JP2010115222A5 - - Google Patents

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遊技機の基板ケース
本発明は、回路基板を収納するための遊技機の基板ケースに関するものである。
回路基板を収納するための基板ケースを封印するものとして、特許文献1に開示されているようなICタグを有する封印シールを貼着したものが知られている。開示に係るものは、ボックスベースとボックスカバーにそれぞれ貼付板部を設け、この貼付板部を跨ぐようにICタグが埋め込まれた封印シールが側面視コの字状に折り曲げて貼り付けられた構造となっている。
封印シール1は、図1、2に示すように、裏面に固有の識別情報が収納されたICチップ11と、アンテナ部12と、ICチップ11とアンテナ部12とをつなぐ接続部13とを備えている。この封印シール1においては、外部のリーダー装置からの電波によってアンテナ部12に微量な電力を発生させ、その電力によってICチップ11で情報を処理してアンテナ部12からリーダー装置へ送信することによって、外部から固有の識別情報を非接触で読み取ることができる。このような封印シール1で封印された基板ケースを不正に開封して接続部13が切断された場合には、ICチップ11とアンテナ部12との導通が遮断されてしまうので、リーダー装置による情報の読み取りが不可能となって不正が働かれたことを検知することができる。
しかしながら、接続部13は長さ数mm程度の短いものであるので、基板ケースを不正に開封した場合においても、接続部13以外のアンテナ部12で切断されたような場合にはアンテナ12の長さが短くなるだけで、依然としてリーダー装置による識別情報の読み取りが可能であって、不正が働かれたことを検知することができないという問題があった。なお、封印シールを貼着した基板ケースの反対側には、特許文献2に示したようなロック機構が二つ設けられている。
特開2008−17914号公報 特開2008−125535号公報
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、ボックスベースとボックスカバーとを封印する封印シールを破壊した場合には、リーダー装置による識別情報の読み取りを確実に不可能として不正行為を検知することができる遊技機の基板ケースを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するためになされた本発明に係る遊技機の基板ケースは、ベース側貼付部を有するボックスベースと、カバー側貼付部を有しボックスベースにスライドして装着されるボックスカバーと、ICチップとアンテナ部とこの両者をつなぐ接続部とを有する封印シールと、からなる遊技機の基板ケースであって、
ベース側貼付部とカバー側貼付部とに封印シールの切断機構を設けたうえに、この切断機構の直上に前記接続部を位置させて封印シールをベース側貼付部とカバー側貼付部を跨いで貼着したことを特徴とするものである。
上記した発明において、前記切断機構を、ベース側貼付部またはカバー側貼付部に設けられた突片と、もう一方のベース側貼付部またはカバー側貼付部に軸着され刃状部と前記突片を挟み込む二股部とを備えたクリップと、からなるものとすることができる。また、前記切断機構を、ベース側貼付部とカバー側貼付部に、ボックスベースとボックスカバーを合体させたときに噛み合う切れ刃部を設け、この切れ刃部の直上に前記接続部を位置させて封印シールを貼着することができる。
請求項1、2に係る基板ケースは、ボックスカバーをボックスベースから開封すると切断機構が作動されて接続部が確実に切断されるので、ICチップの識別情報が読み取り不可能となって不正行為が働かれたことを検知することができる。請求項3に係る発明においては、ボックスベースをボックスカバーからスライドさせたときには、切れ刃部が封印シールの接続部を切断することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
図3は、第1の実施形態の基板ケースを示す図であって、1は封印シール、2はボックスベース、3はボックスカバーである。また、図4はボックスカバー3を示す図である。ボックスベース2の側部には略L字状に切り込まれた凹部21が設けられ、ボックスカバー3の側部には突部31が設けられている。突部31を前記凹部21に嵌め込んでスライドさせることによりボックスカバー3をボックスベース2に対して上下方向の移動を規制して合体させることができる。
