JP7465443B2 - 現像剤搬送装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

現像剤搬送装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、廃トナーなどの現像剤を搬送する現像剤搬送装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、廃トナーなどの現像剤を搬送する搬送経路として、現像剤を自重落下させる落下搬送経路と、落下搬送経路から流入した現像剤を搬送スクリュを回転駆動することで交差方向に搬送する交差搬送経路と、が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、特許文献1には、落下搬送経路(落下路)の内壁面に廃トナーが付着する不具合を防止することを目的として、落下搬送経路と交差搬送経路(搬送路)とが合流する位置に球体を設置して、回転する搬送スクリュに球体をぶつけて移動させて、落下搬送経路の内壁面に球体を衝突させる技術が開示されている。
特許文献1の技術は、落下搬送経路の内壁面に衝突する球体の動作範囲が狭くて、落下搬送経路の内壁面に付着した廃トナー(現像剤)を広い範囲で取り除くことができなかった。
また、搬送スクリュとの接触によって経時で球体が摩耗して小径化してしまって、搬送スクリュのスクリュ部に挟まってしまい、搬送スクリュの動作不良や破損などの不具合が生じてしまう可能性があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、搬送スクリュの動作不良や破損などの不具合が生じることなく、落下搬送経路の内壁面に現像剤が付着する不具合が軽減される、現像剤搬送装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明における現像剤搬送装置は、現像剤が自重落下する落下搬送経路と、前記落下搬送経路の下端に連通して、前記落下搬送経路に対して交差する交差方向に延在する交差搬送経路と、前記交差搬送経路に内設されて、所定方向に回転して現像剤を前記交差方向に搬送する搬送スクリュと、前記落下搬送経路の内部に遊動可能に設置されて、前記所定方向に回転する前記搬送スクリュとの接触によって前記落下搬送経路内で遊動する遊動部材と、を備え、前記遊動部材は、少なくとも表面部分がゴム材料で形成され、前記遊動部材の長さをHとして、前記落下搬送経路の内部の断面径をDとしたときに、H>Dなる関係が成立するものである。
本発明によれば、搬送スクリュの動作不良や破損などの不具合が生じることなく、落下搬送経路の内壁面に現像剤が付着する不具合が軽減される、現像剤搬送装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部を示す構成図である。 廃トナー搬送装置の要部を示す断面図である。 遊動部材を示す上面図と側断面図とである。 落下搬送経路の内壁面に遊動部材が接触した状態を示す概略拡大図である。 断面径が小さな遊動部材が設置された廃トナー搬送装置を示す概略図である。 別形態の落下搬送経路を示す断面図である。 変形例1としての、廃トナー搬送装置の要部を示す断面図である。 変形例2としての、廃トナー搬送装置の要部を示す断面図である。 変形例3としての、落下搬送経路を示す断面図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、7は用紙等のシートPが収納される給紙装置、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト(像担持体)、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、を示す。
また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの現像装置に各色のトナーを補給するためのトナー容器、30は廃トナーが回収される廃トナー回収容器、を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置13、クリーニング装置15が一体化されたものである(図2参照)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに、新品のものに交換される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図1、図2の時計方向に回転している。そして、図2を参照して、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電装置12(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応して射出される。レーザ光Lは、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11の表面に照射される。