JP2008181691A - 光電変換素子及びこれに用いる第一電極 - Google Patents

光電変換素子及びこれに用いる第一電極 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性基板を不要とし、低コスト化を図ることが可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る光電変換素子は、別体をなす第一電極10と第二電極13とが、少なくとも一つづつ、電解質17を介して配されてなる光電変換素子1であって、前記第一電極10は、線状をなしており、少なくとも導電性を有する第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換素子及びこれに用いる第一電極に係る。より詳細には、導電性基板を不要とした新規構成からなる光電変換素子及びこれに用いる第一電極に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照。)。
図9は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と、導電膜104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質層106を主な構成要素としている。
第一基板101としては光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体電極103と接する面には導電性を持たせるために透明導電層102が配置されており、第一基板101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により作用極(窓極)108をなす。
一方、第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられ、第二基板105及び導電層104により対極109を構成している。
色素増感半導体電極103と導電層104が対向するように、第一基板101と第二基板105を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に例えば熱可塑性樹脂からなる封止剤107を設ける。そして、この封止剤107を介して2つの基板101、105を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口110を通して、両極108、109間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層106を形成したものが挙げられる。
このような色素増感型の光電変換素子は、従来型の光電変換素子に比べて、大幅な低コスト化が可能と言われており、早期実用化が待たれる。その際、コスト低減を図る障害の一つとして、導電性基板を使用していることが挙げられる。すなわち、従来構造の光電変換素子では、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上に、スズドープ酸化インジウム(ITO)や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)といった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。ここで使用されるインジウム(In)は、希少金属であり、昨今の価格の急騰からも明らかなように、光電変換素子の低コスト化を阻害する要因となる。したがって、このような導電性基板を必要としない、全く新しい構造の色素増感型光電変換素子が実現すれば、大幅な低コスト化が図れることから、その開発が期待される。
特開平1−220380号公報 M.Graetzel et al., Nature, 737, p.353, 1991
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、光電変換素子の窓極(作用極)として機能し、導電性基板を不要とした構成の第一電極を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、導電性基板を不要とし、低コスト化を図ることが可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供することを第二の目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換素子は、別体をなす第一電極と第二電極とが、少なくとも一つづつ、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極は、線状をなしており、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記第二電極が面状をなし、一つの該第二電極に対向して、前記第一電極が複数、並列して配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記第二電極が面状をなし、複数の該第二電極に対向して、前記第一電極が複数、該第二電極と交互に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の第一電極は、別体をなす第一電極と第二電極とが、少なくとも一つづつ、電解質を介して配されてなる光電変換素子に用いる第一電極であって、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、線状をなしていることを特徴とする。
本発明では、導電性基板の代わりに導電性を有する第一線材を用い、その外周に多孔質酸化物半導体層を配する線状の構成を採用することにより、導電性基板を不要とした第一電極を提供することができる。
また、本発明は、導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、線状をなす第一電極を用いることで、導電性基板を不要とした、低コスト化が図れる新しい構造の光電変換素子を提供することができる。
<第一実施形態>
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の電極(第一電極)の一例を示す断面図である。図2は、第一電極を用いた光電変換素子の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。
図1に示すように、本発明の第一電極10は、少なくとも導電性を有する第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層12とから構成され、線状をなしていることを特徴とする。
