JP5799436B2 - 基板ケース - Google Patents
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Description
そして、かかる封印シールに関する不正防止策としては、様々なものが考案されておいる。例えば特許文献1には、基板ケースのネジ止め部を覆うようにICタグシールを貼付するとともに、このICタグシールをカッター部材付きのカバー部材で覆い、基板ケースを開けるために、カバー部材を取り外すと、カッター部材によりICタグシールが切断されることが開示されている。また、特許文献2には、基板ケースの上ケースと下ケースの間にシール切断カッターを設置してネジ止めするとともに、その上にICタグシールを上ケースと下ケースに跨って貼付してカバーで覆い、封印を解除する場合には、カバーに設けられた孔からネジを外してアンテナを破壊し、次にカバーを外してシール切断カッターでチップを破壊することが記載されている。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、本発明は、本体(本体ケース20)及び蓋体(カバーケース10)から構成され、遊技機(スロットマシンS)の作動を制御するための制御基板(100)を収納可能な基板ケース(1)に係る。
さらに、本発明においては、この基板ケース(1)を遊技機に固定したときに正面側から視認可能となる前記蓋体(10)の表面には、所定の封印シール(ICタグシール70)を貼付し封印するためのシール封印部(5)が設けられている。このシール封印部(5)は、前記蓋体(10)に形成された凹部(15A)を有するシール貼付部(15)と、前記シール貼付部(15)の凹部(15A)内に正面側からネジ(Q)により固定される貼付台(50)と、裏面にICチップ(71)が取り付けられ、前記シール貼付部(15)に前記貼付台(50)を固定した状態で、シール貼付部(15)と貼付台(50)とに跨って貼付されるICタグシール(70)と、前記貼付台(50)に取り外し不能に固定され、貼付された前記ICタグシール(70)を覆う好ましくは透明なシールカバー(60)とを備えている。前記貼付台(50)を固定するネジ(Q)は、貼付台(50)に設けられたネジ孔(52A)及び前記シール貼付部(15)に設けられたネジ孔(15B)を貫通して、前記本体(20)に設けられたネジ固定部(ネジボス27)に固定されるとともに、好ましくは、固定時において前記ネジ(Q)の頭部が前記貼付台(50)の表面よりも突出しないように形成されている。また、前記シールカバー(60)は、前記貼付台(50)に取り付けたとき、前記ネジ(Q)の位置と合致する位置に、破壊部(脚付き蓋63)を破壊することにより正面側が開放する破壊開口部(62)を有している。
またここで、シールカバー(60)が貼付台(50)から「取り外し不能」とは、いったん固定したら破壊しない限り取り外せないことの他、背面側からしか取り外せない場合も含まれる。少なくとも、貼付台(50)を蓋体(10)に固定した状態では、シールカバー(60)をいったん固定したら取り外せないようになっていればよい。
前記ネジ(Q)が、「頭部が前記貼付台(50)の表面よりも突出しないように形成」されているとは、ネジ(Q)の頭部が平たく形成されている(ネジ(Q)として平ネジを用いる)ことや、貼付台(50)の表面に凹み(ネジボス52)が形成されていることを含む。
そして、本発明は、前記シール貼付部(15)に前記貼付台(50)を固定し、前記ICタグシール(70)を貼付することにより前記ネジ(Q)が隠され、その後貼付台(50)に前記シールカバー(60)を固定することにより、シール封印部(5)が封印され、前記シールカバー(60)の破壊部を破壊して破壊開口部(62)を開口させ、その開口からネジ(Q)を回して取り外すことによって、前記貼付台(50)と前記シールカバー(60)とに挟まれたICタグシール(70)と共に、前記貼付台(70)及びシールカバー(60)を一体に取り外して封印を解除することができ、前記ネジ(Q)を取り外さなければ、前記蓋体(10)を本体(20)から取り外せないように形成されていることを特徴とする。