JPH0890015A - 継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法 - Google Patents

継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法

Info

Publication number
JPH0890015A
JPH0890015A JP25415194A JP25415194A JPH0890015A JP H0890015 A JPH0890015 A JP H0890015A JP 25415194 A JP25415194 A JP 25415194A JP 25415194 A JP25415194 A JP 25415194A JP H0890015 A JPH0890015 A JP H0890015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plug
rolling
scale
cooling
life
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP25415194A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yorifuji
章 依藤
Taro Kanayama
太郎 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP25415194A priority Critical patent/JPH0890015A/ja
Publication of JPH0890015A publication Critical patent/JPH0890015A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高合金鋼圧延の如くの厳しい条件下で用いら
れる継目無鋼管圧延用プラグの寿命を簡易に延長させる
こと。 【構成】 スケール付着処理によって表面に酸化スケー
ルを生成せしめられたプラグ1を用いて、先後の圧延材
(ビレット3)を順次圧延するに際し、圧延に供したプ
ラグ1の最高表面温度が 950Kを超えた場合、その温度
が 950K以下になるまで徐冷し、その後強制水冷して次
圧延に供するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は継目無鋼管圧延用プラグ
の冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間で継目無鋼管を製造する方法とし
て、マンネスマン製管法が広く従来より実施されてい
る。この方法は、所定温度に加熱された丸鋼片(以下に
ビレットと称す)を、まず穿孔圧延機によって穿孔圧延
して中空素管(以下にホローと称す)を製造し、このホ
ローをエロンゲータ、プラグミル、リーラ又はマンドレ
ルミルなどの延伸圧延機、磨管圧延機にて肉厚を減じ、
更に必要に応じて再加熱した後、絞り圧延機或いは定型
機によって主に外径を減じて所定寸法の継目無鋼管を得
る方法である。
【0003】例えば、上記穿孔圧延機には種々のものが
ある。2本の傾斜ロールとプラグ及び2個のガイドシュ
ーを組み合わせた、所謂マンネスマンピアサー、3本の
傾斜ロールとプラグを組み合わせた、所謂3ロールピア
サー、或いは2本の穴型ロールとプラグを組み合わせ
た、所謂プレスロールピアサーが一般的である。
【0004】ところでこのような穿孔圧延過程において
は、プラグは加熱されたビレット及びホローとの絶え間
無い接触によって常時高温、高負荷にさらされるため、
摩耗、溶損し易い。従って、一般にプラグには900 〜10
00℃の高温でスケール処理を施し、プラグ表面に数10〜
数100 μm のスケール被膜を形成させ、損耗防止を図っ
ている。しかし、このようなプラグを近年特に需要の増
加してきた高合金鋼圧延に使用すると、数回の使用しか
できない。
