JP2009544828A - 難燃性の熱可塑性組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(i)(a)ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックおよび/または(b)ハードおよびソフトブロックが場合によりウレタンおよび/またはエステル基で連結されているハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよび長鎖脂肪族ジカルボン酸残基および/または長鎖脂肪族ジオール残基からなるソフトブロックを含むコポリエステルエラストマーを含む熱可塑性エラストマーと、(ii)窒素含有難燃剤を含むハロゲンを含まない難燃剤系とを含む難燃性の熱可塑性組成物に関する。本発明はさらに、前記組成物から製造された成形品に関する。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、熱可塑性エラストマーとハロゲンを含まない難燃剤系とを含む難燃性の熱可塑性組成物、およびそれから製造された成形品、より具体的には良好な難燃性、耐湿−熱性および機械的特性を有する可撓性の熱可塑性組成物、そしてまたさらにより具体的には機械部品、電気部品および電子部品、自動車部品、ならびに、例えば、オフィス自動化装置および家庭電子電化製品のハウジングおよび他の部品から選択された成形品に関する。
熱可塑性エラストマーとハロゲンを含まない難燃剤系とを含む難燃性の熱可塑性組成物およびそれらから少なくとも部分的に製造され、それらからなる成形品は、米国特許第5,298,544号明細書から公知である。米国特許第5,298,544号明細書は、熱可塑性樹脂と難燃剤とから本質的になる難燃性の熱可塑性成形組成物を記載している。熱可塑性樹脂はコポリエーテルイミドエステルもしくはコポリエーテルエステルまたはそれらのブレンドである。コポリエーテルイミドエステルおよびコポリエーテルエステルは両方とも熱可塑性エラストマーである。難燃剤は、ホウ酸亜鉛もしくは酸化亜鉛またはホウ酸亜鉛と酸化亜鉛とのブレンドの組み合わせを有する炭酸マグネシウムまたは炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムとのブレンドである。米国特許第5,298,544号明細書の公知の組成物は、コポリエーテルイミドエステルエラストマーについては典型的なV2格付けそしてコポリエーテルエステルエラストマーについてはV1に適合するUL−94標準による難燃性特性を示す。これらの格付けのためには、成形組成物の総重量に対して約50重量%の難燃剤の高い使用量が用いられる。前記公知成形組成物はさらに、成形組成物の総重量に対して約1.4重量%の量で安定剤パッケージを含み、そしてASTM D638による引張試験で25%に近い破断点伸びを示す。
米国特許第5,298,544号明細書の公知組成物の欠点は、難燃性の熱可塑性組成物でできた成形品の多くの用途で、かかる高い使用量および/または低い伸びが許容されないことであるが、特定の場合にはV2またはV1格付けは不十分であり、そしてV0格付けが必要とされる。
本発明の目的は、これらの欠点を示さないかまたはあまり示さない、熱可塑性エラストマーとハロゲンを含まない難燃剤系とを含む難燃性の熱可塑性組成物、およびそれでできた成形品を提供することであり、より具体的には本発明は、はるかにより低いフィラー使用量でUL−94−V標準によるV2格付け、好ましくはV1格付けまたはV0格付けさえも示し、それと同時に公知組成物より高い伸びを有する、難燃性の熱可塑性組成物およびそれでできた成形品を目的とする。さらなる要件は、組成物が高温多湿条件下で良好な耐加水分解性を有するべきであることである。
この目的は、本発明による難燃性の熱可塑性組成物であって、
(i)熱可塑性エラストマーが(a)ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックまたは(b)ハードおよびソフトブロックが場合によりウレタンで連結されている、ハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよび長鎖脂肪族ジカルボン酸残基および/または長鎖脂肪族ジオール残基からなるソフトブロックを含むコポリエステルエラストマーを含み、そして(ii)ハロゲンを含まない難燃剤系が窒素含有難燃剤を含む組成物ならびにそれでできた成形品で達成された。
(a)ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックを有するか、または(b)ハードおよびソフトブロックが場合によりウレタン基で連結されている、ハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよび長鎖脂肪族ジカルボン酸残基および/または長鎖脂肪族ジオール残基および/または長鎖脂肪族ジオール残基からなるソフトブロックを有する前記コポリエステルエラストマーを含む、本発明による難燃性の熱可塑性組成物であって、ハロゲンを含まない難燃剤系が窒素含有難燃剤を含む組成物およびそれでできた成形品の効果は、熱可塑性組成物がUL−94−VによるV2、V1またはV0格付けさえにも適合する難燃性性能を有することであり、それらの格付けは、公知の組成物での難燃剤系について使用されたものよりはるかに低い難燃剤系の使用量で得られ、その一方でまた、匹敵する難燃性性能を有する米国特許第5,298,544号明細書の公知の組成物よりはるかに高い破断点伸びを示すことである。意外にも、本発明による難燃性の熱可塑性組成物に使用されるコポリエステルエラストマーの機械的特性は、窒素含有難燃剤の存在によって限られた程度に影響を受けるにすぎない。かかる悪影響、すなわち破断点伸びまたは引張強度の低下が存在する限り、この影響は確かに限られるが、他の場合にはこの影響は明らかに好影響であり、破断点引張強度が同じ良好なレベルに維持されながら、伸びの増加によって示される。これは、メラミンベースの難燃剤、具体的にはメラミンシアヌレートなどの、窒素含有難燃剤が、良好な難燃性特性を得るための唯一の難燃剤としてそして十分に高い量で使用されるときに確かに、ポリマー組成物の機械的特性に悪影響を及ぼすことが知られているという事実に鑑みてさらに意外である。さらに意外な効果は、本発明による難燃性の熱可塑性組成物の機械的特性がまた、高温多湿条件下の長期間処理後に、上に記載されたような特徴(a)または(b)と一致するハードブロックおよびソフトブロックを有する元のコポリエーテルエラストマーのレベルに匹敵するレベルに保持されることである。
