JP2010156938A - トナー搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】螺旋状の羽部を有するトナー搬送部材と、トナー搬送部材の回転に連動して揺動するトナー撹拌部材とを備えるトナー搬送装置で、トナー搬送部材の回転時に異常音が発生することを抑制できるトナー搬送装置を提供する。
【解決手段】クリーニング装置13のケーシング13bと、搬送スクリュ131と、片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状で搬送スクリュ131の回転動作に連動して撓み量が変化する撹拌部材16とを有するトナー搬送装置130において、撹拌部材16の櫛歯部160は、本体部161と、その突出方向の先端面である突出部先端面162tが羽部131bの螺旋状の外周を形成する螺旋外周端面131tに接触する接触突出部162とを有し、接触突出部162は、回転軸方向の幅が羽部131bの螺旋ピッチよりも広い根元部と、回転軸方向の幅が螺旋ピッチよりも狭い先端凸部とから構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナーを用いて画像形成を行うプリンタ、複写機及びファクシミリなどの画像形成装置に設けられるトナー搬送装置、及び、そのトナー搬送装置を備える画像形成装置に関するものである。
このような画像形成装置においては、トナーを主成分とする現像剤を用いた現像装置により潜像担持体上に形成した潜像の現像が行われるが、潜像を現像することにより現像剤中のトナーが消費されるため現像装置内の現像剤にトナー補給を行う必要がある。そのため、装置本体内に設けられたトナー収容部から現像装置にトナーを搬送して、現像装置内の現像剤にトナー補給が行われる。
また、上記画像形成装置においては、潜像担持体や中間転写体等のトナー像担持体上のトナー像を転写材に転写した後、トナー像担持体上に残留した転写残トナーを回収するクリーニング装置が設けられている。このクリーニング装置で回収したトナーは、廃トナー回収部に搬送されて収納されたり、資源の再利用という観点から現像装置に搬送し再利用されたりする。
さらに、転写残トナーを回収するクリーニング装置としては、廃トナー回収部への搬送や現像装置への搬送のための搬送路に回収したトナーを受け渡すために、クリーニング装置内で、搬送路との接続部に向けてトナーを搬送するものがある。
このように、画像形成装置においては、トナー補給部から現像装置へのトナーの搬送、クリーニング装置で回収した回収トナーを廃トナー回収部または現像装置へ搬送、及び、クリーニング装置内でのトナーの搬送等、装置内でトナーを搬送するトナー搬送装置を備える。トナー搬送装置としては、螺旋状の羽部を備え、回転することによって回転軸方向に搬送するスクリュ型のトナー搬送部材(以下、搬送スクリュと呼ぶ)を備えたトナー搬送装置がある。
また、従来のトナー搬送装置には、搬送するトナーが通過するトナー搬送路内でトナーが滞留して、トナー詰まりが発生することを抑制するために、搬送スクリュと接触して搬送スクリュの回転動作に連動して揺動し、トナー搬送路内のトナーを撹拌するトナー撹拌部材を備えたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
ここで、図8及び図9を用いて従来のトナー搬送装置が備えるトナー撹拌部材の一例について説明する。
図8は従来のトナー撹拌装置が備える搬送スクリュ131と撹拌部材16との斜視説明図である。また、図9は、図8で示す搬送スクリュ131と撹拌部材16とを図8中矢印S方向から見た断面で、撹拌部材16が揺動する様子の説明図である。
図8及び図9に示す搬送スクリュ131は回転軸である軸部131aに螺旋状の羽部131bを固定した形状であり、図中矢印R方向に回転することにより、図8中の矢印C方向にトナーを搬送する。また、撹拌部材16は、マイラー等の可撓性材料からなる板状の部材を片持ち梁構造に配置したものであり、板状部材の片持ち梁構造の自由端側が複数の櫛歯部160となった櫛歯構造である。そして、搬送スクリュ131が回転することによって、櫛歯部160が羽部131bと対向して図9(a)のように羽部131bに接触して持ち上げられた状態と、櫛歯部160が軸部131aと対向し、図9(b)に示すように羽部131bの螺旋ピッチの間に入った状態とを繰り返す。このように櫛歯部160が羽部131bに接触して持ち上げられた状態と羽部131bの螺旋ピッチの間に入った状態とを繰り返すことによって、櫛歯部160の搬送スクリュ131に対する距離が変化し、櫛歯部160が図中矢印Mで示すように揺動する。
このようなトナー撹拌部材を備えるトナー搬送装置では、搬送スクリュの回転動作に連動して揺動するため、トナー撹拌部材を揺動させるための駆動手段や駆動伝達部材を設けることなく、トナー搬送路内のトナーを撹拌し、トナー詰まりが発生することを抑制することが出来る。
しかしながら、従来の搬送スクリュとトナー撹拌部材とを備えたトナー搬送装置では、搬送スクリュを回転駆動させた場合に異常音が生じる不具合があった。
この異常音について本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の理由によって異常音が発生することが分かった。
異常音の発生のメカニズムについて図8及び図9を用いて説明する。
上述したように、図9(a)の状態と図9(b)の状態とを繰り返すことによって櫛歯部160が揺動する。図9(a)に示すように、櫛歯部160が羽部131bに接触し、持ち上げられて撓んだ状態となるときは、櫛歯部160は先端面160tではなく、下面160aが羽部131bと接触し、櫛歯部160が腹当たりした状態である。この状態から搬送スクリュ131が回転すると、櫛歯部160の下面160aにおける羽部131bの接触する位置がトナー搬送方向(矢印C方向)下流側に移動する。そして、羽部131bの接触する位置が下面160aのトナー搬送方向下流端を過ぎると、櫛歯部160を押し上げる力がなくなり、櫛歯部160はその弾性によって撓みが戻り、図9(b)や図8に示すように、櫛歯部160が羽部131bの螺旋ピッチの間に入った状態となる。図9(b)や図8の状態から搬送スクリュ131が回転すると、羽部131bの螺旋ピッチの間に入った櫛歯部160は再び羽部131bに接触するが、このとき羽部131bは、先ず、櫛歯部160の上流側端面160sに接触する。羽部131bが上流側端面160sに接触すると、櫛歯部160の自由端側が搬送方向下流側に撓むように変形する。このように櫛歯部160が搬送方向下流側に撓む変形は、櫛歯部160が本来撓むべき方向に直交する方向の撓みであり、櫛歯部160がねじれるように変形する。そして、櫛歯部160の上流側端面160sに羽部が接触して櫛歯部160がねじれた状態から、ねじれが戻り、櫛歯部160が撓むべき方向に撓んで羽部131bが櫛歯部160に腹当たりした状態となるときに、櫛歯部160が羽部131bに弾かれ異常音が発生する。
すなわち、トナー撹拌部材の一部が羽部の螺旋ピッチの間に入ってトナー撹拌部材がトナー搬送部材に対して近づいた状態から、トナー撹拌部材が羽部に対して腹当たりしてトナー撹拌部材がトナー搬送部材に対して離れた状態となるときに羽部の螺旋ピッチの間に入るトナー撹拌部材の部分の上流側端面が羽部に弾かれて異常音が発生する。
なお、特許文献1に記載のトナー搬送装置では、羽部の螺旋ピッチの間に入る部分(突出先端部)以外は櫛歯状ではなく一枚の板状となっているが、突出先端部が羽部に接触するときは、上述したように腹当たりした状態となっている。このため、図8及び図9を用いて説明した従来の構成と同様に、突出先端部に羽部が接触するときには、突出先端部の上流側端面が羽部に接触して弾かれて異常音が発生する。