[実施の形態1]
図1は、この発明に従う不揮発性半導体記憶装置において用いられるメモリセルの断面構造の一例を概略的に示す図である。図1において、メモリセルは、半導体基板領域1上に間をおいて形成される不純物領域2および3と、不純物領域2の一部と重なり合うように半導体基板領域1表面にゲート絶縁膜4を介して形成される選択ゲート5と、選択ゲート5の側壁および半導体基板領域1表面上に形成される絶縁膜7と、この絶縁膜7上に形成されるメモリゲート6とを含む。
不純物領域2および3は、それぞれ、ビット線BLおよびソース線SLに結合される。選択ゲート5およびメモリゲート6は、それぞれ、選択ゲート線CGおよびメモリゲート線MGに結合される。メモリゲート6は、選択ゲート5のサイドウォールスペーサ(side wall spacer)と同様の手法を用いて形成される。すなわち、選択ゲート5上にたとえばポリシリコン膜を堆積し、このポリシリコン膜をエッチングによりパターニングする。メモリゲート長は、このポリシリコン膜の膜厚で調整することができる。したがって、選択ゲート5およびメモリゲート6の2つのゲートが設けられる構成においても、メモリゲート6を選択ゲート5に比べて十分に短くすることができ、メモリセルサイズの増加は十分に抑制される。
絶縁膜7は、ボトム酸化膜(O膜)7aと窒化膜(N膜)7bとトップ酸化膜(O膜)7cの積層構造を有する。窒化膜7bに電荷を蓄積し、その蓄積電荷量に応じてデータ(情報)を記憶する。
この図1に示すメモリセルの構成においては、選択ゲート5、不純物領域2および半導体基板領域1により、選択トランジスタが形成される。メモリゲート6、不純物領域3、および半導体基板領域1によりメモリトランジスタが形成される。
図2は、図1に示すメモリセルの電気的等価回路を示す図である。図2に示すように、ビット線BLとソース線SLの間に、選択トランジスタSTとメモリトランジスタMTとが直列に接続される。図1および図2に示すメモリセルの書込(プログラム)および消去、読出および保持は、以下のようにして行なわれる。
書込(プログラム)時には、不純物層3にソース線SLを介して正電位を与え、メモリゲート6にはメモリゲート線MGを介してソース線SLの電圧よりも高いメモリゲート書込電圧を印加する。選択ゲート5へは、選択ゲート線CGを介して選択トランジスタSTのしきい値電圧よりも少し高い電圧を印加する。ビット線BLには、半導体基板領域1と同じたとえば接地電位レベルのビット線書込電圧が与えられる。
この状態においては、メモリトランジスタMTにおいて絶縁膜7の下部にチャネルが形成され、ソース線SLからビット線BLへ向かって電流が流れる。選択トランジスタSTは、選択ゲート5の電圧がそのしきい値電圧よりも少し高い電圧レベルに設定され、弱いオン状態にある。従って、選択ゲート5下部にチャネルが形成されても、そのチャネル抵抗は比較的高い。このため、メモリトランジスタMTおよび選択トランジスタSTの境界付近に強い電界が生じ、メモリトランジスタMTのチャネル電流において多くのホットエレクトロンが発生する。このホットエレクトロンが、メモリゲート6下部の絶縁膜7(窒化膜7b)に注入されてトラップされる。この書込(プログラム)状態は、メモリトランジスタMTのしきい値電圧が高い状態であり、一般に、データ“0”を記憶する状態に対応付けられる。
消去時においては、メモリゲート6にメモリゲート線MGを介して負電位を与える。ソース線SLを介して不純物領域3に正電位を与える。選択ゲート線CGと、ビット線BLおよび半導体基板領域1が同一電位に設定され、選択トランジスタSTは、オフ状態である。この状態においては、メモリゲート6のソース線SLに接続される不純物領域3端部とメモリゲート6が重なり合う領域で強い反転が生じ、バンド間トンネリング現象が生じ、ホールが生成される。この発生したホール(ホットホール)がメモリゲート6の負バイアスにより加速され、メモリゲート6下部の絶縁膜7(窒化膜7b)中に注入される。先に書込時に注入されたエレクトロンとこの注入されたホールとが結合し、窒化膜7aが電気的に中和されて、メモリトランジスタMTのしきい値電圧が低下する。この消去状態は、メモリトランジスタMTのしきい値電圧が低い状態であり、一般に、データ“1”を記憶する状態に対応付けられる。
データ読出時においては、選択ゲート線CGを介して選択ゲート5に正の電圧を印加し、選択ゲート5直下の半導体基板領域1の表面にチャネルを形成する。メモリゲート6にはメモリゲート線MGを介して消去状態と書込状態のそれぞれのしきい値電圧の間の正の電圧を印加する。絶縁膜7に蓄積される電荷量に応じてメモリゲート6下部の半導体基板領域1表面に選択的にチャネルが形成される。このビット線BLおよびソース線SLの間にメモリセルを介して流れる電流量を検出することにより、メモリセルの記憶データの読出を行なう。
保持状態(スタンバイ状態)においては、データは、メモリゲート6下部の絶縁膜7に注入された電荷(エレクトロンまたはホール)として保持される。この絶縁膜(窒化膜7b)中での電荷の移動は小さくまたは遅い。これにより、メモリゲート6に電圧が印加されていない状態では、絶縁膜7、すなわち窒化膜7b中に電荷が保持される。
消去時においては、上述のように、不純物領域3とその基板領域1表面のチャネル(反転層)の間のPN接合が逆バイアス状態に設定され、いわゆるPN接合の降伏が生じ、バンド間トンネリングによりホールが絶縁膜7の窒化膜7bに注入される。したがって、絶縁膜をトンネリングするファウラー−ノルドハイム(FN)トンネリング電流よりも多くの電流が流れ、消費電流が高くなる(FNトンネリング現象においては、フローティングゲートに蓄積されるエレクトロンを引き抜くだけであり、電流量は小さい)。一方、メモリゲート6は、基板領域および不純物領域3と絶縁膜7により分離されており、メモリゲート線MGの充放電だけであり、電流の消費はそれほど多くない。
メモリトランジスタMTの特性のバラツキにより、窒化膜7bに対するホールの注入効率が変動し、消去時に単位時間当たりに生成されるホールおよび絶縁膜に注入されるホール量が異なる。このホールを十分に生成するために、消去時に消費される電流量を十分に補償することができるように、消去電圧発生部の電流供給能力が、最悪ケースを想定して設定される。
また、ソース線SLにできるだけ大きな消去電圧を供給することにより、バンドの勾配をより急峻とすることができ、また、ホットホールを多く生成することができ、効率的にホールを発生して絶縁膜(窒化膜7b)に注入して消去を行なうことができ、応じて消去に要する時間を短縮することができる。
本発明においては、消去電圧発生部の生成する消去電圧のレベルを検出し、その検出結果に基づいて消去電圧発生部の電流供給能力が最大限発揮されているかを識別し、その識別結果に従って消去条件を変更する。
図3は、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。図3において、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置は、複数のメモリセルが配置されるメモリマット10と、このメモリマット10のメモリセルを指定するアドレスを生成するアドレスバッファ12と、アドレスバッファ12からの内部アドレスに従ってメモリマット10のアドレス指定されたメモリセルを選択するXデコーダ14およびYデコーダ16とを含む。
メモリマット10は、その構成は後に詳細に説明するが、複数の消去ブロックに分割され、各消去ブロックが、複数の消去パルス印加単位に分割される。消去時においては、消去ブロック単位でメモリセルの記憶データの消去が実行される(1または複数の消去パルス印加単位毎に)。メモリマット10に含まれるメモリセルは図1および図2に示す構成を有する。
アドレスバッファ12は、この不揮発性半導体記憶装置へのアクセス時(消去、書込および読出時)、与えられたアドレスADに従って内部アドレスを生成する。アドレスバッファ12から生成される内部アドレスの構成は、動作モード、すなわち読出モード、消去モードおよび書込モードに応じて異なる。消去モード時においては、内部アドレスは、消去対象のブロックを指定する消去ブロックアドレスと、この消去ブロック内の消去パルス印加単位を指定する消去アドレスとを含む。消去アドレスは、後に説明するように、内部行アドレスから生成される。
Xデコーダ14は、このアドレスバッファ12からの内部アドレス信号に従ってメモリマット10のメモリセル行を選択状態へ駆動する(消去パルス印加単位が、1または複数のメモリセル行で構成される)。メモリマット10においては、メモリセル行に対応してコントロールゲート線CGおよびメモリゲート線MGが配置され、また、メモリセル行に対応してソース線SLが配置される。メモリセル列に対応してビット線BLが配置される。各信号線の選択状態の電圧レベルは、動作モードに応じて異なる。消去モード時においては、選択消去ブロックのメモリセル行のメモリゲート線MGおよびソース線SLに、それぞれ負および正の消去電圧−VmgおよびVslが印加され、選択行のメモリセルに対する消去が実行される(1または複数のメモリセル行が、消去パルス印加単位を構成する)。
この不揮発性半導体記憶装置は、さらに、メモリマット10のメモリセル列(ビット線)を選択するYゲート18を含む。このYゲート18は、Yデコーダ16からの列選択信号に従ってメモリマット10のアドレス指定された列に対応するビット線を選択する。消去動作モード時においては、Yゲート18は、非導通状態に維持される。
この不揮発性半導体記憶装置は、さらに、内部動作を制御する制御論理部20と、書込モード時、内部書込データDmを生成するライトドライバ22と、データ読出時、メモリセルデータ(ビット線電流)QMに従って内部読出データQIを生成するセンスアンプ24と、外部との間でのデータの入出力を行なうI/Oバッファ26とを含む。
制御論理部20は、たとえばシーケンスコントローラで構成され、外部からの動作モードを指定するコマンドCMDに従って、指定された動作モードの実行に必要な内部動作制御を行なう。
