JPH091210A - 継目無管の傾斜圧延方法 - Google Patents
継目無管の傾斜圧延方法Info
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- JPH091210A JPH091210A JP17566295A JP17566295A JPH091210A JP H091210 A JPH091210 A JP H091210A JP 17566295 A JP17566295 A JP 17566295A JP 17566295 A JP17566295 A JP 17566295A JP H091210 A JPH091210 A JP H091210A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高合金鋼圧延の如くの厳しい条件下で用いら
れる継目無鋼管圧延用プラグ等の熱間加工用工具の寿命
を簡易に延長させること。 【構成】 傾斜圧延機を用いる継目無管の傾斜圧延方法
において、あらかじめ熱処理によって酸化スケールを表
面に生成せしめられたプラグ1に、水ガラス系の潤滑剤
を塗布した後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素
の重量分率を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用
するもの。
れる継目無鋼管圧延用プラグ等の熱間加工用工具の寿命
を簡易に延長させること。 【構成】 傾斜圧延機を用いる継目無管の傾斜圧延方法
において、あらかじめ熱処理によって酸化スケールを表
面に生成せしめられたプラグ1に、水ガラス系の潤滑剤
を塗布した後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素
の重量分率を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用
するもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の継目無
管の傾斜圧延方法に関する。
管の傾斜圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間で継目無鋼管を製造する方法とし
て、マンネスマン製管法が広く従来より実施されてい
る。この方法は、所定温度に加熱された丸鋼片(以下に
ビレットと称す)を、まず穿孔圧延機によって穿孔圧延
して中空素管(以下にホローと称す)を製造し、このホ
ローをエロンゲータ、プラグミル又はマンドレルミルな
どの延伸圧延機にて肉厚を減じ、更に必要に応じて再加
熱した後、絞り圧延機或いは定径機によって主に外径を
減じて所定寸法の継目無鋼管を得る方法である。
て、マンネスマン製管法が広く従来より実施されてい
る。この方法は、所定温度に加熱された丸鋼片(以下に
ビレットと称す)を、まず穿孔圧延機によって穿孔圧延
して中空素管(以下にホローと称す)を製造し、このホ
ローをエロンゲータ、プラグミル又はマンドレルミルな
どの延伸圧延機にて肉厚を減じ、更に必要に応じて再加
熱した後、絞り圧延機或いは定径機によって主に外径を
減じて所定寸法の継目無鋼管を得る方法である。
【0003】上記穿孔圧延機には種々のものがある。2
本の傾斜ロールとプラグ及び2個のガイドシューを組み
合わせた、所謂マンネスマンピアサー、3本の傾斜ロー
ルとプラグを組み合わせた、所謂3ロールピアサー、或
いは2本の穴型ロールとプラグを組み合わせた、所謂プ
レスロールピアサーが一般的である。
本の傾斜ロールとプラグ及び2個のガイドシューを組み
合わせた、所謂マンネスマンピアサー、3本の傾斜ロー
ルとプラグを組み合わせた、所謂3ロールピアサー、或
いは2本の穴型ロールとプラグを組み合わせた、所謂プ
レスロールピアサーが一般的である。
【0004】ところでこのような穿孔圧延過程において
は、プラグは加熱されたビレット及びホローとの絶え間
無い接触によって常時高温、高負荷にさらされるため、
摩耗、溶損し易い。従って、一般にプラグには900 〜10
00℃の高温で酸化処理を施し、プラグ表面に数10〜数10
0 μm のスケール被膜を形成させ、損耗防止を図ってい
る。然し、このようなプラグを近年特に需要の増加して
きた高合金鋼圧延に使用すると、数回の使用しかできな
い。