ガラス、プラスチック等からなる透明基材上に、FTOやITOなどの透明導電膜が形成されてなる透明導電性基板を用いた従来の電極(作用極)においては、透明基材の耐熱性の問題から、多孔質酸化物半導体層の形成時に、ガラスではおよそ600℃以上、プラスチックではおよそ150℃以上の高温での焼成が難しかった。これに対して、本発明の第一電極10においては、第一線材11に金属線を採用したことにより、上記のような問題がなく、高温でも十分に焼成できるため、光電変換素子用電極(作用極)として好適である。
また、板状の基板を用いずに線状の線材を用いているので、フレキシブル性を有し、様々な構造の光電変換素子用電極として利用することができる。
さらに、従来の電極のようにガラス基板や、透明導電膜を用いないため、安価に電極を製造することができる。
第一線材11としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれか、またはこれらの合金からなるワイヤや、中空の線材、棒材などが挙げられる。また、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材を、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれか、またはこれらの合金で被覆したものも第一線材11として用いられる。
このような第一線材11の太さ(直径)としては、特に限定されるものではないが、例えば、10[μm]〜5[m]とするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第一線材11の太さは細いほどよい。
多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の周囲に設けられており、その表面には少なくとも一部に増感色素が担持されている。
なお、多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の外周の一部のみを覆うものであってもよいが、光収集能力の低下、逆電子移動反応の促進等があるため、第一線材11の外周を完全に覆うことが好ましい。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層12を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液に、必要に応じて所望の添加剤を添加してから、浸漬、塗布、押し出し等の方法により前記第一線材11の外周に配した後、焼成することにより形成する手法が挙げられる。
このような多孔質酸化物半導体層12の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1[μm]〜50[μm]が好ましい。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
次に、このような第一電極10を用いた光電変換素子について説明する。
図2に示すように、本発明の光電変換素子1は、別体をなす第一電極(作用極)10と第二電極(対極)13とが、少なくとも一つづつ、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極10は、線状をなしており、少なくとも導電性を有する第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成されていることを特徴とする。
本発明では、導電性基板を必要としない、従来とは全く異なる光電変換素子1の構造を提案する。導電性は耐食性の良い例えば金属線(第一線材11)に担わせ、電解質を封止するために、透明だが導電性を持たない基板を用いた。また、透明基板ではなく、不透明の金属を基板に用いても、基板の大きさを選ぶことで、光の収集を実質的に大きく妨げない構造を有する光電変換素子1を提供することができる。
このような光電変換素子1では、線状をなす第一電極10の外周面が受光面となるため、照射光に対する投影面積を増大することができ、かつ光入射角度依存性が少なくなることが期待される。
図2において、符号1は色素増感型の光電変換素子、10は第一電極(作用極)、11は第一線材、12は多孔質酸化物半導体層、13は第二電極(対極)、14は第一透明基材、15は透明導電膜、16は金属電極膜、17は電解質層、18は第二透明基材、19は封止部材(スペーサー)をそれぞれ示している。
光電変換素子1において、第二電極13と第二透明基材18とが封止部材(スペーサー)19を介して対向配置されてなる空間内に、第一電極10が電解質層17を介して第二電極13と対向して配置され、前記空間の外周部が接着、封止されて光電変換素子として機能する。
そして本実施形態の光電変換素子1では、前記第二電極13が面状をなし、一つの該第二電極13に対向して、前記第一電極10が複数、並列して配置されている。面状をなす一つの第二電極13に対向して、複数の第一電極10を並列配置することにより、素子の小型化、薄型化が図れる。
また、図2(b)に示すように、第一線材11は、素子の外部へと引き出されていることが好ましい。これにより、発電した電気を容易に外部へと取り出すことが可能である。
第二電極(対極)13は、第一透明基材14の第一電極10と対向させる側の面に、透明電極膜15と、金属電極層16とを形成したものである。
第一透明基材14としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。第一透明基材14は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、第一透明基材14としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が85%以上の基板がより好ましい。
透明導電膜15は、第一透明基材14に導電性を付与するために、その一方の面14aに形成された薄膜である。本発明では、第一透明基材14の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電膜15は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。
透明導電膜15を形成する導電性金属酸化物としては、例えば、フッ素添加酸化スズ(FTO)、スズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(TO)などが用いられ、中でも、FTO、ITOが好ましい。