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、前記ICタグシール(70)のICチップ(71)は、ICタグシール(70)が適位置に貼付されたとき、前記ネジ(Q)の位置と合致する箇所に取り付けられており、前記ネジ(Q)を取り外す際に、前記ICタグシール(70)のICチップ(71)が破壊されることを特徴とする。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、前記シール貼付部(15)の凹部(15A)と前記貼付台(50)の境目には隙間が形成されており、前記シールカバー(60)には、前記貼付台(50)に固定したときに前記境目と合致するスリット(64)が設けられ、前記貼付台(50)及びシールカバー(60)を前記シール貼付部(15)から取り外す際には、前記スリット(64)を介して前記ICタグシール(70)を切断可能に形成されていることを特徴とする。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、前記シール貼付部(15)の凹部(15A)は、前記蓋体(10)の端部側に開放して形成されており、前記貼付台(50)は、前記凹部(15A)の開放部から一端部を挿入しスライド移動させて取り付けられ、挿入方向と反対側の端部側には、貼付台(50)を固定位置まで移動させたときに、重なり合っている前記蓋体(10)と本体(20)の側端部を挟み込むケース固定部(折返片53)が形成されていることを特徴とする。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図18に示すように、大きく分けて、正面側に開口部310を有する筐体300と、筐体300内部に着脱自在に設けられる交換ユニット500と、筐体300の開口部310を開閉自在な前扉400とから構成されている。
交換ユニット200は、金属枠からなる支持体510を備え、この支持体510には、回転リールを備えたリールユニット520と、基板ケース1を固定するための基体としてのベース部材2が固定されている。ベース部材2に基板ケース1を固定し、交換ユニット500を筐体に固定することにより、基板ケース1が筐体内部に固定されることとなる。そして、交換ユニット500を筐体300の内部に収納固定した状態で、前記上扉400を閉じてロックすることにより、筐体300の開口部310が閉塞され、前扉400に設けられた図柄表示窓410から回転リールの図柄が視認できるようになっている。
基板ケース1は、図3に示すように、正面部1A、背面部1B、4つの側面部1Cからなる透明な箱体に制御基板100(図4参照)を収納したものである。ここで、正面部1Aは、方形箱形の基板ケース1を遊技機に固定したときに正面視して前面側に位置する部分であり、背面部1Bは、正面部1Aの反対側に位置する部分である。また側面部1Cとは、前面部1Aと背面部1Bの四辺をつなぐ部分であり、左右の側面だけでなく、上面、底面も含めた概念である。なお、本明細書において、特に明示がない場合には、基板ケース1に設けられる各構成部品についての「正面(又は正面側、以下同様)」「背面」「上面」「底面」「側面」とは、基板ケース1を遊技機に取り付け遊技機を正面視したときに位置しているその構成部品の各面又はその面側を指し、「上側(又は方、以下同様)」「下側」「前側」「後側」とは、遊技機を正面視したときの各側又は方向を指すものとする。
制御基板100は、CPU、ROM、RAMなどの電子部品(図示せず)を搭載したプリント基板であり、主として遊技を制御する制御装置として機能するものである。また、本実施の形態における制御基板には、図4に示すように、操作スイッチ110が設けられている。操作スイッチ110としては、スロットマシンSの出玉の設定を変更する場合に操作する設定変更スイッチ111と、スロットマシンSの状態を設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ112が設けられている。なお、操作スイッチ110としては、例えば打ち止めの有無を変更可能な打ち止め設定スイッチなどを有していてもよい。そして制御基板100は、本体ケース20の内部に図示しない固定ネジにより固定される。