こうして、帯電ローラ12aにて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ10BKの感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13(図2参照)との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、像担持体としての中間転写ベルト17(中間転写体)との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング装置15(図2参照)との対向位置に達する。そして、クリーニング装置15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11の表面は、除電装置の位置を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17の表面は、図1中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、シートP上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置9(クリーニング装置)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置9に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、2次転写ローラ18の位置のシートPは、給紙装置7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達したシートPは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
図2は、黒色用のプロセスカートリッジ10BKを示す構成図である。その他の3つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cは、それぞれ、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、黒色用のプロセスカートリッジ10BKとほぼ同じに構成されているため、その図示と説明とを省略する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、像担持体としての感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12と、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像装置13と、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニング装置15と、がケースに一体的に収納されている。
ここで、感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである
帯電装置12は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置12(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
現像装置13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1と、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2と、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。
現像装置13内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
クリーニング装置15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a、クリーニング装置15内に回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー回収容器30(図3参照)に向けて搬送する搬送スクリュ15b(搬送管16)、等が設置されている。クリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物が機械的に掻き取られてクリーニング装置15内に回収されることになる。そして、クリーニング装置15内に回収された未転写トナーは、搬送管16(搬送スクリュ15bが内設されている。)を介して、現像剤搬送装置としての廃トナー搬送装置40(図3参照)によって廃トナー回収容器30まで搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30の内部に回収される。搬送スクリュ15bは、駆動モータからの駆動力がギア50(図3参照)を介して入力されて、図2、図3の矢印方向に回転駆動される。
同様に、図1を参照して、クリーニング装置としての中間転写ベルトクリーニング装置9にも、中間転写ベルト17に当接するクリーニングブレード、中間転写ベルトクリーニング装置9内に回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー回収容器30(図3参照)に向けて搬送する搬送スクリュ(搬送管16)、等が設置されている。そして、中間転写ベルトクリーニング装置9内に回収された未転写トナーは、搬送管16(搬送スクリュが内設されている。)を介して、廃トナー搬送装置40によって廃トナー回収容器30まで搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30の内部に回収される。なお、廃トナー搬送装置40については、後でさらに詳しく説明する。
