JP2002096428A - フィルムが貼り付けられた成形体 - Google Patents

フィルムが貼り付けられた成形体

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JP2002096428A
JP2002096428A JP2000289019A JP2000289019A JP2002096428A JP 2002096428 A JP2002096428 A JP 2002096428A JP 2000289019 A JP2000289019 A JP 2000289019A JP 2000289019 A JP2000289019 A JP 2000289019A JP 2002096428 A JP2002096428 A JP 2002096428A
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flame
retardant
resin
acid
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JP2000289019A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Togawa
惠一朗 戸川
Hiroshi Tachika
弘 田近
Takahiro Hatsutori
貴洋 服部
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたノンハロゲンタイプの難燃性、発煙抑
制効果、耐水性、分散性に優れ、基材フィルムとの密着
性が良好な難燃中間層、さらに、その上に接着層とが少
なくとも設けられていることにより卓越した成型材料と
の接着性が有している難燃性積層フィルムが貼り付けら
れた成形体を提供する。 【解決手段】 難燃性がVTM/UL94で1以上の難
燃性フィルムが貼り付けられ、該貼り付けられたフィル
ムがJIS K 5400の規定の碁盤目テープ法テス
トで70/100以上であり、かつ、貼り付けられたフ
ィルムに碁盤目テストの切り目を入れ、これを沸水中に
1時間付けた後の碁盤目テープ法テストが50/100
以上であることを特徴とするフィルムが貼り付けられた
成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性のフィルム
が貼り付けられた成形体に関し、詳しくは樹脂基材上に
難燃層が積層されたフィルムが貼り付けられた樹脂成形
体、金属成形体、樹脂板、金属板、ガラス板、樹脂フィ
ルムなどの成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】家電品、OA機器、車載用部品等には、
注意書き、表示義務に基づく各種表示、装飾などのため
に、フィルム状のラベルが貼り付けられていることが多
い。近年、安全性のためにこれらのラベルにも難燃性が
求められてきている。一方、これらの機器類に貼り付け
られているラベルは、難燃性、接着性、耐湿性、耐熱性
の面で十分満足できるものではなく、高温高湿の劣悪環
境下で使用で耐えられるものではなかった。従来の難燃
性フィルムは以下のようなものであった。
【0003】難燃フィルムの難燃剤には、従来からハロ
ゲン系難燃剤(例えば、デカブロモジフェニルエーテル
やヘキサブロモジフェニルエーテル等)や難燃助剤とし
てシリカ、クレー、アンチモン化合物等の無機フィラー
等を添加していた。しかしながらハロゲン系難燃剤を配
合した難燃性接着フィルムは、燃焼時に煙が多く発生す
るという問題点を有していた。煙の発生は火災時の人身
災害を増大させるものであり、材料の安全性は難燃化技
術とともに重要な技術となっている。
【0004】最近の地球環境保護に対する配慮から、添
加する難燃剤として、ハロゲン系難燃剤に代えてノンハ
ロゲン系難燃剤が使用されるようになっている。例え
ば、非ハロゲン系難燃剤による難燃化の方法として、リ
ン酸エステルやシアヌル酸メラミンを用いる方法が提案
されている。(特開平3−281652号公報、特開平
5−70671号公報、特開平6−157880号公
報、特開平7−304959号公報)しかしながら、こ
れらの方法では難燃性がまだ不十分であった。また、水
酸化マグネシウムに代表される無機系難燃剤は、低発煙
効果に優れた材料であるが、難燃効果の点で必ずしも満
足できるものではないのが現状である。
【0005】特開平9−208812号公報、特開20
00−109769号公報、特開2000−05383
6号公報などの記載にあるポリリン酸アンモニウム等は
熱分解性で煙の発生は少ないく難燃性も良好な材料であ
るが、ポリリン酸アンモニウムの分散性が悪く必ずしも
満足できるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決し
た、優れたノンハロゲンタイプの難燃性、発煙抑制効
果、耐水性、分散性に優れ、基材フィルムとの密着性が
良好な難燃中間層、さらに、その上に接着層とが少なく
とも設けられていることにより卓越した成型材料との接
着性が有している難燃性積層フィルムが貼り付けられた
物品の提供が要望されている。
【0007】
【課題を解決するため手段】本発明者らは、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果。難燃性、発煙抑制効
果、耐水性、分散性に優れ、基材フィルムとの密着性が
良好で、尚かつ卓越した成型材料との接着性を有してい
る、難燃性積層フィルムを提供するために種々実験、研
究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、難燃性がVTM/UL
94で1以上の難燃性フィルムが貼り付けられ、該貼り
付けられたフィルムがJIS K 5400の規定の碁
盤目テープ法テストで80/100以上であり、かつ、
貼り付けられたフィルムに碁盤目テストの切り目を入
れ、これを沸水中に1時間付けた後の碁盤目テープ法テ