なお、前記カバーケースかしめボックス11及び本体ケースかしめボックス21は、カバーケース10と本体ケース20とを封印するケース封印部3を構成し、カバーベースかしめボックス12及び本体ベースかしめボックス22は、基板ケース1とベース部材2とを封印するベース封印部4を構成する。また、シール貼付部15は、所定の封印シールを貼付しこれを封印するためのシール封印部5の一部を構成する。ケース封印部3、ベース封印部4、シール封印部5の詳細については後述する。
(ベース部材2)
ベース部材2は、図18に示すように、交換ユニット500の支持体510に固定されており、図3に示すように、基板ケース1とほぼ同じ上下幅、左右幅を有する板状に形成されている。
前記開口部200は、基板ケース1の左側の側面部1Cに設けられた凸部120(図1参照)と係合可能に形成されている。なお、凸部120は、カバーケース10の側面板10E(図4参照)に設けることができるが、本体ケース20の側面板20Eに設けてもよい。あるいは、双方に設けてもよい。
さらに、係止爪210及びネジボス220の下方には、板面を左右方向にして正面側に突設された固定板31を有するベース固定部30(図3、図6参照)が設けられている。ベース固定部30は、ベース封印部4の一部を構成するものであるが、これについては後述する。
(ベース封印部4)
ベース封印部4は、前記したように、基板ケース1をベース部材2に封印するためのものであり、図1に示すように、第一封印部4Aと、第二封印部4Bとを備えている。第一封印部4A及び第二封印部4B(以下、まとめて封印部と省略する)は、それぞれ、カバーケース10のカバーベースかしめボックス12及び本体ケース20の本体ベースかしめボックス22が嵌め合わせられることにより形成されるセグメントであり、切断可能な連結部a,b,c,d,e,fによって基板ケース1と一体化している。そして、連結部a,b,c,fを破壊して切断することにより第一封印部4Aが基板ケース1から切り離され、連結部d,e,fを破壊して切断することにより第二封印部4Bが基板ケース1から切り離されるようになっている。
以下、ベース封印部4の詳細を、図6乃至図10に基づき説明する。ここで、図7はベース封印部4を正面視した断面図である。図8(A)は図7のA−A線断面図であり、図面上、左側が正面側である。図8(B)は図7のB−B線断面図であり、図面上、上側が正面側である。図10はベース固定部30の固定板31と第一封印部4Aの側面図であり、図面上、左側が正面側である。
次に、上記したベース封印部4による基板ケース1のベース部材2への封印手順を説明する。
まず、基板ケース1をベース部材2に固定する。前述したように、基板ケース1の凸部120(図1参照)をベース部材2の開口部200(図3参照)に係合させ、ベース部材2の係止爪210を弾性変形させて基板ケース1の爪係合間隙140に係止させる(図2参照)とともに、基板ケース1のネジ固定部130とベース部材2のネジボス220(図3参照)をネジで固定することにより、基板ケース1がベース部材2に装着される。このとき、ベース固定部30の固定板31がベース封印部4の差込間隙26に差し込まれるとともに、差込片34が隙間150に差し込まれる(図7参照)。固定板31は、第一封印部4Aの底面の開口部12A,22Aから第一封印部4Aの内部に、第二封印部4Bの上面の開口部12A,22Aから第二封印部4Bの内部に突出し、各封印部の仕切り板23の内側に位置するとともに、ピン孔32,33のやじり固定孔32A,33Aが、各封印部のピン孔14及びやじり通過孔24と合致する(図8(A)(B)参照)。
次に、ベース封印部4のうちの第一封印部4Aの封印解除の手順を説明する。