なお、感光体ドラム11や中間転写ベルト17上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、シートP(用紙)から生じる紙粉、帯電装置12による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等があるが、本願ではこれらを総称して「未転写トナー」と呼ぶことにする。
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像装置13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、ドクターブレード13cの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体ドラム11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーが潜像に付着する(トナー像が形成される)。
その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11上に残存した未転写トナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニング装置15内に回収される。
以下、本実施の形態における画像形成装置1において特徴的な、現像剤搬送装置としての廃トナー搬送装置40について詳述する。
図3を参照して、現像剤搬送装置としての廃トナー搬送装置40は、クリーニング装置15や中間転写ベルトクリーニング装置9で回収されて搬送管16を介して搬送された現像剤としての廃トナーを、廃トナー回収容器30に向けて図3の黒矢印方向に搬送するものである。
廃トナー回収容器30は、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置されていて、画像形成装置本体1に廃トナー回収容器30が装着されると廃トナー搬送装置40(交差搬送経路42)に連通可能に接続されることになる。そして、廃トナー搬送装置40によって搬送された廃トナーが廃トナー回収容器30の内部に回収されることになる。
ここで、図3に示すように、廃トナー搬送装置40(現像剤搬送装置)には、落下搬送経路41、交差搬送経路42、搬送スクリュ43、遊動部材45などが設置されている。
落下搬送経路41は、トナー(現像剤)が自重落下する搬送経路であって、本実施の形態では略垂直方向に延在するように形成されている。また、本実施の形態における落下搬送経路41は、その断面(図3のX-X断面である。)が断面径Dの円形になるように形成されている。
交差搬送経路42は、落下搬送経路41に対して交差する交差方向に延在する搬送経路とであって、その上部が落下搬送経路41の下端に連通している。本実施の形態において、交差搬送経路42は、略水平方向に真直ぐに延在するととともに、その断面が後述する搬送スクリュ43のスクリュ径よりも僅かに大きな円形になるように形成されている。
搬送スクリュ43は、交差搬送経路42に内設されていて、所定方向(図3の矢印方向である。)に回転してトナーを交差方向に搬送するものである。搬送スクリュ43は、軸部43aにスクリュ部43bが螺旋状に巻装されたものであって、駆動モータからの駆動力がギア44を介して入力されて矢印方向に回転駆動される。搬送スクリュ43は、その軸方向両端部が、それぞれ、廃トナー搬送装置40の筐体に回転可能に支持されている。また、本実施の形態では、搬送スクリュ43は、軸部43a、スクリュ部43bともにステンレス鋼などの機械的強度の高い金属材料で形成されている。
なお、本実施の形態では、落下搬送経路41を略垂直方向に延在するように形成したが、落下搬送経路41は廃トナーを自重で落下させるものであれば良く、例えば、垂直方向に対して傾斜した傾斜面にトナーを滑落させて自重落下させるようなものであっても良い。
また、本実施の形態では、交差搬送経路42を略水平方向に延在するように形成したが、交差搬送経路42は廃トナーを搬送スクリュ43によって交差方向に搬送させるものであれば良く、例えば、水平方向に対して傾斜したものや、その一部又は全部に湾曲した搬送経路が形成されたものであっても良い。
ここで、本実施の形態における廃トナー搬送装置40には、落下搬送経路41の内部に、遊動部材45が遊動可能に設置されている。この遊動部材45は、所定方向(図3の矢印方向)に回転する搬送スクリュ43との接触によって落下搬送経路41内で遊動して、落下搬送経路41の内壁面にランダムにぶつかるものである。
詳しくは、遊動部材45は、落下搬送経路41が延在する方向(垂直方向)と略同じ方向に延在する部材であって、いずれの部材にも支持されることなく落下搬送経路41内においてフリーな状態で搬送スクリュ43上に載置されている。
また、遊動部材45は、搬送スクリュ43と交差搬送経路42との隙間に入り込むことなく、回転する搬送スクリュ43上で遊動するように、その断面径R(図4参照)が上述した隙間より大きくなるように設定されている。