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、螺旋状の羽部を有するトナー搬送部材と、トナー搬送部材の回転に連動して揺動するトナー撹拌部材とを備えるトナー搬送装置で、トナー搬送部材の回転時に異常音が発生することを抑制できるトナー搬送装置、及び、そのトナー搬送装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーを搬送するトナー搬送路を形成する搬送路形成部材と、螺旋状の羽部を有し、回転することによって該トナー搬送路内のトナーを回転軸方向の一方に搬送するトナー搬送部材と、該トナー搬送部材の搬送動作に連動して揺動し、該トナー搬送路内のトナーを撹拌するトナー撹拌部材とを有し、該トナー撹拌部材は、該回転軸方向に直交する方向に撓むように配置された片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状の板状部材であり、該トナー撹拌部材は、該トナー搬送部材の該羽部に接触して該トナー搬送部材の回転動作に連動して片持ち梁構造の撓み量が変化するように揺動することによって該トナー搬送路内のトナーを撹拌する構成のトナー搬送装置において、上記トナー撹拌部材は、片持ち梁構造の板状部材として撓み量が変化しながら揺動する本体部と、該本体部が撓む方向とは逆方向に該本体部から突出する形状で、その突出方向の先端面が上記羽部の螺旋状の外周を形成する螺旋外周端面に接触する接触突出部とを有し、該接触突出部は、該接触突出部の突出方向の該本体部側を構成して上記回転軸方向の幅が該羽部の螺旋ピッチよりも広い根元部と、該接触突出部の突出方向の先端側を構成して上記回転軸方向の幅が該羽部の螺旋ピッチよりも狭い先端凸部とから構成され、該根元部の先端面と該先端凸部の端面とより構成される突出部先端面が該螺旋外周端面と接触するように構成し、該突出部先端面の該トナー搬送部材のトナー搬送方向における上流側端部は該根元部の先端面であり、該先端凸部に対してトナー搬送方向上流側の該根元部の先端面から該先端凸部の最も先端となる端面までの該突出部先端面の該本体部からの距離が連続的に変化するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナー搬送装置において、上記トナー撹拌部材は上記片持ち梁構造の板状部材の先端近傍が折れ曲がった形状であり、折れ目に対して先端側の部分によって上記接触突出部を構成することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のトナー搬送装置において、上記トナー搬送部材は、回転軸方向に延在する軸部に螺旋状の上記羽部を固定したスクリュ形状であり、上記トナー撹拌部材は、上記先端凸部が該トナー搬送部材の該軸部に接触しないで揺動するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3のトナー搬送装置において、上記トナー搬送部材は、回転軸方向に延在する軸部に螺旋状の上記羽部を固定したスクリュ形状であり、上記接触突出部の突出方向における上記根元部と上記先端凸部との境目から該先端凸部の先端までの長さが、螺旋外周端面から該軸部表面までの長さよりも短いことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4のトナー搬送装置において、上記接触突出部の突出方向が上記トナー搬送部材の上記軸部の方向であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5のトナー搬送装置において、上記トナー撹拌部材に接触し、該トナー撹拌部材の揺動動作に連動して揺動する第二トナー撹拌部材を有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のトナー搬送装置において、上記第二トナー撹拌部材は、片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状の板状部材であって、片持ち梁構造の自由端が揺動することによってトナーを撹拌する部材であり、該第二トナー撹拌部材の自由端の揺動幅は上記トナー撹拌部材の上記本体部の自由端の揺動幅よりも大きいことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のトナー搬送装置において、上記トナー撹拌部材の片持ち梁構造の固定端の位置と上記第二トナー撹拌部材の片持ち梁構造の固定端の位置とが略一致することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項6、7または8のトナー搬送装置において、上記トナー撹拌部材と上記第二トナー撹拌部材とは少なくとも一部で常に接触した状態で揺動することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、像担持体と、該像担持体上の潜像をトナーで現像しトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写手段と、転写後の該像担持体に付着した転写残トナーを回収するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、新規トナーを収納するトナー補給部から該現像手段へトナーを搬送する第1のトナー搬送手段、該クリーニング手段で回収された回収トナーを該クリーニング手段を構成する筺体内で該回収トナーを搬送する第2のトナー搬送手段、該クリーニング手段から該現像手段へ該回収トナーを搬送する第3のトナー搬送手段、及び、該クリーニング手段から廃トナー回収部へ該回収トナーを搬送する第4のトナー搬送手段、の少なくとも1つのトナー搬送手段を有し、該トナー搬送手段の少なくとも一つとして、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のトナー搬送装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記トナーとして重合トナーを使用することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10または11の画像形成装置において、上記トナー搬送部材が上記回収トナーを搬送することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記像担持体表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項10、11、12または13の画像形成装置において、上記トナー搬送装置が画像形成装置本体に対して着脱自在な着脱ユニットを構成することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記着脱ユニットは上記像担持体を含み、帯電装置、現像装置、クリーニング装置の少なくとも一つを含み画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジであることを特徴とするものである。
本発明においては、トナー撹拌部材の突出部先端面がトナー搬送部材の螺旋外周端面と接触する構成で、接触突出部の根元部の回転軸方向の幅が羽部の螺旋ピッチよりも広いため、トナー撹拌部材の突出部先端面のどこかが螺旋外周端面と常に対向する。また、突出部先端面のトナー搬送部材のトナー搬送方向における上流側端部は根元部の先端面であるため、トナー搬送部材の回転によって突出部先端面における螺旋外周端面の接触位置がトナー搬送方向下流側に移動し、突出部先端面の下流側端部を通過した際に、突出部先端面の下流側端部よりも上流側で螺旋外周端面と接触する突出部先端面の位置が、根元部の先端面となる。そして、先端凸部に対してトナー搬送方向上流側の根元部の先端面から先端凸部の最も先端となる端面までの突出部先端面の本体部からの距離が連続的に変化するように構成しているため、螺旋外周端面が突出部先端面に接触した状態を維持したまま、突出部先端面における螺旋外周端面の接触位置が根元部の先端面から先端凸部の先端の端面まで螺旋外周端面が突出部先端面を滑るように移動することが出来る。
このように、トナー搬送部材の回転によって、突出部先端面における螺旋外周端面との接触箇所がトナー撹拌部材の本体部からの距離が異なる根元部の先端面と先端凸部の先端の端面との間で移動する。この接触箇所の移動によってトナー撹拌部材の本体部とトナー搬送部材との距離が変化し、トナー撹拌部材が揺動する。また、トナー撹拌部材の突出部先端面がトナー搬送部材の螺旋外周端面に常に対向してトナー撹拌部材が揺動するため、トナー撹拌部材で螺旋外周端面と接触し得る箇所は突出部先端面のみとなる。さらに、根元部の先端面から先端凸部の先端の端面までの突出部先端面における螺旋外周端面の接触位置の移動が、螺旋外周端面が突出部先端面を滑るようになされるため、螺旋状の羽部が先端凸部の上流側端面に接触するときに、螺旋状の羽部が先端凸部をトナー搬送方向下流側に押すような作用が生じることを防止することが出来る。
このため、トナー撹拌部材が揺動するときに、螺旋外周端面が根元部の先端面に接触してトナー撹拌部材がトナー搬送部材に対して近づいた状態から、螺旋外周端面が先端凸部の先端の端面に接触してトナー撹拌部材がトナー搬送部材に対して離れた状態となるときに、トナー撹拌部材の上流側端面が羽部に弾かれることを防止できる。
以上、本発明によれば、トナー撹拌部材の上流側端面が羽部に弾かれることを防止できるため、トナー搬送部材の回転時に異常音が発生することを抑制できるという優れた効果がある。