また、ボックスベース2の一端には、ベース側貼付部22が設けられ、ボックスカバー3の一端にはベース側貼付部22に対応してカバー側貼付部32が設けられている。
ベース側貼付部22は、底板221と、ベース側側壁222と、底板221の端部に部分的に設けられた立ち上がり壁223とからなる。ベース側貼付部22の立ち上がり壁223の一端は、係合用の突片6として形成されている。
また、カバー側貼付部32は、天板321と、カバー側側壁322と、天板321の端部に部分的に垂設された前壁323となる。そして、カバー側貼付部32の天板321の下側にはクリップ7が支軸71に枢着されている。
クリップ7は、円弧状の胴部70から一方に刃状部72が設けられ、他方に分岐した前側片73と係合片74とからなる二股部75を有する。胴部70は近傍に設けたボス部8に螺入された座付きねじ81によって抜け止めされて支軸71に枢着されている。また、突片6の近傍には、ストッパー9が設けられている。なお、突片6をカバー側貼付部32に設け、クリップ7をベース側貼付部22に設けることもできる。
以下に本発明の基板ケースの封印構造について説明する。
係合片74がボス部8に当接した状態となるようにクリップ7を設置した後、ボックスベース2にボックスカバー3を装着してスライドさせると(図5)、突片6が二股部75の前側片73と係合する(図6)。さらにスライドさせると突片6が前側片73を押すことによって、クリップ7が支軸71を中心として反時計回りに回転する(図7)。なお、滑らかに回転するように前側片73の端部は円弧形状になっている。
ボックスカバー3をボックスベース2に完全に差し込むと、図8に示すように突片6は二股部75の間に挟み込まれるとともに、刃状部72がストッパー9に当接された位置でクリップ7の回転が停止する。このとき、刃状部72と前側片73と立ち上がり壁223と前壁323とは同一平面に位置することになる。この状態で刃状部72にICチップ11を、刃状部72と前壁323とを跨ぐように接続部13を、それぞれ位置させて、図9に示すようにベース側貼付部22とカバー側貼付部32を跨いで、コの字状に封印シール1で封印することができる。
以上のように構成したものにおいては、基板ケースを開封するためにボックスベース2に対してボックスカバー3を図10中左方にスライドすると、今度は突片6が二股部75の係合片74と係合する。さらにスライドさせると、クリップ7が支軸71を中心として時計回りに回転する(図11)。このとき、二股部75とは支軸71を挟んで反対側に位置する刃状部72が前壁323から突出することによって接続部13が切断されて、ICチップ11とアンテナ12との導通が遮断されてしまうので、不正に開封されたことを電気的に検知することができる。なお、滑らかに回転するように突片6の端部および係合片74は円弧形状になっている。
また、このままスライドさせることで基板ケースを開封することができるが、係合片74がボス部8に当接することでクリップ7がそれ以上回転することが規制されているため、再度基板ケースを閉止する場合に前側片73と突片6とが係止しない位置まで回転することを防止している。
図21、22には、第2の実施形態の基板ケースを示す。なお、図においてはボックス部の図示を省略している。この実施形態において、天板321と底板221とがそれぞれ前壁323と立ち上がり壁223とに向って傾斜しており、ベース側貼付部22の内部には先端が刃形状となっている二つのガイド片226が立設されている。ガイド片226の一つは立ち上がり壁223とつながっており、この立ち上がり壁23の一端は斜めに切り取られた切れ刃部227となっている。
カバー側貼付部32には、ガイド片226が挿通されるガイド溝326が形成され、前壁323の一端には斜めの切れ刃部327となっている。