難燃性が同じタイプおよび量の窒素含有難燃剤を使用するときにより良好であるか、および/またはコポリエーテルエステルエラストマーを含む相当する組成物についてV0格付けを得ることができる場合、かかる格付けがより低い使用量の窒素含有難燃剤で得られるという点において、本発明による難燃性の熱可塑性組成物はまた、米国特許第5,298,544号明細書の公知の組成物に使用されたようなコポリエーテルエステルエラストマーを窒素含有難燃剤と組み合わせて含む相当する組成物より良好な難燃性特性を示す。本発明による難燃性の熱可塑性組成物に有利なさらなる相違は、コポリエーテルエステルエラストマーを含む相当する難燃性の熱可塑性組成物の機械的特性が窒素含有難燃剤によって確かに悪影響を受け、破断点伸びおよび引張強度についてのより低い値によって示され、その悪影響が、もしあればV0格付けが得られるレベルよりはるかに下の使用量レベルで既に実質的に存在することである。代わりの難燃性の熱可塑性組成物のさらなる探求で、他の難燃剤もまた、公知の組成物に使用されたようなコポリエーテルエステルエラストマーと組み合わせて試験されてきた。これらの他の難燃剤の中で、アルミニウムジエチルホスフィナートを含む難燃剤系が確かなV0格付けを与え得ることが分かった。確かなV0を得るために、本発明の組成物での窒素含有難燃剤について必要とされるよりはるかに高い使用量の代わりの難燃剤系が必要とされた。さらに、前記アルミニウムジエチルホスフィナートベースの難燃剤系は、コポリエーテルエステルエラストマーの機械的特性に顕著な悪影響を及ぼし、相当するコポリエーテルエステルエラストマーに比較して破断点伸びおよび引張強度の両方について顕著により低い値をもたらす。
熱可塑性エラストマーおよび/またはハロゲンを含まない難燃剤系を含む、本発明による組成物の特徴の1つ以上を含む難燃性の熱可塑性組成物は、下に記載されるような、異なる特許または特許出願に記載されてきた。これらの特許のどれも、本発明の組成物または本発明に記載のその効果を記載していない。
欧州特許第0102115−B1号明細書は、本発明による難燃性の熱可塑性組成物にも使用されてもよいような、ポリエステルからなりそしてウレタン結合で連結された低融点ソフトブロックおよび高融点ハードブロックを有するポリエステルエステルブロックコポリマーを記載している。欧州特許第0102115−B1号明細書は、その難燃性または機械的特性は言うまでもなく、前記ポリエステルエステルブロックコポリマーをベースとするいかなる難燃性組成物も記載していない。
欧州特許第0363321−B1号明細書は、ハロゲンを含まない難燃剤系としてメラミンベースの難燃剤を含む難燃性の熱可塑性組成物を記載している。メラミンベースの難燃剤は、熱可塑性ポリマーの100pbw(重量部)に対して1〜100pbwの量で典型的には使用されるべきであるホスホン酸のメラミン塩からなった。熱可塑性ポリマーとして使用することができる可能なポリマーについて、上述したように熱可塑性エラストマーである、ブロックコポリエーテルエステルをはじめとする、多くのポリマーが言及されている。様々な実施例が、異なる格付けを示す難燃性試験結果と共に欧州特許第0363321−B1号明細書に記載されている。エポキシベースのポリエーテルポリウレタンをベースとする、わずか数個の実施例がV−0格付けを示した。それらの実施例の機械的特性は言及されなかった。しかしながら、実施例のどれもが、本発明による組成物に使用されるようなコポリエステルまたはその効果は言うまでもなく、上に引用された先行技術に言及されたようなコポリエーテルエステルを含まなかった。
難燃性の熱可塑性成形組成物はまた、欧州特許出願公開第0376237−A1号明細書にも記載されている。欧州特許出願公開第0376237−A1号明細書はさらに、難燃性の熱可塑性成形組成物から製造された成形品、より具体的には「Kabelbinder」および「Steckerleisten」を記載している。欧州特許出願公開第0376237−A1号明細書の公知の難燃性の熱可塑性成形組成物は、熱可塑性ポリアミド(A)、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(B)、メラミンシアヌレート(C)、およびフィラーからなる。両方とも(A)、(B)および(C)の合計に対するものである、わずか0.05〜1.99重量%の(C)の量だけでなく、わずか0.45〜15重量%の(B)の量も非常に低い。メラミンシアヌレートは窒素含有難燃剤である。欧州特許出願公開第0376237−A1号明細書は、メラミンシアヌレートの使用が問題をはらみ、その量が余りに多くなるとき、それが機械的特性に影響を及ぼすと明確に記載している。
欧州特許第0868478−B1号明細書は、熱可塑性エラストマーと1つ以上の窒素含有難燃剤とを含む難燃性エラストマー組成物を記載している。欧州特許第0868478−B1号明細書の公知の難燃性エラストマー組成物は、建設シーティング用に使用され、建設業界の難燃性標準(DIN 4102 B2)に適合しなければならない。窒素含有難燃剤は、熱可塑性エラストマーを基準として5〜30重量%の量で使用される、メラミン縮合物およびメラミン化合物である。好ましい化合物はメラミンシアヌレートおよびメラムである。熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステルブロックコポリマーおよびポリエステルエステルブロックコポリマーからなる群から選択される。欧州特許第0868478−B1号明細書の実施例は、ポリウレタンブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、およびポリエーテルエステルブロックコポリマーを用いたものである。ポリエーテルエステルブロックコポリマーが好ましい。実施例のどれも、ポリエステルエステルブロックコポリマーを用いたものではない。UL−94−V標準による試験結果はまた欧州特許第0868478−B1号明細書で全く言及されていないが、DIN 4102 B2は確かに、同様におよび同じくUL−94−Vほど決定的に重要ではない。本発明による組成物中のコポリエステルエラストマーの幾つかはコポリエステルエラストマーであると考えることができるかまたはコポリエステルエラストマーであるが、本発明による組成物に使用されるようなコポリエステルエラストマーも、その有利な影響も欧州特許第0868478−B1号明細書で全く言及されていない。建設シーティングは別として、他の可能な用途は全く言及されていない。
ウレタン結合で連結されたハードブロックおよびソフトブロックを有する熱可塑性コポリエステルエラストマーが欧州特許第0846712−B1号明細書に記載されている。欧州特許第0846712−B1号明細書のコポリエステルエラストマー中のハードブロックはポリエステルからなるが、ソフトブロックは低融点脂肪族ポリカーボネートポリマーのセグメントからなる。ブロックコポリマーの報告された可能な用途には、パイプ、ホース、ケーブルおよびシート、ならびに特に自動車用途向けベローズおよびシールが含まれる。前記ブロックコポリマーは、難燃剤、好ましくはメラミンシアヌレートで難燃性にすることができる。難燃剤の量は欧州特許第0846712−B1号明細書で全く言及されておらず、難燃性エラストマーの機械的および難燃性特性は記載されていない。