【0005】穿孔圧延に限らず、延伸圧延、磨管圧延な
どにおいても同様の傾向がある。これらの継目無鋼管熱
間圧延用プラグの寿命を延長させる方法としては、特開
昭51-133167 号公報に開示されるように、熱間潤滑剤を
プラグとホロー内面との間に噴出させて潤滑を効果的に
行なう方法が提案されている。また特開昭62-207503号
公報、特開昭63-104707 号公報、特開昭63-203205 号公
報などに開示されるように、プラグ全体又は先端部を高
温強度に優れたモリブデン合金、又はセラミックなどに
より製作する方法が提案されている。或いは、特公平6-
243 号公報に開示されるように、ある回数低合金鋼圧延
に使用した後にプラグを高合金鋼圧延に使用する方法も
提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、熱間潤滑
剤をプラグとホロー内面との間に噴出させる従来の方法
では、プラグバー、プラグの構造が複雑になり、潤滑剤
の詰まりに対するメンテナンスなどのコストが高い割に
は潤滑効果が顕著でないという欠点があった。
【0007】また、プラグ先端部のみをモリブデン合
金、セラミックにて構成し強化する従来の方法は、先端
部の損耗防止効果は大きいが、胴部の損耗防止効果が弱
く、プラグ寿命の延長効果は十分でない。プラグ全体を
モリブデン合金などにて構成する従来方法は、プラグコ
ストが極めて高く、また衝撃荷重や熱疲労に弱いなどの
欠点があった。
【0008】更に、低合金鋼圧延に使用した後にプラグ
を高合金鋼圧延に使用する従来の方法では、近年需要の
高い13%Cr鋼以上の高合金鋼圧延時にはさほどプラグ
寿命の延長が期待できないとともに、プラグの運用が繁
雑になり人手がかかるといった欠点があった。
【0009】本発明は、高合金鋼圧延の如くの厳しい条
件下で用いられる継目無鋼管圧延用プラグの寿命を簡易
に延長させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、スケール付着処理によって表面に酸化スケールを生
成せしめられたプラグを用いて、先後の圧延材を順次圧
延する継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法において、圧
延に供したプラグの最高表面温度が 950℃を超えた場
合、その温度が 950℃以下になるまで徐冷し、その後強
制水冷して次圧延に供するようにしたものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記プラグが、重量比にて
C:0.20〜0.60%、Si:0.10〜2.0 %、Mn:0.30〜
2.0 %、Cr:1.0 〜 6.0%、Ni:1.0 〜 6.0%、M
o:0.50〜5.0 %、Nb:0.20〜 1.5%を含有し、更に
必要に応じてAl:0.05〜2.0 %、Zr:0.05〜2.0
%、V:0.10〜0.80%、Co:0.50〜5.0 %、W:0.50
〜5.0 %のうちから選ばれた1種又は2種以上を含み、
残部がFe及び不可避的不純物からなる鋳造合金より成
形後、酸化雰囲気中において900 〜1250℃の温度範囲の
加熱処理からなるスケール付着処理を施されてなるよう
にしたものである。
【0012】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記プラグが、重量比にて、
C:0.10〜0.40%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.20〜
2.00%、Cr:0.95%以下、Mo:0.50〜 3.50 %、
W:0.50〜3.50%、Nb:0.10〜 1.00 %を含有し、更
に必要に応じてNi:0.50〜3.50%、Co:0.50〜3.50
%、V:0.10〜1.00%のうちから選ばれた1種又は2種
以上を含有し、残部はFeと不可避的不純物からなる鋳
造合金より成形後、酸化雰囲気中において900〜1050℃