は、プラグは加熱されたビレット及びホローとの絶え間
無い接触によって常時高温、高負荷にさらされるため、
摩耗、溶損し易い。従って、一般にプラグには900 〜10
00℃の高温で酸化処理を施し、プラグ表面に数10〜数10
0 μm のスケール被膜を形成させ、損耗防止を図ってい
る。然し、このようなプラグを近年特に需要の増加して
きた高合金鋼圧延に使用すると、数回の使用しかできな
い。
【0005】このような継目無鋼管穿孔圧延用プラグの
寿命を延長させる方法として、特開昭51-133167 号公報
に開示されるように、熱間潤滑剤をプラグとホロー内面
との間に噴出させて潤滑を行う方法が提案されている。
また、特開昭62-207503 号公報、特開昭63-104707 号公
報、特開昭63-203205 号公報等に開示されるように、プ
ラグ全体又は先端部をモリブデン合金、又はセラミック
ス等により製作する方法が提案されている。或いは、特
公平6-243 号公報に開示されるように、ある回数低合金
鋼圧延に使用したプラグを高合金鋼圧延に使用する方法
も提案されている。
寿命を延長させる方法として、特開昭51-133167 号公報
に開示されるように、熱間潤滑剤をプラグとホロー内面
との間に噴出させて潤滑を行う方法が提案されている。
また、特開昭62-207503 号公報、特開昭63-104707 号公
報、特開昭63-203205 号公報等に開示されるように、プ
ラグ全体又は先端部をモリブデン合金、又はセラミック
ス等により製作する方法が提案されている。或いは、特
公平6-243 号公報に開示されるように、ある回数低合金
鋼圧延に使用したプラグを高合金鋼圧延に使用する方法
も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、熱間潤滑
剤をプラグとホロー内面との間に噴出させる従来の方法
では、プラグバー、プラグの構造が複雑になり、潤滑剤
の詰まりに対するメンテナンス等のコストが高いわりに
は潤滑効果が顕著でないという欠点があった。
剤をプラグとホロー内面との間に噴出させる従来の方法
では、プラグバー、プラグの構造が複雑になり、潤滑剤
の詰まりに対するメンテナンス等のコストが高いわりに
は潤滑効果が顕著でないという欠点があった。
【0007】また、プラグ先端部のみをモリブデン鋼、
セラミックスにて構成し強化する従来の方法は、先端部
の損耗防止効果は大きいが、胴部の損耗防止効果が弱
く、プラグ寿命の延長効果が十分でない。プラグ全体を
モリブデン合金等にて構成する従来の方法は、プラグコ
ストが極めて高く、また衝撃荷重や熱疲労に弱い等の欠
点があった。
セラミックスにて構成し強化する従来の方法は、先端部
の損耗防止効果は大きいが、胴部の損耗防止効果が弱
く、プラグ寿命の延長効果が十分でない。プラグ全体を
モリブデン合金等にて構成する従来の方法は、プラグコ
ストが極めて高く、また衝撃荷重や熱疲労に弱い等の欠
点があった。
【0008】更に、低合金鋼圧延に使用したプラグを高
合金鋼圧延に使用する従来の方法では、近年需要の高い
13%Cr鋼以上の高合金鋼圧延時にはさほどプラグ寿命
の延長が期待できないとともに、プラグの運用が繁雑に
なり、人手がかかるといった欠点があった。
合金鋼圧延に使用する従来の方法では、近年需要の高い
13%Cr鋼以上の高合金鋼圧延時にはさほどプラグ寿命
の延長が期待できないとともに、プラグの運用が繁雑に
なり、人手がかかるといった欠点があった。
【0009】本発明は、高合金鋼圧延の如くの厳しい条
件下で用いられる継目無鋼管圧延用プラグ等の熱間加工
用工具の寿命を簡易に延長させることを目的とする。
件下で用いられる継目無鋼管圧延用プラグ等の熱間加工
用工具の寿命を簡易に延長させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、圧延材のパスラインに対して傾斜配置した圧延ロー
ルと、上記パスライン上に配置されるプラグとを有して
なる傾斜圧延機を用いる継目無管の傾斜圧延方法におい
て、あらかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生
成せしめられたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布し
た後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分