ライトドライバ22は、制御論理部20からの内部書込データWDIに従ってメモリセルに対する書込データをDmを生成する。ライトドライバ22からのセル書込データDmが、Yゲート18を介してメモリマット10のビット線へ与えられる。このメモリセルへの書込データDmに従って、メモリセルを書込状態(プログラム状態)に設定する場合に、選択列のビット線がたとえば接地電圧レベルに設定され、データ“1”が書込まれる、すなわち消去状態に維持されるメモリセルに対するビット線は、選択ゲート線と同程度の電圧レベルに設定される。この不揮発性半導体記憶装置においては、コマンドCMDとして、消去動作を示す消去コマンドとデータ書込(プログラム)を行なう書込コマンドとは別々に与えられ、消去状態のメモリブロックに対するデータ書込(プログラム)が指定され、データ“0”の書込が実行される。
センスアンプ24は、制御論理部20からのセンス制御信号φSに従ってYゲート18を介して選択されたメモリセル列(ビット線)を流れる電流(セルデータ)Qmを検知し、検知結果に従って内部読出データQIを生成する。
I/Oバッファ26は、データ読出時、センスアンプ24からの内部読出データQIに従って外部読出データDQを生成し、データ書込モード時、外部からの書込データDQに従って内部書込データDIを生成して制御論理部20へ与える。このI/Oバッファ26から与えられる内部書込データDIは、また、消去/書込ベリファイを行うベリファイモード時のベリファイ読出データであってもよい。すなわち、センスアンプ24が、外部へのデータ読出を行なう読出モード時にメモリセルデータ読出のために利用され、また、ベリファイモード時のメモリセルの状態を検証するためのメモリセルデータ読出のためにも利用されてもよい。
この不揮発性半導体記憶装置は、さらに、各動作モードに応じて必要とされる内部電圧を発生する内部電圧発生回路30と、内部電圧発生回路30の生成する内部電圧のレベルを検出する電圧レベル検知回路32と、この電圧レベル検知回路32の検知結果に従って内部電圧発生回路30の電流供給能力を判定する供給能力判定回路34とを含む。
内部電圧発生回路30は、ビット線へ伝達されるビット線電圧Vbl、選択ゲート線CGへ与えられる選択ゲート電圧Vcg、メモリゲート線MGへ与えられるメモリゲート電圧Vmg、およびソース線SLへ与えられるソース線電圧Vslを生成する。この内部電圧発生回路30は、制御論理部20からの第1の制御信号CTL1に従って、その内部電圧発生動作が制御される。
電圧レベル検知回路32は、各動作モードに応じて、内部電圧発生回路30が生成する内部電圧レベルを、制御論理部20からの電圧レベル指定信号LVに従って調整する。すなわち、電圧レベル検知回路32は、電圧レベル指定信号LVに従って検知電圧レベルを設定し、内部電圧発生回路30が生成する内部電圧の電圧レベルが、指定された電圧レベルにあるかを検知し、その検知結果に従って内部電圧発生回路30の内部電圧発生動作を制御する。本実施の形態1においては、この電圧レベル検知回路32は、特に、消去モード時に内部電圧発生回路30が生成するソース線電圧Vslの電圧レベルを検知する。
具体的に、内部電圧発生回路30は、チャージポンプ回路で構成され、制御論理部20からの第1の制御信号CTL1に従って内部電圧発生動作を開始する。電圧レベル検知回路32が、消去モード時、ソース線電圧Vslが電圧レベル指定信号LVが指定する電圧レベルにあるかを識別し、その識別結果を示す第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2を生成する。この第2の制御信号CTL2に従って、内部電圧発生回路30が選択的にチャージポンプ動作を実行して、ソース線電圧のレベルを調整する(ソース線に電荷を供給する)。
供給能力判定回路34は、この電圧レベル検知回路32からの第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2に従って、消去モード時、内部電圧発生回路30のソース線消去電圧発生部(チャージポンプ回路)の電流供給能力に余裕があるかまたは最大限利用されているかを判定する。この供給能力判定回路34からの判定結果指示信号DETは、制御論理部20に含まれる消去条件調整部36へ与えられる。
この消去条件調整部36は、供給能力判定回路34からの判定結果指示信号DETに従って以後の消去条件(消去電圧レベル、消去単位ブロックサイズ、およびパルス幅等)を調整する。供給能力判定回路34は、消去モード時、制御論理部20から与えられるリセット信号RSTに従って判定結果指示信号DETを初期状態にリセットする。
制御論理部20は、また消去モード時および書込モード時においては、内部で消去/書込およびベリファイを実行するため、外部からのアクセスを禁止するために、レディ/ビジー信号に相当する消去/書込完了指示信号PEENDを外部のたとえばプロセッサに供給する。
図4は、図3に示すメモリマット10の構成を概略的に示す図である。図4において、メモリマット10は、複数の消去ブロックEB1−EBnに分割される。これらの消去ブロックEB1−EBnは、記憶データの属性に応じて、ブロックサイズ(容量)は異なっていてもよい。消去時においては、この消去ブロックEB1−EBnの1つが外部からのアドレスにより指定され(通常制御論理部20に含まれるレジスタに消去対象のブロックを指定するビットがセットされる)、指定された消去ブロック全体に対して消去が実行される。これらの消去ブロックEB1−EBnは、各々、通常のデータ書込時の書込単位よりも大きなブロックサイズを有している。
図5は、図4に示す消去ブロックEBi(i=1−n)の構成を概略的に示す図である。図5において、消去ブロックEBiは、m個の消去パルス印加単位EPU1−EPUmに分割される。これらの消去パルス印加単位EPU1−EPUmは、消去ブロックEBiにおけるアドレス領域を示し、メモリマット10内におけるメモリセルの具体的配置には正確には対応しない。
消去ブロックEBiを複数の消去パルス印加単位EPU1−EPUmに分割し、所定数の消去パルス印加単位毎に消去を行なうことにより、消去ブロックEBi全体に対し同時に消去を行なう場合に比べて消去時の消費電流を低減する。
図6は、図4に示すメモリマット10に含まれる消去ブロックEBiの構成およびその周辺回路の構成を概略的に示す図である。図6においては、2行4列に配置されるメモリセルMCの配置および関連の周辺回路の構成を代表的に示す。
メモリセルMCは、図1および図2に示すように、選択トランジスタSTおよびメモリトランジスタMTの直列体で構成される。X方向に整列するメモリセルの選択トランジスタSTに対し共通に選択ゲート線CG(CGa、CGb)が設けられ、また、X方向に整列するメモリセルMCのメモリトランジスタMTに対し共通に、メモリゲート線MG(MGa、MGb)が配設される。
Y方向に整列するメモリセルに対しサブビット線SBLa、SBLb、SBLcおよびSBLdがそれぞれ設けられる。これらのサブビット線SBLa−SBLdの各々は、対応の列のメモリセルMCの選択トランジスタSTにビット線コンタクトBCTを介して接続される。ここで、サブビット線SBL(SBLa−SBLd)を用いているのは、複数の消去ブロックに共通にグローバルビット線が設けられ、このグローバルビット線を介して、センスアンプおよびライトドライバにより、データの書込/読出が実行されるためである。
選択ゲート線CGaおよびCGbに対し、選択ゲートドライブ回路40aおよび40bが設けられ、メモリゲート線MGaおよびMGbに対しメモリゲートドライブ回路42aおよび42bが設けられる。ソース線SLaが、2行に配列されるメモリセルに共通に設けられ、ソース線ドライバ回路44aにより、その電圧レベルが設定される。
選択ゲートドライブ回路40a、40b、ソース線ドライブ回路44a、およびメモリゲートドライブ回路42aおよび42bは、図3に示すXデコーダ14に含まれる。選択ゲートドライブ回路40aに対し選択ゲート電圧Vcgが一方動作電源電圧として供給され、メモリゲートドライブ回路42aおよび42bに対しメモリゲート電圧Vmgが与えられる。ソース線ドライブ回路44aに対しソース線電圧Vslが与えられる。
サブビット線SBLa−SBLbに対しビット線周辺回路50が設けられる。このビット線周辺回路50は、図示しないグローバルビット線、および図3に示すYデコーダ16、Yゲート18、センスアンプ24およびライトドライバ22を含む。
図6に示すメモリマット10(消去ブロックGBi)の構成において、消去パルス印加単位は、1行のメモリセルであってもよく、また、2行のメモリセルであってもよく、また、それよりも多数の行のメモリセルで構成されても良い。図3に示す内部電圧発生回路30の電流供給能力に応じて、最小サイズの消去パルス印加単位を構成するメモリセルの配置は適宜定められる。
消去動作時、1つの消去パルス印加単位において、選択ゲートドライブ回路40(40a,40b)により選択ゲート線CG(CGa、CGb)が非選択状態に維持され、一方、メモリゲートドライブ回路42(42a、42b)により、負のメモリゲート電圧Vmgがメモリゲート線MGへ与えられる。ソース線SLaに対しては、ソース線ドライブ回路44aにより、正の消去電圧Vslが供給される。サブビット線SBLa−SBLdは、すべて非選択状態(選択ゲート線CGと同一電圧レベル)に維持される。
したがって、消去パルス印加単位内のメモリセルMCにおいてメモリトランジスタMTのメモリゲートと対応のソース線SL(SLa、SLb)に消去電圧が印加され、消去パルス印加単位内のメモリセルに対するホットホールの注入が実行される。
図7は、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の消去時の動作を示すフロー図である。以下、図7を参照して、図3から図6に示す不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の消去動作について説明する。
図3に示す制御論理部20は、外部からのコマンドCMDをモニタし、コマンドCMDとして、消去モードを指定する消去コマンドが与えられるのを待つ(ステップS1)。
消去コマンドが与えられると、制御論理部20は、消去動作に必要な動作制御信号を所定のシーケンスで活性/非活性化する。また、内部電圧発生回路30に対し制御信号CTL1を与え、内部電圧発生回路30に内部電圧を発生させる。また、電圧レベル検知回路32(図3参照)は、制御論理部20からの電圧レベル指定信号LVにより、検知対象の電圧レベルが設定される。また、図示しないアドレスADがレジスタに格納され、消去対象のブロック(消去ブロック)を示すアドレスがセットされる(ステップS2)。