本実施形態のトナー搬送装置の説明図、(a)は、トナー搬送装置を備えるクリーニング装置と感光体との拡大説明図、(b)は、トナー搬送装置の斜視説明図。 接触突出部の説明図、(a)は、隣り合う2つの接触突出部と搬送スクリュとの拡大図、(b)は、1つの接触突出部の拡大説明図。 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおける画像ステーションの一つの概略構成図。 実施形態とは形状が異なる接触突出部の形状例の説明図。 撹拌部材の櫛歯部の本体部の自由端方向の途中に接触突出部を設けた構成の説明図。 第二撹拌部材を備えたトナー搬送装置の説明図、(a)は、トナー搬送装置を備えるクリーニング装置と感光体との拡大説明図、(b)は、トナー搬送装置の斜視説明図。 従来のトナー撹拌装置が備える搬送スクリュと撹拌部材との斜視説明図。 搬送スクリュに接触し従来の撹拌部材が揺動する様子の説明図。 従来例のトナー搬送装置の説明図、(a)は、従来例のトナー搬送装置を備える従来のクリーニング装置と感光体との拡大説明図、(b)は、従来例のトナー搬送装置の斜視説明図。
以下、本発明を画像形成装置であるフルカラープリンタ(以下、プリンタ100という)に適用した場合の実施形態について説明する。
図3は、プリンタ100の概略構成を示す構成図である。
プリンタ100は、図3に示すように、像形成手段としての各構成部材を収納する位置固定された装置本体1と、転写紙Pを収納する引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像を形成するための画像ステーション3Y、3C、3M、3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図4は、画像ステーションの一つ(Y用の画像ステーション3Y)の概略構成を示す構成図である。図3及び図4に示すように、画像ステーション3Y、3C、3M、3Kは、不図示の駆動源より駆動が伝達されて図4中矢印A方向に回転するドラム状の感光体10Y、10C、10M、10Kを備えている。感光体10は、アルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各画像ステーション3は、感光体10の周囲に、感光体10を帯電する帯電装置11Y、11C、11M、11K、感光体10に形成された潜像を収容するトナーを用いて現像する現像装置12Y、12C、12M、12K、感光体10上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y、13C、13M、13Kを備える。各画像ステーション3の下方には、感光体10Y、10C、10M、10Kにレーザ光Lを照射可能な露光手段としての光学ユニット4を備えている。各画像ステーション3の上方には、各画像ステーション3により形成されたトナー画像が転写される転写ベルト20を備えた中間転写ユニット5を備えている。また、転写ベルト20に転写されたトナー画像を転写紙Pに定着する定着装置6を備えている。また、装置本体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y、7C、7M、7Kが装填されている。このトナーボトル7Y、7C、7M、7Kは、装置本体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、装置本体1から脱着可能に構成されている。
光学ユニット4は、光源であるレーザダイオードから発射させるレーザ光Lをポリゴンミラー等によって反射させ、感光体10Y、10C、10M、10K上に照射しながら順次走査している。中間転写ユニット5の転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22、及び従動ローラ23に掛け回され、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、感光体10Y、10C、10M、10Kに形成されたトナー像を転写ベルト20に転写する一次転写ローラ24Y、24C、24M、24Kを備えている。中間転写ユニット5は、転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ25、転写紙P上に転写されなかった転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26を備えている。
次に、プリンタ100において、カラー画像を得る行程について説明する。まず、画像ステーション3Y、3C、3M、3Kにおいて、不図示の駆動源によって回転駆動される感光体10Y、10C、10M、10Kの表面が、帯電装置11Y、11C、11M、11Kが備える帯電ローラ11aによって一様に帯電される。その後、光学ユニット4により、画像情報に基づきレーザ光Lが走査露光されて感光体10Y、10C、10M、10K表面に潜像が形成される。感光体10Y、10C、10M、10K上の潜像は、現像装置12の現像ローラ15Y、15C、15M、15K上に担持された各色のトナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体10Y、10C、10M、10K上のトナー像は、各一次転写ローラ24Y、24C、24M、24Kの作用によって反時計回りに回転駆動される転写ベルト20上に順次重ねて転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写終了後の感光体10Y、10C、10M、10Kは、クリーニング装置13Y、13C、13M、13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。トナーボトル7Y、7C、7M、7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各画像ステーション3Y、3C、3M、3Kの現像装置12Y、12C、12M、12Kに所定量補給される。
一方、給紙カセット2内の転写紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、装置本体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写部に搬送される。そして、二次転写部において、転写ベルト20上に形成されたトナー画像が転写紙Pに転写される。トナー画像が転写された転写紙Pは、定着装置6を通過することで画像定着が行われ、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に、転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
なお、4つの画像ステーション3Y、3C、3M、3K及びトナーボトル7Y、7C、7M、7Kの配列順は図3に示す例に限らず、どのような順番であってもよい。
また、図4に示すように、クリーニング装置13Yは、クリーニングブレード13aによって感光体10Yの表面から回収された回収トナーを搬送する回収トナー搬送装置130Yを備える。
さらに、クリーニングブレード13aが感光体10Yに当接する位置に対して感光体10Yの回転方向下流側には、感光体10Y表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置140Yが配置されている。潤滑剤塗布装置140Yは、固形潤滑剤141Yと塗布ブラシローラ142Yとから成り、回転しながら感光体10Yと潤滑剤塗布装置140Yとに接触する塗布ブラシローラ142Yが潤滑剤塗布装置140Yを削り取り、感光体10Yに削り取った潤滑剤を塗布する構成である。
また、画像ステーション3Yは、感光体10Y、帯電装置11Y、現像装置12Y、クリーニング装置13Y、潤滑剤塗布装置140Y等を一体的に支持し、プリンタ100本体から着脱自在なプロセスカートリッジを構成している。なお、他の3つの画像ステーション3C、3M、3Kも同様の構成で、プロセスカートリッジとしてプリンタ100本体から着脱自在な構成である。
また、本発明の特徴部を有するトナー搬送装置を備えた画像形成装置としては、図3のプリンタ100の構成に限るものではない。
図1は、本実施形態のトナー搬送装置130の説明図である。図1(a)は、トナー搬送装置130を備えるクリーニング装置13と感光体10との拡大説明図であり、図1(b)は、クリーニング装置13が備えるトナー搬送装置130の斜視説明図である。
図1に示すように、クリーニング装置13は、感光体10の回転方向に対してカウンター方向に当接し、感光体10上の異物を回収するクリーニングブレード13aと、クリーニングブレード13aで回収した回収トナーT1を収容するケーシング13bとを備える。さらに、ケーシング13b内の回収トナーT1を感光体10の軸方向に対して平行に搬送するトナー搬送装置130を備える。本実施形態のトナー搬送装置130では、クリーニング装置13のケーシング13bがトナー搬送装置130のトナー搬送経路を形成する搬送路形成部材である。
