホローシェルの寸法:外径74mm、肉厚8.6mm、長さ2200mm
[評価方法]
(1)プラグ寿命
プラグ寿命は、穿孔圧延を終えるたびにプラグの外観を検査し、プラグ先端部に溶損または変形が発生したときのパス回数、すなわち連続して穿孔圧延することができた素材の本数(連続穿孔回数)で評価した。
(2)内面疵
内面疵は、穿孔圧延で成形した各ホローシェルの内表面を目視で検査し、疵の有無で評価した。
[試験結果]
表5に示す結果から次のことが示される。
熱処理でスケール被膜を形成した比較例のプラグHHは、連続穿孔回数が1パスであり、プラグ先端部に溶損が認められた。
本発明例のプラグAAは、溶射距離を1000mmと一定にし、被膜厚さを先端部と胴部でともに400μmとしたプラグである。このプラグAAは、連続穿孔回数が2パスであり、比較例のプラグHHよりも寿命が向上した。
本発明例のプラグBB〜GGは、いずれも溶射距離を変化させて、被膜中の酸化物比率を母材側よりも表層部で高くしたプラグであり、比較例のプラグHHと同等以上に寿命が向上した。
そのうちで、先端部と胴部の被膜厚さをともに400μmとしたプラグBBは、連続穿孔回数が3パスであった。さらに、先端部の被膜厚さを800μm、1200μmにそれぞれ増加させたプラグCC、DDは、連続穿孔回数が向上し、それぞれ5パス、9パスとなった。
先端部と胴部の被膜厚さをともに800μmとしたプラグEEは、1パスの穿孔後に胴部の被膜が剥離して使用不能となった。これは、胴部の被膜厚さが厚すぎて、被膜が剥離し易い状態であったことに起因する。
先端部の被膜厚さを1200μmとし、胴部の被膜厚さを400μmよりも薄い300μm、200μmとしたプラグFF、GGは、連続穿孔回数がそれぞれ9パス、5パスとなった。
また、いずれのプラグAA〜HHでも、得られたホローシェルに内面疵の発生は認められなかった。
本発明は、熱間加工の継目無管の製造に有効に利用できる。
1:穿孔機、 2:プラグ、 3:芯金、 4:傾斜ロール、
5:潤滑剤供給装置、 7:素材、 8:中空素管、
21:先端部、 22:円柱部、 23:胴部、 24:潤滑剤噴射孔、
24a:開口部、 25:逃げ部、 25a:後端面、 26:芯金結合部、
26a:底面、 27:被膜、 31:貫通孔、
51:潤滑剤、 52:タンク、 53:ポンプ、 60:隙間

Claims (10)