まず、基板ケース1をベース部材2から取り外すために、第一封印部4Aと基板ケース1を連結している連結部a,b,c,f(図1参照)をニッパーなどで切断するとともに、かしめピン40の連結紐44を切断して2つのかしめピン40を切り離す。そして、図9に示すように、ネジ固定部130とネジボス220を締結しているネジを外し、爪係合間隙140に係合している係止爪210を弾性変形させて爪係合間隙140から外し、基板ケース1の封印部側(正面右側)を前方に回動させた後に凸部120(図1参照)を開口部200(図3参照)から引き抜けば、基板ケース1をベース部材2から取り外すことができる。このとき、切断された第一封印部4Aは、ベース部材2のベース固定部30に取り残されたままとなっている。
ここで、第一封印部4Aが基板ケース1から切り離されていない状態では、図8に示すように、かしめピン40の軸部42がピン孔32を貫通しているので、かしめピン40を破壊しない限り、基板ケース1を手前側に移動させることができない。そして、基板ケース1を手前側に移動させなければ、係止爪210と爪係合間隙140の係合、差込片34と隙間150との係合を解除できないので、基板ケース1を上下方向に移動させることもできない。従って、かしめピン40を破壊しないで、第一封印部4Aを上記したようにベース固定部30から移動させて基板ケース1を取り外すことは不可能である。
また、正規に封印を解除する場合でも、かしめピン40を破壊するとその残骸が遊技機内部に落下して内部装置に悪影響を及ぼすおそれがあるが、本実施の形態では、ベース固定部30のピン孔32,33に軸通過溝32B,33Bを設けて、かしめピン40を破壊しないで封印部を基板ケース1から切り離しベース固定部30から取り外せるようにしてあるので、かかる問題が起こることもない。
ここで、やじり部41が軸通過溝32B,33Bから抜けてしまわないために、やじり部41そのものを、やじり部41の2つの弾性片の頭部側の端を結ぶ線が頭部43の短手方向に対して所定角度傾くようにかしめピン40を形成すれば、ピン誘導部13を傾けて形成する必要はない。しかし、かしめピン40をそのような形状とするのは製造方法の関係上、本実施の形態のように形成するよりも困難であり、カバーケース10においてピン誘導部13を傾けて形成した方が、製造容易であることから、本実施の形態のような構成とするのが最適である。
ちなみに、第一封印部4Aを切り離した基板ケース1は、第二封印部4Bを用いて再度ベース部材2に固定可能である。第一封印部4Aが取り除かれた状態では、第二封印部4Bの上面に設けられた固定板31を通過させるための開口部12A,22A(図7参照)が露出してしまうが、ベース固定部30に固定すると、差込片34がそれを上側から覆うように位置するので、開口部12A,22Aから異物を侵入させてかしめピン40にアクセスされることもなく、埃などが入る心配もない。第二封印部4Bの封印及び封印解除の手順は上述した第一封印部4Aの場合とほぼ同様であるが、ベース固定部30に残った第二封印部4Bは、下方に移動させてかしめピン40の軸部42とピン孔33の係合を解除する。
ここで、ケース封印部3の詳細については、特に図示しないが、基体封印部4とほぼ同様の構成を備えている。すなわち、ケース封印部3は、図1に示すように、第一封印部3Aと、第二封印部3Bとを備え、各封印部はそれぞれ、カバーケース10のカバーケースかしめボックス11及び本体ケース20の本体ケースかしめボックス21(図4参照)が嵌め合わせられることにより形成される。また、切断可能な複数の連結部によって基板ケース1と一体化している。そして、封印部の側面側から、図3に示したかしめピン40と同様のかしめピン(図示せず)を装着することにより、カバーケースかしめボックスと本体ケースかしめボックスがかしめられ、かしめピンを破壊するか、かしめられている封印部を基板ケース1から切り離さない限り、本体ケース20からカバーケース10を取り外しできないように形成されている。
(シール封印部5)
シール封印部5の詳細を、図11乃至図13に基づき説明する。ここで、図12は、シール封印部5の横断面図であって、図面上、上側が正面側である。また、図13(A)(B)は、シール封印部5の縦断面図であって、図面上、左側が正面側である。図13(C)は、シール封印部5の部分横断面図である。
