JP2003246831A - 難燃性ポリウレタン樹脂、接着剤、並びにそれらを用いた積層体とフラットケーブル - Google Patents

難燃性ポリウレタン樹脂、接着剤、並びにそれらを用いた積層体とフラットケーブル

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JP2003246831A
JP2003246831A JP2002050166A JP2002050166A JP2003246831A JP 2003246831 A JP2003246831 A JP 2003246831A JP 2002050166 A JP2002050166 A JP 2002050166A JP 2002050166 A JP2002050166 A JP 2002050166A JP 2003246831 A JP2003246831 A JP 2003246831A
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flame
polyurethane resin
phosphorus
resin
acid
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JP2002050166A
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Kenji Shiga
健治 志賀
Takahiro Hatsutori
貴洋 服部
Katsuya Emoto
克也 江本
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車部品、電化製品、フィルム、繊維用途
の積層体、特にフラットケーブルに用いられる接着剤に
関して、ハロゲンを用いなくとも優れた難燃性を発現す
るだけでなく、接着性とブロッキング性の両立、かつ樹
脂の強靱性により優れた耐屈曲性を発現する樹脂を提供
する。 【解決手段】 一般式1または一般式2で示されるリン
含有カルボン酸化合物あるいはそのカルボキシル基をエ
ステル化した化合物を共重合して得られるリン含有ポリ
エステルポリオールを含むポリウレタン樹脂であり、か
つ該ウレタン樹脂の酸価が50当量/106g以上40
0当量/106g以下であることを特徴とする難燃性ポ
リウレタン樹脂に関する。 一般式1; 【化1】 一般式2; 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリウレタ
ン樹脂に関するものであり、優れた接着性、難燃性を有
する。該難燃性ポリウレタン樹脂を含む難燃性ポリウレ
タン接着剤は、接着性と耐ブロッキング性を両立する。
さらにはその樹脂の強靱性により、その積層体やフラッ
トケーブルは優れた耐屈曲性を示す。
【0002】
【従来の技術】近年、様々な分野で難燃化材料が求めら
れている。例えば、OA機器や家電製品などにおいては
部品の誤動作による異常加熱で万一高分子材料が着火し
ても火災の原因とならないようにすることが必要とされ
ており、速やかな自己消火が重要となってきている。こ
のような状況においては、さらに高度な難燃材料を付与
するためには、成形材料を難燃化するだけではなく、そ
れに用いる接着剤についても難燃化する必要がある。
【0003】これまでの難燃化接着剤には、骨格にハロ
ゲン原子を導入することや、特開昭52−29830号
公報に見られるように、ハロゲン系難燃剤と三酸化アン
チモンを併用する難燃化処方が良く知られている。
【0004】しかし、一部でそれら難燃剤の焼却時にダ
イオキシンが発生するのではないかと言われている中、
ハロゲン系難燃剤使用量を減らしていこうとする取り組
みが行われてきている。例えば欧州での製品へのエコラ
ベル添付の動き等である。
【0005】一般的に、ノンハロゲン、低有害、低発煙
化難燃化に関する技術として例えば、リン酸エステル等
のリン系難燃剤を添加する方法が挙げられるが、高度の
難燃性を発現させるには、これらの難燃剤を大量に配合
する必要がある。この場合、接着性、機械特性等の用途
特性が低下するだけでなく、難燃剤自身がブリードアウ
トして接着性が経時的に低下する問題の生じることがあ
る。
【0006】そこで、ハロゲンフリーでポリエステル樹
脂自体に難燃性を付与する方法としては種々提案されて
いるが、その中でも、リン化合物の共重合による難燃化
技術が、特開昭53−128195号公報、特開昭63
−150352号公報等に提案されている。これまで
に、種々の用途に用いられてきた多くのポリエステル系
接着剤の中には、被着体に対する接着性と耐ブロッキン
グ性を両立できないことが多いために、様々な製品製造
上の問題が発生してきた。これは多くの場合、常温域で
の被着体に対する接着性を向上させるために、樹脂のガ
ラス転移温度を常温付近あるいはそれ以下に分子設計し
ていることが原因と考えられる。このような接着剤は通
常ポリエステルフィルム(以下PETフィルムと略す)
をはじめとするプラスチックフィルムに塗布し、乾燥
後、そのフィルムを巻き取り、その後に再び巻き出し
て、もう一方の被着体である例えば金属等に貼り合わせ
るという過程で積層体が製造される。この際、接着テー
プを製造し、これを生産工程でロール上に巻取ったと
き、ブロッキングが起こると、接着テープは、一塊の接