  1. 素材を穿孔圧延して中空素管に成形する穿孔圧延機に用いられ、芯金の先端に結合されて潤滑剤を噴射しながら素材を穿孔するプラグであって、
    当該プラグは、
    凸の曲率を有する先端部と、
    この先端部に隣接する略円柱状の円柱部と、
    この円柱部に隣接し後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部と、
    当該プラグの後端部に設けられた芯金結合部と、
    この芯金結合部から前記胴部を貫通して前記円柱部の表面に開口する潤滑剤噴射孔と、を備え、
    前記先端部および前記胴部の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜が形成されていること、
    を特徴とするプラグ。
  2. 素材を穿孔圧延して中空素管に成形する穿孔圧延機に用いられ、芯金の先端に結合されて素材を穿孔するプラグであって、
    当該プラグは、
    凸の曲率を有する先端部と、
    この先端部に直接または略円柱状の円柱部を介して隣接し後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部と、
    当該プラグの後端部に設けられた芯金結合部と、を備え、
    少なくとも前記先端部および前記胴部の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜が形成されていること、
    を特徴とするプラグ。
  3. 前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が55〜80%であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のプラグ。
  4. 前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が、母材との隣接部で40%以下であり、表層部で55〜80%であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のプラグ。
  5. 前記被膜の厚みが前記胴部よりも前記先端部で厚いこと、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラグ。
  6. 芯金の先端に結合されたプラグから潤滑剤を噴射しながら素材を穿孔圧延して中空素管に成形する穿孔圧延機であって、
    当該穿孔圧延機は、
    軸方向に貫通孔を有する芯金と、
    前記貫通孔に前記潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、
    前記貫通孔に連通する潤滑剤噴射孔を有するプラグと、を備え、
    前記プラグが、凸の曲率を有する先端部、略円柱状の円柱部、および後端に向かって徐々に拡大する外径を有する胴部からなり、
    前記潤滑剤噴射孔が前記円柱部の表面に開口し、
    前記先端部および前記胴部の母材の表面に、鉄線材を用いたアーク溶射により、酸化物およびFeで構成される被膜が形成されていること、
    を特徴とする穿孔圧延機。
  7. 前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が55〜80%であること、
    を特徴とする請求項6に記載の穿孔圧延機。
  8. 前記被膜における前記酸化物の占める領域の比率が、母材との隣接部で40%以下であり、表層部で55〜80%であること、
    を特徴とする請求項7に記載の穿孔圧延機。
  9. 前記被膜の厚みが前記胴部よりも前記先端部で厚いこと、
    を特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の穿孔圧延機。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の穿孔圧延機を用い、
    前記素材を穿孔圧延している間、前記プラグの前記噴射孔から前記潤滑剤を噴射させながら中空素管に成形すること、
    を特徴とする継目無管の製造方法。
JP2009111068A 2009-03-03 2009-04-30 プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法 Active JP5169982B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009111068A JP5169982B2 (ja) 2009-03-03 2009-04-30 プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法
CN201080010489.0A CN102341193B (zh) 2009-03-03 2010-01-21 顶头、穿孔轧机及采用该穿孔轧机的无缝管的制造方法
PCT/JP2010/050668 WO2010100968A1 (ja) 2009-03-03 2010-01-21 プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法
BRPI1008747 BRPI1008747B1 (pt) 2009-03-03 2010-01-21 plugue, fresa de laminação por perfuração e método de fabricação de tubo contínuo pelo uso do mesmo
EP10748566.6A EP2404680B1 (en) 2009-03-03 2010-01-21 Plug, piercing rolling apparatus and method of manufacturing seamless tube using the same
US13/212,929 US8544306B2 (en) 2009-03-03 2011-08-18 Plug, piercing-rolling mill, and method of producing seamless tube by using the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009049442 2009-03-03
JP2009049442 2009-03-03
JP2009111068A JP5169982B2 (ja) 2009-03-03 2009-04-30 プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010227999A true JP2010227999A (ja) 2010-10-14
JP5169982B2 JP5169982B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=42709532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009111068A Active JP5169982B2 (ja) 2009-03-03 2009-04-30 プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8544306B2 (ja)
EP (1) EP2404680B1 (ja)
JP (1) JP5169982B2 (ja)
CN (1) CN102341193B (ja)
BR (1) BRPI1008747B1 (ja)
WO (1) WO2010100968A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102383086A (zh) * 2011-11-09 2012-03-21 天津机辆轨道交通装备有限责任公司 顶头中温氧化工艺方法
WO2013153878A1 (ja) * 2012-04-11 2013-10-17 新日鐵住金株式会社 穿孔機に用いられるプラグ及びプラグの再生方法
WO2013161489A1 (ja) * 2012-04-24 2013-10-31 新日鐵住金株式会社 穿孔機に用いられるプラグ
WO2014034376A1 (ja) * 2012-08-28 2014-03-06 新日鐵住金株式会社 穿孔プラグ及び穿孔プラグの製造方法
WO2016129019A1 (ja) * 2015-02-09 2016-08-18 新日鐵住金株式会社 プラグの製造方法
CN106984657A (zh) * 2017-03-27 2017-07-28 张家港华裕有色金属材料有限公司 一种冷轧管的内表面清洗方法及在线连续制造方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007032804B3 (de) * 2007-07-10 2008-09-04 V&M Deutschland Gmbh Schmiededorn zum Warmschmieden rohrförmiger Werkstücke aus Metall
ES2623027T3 (es) * 2010-06-08 2017-07-10 Coating Management Switzerland Gmbh Método para producir tubos sin soldadura
JP5142232B2 (ja) * 2010-12-22 2013-02-13 新日鐵住金株式会社 継目無鋼管の製造方法
JP5566417B2 (ja) * 2012-04-19 2014-08-06 新日鐵住金株式会社 穿孔プラグの製造方法
JP5365723B2 (ja) * 2012-04-24 2013-12-11 新日鐵住金株式会社 穿孔圧延用プラグの製造方法
JP5365724B2 (ja) * 2012-04-24 2013-12-11 新日鐵住金株式会社 穿孔圧延用プラグの製造設備
JP5273272B1 (ja) * 2012-04-25 2013-08-28 新日鐵住金株式会社 穿孔圧延用プラグの製造方法
EP2875876B1 (en) * 2012-07-20 2017-05-03 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Piercing plug
BR112015008558B1 (pt) * 2013-01-11 2021-02-09 Nippon Steel Corporation tampão para a produção de tubo a quente
DE102013110725B3 (de) 2013-09-27 2015-02-12 Vallourec Deutschland Gmbh Lochdorn mit verbesserter Standzeit zur Herstellung nahtloser Rohre
DE102014016502A1 (de) * 2014-11-07 2016-05-12 Hua Guo Warmumformwerkzeug mit verstärkter Oxid-Schutzschicht
EP3354361B1 (en) * 2015-09-25 2020-10-07 Nippon Steel Corporation Piercer plug and manufacturing method therefor
MX2020005436A (es) * 2017-11-29 2020-08-27 Nippon Steel Corp Perfordora, barra de mandril y metodo de produccion de un tubo de metal sin costura utilizando los mismos.