率を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用するよう
にしたものである。
は、圧延材のパスラインに対して傾斜配置した圧延ロー
ルと、上記パスライン上に配置されるプラグとを有して
なる傾斜圧延機を用いる継目無管の傾斜圧延方法におい
て、あらかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生
成せしめられたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布し
た後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分
率を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用するよう
にしたものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載のあらかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生
成せしめられたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布し
た後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分
率を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用する継目
無管の傾斜圧延方法において、毎回の圧延前に水ガラス
系の潤滑剤をプラグ表面に塗布して、圧延に使用するよ
うにしたものである。
載のあらかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生
成せしめられたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布し
た後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分
率を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用する継目
無管の傾斜圧延方法において、毎回の圧延前に水ガラス
系の潤滑剤をプラグ表面に塗布して、圧延に使用するよ
うにしたものである。
【0012】
【作用】水ガラスを物体に塗布した後、これを昇温する
と、一般に200 〜500 ℃の間において、水ガラスは水分
の蒸発により発泡する。更に昇温し700 ℃以上になる
と、水ガラスは発泡を鎮め、軟化を開始する。また、こ
のとき水ガラスの酸化ナトリウムの成分が蒸発を始め、
水ガラス中の酸化硅素の重量分率が増加する。昇温を止
めて常温にまで冷却すると、水ガラスは被膜化する。本
被膜は酸化硅素の重量分率の高い水ガラスのみによって
形成されているので、再度昇温した場合、発泡せず、軟
化開始温度も上昇している。
と、一般に200 〜500 ℃の間において、水ガラスは水分
の蒸発により発泡する。更に昇温し700 ℃以上になる
と、水ガラスは発泡を鎮め、軟化を開始する。また、こ
のとき水ガラスの酸化ナトリウムの成分が蒸発を始め、
水ガラス中の酸化硅素の重量分率が増加する。昇温を止
めて常温にまで冷却すると、水ガラスは被膜化する。本
被膜は酸化硅素の重量分率の高い水ガラスのみによって
形成されているので、再度昇温した場合、発泡せず、軟
化開始温度も上昇している。
【0013】3%Cr− 1%Ni系のプラグ表面に酸化
ナトリウム13%、酸化硅素26%、残量水分及び不純物と
から成る水ガラス系の潤滑剤を約 200μmの厚みに塗布
したものを、図1に示すように、高周波誘導加熱した。
図1において、1はプラグ、2は高周波誘導加熱用コイ
ルである。加熱温度1000℃で保持時間を変更し、冷却後
の水ガラス被膜中の酸化硅素の重量分率を70%〜92.5%
に調整した。プラグは図2に示す形状をしており、直径
φ49mm、長さ 105mmで、先端平坦部の端面はR5mmの加
工(以下に端面のRと称す)が施されている。このと
き、プラグには、950 ℃の加熱温度で約 200μmの厚さ
の表面酸化スケールを生成させたものとさせなかったも
のを用いた。また、表面に酸化スケールを生成させたプ