トナー搬送装置130は、軸部131aに螺旋状の羽部131bを固定したスクリュ形状で回転することによりケーシング13b内の回収トナーT1を搬送する搬送スクリュ131を有し、搬送スクリュ131は不図示の駆動伝達ギヤを介して感光体10の駆動源から駆動が伝達される。搬送スクリュ131は図中矢印R方向に回転することによってケーシング13b内の回収トナーT1を図1(a)中の手前方向、図1(b)中の矢印C方向に搬送する。なお、搬送スクリュ131の駆動源としては、本実施形態のように感光体10等の回転する部材と共有する駆動源であってもよいし、搬送スクリュ131のみを回転駆動させる駆動源であっても良い。
また、トナー搬送装置130は、搬送スクリュ131に接触し、搬送スクリュ131の回転動作に連動して図中矢印Mで示すように揺動する撹拌部材16を備える。撹拌部材16は、可撓性材料からなる板状部材を片持ち梁構造に配置し、片持ち梁構造の自由端側に複数の櫛歯部160を設け、櫛歯状に加工したものであり、その自由端が揺動することによってケーシング13b内の回収トナーT1を撹拌するものである。なお、本実施形態の撹拌部材16は、PET(ポリエチレンテレフタレート)マイラーを用いているが、可撓性材料からなる部材としてはこれに限るものではない。
また、図1に示すように、撹拌部材16の櫛歯部160の先端は折れ曲がった形状であり、折れ目に対して固定端側の本体部161が片持ち梁構造の板状部材として撓み量が変化しながら揺動する。一方、折れ目に対して自由端側は、本体部161が撓む方向とは逆方向に本体部161から突出する形状で、その突出方向の先端面が搬送スクリュ131の羽部に接触する接触突出部162である。
次に、接触突出部162について説明する。
図2は、接触突出部162の説明図であり、図2(a)は、図1(b)中の矢印B方向から見た、隣り合う2つの接触突出部162と搬送スクリュ131との拡大図であり、図2(b)は、1つの接触突出部162の拡大説明図である。
図2に示すように、接触突出部162は、その突出方向Eの本体部161側を構成して回転軸方向の幅W1が羽部131bの螺旋ピッチPwよりも広い根元部163と、突出方向Eの先端側を構成して回転軸方向の幅W2が螺旋ピッチPwよりも狭い先端凸部164とから構成される。接触突出部162は、板状部材の厚み方向の面を形成する端面として、図2(b)に示すように、根元部上流側端面163s、根元部先端面163t、先端凸部上流側端面164s、先端凸部先端面164t、先端凸部下流側端面164e、及び、根元部下流側端面163eを備える。
そして、図2(a)中の2つの接触突出部162のうち、左側の接触突出部162は根元部先端面163tが羽部131bの螺旋状の外周を形成する螺旋外周端面131tと接触し、右側の接触突出部162は先端凸部先端面164tが螺旋外周端面131tと接触した状態である。螺旋外周端面131tが根元部先端面163tに接触すると本体部161が搬送スクリュ131に対して近づいた状態となり、螺旋外周端面131tが先端凸部先端面164tに接触すると本体部161が搬送スクリュ131に対して離れた状態となる。このように、螺旋外周端面131tが根元部先端面163tに接触する状態と、先端凸部先端面164tに接触する状態とを繰り返すことにより、撹拌部材16の櫛歯部160が矢印Mで示すように揺動する。
なお、図2(a)の左側の接触突出部162の状態になったときに櫛歯部160は図1(a)中の破線で示す状態となり、図2(a)の右側の接触突出部162の状態となったときに櫛歯部160は図1(a)中の実線で示す状態となる。
このときの揺動幅は、接触突出部162の突出方向Eについて根元部先端面163tから先端凸部先端面164tまでの長さである先端凸部164の長さL1である。また、先端凸部164の長さL1は、螺旋外周端面131tから軸部131a表面までの長さである羽部高さHよりも短く設定している。
図2(a)の左側の接触突出部162のように根元部先端面163tに螺旋外周端面131tが接触する状態から搬送スクリュ131が回転すると、接触突出部162における螺旋外周端面131tが接触する箇所が図2(a)中矢印Cで示すトナー搬送方向下流側に移動し、螺旋外周端面131tが先端凸部上流側端面164sと接触する。接触突出部162は先端凸部上流側端面164sが根元部先端面163tや突出方向Eに対して傾斜した形状であるため、螺旋外周端面131tが先端凸部上流側端面164sに接触したまま、その接触位置がトナー搬送方向下流側に移動する。このとき、先端凸部上流側端面164sが傾斜した形状であるため、螺旋外周端面131tの接触位置がトナー搬送方向下流側に移動するのに伴い、接触突出部162が搬送スクリュ131に対して離れる方向に向かう力が作用して本体部161の撓みが大きくなり、櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して離れる方向に移動する。
螺旋外周端面131tの接触位置が先端凸部上流側端面164sにおけるトナー搬送方向下流側の端部を過ぎると、螺旋外周端面131tが先端凸部先端面164tに接触し、図2(a)中の右側の接触突出部162のような状態となる。さらに搬送スクリュ131が回転すると、螺旋外周端面131tの接触位置が、先端凸部下流側端面164eに移動する。そして、螺旋外周端面131tの接触位置が先端凸部下流側端面164eのトナー搬送方向下流側端部を過ぎると、本体部161を撓ませていた力が作用しなくなり、本体部161の弾性によって接触突出部162が搬送スクリュ131に対して近づく方向に移動する。このとき、W1>Pwであるため、螺旋外周端面131tの先端凸部下流側端面164eと接触していた箇所に対して、螺旋ピッチPw分上流側の螺旋外周端面131tの箇所が根元部先端面163tに接触して、図2(a)中の左側の接触突出部162のような状態に戻る。
このように、本実施形態の撹拌部材16は、搬送スクリュ131に接触し、その回転に連動して櫛歯部160が揺動するときに、根元部163の先端面である根元部先端面163t、先端凸部164の端面である先端凸部上流側端面164s、先端凸部先端面164t、及び、先端凸部下流側端面164eのみが羽部131bに接触する。すなわち、本実施形態の撹拌部材16では、根元部先端面163t、先端凸部上流側端面164s、先端凸部先端面164t、及び、先端凸部下流側端面164eから構成される突出部先端面162tのみが搬送スクリュ131と接触する。
突出部先端面162tが螺旋外周端面131tと接触する構成で、接触突出部162の根元部163の回転軸方向の幅W1が羽部131bの螺旋ピッチPwよりも広いため、突出部先端面162tのどこかが螺旋外周端面131tと常に対向する。また、搬送スクリュ131の回転によって、突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tとの接触箇所が、本体部161からの距離が異なる根元部先端面163tと先端凸部164の端面(164s、164t、164e)との間で移動する。この接触箇所の移動によって本体部161と搬送スクリュ131との距離が変化し、撹拌部材16の櫛歯部160が揺動する。このように、突出部先端面162tが搬送スクリュ131の螺旋外周端面131tに常に対向して櫛歯部160が揺動するため、櫛歯部160で螺旋外周端面131tと接触し得る箇所は、上述したように突出部先端面162tのみとなる。よって、従来のトナー撹拌部材のように、撹拌部材の櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して離れた状態となったときに本体部161が腹当たりする状態にはならない。このため、櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して近づいた状態から、搬送スクリュ131に対して離れた状態となるときに、櫛歯部160の上流側端面である、本体部上流側端面161s及び根元部上流側端面163sに羽部131bが接触することがない。よって、櫛歯部160の上流側端面が羽部131bに弾かれることを防止できるため、搬送スクリュ131の回転時に異常音が発生することを抑制できる。
また、先端凸部上流側端面164sが突出方向Eに対して平行ではなく傾斜した形状であるため、螺旋外周端面131tの接触位置が根元部先端面163tから先端凸部下流側端面164eに移動するときに、螺旋外周端面131tが突出部先端面162tに接触したままの状態となる。このため、先端凸部上流側端面164sが羽部131bに弾かれることがなく、羽部131bが先端凸部上流側端面164sに接触するときに異常音が発生することもない。
また、本実施形態のトナー搬送装置130では、図2(a)中の左側の接触突出部162のように螺旋外周端面131tが根元部先端面163tに接触した状態から、その接触位置が先端凸部下流側端面164eのトナー搬送方向下流側端部を過ぎるまでは螺旋外周端面131tが突出部先端面162tに接触した状態を維持する。このため、螺旋外周端面131tが突出部先端面162t上を滑るようにその接触位置が移動する。