まず、この消去ブロックアドレスに従って消去対象のブロックEBiが消去状態にあるかの判定を行なう消去ベリファイが実行される(ステップS3)。この消去ベリファイ時においては、内部電圧発生回路30が生成する内部電圧は、ベリファイ電圧レベルに設定され、このベリファイ電圧レベルは、図3に示す電圧レベル検知回路32に対するレベル指定信号LVにより設定される。このベリファイ動作により、対象の消去ブロックEBiのメモリセルのデータの読出が行われる。
次いで、この消去対象のブロックのメモリセルがすべて消去状態にあるかの判定が行なわれる(ステップS4)。この消去対象のメモリセルの記憶データが、すべて消去状態を示すとき(論理値“1”)の場合、対象の消去ブロックEBiのメモリセルはすべて消去状態にあるため、消去ベリファイOKであり(パス:Pass)であり、これ以上対象ブロックに対する消去を行なう必要はなく、消去動作は終了する。
一般に、消去コマンドが与えられた場合、対象のブロックは、未消去状態であり、書込状態のメモリセルが存在するため、ベリファイ結果は、未消去状態を示すベリファイ不良(フェイル(Fail))となり、対象のブロックに対する消去が実行される(ステップS5)。この消去ブロックにおける消去パルス印加領域EPRとして、まず初期領域EPR(0)を設定し、所定のサイズの消去パルス印加領域(1または複数の消去パルス印加単位)を規定する。この初期領域EPR(0)が指定する消去パルス印加領域は、消去対象の消去ブロックEBi全体であってもよい。
この消去パルス印加領域EPRを設定した後、消去パルス印加領域EPRに対し消去パルス(EP)を印加する(ステップS6)。この消去パルス印加時においては、図3に示す内部電圧発生回路30からはメモリゲート電圧Vmgおよびソース線電圧Vslは、それぞれ、消去電圧レベルに設定され、その電圧レベルが、電圧レベル検知回路(32)により検知されており、内部電圧発生回路(30)の電圧発生動作が、この電圧レベル検知回路の検知結果(制御信号CTL2)に従って選択的に活性/非活性化される。
この消去パルス印加時において、消費される消去電流が、内部電圧発生回路(30)が供給可能な消費電流量以下であるかを、図3に示す供給能力判定回路(34)により、電圧レベル検知回路32の出力するポンプ動作制御信号をモニタして識別する(ステップS7)。この消費される消去電流と内部電圧発生回路の供給可能な消費電流量の大小関係を識別する構成については、後に詳細に説明する。簡略化して説明すると、以下のようになる。内部電圧発生回路30はチャージポンプ動作により消去電圧を発生しており、そのチャージポンプ動作の停止/実行の有無により、消費された消去電流量と内部電圧発生回路30のチャージポンプの供給可能な電流量の大小を判定する。
このステップS7において、消費される消去電流量が、内部電圧発生回路30が供給可能な電流量以上と判定された場合には、ホットホールを十分に発生することができず、指定された時間内に消去を終わることができないために(消去ベリファイ不良となるため)、消去パルス印加領域EPRを小さな領域に低減する(ステップS8)。図7に示すフロー図においては、出発消去パルス印加領域EPRのサイズを1/2倍に設定する処置を行なう。一例として、消去パルス印加領域アドレスを1ビット下位方向に縮退状態から有効状態に更新することにより、消去パルス印加領域のサイズ更新は実現される。
このステップS8において消去パルス印加領域のサイズ調整が行なわれた後、再びステップS6へ戻り、この指定された消去パルス印加領域におけるメモリセルに対する消去パルスが印加され、次いで、ステップS7において、この消去パルス印加時に消去電流と内部電圧発生回路の供給電流量の大小が比較される。このステップS6からステップS8のループは、ステップS7において消去電流の消費量が、内部電圧発生回路の供給可能な電流量以下となるまで繰返し実行される。
ステップS7において、消去パルス印加領域における消去電流の消費量が、内部電圧発生回路30の供給可能な電流量よりも小さいと識別されると、この消去対象領域(消去ブロック)の全領域(全消去パルス印加単位)に対する消去パルス印加が行なわれたかの識別が行なわれる(ステップS9)。この消去対象の領域すなわち消去ブロックにおいてまだ消去パルスが印加されていない消去パルス印加単位が残っている場合には、次の消去パルス印加領域EPRに対し、消去パルスを印加する(ステップS10)。この消去パルス印加は、ステップS8において設定された消去パルス印加領域のサイズを維持して行われる。すなわち、このステップS7において消去電流量が、内部電圧発生回路の消去電流供給量よりも小さい消去パルス印加領域のサイズで消去が実行される。
このステップS10の完了後、再びステップS9に戻る。ステップS9において、消去対象の領域、すなわち消去ブロックの全消去パルス印加単位のメモリセルに対し消去パルスが印加されたと判定されると、ステップS3に戻り、消去ベリファイが実行される。この消去ブロックのメモリセルがすべて消去状態のときには、消去動作が完了する。消去ベリファイの結果、未消去状態のメモリセルが存在する場合(消去ベリファイ不良の場合)、再び、この消去ブロックに対し、ステップS5以下の消去動作が実行される。
したがって、消去時に消費される電流量(消去電流量)は、内部電圧発生回路の消去電圧を生成する部分(チャージポンプ回路)の供給可能電流量以下の領域のうち、最大サイズの消去パルス印加領域単位で消去を行なうことができる。したがって、最悪ケースとして、最小サイズの消去パルス印加単位(EPU)毎に消去を行なう場合と同様の消去時間が要求されるだけであり、複数の消去パルス印加単位に対し並行して消去を行なうことが可能となるため、消去時間を低減することができる。
また、消去電圧発生回路の電流供給能力を最大限利用することができ、チップ(不揮発性半導体記憶装置)の実力に応じた消去時間を設定することができる。
図8は、この消去パルス印加領域EPRが、最小サイズの消去パルス印加単位EPUの場合の消去動作シーケンスを示すタイミング図である。図8に示すように、消去パルス印加単位毎に順次消去を行う選択消去の場合、消去パルス印加単位EPU1−EPUmに対して、順次消去が実行される。消去パルス印加単位EPU1−EPUm各々において消去時間Tが要するとすると、消去ブロック(消去パルス印加単位EPU1−EPUm)の消去に要する時間は、T・mとなる。消去時間Tにおいて、消去パルスが複数回連続的に印加されても良く、時間Tの幅のパルスが、消去パルスとして印加されても良い。消去パルスは、選択ゲート線およびソース線にパルス状に印加される消去電圧を示す。
図9は、消去パルス印加領域が消去ブロック全体の場合の消去動作を示すタイミング図である。図9に示すシーケンスにおいては、消去ブロックの消去パルス印加単位EPU1−EPUmに対して共通に消去が並行して行なわれる。従って、この消去ブロックの消去に要する時間は、各消去パルス印加単位の消去に要する時間と同じTである。この場合には、消去パルス印加単位毎に消去を行う場合に比べて、消去時間を1/m倍に低減することができる。
図10は、消去パルス印加領域EPRが、2つの消去パルス印加単位の場合の消去シーケンスを示すタイミング図である。図10に示すシーケンスにおいては、アドレスが隣接する2つの消去パルス印加単位EPUiおよびEPUi+1に対し並行して消去パルスが印加される。したがって、消去パルス印加単位EPUiの消去時間がTの場合、消去ブロック全体の消去に要する時間は、T・m/2となる。したがって、消去電圧を発生する部分の電流供給能力を最大限利用して消去を行なうことにより、消去に要する時間を短縮することができる。
図11は、図3に示す内部電圧発生回路30、電圧レベル検知回路32および供給能力判定回路34の構成の一例を概略的に示す図である。図11において、内部電圧発生回路30は、第1の制御信号CTL1に従ってイネーブルされて発振動作を行なう発振回路60と、発振回路60からの発振信号(ポンプクロック信号)PCLKに従ってチャージポンプ動作を行なってソース線電圧Vslを生成するチャージポンプ回路62とを含む。
発振回路60は、たとえば、リングオシレータで構成され、第1の制御信号CTL1が活性化状態(たとえばHレベル)に設定されるとイネーブルされて発振動作を行ない、電圧レベル検知回路32からの第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2が非活性状態(Lレベル)のとき、発振動作を停止する。この電圧レベル検知回路32からの第2の制御信号CTL2は、ソース線電圧Vslが所定の消去電圧レベル以上のときに非活性状態とされ、発振回路60の発振動作を停止させる。
チャージポンプ回路62は、キャパシタを含み、発振信号PCLKをポンプクロック信号として利用して、チャージポンプ動作を行なって、その出力ノードに電荷を供給してソース線電圧Vslを生成する。
電圧レベル検知回路32は、内部電圧発生回路30からのソース線電圧Vslのレベルをシフトするレベルシフタ70と、図3に示す制御論理部からの電圧レベル指定信号LVに従って消去電圧レベルの比較基準電圧Versを生成する比較基準電圧発生回路74と、この比較基準電圧Versとレベルシフタ70のシフト後のソース線電圧Vslsとを比較する比較回路72を含む。
レベルシフタ70は、消去モード時、ソース線電圧Vslの電圧レベルをシフトダウンして、シフトソース線電圧Vslsを生成する。比較基準電圧発生回路74は、電圧レベル指定信号LVに従って、この消去モード時のソース線電圧Vslの電圧レベルを規定する比較基準電圧Versを生成する。
比較回路72は、レベルシフタ70からのシフト後のソース線電圧Vslsが比較基準電圧Versよりも高いときには、第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2を非活性状態として、発振回路60の発振動作を停止させて、チャージポンプ回路62のポンプ動作を停止させる。レベルシフタ70からのシフト後のソース線電圧Vslsが比較基準電圧Versよりも低いときには、比較回路72は、第2の制御信号CTL2を活性状態に設定して、発振回路60を発振させて、チャージポンプ回路62にポンプ動作を実行させる。
供給能力判定回路34は、第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2をバッファ処理するバッファ80と、バッファ80の出力信号の立下がりをカウントするNビットカウンタ82と、カウンタ82のNビットカウントの各ビットの論理和をとるORゲート84を含む。このORゲート84から能力検出信号(能力判定結果指示信号)DETが出力される。