ラグについては、電気加熱炉内で1000℃に加熱し、冷却
後の水ガラス被膜中の酸化硅素の重量分率を70%〜92.5
%に調整したものも作成した。
ナトリウム13%、酸化硅素26%、残量水分及び不純物と
から成る水ガラス系の潤滑剤を約 200μmの厚みに塗布
したものを、図1に示すように、高周波誘導加熱した。
図1において、1はプラグ、2は高周波誘導加熱用コイ
ルである。加熱温度1000℃で保持時間を変更し、冷却後
の水ガラス被膜中の酸化硅素の重量分率を70%〜92.5%
に調整した。プラグは図2に示す形状をしており、直径
φ49mm、長さ 105mmで、先端平坦部の端面はR5mmの加
工(以下に端面のRと称す)が施されている。このと
き、プラグには、950 ℃の加熱温度で約 200μmの厚さ
の表面酸化スケールを生成させたものとさせなかったも
のを用いた。また、表面に酸化スケールを生成させたプ
ラグについては、電気加熱炉内で1000℃に加熱し、冷却
後の水ガラス被膜中の酸化硅素の重量分率を70%〜92.5
%に調整したものも作成した。
【0014】1250℃に加熱された直径60mm、長さ 500mm
のビレットをロール直径 400mmの穿孔圧延機を用いて直
径65mm、肉厚 8mm、長さ約 990mmのホローに圧延する実
験に本プラグを適用した。
のビレットをロール直径 400mmの穿孔圧延機を用いて直
径65mm、肉厚 8mm、長さ約 990mmのホローに圧延する実
験に本プラグを適用した。
【0015】実験結果を図3に示す。表面に酸化スケー
ルが生成されていなかったプラグを用いた場合、塗布さ
れた水ガラス系潤滑剤の加熱処理条件に関係なく、圧延
途中で先端が溶損、変形し、穿孔時の抵抗が増大して圧
延が完遂できなかった。尚、表面に酸化スケールが生成
されていなかったプラグにあっては、塗布された水ガラ
ス系潤滑剤は、高周波誘導加熱し、冷却後においてプラ
グ全面を覆う被膜を形成していなかった。
ルが生成されていなかったプラグを用いた場合、塗布さ
れた水ガラス系潤滑剤の加熱処理条件に関係なく、圧延
途中で先端が溶損、変形し、穿孔時の抵抗が増大して圧
延が完遂できなかった。尚、表面に酸化スケールが生成
されていなかったプラグにあっては、塗布された水ガラ
ス系潤滑剤は、高周波誘導加熱し、冷却後においてプラ
グ全面を覆う被膜を形成していなかった。
【0016】表面に酸化スケールが生成されたプラグを
用いた場合、スケールの上から塗布された水ガラス系潤
滑剤中の酸化硅素の重量比率を高周波誘導加熱処理によ
って増加させるに従って、圧延後のプラグ先端平坦部の
端面のRは圧延前(R 5mm)との変化が小さい。しか
し、加熱炉内で水ガラス系潤滑剤が加熱処理されたプラ
グの場合、酸化硅素の重量比率に関係なく、圧延後のプ
ラグ先端平坦部の端面のRは圧延前の1.5 倍以上であ
る。
用いた場合、スケールの上から塗布された水ガラス系潤
滑剤中の酸化硅素の重量比率を高周波誘導加熱処理によ
って増加させるに従って、圧延後のプラグ先端平坦部の
端面のRは圧延前(R 5mm)との変化が小さい。しか
し、加熱炉内で水ガラス系潤滑剤が加熱処理されたプラ
グの場合、酸化硅素の重量比率に関係なく、圧延後のプ
ラグ先端平坦部の端面のRは圧延前の1.5 倍以上であ
る。
【0017】上記実験により、本発明者らは次の知見を
得た。水ガラス系潤滑剤は昇温時に発泡、軟化しながら
凝集するので、被塗布材の表面が酸化スケールのような
凹凸面でないと、冷却後に被塗布材全面を覆うような被
膜にはならない。
得た。水ガラス系潤滑剤は昇温時に発泡、軟化しながら
凝集するので、被塗布材の表面が酸化スケールのような
凹凸面でないと、冷却後に被塗布材全面を覆うような被
膜にはならない。
【0018】また、表面に酸化スケールが生成されたプ
ラグを用いた場合、スケールの上から塗布された水ガラ
ス系潤滑剤中の酸化硅素の重量分率が80%以上になるよ
うに高周波誘導加熱処理すると、圧延後のプラグ先端平
坦部の端面のRは圧延前の1.25倍以下に保護される。圧
延中のプラグ表面の昇温によっても軟化し難く、強固に
スケールを保護する被膜が形成されることがわかる。
ラグを用いた場合、スケールの上から塗布された水ガラ
ス系潤滑剤中の酸化硅素の重量分率が80%以上になるよ
うに高周波誘導加熱処理すると、圧延後のプラグ先端平
坦部の端面のRは圧延前の1.25倍以下に保護される。圧