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5913924B2 (ja) * 1979-12-25 1984-04-02 日本鋼管株式会社 穿孔圧延機用芯金
JPH10249412A (ja) * 1997-03-07 1998-09-22 Sumitomo Metal Ind Ltd 継目無金属管の穿孔圧延用プラグおよびこのプラグを用いた継目無金属管の製造方法
WO2006134957A1 (ja) * 2005-06-14 2006-12-21 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機、プラグ及び継目無管の製造方法

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2167424A (en) * 1938-03-29 1939-07-25 Nat Tube Co Pipe or tube making
JPS51133167A (en) 1975-05-15 1976-11-18 Nippon Steel Corp Method of producing seamless tube
DE3114177C2 (de) * 1981-04-03 1984-08-23 Mannesmann AG, 4000 Düsseldorf Verfahren zum Herstellen eines Arbeitswerkzeuges zur spanlosen Warmverformung von Stahl und Warmarbeitswerkzeug
JPS58116910A (ja) * 1981-12-30 1983-07-12 Nippon Steel Corp 管圧延における潤滑法
JPS58168405A (ja) * 1982-03-31 1983-10-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 第2穿孔機における管圧延方法
JPS5913924A (ja) 1982-07-14 1984-01-24 Kawasaki Steel Corp 水平移動式連続加熱炉内における鋼材の表面温度測定方法およびその装置
JPS60130406A (ja) * 1983-12-20 1985-07-11 Kawasaki Steel Corp 継目無鋼管の製造方法およびその装置
JPS60208458A (ja) 1984-03-31 1985-10-21 Shinhoukoku Seitetsu Kk 継目なし鋼管の穿孔および拡管用芯金合金
JPS62259603A (ja) * 1986-05-02 1987-11-12 Nippon Kokan Kk <Nkk> 継目無管の傾斜ロ−ル穿孔法
JPS63154207A (ja) * 1986-12-15 1988-06-27 Kawasaki Steel Corp 継目無金属管の製造方法および装置
JPS63282241A (ja) 1987-05-12 1988-11-18 Kawasaki Steel Corp 高Cr継目無鋼管穿孔用工具材料
JPH01180712A (ja) * 1987-12-28 1989-07-18 Sumitomo Metal Ind Ltd 金属穿孔具
JPH02224805A (ja) * 1989-02-24 1990-09-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 継目無管の穿孔方法
JPH03204106A (ja) * 1989-12-28 1991-09-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 熱間継目無管製造用プラグ
JPH048498A (ja) 1990-04-20 1992-01-13 Nec Kansai Ltd シート積層体の切断方法
JPH0474848A (ja) 1990-07-13 1992-03-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 熱間製管工具用鋼及び熱間製管工具
JP2940188B2 (ja) 1991-02-23 1999-08-25 住友金属工業株式会社 熱間製管工具及びその製造方法
JP3184317B2 (ja) 1992-07-30 2001-07-09 株式会社ソフィア 遊技機
US5958521A (en) * 1996-06-21 1999-09-28 Ford Global Technologies, Inc. Method of depositing a thermally sprayed coating that is graded between being machinable and being wear resistant
JPH10235413A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Kawasaki Steel Corp 継目無鋼管の製造方法およびビレット穿孔装置
DE10262198B4 (de) * 2001-12-03 2010-11-25 Nissan Motor Co., Ltd., Yokohama-shi Verfahren zur Herstellung eines Produkts