本発明による難燃性の熱可塑性組成物中のコポリエステルエラストマーは、本明細書ではハードポリエステルポリマーセグメントとも表示される、ハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックを含む。それに隣接してコポリエステルエラストマーは、本明細書ではソフトポリエステルポリマーセグメントとも表示される、ソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるソフトブロック、および/または本明細書では一緒にソフト脂肪族セグメントとも表示される、長鎖脂肪族ジカルボン酸残基および/または長鎖脂肪族ジオール残基からなるソフトブロックを含む。ソフトポリエステルポリマーセグメントは、ウレタン結合でハードポリエステルポリマーセグメントに連結されている。ソフト脂肪族セグメントは、エステル、アミドおよび/またはウレタン結合でハードポリエステルポリマーセグメントに連結されている。エステル結合は、長鎖脂肪族ジオールをカルボキシル官能性ポリエステルと反応させることによってか、または長鎖脂肪族二酸とヒドロキシル官能性ポリエステルとの反応によって形成することができる。アミド結合は、長鎖脂肪族ジアミンをヒドロキシル官能性ポリエステルと反応させることによって形成することができる。ウレタン結合は、長鎖脂肪族ジオールをイソシアネート変性ポリエステルと反応させることによってか、またはヒドロキシル官能性ポリエステルとイソシアネート変性長鎖脂肪族ジオールとの反応によって形成することができる。
ウレタン結合でハードポリエステルポリマーセグメントに連結されたソフトポリエステルポリマーセグメントを含むコポリエステルエラストマーは、コポリエステルエステルエラストマーの群の一部であると一般に考えられる。かかるコポリエステルエステルエラストマーは、低融点脂肪族ポリエステルプレポリマージオールおよび高融点芳香族プレポリマージオールをジイソシアネートと反応させることによってか、またはイソシアネートキャプドプレポリマーとプレポリマージオールとの反応によって製造することができる。イソシアネートキャップドプレポリマーのためには、低融点脂肪族ポリエステルプレポリマージオールまたは高融点芳香族プレポリマージオールのいずれかをジイソシアネートでキャップすること、そして次にそれを他のジオールと反応させることを選択することができる。コポリエステルエステルエラストマーの群の他のメンバーには、エステル結合でハードポリエステルポリマーセグメントに連結されたソフトポリエステルポリマーセグメントを含むコポリエステルエラストマーが含まれる。これらの後者のコポリエステルエステルエラストマーは、低融点脂肪族ポリエステルプレポリマーおよび高融点芳香族プレポリマー(これらのプレポリマーの1つはジオールであり、そして他方はジカルボン酸である)を別々に製造し、そして次に2つのポリマーとエステル化触媒とを窒素下に溶融状態で高温で混合することによって製造することができる。透明な混合物が得られたら、本プロセスに使用されたエステル化触媒は失活させなければならない。
エステル結合を有する、かかるコポリエステルエステルエラストマーは、かかる組成物が、難燃性組成物が優れている特性、すなわち、難燃性、窒素含有難燃剤の添加時のエラストマー特性の良好な保持ならびに高温多湿条件下での処理後のその保持の1つ以上でそれほど良好に機能しないという点において窒素含有難燃剤と一緒に難燃性組成物を製造するのに好適ではない。
長鎖脂肪族セグメントがウレタンおよび/またはエステル結合でハードポリエステルポリマーセグメントに連結されたコポリエステルエラストマーは、ソフトポリエステルプレポリマージオールまたはソフトポリエステルプレポリマージカルボン酸の代わりにソフト長鎖脂肪族ジオールまたは二酸が使用され、そして好適であるとして、ポリエステルプレポリマージオール、二酸またはイソシアネート末端キャップドと組み合わせられることを除いて、ウレタン結合かエステル結合かのどちらかを有するコポリエステルエステルエラストマーについて上に説明されたものと同じ方法で製造することができる。
本発明による難燃性の熱可塑性組成物は、(a)ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックおよび/または(b)ハードおよびソフトブロックが場合によりウレタン基で連結されている、ハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよび長鎖脂肪族ジカルボン酸酸基および/または長鎖脂肪族ジオール残基からなるソフトブロックを含むコポリエステルエラストマーと、(ii)メラミンベースの難燃剤を含むハロゲンを含まない難燃剤系とを含む。
ハードブロック中のポリエステルポリマーセグメントは好適には、少なくとも1つのアルキレンジオールと少なくとも1つの芳香族または脂環式ジカルボン酸とに由来する繰り返し単位からなる。
これらのポリエステルセグメント中の芳香族ジカルボン酸は好適には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および4,4−ジフェニルジカルボン酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸を含み、ハードポリエステルセグメント中のジカルボン酸の総モル量に対して、より好ましくは少なくとも50モル%、さらにより好ましくは少なくとも90モル%からなり、またはさらにテレフタル酸から完全になる。
ハードポリエステルセグメント中のアルキレンジオールは好ましくは2〜15個の、そして特に5〜10個の炭素原子のジオールである。アルキレンジオールは好適には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、1,4−ブタンジオール、ベンゼンジメタノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、アルキレンジオールは、エチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールを含み、ポリエステルポリマーセグメント中のアルキレンジオールの総モル量に対して、より好ましくは少なくとも50モル%、さらにより好ましくは少なくとも90モル%からなり、またはさらにエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールから完全になる。
本発明の好ましい実施形態では、ハードブロック中のポリエステルポリマーセグメントは、ハードブロック中のジカルボン酸およびアルキレンジオールの総モル量に対して、少なくとも90モル%の、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸とに由来する繰り返し単位からなる。
ソフトブロック中のポリエステルポリマーセグメントは好適には、少なくとも1つのアルキレンジオールと少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸とに、および/または少なくとも1つのラクトンおよび/またはヒドロキシル官能性脂肪族カルボン酸に由来する繰り返し単位からなる。