バッファ80は、波形整形の機能を有し、電圧レベル検知回路32の比較回路72からの第2の制御信号CTL2がノイズなどの影響を受けて瞬間的に変動する場合、また、微小振幅で振動する場合などの影響を除去する。カウンタ82は、消去パルス印加時、制御論理部からのリセット信号RSTに従ってそのカウント値が初期値の“0(10進)”に設定される。ORゲート84は、カウンタ82のカウント値の少なくとも1ビットが“1”のときに、能力判定結果指示信号DETをHレベル(“1”)に設定する。
図12は、図11に示す回路の消去時の動作を示すタイミング図である。以下、図12を参照して、図11に示す内部電圧発生回路30、電圧レベル検知回路32および供給能力判定回路34の動作について説明する。
消去コマンドが印加され、消去モードが指定されると、制御論理部20は、第1の制御信号CTL1を活性化し、内部電圧発生回路30をイネーブルし、内部動作に必要な電圧を発生させる。この第1の制御信号CTL1に従って発振回路60が発振動作を行なう(このときには第2の制御信号CTL2は活性状態にある)。この発振回路60からの発振信号PCLKに従ってチャージポンプ回路62がポンプ動作を行ない、ソース線電圧Vslの電圧レベルを上昇させる。
一方、比較基準電圧発生回路74へは、図3に示す制御論理部20からのレベル指定信号LVが与えられ、消去時のソース線の電圧を規定するソース線消去電圧Versを設定し、その電圧レベルが規定された電圧レベルに設定される。これにより、電源のセットアップが行なわれる。
消去実行前に、消去ベリファイが実行される。このベリファイ時においては、内部電圧発生回路30からのソース線電圧Vslは、利用されず、ソース線は、接地電圧レベルに設定される。この内部電圧発生回路30において、図示しない回路部分において、選択ゲート線およびメモリゲート線に対して伝達される消去ベリファイ電圧が生成され、行選択回路(Xデコーダ)へ与えられる。
この消去ベリファイ後の消去動作開始前において、まずリセット信号RSTが活性化され、カウンタ82のカウント値が初期値の“0(10進)”に設定される。
電源セットアップに従って、チャージポンプ回路62が、ポンプ動作を行い、ソース線電圧Vslの電圧レベルが上昇する。また、比較基準電圧Versが、電圧レベル指定信号LVに従って所定の電圧レベルに設定される。
内部電圧発生回路30からのソース線電圧Vslが比較基準電圧Versの電圧レベルが規定する電圧レベルよりも高くなると、すなわち、レベルシフタ70からのシフトソース線電圧Vslsが比較基準電圧Versの電圧レベルよりも高くなると、比較回路72からの第2の制御信号CTL2が非活性化される。ここで、図12においては、レベルシフタ70からのシフト電圧Vslsが比較基準電圧Versを超えてから、第2の制御信号CTL2が非活性化されているのは、以下の理由による。電源セットアップ時において、ソース線電圧(消去電圧)Vslが安定化した時、すなわち、比較基準電圧発生回路74からの比較基準電圧Versが安定化し、正確なレベル判定が行なわれるタイミングで、比較回路72の出力信号を有効とするためである。
この消去パルス印加期間が始まる前に、ソース線電圧Vslの消費は行なわれていないため、ソース線電圧Vslは、所定の電圧レベルを超え、応じて、一旦、第2の制御信号CTL2がLレベルに立下がる。この状態による判定誤動作を防止するために、消去パルスの印加期間Tの開始時に、リセット信号RSTが活性化され、カウンタ82からのカウント値が、初期値に設定される。なお、リセット信号RSTが、電源セットアップ時に活性化され、カウンタ82において、1回目の第2の制御信号CTL2の立下がりを無視する構成が、利用されても良い。
消去パルス印加期間Tが始まると、ソース線電圧Vslが、選択消去パルス印加領域のメモリセルのソース線に供給される。このとき、消去電流の消費により、ソース線電圧Vslが低下する。ソース線電圧Vslの電圧レベルが、比較基準電圧Versが規定する電圧レベルよりも低下すると、比較回路72からの第2の制御信号CTL2が活性化される。応じて、発振回路60が再び発振動作を行ない、発振信号(ポンプクロック信号)PCLKに従ってチャージポンプ回路62がポンプ動作を行なって、ソース線電圧(消去電圧)Vslの電圧レベルを上昇させようとする。
チャージポンプ回路62の電荷供給能力(電流供給能力)が消去電流により消費される電流量よりも大きい場合には、ソース線電圧Vslは、比較基準電圧Versが規定する電圧レベルよりも高くなり、第2の制御信号CTL2が非活性化され、チャージポンプ回路62のポンプ動作が停止される。ポンプ動作が停止しても、電荷供給がある期間持続するため、ソース線電圧Vslの電圧レベルは、上昇する。この場合、消去パルスは、消去期間Tにおいて、間歇的に生成されてメモリセルに与えられても良い。
この第2の制御信号CTL2の非活性化(立下がり)に従って、カウンタ82がカウント動作を行い、ORゲート84からの能力判定結果指示信号DETがHレベルの活性状態に駆動される。
以降、ポンプ動作停止時において消去電流が消費されるため、ソース線電圧Vslが電圧Versが規定する電圧レベル以下に低下する毎に、第2の制御信号CTL2が活性/非活性化を繰返し実行し、カウンタ82のカウント値が増分される。カウンタ82のカウント値は、リセット信号RSTが与えられるまで維持されるため、能力判定結果指示信号DETは活性状態(Hレベル)を維持する。
消去パルス印加期間Tが完了すると、比較基準電圧発生回路74が、電圧レベル指定信号に従って動作を停止し、比較基準電圧Versが初期値に設定される。この過渡期において、電圧Vslが、比較基準電圧Versが規定する電圧レベルが高いため、第2の制御信号CTL2は非活性状態を維持し、発振回路60は、第1の制御信号CTL1が活性状態であっても発振動作を停止する。応じてチャージポンプ回路62のポンプ動作は停止され、信号線における放電またはリークにより、ソース線電圧Vslの電圧レベルが低下する。所定期間が経過すると、第1の制御信号CTL1が非活性化され、発振回路60の発振動作が停止される。この後、次の消去パルス印加領域に対する消去が行われ、消去ブロックの消去が完了すると、ベリファイ動作が実行される。
したがって、消去電流の消費量が、チャージポンプ回路62の電流供給能力よりも小さい場合には、チャージポンプ回路62は、ポンプ動作の活性/非活性化を繰返すため、この非活性状態への移行が生じた場合、チャージポンプ回路62の電流供給能力は消去電流の消費量よりも大きいと識別することができる。
図13は、図11に示すチャージポンプ回路の消去電流供給能力が、消費される消去電流よりも小さい場合の動作を示すタイミング図である。以下、図13を参照して、図11に示すチャージポンプ回路62の電流供給能力が、消去電流の消費電流量よりも小さい場合の動作について説明する。
消去パルス印加前の動作は、図12に示す動作と同じであり、比較基準電圧発生回路74からの比較基準電圧Versが、電圧レベル指定信号LVが指定する電圧レベルに設定される。また、チャージポンプ回路62がポンプクロック信号PCLKに従ってポンプ動作を実行する。消去パルス印加前に、リセット信号RSTに従ってカウンタ82のカウント値が初期値の“0”に設定される。
消去パルス印加動作が始まると、ソース線電圧Vslに従ってホットホールが生成されるため、消去電流が流れ、その電圧レベルが低下し、シフトソース線電圧Vslsが、比較基準電圧Versの電圧レベルよりも低下する。応じて、比較回路72からの第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2が活性化される。この場合、消去電流は、チャージポンプ回路62から供給される電流(電荷量)よりも多く消費されるため、ソース線電圧Vslは、比較基準電圧Versが規定する電圧レベルよりも低い状態に維持される。ソース線電圧Vslが低下した状態では、生成されるホットホール量が低減され、消費電流量が少し低下するため、ソース線電圧Vslの電圧レベル低下速度は、少し遅くなる。しかしながら、この場合、ソース線電圧Vslは、比較基準電圧Versが規定する電圧レベルよりも低い電圧レベルであり、第2の制御信号CTL2は非活性状態(Lレベル)に維持され、発振回路60は、制御信号CTL1およびCTL2に従って発振動作を行なって、ポンプクロック信号PCLKを生成する。
したがって、チャージポンプ回路の電流供給能力が消費電流量よりも小さい場合には、第2の制御信号CTL2の立下がりは生じないため、カウンタ82のカウント値は初期値(“0”)に維持され、ORゲート84からの能力判定結果指示信号DETはLレベルの非活性状態に維持される。
消去パルス印加時間Tが完了すると、ソース線電圧Vslの消費期間が完了し、その電圧レベルが上昇する。このとき、過渡期間において、比較基準電圧Versの電圧レベルが初期値に復帰し、シフト後のソース線電圧Vslsよりも低くなるため、第2の制御信号CTL2が立下がる。このときには、消去パルス印加時間Tは完了しているため、判定信号DETが破線で示すように立上がっても何ら判定動作には影響は及ぼさない(制御論理部においては消去パルス印加期間Tにおける信号DETのレベルを検知して能力判定を行なう)。
以上のように、チャージポンプ回路62の電流供給能力と消去時に消費される消去電流量との大小関係に応じて、第2の制御信号CTL2に従って、カウンタ82のカウント値が初期値またはそれ以外の値に設定される。したがって、能力判定結果指示信号DETの論理レベルを識別することにより、チャージポンプ回路62の電流供給能力が、消去電流の消費電流量よりも大きいか小さいかを識別することができる。
[電圧レベル検知回路の変更例]
図14は、図1に示す電圧レベル検知回路の変更例の構成を概略的に示す図である。図14においては、内部電圧発生回路30および供給能力判定回路34の構成は、図11に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付して、その詳細説明は省略する。但し、供給能力判定回路34からの出力信号は、補の供給能力判定結果指示信号ZDETである。