また、透明導電膜15は、FTO又はITOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜を重ねて設けた積層謨であることが好ましい。透明導電膜12を、FTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜とすることにより、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。
透明導電膜15の形成方法としては、材料に応じた公知の適切な方法を用いればよいが、例えば、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD法)、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
金属電極層16としては、白金膜などを用いることができる。例えば、金属電極層16が白金膜である場合、金属電極層16の膜厚は、lnm〜500nmの範囲とされる。白金膜厚が上記範囲を越えると、十分な光透過性が得られず、光電変換素子1の特性低下につながる可能性がある。また、白金膜の膜厚が上記範囲未満であると、十分な導電性が得られず、光電変換素子1の特性低下につながる可能性がある。
金属電極層16の形成方法としては、例えば白金膜である場合、塩化白金酸を塗布して熱処理する等の方法が例示でき、スパッタ法や蒸着法によって形成してもよい。
電解質層17は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層12と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFS0 ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
第二透明基材18としては、上述した第一透明基材14と同様のものを用いることができる。
封止部材(スペーサー)19としては、第二電極13と第二透明基材18に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)の他に、UV硬化可能な材料[例えば、31X−101(スリーボンド社製)]などが挙げられる。
なお、第二電極13と第二透明基材18の何れか一方は透明でなくてもよい。ただし、第二透明基材18が透明ならば、第二電極13を構成する第一透明基材14、透明導電膜15および金属電極層16の組合せについて選択の幅が広がるのでより好ましい。
<第二実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態に係る光電変換素子の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態は、光電変換素子が備える第二電極の形状が異なること以外は、第一実施形態とほぼ同様である。すなわち、第一実施形態では、第二電極13は面状をなしていたが、本実施形態では、第二電極20が線状を有している。
すなわち、本実施形態の光電変換素子1B(1)は、前記第一電極10が線状をなし、複数の該第二電極20に対向して、前記第一電極10が複数、該第二電極20と交互に配置されていることを特徴とする。第二電極20も線状にし、第一電極10の間隙部に配することにより、スペースを有効に利用することができ、さらに薄型になる。
また、図3(b)に示すように、第一線材11及び第二電極20は、素子の外部へと引き出されていることが好ましい。これにより、発電した電気を容易に外部へと取り出すことが可能である。
第二電極20は、線状をなし、例えば白金(Pt)、カーボン、導電性高分子から構成される。また、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材をPtで被覆したものや、上記線状基材をカーボンや導電性高分子で被覆したものも第二電極20として用いられる。このような第二電極20では電解質との電荷の授受が速やかに進行する。
このような線状基材としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moなどの不活性金属、あるいは炭素繊維などが挙げられる。
上記カーボンとしては、具体的には、例えば、グラファイト化(結晶化)カーボンあるいは非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子をペースト化し、塗布してもよい。このようなカーボンを使用する場合には、加熱、焼成処理などにより不要吸着物を除去して用いたほうが、ヨウ素レドックス対の電極反応が円滑に進むようになるので好ましい。
また、第二電極20の材料を構成する導電性高分子としては、例えば、PEDOT[Poly(3,4-ethylenedioxythiophene):「ポリエチレンジオキシチオフェン」]誘導体や、PANI[Polyaniline]誘導体などが挙げられる。
なお、特開2003−77550号公報において、対極に金線を用いるとの記述があるが、このような構成で実際に素子を構築すると、金線は一緒に使用する電解質溶液に容易に溶解してしまうため、光電変換素子の呈をなさず、科学的正確性に欠ける。
本実施形態のように、第一電極10と第二電極13の双方が線状をなすとき、第二電極13の直径は、第二電極13の直径の1/4以下であることが好ましい。これにより、複数の第一電極10を隙間なく配置し、その間隙に第二電極13を設けることができる。
しかし、第二電極13が細くなると抵抗が増加するため、より太い方が好ましい。よって、第二電極13の直径は、第一電極10の直径の1/4程度とすることが好ましい。
また、図4に示す光電変換素子1C(1)は、第一電極10の一部を、第二透明基材18に内在させたものである。このように第一電極10の一部を、第二透明基材18に内在させることで、素子内部に注入される電解質の量を少なくすることができるとともに、素子の小型化、薄型化が図れる。
また、図5に示す光電変換素子1D(1)は、第二電極20を第一電極10の上下に配したものである。このように第二電極20を第一電極10の上下に配することで、第一電極10−第二電極20間で距離の離れている部分を少なくすることができる。なお、鉛直方向からの光入射に対しては、対極として機能する第二電極20の数を増やしても変換効率の低下は殆どない。