また、実施形態のトナー搬送装置130が備える撹拌部材16の接触突出部162は本体部161に対して略直角に突出する形状となっている。接触突出部162の本体部161に対する角度は直角に限らず、接触突出部162の突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tの接触位置が変化することで、本体部161の撓み量が変化するように接触突出部162が本体部161に力を伝達することをできる角度であればよい。なお、螺旋外周端面131tが先端凸部上流側端面164sの傾斜に沿って移動するときに、羽部131bから接触突出部162に作用する力は、本体部161の延在方向に対して接触突出部162の突出方向が直角であるときに、最も効率的に本体部161が撓むように作用する。そして、接触突出部162の突出方向が本体部161の延在方向に対して平行に近づくにつれ、本体部161が撓むように作用する分力が小さくなるため、接触突出部162は本体部161に対して略直角に突出する形状であることが望ましい。
ここで、従来のトナー搬送装置の一例(以下、従来例と呼ぶ)について説明する。
図10は、従来例のトナー搬送装置130の説明図である。図10(a)は、従来例のトナー搬送装置130を備えるクリーニング装置13と感光体10との拡大説明図であり、図10(b)は、従来例のクリーニング装置13が備える従来例のトナー搬送装置130の斜視説明図である。
図10に示す従来例のトナー搬送装置130は、撹拌部材16の片持ち梁構造の自由端側の形状が異なる点でのみ本実施形態のトナー搬送装置130と相異し、他の構成は共通であるため、共通する構成については説明を省略する。
図10に示すように従来例のトナー搬送装置130では、搬送スクリュ131に接触して、回転とともに揺動して、回収トナーT1を撹拌する、PETマイラーでできた複数の櫛歯部160を備えた櫛歯形状の撹拌部材16が搬送スクリュ131に押し当てられている。
図10に示す従来例の撹拌部材16の櫛歯部160は、上述した実施形態の櫛歯部160と同様に、本体部161の先端で折れ曲がり、搬送スクリュ131に接触する接触突出部162を備える。さらに、従来例の接触突出部162は実施形態の接触突出部162と同様に、回転軸方向の幅が螺旋ピッチよりも広い根元部163と回転軸方向の幅が螺旋ピッチよりも狭い先端凸部164とを備える。しかし、従来例では、上述した実施形態の撹拌部材16に比べて、接触突出部162の長さが長く、突出部先端面162tで搬送スクリュ131に接触する構成ではなく、接触突出部162が腹当たりしている点で実施形態とは異なる。また、一つの根元部163に対して、複数の先端凸部164を備える点や、先端凸部164の長さが羽部131bの高さよりも長い点も相異する。このような従来例のトナー搬送装置では、搬送スクリュ131の回転によって、揺動する撹拌部材16は搬送スクリュ131の螺旋状の羽部131bや、搬送スクリュ131の軸部131aに弾かれて、異常音を発生することがあった。
図1及び図2を用いて説明した施形態の撹拌部材16では、螺旋状の羽部131bに接触して揺動する場合、本体部161と接触突出部162との境目を形成する折り曲げ部の角度は変化せず、本体部161の撓み量が変化して櫛歯部160が揺動する。このとき、突出部先端面162tと羽部131bとが常に接触して、螺旋外周端面131tが突出部先端面162tを滑るように接触位置が変化しながら櫛歯部160の揺動する。また、接触突出部162の突出方向Eの長さL2は、可撓性の材料からなる接触突出部162が曲がらない程度(接触突出部162が変形したとしても突出部先端面162t以外が接触位置とならない変形量で抑えることができる程度)の剛性を維持できる長さに設定されている。このため、本実施形態の撹拌部材16の櫛歯部160で揺動するのは矢印Mで示すように本体部161のみであり、接触突出部162の突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tの接触位置が移動することにより本体部161が揺動するため、本体部161が羽部131bに腹当たりすることがない。よって、櫛歯部160の上流側端面である本体部上流側端面161s及び根元部上流側端面163sに羽部131bが接触することがなく、本体部上流側端面161s及び根元部上流側端面163sが羽部131bに弾かれることを防止できる。また、先端凸部上流側端面164sが傾斜し、螺旋外周端面131tが突出部先端面162tに接触した状態を維持したまま、突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tの接触位置が根元部先端面163tから先端凸部164の先端の端面である先端凸部先端面164tまで螺旋外周端面131tが突出部先端面162tを滑るように移動することが出来る。これにより、先端凸部上流側端面164sに螺旋外周端面131tが接触するときに、羽部131bが先端凸部164をトナー搬送方向下流側に押すような作用が生じることを防止することができ、先端凸部上流側端面164sが羽部131bに弾かれることを防止できる。
このように、本体部上流側端面161s、根元部上流側端面163s、及び、先端凸部上流側端面164sが羽部131bに弾かれることを防止できるため、櫛歯部160の上流側端面が羽部131bに弾かれることを防止でき、搬送スクリュ131の回転時に異常音が発生することを抑制できる。
一方、図10で示す従来例の撹拌部材16は、接触突出部162の長さが十分に長いため、接触突出部162の剛性は小さく、曲がりやすい。このような形状であるため、螺旋状の羽部131bと接触して櫛歯部160が揺動する場合には、本体部161の撓み量が変化して本体部161が図10中の矢印βで示すよう揺動するとともに、本体部161に対する接触突出部162の角度αが図中α1及びα2で示すように変化して、接触突出部162も本体部161に対して揺動する。
このように、本体部161に対する接触突出部162の角度αが変化するのは、接触突出部162が搬送スクリュ131の羽部131bに対して腹当たりした状態(図10(a)中の実線の状態)と、接触突出部162の腹当たりしていた部分が螺旋ピッチの間に入った状態(図10(a)中の破線の状態)と、を繰り返すことによって生じる。このような構成では、接触突出部162の腹当たりしていた部分が螺旋ピッチの間に入った状態では、螺旋状の羽部131bが接触突出部162のスクリュ対向面162fの間に入り込むこととなるので、螺旋状の羽部131bの螺旋外周端面131tと撹拌部材16の自由端面である突出部先端面162tとは接触しない状態となる。こうして、螺旋外周端面131tは、突出部先端面162tと常に接触した状態で揺動することはできなくなり、羽部131bがスクリュ対向面162fを含む仮想面に出入りすることにより、接触突出部162のスクリュ対向面162fを構成する箇所(先端凸部164)の上流側端面が羽部131bに弾かれて、異常音が発生する。
さらに、図10に示す例では、先端凸部164の長さが長く、根元部163が羽部131bに接触する状態では、先端凸部164が軸部131aに接触する。このため、先端凸部164が軸部131aに弾かれても異常音が発生する。
なお、昨今の複写機、プリンタのカラー化、高速化の進展とともに、電子写真式画像形成装置では、本実施形態のプリンタ100のように、4連タンデム方式の画像形成装置が主流となってきている。しかしながら、4連タンデム方式の画像形成装置では、感光体、帯電装置、現像装置及びクリーニング装置を含む作像ユニットが4つ並ぶこととなり、さらに、中間転写ベルト、または転写ベルトが必要となる。このため、従来よりも、多くのユニットを機械本体に収める必要があり、ともすると、機械が大型化してしまい、省スペース化、小型化が大きな課題となっている。また、多くの作像ユニットをなるべく小さな機械本体に収める必要があるために、機械内部に気流を流す流路が少なくなり、機械内部を効率的に冷却することができなくなり、内部の温度上昇が問題となっている。機械内部の温度上昇により、作像ユニット内部では、トナーの流動性がわるくなり、トナー搬送不良、トナー滞留、トナー詰まりが発生するおそれがあった。そのために、従来の画像形成装置では、図8及び図9を用いて説明した従来のトナー搬送装置130のように、トナー搬送部材に接触して、搬送部材の回転に伴って揺動しトナーを撹拌する、PETマイラー等の可撓性の材料でできたトナー撹拌部材を持つものが多くなった。
しかし、従来のトナー搬送装置が備えるトナー撹拌部材は、櫛歯部が腹当たりの状態で搬送スクリュの羽部に押し上げられた状態と、櫛歯部が螺旋ピッチの間に入った状態とを繰り返すことで揺動するため、櫛歯部の上流側端面が搬送スクリュの羽部に弾かれて異常音が生じていた。
一方、図1及び図2を用いて説明した実施形態のトナー搬送装置130では、櫛歯部160の上流側側面が搬送スクリュ131の羽部131bに弾かれることを防止できるため、異常音の発生を抑制することが出来る。
