JP2010123515A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】単位面積あたりの受光効率及び発電効率を増加させることができるとともに、透明導電性金属酸化物を塗布した基板を不要とし、低コスト化も図れ、さらには簡易な工程で安定して製造可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る光電変換素子1は、別体をなす第一電極10と第二電極20とが電解質30を介して配される。第二電極は、少なくとも一部が非導電性の膜25で覆われた板状の導電性基材であり、第一電極は、線状をなし、少なくとも導電性を有する第一線材11と、該第一線材の外周に配され色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成され、かつ、第二電極の外側を巡るように配される。電解質は、多孔質酸化物半導体層及び/又は非導電性の膜の空間部に含まれており、第一電極が備える多孔質酸化物半導体層は、第一電極の第二電極と対向する領域αを除いた領域βにのみ配された構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池等に用いる光電変換素子に関する。
色素増感太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる太陽電池モジュールとして着目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
図6は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と、導電膜104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質層106を主な構成要素としている。
第一基板101としては光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体電極103と接する面には導電性を持たせるために透明導電層102が配置されており、第一基板101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により作用極(窓極)108をなす。
一方、第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられ、第二基板105及び導電層104により対極109を構成している。
色素増感半導体電極103と導電層104が対向するように、第一基板101と第二基板105を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に例えば熱可塑性樹脂からなる封止剤107を設ける。そして、この封止剤107を介して2つの基板101,105を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口110を通して、両極108,109間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化物還元対を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層106を形成したものが挙げられる。
このような色素増感型の光電変換素子は、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板状に、スズドープ酸化インジウム(ITO)や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)といった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。
しかしながら、上述した色素増感型光電変換素子の導電性基板に用いられているインジウム(In)等は、希少金属であり、昨今の価格の高騰からも、光電変換素子の低コスト化を阻害する要因となっている。したがって、導電性基板を必要とせず、希少金属の使用量を抑制できる構造とした色素増感型の光電変換素子が実現すれば、大幅な低コスト化が図れることから、その開発が期待されていた。ただし、その際には、単位面積あたりの受光効率及び発電効率を犠牲にしないことが同時に満たされる構造が望ましい。
特開平1−220380号公報 M.Graetzel et al., Nature, 737, p.353, 1991
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、単位面積あたりの受光効率及び発電効率を増加させることができるとともに、透明導電性金属酸化物を塗布した基板を不要とし、低コスト化も図れ、さらには簡易な工程で安定して製造可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の光電変換素子は、別体をなす第一電極と第二電極とが電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第二電極は、少なくとも一部が非導電性の膜で覆われた板状の導電性基材であり、前記第一電極は、線状をなし、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、かつ、前記第二電極の外側を巡るように配されており、前記電解質は、前記多孔質酸化物半導体層及び/又は前記非導電性の膜の空間部に含まれており、前記第一電極が備える前記多孔質酸化物半導体層は、該第一電極の前記第二電極と対向する領域を除いた領域にのみ配された構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記多孔質酸化物半導体層は、隣接する位置にある前記第一電極どうしの間隙を埋めるとともに該第一電極を覆うように配され、かつ、該第一電極と前記第二電極により囲まれた空間が空隙をなした構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記多孔質酸化物半導体層は、その膜厚が、前記第一電極の長手方向には均一であり、かつ、前記第二電極に近づくにつれて、薄膜化した構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の光電変換素子は、請求項1乃至3において、前記第一電極、前記第二電極、及び前記非導電性の膜は、電解質中に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の光電変換素子は、請求項1乃至4において、前記第一電極の形状は、平角線または多角形線であることを特徴とする。