の温度範囲の加熱処理からなるスケール付着処理を施さ
れてなるようにしたものである。
【0013】
【作用】
(請求項1に記載の本発明の作用)本発明者は、プラグ
の寿命に大きな影響を及ぼすプラグ表面のスケールを詳
細に調査し、次の結果を得た。プラグ表面のスケールの
断面模式図を図3に示す。スケールは表層から順次、ヘ
マタイト層、マグネタイト層、マグネタイトとウスタイ
トの混合層、ウスタイトと金属析出物の混合層から構成
されている。また、スケール中には空孔が多く存在して
いる。
【0014】ビレットの熱間穿孔について、従来の工程
を図4(A)、(B)に示す。プラグバー2の先端に取
り付けられたプラグ1は、一対の傾斜ロール4、4によ
るビレット3の穿孔圧延に使用されると、圧延後のホロ
ーから引き抜かれ、水冷される。その後、次の圧延に使
用される。プラグ表面が図4(A)は高圧水スプレー6
による冷却の場合、図4(B)は水槽7への浸漬冷却の
場合である。
【0015】ウスタイト、マグネタイト、金属析出物及
びプラグ母材の熱膨張率はそれぞれ異なっている。従っ
て、圧延に使用され、昇温したプラグの冷却工程におい
て、プラグ表面のスケールを構成する各物質間に熱応力
が発生する。高合金鋼圧延時には圧延負荷が大きいので
プラグ表面は最高1300℃以上にもなる。このような場
合、従来の上記のようなプラグ冷却方法では、プラグの
最高表面温度が1000℃以上で冷却を開始していた。この
ような高温からプラグを急冷すると、プラグ表面のスケ
ールを構成する各物質間に発生する熱応力が非常に大き
くなり、クラックが発生し易い。従って、クラックの伝
播と上記空孔の連結によってスケールが剥離し、プラグ
寿命が短くなっていた。
【0016】これに対し、本発明では、プラグの最強表
面温度が 950℃を超えた場合、その温度が 950℃以下に
なるまで徐冷し、その後強制水冷して次圧延に供するよ
うにした。即ち、プラグの冷却条件を適正化し、表面の
スケールに発生する熱応力を低く抑え、スケールの剥離
を防止して、プラグ寿命の延長を図るものである。
【0017】(請求項2に記載の本発明の作用)請求項
2のプラグ材料(0.3 %C− 3%Cr− 1%Ni鋼)に
おける合金成分の限定理由について説明する。ここで成
分組織は全て重量%である。 C:CはCr、Mo、Nb等の炭化物を形成して高温耐
摩耗性を向上させる元素として添加するが、0.20%未満
ではその効果が小さく0.60%を超えると融点を低下させ
て逆に耐摩耗性を悪化させるので0.20〜0.60%の範囲に
限定した。 Si:Siは地鉄合金との密着性の良いスケールを生成
させるため添加するが0.10%未満ではその効果が小さ
く、2.0 %を超えると高温強度を低下させるので0.10〜
2.0 %の範囲に限定した。 Mn:Mnは高温強度を高めるために添加されるが、0.
30%未満ではその効果が小さく2.0 %を超えると熱伝導
性を悪化させて高温耐摩耗性を劣化させるので下限を0.
30%、上限を2.0 %に限定した。 Cr:Crは表面に地鉄合金との密着性が良くかつ断熱
性の良いスケールを生成させ、またCrの炭化物を形成
させることにより高温強度を高めるが、1.0 %未満では
その効果が小さく、6.0 %を超えるとスケールの生成量
を減少し熱伝導性を悪化させて高温耐摩耗性を劣化させ
るので1.0 〜6.0 %の範囲に限定した。 Ni:Niは地鉄合金との密着性の良好なスケールを生
成させるため添加されるが、1.0 %未満では十分でな
く、6.0 %を超えるとスケールの生成量を減少させかつ
熱伝導性を悪化させ高温耐摩耗性を劣化させるので、1.
0 〜6.0 %の範囲に限定した。 Mo:Moは固溶硬化及び炭化物形成により高温強度を
高めるのに有効であるが、0.50%未満ではその効果がな
いので下限を0.50%とし、5.0 %を超えるとスケール生
成量を著しく減少させて高温耐摩耗性を劣化させるので
上限を5.0 %に限定した。 Nb:Nbは炭化物形成により高温強度を著しく高める