着ロールとなって使用できなくなるという問題が起こ
る。これらの問題を解決するために、ブロッキング防止
剤の添加、高ガラス転移温度樹脂ブレンド、または、製
造工程中に接着剤表面を離型フィルムでカバーし、ロー
ル状に巻取るという作業が行われているのが現状であ
る。例えば、特開平10−46474号公報、特開20
00−128967号公報に用いられているリン含有ポ
リエステル接着剤についての接着性と耐ブロッキング性
を調べたところ、接着剤のブロッキングが認められたた
め、上述した様な、ブロッキング防止処方が必要とな
る。
【0007】最近、自動車用部品や家電製品の配線部品
として軽量化やコストダウンの観点からフラットケーブ
ルが多用されている。このフラットケーブル用接着剤に
はPETや塩化ビニル、ポリイミドというようなプラス
チックフィルム層、接着剤、銅等金属箔の三層の構成が
含まれることが多い。すなわち接着剤にはプラスチック
フィルムと金属箔の両方への接着性が求められると共
に、その接着剤の耐久性が要求される。すなわち長時間
折り曲げて使用されたり、または褶曲部分に用いられた
りする場合に、かなり高度な耐屈曲性等の機械的特性が
必要となるが、従来より提案されてきたノンハロゲンの
難燃剤を添加した接着剤あるいはリン原子を有する化合
物を共重合したポリエステルを用いた接着剤でこれら要
求性能を満足することは出来ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、自動
車部品、電化製品、フィルム、繊維用途の積層体、特に
フラットケーブルに用いられる接着剤に関して、ハロゲ
ンを用いなくとも優れた難燃性を発現するだけでなく、
接着性とブロッキング性の両立、かつ樹脂の強靱性によ
り優れた耐屈曲性を発現する樹脂を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ノンハロ
ゲンでの難燃性、接着性と耐ブロッキング性の両立、耐
屈曲性等の機械的特性に優れた接着剤を得るべく鋭意研
究を重ねた結果、リン含有ポリウレタン樹脂を用いた場
合、良好な接着性と耐ブロッキング性の両立が可能で、
かつ接着剤の強靱性から耐屈曲性が向上することを見出
し、本発明に到達した。すなわち本発明は以下の難燃性
ポリウレタン樹脂とその接着剤、並びにそれらを用いた
積層体とフラットケーブルである。
【0010】(1)一般式1または一般式2で示される
リン含有カルボン酸化合物あるいはそのカルボキシル基
をエステル化した化合物を共重合して得られるリン含有
ポリエステルポリオールを含むポリウレタン樹脂であ
り、かつ該ウレタン樹脂の酸価が50当量/106g以
上400当量/106g以下であることを特徴とする難
燃性ポリウレタン樹脂。 一般式1;
【化3】 1、R2:水素原子、または炭化水素基 R3、R4:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
換炭化水素基 1、m;0〜4の整数 一般式2;
【化4】 5:水素原子、または炭化水素基 R6、R7:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
換炭化水素基
【0011】(2)(1)記載のポリウレタン樹脂を含
むことを特徴とする難燃性ポリウレタン樹脂含有接着
剤。
【0012】(3)プラスチックフィルム層、(2)記
載のポリウレタン樹脂含有接着剤層、金属層の構成を含
むことを特徴とする積層体。
【0013】(4)プラスチックフィルム層、(2)記
載のポリウレタン樹脂含有接着剤層、金属層の構成を含
むことを特徴とするフラットケーブル。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂
には、ノンハロゲンで難燃性を付与するためにリン原子
を有するモノマーを共重合や変性によって導入し、分子
鎖中にリン原子を含むことが必須である。含まれるリン
原子の量としては、樹脂の重量中0.5wt%以上が好ま
しく、より好ましくは1.0wt%以上、さらに好ましく
は2.0%以上、最も好ましくは3.0wt%以上であ
る。上限は特に限定されないが重合時に所定の分子量の
樹脂が得られなくなるという可能性から6.0wt%未
満望ましい。リン原子含有量が0.5wt%未満である
と難燃性が低く、難燃性接着剤として使用しにくくなる
場合がある。これらの樹脂にリン原子を導入する方法と
しては一般的な方法が用いられるが、その中でも特に下
記一般式1、または、一般式2で示される含リン多価カ
ルボン酸化合物、あるいはそのカルボキシル基をエステ
ル化した化合物を共重合したポリエステルポリオールを
ウレタン樹脂成分として用いる方法がより好ましい。
【0015】一般式1;
【化5】 1、R2:水素原子、または炭化水素基 R3、R4:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
換炭化水素基 1、m;0〜4の整数
【0016】一般式2;
【化6】 5:水素原子、または炭化水素基 R6、R7:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
換炭化水素基
【0017】R1、R2、R5の具体例としては水素原
子、メチル、エチル、プロピル、フェニルような炭化水