本発明に係る光電変換素子は、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成された第一電極を用いることにより、高価な透明導電性金属酸化物を塗布した基板が不要となるので、著しく低コスト化を図ることが可能な、新しい構造を有するものとなる。
また、本発明に係る光電変換素子は、対極をなす板状の第二電極の外周を第一電極が巡るように、かつ、第一電極を隙間なく配することが可能となり、ひいては無駄なく受光することができるので、単位面積あたりの受光効率及び発電効率を増加させることができる。
特に、多孔質酸化物半導体層を、第一電極の第二電極と対向する領域を除いた領域にのみ配した構造としたことにより、使用する酸化物半導体ペーストの量を大幅に減少させることができ、同時に製造工程の簡易化が図れるため、さらなる低コスト化が可能となる。また、第一電極の第二電極と対向する領域には多孔質酸化物半導体層を形成しないため、第一電極が第二電極の板厚方向に湾曲する際に、多孔質酸化物半導体層の内部に生じる歪量を低減できる。これにより、歪みに起因する多孔質酸化物半導体層の内部破壊が抑制されるので、湾曲部における電気的な短絡を防止することも可能となる。
よって、従来の光電変換素子に比較して大幅に低コストで、しかも受光効率及び発電効率の高い光電変換素子の提供に寄与する。
<第一実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る光電変換素子を説明する図面であり、図1(a)は図1(b)A−A’線の厚さ方向に沿う断面図の一部、図1(b)は光電変換素子1A(1)の斜視図である。
本発明の第一実施形態に係る光電変換素子1A(1)は、別体をなす第一電極10と第二電極20とが電解質30を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極10は、少なくとも導電性を有する第一線材11と、該第一線材11の外周に配され色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成された線状をなしており、前記多孔質酸化物半導体層12は、増感色素とともに電解質30をも含浸している。前記第二電極20は、板状の導電性基材であり、表面の少なくとも一部に非導電性の膜25を有し、当該膜25の空間部分に電解質30を構成する電解液を保持している。第一電極10は、かかる第二電極20の外側を巡るように配されていることにより、非導電性の膜25及び電解質30を介して接する構造となる。
そして本発明の第一実施形態に係る光電変換素子1A(1)は、前記第一電極10が備える前記多孔質酸化物半導体層12を、該第一電極10の前記第二電極20と対向する領域αを除いた領域βにのみ配する構造を有することを特徴とする。
第一線材11としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Mo、W、Ptのいずれか、またはこれらの合金からなるワイヤや、中空の線材、棒材などが挙げられる。また、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材を、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Mo、のいずれか、またはこれらの合金で被覆したものも第一線材11として用いられる。
このような第一線材11の太さ(直径)としては、特に限定されるものではないが、例えば、10[μm]〜10[mm]とするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第一線材11の太さは細いほどよい。
多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の周囲に設けられており、その表面には少なくとも一部に増感色素及び電解質30が担持されている。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
増感色素としては、例えば、N719、N3、ブラックダイなどのルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニン等の有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
多孔質酸化物半導体層12内には、電解液が含浸されており、この電解液も前記電解質30の一部を構成している。この場合、多孔質酸化物半導体層12内の電解質30は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層12と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
また、揮発性電解質溶液に代えて、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、溶媒がイオン液体であるものやゲル化したものだけではなく、p型無機半導体や有機ホール輸送層といった固体であっても制限なく使用可能である。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質30の半導電性を低下させることがなく、電解質30に含まれる他の共存成分に対する科学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質30がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質30に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。