のに役立つが、0.20%未満ではその効果が小さく0.20%
以上を必要とするが、 1.5%を超えるとその効果は飽和
し、かつ高価でもあるので上限を1.5 %とした。
【0018】上記C、Si、Mn、Cr、Ni、Mo、
Nbの各限定量をもって本発明の圧延用工具材料の基本
成分とするが、更に必要に応じてAl、Zr、V、C
o、Wを下記限定量内において、1種又は2種以上を同
時に含有せしめることができる。これらの限定理由は次
の如くである。 Al、Zr:Al、Zrは共に地鉄との密着性と断熱性
が良いスケールを生成させるために必要に応じて添加さ
れるが、0.05%未満ではその効果が小さく、2.0 %を超
えるとスケール生成量を著しく減少させ、高温耐摩耗性
を劣化させるので、Al、Zr共に0.05〜2.0 %の範囲
に限定した。 V:Vは炭化物形成により高温強度を高める作用を有す
るが、0.10%未満ではその効果がなく、0.80%を超すと
その効果は飽和し、かつ高価でもあるので、0.10〜0.80
%の範囲に限定した。 Co:Coは固溶硬化により高温強度を高める効果を有
するが、0.50%未満ではその効果が小さく、5.0 %を超
えるとスケール生成量を減少させてむしろ高温耐摩耗性
を劣化させる傾向にあり、かつ高価でもあるので、0.50
〜5.0 %の範囲に限定した。 W:Wは固溶硬化及び炭化物形成により高温強度を高め
る作用を有するが、0.50%未満ではその効果が小さく、
5.0 %を超えると粗大な炭化物を形成して靱性を劣化さ
せるので0.50〜5.0 %の範囲に限定した。
【0019】また、酸化雰囲気中におけるスケール付着
処理時における加熱温度が900 ℃未満のときは被変形材
料からプラグへの入熱量を減少させるのに十分な断熱性
を有する厚さの酸化スケールが得られずプラグの高温耐
摩耗性を改善し得ない。
【0020】一方加熱温度が1250℃を超えるときには生
成スケールは厚くなるが、スケール内の空隙が増加し地
鉄合金とスケール密着性が低下して穿孔時又はエロンゲ
ータにおける伸延時の付着スケール厚さは、1250℃以下
で加熱処理した場合に比し減少し高温耐摩耗性を劣化さ
せる。
【0021】これらの理由から本発明における加熱処理
温度を900 〜1250℃の範囲に限定したが、また、断熱性
を維持するのに必要な厚さのスケールを安定して生成さ
せるためには加熱処理に30分以上の保持時間をとること
が望ましい。
【0022】(請求項3に記載の本発明の作用)請求項
3のプラグ材料(0.3 %C−0.5 %Cr−1.5 %Ni
鋼)における合金成分の限定理由について説明する。こ
こで、成分組成は全て重量%である。 C:Cは高温強度を高めるために添加されるが0.10%未
満ではその効果がなく0.40%を超えると使用中に割れが
発生し易くなり、プラグの寿命を著しく低下させる。 Si:Siは脱酸のために添加されるが0.10%未満では
その効果が小さく1.00%を超えると酸化スケール付着量
が少なくなり寿命を低下させる。 Mn:Mnは高温強度を高めるために添加されるが、0.
20%未満ではその効果が小さく2.00%を超えると穿孔中
の熱履歴により、熱疲労割れが発生し易くなり寿命を低
下させる。 Cr:Crは表面に地鉄合金との密着性が良く、かつ断
熱性の良いスケールを生成させ、またCrの炭化物生成
による高温強度の増加のために添加されるが、0.95%を
超えると地鉄界面近傍のスケール組成が全てFeCr2
4 となり、16%以上のCrを含有する材料を穿孔する
場合、プラグ側のスケールが被圧延材にこすり取られる
ため寿命が低下する。 Mo:Moは高温強度を高めるために添加されるが、0.
50%未満ではその効果が小さく、3.5 %を超えると酸化
スケール生成量が低下し寿命が著しく低下する。 W:Wは高温強度を高めるために添加されるが、0.50%
未満ではその効果が小さく、3.5 %を超えると酸化スケ
ール生成量が低下し寿命が著しく悪化する。 Nb:Nbは高温強度を高めるために添加されるが、0.