延中のプラグ表面の昇温によっても軟化し難く、強固に
スケールを保護する被膜が形成されることがわかる。
【0019】しかし、水ガラス系潤滑剤が塗布されたプ
ラグを加熱炉内で熱処理する場合、熱処理が長時間化す
るので、熱処理中にプラグ表面の酸化スケール中に空孔
が増加する。更に、プラグ母材も高温になるので、組織
中の炭化物の球状・粗大化が進行し、プラグ母材の強度
が劣化する、といった理由により、プラグ先端平坦部の
変形が進んだのである。
ラグを加熱炉内で熱処理する場合、熱処理が長時間化す
るので、熱処理中にプラグ表面の酸化スケール中に空孔
が増加する。更に、プラグ母材も高温になるので、組織
中の炭化物の球状・粗大化が進行し、プラグ母材の強度
が劣化する、といった理由により、プラグ先端平坦部の
変形が進んだのである。
【0020】そこで、本発明では、本知見に基づき、あ
らかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生成せし
められたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布した後、
高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分率を80
%以上になるまで昇温して、継目無管の傾斜圧延に使用
するものである。尚、連続して高合金鋼ビレットを圧延
する場合、圧延前に毎回水ガラス系の潤滑剤を塗布して
やることで、酸化硅素の重量分率の高まったスケール保
護被膜を更に保護し、プラグ寿命のさらなる延長効果を
得ることができる。
らかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生成せし
められたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布した後、
高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分率を80
%以上になるまで昇温して、継目無管の傾斜圧延に使用
するものである。尚、連続して高合金鋼ビレットを圧延
する場合、圧延前に毎回水ガラス系の潤滑剤を塗布して
やることで、酸化硅素の重量分率の高まったスケール保
護被膜を更に保護し、プラグ寿命のさらなる延長効果を
得ることができる。
【0021】
(実施例1)(図4) 表面に約 400μmの酸化スケールを生成させた 0.3%C
− 3%Cr− 1%Ni系のプラグに酸化ナトリウム13
%、酸化硅素26%、残量水分と不純物とから成る水ガラ
ス系の潤滑剤を約 200μmの厚みで塗布し、1000℃の温
度で高周波誘導加熱して、水ガラス系の潤滑剤中の酸化
硅素重量分率を70〜92.5%に調整し、冷却した。各プラ
グを直径 175mm(長さ 3.5m)の13%Cr鋼以上の高合
金鋼ビレット 200本ずつの穿孔圧延に適用した。
− 3%Cr− 1%Ni系のプラグに酸化ナトリウム13
%、酸化硅素26%、残量水分と不純物とから成る水ガラ
ス系の潤滑剤を約 200μmの厚みで塗布し、1000℃の温
度で高周波誘導加熱して、水ガラス系の潤滑剤中の酸化
硅素重量分率を70〜92.5%に調整し、冷却した。各プラ
グを直径 175mm(長さ 3.5m)の13%Cr鋼以上の高合
金鋼ビレット 200本ずつの穿孔圧延に適用した。
【0022】プラグは、ピアサーでビレットを1本穿孔
圧延するのに使用される毎に水冷され、次のビレットの
穿孔圧延に使用された。
圧延するのに使用される毎に水冷され、次のビレットの
穿孔圧延に使用された。
【0023】水冷後に毎回プラグ表面の損耗状況を検査
し、溶損、摩耗、欠損等により寿命と判断された場合、
別のプラグと交換した。
し、溶損、摩耗、欠損等により寿命と判断された場合、
別のプラグと交換した。
【0024】水ガラス系潤滑剤を塗布し自然乾燥させた
だけのプラグ(未処理材)、及び加熱炉内での1000℃の
熱処理により、水ガラス系の潤滑剤中の酸化硅素重量分
率を同様に調整し、冷却したプラグ(加熱炉内処理材)
についても、同じ穿孔圧延を行った。
だけのプラグ(未処理材)、及び加熱炉内での1000℃の
熱処理により、水ガラス系の潤滑剤中の酸化硅素重量分
率を同様に調整し、冷却したプラグ(加熱炉内処理材)
についても、同じ穿孔圧延を行った。
【0025】13%Cr鋼以上の高合金鋼ビレット 200本