電圧レベル検知回路32は、第1および第2のレベル検知回路32Aおよび32Bを含む。第1のレベル検知回路32Aは、図11に示す電圧レベル検知回路32の構成と同じであり、ソース線電圧Vslをシフトダウンするレベルシフタ70、比較基準電圧Versを生成する比較基準電圧発生回路74、およびレベルシフタ70からのシフトソース線電圧Vslsと比較基準電圧Versを比較して第2の制御信号(ポンプ動作制御信号)CTL2を生成する比較回路72を含む。この第2の制御信号CTL2は、図11に示す構成と異なり、発振回路60の発振動作を制御するために利用されるものの、供給能力判定回路34においては利用されない。
供給能力判定回路34は、第2のレベル検知回路32Bの出力信号CTL3に従って内部電圧発生回路の電流供給能力を判定する。この第2のレベル検知回路32Bは、レベルシフタ75、比較基準電圧発生回路79および比較回路77を含む。レベルシフタ75は、ソース線電圧Vslをシフトダウンする。比較基準電圧発生回路79は、制御論理部(図3参照)からの第2の電圧レベル指定信号LV2に従って、所定の電圧Vmonを生成する。この所定の電圧Vmonは、一定の電圧であり、例えば、ソース線電圧Vslの許容下限値を規定する電圧レベルである。
比較回路77は、レベルシフタ75からのシフトソース線電圧Vsls2と所定電圧Vmonとを比較し、シフトソース電圧Vsls2が所定電圧Vmonよりも高い時には、出力制御信号CTL3をHレベル(論理値“1”)に設定する。シフトソース線電圧Vsls2が、所定電圧Vmonよりも低いときには、出力制御信号CTL3は、Lレベル(論理値“0”)に設定される。所定電圧Vmonとシフトソース線電圧Vsls2が等しいときには、出力制御信号CTL3が、HレベルおよびLレベルのいずれに設定されるかは、能力判定基準に応じて適宜定められれば良い。
この図14に示す構成においては、内部電圧発生回路30のポンプ動作は、図11に示す構成と同様レベル貴低電圧Versとソース線電圧Vslとの関係に応じて制御される。一方、供給能力判定回路34の動作は、第2のレベル検知回路32Bからの出力制御信号CTL3に従って行われる。すなわち、ソース線電圧Vslが所定電圧Vmonが規定する電圧よりも低いときには、出力制御信号CTL3がLレベルとなり、供給能力判定回路34のカウンタ82がカウント動作を行い、ORゲート84からの能力判定結果指示信号DETがHレベルの活性状態に駆動される。
以降、内部電圧発生回路30のポンプ動作の活性/非活性に係わらず、ソース電圧Vslが所定電圧Vmonが規定する電圧レベル以下に低下する毎に出力制御信号CTL3が活性/非活性化され、カウンタ82のカウント値が増分される。従って、ソース線電圧Vslが所定電圧Vmonが規定する電圧レベルよりも低下すると、能力判定結果指示信号ZDETは、リセット信号RSTが与えられるまでHレベルに維持される。
従って、この図14に示す回路構成の動作は、図12および13において、能力判定結果指示信号DETのレベル遷移タイミングが、ソース線電圧規定電圧Versに代えて所定電圧Vmonにより規定されることを除いて同じである。
すなわち、ポンプ動作を行ってソース線電圧Vslが電圧Versが規定する電圧レベルを基準として振動する場合においても、ソース線電圧Vslが所定電圧Vmonが規定する電圧レベル以上であれば、能力判定結果指示信号ZDETがLレベルに維持され、チャージポンプ回路62のポンプ能力は、消費消去電流量を満たす条件にあると判定される。一方、ソース線電圧Vslが、一度でも所定電圧Vmonが規定する電圧レベル以下となると、能力判定結果指示信号ZDETがカウンタ82のカウント値に従ってHレベルとされ、チャージポンプ回路62のポンプ能力は、消費消去電流量を満たすことができないと判定される。
従って、この図14に示す構成を利用しても、図11に示す構成と同様、チャージポンプ回路62の電流供給能力と消去時に消費される消去電流量との大小関係に応じて、出力制御信号CTL3に従って、カウンタ82のカウント値が初期値またはそれ以外の値に設定される。消去パルス印加期間Tにおける信号ZDETの論理レベルを制御論理部において検知、識別することにより、チャージポンプ回路62の電流供給能力が、消去電流の消費電流量よりも大きいか小さいかを識別することができる。この判定結果に従って、図11に示す構成と同様にして、ソース線電圧Vsl、すなわち貴低電圧Versの電圧レベルが調整される。
図15は、図3に示す消去条件調整部36の構成の一例を概略的に示す図である。図15においては、消去パルス印加単位EPUiが、8ビットの相補アドレスa0,/a0−a7,/a7により指定される場合の構成を一例として示す。また、消去パルス印加領域の初期領域は、消去ブロックEBiの1/2倍のサイズの領域が指定される場合を示す。
図15において、消去条件調整部36は、8ビットカウンタ90と、電源電圧VCCを伝達して7ビット情報を生成する櫛型配線92と、能力判定結果信号DETに従ってタイミング信号を生成するタイミング制御回路94と、タイミング制御回路94の出力信号に従って櫛型配線92および8ビットカウンタ90の生成値を選択して、制御パルス印加単位アドレスa0,/a0−a7,/a7を生成するシフトセレクタ96を含む。
8ビットカウンタ90は、カウント指示信号CNTに従ってカウント動作を行ない、8ビットカウントb0−b7を生成する。このカウント指示信号は、消去パルス印加期間毎に活性化され、カウンタ90は、消去パルス印加領域更新毎にカウント値を更新する。
櫛型配線92は、7つの分岐配線92a−92gに分岐され、これらの分岐配線92a−92gにより7ビットの“1”のデータを生成する。
タイミング制御回路94は、能力判定結果指示信号DETがHレベルに設定されると、所定のタイミングで、シフトセレクタ96における選択経路をシフトするシフト制御信号SFTDを生成する。シフトセレクタ96は、初期状態においては、分岐配線92a−92gの生成する7ビットデータと、8ビットカウンタ90の最下位ビットb0とを選択し、分岐配線92a−92gからのビット“1”を下位側ビットとし、カウンタ90のカウント値b0を最上位ビットとして8ビットアドレスa0−a7,/a0−/a7を生成する。
ここで、上記状態においては、消去パルス印加領域(EPR)の初期領域(EPR(0))は、全消去ブロックの全体の1/2倍の領域である。初期領域EPR(0)が、消去ブロック全体の場合には、分岐配線92として8分岐配線を利用することにより、8ビット全ビットが“1”のアドレスを生成して、消去ブロック全体を指定することができる。
シフトセレクタ96は、タイミング制御回路94からのシフト制御信号SFTDに従って、カウンタ90のカウントビットから選択するカウントビット数を1ビットずつ増大し、かつ分岐配線92a−92gから選択するビット数を1ビットずつ低減し、サイズが順次低減された消去パルス印加領域を指定する8ビットのアドレスを生成する。
図16から図19は、図15に示す消去条件調整部36の消去パルス印加領域の更新シーケンスを概略的に示す図である。以下、図16から図19を参照して、この図15に示す消去条件調整部36のサイズ更新動作について説明する。
まず、図16(A)に示すように、初期状態として、分岐配線92a−92gからの7ビットの“1”がシフトセレクタ96により選択され、消去パルス印加単位アドレスビットa6,/a6−a0−/a0がすべて縮退状態に設定される。ここで、縮退状態は、相補ビットajおよび/ajが、ともに“1”に設定される状態を示す。一方、シフトセレクタ96は、8ビットカウンタ90の最下位カウントビットb0を選択して、消去パルス印加単位アドレスの最上位ビットa7,/a7を生成する。
この状態においては、図16(B)に示すように、消去ブロックEBiの半分の領域HRAおよびHRBが、アドレスビットa7の“1”および“0”に従って指定される。アドレスビットa6,/a6−a0−/a0が縮退状態であるため、この初期状態の消去パルス印加領域は、半分の領域HRAまたはHRBとなる。
この半分の領域HRAまたはHRBの消費消去電流が、チャージポンプ回路の電流供給能力よりも大きい場合、能力判定結果指示信号DETに従って消去パルス印加領域のサイズ調整が行なわれる。この場合、図17(A)に示すように、シフトセレクタ96は、タイミング制御回路94からのシフト制御信号SFTDに従って、分離配線92g−92bからの6ビットの“1”を選択して消去パルス印加単位アドレスa5,/a5−a0,/a0を生成する。これらのアドレスビットa5,/a5−a0,/a0は縮退状態にある。また、シフトセレクタ96は、この8ビットカウンタ90の2ビット下位カウント値b0およびb1を選択し、上位消去パルス印加単位アドレスビットa7,/a7およびa6,/a6を生成する。
この状態においては、図17(B)に示すように、消去ブロックEBiは、上位ビット(a7,a6)のビット値に従って4つの領域QRA−QRDに分割され、この4分割領域QRA−QRD各々を消去パルス印加領域として消去を実行する。
この4分割領域QRA−QRDに対する消去を行なう際の消去電流消費量が、内部電圧発生回路に含まれるチャージポンプ回路の電流供給能力よりも大きいときには、再び、能力判定結果指示信号DETがHレベルの活性状態とされ、図15に示すセレクタ96がタイミング制御回路94からのシフト制御信号SFTDに従って選択態様を1つシフトする。以降、この動作を繰返し実行する。これにより、縮退アドレスビットの数が順次低減され、有効アドレスビット数が順次増大され、消去パルス印加領域のサイズが1/2ずつ低減される。
すなわち、図18(A)において、シフトセレクタ96は、分岐配線92gからのビット“1”を選択して、縮退消去パルス印加単位アドレスの最下位ビットa0,/a0を生成し、また、8ビットカウンタ90のカウント値b0−b6を選択して有効消去パルス印加単位アドレスビットa7,/a7−a1,/a1を生成する。この状態においては、アドレスビットa0,/a0が縮退状態であるため、図18(B)に示すように、消去ブロックEBiにおいてアドレスビットa0の“0”および“1”の2つの領域EPUAおよびEPUBが並行して選択されて、消去が実行される。すなわち、この状態においては、最小サイズの消去パルス印加単位EPUを2つ選択して消去が実行される。
1つの消去パルス印加単位EPUi毎に消去が実行される場合には、図19(A)に示すように、シフトセレクタ96は、8ビットカウンタのカウントビットb0−b7を選択して、8ビット有効消去パルス印加単位アドレスa7,/a7−a0,/a0を生成する。この場合には、ビットa7,/a7−a0,/a0はすべて有効状態であるため、図19(B)に示すように、消去ブロックEBiに含まれる消去パルス印加単位EPU1−EPUmに対し、順次消去パルス印加単位毎に消去が実行される。