そして、遊動部材45は、搬送スクリュ43の回転に沿うように図3の左方に移動して落下搬送経路41の左側の内壁面に衝突したり、その反動や上部がバランスを崩すことなどによって左以外の内壁面に衝突したりして、自由な姿勢で自由な方向にランダムに搖動して、落下搬送経路41の内壁面にほぼ万遍なく衝突することになる。
これにより、落下搬送経路41の下端(交差搬送経路42との連通部である。)から上方に向けた比較的広い範囲を動作範囲として、遊動部材45が落下搬送経路41の内壁面にほぼ全周にわたって衝突するため、落下搬送経路41の内壁面に廃トナーが付着する不具合を軽減することができる。また、落下搬送経路41の内壁面に廃トナーが付着してしまっても、遊動部材45の衝突によって、その付着トナーを取り除くことができる。したがって、落下搬送経路41が付着トナーによって塞がれてしまう不具合も抑止されることになる。
特に、落下搬送経路41の内壁面へのトナー付着は、落下搬送経路41の上端側では生じにくく、下端から中央部にかけた範囲で生じやすいため、そのような範囲に衝突可能に遊動部材45の長さH(図4参照)を設定することが有用になる。
また、廃トナーは、新品のトナー(フレッシュトナー)に比べて、落下搬送経路41の内壁面に付着しやすいため、廃トナー用の落下搬送経路41に遊動部材4を設置することが有用になる。
ここで、本実施の形態では、遊動部材45の硬度が、搬送スクリュ43の硬度に比べて小さくなるように構成している。
具体的に、本実施の形態において、遊動部材45は、ゴム材料や樹脂材料などの材料で形成されていて、金属材料で形成された搬送スクリュ43に比べて、硬度が小さい。
このように遊動部材45の硬度を搬送スクリュ43の硬度よりも小さく設定することで、遊動部材45との度重なる接触で搬送スクリュ43が摩耗してしまう不具合を軽減することができる。そのため、搬送スクリュ43による良好なトナー搬送性が経時においても安定的に維持されることになる。
なお、遊動部材45の硬度は、搬送スクリュ43の硬度に比べて、全体が小さくても良く、表面部分だけが小さくても良い。すなわち、遊動部材45の少なくとも表面(外面)の硬度を、搬送スクリュ43の硬度に比べて小さくなるように構成することができる。
また、遊動部材45は、搬送スクリュ43との度重なる接触で摩耗してしまうことになるが、その摩耗部分は搬送スクリュ43に接触する底部の部分に限定されて、落下搬送経路41の内壁面に衝突する部分はほとんど摩耗しないため、またその衝突する部分の長さH(図4参照)は充分に長く設置しているため、落下搬送経路41の内壁面へのトナー付着を防止する機能が経時においても安定的に維持されることになる。また、遊動部材45の底部が摩耗しても、特許文献1の球体を用いる場合のように、遊動部材45が搬送スクリュ43のスクリュ部43bに挟まって、搬送スクリュ43の動作不良や破損などの不具合が生じてしまうこともない。
また、本実施の形態では、遊動部材45の硬度が、落下搬送経路41(比較的強度の高い樹脂材料で形成されている。)の内壁面の硬度よりも小さくなるように構成している。
これにより、遊動部材45との度重なる接触で落下搬送経路41が摩耗してしまう不具合を軽減することができる。
なお、遊動部材45の硬度は、落下搬送経路41の内壁面の硬度に比べて、全体が小さくても良く、表面部分だけが小さくても良い。すなわち、遊動部材45の少なくとも表面(外面)の硬度を、落下搬送経路41の内壁面の硬度に比べて小さくなるように構成することができる。
ここで、本実施の形態において、遊動部材45は、ゴム材料などの弾性材料で形成された弾性体とすることが好ましい。
これにより、金属材料で形成された搬送スクリュ43の硬度に比べて、遊動部材45の硬度をかなり小さくできるため、搬送スクリュ43の摩耗を軽減する効果が発揮されやすくなる。また、遊動部材45を弾性体とすることで、遊動部材45が搬送スクリュ43や落下搬送経路41の内壁面にぶつかったときの反動が弾性力によって大きくなるため、遊動部材45が大きく遊動して、内壁面へのトナー付着を防止する効果が発揮されやすくなる。
また、本実施の形態では、図4、図5(A)に示すように、遊動部材45を円柱状に形成している。
図5(B)に示すように、遊動部材45を角柱状に形成する場合、その角部が落下搬送経路41の内壁面41aにぶつかって摩耗してしまい、内壁面41aへの衝突の状態が経時で変化してしまう。そのため、内壁面41aへのトナー付着を防止する効果も経時で変化してしまう可能性がある。これに対して、円柱状の遊動部材45を用いることで、そのような不具合を軽減することができる。
また、図5(B)に示すように、角柱状の遊動部材45を用いる場合であっても、図5(A)の円柱状のものと同様に、内壁面41aへのトナー付着を防止する効果が発揮される。ただし、図5(A)の円柱状の遊動部材45を用いる場合には、図5(B)の角柱状のものに比べて、内壁面41aに近接しない領域(破線で囲んだ領域である。)を狭くすることができるため、内壁面41aへのトナー付着を防止する効果が発揮されやすくなる。
また、本実施の形態における遊動部材45は、図4に示すように、内部に貫通穴45aが形成された中空円筒状部材である。