素基である。R1、R2は同じであっても良いし、また相
異なっていても良い。R5は水素原子、メチル、エチ
ル、プロピル、フェニルような炭化水素基である。
3、R4、R6、R7は、水素原子、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシ
エチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロ
ピル、4−ヒドソキシブチル、2−ヒドロキシエチルオ
キシエチルのような炭化水素基またはヒドロキシ基置換
炭化水素基等である。
【0018】これらのうち好ましいのは一般式1に示し
た化合物であり、その中でも特にR 1とR2が水素で、R
3とR4がヒドロキシエチル基の化合物を用いると重合安
定性が良く、所定の分子量のものを得る上で好ましい。
【0019】該リン含有ポリエステルポリオールに用い
られる成分の二塩基酸成分としては、特に制限されるも
のでは無いが、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボンル酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族
二塩基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族二塩基酸が挙げら
れる。
【0020】また、該リン含有ポリエステルポリオール
に用いられるグリコール成分としては、特に制限される
ものでは無いが、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、1,
3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5
−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−
ル、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロ
キシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサスド付加物、1,9−ノナンジオ
ール、2−メチルオクタンジオール、1,10−デカン
ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール、トリシクロデカンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等を用いることができる。
【0021】該難燃性ポリウレタンのポリオール成分原
料としては、上記のリン含有ポリエステルポリオール以
外にリンを含有しないポリオール成分として、ポリエス
テルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール等を、上記リン含有ポリエステルポリ
オールと併用して使用することも可能である。また上記
リン含有ポリエステルポリオールに用いることができる
として挙げたポリオールをポリウレタンの鎖延長剤とし
て用いることができるのは言うまでもない。
【0022】該難燃性ポリウレタン樹脂に用いられるイ
ソシアネート成分としては、2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアナ
ート、3、3’−ジメトキシ−4,4’ビフェニレンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−
ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジ
イソシアネートジフェニルエーテル、1,5−キシリレ
ンジイソシアネート、1,3ジイソシアネートメチルシ
クロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロ
ヘキサン、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0023】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂の酸価
は、50当量/106g以上400当量/106g以下で
あることが必要である。好ましい下限は80当量/10
6g以上、より好ましくは100当量/106g、最も好
ましくは150当量/106gである。一方好ましい上
限は350当量/106g、より好ましくは300当量
/106g、最も好ましくは250当量/106g以下で
ある。樹脂の酸価が、50当量/106g未満の時、被
着体における接着性が低下する虞があり、樹脂の酸価が
400当量/106gを超える場合、初期接着性は良好
であるが、長期使用時に樹脂が加水分解して分子量が低
下すると共に、凝集力が低下して接着性が低下すること
がある。尚ここで言う酸価とは樹脂106g(1トン)
当たりのカルボキシル基の当量数を示す。
【0024】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂に酸価を
付与する方法としては、酸変性処理を施したリン含有ポ
リエステルポリオールを用いて難燃性ポリウレタン樹脂
を合成する方法や、ジメチロールプロピオン酸、ジメチ
ロールブタン酸等を鎖長延長剤として難燃性ポリウレタ