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5913924B2 (ja) * 1979-12-25 1984-04-02 日本鋼管株式会社 穿孔圧延機用芯金
JPH10249412A (ja) * 1997-03-07 1998-09-22 Sumitomo Metal Ind Ltd 継目無金属管の穿孔圧延用プラグおよびこのプラグを用いた継目無金属管の製造方法
WO2006134957A1 (ja) * 2005-06-14 2006-12-21 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機、プラグ及び継目無管の製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102383086A (zh) * 2011-11-09 2012-03-21 天津机辆轨道交通装备有限责任公司 顶头中温氧化工艺方法
EP2837434A4 (en) * 2012-04-11 2015-10-14 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp CONNECTOR FOR A MACHINE AND PLUG RECOVERY PROCESS
WO2013153878A1 (ja) * 2012-04-11 2013-10-17 新日鐵住金株式会社 穿孔機に用いられるプラグ及びプラグの再生方法
WO2013161489A1 (ja) * 2012-04-24 2013-10-31 新日鐵住金株式会社 穿孔機に用いられるプラグ
JP5464300B1 (ja) * 2012-04-24 2014-04-09 新日鐵住金株式会社 穿孔機に用いられるプラグ
WO2014034376A1 (ja) * 2012-08-28 2014-03-06 新日鐵住金株式会社 穿孔プラグ及び穿孔プラグの製造方法
CN104364414A (zh) * 2012-08-28 2015-02-18 新日铁住金株式会社 穿孔顶头及穿孔顶头的制造方法
RU2605044C2 (ru) * 2012-08-28 2016-12-20 Ниппон Стил Энд Сумитомо Метал Корпорейшн Прошивная оправка и способ ее изготовления
US10300513B2 (en) 2012-08-28 2019-05-28 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Piercing plug and manufacturing method of piercing plug
WO2016129019A1 (ja) * 2015-02-09 2016-08-18 新日鐵住金株式会社 プラグの製造方法
JPWO2016129019A1 (ja) * 2015-02-09 2017-10-12 新日鐵住金株式会社 プラグの製造方法
US20180023179A1 (en) * 2015-02-09 2018-01-25 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method for Producing Plug
CN106984657A (zh) * 2017-03-27 2017-07-28 张家港华裕有色金属材料有限公司 一种冷轧管的内表面清洗方法及在线连续制造方法
CN106984657B (zh) * 2017-03-27 2019-01-25 张家港华裕有色金属材料有限公司 一种冷轧管的内表面清洗方法及在线连续制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN102341193B (zh) 2014-06-11
EP2404680B1 (en) 2016-03-30
JP5169982B2 (ja) 2013-03-27
US20120210761A1 (en) 2012-08-23
EP2404680A4 (en) 2014-07-09
EP2404680A1 (en) 2012-01-11
BRPI1008747A8 (pt) 2017-10-03
US8544306B2 (en) 2013-10-01
WO2010100968A1 (ja) 2010-09-10
CN102341193A (zh) 2012-02-01
BRPI1008747B1 (pt) 2019-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5169982B2 (ja) プラグ、穿孔圧延機、およびそれを用いた継目無管の製造方法
JP4780107B2 (ja) 穿孔機、プラグ及び継目無管の製造方法
US10150147B2 (en) Piercing plug
JP5365723B2 (ja) 穿孔圧延用プラグの製造方法
EP2839890B1 (en) Use of a round billet for being produced into seamless metal tube and method for producing seamless metal tube
WO2017056669A1 (ja) プラグ及びその製造方法
WO2013183213A1 (ja) 穿孔圧延用プラグの製造方法
JP5339016B1 (ja) 穿孔圧延用プラグの製造方法
CN110740820B (zh) 无缝金属管的制造方法
JP2001259713A (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP2010125493A (ja) ビレットの穿孔圧延方法
JP4706505B2 (ja) 熱間穿孔用中空ビレットおよび熱間押出製管用ビレットの製造方法、並びに熱間押出製管用ビレットを用いた熱間押出管の製造方法。
JP2001259711A (ja) 継目無鋼管の製造方法
JPH0523711A (ja) 熱間継目無鋼管の製造方法
JPH05185113A (ja) 圧延クラッド継目無管の製造方法
JPH091210A (ja) 継目無管の傾斜圧延方法
JP2017226902A (ja) プラグ及びその製造方法
JPH08206708A (ja) 傾斜圧延用プラグ及びその製造方法
JP2010125492A (ja) ビレットの穿孔圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121011

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20121011

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5169982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160111

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350