シール貼付部15は、基板ケース1(カバーケース10)の正面から奥側に凹んだ凹部15Aと、凹部15Aの凹低面に形成されたネジ孔15Bと、凹部15Aの左右側に設けられた貼付面15Cとを備えている。凹部15Aは、側壁及び上壁を有し、凹部15Aの上壁には角孔19が設けられ、底部は開放している。つまり、凹部15Aは、上側と下側に開放部を有している。ネジ孔15Bは、図12に示すように、本体ケース20の背面板20Aに設けられたネジボス27(図4参照)のネジ孔と合致している。貼付面15Cは、カバーケース10の正面とほぼ面一であり、ICタグシール70の横幅と合致する目印線又は僅かな凹みあるいは僅かな突出によって、ICタグシール70の貼付領域を明示するためのものである。
(シール封印部5の封印及び封印解除)
上記構成を有するシール封印部5の封印手順を説明する。
最後に、シールカバー60を貼付台50に固定する。すなわち、係止爪64を係止開口54に押入して嵌め殺しにする(図13(C)参照)。前述したように、係止爪64と係止開口54とは貼付台50の背面側からしか係合を解除できず、貼付台50はICタグシール70によって覆い隠されているネジQを外さないとシール貼付部15から取り外せない。従って、シールカバー60を破壊しない限り、シールカバー60を貼付台50から取り外すことができない。つまり、係止爪64によって、シールカバー60が封印される。ここで、シールカバー60の脚付き蓋63は、図12に示すように、ネジQの前方に位置しており、脚付き蓋63の脚部63Aどうしの間には隙間があるが、これは脚付き蓋63を破壊するときにニッパーを入れるための隙間であり、この隙間からドライバを差し込んだとしても、脚付き蓋63を破壊しないでネジQにアクセスしネジQを外すことはできないようになっている。なお、覆板部61からはICタグシール70の全てを視認することができる。また、スリット65は、図12に示すように、凹部15Aの側壁部と貼付板51の側端部の間の隙間と合致した位置となっている。そして、図示しないが、スリット65の真裏には、ICチップのアンテナが位置している。
なお、本実施の形態においては、貼付台50を基板ケース1の底面部から装着するように形成してあったが、上面部や左右の側面部から装着するようにしてもよい。あるいは、貼付台50を周囲が閉塞した凹部に正面側から嵌め込むようにしてもよい。
(スイッチカバー80)
スイッチカバー80は、図1、図2、図4に示すように、基板ケース1の正面側から操作可能な操作スイッチ110を覆う、背面側が開放した箱形のカバーである。以下、スイッチカバー80の詳細を、図14乃至図16に基づき説明する。ここで、図14(A)はスイッチカバー80の正面図であり、図14(B)はスイッチカバー80の部分左側面図である。図14(B)は、図面上、右側が正面側である。図15(A)(B)は、それぞれ、スイッチカバー80の部分正面図及びスイッチカバー80の部分左側面図である。また、図16は、スイッチカバー80の横断面図であり、図面上、上側が正面側である。図16(A)は図15のII−II及びIII−III線断面図であり、図16(B)は図14のI−I線断面図である。
バネ90は、コイル部91と、コイル部91の一端部から延びる第一アーム部92と、コイル部91の他端部から延びる第二アーム部93を備えたねじりコイルバネであって、第二アーム部93がカバー外側、第一アーム部92がカバー内側に向くように、コイル部91をバネ固定軸82に嵌め入れて取り付けられる。また、バネ固定軸82は、スイッチカバー80の側板80Bに設けられたブラケットBから、スイッチカバー80の側面と平行して突設された円柱形の軸である。バネ固定軸82の側面とスイッチカバー80の側板80Bとの間には所定の間隙が形成されており、上側からコイル部91を嵌め入れることができるようになっている。バネ90は、下側に第二アーム部93が位置するように、バネ固定軸82に取り付けられる。第二アーム部93は、スイッチカバー80が基板ケース1に固定されたとき、カバーケース10に形成されたバネ止め17に係止される。具体的には、バネ止め17は、図4に示すように、カバーケース10の正面板10において上下及び左側に設けられた立壁により囲まれた溝部17Aを有し、図14に示すように、右側の開放部から第二アーム部93を溝部17Aの内部に延ばすように位置させることにより、第二アーム部93が溝部17Aの内部で上下方向に移動不能となる。