したがって,図15に示す消去条件調整部36の構成を利用し、供給能力判定結果信号DETに従ってシフトセレクタ96の選択態様をシフトさせることにより、消去パルス印加領域のサイズを順次低減することができる。
[変更例]
図20は、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の制御論理部に含まれる供給能力判定回路34の変更例の構成を概略的に示す図である。この図20に示す供給能力判定回路34の構成は、以下の点で、図11に示す供給能力判定回路の構成と異なる。すなわち、Nビットカウンタ82からのNビットカウント値が、能力判定結果指示信号DETNとして消去条件調整部36へ与えられる。この供給能力判定回路34の他の構成は、図11に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図20に示す供給能力判定回路34の構成において、多ビット供給能力判定結果指示信号DETNの値を、消去条件調整部36が、予め定められた値と比較し、その比較結果に従って消去パルス印加領域のサイズの調整を行なう。この場合、図12に示すように、消去パルス印加期間Tにおいてソース線電圧Vslが基準電圧Versが決定する電圧レベルに対して振動する場合においても、その振動回数に基づいて、消去時の消費電流が、チャージポンプ回路(62)の電源供給能力よりもどの程度大きいか小さいかの判定を行なう。これにより、内部電圧発生回路のチャージポンプ回路62の電流供給能力を最大限に利用して、消去を行なうことができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、消去動作時、その消去電流量と内部電圧発生回路(チャージポンプ回路)の電流供給能力との比較に基づいて消去パルス印加領域のサイズを調整している。したがって、この内部電圧発生回路に含まれるチャージポンプ回路の電流供給能力を最大限利用して消去を行なうことができ、消去に要する時間を短縮することができる。
また、消去電圧レベルを検出して大小判定を行なっており、半導体記憶装置個々にメモリセルおよび消去電圧発生回路の特性に応じて、最適なサイズの消去パルス印加領域を設定して消去を行なうことができる。
[実施の形態2]
図21は、この発明の実施の形態2に従う不揮発性半導体記憶装置の消去時の動作を示すフロー図である。この発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置の全体の構成は、図3に示す構成と同じであり、また、メモリマット、および消去ブロックの構成も、図4および5に示す構成と同じである。以下、図21を参照して、この発明の実施の形態2に従う不揮発性半導体記憶装置の消去時の動作について説明する。
まず、外部から消去を示す消去コマンドが印加されるのを待つ(ステップS20)。消去コマンドが印加されると、消去対象のブロックおよびこの消去ブロック内の消去パルス印加単位のアドレスをセットし、また、消去に必要な電圧を生成する内部電圧発生回路のセットアップを実行する(ステップS21)。
次いで、消去電圧レベルを決定する設定値Vsetを初期値V(初期値)に設定する(ステップS22)。ここで、ステップS22における消去電圧の設定値を初期値とする構成においては、予め定められた消去電圧の設定値が、初期値V(初期値)として利用される。
次いで、指定された消去対象のブロックに対し消去ベリファイを実行する(ステップS23)。消去ベリファイが行なわれ、この消去対象のブロック(消去ブロック)のメモリセルがすべて消去状態の場合には、消去ベリファイOK(パスPass)であり、この消去対象のブロックに対して消去を行なう必要はなく、消去動作は完了する。
今、消去対象の消去ブロックは、未消去状態であり、ベリファイ不良となる。この消去ベリファイ不良(Fail)の場合には、設定値Vsetに従って消去電圧レベルを規定する電圧Versの電圧レベルを設定する(ステップS24)。図21においては、設定値Vsetが、消去電圧比較基準値Versとして設定される場合を一例として示す。
次いで、消去パルスを、消去ブロック内の先頭の消去パルス印加単位EPUへ印加する(ステップS25)。
この消去パルス印加時において、1つの消去パルス印加単位EPUの消去パルス印加期間を分割する。各消去分割期間毎に、消去電流の消費電流量が、内部電圧発生回路の電流供給能力を超えているかの判定を行なう(ステップS26)。この消去時の消費電流が、内部電圧発生回路(チャージポンプ回路)の電流供給能力を超えているかの判定は、先の実施の形態1において用いた手法と同様の手法を用いて実行される。
この消去時の消費電流がチャージポンプ回路(内部電圧発生回路)の電流供給能力を超えていない場合には、消去電圧の比較基準電圧VersのレベルをΔVだけ高くする(ステップS27)。この消去電圧の基準電圧Versを所定値ΔV高くすることにより、メモリセルのしきい値電圧低下に伴うゲート−ソース間電界低下を補償して、消去速度を維持する。
一方、消去時の消費電流が内部電圧発生回路の電流供給能力よりも大きい場合には、この消去電圧の設定値を維持するかまたはΔV低くする(ステップS28)。この消去電圧レベルの調整後、消去パルス印加期間が完了したかの判断が行なわれる(ステップS29)。
まだ消去パルス印加期間が完了していない場合には、再びステップS26に戻り、消去パルスを印加するとともに、この消去時の消費電流をモニタする。ここで、消去パルス印加期間中、消去パルス印加期間内の分割単位毎に消費電流の大小判定を行ない、消去パルスは連続的に、この消去パルス印加期間(T)の間印加される。
一方、ステップS29において消去パルス印加期間が完了したと判定されると、そのときの消去電圧レベルを規定する基準電圧Versが図示しないレジスタに格納される(ステップS30)。
次いで、この消去ブロック内のすべての消去パルス印加単位の消去が完了したかの判定が行なわれる(ステップS31)。まだ消去ブロック内のすべてのパルス印加単位に対して消去パルスが印加されていない場合には、次の消去パルス印加単位EPUを指定し(ステップS32)、次いで、ステップS24へ戻る。
この消去ブロック内のすべての消去パルス印加単位EPUに対する消去パルス印加が完了すると、設定値Vsetとして、ステップS30においてレジスタに格納された消去電圧Versで更新する(ステップS33)。この後、ステップS23に戻ってこの消去ブロックに対する消去ベリファイを実行する。
図22は、この発明の実施の形態2に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図22においては、図11に示す構成と同様に、内部電圧発生回路30、電圧レベル検知回路32および供給能力判定回路34の構成を示す。この図22に示す構成は、以下の点で、電圧レベル検知回路32の構成が、図11に示す回路の構成と異なる。すなわち、電圧レベル検知回路32において、比較基準電圧発生回路100は、電圧選択信号VSELに従って比較基準電圧Versの電圧レベルを調整する。初期設定値は、電圧レベル指定信号LVを含む電圧選択信号VSELにより設定される。能力判定回路34において、ORゲート84から能力判定結果指示信号DETAが生成される。この図22に示す電圧レベル検知回路32の他の構成および内部電圧発生回路30、および供給能力判定回路34の構成は、図11に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図23は、図22に示す回路構成の動作を示すタイミング図である。以下、図23を参照して、この図22に示す回路構成の消去時の動作について説明する。
消去パルス印加期間Tにおいて、連続的に消去パルスEPが印加される。まず、第1の制御信号CTL1に従って内部電圧発生回路30がチャージポンプ動作により、消去時のソース線電圧Vslを生成する。電圧レベル検知回路32においては、比較基準電圧発生回路100が、電圧選択信号VSELに従ってその検出レベルが設定値Vers0(=Vset=V(初期値))に設定される。この状態で消去パルスEPが生成される。
消去動作開始時において、チャージポンプ回路62は、ポンプ動作を停止している。消去動作に従って、消去電流が流れ、消去電圧(ソース線電圧Vsl)のレベルが低下する。このソース線電圧の低下に従って比較回路72の出力するポンプ動作制御信号CTL2が活性化され、チャージポンプ回路62がポンプ動作を行って、ソース線電圧のレベルを上昇させる。チャージポンプ回路62の電流供給能力が大きい場合には、ソース線電圧Vslの電圧レベルが比較基準電圧Versが規定する電圧レベルよりも上昇し、ポンプ動作制御信号CTL2が非活性化される。応じて、カウンタ82がカウント動作を行い、判定結果指示信号DETAが活性化される。
この判定結果指示信号DETAの活性化に従って電圧選択信号VSELの状態が更新され、比較基準電圧発生回路100が生成する比較基準電圧Versの電圧レベルが、ΔV高くされ、電圧Vers1に設定される。この電圧設定後にリセット信号RSTが活性化され、カウンタ82のカウント値が初期値に設定され、判定結果指示信号DETAが、非活性化される。リセット信号RSTは、消去パルス印加期間Tにおいて期間T0ごとに生成され、この期間T0が消去電流消費量検出期間として設定される。
ソース線電圧Vslの電圧レベルが更新後の比較基準電圧よりも高くなると、ポンプ動作制御信号CTL2が非活性化され、ポンプ動作が停止する。この制御信号CTL2の非活性化は、リセット信号RSTにより、カウントされない。再び、消去電流の消費により、ソース線電圧Vslが低下すると、ポンプ動作制御信号CTL2が活性化され、ソース線電圧Vslの電圧レベルが上昇する。
ソース線電圧Vslの電圧レベルが比較基準電圧Vers1が規定する電圧レベルを超えると,ポンプ動作制御信号CTL2が非活性化される。応じて、カウンタ82のカウント値が更新され、判定結果指示信号DETAが活性化される。この判定結果指示信号DETAの活性化に従って、電圧選択信号VSELが更新され、比較基準電圧が更新され、電圧Vers1から、さらに電圧Vers2に更新される。