ずつの穿孔圧延に使用された各プラグの寿命本数を比較
して図4に示す。スケールの上から塗布された水ガラス
系潤滑剤を酸化硅素の重量分率80%以上に高周波誘導加
熱処理することにより、同図中に示される水ガラス系潤
滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と比較
して、2倍以上の寿命を得ることができる。しかし、水
ガラス系潤滑剤を加熱炉内で熱処理した場合、水ガラス
系潤滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と
比較しても顕著な差は無い。
ずつの穿孔圧延に使用された各プラグの寿命本数を比較
して図4に示す。スケールの上から塗布された水ガラス
系潤滑剤を酸化硅素の重量分率80%以上に高周波誘導加
熱処理することにより、同図中に示される水ガラス系潤
滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と比較
して、2倍以上の寿命を得ることができる。しかし、水
ガラス系潤滑剤を加熱炉内で熱処理した場合、水ガラス
系潤滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と
比較しても顕著な差は無い。
【0026】(実施例2)(図5) 表面に約 400μmの酸化スケールを生成させた 0.3%C
− 0.5%Cr− 1.5%Ni系のプラグに酸化ナトリウム
10%、酸化硅素30%、残量水分とから成る水ガラス系の
潤滑剤を約 200μmの厚みで塗布し、 700〜1300℃の温
度で高周波誘導加熱して、水ガラス系の潤滑剤中の酸化
硅素重量分率を77.5〜95.0%に調整し、冷却した。各プ
ラグを直径 110mm(長さ 3m)の13%Cr鋼以上の高合
金鋼ビレット 200本ずつの穿孔圧延に適用した。
− 0.5%Cr− 1.5%Ni系のプラグに酸化ナトリウム
10%、酸化硅素30%、残量水分とから成る水ガラス系の
潤滑剤を約 200μmの厚みで塗布し、 700〜1300℃の温
度で高周波誘導加熱して、水ガラス系の潤滑剤中の酸化
硅素重量分率を77.5〜95.0%に調整し、冷却した。各プ
ラグを直径 110mm(長さ 3m)の13%Cr鋼以上の高合
金鋼ビレット 200本ずつの穿孔圧延に適用した。
【0027】プラグは、ピアサーでビレットを1本穿孔
圧延するのに使用される毎に水冷され、次のビレットの
穿孔圧延に使用された。
圧延するのに使用される毎に水冷され、次のビレットの
穿孔圧延に使用された。
【0028】水冷後に毎回プラグ表面の損耗状況を検査
し、溶損、摩耗、欠損等により寿命と判断された場合、
別のプラグと交換した。
し、溶損、摩耗、欠損等により寿命と判断された場合、
別のプラグと交換した。
【0029】水ガラス系潤滑剤を塗布し自然乾燥させた
だけのプラグ(未処理材)及び加熱炉内での 700〜1300
℃の熱処理により、水ガラス系の潤滑剤中の酸化硅素重
量分率を同様に調整し、冷却したプラグ(加熱炉内処理
材)についても、同じ穿孔圧延を行った。
だけのプラグ(未処理材)及び加熱炉内での 700〜1300
℃の熱処理により、水ガラス系の潤滑剤中の酸化硅素重
量分率を同様に調整し、冷却したプラグ(加熱炉内処理
材)についても、同じ穿孔圧延を行った。
【0030】13%Cr鋼以上の高合金鋼ビレット 200本
ずつの穿孔圧延に使用された各プラグの寿命本数を比較
して図5に示す。スケールの上から塗布された水ガラス
系潤滑剤を酸化硅素の重要分率80%以上に高周波誘導加
熱処理することにより、同図中に示される水ガラス系潤
滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と比較
して、2倍以上の寿命を得ることができる。しかし、水
ガラス系潤滑剤を加熱炉内で熱処理した場合、水ガラス
系潤滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と
比較しても寿命は向上していない。
ずつの穿孔圧延に使用された各プラグの寿命本数を比較
して図5に示す。スケールの上から塗布された水ガラス
系潤滑剤を酸化硅素の重要分率80%以上に高周波誘導加
熱処理することにより、同図中に示される水ガラス系潤
滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と比較