好適な脂肪族ジオールには、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、およびそれらの混合物が含まれる。1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジオールまたは1,3−もしくは1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサンなどの他のグリコールもまた、低融点成分へ組み入れられてもよい。ある状況下では、例えば最終製品の溶融粘度を上げるために、ある少量の高次官能性化合物を組み入れることが推奨されるかもしれない。かかる化合物の例はトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよびヘキサントリオールである。
好ましくは、ソフトポリエステルポリマーセグメント中の脂肪族ジオールは、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、およびそれらの混合物を、ソフトポリエステルポリマーセグメント中の脂肪族ジオールの総モル量に対して、少なくとも50モル%、さらにより好ましくは少なくとも70モル%、またはさらにより好ましくは少なくとも90モル%の量で含み、またはさらに100%の前記脂肪族ジオールからなる。
好適な脂肪族ジカルボン酸は、例えば、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、イソセバシン酸およびリシノール酸である。チオジプロピオン酸などの、ヘテロ原子を有する脂肪族ジカルボン酸もまた、低融点二官能性化合物に使用されてもよい。加えて少量でソフトポリエステルセグメントに含まれてもよい、1,3−または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸ならびにテレフタル酸およびイソフタル酸がさらに挙げられる。
好ましくは、ソフトポリエステルポリマーセグメント中のジカルボン酸はアジピン酸を含み、ソフトポリエステルポリマーセグメント中のジカルボン酸の総モル量に対して、より好ましくは少なくとも50モル%、さらにより好ましくは少なくとも70モル%、もしくはさらに少なくとも90モル%からなり、または100%のアジピン酸からなる。
短−中−長鎖脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸との反応生成物からなる以外に、低融点ソフトブロックはその上、置換および非置換カプロラクトンまたはブチロラクトンなどの、ラクトンから全体的にまたは部分的になってもよい。
低融点ポリエステルの製造手順はそれ自体公知であり、高融点ポリエステルを製造するために用いられるものと類似している。それは例えば、多官能性、好ましくは二官能性アルコール、ヒドロキシカルボン酸、およびラクトンの重縮合によって実現されてもよい。上述成分の混合比の適切な選択によって、いかなる望ましい分子量ならびに末端基の数およびタイプも得られるかもしれない。
ソフトセグメントが由来してもよい長鎖脂肪族ジオールは、ヒドロキシル基が末端にある任意の脂肪族ポリマーであってもよい。好適には、長鎖脂肪族ジオールはポリエンジオール、例えば、ポリブタジエンジオールまたはその水素化誘導体である。
好適には、長鎖脂肪族ジオールは、広範囲にわたって変わる分子量を有し、その分子量は400程度またはさらにより低くても、そして2000程度またはさらにより高くてもよい。好ましくは、長鎖脂肪族ジオールは600〜1200、より好ましくは800〜1200の範囲の分子量を有する。より高い分子量は、エラストマー特性がさらに高められるという利点を有する。
長鎖脂肪族ジオール、より具体的にはその残基は、広範囲にわたって変わる量で、コポリエステルエラストマーの重量に対して、好ましくは30〜70重量%、好ましくは40〜65重量%、より好ましくは50〜60重量%の範囲でコポリエステルエラストマー中に存在することができる。長鎖脂肪族ジオールが式HO−R−OHで表すことができる場合、その残基は式[−O−R−O−]で表され、後者の式が量の計算のために用いられる。
ソフトセグメントが由来してもよい、長鎖脂肪族ジアミンは、ハードブロックポリエステルセグメントから相分離することができ、こうしてエラストマー特性のコポリエステルエラストマーを与える任意の脂肪族ジアミンであってもよい。好適には、長鎖脂肪族ジアミンは長鎖脂肪族ジオールに相当する化合物であり、その好ましい実施形態は、末端ヒドロキシル基が第一級アミン基で置換された、上記のものである。
ソフトセグメントが由来してもよい長鎖脂肪族二酸は、ハードブロックポリエステルセグメントから相分離することができ、こうしてエラストマー特性のコポリエステルエラストマーを与える、任意の脂肪族二酸であってもよい。好適には、長鎖脂肪族二酸は、広範囲にわたって変わる分子量を有し、その分子量は400程度またはさらにより低くても、そして1000程度またはさらにより高くてもよい。好ましくは、長鎖脂肪族二酸は500〜800、より好ましくは550〜700の範囲の分子量を有する。より高い分子量は、相分離が改善され、そしてエラストマー特性が高められるという利点を有する。
長鎖脂肪族二酸、より具体的にはその残基は、広範囲にわたって変わる量で、そしてコポリエステルエラストマーの重量に対して、好ましくは30〜70重量%、好ましくは40〜65重量%、より好ましくは50〜60重量%の範囲でコポリエステルエラストマー中に存在することができる。長鎖脂肪族二酸が式HO(O)C−R−C(O)OHで表すことができる場合、その残基は式[−O(C)−R−(C)O−]で表され、後者の式が量の計算のために用いられる。
好適な長鎖脂肪族二酸の例は、例えばオレイン酸およびリノール酸に由来する、ダイマー脂肪酸として知られる化合物である。長鎖脂肪族二酸は好適には線状または分岐であってもよい。ダイマー脂肪酸は、例えば、オランダ国、ユニケマ(Uniqema)から商品名Pripolで入手可能である。
ポリエステルエラストマー中のウレタン結合は好適には、少なくとも1つの脂肪族または脂環式ジイソシアネートおよび/または少なくとも1つの芳香族ジイソシアネートに由来する繰り返し単位からなる。ウレタン結合は式[−(O)C−(H)N−R−N(H)−C(O)−](式中、Rは、その基が場合によりヘテロ原子で置換されていてもよい、脂肪族基、脂環式または芳香族基である)で表すことができる。