ここで、開口部83とバネ固定軸82の関係は、図14(B)に示すように、側面視したとき、後方端面84の上端部xと係止溝86の溝底部zとが、バネ固定軸82の中心軸Xよりも背面側に位置し、かつ、後方端面84の下端部yは、前記中心軸Xよりも前面側に位置するようになっている。また、後方端面84の上端部xと、係止溝86の溝底部zとは、中心軸Xからの距離がほぼ同一となるよう形成されている。また、バネ固定軸82は、バネ90の全長よりも長く、側面視したとき、その先端が係止溝86の上端よりも上方となる位置となるように形成されている。そして、第二アーム部93がバネ固定軸82を支持するブラケットBまで到達すると、第一アーム部92が係止溝63に入って係止され、いったん第一アーム部92を前方に移動させない限り、第一アーム部92が係止溝63の中から出られないようになっている。
次に、上記構成を有するスイッチカバー80を、基板ケース1に取り付ける手順について説明する。
まず、スイッチカバー80にバネ90を取り付ける。図15(A)に示すように、バネ90の一方の第一アーム部92を開口部83に入れ、もう一方の第二アーム部93をバネ固定軸82側に位置させた状態で、コイル部91をバネ固定軸82に差し込む。第一アーム部92はバネ固定軸82の背面側を通って開口部83に至っている。また、図示するように、コイル部91の下端部がバネ固定軸82の先端部にかかった状態では、第一アーム部92は後方端面84の上端部x(図14(B)参照)側に位置している。このとき第一アーム部92が位置している後方端面84の外側のエッジ84A(図16(A)参照)は、後方端面84と係止溝86との境目(図14(B)における後方端面84の下端部y)のエッジ84Aよりも背面側にあり、バネ90の常態(テンションが掛かっていない状態)において、第一アーム部92は、図16(A)に二点鎖線で示すように、後方端面84のエッジ84Aに当接しているときには、前方端面85には接触しないようになっている。ただし、この位置でも、第二アーム部93をスイッチカバー80方向(正面視右側)に回動させた場合には、コイル部91がバネ固定軸82の周囲を回転移動し、第一アーム部92の根本側(コイル部91側)は後方端面84から離れ、先端側(突出側)は前方端面85に接触する。ここでは、バネ90が図15(A)の位置にある場合において、第一アーム部92が後方端面84に接触しかつ前方端面85に接触していない状態を、バネ90のバネ固定軸82に対する回転方向の初期位置(初期角度)として、初期角度を保ったまま、バネ固定軸82にコイル部91を嵌入させることを想定して説明する。
そして、図15(B)に示すように、第一アーム部92が、後方端面84の下端部y付近(つまり係止溝86の直前の位置)に位置したときには、図16(A)に実線で示すように、第一アーム部92の先端側(突出側)が、前方端面85の内側のエッジ85Aに当接する。このとき、バネ90から手を離してもバネ90はその位置に保持される。この状態では、バネ固定軸82の外周面とコイル部91の内周面とが密着して、バネ90がバネ固定軸82と開口部83の間に一時係止されている。すなわち、バネ固定軸82とエッジ85Aの間に、バネ90が挟まった状態となる。従って、バネ90が図15(B)の位置にある場合には、バネ90がバネ固定軸82から外れ難くなる。
また、本実施の形態では、軸止ピン81とバネ固定軸82を別々に設けてあったが、バネ90が装着される軸部が、スイッチカバー80の回動軸を兼ねるように形成してもよい。
また、本実施の形態では、基板ケース80に設けられた操作スイッチ110をカバーするスイッチカバー80を設けてあったが、基板ケース1としては、操作スイッチ100以外のもの、例えばかしめ部や封印部をカバーする開閉カバーを備えていてもよい。この場合にも、上記したのと同様の構造を用いることにより、基板ケース1の組み立てを容易ならしめることができる。
(総括)