この比較基準電圧Versの更新に従って、ポンプ動作制御信号CTL2が活性化され、チャージポンプ回路62がポンプ動作を行い、ソース線電圧Vslのレベルを上昇させる。ソース線電圧Vslのレベル上昇に従って、消去電流消費量が増大する。この消去電流の消費量とチャージポンプ回路62の電流供給能力(電荷供給能力)がほぼ等しいか、消費消去電流量が大きくなると、ポンプ動作制御信号CTL2は活性状態を維持し、チャージポンプ回路62が継続してポンプ動作を行って電荷を供給する。この状態においては、判定結果指示信号DETAは、非活性状態に維持される。従って、期間T0経過後にリセットパルスRSTが活性化される前には、この非活性状態の判定結果指示信号DETAに従って電圧選択信号VSELの状態は更新されないか、または、比較基準電圧Versの電圧レベルが低下される。この比較基準電圧Versの電圧レベル低化時の降下ステップは、上昇ステップと同じとされても良く、異なっても良い(電圧上昇時の電圧ステップと電圧低下時の電圧ステップとが変更されてもよい)。
消去パルス印加期間Tが経過すると、比較基準電圧Versが所定の初期値に変更され、ソース線電圧Vslが、比較基準電圧Versよりも高くなり、ポンプ動作制御信号CTL2が非活性化される。このときには、消去パルス印加期間Tは完了しており、このポンプ動作制御信号CTL2の非活性化は無視される。
したがって、この消去パルス印加期間Tを複数のレベル判定期間T0に分割し、各分割判定期間毎に、ソース線電圧Vslの電圧レベルに従って、ソース線電圧(消去電圧)レベルを調整することにより、正確に、内部電圧発生回路の電流供給能力を十全に利用して消去動作を行なうことができ、また、チャージポンプ回路62が供給可能な消去電圧レベルの最大値を利用することができ、消去パルス印加回数およびベリファイ回数を低減でき、消去時間を短縮することができる。
なお、図23に示す動作タイミングにおいては、連続的に消去パルスが印加されている。しかしながら、この消去パルス印加期間Tにおいて、分割消去パルスが、判定期間T0の周期で生成されても良い。この場合の判定動作は、図12に示すタイミングにおいてパルス印加期間Tを判定期間T0と読み替えることにより、示すことができる。
図24は、この発明の実施の形態2に従う制御論理部に含まれる消去条件調整部36の構成の一例を概略的に示す図である。図24においては、電圧レベル検知回路に含まれる比較基準電圧発生回路100の構成をあわせて示す。
図24において、比較基準電圧発生回路100は、定電流を生成する定電流源110と、この定電流源110からの定電流を電圧に変換する可変抵抗112を含む。この可変抵抗112は、その抵抗値が電圧選択信号VSELに従って設定され、その抵抗値に従って比較基準電圧Versの電圧レベルが設定される。
消去条件調整部36は、第1の制御信号CTL1の活性化時、判定結果指示信号DETAをカウントするカウンタ116と、カウンタ116のカウント値をデコードして、電圧選択信号VSELを生成するデコーダ114を含む。このデコーダ114の初期値は、比較基準電圧Versを設定値(初期設定値:Vers0)に設定するレベル指定信号LVにより規定される。
この図24に示す構成においては、1つの消去パルス印加単位に対する消去動作時、第1の制御信号CTL1は活性状態にあり、カウンタ116がイネーブルされる。この間、カウンタ116は、判定結果指示信号DETAの活性化に従ってそのカウント値が更新される。デコーダ114は、このカウンタ116のカウント値をデコードし、電圧選択信号VSELを生成する。したがって、消去パルス印加期間Tにおいて各判定期間T0ごとに判定結果指示信号DETAが、活性化されるかまたは非活性状態に維持される。従って、カウンタ116のカウント値は、信号DETAの活性化毎に増分される。応じて、順次、電圧選択信号VSELは、レベル指定信号LVにより指定された初期値から、カウンタ116のカウント値に従って、可変抵抗器112の抵抗値を高くするように設定される。
可変抵抗器112は、複数の単位抵抗素子とこれらの単位抵抗素子と並列に接続されるスイッチング素子を含み、このスイッチング素子を選択的に電圧選択信号VSELにより導通/非導通状態に設定し、その抵抗値が調整される。これにより、比較基準電圧Versの電圧レベルを調整することができる。
この比較基準電圧Versの電圧レベルを低下させる場合には、この能力判定結果信号DETAが能力判定期間T0中Lレベルに維持されている場合にカウンタ116のカウント値を逆方向に変更する(信号DETAの活性化時カウント値が増分される場合にはそのカウント値を減分する)。
この場合、可変抵抗素子112に対し、電圧Versの上昇ステップΔVuと比較基準電圧Versの減分ステップΔVdの幅を異ならせ、減分時には、その電圧レベルステップ幅が小さくされてもよい。カウンタ116の増分時のカウント幅と減分時のカウント変化幅を異ならせてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、消去パルス印加単位に対し、その消去電流は、消去電圧発生部の供給能力の大小に応じてその消去電圧レベルを調整している。したがって、このチャージポンプ回路の電流供給能力範囲内で、最大限、消去パルス電圧レベルを上昇させることができ、消去パルス印加時間を短縮することできる。
[実施の形態3]
図25は、この発明の実施の形態3に従う不揮発性半導体記憶装置の消去時の動作を示すフロー図である。この図25に示す消去動作のフローは、以下の点で、図7に示す実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の消去動作と異なる。
すなわち、ステップS7において、電流供給能力と消費電流との大小比較判定が行なわれ、消費電流量が電流供給能力よりも大きいと判定されると、次いで、この消去パルス印加領域EPRが、最小サイズの消去パルス印加単位EPUに等しいかの判定が行なわれる(ステップS40)。このステップS40において指定されたパルス印加領域EPRが、最小サイズの消去パルス印加単位EPUに等しい場合には、この消去時の比較基準電圧Versの電圧レベルを増分する(ΔVだけ)(ステップS42)。このステップS42において消去パルス印加単位に対する消去電圧レベルを上昇させた後、再びステップS6へ戻る。
一方、ステップS40において、消去パルス印加領域EPRが最小サイズの消去パルス印加単位EPUにまで低減されていない場合には、ステップS8において、消去パルス印加領域EPRのサイズを低減した後に、ステップS6に戻る。これらのステップS40およびS42の追加のステップが、図7に示す実施の形態1に示す消去動作フローと異なる。それ以外の消去動作は、図7に示す実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の消去動作と同じであり、対応する動作ステップには同一のステップ番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図25に示す動作フローは、実質的に、実施の形態1および2の組合せである。したがって、消去パルスの印加時間を低減でき、また消去パルス印加単位EPUに対する消去を行なう場合においても消去電圧を高くして、消去を行なうことができ、高速で消去状態へ移行させることができ、ベリファイ回数を低減できる。
図26は、この発明の実施の形態3に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図26においては、図24に示す比較基準電圧発生回路と制御論理部に含まれる消去条件調整部36(図3参照)に対応する部分の構成を示す。
図26に示す消去条件調整部36は、以下の点で、図24に示す消去条件調整部36と、その構成が異なる。すなわち、タイミング制御信号SFTDをカウントするサイズカウント回路122が設けられる。このサイズカウント回路122からのカウントアップ信号および供給能力判定結果指示信号DETAがカウンタ120へ与えられる。カウンタ120は、サイズカウント回路122からのカウントアップ信号が発生されると、第1の制御信号CTL1に従ってカウント動作がイネーブルされる。カウンタ120のカウント値が、デコーダ114へ与えられ、そのデコード結果に従って比較基準電圧発生回路00に対する電圧選択信号VSELが生成される。
この図26に示す比較基準電圧発生回路100の構成は、図24に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
カウント回路122へ与えられるシフトタイミング制御信号SFTDは、図15に示すタイミング制御回路94からシフトセレクタ96へ与えられる制御信号である。したがって、このシフトタイミング制御信号SFTDの数をカウントすることにより、初期設定された消去パルス印加領域のサイズから、最小サイズの消去パルス印加単位にまで消去パルス印加領域のサイズが低減されたかの識別を行なうことができる。
サイズカウント回路122は、そのカウント値が所定値に到達し、消去パルス印加領域のサイズが消去パルス印加単位と等しくなったときにカウントアップ信号を生成する。カウンタ120は、サイズカウント回路122からカウントアップ信号が与えられるまで、カウント動作は停止する。したがって、カウンタ120は、この消去パルス印加領域のサイズが最小サイズの消去パルス印加単位に到達したときに、イネーブルされ、能力判定結果指示信号DETAの数をカウントする。
デコーダ114は、レベル指定信号LVに従ってその初期値が設定され電圧選択信号VSELを生成し、消去比較基準電圧Versの電圧レベルを初期設定する。したがって、消去サイズが、消去パルス印加単位になったときに、カウンタ120のカウント値に従ってデコーダ114が電圧選択信号VSELを生成し、その消去電圧レベルを調整する。
すなわち、サイズカウント回路122のカウントアップ信号に従って図25に示すステップS40における判定処理が実行される。消去パルス印加領域のサイズ更新は、信号DETに従って実施の形態1と同様の態様で実行される。
[変更例1]
図27は、この発明の実施の形態3に従う不揮発性半導体記憶装置の変更例1の消去時の動作を示すフロー図である。この図27に示す消去動作のフローは、以下の点で、図7に示す実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の消去動作と異なる。
すなわち、ステップS4において消去ベリファイ判定を行なった後、ステップS50において、このベリファイ回数が所定値k(≧2)に到達しているかの判定を行なう。ベリファイ回数が所定値kに到達するまでは、消去パルス印加領域EPRとして、最小ブロックサイズの消去パルス印加単位EPUの先頭単位EPU(0)を設定する(ステップS52)。次いで、この設定された消去パルス印加単位EPU(0)に対し消去パルスを印加する(ステップS54)。