好適な脂肪族ジイソシアネートの例は、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートである。脂環式基を有する好適なジイソシアネートには、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよび1,4−シクロヘキサンジイソシアネートが含まれる。好適な芳香族ジイソシアネートの例には、1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、テトラメチルフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、フェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニルエーテルジイソシアネートおよびビフェニルスルフィドジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフラン−2,7−ジイソシアネートが挙げられる。
好ましくは、ウレタン結合が由来するジイソシアネートは、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)を、ソフトポリエステルポリマーセグメント中のジイソシアネートの総モル量に対して、より好ましくは少なくとも50モル%、さらにより好ましくは少なくとも70モル%、もしくはさらに少なくとも90モル%含み、またはさらに100%のジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートMDIからなる。
本発明による難燃性組成物中のコポリエステルエラストマーは好ましくは、ウレタン結合で連結されたハードおよびソフトセグメントを含み、より好ましくは、ソフトセグメントはソフトポリエステルポリマーのセグメントを含むかまたはさらにそれからなる。ウレタン結合の効果は、UL−94−V難燃性試験で組成物の性能が改善され、そしてより良好な機械的特性、より具体的にはより高い破断点伸びが得られながら、V0格付けを得るために必要とされるメラミンベース難燃剤の最小量が下げられることである。これらの効果は、ソフトポリエステルポリマーのセグメントを含むソフトセグメントでさらに高められる。
さらにより好ましくは、ウレタン結合は、コポリエステルエラストマーの総重量に対して、1〜15重量%の範囲の量でコポリエステルエラストマー中に存在し、そしてここで、ウレタン結合の重量は式[−(O)C−(H)N−R−N(H)−C(O)−]で表される構造要素を基準とする。
ウレタン結合で連結されたハードおよびソフトポリエステルセグメントを含むコポリエステルエラストマー、ならびにその合成は欧州特許第0102115−B1号明細書に記載されており、その特許は参照により本発明の不可欠の部分を形成する。
本発明の好ましい実施形態では、コポリエステルエラストマーのハードブロックは、少なくとも150℃、好ましくは少なくとも165℃、180℃、200℃またはさらに少なくとも220℃の融点(Tm)を有し、ソフトブロックは多くても20℃、好ましくは多くても0℃、−20℃、−40℃、またはさらに多くても−50℃のガラス転移温度(Tg)を有する。前記最低Tmを有するコポリエステルエラストマーの利点は、それが高温多湿条件での処理時により良好な機械的強度および伸びのより良好な保持を有することであるが、より低い最高Tgはより高い伸びのより可撓性の製品につながる。
融点(溶融温度)という用語で、溶融温度範囲が低下しそして最高の溶融速度を示す、10℃/分の加熱速度でのDSCによって測定される温度と本明細書では理解される。ガラス転移温度という用語で、ガラス転移温度範囲が低下しそして最高のガラス転移温度を示す、10℃/分の加熱速度でのDSCによって測定される温度と本明細書では理解される。
本発明の別の好ましい実施形態では、難燃性の熱可塑性組成物は20〜70ショア(Shore)D、好ましくは30〜60、さらにより好ましくは40〜50ショアDの硬度を有する。
コポリエステルエラストマーは別にして、難燃性の熱可塑性組成物は、ポリエステル、ポリアミドおよびポリカーボネートなどの、他のポリマーだけでなく、ポリエーテルエステルエラストマーおよびポリエーテルアミドエラストマーなどの、他の熱可塑性ポリマーを含んでもよい。コポリエステルエラストマー以外の任意のポリマーが存在する場合、熱可塑性ポリマーエラストマーが好ましい。
好ましくは、難燃性の熱可塑性組成物は、前記コポリエステルエラストマーを、難燃性の熱可塑性組成物中のポリマーの総重量に対して、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、90重量%またはさらに少なくとも95重量%の量で含む。より高いコポリエステルエラストマー含量の効果は、本発明の効果がさらに高められることである。
本発明による難燃化熱可塑性組成物に使用することができる好適な窒素含有難燃剤は、例えば、トリアジン、グアニジン、シアヌレート、およびイソシアヌレート、ならびにそれらの混合物および塩をベースとする難燃剤である。好適なトリアジンベースの難燃剤は、例えば、メラミンベースの難燃剤であり、それらには、メラミン、メラミン縮合生成物、メラミンシアヌレートおよびメラミン塩、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
好適なメラミン縮合生成物は、例えば、メラム、メレム、およびメロン、ならびにメラミンのより高次縮合生成物である。これらの縮合生成物は一般に、メラミンの異なるオリゴマーの混合物を含む。主要成分として、メラム、メレム、およびメロンはそれぞれ、メラミンのダイマー、トリマーおよびテトラマーを含む。メラミン縮合生成物は、例えば、国際公開第96/16948号パンフレットに記載されている方法で得ることができる。窒素含有難燃剤の好適な塩は、例えば、ホウ酸塩およびシュウ酸塩、ならびにホスフェート、ホスフィナートおよびホスホネートならびにそれらのオリゴマーおよびポリマー誘導体などの、リン含有化合物の塩である。好適な窒素およびリン含有化合物の例は、アンモニウムポリホスフェート、およびメラミンポリホスフェートである。
好ましくは、窒素含有難燃剤はメラミンベースの難燃剤である。その利点は、より良好な難燃性特性がUL−94−V標準に従って測定した際に同じまたはより低い使用量で得られること、かつ、より高い伸びがUL−94−Vによる匹敵する難燃性性能での使用量で得られることである。
好適なメラミンベースの難燃剤には、メラミン、メラミン縮合生成物、メラミンシアヌレートおよびメラミン塩、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。メラミン塩の例には、例えばチバ・ガイギー(Ciba Geigy)から商品名Melapur200で入手可能なメラミン(ポリ)ホスフェート、メラミンホウ酸塩およびメラミンシュウ酸塩が挙げられる。
より好ましくは、メラミンベースの難燃剤は、メラミン縮合生成物および/またはメラミンシアヌレート、より好ましくはメラミンシアヌレートを含む。メラミンシアヌレートの利点は、それによりより良好な難燃性特性が同じまたはより低い使用量で得られ、および/または伸びが高温多湿条件下での処理時により良く保持されるようになることである。