基板ケースを封印するときは、図23に示すようにガイド溝326にガイド片226を差し込んでカバー側貼付部32とベース側貼付部22とを合体させる。これによって切れ刃部327と切れ刃部227とが、図24のように噛合する。この切れ刃部の直上に接続部13を位置させて封印シール1を端が広がった略コの字形状に接着することによって(図25)、ボックスベース2とボックスカバー3とは封印される。そして、ベース側貼付部2を蓋体側貼付部3に対してスライドさせたときには、切れ刃部227と切れ刃部327が離間するので、接続部13は切れ刃部227によって切断されることになる。加えて、略コの字形状に貼り付けられた封印シール1の上面部分のアンテナ部12がガイド片226によって切断されるため、さらに確実にICチップ11の情報が読み取り不可になると同時に、基板ケース上面から開封されたことが視認可能となる。
次に、第1の参考例である基板ケースについて説明する。
図12は、その基板ケースの構成部材を示す図であって、4は不正防止用のシールカバー体、5は刃先51を有する切断部材である。カバー側貼付部32の天板321には、窓部57が設けられ、この窓部57に、図13に示すように切断部材5が嵌め込まれる。刃先51の後方で切断部材5の両サイドには、カバー側貼付部32の天板321との間に隙間53が形成されており、切断部材5を刃先方向にスライドできるようにしてある。
ボックスベース2とボックスカバー3を合体させたうえで、ベース側貼付部22とカバー側貼付部32とを跨いで、図14に示すように、封印シール1をコの字状に折り曲げて貼付する。
シールカバー体4は、切断部材5の後端面54と係合する係合爪41と、側部の係止爪42とを備えている。係合爪41は、係合用の下向き突起を備え、係止爪42は内側に係止用突起を有している。係止爪42に対応してベース側貼付部22とカバー側貼付部32にわたって係止孔33が設けられている。封印シール1を貼付け後に、封印シール1を覆ってシールカバー体4を挿着すると、係止爪42と係止孔33とが係合されて、シールカバー体4がベース側貼付部2とカバー側貼付部3とに抜け出し不能に固定される(図15)。なお、ボックスカバー3の前側側壁35には、シールカバー体4の係合爪41を不正行為から保護するための保護壁36が下向きコの字状に設けてある。
次に切断部材の支持構造を説明する。図17は、図16のA−A線断面図を示す図である。図17において、切断部材5は、左右の端部52とガイド用の突部55を有している。カバー側貼付部32には、支持レール325が設けられており、切断部材5の端部52がこのうえに載置されている。なお、左右の突部55の外側面は末広がりのハの字状に形成されていて、切断部材が天板321から上方に抜け出すのを規制している。
以下に、封印シール1の破壊機構について説明する。
図19において、刃先51に接続部13を位置させて、封印シール1がカバー側貼付部32とベース側貼付部22とを跨いで側面視コの字状に貼着されている。そして、シールカバー体4に設けた係合爪41が切断部材5の後端面54と係合されている。
この状態でドライバーなどの工具を使ってシールカバー体4をむりやり引っ張り出そうとすると、図20に示すように、切断部材5も共に前方に移動するので、刃先51が封印シール(図示していない)を突き破ることとなる。これによって接続部13が切断されてICチップ11とアンテナ部12との導通が遮断されるので、リーダー装置による読み取りが不可能となって不正行為が働かれたことを検知することができる。また、切断部材5の引き出しによって隙間53部分の封印シールはしわを付けて織り込まれる。したがって、視覚的に不正行為を確認することも可能である。
図26には第2の参考例である改良型の切断部材を示す。このものは、上面に複数本の凹溝部57を有しており、凹溝部57の間は突条部60に形成してある。凹溝部57を形成することによって封印シール1との接着面を減少させて、切断部材5を封印シール1から引き離し易くしてある。よって、不正な開封を行ったときには切断部材5が容易にスライドされるので、封印シール1の接続部13の切断を確実に行うことができる。
また、第3の参考例を図27、28に示す。この参考例において、切断部材5は、ベース側貼付部22とカバー側貼付部32との間に挿入されるが、具体的にはカバー側貼付部32の裏側に差し込み式で装着される。切断部材5は、カバー側貼付部32あるいはベース側貼付部22の両端に渡る幅の切れ刃51を先端に備えており、後端にはガイド用の孔部58を備えている。また、左右の両側面には係止爪59を有している。カバー側貼付部32には孔部58に嵌め込まれる突起328が設けられている。