このように遊動部材45に貫通穴45aを設けることで、遊動部材45が軽量化されて、遊動部材45の衝突による搬送スクリュ43や内壁面41aの摩耗をさらに軽減することができる。また、遊動部材45の軽量化により、遊動部材45が搬送スクリュ43や内壁面41aにぶつかったときの反動が大きくなるため、遊動部材45が大きく遊動して、内壁面へのトナー付着を防止する効果が発揮されやすくなる。
また、遊動部材45に貫通穴45aを設けることで、落下搬送経路41を自重落下する廃トナーの一部が貫通穴45aを介して自重落下することになるため、貫通穴45aを設けない場合に比べて、落下搬送経路41における廃トナーの流動性(搬送性)を高めることができる。
また、図3、図4を参照して、本実施の形態では、遊動部材45の遊動部材の底面の内接円の直径(断面径)をRとして、搬送スクリュ43のスクリュピッチをMとして、搬送スクリュ43のスクリュ部43bの板厚をNとしたときに、
R>M-N
なる関係が成立するように構成している。
上述した関係が成立しない場合には、図6に示すように、搬送スクリュ43のスクリュ部43bの間に、遊動部材45が嵌合してしまったり入り込んでしまったりして、回転する搬送スクリュ43との接触による遊動部材45の遊動が制限される不具合や、遊動部材45が破損する不具合などが生じてしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、搬送スクリュ43のスクリュ部43bの間に遊動部材45が嵌合してしまったり入り込んでしまったりしないように、関連する部材の寸法を定めているため、そのような不具合の発生を軽減することができる。
また、図3、図4を参照して、本実施の形態では、遊動部材45の長さをHとして、落下搬送経路41の内部の断面径(内壁面41aの内径)をDとしたときに、
H>D
なる関係が成立するように構成している。
上述した関係が成立しない場合には、遊動部材45が長手方向が垂直方向に対して大きく傾斜するように倒れてしまって落下搬送経路41の内壁面41aに嵌ってしまう不具合が生じてしまう可能性がある。そして、そのような場合には、遊動部材45が遊動しなくなり、トナー付着を防止する機能が発揮されなくなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、遊動部材45の長さHを、落下搬送経路41の断面径Dよりも充分に大きく設定しているため、そのような不具合の発生を軽減することができる。
なお、図7に示すように、落下搬送経路41の内部の断面が長方形である場合には、その断面の対角線の長さが断面径Dになるものと定義する。
また、本実施の形態では、遊動部材45の比重が、廃トナー(現像剤)の比重よりも大きくなるように設定している。
これにより、搬送スクリュ43と遊動部材45との間に大量の廃トナーが介在されて、搬送スクリュ43に対して遊動部材45が大きく浮き上がってしまう不具合が軽減される。すなわち、交差搬送経路42内に大量の廃トナーがある場合であっても、その比重差によって廃トナーの中を遊動部材45が潜り込むようにして、遊動部材45が搬送スクリュ43に接触することになる。したがって、回転する搬送スクリュ43に遊動部材45が接触して遊動することで内壁面41aへのトナー付着を軽減する効果が維持されることになる。
<変形例1>
図8に示すように、変形例1における廃トナー搬送装置40には、底部(破線で囲んだ部分である。)が膨らんだ遊動部材45が設置されている。
このように、遊動部材45の底部を膨らますように形成して、底部以外の部分をスリム化することにより、遊動部材45が搬送スクリュ43のスクリュ部43bの間に入り込んでしまう不具合を抑えつつ、遊動部材45を軽量化して搬送スクリュ43や遊動部材45の摩耗を低減することができる。
<変形例2>
図9に示すように、変形例2における廃トナー搬送装置40には、角部(破線で囲んだ部分である。)が丸められた遊動部材45が設置されている。
具体的に、柱状の遊動部材45の角部が、R状に面取りされている。
このような遊動部材45を用いることにより、搬送スクリュ43との接触圧が低減されて、搬送スクリュ43や遊動部材45の摩耗を軽減することができる。
なお、遊動部材45は、丸められた角部が搬送スクリュ43のスクリュ部43bの間に入り込んでしまう不具合を防止するために、底面において丸められていない部分の径が、搬送スクリュ43のスクリュピッチMよりも大きくなるように形成することが好ましい。
また、遊動部材45は、底部の角部のみ丸めるように形成することで、上述した効果が発揮されるものの、天井部を含めてすべての角部を丸めるように形成することで、遊動部材45の方向性がなくなり装置への組立性が向上することになる。
<変形例3>
図10に示すように、変形例3における廃トナー搬送装置40には、内部の断面が長方形の落下搬送経路41が設けられている。また、変形例3では、ゴム材料からなる円柱状の遊動部材45が設置されている。また、変形例3では、遊動部材45の直径Rが、落下搬送経路41の断面の対角線の長さ(断面径D)の40%以上になるように設定している(R≧D×0.4)。
具体的に、変形例3において、落下搬送経路41の断面は、長辺の長さAが17.2mm程度に、短辺の長さBが13.6mm程度に、断面径Dが21.93mm程度に設定されている。そして、遊動部材45の直径Rが10mm程度に設定されている。