また、本発明の特徴部を備えたトナー搬送装置130の撹拌部材16の接触突出部162の形状としては図2を用いて説明した形状に限るものではない。
例えば、図5に示すような形状であっても良い。図5に示す形状の場合は、接触突出部162の突出方向Eの先端側を形成し、回転軸方向の幅が螺旋ピッチPwよりも狭くなる図5中の斜線部が先端凸部164であり、回転軸方向の幅が螺旋ピッチPwよりも広くなる他の部分が根元部163となる。
また、図1及び図2を用いて説明した実施形態の撹拌部材16は、櫛歯部160の本体部161の先端に接触突出部162を設けた構成であるが、接触突出部162の突出部先端面162tが羽部131bに接触して、本体部161が揺動する構成であれば、図6に示すように、本体部161の自由端方向(延在方向)の途中に接触突出部162を設けても良い。
また、図1及び図2を用いて説明した実施形態の撹拌部材16は、櫛歯部160の本体部161の先端に接触突出部162を設けた構成であるため、撹拌部材16の揺動幅は先端凸部164の長さL1と同じ大きさであり、羽部高さHよりも短くなってしまい、撹拌部材16によって撹拌できる範囲は限られる。
このため、図1で示す構成よりも広い範囲を撹拌でき、トナー撹拌性能を向上させる構成として、撹拌部材16に接触し、撹拌部材16の揺動動作に連動して揺動する第二トナー撹拌部材を配置してもよい。
図7は、撹拌部材16の揺動動作に連動して揺動する第二トナー撹拌部材である第二撹拌部材17を備えたトナー搬送装置130の説明図である。図7(a)は、第二撹拌部材17を備える構成のトナー搬送装置130を備えるクリーニング装置13と感光体10との拡大説明図であり、図7(b)は、を備える構成のクリーニング装置13が備えるトナー搬送装置130の斜視説明図である。
図7に示すトナー搬送装置130は、第二撹拌部材17を有する構成が図1及び図2を用いて説明した実施形態のトナー搬送装置130と異なり、他の構成は共通するため、共通する構成についての説明は省略し、相違点について説明する。
図7のトナー搬送装置130は、図1のトナー搬送装置130に対して、撹拌部材16に接触して、撹拌部材16の揺動により、揺動する第二撹拌部材17が撹拌部材16に第二撹拌部材17が重ねて配置されている。
第二撹拌部材17は、可撓性材料からなる板状部材を片持ち梁構造に配置し、片持ち梁構造の自由端側に複数の第二撹拌櫛歯部170を設け、櫛歯状に加工したものであり、第二撹拌櫛歯部170の自由端が揺動することによってケーシング13b内の回収トナーT1を撹拌するものである。なお、第二撹拌部材17は撹拌部材16と同様に、PET(ポリエチレンテレフタレート)マイラーを用いているが、可撓性材料からなる部材としてはこれに限るものではない。
また、第二撹拌部材17の片持ち梁構造の固定端は撹拌部材16の固定端に重ねるように貼り付けられており、第二撹拌部材17の揺動中心と撹拌部材16の揺動中心とは略一致する。
また、図7に示すように、第二撹拌部材17の第二撹拌櫛歯部170は撹拌部材16の櫛歯部160に重なるように配置され、櫛歯部160が図1中の矢印Mで示すように揺動することで、第二撹拌櫛歯部170が図7中の矢印Qで示すように揺動する。
撹拌部材16の本体部161と接触する第二撹拌部材17の自由端は撹拌部材16の本体部161の先端から延長されるように配置されており、撹拌部材16の本体部161よりも揺動半径が大きくなる。
図7に示すトナー搬送装置130では、搬送スクリュ131が回転することで撹拌部材16が揺動すると、第二撹拌部材17は撹拌部材16と略同一の揺動中心で、撹拌部材16に対して略同一の接触部が接触し続ける状態で揺動する。第二撹拌部材17の自由端は撹拌部材16との接触部よりも延長され揺動半径が大きいため、図1のように撹拌部材16のみで揺動する構成よりも揺動幅が大きくなり、撹拌範囲が拡大され、トナー撹拌効率がさらに向上する。
このように、図7に示す構成のトナー搬送装置130では、図1の構成のトナー搬送装置130と同様に、搬送スクリュ131の回転時に異常音が発生することを抑制でき、さらに、図1の構成のトナー搬送装置130の構成よりもトナー撹拌効率を向上させることができる。
なお、特許文献1に記載の撹拌部材は、螺旋ピッチの間に入る先端凸部に相当する部分のみが櫛歯状となり、それよりも固定端側の部分は、回転軸方向につながった形状となっており、先端凸部に相当する部分以外は櫛歯状となっていない。このような形状では、根元部の相当する部分の剛性が大きく曲がりにくくなるので、先端凸部に相当する部分のみの揺動となり揺動範囲は小さくなり、撹拌性能が低くなる。一方、実施形態のトナー搬送装置130が備え撹拌部材16のように螺旋ピッチの間に入らない固定端側から櫛歯形状とすることにより、一つ一つの櫛歯部160の剛性が小さく曲がりやすくなるので、固定端に近い位置から揺動するために、揺動範囲が大きくなり、撹拌性能が向上する。
また、上述した実施形態のトナー搬送装置130が備えるトナー搬送部材は、軸部131aに螺旋状の羽部131bを固定したスクリュ形状であるが、トナー搬送部材としては、軸部のない螺旋状の羽部のみからなる形状のものであってもよい。
以上、本実施形態によれば、クリーニング装置13のクリーニングブレード13aで回収した回収トナーT1を搬送するトナー搬送路を形成する搬送路形成部材であるであるケーシング13bと、螺旋状の羽部131bを有し、回転することによってケーシング13b内の回収トナーT1を回転軸方向の一方に搬送するトナー搬送部材である搬送スクリュ131と、搬送スクリュ131の搬送動作に連動して揺動し、ケーシング13b内の回収トナーT1を撹拌するトナー撹拌部材である撹拌部材16とを有し、撹拌部材16は、回転軸方向に直交する方向に撓むように配置された片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状の板状部材であり、撹拌部材16は、搬送スクリュ131の羽部131bに接触して搬送スクリュ131の回転動作に連動して片持ち梁構造の撓み量が変化するように揺動することによってケーシング13b内の回収トナーT1を撹拌する構成のトナー搬送装置130において、撹拌部材16の櫛歯部160は、片持ち梁構造の板状部材として撓み量が変化しながら揺動する本体部161と、本体部161が撓む方向とは逆方向に本体部161から突出する形状で、その突出方向の先端面が羽部131bの螺旋状の外周を形成する螺旋外周端面131tに接触する接触突出部162とを有することにより、接触突出部162が先端面側から本体部161方向に力を受けると、その力によって本体部161を撓ませるように作用させることが出来る。接触突出部162は、接触突出部162の突出方向Eの本体部161側を構成して回転軸方向の幅W1が羽部131bの螺旋ピッチPwよりも広い根元部163と、接触突出部162の突出方向Eの先端側を構成して回転軸方向の幅W2が羽部131bの螺旋ピッチPwよりも狭い先端凸部164とから構成され、根元部163の根元部先端面163tと先端凸部164の端面(164s、164t、164e)とより構成される突出部先端面162tが螺旋外周端面131tと接触するように構成することにより、根元部163は螺旋ピッチの間に入らず、先端凸部164が螺旋ピッチの間に入る構成となる。これにより、先端凸部164が螺旋ピッチの間に入り、根元部163の根元部先端面163tが螺旋外周端面131tと接触した状態と、先端凸部164が螺旋ピッチの間から出て先端凸部164の先端凸部先端面164tとが接触した状態とを繰り返すことにより、先端凸部164の長さL2の幅で櫛歯部160が揺動する。また、突出部先端面162tの搬送スクリュ131の搬送方向における上流側端部は根元部先端面163tであるため、搬送スクリュ131の回転によって突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tの接触位置が搬送方向下流側に移動し、突出部先端面162tの下流側端部である先端凸部下流側端面164eを通過した際に、先端凸部下流側端面164eの下流側端部よりも上流側で螺旋外周端面131tと接触する突出部先端面162tの位置が、根元部先端面163tとなる。そして、先端凸部上流側端面164sが突出方向Eに対して傾斜した形状であるため、先端凸部164に対して搬送方向上流側の根元部先端面163tから先端凸部先端面164tまでの突出部先端面162tの本体部161からの距離が連続的に変化するように構成される。このため、螺旋外周端面131tが突出部先端面162tに接触した状態を維持したまま、突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tの接触位置が根元部先端面163tから先端凸部先端面164tまで螺旋外周端面131tが突出部先端面162tを滑るように移動することが出来る。