図29のように、予め切断部材5をカバー側貼付部32の裏側に装着し、ボックスベース2とボックスカバー3とをスライドさせて合体させる。その後、切断部13を切れ刃51の直上に位置させてボックス側貼付部32とベース側貼付部22を跨いで封印シール1を貼着する。この上にさらにシールカバー体4を差し込んで封印シール1を覆う(図30)。このとき、係止爪59が一度内側に撓んで戻ることで係止部45と係合する。よって、シールカバー体4のみを取り外すことはできない(図31)。なお、図31において封印シールは図示していない。このように、封印状態では外部から係止爪59に直接細工することはできないが、さらに保護壁(図示しない)をシールカバー体4の外側に設けて、係止爪59が細工されることを防止するのが望ましい。
以上のように構成したものにおいて、むりやりシールカバー体4を取り外すと切断部材5も供にスライドされるので、切れ刃51が封印シール1の接続部13を切断することになる。本実施形態においては、切れ刃51は封印シールの幅に相当する横幅に広く形成してあるので、封印シール1において切断部13が斜めに設けられていれば接続部13が必ず切れ刃51の直上に位置することとなるので、確実に切断部15を切断することができる。
封印シールの裏面図である。 封印シールの部分拡大図である。 第1の実施形態の基板ケースの分解斜視図である。 ボックスカバーの斜視図である。 基板ケースの側面図である。 図5のA−A線断面図である。 合体途中の基板ケースの断面図である。 係合完了した突片とクリップの拡大図である。 封印シールが貼着された基板ケースの斜視図である。 開封開始時の基板ケースの断面図である。 開封途中の基板ケースの断面図である。 第1の参考例である基板ケースの分解斜視図である。 切断部材をボックスカバーに嵌め込んだ基板ケースの分解斜視図である。 封印シールを貼り付けた基板ケースの斜視図である。 シールカバー体を装着した基板ケースの斜視図である。 基板ケースの平面図である。 図16のA−A線断面図である。 図16のB−B線断面図である。 図18の要部拡大図である。 切断部材を引っ張り出した状態の基板ケースの要部拡大図である。 の実施形態の基板ケースの分解斜視図である。 カバー側貼付部の内部構造を示す斜視図である。 合体途中のベース側貼付部とカバー側貼付部を示す斜視図である。 合体完了したベース側貼付部とカバー側貼付部を示す斜視図である。 切れ刃部に接続部を位置させた状態を示す説明図である。 第2参考例として示す切断部材の斜視図である。 第3の参考例である基板ケースの分解斜視図である。 図27のボックスカバーの内面を示す斜視図である。 カバー側貼付部の裏側に装着された切断部材の斜視図である。 合体完了した基板ケースの斜視図である。 図30のD−D線断面図である。 シールカバー体とともに引き出された切断部材を示す水平断面図である。
1 封印シール、2 ボックスベース、3 ボックスカバー、4 突起、5 弾性爪、22 ベース側貼付部、32 カバー側貼付部、

Claims (3)

  1. ベース側貼付部を有するボックスベースと、カバー側貼付部を有しボックスベースにスライドして装着されるボックスカバーと、ICチップとアンテナ部とこの両者をつなぐ接続部とを有する封印シールと、からなる遊技機の基板ケースであって、
    ベース側貼付部とカバー側貼付部とに封印シールの切断機構を設けたうえに、この切断機構の直上に前記接続部を位置させて封印シールをベース側貼付部とカバー側貼付部を跨いで貼着したことを特徴とする遊技機の基板ケース。
  2. 前記切断機構を、ベース側貼付部またはカバー側貼付部に設けられた突片と、もう一方のベース側貼付部またはカバー側貼付部に軸着され刃状部と前記突片を挟み込む二股部とを備えたクリップと、からなるものとした請求項1に記載の遊技機の基板ケース。
  3. 前記切断機構を、ベース側貼付部とカバー側貼付部に、ボックスベースとボックスカバーを合体させたときに噛み合う切れ刃部を設け、この切れ刃部の直上に前記接続部を位置させて封印シールを貼着した請求項1に記載の遊技機の基板ケース。
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