して、2倍以上の寿命を得ることができる。しかし、水
ガラス系潤滑剤を加熱炉内で熱処理した場合、水ガラス
系潤滑剤を塗布し自然乾燥させただけのプラグの寿命と
比較しても寿命は向上していない。
【0031】(実施例3)(図6) 表面に約 400μmの酸化スケールを生成させた 0.3%C
− 0.5%Cr− 1.5%Ni系のプラグに酸化ナトリウム
10%、酸化硅素30%、残量水分と不純物とから成る水ガ
ラス系の潤滑剤を約 200μmの厚みで塗布し、1000℃の
温度で高周波誘導加熱して、水ガラス系の潤滑剤中の酸
化硅素重量分率を87.5%に調整し、冷却した。各プラグ
を直径 110mm(長さ 3m)の13%Cr鋼以上の高合金鋼
ビレット200 本ずつの穿孔圧延に適用した。
− 0.5%Cr− 1.5%Ni系のプラグに酸化ナトリウム
10%、酸化硅素30%、残量水分と不純物とから成る水ガ
ラス系の潤滑剤を約 200μmの厚みで塗布し、1000℃の
温度で高周波誘導加熱して、水ガラス系の潤滑剤中の酸
化硅素重量分率を87.5%に調整し、冷却した。各プラグ
を直径 110mm(長さ 3m)の13%Cr鋼以上の高合金鋼
ビレット200 本ずつの穿孔圧延に適用した。
【0032】プラグは、ピアサーでビレットを1本穿孔
圧延するのに使用される毎に水冷され、更に同じ水ガラ
ス系の潤滑剤をスプレー塗布した後に、次のビレットの
穿孔圧延に使用された。
圧延するのに使用される毎に水冷され、更に同じ水ガラ
ス系の潤滑剤をスプレー塗布した後に、次のビレットの
穿孔圧延に使用された。
【0033】水冷後に毎回プラグ表面の損耗状況を検査
し、溶損、摩耗、欠損等ににより寿命と判断された場
合、別のプラグと交換した。
し、溶損、摩耗、欠損等ににより寿命と判断された場
合、別のプラグと交換した。
【0034】13%Cr鋼以上の高合金鋼ビレット 200本
ずつの穿孔圧延に使用されたプラグの寿命本数を水冷後
の毎回の圧延前に水ガラス系の潤滑剤を塗布しない実施
例2の場合(高周波加熱処理材)と比較して図6に示
す。同図は、スケールの上から塗布された水ガラス系潤
滑剤を酸化硅素の重量分率を87.5%に高周波誘導加熱処
理した場合の比較であるが、水冷後の毎回の圧延前に水
ガラス系の潤滑剤を塗布することにより、水ガラス系潤
滑剤を塗布し高周波加熱処理しただけのプラグの寿命と
比較して、約1.5 倍の寿命を得ることができる。
ずつの穿孔圧延に使用されたプラグの寿命本数を水冷後
の毎回の圧延前に水ガラス系の潤滑剤を塗布しない実施
例2の場合(高周波加熱処理材)と比較して図6に示
す。同図は、スケールの上から塗布された水ガラス系潤
滑剤を酸化硅素の重量分率を87.5%に高周波誘導加熱処
理した場合の比較であるが、水冷後の毎回の圧延前に水
ガラス系の潤滑剤を塗布することにより、水ガラス系潤
滑剤を塗布し高周波加熱処理しただけのプラグの寿命と
比較して、約1.5 倍の寿命を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高合金
鋼圧延の如くの厳しい条件下で用いられる継目無鋼管圧
延用プラグ等の熱間加工用工具の寿命を簡易に延長させ
ることができる。
鋼圧延の如くの厳しい条件下で用いられる継目無鋼管圧
延用プラグ等の熱間加工用工具の寿命を簡易に延長させ
ることができる。
【図1】図1はプラグ表面に塗布された水ガラス系潤滑
剤の高周波誘導加熱処理方法を示す模式図である。
剤の高周波誘導加熱処理方法を示す模式図である。
【図2】図2は実験に用いたプラグの形状を示す模式図
である。
である。
【図3】図3はプラグ表面に塗布された水ガラス系潤滑
剤の高周波誘導加熱処理後に残存する酸化硅素の重量分
率と圧延後のプラグ先端平坦部端部の変形を示す線図で
ある。
剤の高周波誘導加熱処理後に残存する酸化硅素の重量分
率と圧延後のプラグ先端平坦部端部の変形を示す線図で
ある。
【図4】図4は実施例1に示す、プラグ表面に塗布され
た水ガラス系潤滑剤の高周波誘導加熱処理後に残存する
酸化硅素の重量分率と高合金鋼ビレット圧延時のプラグ
寿命の関係を示す線図である。
た水ガラス系潤滑剤の高周波誘導加熱処理後に残存する
酸化硅素の重量分率と高合金鋼ビレット圧延時のプラグ
寿命の関係を示す線図である。
【図5】図5は実施例2に示す、プラグ表面に塗布され
た水ガラス系潤滑剤の高周波誘導加熱処理後に残存する