05%未満ではその効果が小さく、1.0 %を超えると穿孔
中に割れが発生し易くなり、寿命を低下させる。
【0023】上記のC、Si、Mn、Cr、Mo、W、
Nbの各限定量を本発明の穿孔又は伸延加工用プラグ材
の必須成分とするが、更に必要に応じてNi、Co、V
を下記限定量内において1種又は2種以上含有させるこ
とができる。 Ni:Niは酸化雰囲気中における加熱中に選択酸化を
促進し界面のスケールを根が生えたような形状にして、
密着性を高めプラグ寿命を向上させるが0.05%未満で
は、その効果が小さく、3.0 %を超えるとスケール生成
量が低下し、寿命が著しく悪化する。 Co:Coは高温強度を高めるとともに、酸化雰囲気中
における加熱中に選択酸化を促進し、また地鉄界面近傍
のスケール中に金属粒を多数生成させてスケールと地鉄
の密着性を著しく高めて、プラグ寿命を延長させるが、
0.50%未満ではその効果が小さく、3.5 %を超えるとス
ケール生成量が低下し寿命が悪化する。 V:Vは高温強度を高めるために添加されるが、0.05%
未満ではその効果が小さく、1.0 %を超えると穿孔中に
プラグ割れが発生し易くなり、寿命を著しく低下させ
る。
【0024】また酸化雰囲気中におけるスケール付着処
理時の温度を900 〜1050℃の範囲としたのは900 ℃以下
のときにはスケールの生成量が少なく、また1050℃を超
えるときにはスケール中に空隙が多くなり密着性が低下
して、いずれの場合もプラグの寿命の低下が著しい。
【0025】上記温度範囲における保持時間が1時間未
満のときにはスケール生成量が少なくプラグの寿命が低
下するが24時間で生成量は飽和し、これ以上保持するの
は生産性を低下させ、加熱原単位を上昇させるだけであ
るので無意味である。
【0026】
【実施例】
(実施例1)(図1、図5) 本発明を実施したビレットの熱間穿孔工程及びプラグの
冷却工程を図1に示す。プラグバー2の先端に取り付け
られたプラグ1は、一対の傾斜ロール4、4によるビレ
ット3の穿孔圧延に使用された後、ホローから引き抜か
れる。その後表面温度測定場所でプラグ表面最高温度
(以下にθと称する)が 950℃以下にまで空冷された
後、高圧水スプレー6で冷却される。本例では赤外線放
射温度計8と温度解析装置9を用いてプラグ表面温度を
監視する例を示したが、2色温度計その他いかなる温度
測定手段を用いても良い。
【0027】θが 300℃から1100℃の8条件の場合につ
いて、 0.3%C− 3%Cr− 1%Ni鋼を請求項2に記
載の如くに熱処理し、表面にスケールを生成したプラグ
を直径110mm 〜210mm (長さ2m)の13%Cr鋼以上の高
合金鋼ビレット200 本の圧延に適用した。プラグは水冷
後に毎回プラグ表面の損耗状況を検査し、溶損、摩耗、
欠損などにより寿命と判定された場合、別のプラグと交
換した。
【0028】各条件において使用される各プラグの平均
寿命を比較して図5に示す。従来のプラグ冷却方法であ
るθ≧1000℃の場合、プラグ表面スケールの剥離に起因
する溶損、焼き付きによって、プラグ寿命は 6回使用程
度以下である。しかし、本発明を用いたプラグ冷却方法
の適用により、プラグ寿命は14回程度になり、従来の2
倍以上に改善された。
【0029】尚、本実施例のプラグ材料( 0.3%C− 3
%Cr− 1%Ni鋼)の組成は、0.3%C、0.35%S
i、 0.5%Mn、 3%Cr、 1%Ni、 1%Mo、 0.5
%Nb、 2%W、 1%Coであった。そして、プラグへ
のスケール付着処理は、「 950℃× 4時間(PO2 =10
-15atm )の加熱保持後、 500℃まで炉冷し、その後室
温まで空冷する熱処理」を、2回行なうものとした。