メラミンシアヌレートは、好ましくは等モル量のメラミンとシアヌル酸またはイソシアヌル酸との反応生成物である。それは、90〜100℃での出発化合物の水溶液の転化によって製造することができる。メラミンシアヌレートは、粒度が広範囲にわたって、一般に0.1〜100μmの範囲で変わることができる、粒度分布の白色製品として商業的に入手可能である。使用されるメラミンシアヌレートは好ましくは小さな粒度のものであるか、または混合中にポリエステル連続相中で小さな粒子へ容易に分散させることができる。好適には、メラミンシアヌレートは、約25マイクロメートル(μm)より小さい、そして0.5μmより大きいメジアン粒度(d50)の粒度分布を有し、好ましくはメジアン粒度d50は1〜15μmの範囲に、より好ましくは2〜10μmの範囲にある。非常に好適には、メジアン粒度d50は2.5〜5.5μmの範囲にある。
メジアン粒度d50で、その粒度と比べて粒子の50重量%がより小さい粒度を有し、そして粒子の50重量%がより大きい粒子を有する粒度と本明細書では理解される。このメジアン粒度は、ASTM標準D1921−89、方法Aに従ってD50として測定することができる。
窒素含有難燃剤は、広範囲にわたって変わる量で本発明による難燃性の熱可塑性組成物中に存在してもよく、その量は7.5重量%程度またはより低くても、そして40重量%程度およびより高くてもよい。好ましくは、窒素含有難燃剤は、7.5〜40重量%の量で、より好ましくは10〜35重量%、さらにより好ましくは15〜25重量%の範囲で存在する。本明細書では窒素含有難燃剤の重量百分率(重量%)は、難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対するものである。より高い最小量の利点は、より良好な難燃性特性が得られることであるが、より低い最大量でより良好な機械的特性が得られる。
本発明による難燃性の熱可塑性組成物は、窒素含有難燃剤は別として、熱可塑性組成物の難燃性特性をさらに高めるために他の難燃性化合物または難燃性相乗剤を含んでもよい。他の難燃性成分として一緒に示される、それらの他の難燃性化合物および難燃性相乗剤については、熱可塑性エラストマーでの使用に好適な任意の難燃性化合物または窒素含有難燃剤と組み合わせて用いるのに好適な任意の難燃性相乗剤が使用されてもよい。好ましくは、これらの他の難燃性成分はハロゲンを含まない。好ましくは、これらの他の難燃性成分は、機械的特性、特に高温多湿条件下での処理時に伸びおよび/またはそれの保持が影響を受けないかまたは限られた程度に影響を受けるにすぎないような量で使用される。これらの他の難燃性成分の好適なタイプおよび量は、所定の実験および試験により難燃性の熱可塑性組成物を製造する当業者によって決定され得る。
難燃性相乗剤は、本発明のポリエステル組成物の難燃性特性をさらに向上させる化合物であると本明細書では理解される。好適には、難燃性相乗剤は、タルク、金属酸化物、金属硫化物または金属ホウ酸塩などの無機化合物である。好適な金属ホウ酸塩の例はホウ酸亜鉛である。
好ましくは、他の難燃性成分は、仮に存在する場合、熱可塑性組成物の総重量に対して、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、さらにより好ましくは0.2〜2重量%の量で存在する。最も好ましくは、この量は0重量%、すなわち他の難燃性成分は全く存在しない。
本明細書で上に言及された成分、すなわちポリマー成分および難燃剤系に加えて、本発明による難燃化熱可塑性組成物は、フィラー、強化剤、安定剤、加工助剤、着色剤などの、1つ以上の補助添加剤をさらに含んでもよい。
本難燃化ポリエステル組成物に使用することができるフィラー、強化剤および他の補助添加剤は、難燃性の熱可塑性組成物に従来使用される任意のかかる化合物であってもよい。
フィラーおよび強化剤は一般に、無機繊維材料および、典型的には1mm未満の、好ましくは0.1mm未満の、より好ましくは10μm未満の粒度の、小さいな粒子からなる粉末からなる。フィラーの好適な例は、炭酸マグネシウム、カオリン、石英、炭酸カルシウムである。好適な強化剤には、ガラス繊維および炭素繊維が含まれる。フィラーおよび強化剤は好適には、全体組成物の50重量%以下およびさらにはそれを超える総量で使用される。好ましくは、フィラーおよび強化剤は、難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対して、0〜50重量%、より好ましくは0.01〜30重量%、または0.1〜20重量%、最も好ましくは1〜10重量%の総量で存在する。
他の補助添加剤は好適には、難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対して、0〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、または0.1〜5重量%、最も好ましくは1〜3重量%の総量で存在する。
好適な安定剤には、例えば、エステル交換防止剤、UV安定剤、熱安定剤および酸化防止剤、ならびに組み合わせられた熱−酸化安定剤が含まれる。熱安定剤および/または酸化防止剤として好適な添加剤は、例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノンである。好適なUV安定剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、レソルシノール、およびサリチレートである。安定剤は好適には、難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対して、0〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、または0.05〜2重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%の総量で存在する。
好適な加工助剤には、ステアリン酸、ステアリルアルコールおよびステアリン酸アミドをはじめとする、脂肪酸およびそれらの誘導体などの離型剤、滑剤または粘度低下剤、ならびにタルカムなどの核剤が含まれる。これらの添加剤は好適には、難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対して、0〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の総量で使用される。
好適な着色剤には、二酸化チタンおよびカーボンブラックなどの顔料およびニグロシンなどの染料が含まれる。着色剤もまた好適には、難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対して、0〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の総量で使用される。
本発明の具体的な実施形態では、難燃化熱可塑性組成物は、
A)本発明の請求項1に記載のコポリエステルエラストマー、および場合により