このように、搬送スクリュ131の回転によって、突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tとの接触箇所が本体部161からの距離が異なる根元部先端面163tと先端凸部先端面164tとの間で移動する。この接触箇所の移動によって本体部161と搬送スクリュ131との距離が変化し、撹拌部材16の櫛歯部160が揺動する。また、突出部先端面162tが螺旋外周端面131tに常に対向して櫛歯部160が揺動するため、撹拌部材16で螺旋外周端面131tと接触し得る箇所は突出部先端面162tのみとなる。さらに、根元部先端面163tから先端凸部先端面164tまでの突出部先端面162tにおける螺旋外周端面131tの接触位置の移動が、螺旋外周端面131tが突出部先端面162tを滑るようになされるため、羽部131bが先端凸部上流側端面164sに接触するときに、羽部131bが先端凸部164をトナー搬送方向下流側に押すような作用が生じることを防止することが出来る。このため、撹拌部材16の櫛歯部160が揺動するときに、螺旋外周端面131tが根元部先端面163tに接触して櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して近づいた状態から、螺旋外周端面131tが先端凸部先端面164tに接触して櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して離れた状態となるときに、櫛歯部160の上流側端面が羽部131bに弾かれることを防止できる。櫛歯部160の上流側端面が羽部131bに弾かれることを防止できるため、搬送スクリュ131の回転時に異常音が発生することを抑制できる。
また、図1及び図2を用いて説明した実施形態のトナー搬送装置130の撹拌部材16は片持ち梁構造の板状部材である櫛歯部160の先端近傍が折れ曲がった形状であり、折れ目に対して先端側の部分によって接触突出部162を構成することにより、板状部材の先端を折り曲げるという簡易な加工で、先端面の接触状態が変化することで櫛歯部160が撓む方向に力を伝達する接触突出部162を備えた構成を実現することができる。
トナー搬送装置130が備える搬送スクリュ131は、回転軸方向に延在する軸部131aに螺旋状の羽部131bを固定したスクリュ形状であり、接触突出部162の突出方向における根元部163と先端凸部164との境目から先端凸部先端面164tまでの長さL1が、螺旋外周端面131tから軸部131aの表面までの長さである羽部高さHよりも短くすることにより、根元部先端面163tが螺旋外周端面131tに接触し、櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して近づいた状態となったときに、先端凸部164が軸部131aに接触することを防止できる。これにより、先端凸部164が軸部131aに弾かれることを防止し、これに起因する異常音の発生を防止することができる。
また、L2をHよりも短くする構成に限らず、トナー搬送部材である搬送スクリュ131に接触するトナー撹拌部材である撹拌部材16の接触突出部162の先端が搬送スクリュ131の軸部131aに接触しないで揺動するように構成することにより、撹拌部材16が搬送スクリュ131の軸部131aに弾かれることを防止し、これに起因する異常音の発生を防止することができる。
本体部161に対する接触突出部162の突出方向が搬送スクリュ131の回転中心に向かう方向である場合は、L2をHよりも長くすると先端凸部164が軸部131aに接触するおそれがある。しかし、本体部161に対する接触突出部162の突出方向が搬送スクリュ131の回転中心に向かう方向に対して傾いている場合は、L2をHよりも長くしても先端凸部164が軸部131aに接触しないように設定することができる。
また、撹拌部材16の形状について、接触突出部162の突出方向が搬送スクリュ131の軸部131aの方向となる形状、すなわち、撹拌部材16の自由端側が搬送スクリュ131の回転中心に向かって曲がっている。このように撹拌部材16の自由端側が搬送スクリュ131の回転中心に向かって曲がった形状であることにより、同じ形状の接触突出部162で先端凸部164の長さL1が同じであっても、撹拌部材16の揺動幅が最大になり、揺動効率が向上する。なお、撹拌部材16がこのような形状であっても、接触突出部162の形状を、根元部163と先端凸部164との境目から先端凸部先端面164tまでの長さL1が、羽部高さHよりも短くなる形状とすることにより、根元部先端面163tが螺旋外周端面131tに接触し、櫛歯部160が搬送スクリュ131に対して近づいた状態となったときに、先端凸部164が軸部131aに接触することを防止できる。よって、撹拌部材16の自由端側が搬送スクリュ131の回転中心に向かって曲がった形状とすることで、揺動効率を向上した構成であっても、上記L1が羽部高さHよりも短くなる形状とすることで、先端凸部164が軸部131aに弾かれることを防止し、これに起因する異常音の発生を防止することができる。
また、図7に示すように、撹拌部材16に接触し、撹拌部材16の揺動動作に連動して揺動する第二撹拌部材17を有する構成のトナー搬送装置130であれば、撹拌部材16の揺動によって第二撹拌部材17が撹拌部材16の揺動幅よりも大きく揺動するので、トナーTを撹拌する部材による撹拌範囲が拡大して、トナー撹拌効率を向上することができる。
また、図7に示すトナー搬送装置130のように、第二撹拌部材17は、片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状の板状部材であって、片持ち梁構造の自由端が揺動することによってトナーを撹拌する部材であり、第二撹拌部材17の自由端側の第二撹拌櫛歯部170の揺動幅は撹拌部材16の櫛歯部160の本体部161の自由端の揺動幅よりも大きい。この構成により、撹拌部材16の櫛歯部160が揺動することで第二撹拌櫛歯部170が揺動する構成を実現でき、第二撹拌櫛歯部170の揺動幅が本体部161の自由端の揺動幅よりも大きいことにより、第二撹拌部材17が撹拌部材16の揺動幅よりも大きく揺動する構成を実現することができる。
また、図7に示すトナー搬送装置130では、撹拌部材16の片持ち梁構造の固定端の位置と、第二撹拌部材17の片持ち梁構造の固定端の位置とが略一致するため、第二撹拌部材17の揺動中心が撹拌部材16の揺動中心と略一致する。これにより、撹拌部材16と第二撹拌部材17とは略同一の接触部で接触し続ける状態で揺動するので、撹拌部材16の揺動幅に対して、第二撹拌部材17の接触部の揺動幅が最大となり、トナー撹拌効率が向上する。
また、図7に示すトナー搬送装置130では、第二撹拌部材17が撹拌部材16と常に接触して揺動するので、撹拌部材16の揺動幅に対しての第二撹拌部材17の揺動幅が、第二撹拌部材17が撹拌部材16と接触及び離間しながら揺動するものよりも大きくなり、撹拌効率が向上する。
像担持体である感光体10と、感光体10上の潜像をトナーで現像しトナー像を形成する現像手段である現像装置12と、感光体10上のトナー像を転写体である転写ベルト20に転写する転写手段である一次転写ローラ24と、転写後の感光体10に付着した転写残トナーを回収するクリーニング手段であるクリーニング装置13とを備えた画像形成装置であるプリンタ100において、クリーニング装置13で回収された回収トナーT1を、クリーニング装置13を構成する筺体であるケーシング13b内で回収トナーT1を搬送するトナー搬送手段として、本発明の特徴部を備えたトナー搬送装置130を用いることにより、クリーニング装置13内でのトナー詰まりを抑制しつつ、回収トナーT1を搬送するために搬送スクリュ131を回転する時の異常音を防止することができる。
また、プリンタ100の現像装置12が備えるトナーとして、重合トナーを使用することにより、トナー像の転写性が向上して高画質化を図ることができる。
また、搬送スクリュ131が搬送するトナーが回収トナーT1を搬送するものであるため、新規のトナーよりも流動性が低下し易い回収トナーT1を搬送するトナー搬送手段として、本発明の特徴部を備えたトナー搬送装置130を用いることにより、流動性が低下し易く、トナー詰まりが生じ易い、回収トナーの搬送において、トナー詰まりを抑制しつつ、回収トナー搬送時に異常音が発生することを防止できる。
また、プリンタ100の画像ステーション3は、感光体10表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置140を備えることにより、重合トナーを用いた構成であっても、トナー像の転写性及び転写残トナーの回収性を向上することが出来る。また、潤滑剤を感光体10に塗布することにより、クリーニング装置13で回収される回収トナーT1には潤滑剤が含有され、トナーのみの場合よりも流動性が低下し易い。このような構成の回収トナーT1を搬送するトナー搬送手段として、本発明の特徴部を備えたトナー搬送装置130を用いることにより、流動性が低下し易く、トナー詰まりが生じ易い、潤滑剤を含んだ回収トナーT1の搬送において、トナー詰まりを抑制しつつ、回収トナー搬送時に異常音が発生することを防止できる。