【0030】(実施例2)(図2、図6) 本発明をビレットの熱間穿孔工程におけるプラグの冷却
工程に実施した他の例を図2に示す。図2(A)、
(B)ともに圧延に使用されたプラグは水槽7に浸漬さ
れて冷却される。図2(A)は水冷までのプラグを空冷
する場合、図2(B)はミスト冷却スプレー10を用い
てミスト冷却する場合である。
【0031】0.3%C− 0.5%Cr− 1.5%Ni鋼を請
求項3に記載の如くに熱処理し、表面にスケールを生成
したプラグを直径110mm 〜210mm (長さ2m)の13%Cr
鋼以上の高合金鋼ビレット 200本の圧延に適用した。従
来のプラグ冷却法と本発明の冷却法を実施した場合のプ
ラグの平均寿命を比較して図6に示す。本発明を用いた
プラグ冷却方法の適用により、プラグ寿命は従来の2倍
以上に改善された。
【0032】尚、本発明のプラグ材料( 0.3%C− 0.5
%Cr− 1.5%Ni鋼)の組成は、0.3%C、0.35%S
i、 0.5%Mn、 0.5%Cr、 1.5%Ni、 1%Mo、
0.5%Nb、 2%W、 1%Coであった。
【0033】そして、プラグへのスケール付着処理は、
「 950℃× 4時間(PO2 =10-15atm )の加熱保持
後、 500℃まで炉冷し、その後室温まで空冷する熱処
理」を、2回行なうものとした。
【0034】(実施例3)(図7) 図1のプラグの冷却工程に関する他の実施例について説
明する。θが 300℃から1100℃の8条件の場合につい
て、 0.3%C− 0.5%Cr鋼を請求項3に記載の如くに
熱処理し、表面にスケールを生成したプラグを直径110m
m〜210mm (長さ2m)の13%Cr鋼以上の高合金鋼ビレ
ット200 本の圧延に適用した。プラグは水冷後に毎回プ
ラグ表面の損耗状況を検査し、溶損、摩耗、欠損などに
より寿命と判定された場合、別のプラグと交換した。
【0035】各条件において使用される各プラグの平均
寿命を比較して図7に示す。従来のプラグ冷却方法であ
るθ≧1000℃の場合、プラグ表面スケールの剥離に起因
する溶損、焼き付きによって、プラグ寿命は 6回使用程
度以下である。しかし、本発明を用いたプラグ冷却方法
の適用により、プラグ寿命は14回程度になり、従来の2
倍以上に改善された。
【0036】尚、本実施例のプラグ材料( 0.3%C−
0.5%Cr鋼)の組成は、 0.3%C、0.35%Si、 0.5
%Mn、 0.5%Cr、 1%Mo、 1%Nb、 3%Wであ
った。
【0037】そして、プラグへのスケール付着処理は、
「 950℃× 4時間(PO2 =10-15atm )の加熱保持
後、 500℃まで炉冷し、その後室温まで空冷する熱処
理」を、2回行なうものとした。
【0038】(実施例4)(図8) 図2のプラグの冷却工程に関する他の実施例について説
明する。0.3%C− 3%Cr− 1.5%Ni鋼を請求項2
に記載の如くに熱処理し、表面にスケールを生成したプ
ラグを直径110mm 〜210mm (長さ2m)の13%Cr鋼以上
の高合金鋼ビレット200 本の圧延に適用した。従来のプ
ラグ冷却法と本発明の冷却法を実施した場合のプラグの
平均寿命を比較して図8に示す。本発明を用いたプラグ
冷却方法の適用により、プラグ寿命は従来の2倍以上に
改善された。
【0039】尚、本実施例のプラグ材料( 0.3%C− 3
%Cr− 1.5%Ni鋼)の組成は、0.3%C、 0.5%S
i、 0.5%Mn、 3%Cr、 1.5%Ni、 1%Mo、 1
%Nbであった。
【0040】そして、プラグへのスケール付着処理は、
「 950℃× 4時間(PO2 =10-15atm )の加熱保持
後、 500℃まで炉冷し、その後室温まで空冷する熱処