ストが50/100以上であることを特徴とするフィル
ムが貼り付けられた成形体である。本発明において、難
燃性フィルムが基材フィルム上に少なくとも難燃性層が
設けられている難燃性積層フィルムであることができ
る。本発明において、成形体が熱可塑性樹脂の成形体で
あることができる。本発明において、成形体がアルミニ
ウム板、ステンレス板、鋼板の加工品であることをがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の成形体に貼り付けられた
難燃性フィルムは難燃性がVTM/UL94で1(以下
単にV−1等と略すことがある)以上の難燃性フィルム
である必要がある。難燃性がV−1に満たない場合に
は、貼り付けられたフィルムが特に高温での使用時に燃
焼し、火災を招く恐れがある。難燃性フィルムとして
は、フィルム自体が難燃性樹脂からなるものであっても
良いが、価格、取り扱い等の面から樹脂フィルムに難燃
層が施されているものが好ましい。難燃層としては、た
とえば、リン酸メラミン塩(下記式1)、ポリリン酸メ
ラミン複塩(下記式2)、ポリリン酸メラム複塩(下記
式3)、ポリリン酸メレム複塩(下記式4)(式中nは
2〜2000の整数)から選択される少なくとも一種で
あるノンハロゲン系難燃剤(X)と有機樹脂(Y)を含
有する難燃性樹脂組成物であることが好ましい。
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】ここで用いられる有機樹脂はイオン性基を
含むことが好ましく、また、有機樹脂としてはポリエス
テル系樹脂及び/又は変性ポリエステル樹脂(A)であ
ることが好ましい。また、難燃層上又は難燃層の反対側
には接着層が積層されていることが好ましい。
【0014】このような構成をとることにより、難燃
性、発煙抑制効果に優れ、基材フィルムとの密着性が良
好で、尚かつ卓越した成型材料との接着性が得られる。
以下、具体的に例を説明する。
【0015】本発明では、例えば該ノンハロゲン系難燃
剤(X)を有機樹脂(Y)100重量部に対し好ましく
は20〜300重量部、より好ましくは20〜200重
量部、さらに好ましくは20〜100重量部を分散し、
これを塗布又は積層することにより難燃性、発煙抑制効
果、耐水性に優れ、さらに、卓越した基材フィルムとの
密着性が得られる。ノンハロゲン系難燃剤(X)の使用
量が20部以下では難燃性が低下する傾向にある。ま
た、ノンハロゲン系難燃剤(X)の使用量が300部以
上では基材フィルムとの密着性が低下する傾向にある。
【0016】難燃性樹脂組成物及びこれを塗布又は積層
した難燃性積層体には、一般的なノンハロゲン難燃剤を
添加することができる。例えば、リン系化合物は、トリ
クレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフ
ェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシ
ノールビスジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシ
ルジフェニルホスフェート、ジフェニルオクチルフォス
フェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート、トリアリルホスフェ
ート、ジメチルエチルホスフォスフェート等のリン酸エ
ステル化合物や、メチルアシッドホスフェート、エチル
アシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェー
ト、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッ
ドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステ
アリルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシ
ッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート等
の酸性リン酸エステル化合物、フェニレンビスフェニル
グリシジルホスフェート等の縮合リン酸エステル化合
物、ポリリン酸塩化合物、赤リン等のリン単体等が挙げ
られる。窒素系化合物は、メラミンシアヌレート、メラ
ミン等のメラミン系誘導体、グアニジン、リン酸グアニ
ジン、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニル尿
素、硫酸グアニル尿素等のグアニジン系誘導体等が挙げ
られる。
【0017】難燃性樹脂組成物及びこれを塗布又は積層
した難燃性積層体には、一般的な難燃助剤、例えばホウ
素系化合物、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸マン
ガン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸鉛等、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム等を添加することができる。
【0018】基材フィルムとしては、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ムなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンスルフィ
ドフィルム、ポリプロピレノキサイドフィルム、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオ
レフィンフィルム、ポリアミドフィルム等を挙げること
ができるが、好ましくはポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミ
ドフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリ
プロピレノキサイドフィルム、ポリアミドフィルムが基
材フィルムと難燃性接着層との密着性が向上する傾向に
ある。さらに本発明の難燃性樹脂組成物は基材フィルム
自体が難燃性が劣るが安価なポリエステル系フィルムに
用いても非常に優れた難燃性を付与できる。
【0019】また、これらのフィルムの厚みは、使用目
的に応じて適宜選択することができ、例えば、数μm〜
数百μmとすることができる
【0020】有機樹脂(Y)としては、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、等種々の熱可塑性樹脂を使用し得る
ことが出来る。この中でも、好ましくはポリエステル系
樹脂及び/又は変性ポリエステル樹脂(A)が使用する
ことが出来る。ポリエステル系樹脂及び/又は変性ポリ
エステル樹脂(A)が好ましい理由としては基材フィル
ムとの密着性と可撓性が良好な傾向にあるからである。
【0021】上記ポリエステル樹脂および/又は変性ポ
リエステル樹脂としては、酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。これらを単
独又は2種類以上併用して使用できる。また、発明の内
容を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロ
メリット酸などの多価のカルボン酸を併用しても良い。
【0022】本発明に用いられるポリエステル樹脂およ
び/又は変性ポリエステル樹脂(A)に共重合するグリ
コ−ル成分としては、具体的にはエチレングリコル、プ
ロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール,1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1、5−ペンタンジオール,2−メチル−1、
5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオールなどが挙げられる。脂環族グリコールと
しては1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサン
ジメタノール、3,8−ビスビドロキシメチルトリシク
ロジシカン、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビス
フェノールF、TCD(トリシクロデカン)グリコール
などが挙げられ、これらを単独又は2種類以上併用して
使用できる。
【0023】本発明に用いられる有機樹脂(Y)にイオ
ン性基を導入することによりノンハロゲン系難燃剤
(X)の分散性が向上し、分散液の貯蔵安定性やラベル
の耐久性、難燃性が向上できる。イオン性基としては、
スルホン酸塩基、硫酸塩基、ホスホン酸塩基、カルボキ
シル基、カルボン酸塩基などが挙げられる。これらのイ
オン性基は、公知の方法で有機樹脂に導入することが出
来、特に限定されるものではない。例えば、ポリエステ
ル樹脂又は変性ポリエステル樹脂にイオン性基を導入す
る場合は、スルホン酸塩基などのイオン性基を含有した
ジカルボン酸又はグリコールをポリエステル樹脂に共重
合する方法、スルホン酸塩基を含有したグリコールを鎖
延長剤に用いてウレタン変性樹脂に合成する方法、カル
ボキシル基含有グリコールを鎖延長剤に用いてウレタン
変性樹脂に導入してからアルカリで中和するなどの公知
の方法が用いられる。イオン性基としては、スルホン酸
金属塩基、スルホン酸ホスホニウム塩基が好ましい。
【0024】スルホン酸塩基を含有するジカルボン酸又
はグリコ−ルとしては、5−スルホイソフタル酸,スル
ホテレフタル酸,4−スルホナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸,5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸な
どの金属塩又は2−スルホ−1,4−ブタンジオ−ル,
2,5−ジメチル−3−スルホ−2,5−ヘキサンジオ
−ル等の金属塩などが挙げられる。
【0025】また、スルホン酸基含有芳香族ジカルボン
酸またはスルホン酸基含有グリコールのホスホニウム塩
としては下記一般式で示されるものが挙げられる。
【化5】 (式中、Aは芳香族基、X1 、X2 はエステル形成
性官能基、R1、R2、R3、R4 はアルキル基でそ
のうちの少なくとも1個は炭素数6以上20以下のアル
キル基)
【0026】具体的には、スルホイソフタル酸トリ−n
−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸ト
リ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホイ
ソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n
−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸ト
リ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホテ
レフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム
塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシル
ホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2、
7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム
塩、4−スルホナフタレン−2、7−ジカルボン酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、4−スルホ
ナフタレン−2、7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘ
キサデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−
2、7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルテトラデシルホ
スホニウム塩、4−スルホナフタレン−2、7−ジカル
ボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、等が
あげられる。
【0027】また、カルボキシル基の導入する方法とし
ては、上記ポリエステル樹脂を重合した後に無水トリメ
リット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水コ
ハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与、変
性ポリエステルとしては、ジメチロールプロピオン酸、
ジメチロールブタン酸等で鎖延長する方法が挙げられ
る。酸価を付与することにより基材フィルムとの密着
性、ノンハロゲン系難燃剤(X)の分散性が向上するこ
とができる。
【0028】また、発明の内容を損なわない範囲で、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併
用しても良い。
【0029】本発明に用いると好ましいポリエステル樹
脂及び/又は変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は
2,000以上、好ましくは3000以上、より好まし
くは7,000以上、最も好ましくは10,000以上
である。数平均分子量が2,000未満では良好な基材
フィルムとの密着性が低下する傾向にある。
【0030】上記変性ポリエステル樹脂は、前述した組
成のポリエステル樹脂を変性して作成できる。変性方法
としては、ウレタン変性、エポキシ変性、アクリル変
性、シリコン変性などが挙げられる。
【0031】本発明の難燃性樹脂組成物は有機樹脂
(Y)と反応し得る硬化剤を配合することができる。硬
化剤を配合することにより、耐水性を付与し、種々の塗
膜物性を向上できる。硬化剤としては、アルキルエーテ
ル化アミノホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化合物およ
びイソシアネート化合物などが挙げられる。この内、加
工性と耐候性の面より、アルキルエーテル化アミノホル
ムアルデヒド樹脂および/またはイソシアネート化合物
が好ましい。
【0032】アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂とは、たとえばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの
炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテ
ル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデ
ヒドなどと尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジア
ミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メト
キシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化
メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールベ
ンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロー
ルメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンな
どが挙げられるが、加工性の面から好ましいのは、メト
キシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラ
ミン、またはメトキシ化/ブトキシ化混合型メチロール
メラミンであり、それぞれ単独、または併用して使用す
ることができる。
【0033】イソシアネート化合物としては芳香族、脂
肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネー
トがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよ
い。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合
物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過
剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビ
トール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子
活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、
ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性
水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネ
ート基含有化合物が挙げられる。
【0034】イソシアネート化合物としてはブロック化
イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロッ
ク化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、
メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノー
ル、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシ
ム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキ
シムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンク
ロルヒドリン、1、3−ジクロロ−2−プロパノールな
どのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−
ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カプロ
ラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、
β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、そ
の他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセト
ン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなど
の活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿
素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げら
れる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート
化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適
宜の方法より付加反応させて得られる。
【0035】エポキシ化合物としてはビスフェノールA
のジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオ
リゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソ
フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシ
ジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエ
ーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ト
リグリシジルイソシアヌレート、1、4−ジグリシジル
オキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付
加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができ
る。
【0036】これらの硬化剤には、その種類に応じて選
択された公知の硬化促進剤を併用することもできる。
【0037】本発明に関する難燃性樹脂組成物は、通常
有機溶剤に溶解し公知の方法、例えばリバースロールコ
ーテイング、ロールコーテイング、グラビアコーテン
グ、キスコーテイング、プレートコーテイング、スムー
ズコーテイング、スクリーン印刷、コンマコーテイング
などにより、塗布、乾燥することにより使用するが、溶
融押し出しコーテングしたり、水に分散して使用するこ
ともできる。使用する有機溶剤としては、例えば、トル
エン、キシレン、酢酸セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸カルビトール、シクロヘキサノン、メチルエ
チルケトン、イソホロン、ソルベッソ100、ソルベッ
ソ150(エクソン化学(株))などの芳香族炭化水素
等の汎用溶剤が挙げられる。塗装方法によって適切なも
のが選定される。また、本発明の難燃性樹脂組成物の基
材フィルムなどのに対する塗布量は、基材フィルムの厚
みや、材質により異なるが、おおむね5μm〜200μ
mが好ましい。
【0038】本発明に関する難燃性樹脂組成物は顔料を
配合、分散して着色することができる。配合する顔料の
種類に制限はなく、例えば、各種酸化チタン系顔料、酸
化鉄(ベンガラ)、黄鉛、モリブデートオレンジ、カド
ニウム系顔料、カーボンブラックなどの無機着色顔料、
銅フタロシアニン系の緑または青顔料、環式高級顔料、
溶性アゾ顔料、染付顔料などの有機顔料、硫酸バリウ
ム、亜鉛華、タルク、クレー、炭酸カルシウム、シリカ
などの無機体質顔料、(メタ)アクリル系ビーズ、アク
リロニトリル系ビーズ、塗料に使用する溶剤に難容性の
結晶性ポリエステル樹脂粉末などが挙げられる。
【0039】また、本発明に関する難燃性樹脂組成物に
は、1種以上の添加剤を混合してもよい。使用する添加
剤としては、特に制限はなく、たとえば、一般に使用さ
れる各種レベリング剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、抗
酸化剤、粘性改質剤、耐光安定剤、金属不活性化剤、過
酸化物分解剤、充填剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防食
剤、防錆剤、乳化剤、鋳型脱色剤、蛍光性増白剤、有機
防炎剤、無機防炎剤、滴下防止剤、溶融流改質剤、静電
防止剤などを挙げることができる。上記の適当な添加剤
は、カナダ国特許第1,190,038号明細書に例示
されている。
【0040】難燃性中間層上の接着層に使用できる接着
剤としては、公知のものを使用でき、例えば、SBR
系、天然ゴム系、溶剤系アクリル樹脂、エマルジョン系
アクリル樹脂、ブチルゴム系、イソブチルゴム系熱可塑
性エラストマー系(ホットメルト)、シリコーン系、ポ
リエステル系などの任意の粘着剤を使用することができ
るが、好ましくは、溶剤系アクリル樹脂、ブチルゴム
系、シリコーン系が好ましく、好ましい理由としては、
基材フィルムとの密着性が良好な傾向あるからである。
これらの樹脂は、必要により希釈して塗布に適した粘度
とした後、公知のコーテイング方法、例えば、リバース
ロールコーテイング、ロールコーテイング、グラビアコ