以上のように、本実施の形態においては、ベース封印部4、シール封印部5、カバーケース80を上記したような構成としたことにより、封印解除の痕跡が明確となってセキュリティが向上するとともに、組み立てや分解を容易に行うことができる。また、ケース封印部3だけでなく、シール封印部5によっても基板ケース1の開封の痕跡が残るようにしてあるので、基板ケース1の一層のセキュリティ強化を図ることができる。さらに、カバーケース80がシール封印部5の一部を覆うようになっているので、シール封印部5の封印解除の作業をやり難くし、不正な封印解除を簡単に行わせないという効果もある。
3 ケース封印部 4 ベース封印部
5 シール封印部
10 カバーケース(蓋体) 15 シール貼付部
15A 凹部 15B ネジ孔
15C 貼付面 19 角孔
20 本体ケース(本体) 27 ネジボス(ネジ固定部)
28 角孔
30 ベース固定部 40 かしめピン
50 貼付台 51 貼付板
52 ネジボス 52A ネジ孔
53 折返片(ケース固定部) 54 係止開口
60 シールカバー 61 覆板部
62 破壊開口部 63 脚付き蓋(破壊部)
64 係止爪 65 スリット
70 ICタグシール 71 ICチップ
80 スイッチカバー 90 バネ
100 制御基板 110 操作スイッチ
111 設定変更スイッチ 112 設定キースイッチ
S スロットマシン(遊技機) Q ネジ
Claims (4)
- 本体及び蓋体から構成され、遊技機の作動を制御するための制御基板を収納可能な基板ケースにおいて、
この基板ケースを遊技機に固定したときに正面側から視認可能となる前記蓋体の表面には、所定の封印シールを貼付し封印するためのシール封印部が設けられ、
このシール封印部は、
前記蓋体に形成された凹部を有するシール貼付部と、
前記シール貼付部の凹部内に正面側からネジにより固定される貼付台と、
裏面にICチップが取り付けられ、前記シール貼付部に前記貼付台を固定した状態で、シール貼付部と貼付台とに跨って貼付されるICタグシールと、
前記貼付台に取り外し不能に固定され、貼付された前記ICタグシールを覆うシールカバーとを備え、
前記貼付台を固定するネジは、貼付台に設けられたネジ孔及び前記シール貼付部に設けられたネジ孔を貫通して、前記本体に設けられたネジ固定部に固定されるように形成され、
前記シールカバーは、前記貼付台に取り付けたとき、前記ネジの位置と合致する位置に、破壊部を破壊することにより正面側が開放する破壊開口部を有し、
前記シール貼付部に前記貼付台を固定し、前記ICタグシールを貼付することにより前記ネジが隠され、その後貼付台に前記シールカバーを固定することにより、シール封印部が封印され、
前記シールカバーの破壊部を破壊して破壊開口部を開口させ、その開口からネジを回して取り外すことによって、前記貼付台と前記シールカバーとに挟まれたICタグシールと共に、前記貼付台及びシールカバーを一体に取り外して封印を解除することができ、
前記ネジを取り外さなければ、前記蓋体を本体から取り外せないように形成されていることを特徴とする基板ケース。
- 前記ICタグシールのICチップは、ICタグシールが適位置に貼付されたとき、前記ネジの位置と合致する箇所に取り付けられており、
前記ネジを取り外す際に、前記ICタグシールのICチップが破壊されることを特徴とする請求項1記載の基板ケース。 - 前記シール貼付部の凹部と前記貼付台の境目には隙間が形成されており、
前記シールカバーには、前記貼付台に固定したときに前記境目と合致するスリットが設けられ、前記貼付台及びシールカバーを前記シール貼付部から取り外す際には、前記スリットを介して前記ICタグシールを切断可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の基板ケース。 - 前記シール貼付部の凹部は、前記蓋体の端部側に開放して形成されており、
前記貼付台は、前記凹部の開放部から一端部を挿入しスライド移動させて取り付けられ、挿入方向と反対側の端部側には、貼付台を固定位置まで移動させたときに、重なり合っている前記蓋体と本体の側端部を挟み込むケース固定部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板ケース。
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