理」を、2回行なうものとした。
【0041】尚、本発明は継目無鋼管の熱間穿孔圧延用
のプラグだけではなく、延伸、磨管の全ての熱間圧延に
用いられるプラグにも適用可能で、同様の効果が得られ
る。
【0042】また、本発明の継目無鋼管圧延用プラグ
は、高合金鋼の圧延に限定されず、いかなる炭素鋼の圧
延にも適用できる。
【0043】
【発明の効果】本発明により、継目無鋼管の熱間圧延に
用いられるプラグの損耗軽減効果が得られ、プラグ原単
位の向上につながった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明によるプラグ冷却工程を適用した
熱間穿孔圧延方法を示す模式図である。
【図2】図2は本発明によるプラグの冷却工程を適用し
た熱間穿孔圧延方法を示す模式図である。
【図3】図3は従来の工具表面スケールを示す模式図で
ある。
【図4】図4は従来のプラグ冷却工程を適用した熱間穿
孔圧延方法を示す模式図である。
【図5】図5は本発明を適用した場合のプラグ寿命を示
す図である。
【図6】図6は本発明を適用した場合のプラグ寿命を示
す図である。
【図7】図7は本発明を適用した場合のプラグ寿命を示
す図である。
【図8】図8は本発明を適用した場合のプラグ寿命を示
す図である。
【符号の説明】
1 穿孔圧延用プラグ 2 プラグバー 3 ビレット 4 穿孔圧延機傾斜ロール 5 スプレーノズル 6 高圧スプレー冷却水 7 冷却水槽 8 プラグ表面測温計 9 温度解析装置 10 ミスト冷却スプレー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 8/14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スケール付着処理によって表面に酸化ス
    ケールを生成せしめられたプラグを用いて、先後の圧延
    材を順次圧延する継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法に
    おいて、 圧延に供したプラグの最高表面温度が 950℃を超えた場
    合、その温度が 950℃以下になるまで徐冷し、その後強
    制水冷して次圧延に供することを特徴とする継目無鋼管
    圧延用プラグの冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記プラグが、重量比にてC:0.20〜0.
    60%、Si:0.10〜2.0 %、Mn:0.30〜2.0 %、C
    r:1.0 〜 6.0%、Ni:1.0 〜 6.0%、Mo:0.50〜
    5.0 %、Nb:0.20〜 1.5%を含有し、更に必要に応じ
    てAl:0.05〜2.0 %、Zr:0.05〜2.0 %、V:0.10
    〜0.80%、Co:0.50〜5.0 %、W:0.50〜5.0 %のう
    ちから選ばれた1種又は2種以上を含み、残部がFe及
    び不可避的不純物からなる鋳造合金より成形後、酸化雰
    囲気中において900 〜1250℃の温度範囲の加熱処理から
    なるスケール付着処理を施されてなるものである請求項
    1記載の継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法。
  3. 【請求項3】 前記プラグが、重量比にて、C:0.10〜
    0.40%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.20〜2.00%、C
    r:0.95%以下、Mo:0.50〜 3.50 %、W:0.50〜3.