上式(R≧D×0.4)のような関係が満足されることで、搬送スクリュ43の動作不良や破損などの不具合を生じさせることなく、落下搬送経路41の内壁面に廃トナーが付着する不具合を軽減することができる。
以上説明したように、本実施の形態における廃トナー搬送装置40(現像剤搬送装置)は、廃トナー(現像剤)が自重落下する落下搬送経路41と、落下搬送経路41の下端に連通して落下搬送経路41に対して交差する交差方向に延在する交差搬送経路42と、交差搬送経路42に内設されて所定方向に回転して廃トナーを交差方向に搬送する搬送スクリュ43と、が設けられている。また、所定方向に回転する搬送スクリュ43との接触によって落下搬送経路41内で遊動する遊動部材45が、落下搬送経路41の内部に遊動可能に設置されている。
これにより、搬送スクリュ43の動作不良や破損などの不具合を生じさせることなく、落下搬送経路41の内壁面41aに廃トナーが付着する不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、クリーニング装置15や中間転写ベルトクリーニング装置9に回収された未転写トナーが廃トナーとして廃トナー回収容器30に向けて搬送される廃トナー搬送装置40(現像剤搬送装置)に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、例えば、感光体ドラム用のクリーニング装置に回収された未転写トナーのみが廃トナーとして廃トナー回収容器30に向けて搬送される廃トナー搬送装置40に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、現像剤としての廃トナーが搬送される廃トナー搬送装置40(現像剤搬送装置)に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、例えば、クリーニング装置15に回収された未転写トナーがリサイクルトナーとして現像装置13に向けて搬送される現像剤搬送装置や、現像装置から排出された廃棄用の現像剤が廃現像剤回収容器に向けて搬送される現像剤搬送装置や、現像装置に向けて新品のトナーや2成分現像剤が搬送される現像剤搬送装置、などに対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
15 クリーニング装置、
16 搬送管、
30 廃トナー回収容器、
40 廃トナー搬送装置(現像剤搬送装置)、
41 落下搬送経路、
42 交差搬送経路、
43 搬送スクリュ、
43a 軸部、 43b スクリュ部、
45 遊動部材(柱状部材)、
45a 貫通穴。
特開平7-92875号公報

Claims (10)

  1. 現像剤が自重落下する落下搬送経路と、
    前記落下搬送経路の下端に連通して、前記落下搬送経路に対して交差する交差方向に延在する交差搬送経路と、
    前記交差搬送経路に内設されて、所定方向に回転して現像剤を前記交差方向に搬送する搬送スクリュと、
    前記落下搬送経路の内部に遊動可能に設置されて、前記所定方向に回転する前記搬送スクリュとの接触によって前記落下搬送経路内で遊動する遊動部材と、
    を備え、
    前記遊動部材は、少なくとも表面部分がゴム材料で形成され、
    前記遊動部材の長さをHとして、前記落下搬送経路の内部の断面径をDとしたときに、
    H>D
    なる関係が成立することを特徴とする現像剤搬送装置。
  2. 前記遊動部材の硬度が前記搬送スクリュの硬度に比べて小さいことを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
  3. 前記遊動部材の硬度が前記落下搬送経路の内壁面の硬度に比べて小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤搬送装置。
  4. 前記遊動部材は、弾性材料のみで形成されたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
  5. 前記遊動部材は、円柱状に形成されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
  6. 前記遊動部材は、内部に貫通穴が形成された中空円筒状部材であることを特徴とする請求項5に記載の現像剤搬送装置。
  7. 前記遊動部材の底面の内接円の直径をRとして、前記搬送スクリュのスクリュピッチをMとして、前記搬送スクリュのスクリュ部の板厚をNとしたときに、
    R>M-N
    なる関係が成立することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
  8. 前記遊動部材の比重が、前記現像剤の比重よりも大きいことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
  9. 前記現像剤は、廃トナーであることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
  10. 請求項1~請求項9のいずれかに記載の現像剤搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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