<第三実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子の第三実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態に係る光電変換素子の一例を示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態は、光電変換素子が備える第二電極の形状が異なること以外は、第二実施形態とほぼ同様である。すなわち、第二実施形態では、第二電極20は線状をなしていたが、本実施形態では、第二電極30が基板上に印刷された導線から構成される。このように第二電極を印刷により形成することで、素子の小型化、薄型化が図れる。
第二電極30は、例えば、Ti基板31上にPtを含む導線32が印刷されてなる。
導線32は、図6(a)に示すように、Ti基板31上に直接ストライプ状に形成しても良いし、図6(b)に示すように、Ti基板31の全面に形成されたPt膜33を介してストライプ状に形成されていてもよい。
また、導線32は、Ptの代わりに、カーボンや導電性高分子を用いることもできる。
以上、本発明の光電変換素子について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、第一電極(作用極)において、導電性基板の代わりに導電性を有する第一線材を用い、線状の構成を採用することにより導電性基板を不要とし、このような第一電極(作用極)を用いることにより、低コスト化を図れる新しい構造を有する光電変換素子について説明してきたが、本発明の趣旨を第二電極(対極)について、適用することも可能である。
すなわち、第二電極において、線状の構成を採用することにより導電性基板を不要とし、このような第二電極を用いることにより、低コスト化を図れる新しい構造を有する光電変換素子とすることもできる。
例えば、図7に示す光電変換素子50では、第一電極51が面状をなし、一つの該第一電極51に対向して、第二電極55が複数、並列して配置されている。面状をなす一つの第一電極51に対向して、複数の第二電極55を並列配置することにより、素子の小型化、薄型化が図れる。
作用極51は、透明基材52と、該透明基材52の一方の面に、透明導電膜53を介して形成された多孔質酸化物半導体層54とから構成されている。
対極をなす第二電極55としては、例えば、上述した第二電極20と同様のものが用いられる。
なお、図7に示した第二電極55と第二透明基材18の組合せを、図6に示した第二電極30と同様のものと置き換えてもよい。
(実施例)
本例では、第一電極と第二電極の両方が線状をなす構成とした光電変換素子を作製し、その光電変換特性について調べた結果について述べる。
第一線材として、直径0.2mmのTiワイヤを用意し、このTiワイヤを酸化チタンペースト(Solaronix製、Ti-Nanoxide T)に浸漬、引き上げ、乾燥を3回繰り返して塗布した後、電気炉で500℃、1時間焼結して多孔質酸化チタン膜付のTiワイヤを得た。酸化チタンの塗布範囲は長さ5cmとした。酸化チタンの膜厚はおよそ6μmだった。
上記ワイヤを、ルテニウム色素(N719)の0.3mM、アセトニトリル/tert−ブタノール=1:1溶液に浸漬し、室温で24時間放置して酸化チタンの表面に色素を担持した。色素溶液から引き上げた後、上記混合溶液で洗浄し、これを第一電極とした。
第二電極として直径0.08mmのPtワイヤを用意し、第二電極6本と、上記第一電極5本とを交互に無アルカリガラス基板上に並べて、厚さ0.2mmのPETフィルムをスペーサーにしてメトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質に浸し、次いで同じく無アルカリガラスを上面にかぶせてセルとした。
金属ワイヤを特に制御することなく単純に並べただけなので、セルの受光面積はこれらワイヤとワイヤ間の隙間が占める面積も含めて、およそ0.75cm(=5cm×0.15cm)とした。作用極の受光面積(アクティブエリア)は、色素担持した酸化チタン膜付のTiワイヤの投影面積なので、0.53cm(5cm×0.0212cm×5本)と換算され、短絡電流密度の見積もりに1.5倍程度の範囲で誤差を含む。
以上のように作製した光電変換素子を、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)の光照射下に置いて、電流電位曲線(I−V曲線)を測定した。その結果を図8に示す。
図8より、本例で作製した光電変換素子の光電変換効率は、1.25%であることが確認された(JSC=2.4mA/cm、VOC=730mV、ff=0.71)。
本発明は、光電変換素子及びそれに用いる電極に適用可能である。
本発明に係る第一電極の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図を表す。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図を表す。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子のI−V曲線の一例を示すグラフである。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E(1) 光電変換素子、10 第一電極、11 第一線材、12 多孔質酸化物半導体層、13,20 第二電極、14 第一透明基材、15 透明導電膜、16 金属電極膜、17 電解質層、18 第二透明基材、19 封止部材(スペーサー)。

Claims (4)

  1. 別体をなす第一電極と第二電極とが、少なくとも一つづつ、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、
    前記第一電極は、線状をなしており、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第二電極が面状をなし、一つの該第二電極に対向して、前記第一電極が複数、並列して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第二電極が線状をなし、複数の該第二電極に対向して、前記第一電極が複数、該第二電極と交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 別体をなす第一電極と第二電極とが、少なくとも一つづつ、電解質を介して配されてなる光電変換素子に用いる第一電極であって、
    少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、線状をなしていることを特徴とする第一電極。
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