ーテング、キスコーテイング、プレートコーテイング、
スムーズコーテイングなどにより、コーテイングする。
粘着層の厚さは一般的に10〜200μmであり、好ま
しくは15〜150μmである。
【0041】本発明に関する接着剤には、本発明記載の
ノンハロゲン系難燃剤を配合しても良い。配合量は、本
発明記載のノンハロゲン系難燃剤を接着剤100重量部
に対し300重量部未満、好ましくは200重量部未
満、さらに好ましくは100重量部未満が良好で ノン
ハロゲン系難燃剤の使用量が300部以上では難燃性中
間層、成形材料との密着性が低下する傾向にある。
【0042】本発明に関する接着剤には、顔料を配合、
分散して着色することができる。配合する顔料の種類に
制限はなく、例えば、各種酸化チタン系顔料、酸化鉄
(ベンガラ)、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドニウ
ム系顔料、カーボンブラックなどの無機着色顔料、銅フ
タロシアニン系の緑または青顔料、環式高級顔料、溶性
アゾ顔料、染付顔料などの有機顔料、硫酸バリウム、亜
鉛華、タルク、クレー、炭酸カルシウム、シリカなどの
無機体質顔料、(メタ)アクリル系ビーズ、アクリロニ
トリル系ビーズ、塗料に使用する溶剤に難容性の結晶性
ポリエステル樹脂粉末などが挙げられる。
【0043】本発明に関する難燃性積層フィルムは、公
知の手法に従って製造することができ、例えば、基材フ
ィルム上に、有機樹脂(Y)を含むベース樹脂を前述し
た公知の方法で製造することができる。このようにして
得られた難燃性フィルムはラベル、装飾フィルム等とし
て各種の成形体に貼り付ける。
【0044】成形体としては、ポリアクリロニトリルブ
タジエンスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレ
ンブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
等の樹脂の成形体、アルミニウム板、ステンレス板、鋼
板、トタン板 、ブリキ板、等の金属板又はその成型
物、ガラス、コンクリート、モルタル、スレートなどが
挙げられる。これらの中でも、樹脂成形体、金属板の成
型物にラベルや装飾物として貼り付けられることが好ま
しい。
【0045】なお、難燃性積層フィルムを基材に接着す
る際は、難燃性積層体フィルムの接着力が難燃剤の存在
により常温では十分でない場合には、導体に積層すると
きに40℃〜200℃の範囲に加熱したプレスなどを使
用する方法を採用することが好ましい。
【実施例】以下本発明を実施例を用いて説明する。実施
例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項
目は以下の方法に従った。
【0046】1.数平均分子量 (試料の調整)テトラヒドロフランを溶媒として使用
し、試料用樹脂0.05gを1gのテトラヒドロフラン
に溶解して試料とした。 (装置)ウオータズ株式会社製の高速GPC装置150
cを用いた。 (標準ポリスチレン)東ソー株式会社製のTSK標準ポ
リスチレンを用いた。 (測定条件)測定温度35℃、流量1ml/分で測定し
た。
【0047】2.難燃性 難燃性の評価は、難燃性試験:Underwriter
s Laboratories Inc.の、VTM/
UL94、燃焼試験によって測定した。試験片は、厚み
が、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東洋紡(株)製E−5000)上に難燃性樹脂組成物
を所定の厚みで塗布したものを用いた。難燃性のレベル
はVTM−0、VTM−1,VTM−2、NOT−VT
Mであり、VTM−0が最も良好である。試験結果はこ
れらの試験に合格した難燃性のレベルで表記した。
【0048】3.燃焼ガス分析 燃焼ガス試験JIS K7217に準拠して燃焼ガス分
析を行い、ハロゲン化水素の発生が検知されなかったも
のを○、検知されたものを×と、表示した。
【0049】4.密着性 JIS K 5400の碁盤目テープ法に基づいて行っ
た。カッターナイフはオルファ(株)製L型(11S
P)を用いた。セロハン粘着テープはニチバン製セロテ
ープ(TM)CT−24Fを用いた。難燃性フィルムを成形
体に貼り付け、難燃性フィルム面から、成形体に達する
ように切れ目を入れた。切れ目は縦横各11本の2mm
間隔の直交する切れ目とし、格子状に一辺の長さ2mm
の正方形を100個作った。その他は、JISK 54
00に準じて行った。剥がれずに残った升目の数を数え
た。一部でも剥がれたものは剥がれた数に数えた。な
お、耐水試験後の密着性テストは、同様に切れ目を入れ
たテスト用サンプルを耐水性評価と同様に沸水中に1時
間浸積し、取り出してすぐ水分をふき取り、その後25
℃のHR50%の部屋に1時間放置したテスト用サンプ
ルにセロハン粘着テープを貼り付けてテストした。
【0050】5.分散性 有機樹脂を所定の溶剤に溶解した樹脂溶液に所定量のノ
ンハロ難燃剤(X)を配合、攪拌して分散樹脂溶液を作
成した。得られた分散樹脂溶液を25℃で2時間保存し
た。分散性はこの分散樹脂溶液の粒子の凝集、沈降や粘
度変化で評価した。評価基準を以下に示す。 ○:粒子の凝集、沈降や粘度の上昇が認められない。 △:若干の粒子の凝集、沈降が認められるか、増粘す
る。 ×:粒子の凝集、沈降が顕著に認められるか、顕著に増
粘する。 △以上が実用範囲である。 6.耐水性 試験片を沸水中に1時間浸積、外観を目視にて確認し
た。 外観変化なし:○ 外観不良:×
【0051】ポリエステル樹脂(A)の合成例 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にシ
クロヘキサンジカルボン酸 131部、テレフタル酸
13部、イソフタル酸 13部、5−スルホナトリウム
イソフタル酸 9部、1,6−ヘキサンジオール 71
部、ネオペンチルグリコール 94部、テトラブチルチ