特に、電解質30がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
第二電極20は、導電性を有する板状をなし、その表面が不導態となる各種の金属基板、例えばTi板から構成される。また、第二電極20は、表面に、Pt、C、導電性高分子等からなる触媒膜(不図示)を有している。その際、該被膜は、例えばPt等の金属またはカーボンから構成されることが好ましい。
前記導電性高分子としては、例えば、PEDOT[Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)]誘導体や、PANI[Polyaniline]誘導体などが挙げられる。
さらに、第二電極20は、第一電極10との接触により短絡してしまわないように、その少なくとも一部が、例えば非導電性のナイロン繊維を用いた網(メッシュ)状の非導電性の膜25に被われており、当該膜25が第一電極10と第二電極20の間のセパレータの役割を果たす。さらに、非導電性の膜25を構成する網目の空間部内には電解液が担持されており、この膜25の部分は、電解質30の層(電解質層)を構成している。
前記非導電性の膜25は厚さ1〜100μmであることが好ましい。非導電性の膜25としては、他にポリエチレン繊維を用いたメッシュやセラミックを用いたメッシュなどを用いることができるが、電解液に耐え、第一電極10と第二電極20とを絶縁可能であれば、これらに限定されない。
次に、第一実施形態に係る光電変換素子1A(1)の作製方法について説明する。
図2(a)に示すように、第一線材11を第二電極20に巻き付ける。このとき、第一線材11の電気抵抗が大きくなりすぎないよう、0.1[オーム]以下となる長さで適宜第一線材11の端末を取ることとし、複数の第一線材11(コイル)が第二電極20に巻き付くようにする。
このとき、単位面積あたりの受光効率を高められるよう、第二電極20に巻き付ける第一線材11の間隔は、できるだけ密集していることが望ましい。
次に、第一線材11に多孔質酸化物半導体層12を配し第一電極10を形成するために、例えば、前記第一線材11上に酸化物半導体ペーストを滴下し、ドクターブレード法により膜厚が均一となるよう塗布した後、焼成する工程を行う。
これにより、金属板の平面方向及び板厚方向において、第二電極20と対向する領域αを除いた領域βにのみ多孔質酸化物半導体膜が形成され、多孔質酸化物半導体層12が、隣接する位置にある第一線材11の間隙を埋めるとともに該第一線材11を覆うように配され、かつ、第一電極と第二電極により囲まれた空間が空隙をなした構造を有する光電変換素子が得られる。該多孔質酸化物半導体層12の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1[μm]〜50[μm]が好ましい。
この時、多孔質酸化物半導体層12の膜厚の均一性を容易に保てる場合であれば、第二電極の板厚部には多孔質酸化物半導体層を設けない構造を用いても良い。
次に、図2(b)のように、第一電極10が第二電極20に巻き付いた状態のブロックを、例えばメトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解液に浸し、第一電極10及び第二電極20の少なくとも一部を被う膜25の網目に十分に電解質30が満たされた後、図2(c)のように前記第一電極10が第二電極20に巻き付いた状態のブロックを揮発性電解液の溶媒から引き上げることで太陽電池が完成する。
このように、線状の第一電極10を用いることにより、従来の電極のように高価な透明導電性金属酸化物を塗布した基板が不要となるため、安価に電極を製造することができる。また、電解質30を保持する筐体が必ずしも必要ないため、簡易かつ低コストで作製が可能となる。
また、板状の第二電極20の外周を第一電極10が巡るように配された構造を有することにより、第一電極10が他の部材に遮られることがなく、無駄なく受光することができるため、受光効率を高めることができる。
第二電極20が棒状であった場合、この棒状の第二電極に第一電極を巻き付けると、第一電極の全体に渡って曲げ歪みを受けることになる。このように歪みを受けると光電変換素子の特性が低下する虞がある。そのため、棒状の第二電極であった場合、この特性の低下を低減するため、第二電極の径を大きくする必要がある。
これに対し、本発明の光電変換素子において、第二電極20は板状をなしている。そのため、第一電極10を巻き付けた際に、第一電極10のターン部分は歪みを受けることになるが、その他の箇所は歪みを受けない構成となるので、光電変換素子の小型化を図ることができる。
特に、多孔質酸化物半導体層12を第一電極10に配する際に、発電に寄与する領域βにのみ塗布する方法を用いるため、使用する半導体ペーストの量を大幅に低減することができる。また同時に、第一線材11全面に多孔質酸化物半導体層を形成する場合に比較して、簡易な工程で第一電極を作製することが可能となる。これにより、多孔質酸化物半導体層の形成において、さらなる低コスト化が図れる。
さらにこのような構造の場合、第一電極を隙間なく配することが可能となり、ひいては無駄なく受光することができるので、単位面積あたりの受光効率及び発電効率を増加させることができる。
また、第二電極と対向する領域αには多孔質酸化物半導体層を形成しないため、第一電極が第二電極の板厚方向に湾曲する際に、そのターン部分において多孔質酸化物半導体層の内部に生じる歪量を低減できる。これにより、歪みに起因する多孔質酸化物半導体層の内部破壊が抑制されるので、湾曲部における電気的な短絡を防止することも可能となる。
<第二実施形態>
図3は、本発明の第二実施形態に係る光電変換素子を説明する図面であり、図3(a)は図3(b)B−B’線の厚さ方向に沿う断面図の一部、図3(b)は光電変換素子1B(1)の斜視図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態は、第一電極10の備える多孔質酸化物半導体層12の形状が異なること以外は、第一実施形態とほぼ同様である。すなわち、光電変換素子1Bは、上記第一実施形態と同様に、第一電極10の第二電極20と対向する領域αを除いた領域βにのみ多孔質酸化物半導体層12が配された構造を有するが、該多孔質酸化物半導体層12の膜厚が、第一電極10の長手方向には均一であり、かつ、第二電極20に近づくにつれて、薄膜化した構造を有することを特徴とする。