B)(A)が(A)および(B)の総重量に対して少なくとも50重量%の量で存在する、1つ以上の他のポリマー成分と、
C)7.5〜40重量%の本発明の請求項1に記載の窒素含有難燃剤、および
D)0〜10重量%の1つ以上の他のハロゲンを含まない難燃剤成分と、
E)0〜50重量%の1つ以上のフィラーおよび強化剤と、
F)0〜20重量%の1つ以上の他の補助添加剤と
からなる、ハロゲンを含まない難燃化熱可塑性組成物であって、
(C)、(D)、(E)および(F)の重量百分率が難燃化熱可塑性組成物の総重量に対するものであり、そして(A)〜(F)の合計が100%である組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、難燃化熱可塑性組成物は、
A)ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックを含むコポリエステルエラストマー、および場合により
B)(A)が(A)および(B)の総重量に対して少なくとも50重量%の量で存在する、1つ以上の他のポリマー成分と、
C)7.5〜40重量%のメラミンベースの難燃剤、および
D)0〜10重量%の1つ以上の他の窒素含有難燃剤成分および/または他のハロゲンを含まない難燃剤成分と、
E)0〜20重量%の1つ以上のフィラーおよび強化剤と、
F)0〜10重量%の1つ以上の他の補助添加剤と
からなる、ハロゲンを含まない難燃化熱可塑性組成物であって、
(C)、(D)、(E)および(F)の重量百分率が難燃化熱可塑性組成物の総重量に対するものであり、そして(A)〜(F)の合計が100%である組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、難燃化熱可塑性組成物は、
A)ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックを含むコポリエステルエラストマー、および場合により
B)(A)が(A)および(B)の総重量に対して少なくとも50重量%の量で存在する、他のポリマー成分と、
C)15〜35重量%のメラミンシアヌレート、および
D)0〜5重量%の1つ以上の他のメラミンベースの難燃剤および/または他の窒素含有難燃剤および/または他のハロゲンを含まない難燃剤成分と、
E)0〜10重量%の1つ以上のフィラーおよび強化剤と、
F)0〜5重量%の1つ以上の他の補助添加剤と
からなる、ハロゲンを含まない難燃化熱可塑性組成物であって、
(C)、(D)、(E)および(F)の重量百分率が難燃化熱可塑性組成物の総重量に対するものであり、そして(A)〜(F)の合計が100%である組成物である。
本発明による難燃化熱可塑性組成物、ならびにこれらの本発明の組成物およびそれらの任意の好ましい実施形態に使用されるコポリエステルエラストマーは、従来の方法を用いて製造することができる。ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックを含むコポリエステルエラストマーの製造は、例えば欧州特許第0102115−B1号明細書に記載されている。難燃化熱可塑性組成物の調製のために、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、ブラベンダー(Brabender)ミキサーおよびバンバリー(Banburry)混練機などの、溶融混合装置を好適に用いることができる。
本発明の組成物は、射出成形および押出成形およびオーバーモールディングをはじめとする、様々な成形技術を用いて成形品を製造するのに、特に、様々な非常に要求の厳しい技術的用途向けの可撓性成形品の製造に非常に適している。これらの用途向けに、良好な難燃性特性は、高弾性および高温多湿条件下での処理時の機械的特性の保持と組み合わせて非常に有利である。
従って、本発明はまた、射出成形品、押出形成部品またはオーバーモールド品を製造するための成形法での本発明による難燃性の熱可塑性組成物の使用にも関する。
本発明はまた、成形品が本発明によるエラストマー組成物、もしくはそれらの任意の好ましい実施形態の射出成形もしくは押出成形、または本発明によるエラストマー組成物、もしくはそれらの任意の好ましい実施形態のコア部品上へのオーバーモールディングによって成形される工程を含む、成形品を製造するための成形方法にも関する。
本発明はまた、本発明による難燃性の熱可塑性エラストマー組成物、またはそれの任意の好ましい実施形態から少なくとも部分的に製造された、好ましくは射出成形品、押出成形品またはオーバーモールド品である成形品にも関する。
好ましい一実施形態では、本成形品は、本発明による難燃性の熱可塑性エラストマー組成物の層でオーバーモールドされたコア部品を含むオーバーモールド品、例えば難燃性の熱可塑性エラストマーでオーバーモールドされたPC/ABS構造物、電気ケーブルシーティング(electrical cable sheeting)、多層ホースである。
別の好ましい実施形態では、本成形品は、例えばサスペンション台(suspension seating)用のモノフィラメント、電気ケーブルシーティング、例えば絶縁層および/またはジャケット層、ホース、チューブ、例えば回旋状チューブ、エアブレーキチューブ、エアダクト、および燃料管、窓シーリング用の消音断面材などのシーリングなどからなる群から選択された押出成形品である。
さらなる好ましい実施形態では、本成形品は、靴商品、ケーブルタイ、振動および騒音吸収材などの機械部品、電気および電子部品、例えばコネクター、自動車部品、例えば車内ブーツ(boots)およびジョイント速度ブーツ(またはjvc−ブーツ)、エンジン部品、例えば低騒音ギア、オフィス自動化装置および電気家庭電化製品の部品およびそれら用のハウジング、ならびにボート、バス、列車および飛行機などの公共輸送で用いる部品からなる群から選択された射出成形品である。
本発明による成形品は好ましくは、本発明による1つ以上の難燃性の熱可塑性組成物から少なくとも部分的に製造されたおよびそれからなるネット形状品(Net−Shaped−Part)である。
「ネット形状品」という用語で、明確に平たい部品またはシートではない三次元の自立構造物と本明細書では理解される。「から少なくとも部分的に製造されたおよびそれからなる」という用語で、ネット形状品が前記難燃性の熱可塑性組成物のみから製造されたものであってもよく、その結果として完全に前記難燃性の熱可塑性組成物からなるであろうと、またはネット形状品の1つ以上の部品が前記難燃性の熱可塑性組成物から製造されたものであってもよく、その結果として前記難燃性の熱可塑性組成物からなるであろうが、ネット形状品の1つ以上の他の部品が別の組成物または、場合により前記難燃性の熱可塑性組成物とブレンドされたものであってもよい他の組成物から製造されたものであってもよく、その結果としてこれらの1つ以上の他の部品が前記難燃性の熱可塑性組成物と場合によりブレンドされた前記他の組成物からなるであろうと本明細書では理解される。