酸化硅素の重量分率と高合金鋼ビレット圧延時のプラグ
寿命の関係を示す線図である。
た水ガラス系潤滑剤の高周波誘導加熱処理後に残存する
酸化硅素の重量分率と高合金鋼ビレット圧延時のプラグ
寿命の関係を示す線図である。
【図6】図6は実施例3に示す、圧延前に水ガラス系の
潤滑剤を塗布することによる高合金鋼ビレット圧延時の
プラグ寿命の延長効果を示す線図である。
潤滑剤を塗布することによる高合金鋼ビレット圧延時の
プラグ寿命の延長効果を示す線図である。
1 プラグ 2 高周波誘導加熱用コイル
Claims (2)
- 【請求項1】 圧延材のパスラインに対して傾斜配置し
た圧延ロールと、上記パスライン上に配置されるプラグ
とを有してなる傾斜圧延機を用いる継目無管の傾斜圧延
方法において、 あらかじめ熱処理によって酸化スケールを表面に生成せ
しめられたプラグに、水ガラス系の潤滑剤を塗布した
後、高周波加熱によって潤滑剤中の酸化硅素の重量分率
を80%以上になるまで昇温して、圧延に使用することを
特徴とする継目無管の傾斜圧延方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のあらかじめ熱処理によ
って酸化スケールを表面に生成せしめられたプラグに、
水ガラス系の潤滑剤を塗布した後、高周波加熱によって
潤滑剤中の酸化硅素の重量分率を80%以上になるまで昇
温して、圧延に使用する継目無管の傾斜圧延方法におい
て、 毎回の圧延前に水ガラス系の潤滑剤をプラグ表面に塗布
して、圧延に使用することを特徴とする継目無管の傾斜
圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17566295A JPH091210A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 継目無管の傾斜圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17566295A JPH091210A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 継目無管の傾斜圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091210A true JPH091210A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=16000034
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17566295A Withdrawn JPH091210A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 継目無管の傾斜圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH091210A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001219205A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 継目無管の製造方法 |
JP2021107092A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | Jfeスチール株式会社 | 継目無鋼管製造用プラグ、継目無鋼管製造用ピアッシングミルおよび継目無鋼管の製造方法 |
-
1995
- 1995-06-20 JP JP17566295A patent/JPH091210A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001219205A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 継目無管の製造方法 |
JP2021107092A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | Jfeスチール株式会社 | 継目無鋼管製造用プラグ、継目無鋼管製造用ピアッシングミルおよび継目無鋼管の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020903 |