また、プリンタ100では、トナー搬送装置130を備えるクリーニング装置13が、感光体10とともに一体的に支持され、画像形成装置であるプリンタ100本体に対して着脱自在な着脱ユニットであるプロセスカートリッジを構成している。作像手段である画像ステーション3を一体化することにより、セット性・メインテナンス性を向上し、さらに、画像ステーション3を構成する各装置の感光体10に対する位置精度を良好にすることができる。
1 装置本体
2 給紙カセット
3 画像ステーション
4 光学ユニット
5 中間転写ユニット
6 定着装置
7 トナーボトル
8 排紙トレイ
10 感光体
11 帯電装置
11a 帯電ローラ
12 現像装置
13 クリーニング装置
13a クリーニングブレード
13b ケーシング
16 撹拌部材
17 第二撹拌部材
20 転写ベルト
21 駆動ローラ
22 テンションローラ
23 従動ローラ
24 一次転写ローラ
25 二次転写ローラ
26 ベルトクリーニング装置
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
29 排出ローラ
100 プリンタ
130 トナー搬送装置
131 搬送スクリュ
131a 軸部
131b 羽部
131t 螺旋外周端面
140 潤滑剤塗布装置
141 固形潤滑剤
142 塗布ブラシローラ
160 櫛歯部
160a 下面
160s 上流側端面
161 本体部
161s 本体部上流側端面
162 接触突出部
162t 突出部先端面
163 根元部
163e 根元部下流側端面
163s 根元部上流側端面
163t 根元部先端面
164 先端凸部
164e 先端凸部下流側端面
164s 先端凸部上流側端面
164t 先端凸部先端面
170 第二撹拌櫛歯部
E 突出方向
Pw 螺旋ピッチ
T1 回収トナー
特開2003−140517号公報 特開2006−259426号公報

Claims (15)

  1. トナーを搬送するトナー搬送路を形成する搬送路形成部材と、
    螺旋状の羽部を有し、回転することによって該トナー搬送路内のトナーを回転軸方向の一方に搬送するトナー搬送部材と、
    該トナー搬送部材の搬送動作に連動して揺動し、該トナー搬送路内のトナーを撹拌するトナー撹拌部材とを有し、
    該トナー撹拌部材は、該回転軸方向に直交する方向に撓むように配置された片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状の板状部材であり、
    該トナー撹拌部材は、該トナー搬送部材の該羽部に接触して該トナー搬送部材の回転動作に連動して片持ち梁構造の撓み量が変化するように揺動することによって該トナー搬送路内のトナーを撹拌する構成のトナー搬送装置において、
    上記トナー撹拌部材は、片持ち梁構造の板状部材として撓み量が変化しながら揺動する本体部と、
    該本体部が撓む方向とは逆方向に該本体部から突出する形状で、その突出方向の先端面が上記羽部の螺旋状の外周を形成する螺旋外周端面に接触する接触突出部とを有し、
    該接触突出部は、該接触突出部の突出方向の該本体部側を構成して上記回転軸方向の幅が該羽部の螺旋ピッチよりも広い根元部と、該接触突出部の突出方向の先端側を構成して上記回転軸方向の幅が該羽部の螺旋ピッチよりも狭い先端凸部とから構成され、
    該根元部の先端面と該先端凸部の端面とより構成される突出部先端面が該螺旋外周端面と接触するように構成し、
    該突出部先端面の該トナー搬送部材のトナー搬送方向における上流側端部は該根元部の先端面であり、
    該先端凸部に対してトナー搬送方向上流側の該根元部の先端面から該先端凸部の最も先端となる端面までの該突出部先端面の該本体部からの距離が連続的に変化するように構成したことを特徴とするトナー搬送装置。
  2. 請求項1のトナー搬送装置において、
    上記トナー撹拌部材は上記片持ち梁構造の板状部材の先端近傍が折れ曲がった形状であり、折れ目に対して先端側の部分によって上記接触突出部を構成することを特徴とするトナー搬送装置。
  3. 請求項1または2のトナー搬送装置において、
    上記トナー搬送部材は、回転軸方向に延在する軸部に螺旋状の上記羽部を固定したスクリュ形状であり、
    上記トナー撹拌部材は、上記先端凸部が該トナー搬送部材の該軸部に接触しないで揺動するように構成したことを特徴とするトナー搬送装置。
  4. 請求項1、2または3のトナー搬送装置において、
    上記トナー搬送部材は、回転軸方向に延在する軸部に螺旋状の上記羽部を固定したスクリュ形状であり、
    上記接触突出部の突出方向における上記根元部と上記先端凸部との境目から該先端凸部の先端までの長さが、螺旋外周端面から該軸部表面までの長さよりも短いことを特徴とするトナー搬送装置。
  5. 請求項4のトナー搬送装置において、
    上記接触突出部の突出方向が上記トナー搬送部材の上記軸部の方向であることを特徴とするトナー搬送装置。
  6. 請求項1、2、3、4または5のトナー搬送装置において、
    上記トナー撹拌部材に接触し、該トナー撹拌部材の揺動動作に連動して揺動する第二トナー撹拌部材を有することを特徴とするトナー搬送装置。
  7. 請求項6のトナー搬送装置において、
    上記第二トナー撹拌部材は、片持ち梁構造の可撓性材料からなる櫛歯状の板状部材であって、片持ち梁構造の自由端が揺動することによってトナーを撹拌する部材であり、
    該第二トナー撹拌部材の自由端の揺動幅は上記トナー撹拌部材の上記本体部の自由端の揺動幅よりも大きいことを特徴とするトナー搬送装置。
  8. 請求項7のトナー搬送装置において、
    上記トナー撹拌部材の片持ち梁構造の固定端の位置と上記第二トナー撹拌部材の片持ち梁構造の固定端の位置とが略一致することを特徴とするトナー搬送装置。
  9. 請求項6、7または8のトナー搬送装置において、
    上記トナー撹拌部材と上記第二トナー撹拌部材とは少なくとも一部で常に接触した状態で揺動することを特徴とするトナー搬送装置。
  10. 像担持体と、
    該像担持体上の潜像をトナーで現像しトナー像を形成する現像手段と、
    該像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写手段と、
    転写後の該像担持体に付着した転写残トナーを回収するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    新規トナーを収納するトナー補給部から該現像手段へトナーを搬送する第1のトナー搬送手段、該クリーニング手段で回収された回収トナーを該クリーニング手段を構成する筺体内で該回収トナーを搬送する第2のトナー搬送手段、該クリーニング手段から該現像手段へ該回収トナーを搬送する第3のトナー搬送手段、及び、該クリーニング手段から廃トナー回収部へ該回収トナーを搬送する第4のトナー搬送手段、の少なくとも1つのトナー搬送手段を有し、該トナー搬送手段の少なくとも一つとして、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のトナー搬送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    上記トナーとして重合トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項10または11の画像形成装置において、
    上記トナー搬送部材が上記回収トナーを搬送することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12の画像形成装置において、
    上記像担持体表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項10、11、12または13の画像形成装置において、
    上記トナー搬送装置が画像形成装置本体に対して着脱自在な着脱ユニットを構成することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14の画像形成装置において、
    上記着脱ユニットは上記像担持体を含み、帯電装置、現像装置、クリーニング装置の少なくとも一つを含み画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
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