この後、ステップS9において、すべての消去対象の領域に対し消去パルスの印加が行なわれたかの識別が行なわれる。未消去領域が残っている場合には、消去対象の消去ブロックの消去パルス印加単位について消去パルスが印加される(処理ステップS9およびS10)。消去対象のブロックの全領域に対する消去が完了すると、再びステップS3からの処理が実行される。ベリファイ回数が所定値kに到達すると、ステップS5以下の実施の形態1と同様の動作が実行される。この場合には、消去パルス印加領域EPRとして初期値EPR(0)に設定され、この消去パルス印加領域に対し消去パルスが印加される。以降、実施の形態1と同様の処理が実行される。
したがって、この変更例1における消去動作においては、ベリファイ回数が所定値kに到達するまでは、消去パルス印加単位毎に消去パルスを印加し、消去および消去ベリファイを実行する。ベリファイ回数が所定値kに到達すると、消去パルス印加領域サイズを更新して、チャージポンプ回路(内部電圧発生回路の消去電圧発生部)の電流供給能力に応じたサイズの消去パルス印加領域に対して消去を実行する。したがって、ベリファイ回数が所定値k到達した後の消去パルス印加期間を短くすることができ、全体としての消去時間を短縮することができる。
図28は、この発明の実施の形態3の変更例1に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図28においては、図11および図15に示す回路に対応する部分の構成、すなわち、内部電圧発生回路30、電圧レベル検知回路32、供給能力判定回路34および消去条件調整部36の構成を示す。
消去条件調整部36においては、8ビットカウンタ90からのカウントアップ信号CUPをカウントするベリファイカウント回路130が設けられる。このベリファイカウント回路130からの制御信号VKが、供給能力判定回路34に含まれるカウンタ82へ与えられ、また、シフトセレクタ96へ与えられる。この図28に示す内部電圧発生回路30および電圧レベル検知回路32および供給能力判定回路34および消去条件調整部36の構成は、図11および図15にそれぞれ示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
シフトセレクタ96は、ベリファイカウント回路130からの制御信号VKが非活性状態のときには、8ビットカウンタ90からのカウントビットb0−b7を選択して相補アドレスビットa0,/a0−a7,/a7を生成する。このアドレスビットに従って消去ブロックの消去パルス印加単位毎に消去が実行される。
この8ビットカウンタ90からのカウントアップ信号CUPが活性化されると、消去ブロック内の消去パルス印加単位にすべて消去パルスが与えられ、次いで、消去エリファイが実行される。したがって、ベリファイ回数、すなわちカウントアップ信号CUPがk回生成されるまでは、制御信号VKがカウンタ82のカウント動作を停止させ、能力判定結果指示信号DETを非活性状態に維持する。また、この制御信号VKに従って、シフトセレクタ96は、タイミング制御信号SFTDを無視し、接続経路のシフト動作は実行せず、8ビットカウンタ90のカウントビットb0−b7を選択する。
一方、ベリファイ回数がk回に到達すると、ベリファイカウント回路130からの制御信号VKが活性化され、カウンタ82がイネーブルされ、また、シフトセレクタ96が初期状態に設定され、分岐配線92a−92fとカウントビットb0を選択する状態に設定される。ベリファイカウント回路130は、ベリファイ回数がk回に到達すると、以後、この状態を維持する。したがって、ベリファイ回数がk回に到達した後には、シフトセレクタ96からのアドレスビットに従って、消去パルス印加領域EPRが初期領域EPR(0)に指定された後、供給能力判定結果指示信号DETに従って、その選択態様を1ビットずつずらせて消去パルス印加領域のサイズを低減し、実施の形態1と同様の消去動作が実行される。
これにより、ベリファイ回数がk回に到達した後に、実施の形態1と同様にして、消去パルス印加領域のサイズを調整して、チャージポンプ回路の電流供給能力を最大限利用して消去を行なって、消去時間を短縮することができる。
[変更例2]
図29は、この発明の実施の形態3の変更例2に従う不揮発性半導体記憶装置の消去動作フローを示す図である。この図29に示す消去動作フローは、以下の点で、図21に示す消去動作フローと異なる。すなわち、消去ベリファイ判定完了後、ステップS24において消去電圧Versを設定値Vsetに設定した後、ベリファイ回数が所定値k回に到達しているかの判定を行なう(ステップS60)。ベリファイ回数がk回に到達していない場合には、消去パルスを、最小サイズの消去パルス印加単位EPUへ消去パルス期間Tの間印加する(ステップS62)。その後、ステップS31へ移り、消去ブロックの全領域(消去パルス印加単位)に対して、消去が行なわれたかの判定が行なわれる。この消去ブロックの全領域に対して消去が行われるまで、消去パルス印加単位毎に順次消去が行われる。
一方、ステップS60において、ベリファイ回数がk回に到達している場合には、図21に示す実施の形態2と同様、ステップS25からの処理が実行される。すなわち、消去パルス印加期間Tにおいて、分割所定期間T0ごとに、消去電流が、消去電圧供給用のチャージポンプ回路の供給可能電流よりも大きいか否かの判定が行なわれ、その判定結果に従って消去電圧レベルが調整される。
この図29に示す消去動作フローの他のステップは、図21に示す消去動作フローと同じであり、対応する処理ステップに対しては同じステップ番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図29に示し消去動作時においては、ベリファイ回数が所定値のk回に到達するまでは、各消去パルス印加単位で消去を実行する。ベリファイ回数がk回に到達し、依然消去ベリファイ不良の場合には、チャージポンプ回路の供給可能電流の範囲で消去電圧レベルをできるだけ高くして消去を実行する。この消去電圧レベルの調整においては、消去電圧を発生するチャージポンプ回路の電流供給能力をモニタして消去を実行する。したがって、単に消去パルス印加回数に応じて消去パルス幅およびパルス高さを調整する消去動作制御フローに比べて、より効率的に、消去電圧発生用チャージポンプ回路の電流供給能力を利用して、消去を行なうことができる。
図30は、図29に示す消去動作を実行するための消去条件調整部36の構成を概略的に示す図である。図30においては、また、消去比較基準電圧Versを発生する比較基準電圧発生回路100の構成を併せて示す。この図30に示す消去条件調整部36においては、図26に示す構成におけるサイズカウント回路に代えて、EPUアドレスカウント回路133と、ベリファイカウント回路135とが設けられる。EPUアドレスカウント回路133は、各消去パルス印加期間毎に、消去パルス印加単位を指定するEPUアドレスを生成する。
ベリファイカウント回路135は、このEPUアドレスカウント回路133のカウントアップ信号をカウントする。すなわち、このベリファイカウント回路135は、消去ブロックの最終の消去パルス印加単位に対する消去完了後、カウント値を更新する。消去ブロックの全領域に対する消去完了後に消去ベリファイが実行されるため、ベリファイカウント回路135は、消去ベリファイ回数をカウントする。
このベリファイカウント回路135は、そのカウント値が所定値kに到達すると、制御信号VKaを活性状態に設定する。カウンタ120は、この制御信号VKaが非活性状態であり、ベリファイ回数が所定値k回に到達していない間、第1の制御信号CTL1が活性化されても、カウント動作が停止される。したがって、比較基準電圧発生回路100からの消去比較基準電圧Versは、電圧選択信号VSELに従って、初期設定値Vsetに対応する電圧に設定される。
ベリファイカウント回路135のカウント値が所定値(k回)に到達すると、制御信号VKaが活性化され、カウンタ120がカウント動作可能となる。このカウンタ120は、制御信号VKaの活性化に応答してカウント値が1増分される。応じて、デコーダ114の電圧選択信号VSELが更新され、電圧レベルVersが1つ調整される。以後は、能力判定結果指示信号DETAの活性化をカウントして、カウンタ120のカウント値が更新される。
この図30に示す構成を利用することにより、ベリファイ回数が所定値のk回に到達すると、実施の形態2と同様にして、この能力判定結果信号DETAに従ってカウンタ120がカウント動作を行ない、電圧選択信号VSELを調整して、消去電圧レベルを規定する信号Versのレベルを調整する。ベリファイ回数が所定値に到達後、消去電圧レベルを調整することにより、チャージポンプ回路の電流供給能力を最大限利用して消去を行なうことができる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、この消去ブロックの消去列に応じて消去条件の調整を選択的に実行している。これにより、消去時間を短縮することができ、また、消去電圧を発生するチャージポンプ回路の能力を十全に利用することができる。
ST 選択トランジスタ、MT メモリトランジスタ、CG 選択ゲート線、MG メモリゲート線、BL ビット線、SL ソース線、10 メモリマット、14 Xデコーダ、16 Yデコーダ、18 Yゲート、20 制御論理部、22 ライトドライバ、24 センスアンプ、26 I/Oバッファ、30 内部電圧発生回路、32 電圧レベル検知回路、34 供給能力判定回路、36 消去条件調整部、EV1−EVn 消去ブロック、EPU1−EPUm 消去パルス印加単位、40a,40b 選択ゲートドライブ回路、42a,42b メモリゲートドライブ回路、44a ソース線ドライブ回路、60 発振回路、62 チャージポンプ回路、72 比較回路、74 比較基準電圧発生回路、80 バッファ、82 カウンタ、90 8ビットカウンタ、92 櫛型配線、92a−92g 分岐配線、94 タイミング制御回路、96 シフトセレクタ、100 比較基準電圧発生回路、102 カウンタ、114 デコーダ、116 カウンタ、110 定電流源、112 可変抵抗器、120 カウンタ、122 サイズカウント回路、130 ベリファイカウント回路、133 EPアドレスカウント回路、135 ベリファイカウント回路。