    50%、Nb:0.10〜 1.00 %を含有し、更に必要に応じ
    てNi:0.50〜3.50%、Co:0.50〜3.50%、V:0.10
    〜1.00%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有
    し、残部はFeと不可避的不純物からなる鋳造合金より
    成形後、酸化雰囲気中において900 〜1050℃の温度範囲
    の加熱処理からなるスケール付着処理を施されてなるも
    のである請求項1記載の継目無鋼管圧延用プラグの冷却
    方法。
JP25415194A 1994-09-26 1994-09-26 継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法 Withdrawn JPH0890015A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25415194A JPH0890015A (ja) 1994-09-26 1994-09-26 継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25415194A JPH0890015A (ja) 1994-09-26 1994-09-26 継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0890015A true JPH0890015A (ja) 1996-04-09

Family

ID=17260940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25415194A Withdrawn JPH0890015A (ja) 1994-09-26 1994-09-26 継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0890015A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013080528A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 Jfeスチール株式会社 穿孔圧延用工具
JP2014111835A (ja) * 2006-08-09 2014-06-19 Rovalma Sa 鋼、工具鋼、特に熱間加工鋼の熱伝導度の調整方法、並びに鋼製品
JP2016074003A (ja) * 2014-10-07 2016-05-12 Jfeスチール株式会社 マンドレルバーの冷却方法および冷却設備

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014111835A (ja) * 2006-08-09 2014-06-19 Rovalma Sa 鋼、工具鋼、特に熱間加工鋼の熱伝導度の調整方法、並びに鋼製品
JP2015221941A (ja) * 2006-08-09 2015-12-10 ロバルマ, ソシエダッド アノニマRovalma, S.A. 鋼、工具鋼、特に熱間加工鋼の熱伝導度の調整方法、並びに鋼製品
JP2016128609A (ja) * 2006-08-09 2016-07-14 ロバルマ, ソシエダッド アノニマRovalma, S.A. 鋼、工具鋼、特に熱間加工鋼の熱伝導度の調整方法、並びに鋼製品
JP2016156088A (ja) * 2006-08-09 2016-09-01 ロバルマ, ソシエダッド アノニマRovalma, S.A. 鋼、工具鋼、特に熱間加工鋼の熱伝導度の調整方法、並びに鋼製品
WO2013080528A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 Jfeスチール株式会社 穿孔圧延用工具
JP2013112869A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Jfe Steel Corp 穿孔圧延用工具
CN103974787A (zh) * 2011-11-30 2014-08-06 杰富意钢铁株式会社 穿孔轧制用工具
CN103974787B (zh) * 2011-11-30 2015-10-21 杰富意钢铁株式会社 穿孔轧制用工具
US9194031B2 (en) 2011-11-30 2015-11-24 Jfe Steel Corporation Tool for piercing mill
JP2016074003A (ja) * 2014-10-07 2016-05-12 Jfeスチール株式会社 マンドレルバーの冷却方法および冷却設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5778714A (en) Method for manufacturing seamless pipe
CN101605616A (zh) 由高Cr-高Ni基合金钢构成的无缝钢管的制造方法
JP4264755B2 (ja) 熱間加工用工具鋼、熱間加工用工具および継目無管製造用プラグ
JPH08193241A (ja) 熱間加工用工具及びその製造方法
JP3292122B2 (ja) 継目無鋼管製造用工具
JPH0890015A (ja) 継目無鋼管圧延用プラグの冷却方法
JPH10137818A (ja) 継目無鋼管穿孔圧延用プラグ
JPH10291008A (ja) 熱間製管用工具及びその製造方法
JP4388676B2 (ja) 継目無管製造用工具及びその製造方法
JP4258580B2 (ja) 継目無鋼管製造用工具およびその製造方法
JP6919493B2 (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP3635531B2 (ja) 継目無管製造用工具及びその製造方法
JP2590595B2 (ja) 継目無ステンレス鋼管の製造方法
JP2776256B2 (ja) 熱間加工用表面処理工具
EP1795274B1 (en) METHOD FOR HOT WORKING OF Cr-CONTAINING STEEL
JP2952382B2 (ja) 熱間製管工具の製造方法
JPH10156410A (ja) 継目無鋼管穿孔圧延用プラグおよびこのプラグを用いた継目無鋼管の製造方法
JPH08206708A (ja) 傾斜圧延用プラグ及びその製造方法
JPH08309408A (ja) 穿孔プラグ耐用度に優れた継目無管の製造方法
JP3932567B2 (ja) 継目無鋼管製造のためのエロンゲータ圧延用粒状潤滑剤及びエロンゲータ圧延法
JPH11156407A (ja) 表面品質の優れた熱延鋼板の製造方法
JP4529640B2 (ja) ステンレス鋼管の製造方法
JPH11197716A (ja) 継目無鋼管製造用プラグミルプラグ
JP3239799B2 (ja) プラグ耐用度に優れた継目無管の製造方法
JPH091210A (ja) 継目無管の傾斜圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115