タネート 0.068部を仕込み、160℃から240
℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系
内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで
減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃
にて60分間重縮合反応を行った。得られたポリエステ
ル樹脂(A)はNMR等の組成分析の結果、酸成分がモ
ル比でシクロヘキサンジカルボン酸/テレフタル酸/イ
ソソフタル酸/5−スルホナトリウムイソフタル酸=8
0/8/8/4であり、グリコール成分がモル比で1,
6−ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール=50
/50であった。また、数平均分子量を測定したところ
3000であった。結果を第1表に示す。以下、上記合
成例に準じた方法により表1に示す組成のポリエステル
樹脂(B)〜(C)を合成した。
【0052】ポリエステル樹脂(D)の合成例 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテ
レフタル酸 82部、イソフタル酸 82部、トリメリ
ット酸 3.8部、1,6−ヘキサンジオール174
部、ネオペンチルグリコール 78部、テトラブチルチ
タネート 0.068部を仕込み、160℃から240
℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系
内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで
減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、250℃
にて60分間重縮合反応を行った後、窒素雰囲気中で2
30℃まで温度を下げ、トリメリット酸を3.8部付加
して230℃で30分撹拌しトリメリット酸後付加反応
を行った。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】ウレタン変性ポリエステル樹脂(E)の合
成例 合成例(A)で得られたポリエステル(A)100部、
トルエン100部仕込み溶解後、トルエン20部を蒸留
させトルエン/水の共沸により反応系を脱水した。60
℃まで冷却後メチルエチルケトン80部、ネオペンチル
グリコール5g、イソホロンジイソシアネート18部と
投入した。さらに反応触媒としてジブチルチンジラウレ
ート0.03部を加えた後、80℃で6時間加熱後、ト
ルエン65部、シクロヘキサノン147部を加え固形分
濃度30%のウレタン変性ポリエステル樹脂溶液(E)
を得た。得られたウレタン変性ポリエステル樹脂溶液
(E)の組成、特性値を第2表に示した。以下、上記合
成例に準じた方法により表2に示す組成のウレタン変性
ポリエステル樹脂(F)を合成した。
【0055】
【表2】
【0056】アクリル変性ポリエステル樹脂の合成例
(G) 撹拌機、温度計および部分還流式冷却器を具備したステ
ンレススチール製オートクレーブにシクロヘキサンジカ
ルボン酸131部 イソフタル酸20部、5−スルホナ
トリウムイソフタル酸 9部、ネオペンチルグリコール
100部 1−6ヘキサンジオール68部、およびテト
ラ−n−ブチルチタネート 0.068部を仕込み、1
60〜220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行
なった。ついで200℃に冷却し、フマール酸4.6部
を加え200℃から220℃まで1時間かけて昇温し、
エステル化反応を行なった。ついで255℃まで昇温
し、反応系を徐々に減圧したのち0.2mmHgの減圧
下で1時間30分反応させ、アクリル変性ベースポリエ
ステル樹脂(A−1)を得た。得られたポリエステル樹
脂(A−1)は淡黄色透明で数平均分子量は12000
であった。NMR等により測定した組成分析結果を表3
に示す。
【0057】
【表3】
【0058】撹拌器、温度計、還流装置と定量滴下装置
を備えた反応器にポリエステル樹脂(A−1)75部と
メチルエチルケトン56部とイソプロピルアルコール1
9部をいれ65℃で加熱、撹拌し樹脂を溶解した。樹脂
が完溶した後、アクリル酸エチル25部の混合物と、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル1.2部を25部のメチ
ルエチルケトンに溶解した溶液とを0.2ml/分でポ
リエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続け
た。得られたアクリル変性ポリエステル(G)は淡黄色
透明で数平均分子量は14000であった。NMR等に
より測定した組成分析結果を表4に示す。
【0059】以下、上記合成例に準じた方法により表4
に示す組成のアクリル変性ポリエステル樹脂(H)を合
成した。
【0060】
【表4】
【0061】実施例1 ポリエステル樹脂(A)をメチルエチルケトン/トルエ
ン=50/50重量比に溶解した樹脂溶液70固形部と
ポリリン酸アンモニウム(太平化学(株)製:タイエン
S)30固形部をガラスビーズ型高速振とう機で5時間
分散し難燃性分散溶液が得られた。得られた難燃性分散
溶液は良好な分散性を示した。試験結果を表5に示し
た。
【0062】分散樹脂溶液を乾燥膜厚が50μmになる
ように、100μm厚のポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(東洋紡(株)製E−5000)上にバーコータ
ーで塗布乾燥して、難燃接着剤層を有する難燃性積層体
を作製した。得られた、難燃性積層体は良好な基材フィ
ルム密着性を有した。試験結果を表5に示した。
【0063】さらにシリコーン変性ポリマー(セメダイ
ン(株)製PM210)をバーコーターで塗布乾燥し