本発明は、以下の実施例および比較実験でさらに例示される。
[材料]
TPE−E−1:ポリブチレンテレフタレートセグメントからなるハードセグメントおよびEO/POポリエーテルブロックコポリマーからなるソフトセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマー、硬度ショア−D38。
TPE−E−2:ポリブチレンテレフタレートセグメントからなるハードセグメントおよびPTMGポリエーテルソフトセグメントからなるソフトセグメントを含むポリエーテルエステルエラストマー、硬度ショアD40。
TPE−E−3:ウレタン基で連結されたポリブチレンテレフタレートセグメントからなるハードセグメントおよびポリラクトンセグメントからなるソフトセグメントからなるポリエステルエステル、硬度ショアD55。
TPE−E−4:ウレタン基で連結されたポリブチレンテレフタレートハードセグメントおよびポリカーボネートからなるソフトセグメントからなるポリカーボネートエステルエラストマー。
Mecy:メラミンシアヌレート(MC50、約4.2μmのd50および約45μmのd99の粒度分布)。
Exolit 1312:アルミニウムジエチルホスフィナート、メラミンポリホスフェート、およびホウ酸亜鉛クラリアント(Zinc Borate Clariant)のブレンド。
本発明による実施例I〜VI(EX−I〜EX−VI)および比較実験A〜L(CE−A〜CE−L)の成形組成物を下記のように調製し、試験した。組成および試験結果を表1および2に示す。
[配合]
成形組成物の調製のために、成分を表1に示すような比で配合した。成形組成物は、TPE−Eを難燃性成分および安定剤パッケージとZSK30/33二軸スクリュー押出機でスクリュー速度200ppm、押出量10kg/時、および250℃に調節された溶融温度で溶融ブレンドし、溶融物を押出機からダイを通して押し出し、冷却し、溶融物を顆粒化することによって調製した。押出機で配合することによって得られた顆粒を、さらなる使用前に、120℃で24時間乾燥させた。
[試験サンプルの成形]
機械的特性および難燃性特性を試験するための試験サンプルを、タイプ・エンゼル(Engel)80Aの射出成形機で調製した。射出成形のために235〜245℃の設定温度を用いた。金型温度は90℃であった。試験検体のためのサイクル時間は約50秒であった。
[試験方法]
機械的特性:引張試験は、乾燥したまま成形したサンプルを用いてISO 527/1Aに従って行った。引張試験検体の寸法:厚さ4mm。
難燃性:サンプル調製および試験は、1.6mmの厚さを有する試験検体で、UL−94−V標準に従って行った。
耐加水分解性:この試験のためにサンプルケーブルを85℃および95%相対湿度で96時間温度サイクルチャンバに入れておく。この順化の後、試験検体の機械的特性を上記の通り試験した。
本発明による実施例I〜VI(EX−1〜EX−VI)および比較実験A〜L(CE−A〜CE−L)の組成物での配合物を調製し、上記の通り試験した。組成および試験結果を表1および2に示す。
Figure 2009544828
Figure 2009544828

Claims (9)

  1. 熱可塑性エラストマーとハロゲンを含まない難燃剤系とを含むポリマーを含む難燃性の熱可塑性組成物であって、
    (i)前記熱可塑性エラストマーが、(a)ウレタン基で連結されたハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトポリエステルポリマーからなるソフトブロックおよび/または(b)ハードおよびソフトブロックが場合によりアミド、エステルおよび/またはウレタン基で連結されている、ハードポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよび長鎖脂肪族ジカルボン酸残基、長鎖脂肪族アミンおよび/または長鎖脂肪族ジオール残基からなるソフトブロックを含むコポリエステルエラストマーを含み、そして
    (ii)前記ハロゲンを含まない難燃剤系が窒素含有難燃剤を含む
    ことを特徴とする組成物。
  2. 前記コポリエステルエラストマーが、ウレタン基で連結されたハードおよびソフトポリエステルポリマーのセグメントからなるハードブロックおよびソフトブロックを含む、請求項1に記載の難燃性の熱可塑性組成物。
  3. 前記コポリエステル−エステルエラストマーが、組成物中のポリマーの総重量に対して少なくとも50重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の難燃性の熱可塑性組成物。
  4. 前記窒素含有難燃剤がメラミンベースの難燃剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性の熱可塑性組成物。
  5. 前記窒素含有難燃剤が難燃性の熱可塑性組成物の総重量に対して7.5〜40重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性の熱可塑性組成物。
  6. A)請求項1に記載のコポリエステルラストマー(i)、および場合により
    B)(A)が(A)および(B)の総重量に対して少なくとも50重量%の量で存在し、そして(A)と(B)との合計が難燃化熱可塑性組成物の総重量に対して20〜100重量%である、1つ以上の他のポリマー成分と、
    C)7.5〜40重量%の請求項1に記載の窒素含有難燃剤(ii)、および場合により
    D)0〜10重量%の1つ以上の他のハロゲンを含まない難燃剤成分と、
    E)0〜50重量%の1つ以上のフィラーおよび強化剤と、
    F)0〜20重量%の1つ以上の他の補助添加剤と
    からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃化熱可塑性組成物であって、
    (A)〜(F)の合計が100%であり、そして(C)、(D)、(E)および(F)の重量百分率が難燃化熱可塑性組成物の総重量に対するものである組成物。
  7. 射出成形品、押出成形品またはオーバーモールド品を製造するための成形法での請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃性の熱可塑性組成物の使用。
  8. 前記成形品が請求項1〜6のいずれか一項に記載のエラストマー組成物の射出成形もしくは押出成形によってか、または請求項1〜6のいずれか一項に記載のエラストマー組成物のコア部品上へのオーバーモールディングによって成形される工程を含む成形品を製造するための成形方法。
  9. 好ましくは射出成形品、押出形成部品またはオーバーモールド品である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃性の熱可塑性エラストマー組成物から少なくとも部分的に製造された成形品。
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