本実施形態の光電変換素子1B作製の工程は、上記第一実施形態の工程とほぼ同一であるが、第一線材11に多孔質酸化物半導体層12を配し第一電極10を形成する方法において異なる。
本実施例では、第一線材11を半導体ペースト中に浸漬することにより第一線材の外周に酸化物半導体被膜を形成した後、第一線材11の片側をダイスの穴に当てた状態で通して片面のペーストを除去し、焼成することにより多孔質酸化物半導体層12の配された第一電極10を形成し、該第一電極10を第二電極20に巻き付ける工程を行う。
これにより、発電に寄与する受光部分には充分な量の多孔質酸化物半導体層が形成されるのに対して、隣接する第一電極間には多孔質酸化物半導体層がほとんど存在しない。よって、第二電極に巻き付けた際に、隣り合う第一電極間の距離を狭めることができるため、第一電極がより密集した構造を有し、単位面積あたりの受光効率及び発電効率を増加させることが可能となる。
<第三実施形態>
図4は、本発明の第二実施形態に係る光電変換素子を説明する図面であり、図4(a)は図4(b)C−C’線の厚さ方向に沿う断面図の一部、図4(b)は光電変換素子1C(1)の斜視図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態に係る光電変換素子1C(1)は、第一実施形態または第二実施形態と同様の構成を有する第一電極10が第二電極20に巻き付いたブロックを、透明基材40a、40b及び封止部材50からなり、電解液の溶媒を中に保持した筐体内に配してなることを特徴とする。
透明基材40a、40bとしては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、無アルカリガラス基板、その他のガラス基板、樹脂基板、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材40a、40bは、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材40a、40bとしては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が85%以上の基板がより好ましい。
封止部材(スペーサー)50としては、透明基材40a、40bに対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)の他に、UV硬化可能な材料[例えば、31×−101(スリーボンド社製)]などが挙げられる。
このように、電解液を保持した筐体に光電変換素子1を配し、密封することで、電解液の蒸発を防止し、長期間安定的に光電変換素子1による太陽電池を使用可能となる。
図5(a)〜(c)に示すように、第一電極10の形状を、平角線、三角形以上の多角線形などの異形線とすることも可能である。
これにより、集電する際の端子処理が容易になる。また、第二電極20に複数回巻き付ける際に充填率の向上が図れるため、さらに受光効率を高めることができる。
本発明は、透明導電性金属酸化物を塗布した基板を不要とし低コスト化を図りつつ、優れた受光効率及び発電効率を備え、簡易な工程で安定して製造可能な光電変換素子に利用することができる。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す断面図及び斜視図。 本発明に係る作製方法を示す斜視図。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図及び斜視図。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図及び斜視図。 本発明に係る第一電極の形状の例を示す斜視断面図。 従来の光電変換素子の例を示す断面図。
符号の説明
α 第二電極と対向する領域、β 第二電極と対向する領域を除く領域、1(1A,1B,1C) 光電変換素子、10 第一電極、11 第一線材、12 多孔質酸化物半導体層、20 第二電極、25 非導電性の膜、30 電解質、40(40a,40b) 透明基材、50 封止部材。

Claims (5)

  1. 別体をなす第一電極と第二電極とが電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、
    前記第二電極は、少なくとも一部が非導電性の膜で覆われた板状の導電性基材であり、
    前記第一電極は、線状をなし、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、かつ、前記第二電極の外側を巡るように配されており、
    前記電解質は、前記多孔質酸化物半導体層及び/又は前記非導電性の膜の空間部に含まれており、
    前記第一電極が備える前記多孔質酸化物半導体層は、該第一電極の前記第二電極と対向する領域を除いた領域にのみ配された構造を有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記多孔質酸化物半導体層は、隣接する位置にある前記第一電極どうしの間隙を埋めるとともに該第一電極を覆うように配され、かつ、該第一電極と前記第二電極により囲まれた空間が空隙をなした構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記多孔質酸化物半導体層は、その膜厚が、前記第一電極の長手方向には均一であり、かつ、前記第二電極に近づくにつれて、薄膜化した構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記第一電極、前記第二電極、及び前記非導電性の膜は、電解質中に配されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記第一電極の形状は、平角線または多角形線であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
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