て、100μm厚の接着剤層を有した難燃性積層フィル
ムを作成した。得られた、難燃性積層フィルムは良好な
難燃性、発煙抑制効果を有した。試験結果を表5に示し
た。
【0064】さらに、難燃性積層フィルムを縦70mm
×横150mm×厚3mmのABS(アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン)系樹脂成形物にハンドプレス
を用いて0.5kg/cm2の力で難燃性積層フィルム
を圧着し作成した。得られた試料は卓越した成型品との
密着性を有した。試験結果を表5に示した。
【0065】以下、第5表〜第7表に示す組成により同
様にして、実施例2〜12、比較例1〜3の難燃性接着
性フィルムを作成した。得られたの難燃性接着性フィル
ムの試験結果を表6〜表8に示す。ただし、配合比は固
形分換算で表示した。
【0066】
【表5】 1)リン酸メラミン:(太平化学(株)製) 2)PMP−100:ポリリン酸メラミン(日産化学
(株)製) 3)PMP−200:ポリリン酸メラム(日産化学
(株)製) 4)PMP−300:ポリリン酸メレム(日産化学
(株)製) 5)エピコート#1004:ビスフェノールA型エポキ
シ(油化シェル(株)製) 6)アミノホルムアルデヒド樹脂(三井サイテック
(株)製) 7)コローネートHX:ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(日本ポリウレタン(株)製)
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】 8)タイエンS:ポリリン酸アンモニウム(太平化学
(株)製)
【0069】ポリエステル樹脂(I)〜(K)の合成例 ポリエステル樹脂(A)の合成例と同様にして、表8に
示す。ポリエステル樹脂(I)〜(K)を合成した。結
果は表8に示す。
【0070】
【表8】
【0071】ウレタン変性ポリエステル樹脂(L)、
(M)の合成例 ウレタン変性ポリエステル樹脂(E)の合成例と同様に
してウレタン変性ポリエステル樹脂(L)と(M)を得
た。結果は表9に示す。
【0072】
【表9】
【0073】アクリル変性ポリエステル樹脂(N)、
(O)の合成例 アクリル変性ポリエステル樹脂(G)の合成例と同様に
して、ポリエステル樹脂(C−1)、(D−1)を合成
後(表10)、アクリル変性してアクリル変性ポリエス
テル樹脂(N)、(O)を得た。結果を表11に示す。
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】実施例13〜22、比較例4〜6 実施例1と同様にして、実施例13〜22、比較例4〜
6を行った。結果は表12〜14に示す。
【0077】
【表12】
【0078】
【表13】 9)パラロイドb−44:メチルメタアクリル系樹脂
(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)
【0079】
【表14】
【0080】
【発明の効果】本発明は、特定のリン系ノンハロゲン系
難燃剤(X)を有機樹脂(Y)に分散させた難燃剤分散
体を難燃中間層塗布又は積層することにより難燃性、発
煙抑制効果に優れ、さらに、卓越した基材フィルムとの
密着性が良好で尚かつ、難燃中間層上に接着層とが少な
くとも設けられていることにより成形体との卓越した接
着性が得られるもで、OA機器、自動車、車載用部品、
家電製品等の分野などにおける高い要求品質にこたえる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA01 AA43 AA78 AB25 AE07 AF47 AF47Y AF58 AH07 AH12 BA02 BB02 BC02 4F100 AB03B AB04B AB10B AK41 AK74B AK80 AR00A BA02 BA07 CA08 EJ17 JJ07A YY00A 4J002 CC162 CC182 CC192 CD022 CD052 CD132 CF031 CF041 CF051 CF081 CF141 CF151 CF271 ER007 EW046 FD090 FD136 FD142 FD147 FD150 GN00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃性がVTM/UL94で1以上の難
    燃性フィルムが貼り付けられ、該貼り付けられたフィル
    ムがJIS K 5400の規定の碁盤目テープ法テス
    トで70/100以上であり、かつ、貼り付けられたフ
    ィルムに碁盤目テストの切り目を入れ、これを沸水中に
    1時間付けた後の碁盤目テープ法テストが50/100
    以上であることを特徴とするフィルムが貼り付けられた
    成形体。
  2. 【請求項2】 難燃性フィルムが、基材フィルム上に少
    なくとも難燃性層が設けられている難燃性積層フィルム
    であることを特徴とする請求項1記載のフィルムが貼り
    付けられた成形体。
  3. 【請求項3】 物品がABS樹脂の成形体であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムが貼り付け
    られた成形体。
  4. 【請求項4】 物品がアルミニウム板、ステンレス板、
    鋼板の加工品であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のフィルムが貼り付けられた成形体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009544828A (ja) * 2006-07-28 2009-12-17 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 難燃性の熱可塑性組成物

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