ン樹脂を合成する方法が挙げられる。これらのうち、ポ
リウレタン樹脂の重合の際、適度の分子量に調整するた
めには後者の方が好ましい。
【0025】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂のガラス
転移温度は−15℃以上100℃未満が好ましい。より
好ましい下限は−10℃、さらに好ましくは−5℃であ
る。より好ましい上限は60℃未満、さらに好ましくは
40℃未満である。ガラス転移温度が−15℃未満にな
るとリン含有ポリウレタン樹脂のブロッキングがひどく
なり、接着剤を塗布した後、フィルム等の基材の取り扱
いが困難となることがある。また、ガラス転移温度が1
00℃を超えると、室温付近での弾性率が高くなり、樹
脂自体が堅すぎて被着体に対して接着性が発現しない場
合がある。
【0026】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂のウレタ
ン基濃度は、接着性と耐ブロッキング性の両立および耐
屈曲性等の機械的特性に関連していると考えられる。こ
れらの特性を満足させるために好ましいウレタン基濃度
は、1000当量/106g以上3000当量/106
未満である。さらに好ましい下限は1200当量/10
6g、最も好ましい下限は1500当量/106gであ
る。さらに好ましい上限は2500当量/106g、最
も好ましい上限は2000当量/106gである。ウレ
タン基濃度が1000当量/106g未満の場合、耐ブ
ロッキング性が低下し、かつ耐屈曲性等の機械的特性が
低下することがある。また、ウレタン基濃度が3000
当量/106g以上の場合、メチルエチルケトン、トル
エン等の一般的に使用されている低沸点溶剤に対する溶
解性が悪くなり、作業性が低下することがある。ここで
言うウレタン基濃度とは樹脂106g(1トン)当たり
のウレタン基の当量数を示す。
【0027】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂の数平均
分子量は8000以上が好ましい。さらに好ましくは1
0000以上、より好ましくは20000以上である。
数平均分子量が8000未満では、機械的強度が不足し
てしまい、接着性等の各種用途特性が損なわれる虞があ
る。上限は特に限定されないが、重合時の経済性、出来
上がった接着剤の溶液粘度を考慮すると40000以
下、好ましくは30000以下が好ましい。
【0028】なお、本発明の難燃性ポリウレタン樹脂
は、難燃剤を併用することで難燃効果をさらに高めるこ
とができる。例えば、リン酸エステル、リン酸アミド、
有機フォスフィンオキサイド等の有機リン系難燃剤や赤
燐、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、トリア
ジン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、ポリス
チレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の金属塩系難燃
剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和
金属系難燃剤、その他無機系難燃剤である。リン化合物
含有樹脂自身の高い難燃性と難燃剤が持つ難燃機構の複
合効果からより高い難燃効果が得られる。
【0029】この難燃性ポリウレタン樹脂は必要に応じ
て、エポキシ樹脂、酸無水物、イソシアネート化合物等
の硬化剤、スズ系、アミン系等の硬化触媒を使用するこ
とができる。特に、エポキシ樹脂は耐熱性を発現する上
で非常に好ましい。
【0030】例えばエポキシ樹脂としてはビスフェノー
ル−Aのジグリシジルエーテル、およびそのオリゴマ
ー、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル
酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエ
ステル、p−ヒドロキシ安息香酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、およびポリアルキレングリコールジグリシジル
エーテル類、トリメリト酸トリジグリシジルエステル、
トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−グリシジル
オキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物
のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
これらはそれぞれ単独、または併用して使用することが
できる。
【0031】またイソシアネート化合物の硬化剤として
は芳香族、脂環族、脂肪族のジイソシアネート化合物、
3価以上のポリイソシアネート化合物があり、低分子化
合物、高分子化合物のいずれでも良い。例えばテトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、或い
はこれらイソシアネート化合物の3量体、およびこれら
イソシアネート化合物の過剰量と例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどの低分子活性化合物または各種ポリエス
テルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリア
ミド類の高分子活性水素化合物等と反応させて得られる
末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。これら
はそれぞれ単独、または併用し使用できる。
【0032】また、接着剤としてポットライフが必要な
場合、イソシアネート化合物としてはブロック化イソシ
アネート化合物を使用しても良い。イソシアネートブロ
ック剤としては例えば、フェノール、チオフェノール、
メチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レ
ゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等
のフェノール類、アセトオキシム、メチルエチルケトオ
キシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
のアルコール系、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジ
クロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール
類、t−ブタノール、t−ペンタノール等の第3級アル
コール類、ε−カプロラクタム等のラクタム類が挙げら
れ、そのほかにも芳香族アミン類、イミド類、アセチル
アセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステ
ルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン
類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども
挙げられる。ブロック化イソシアネート化合物は前記イ
ソシアネート化合物とブロック化剤とを従来公知の方法
により、反応させて得られ、同じくそれぞれ単独、また
は併用して使用できる。
【0033】また、本発明の難燃性ポリウレタン樹脂に
は、各種の添加剤を混合して接着剤、コーティング剤に
用いることができる。添加剤としては、上記に示した難
燃剤の他にタルク、雲母、ポリエチレン、各種金属塩等
の結晶核剤、着色顔料、無機、有期系の充填剤、タック
性向上剤等が挙げられる。
【0034】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂を有機溶
剤に溶解させ、プラスチックフィルム上に塗工、乾燥す
ることにより接着用フィルムを得ることが出来る。乾燥
膜厚としては、200μm〜3μmが好ましい。より好
ましくは100μm以下、さらに好ましくは、70μm
以下であり、10μm以上がより好ましい。
【0035】プラスチックフィルムとしては、ポリエス
テルフィルム(以下PETフィルムと略す)、ポリアミ
ドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリオキサベンザゾールフィ
ルム等、任意のプラスチックフィルムが用いられるが、
ポリエステルフィルムが経済性や汎用性の面で好まし
い。プラスチックフィルムには、必要に応じコロナ処理
や易接着層を設けることができる。
【0036】このようにして得られた本発明の難燃性ポ
リウレタン樹脂が塗布されたプラスチックフィルムは、
他の素材やプラスチックフィルムどうしと重ね合わせ
て、加熱加圧し接着することにより積層体を構成するこ
とが出来る。他の素材としては、金属類が好ましく電気
配線部品、電気回路として用いるときには、銅箔、銅線
が好ましい。本発明のリン含有ポリウレタン樹脂、およ
び難燃性ポリウレタン樹脂を含む接着剤は、PETフィ
ルム、銅箔に対して優れた接着性が発現されるので、こ
れを同時に使用している電気配線部品、特にフラットケ
ーブル等の接着剤として用いると非常に好適である。
【0037】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂は、上記
の用途以外にもポリイミド、ポリエステル等の各種プラ
スチッックフィルムや銅、ステンレス、アルミニウム等
の金属箔、エポキシ含浸ガラス布あるいは、エポキシ含
浸不織布、ポリエステルやナイロン等の繊維の接着や含
浸用樹脂として用いることができる。また、構造材料と
してポリエステル等をベースにした難燃性プラスチック
にも適用できる。
【0038】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定される
ものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下
の方法によって測定したものである。実施例中に単に部
とあるのは重量部を示す。
【0039】組成:樹脂を重クロロホルムに溶解し、1
H−NMRにより定量した。
【0040】数平均分子量:テトラヒドロフランを溶媒
として用いてゲル浸透クロマトグラフィによりポリスチ
レン換算値として求めた。
【0041】酸価:樹脂溶液を室温で12時間真空乾燥
する事により完全に溶剤を除いた塗布フィルムを用い
て、クロロホルムに溶解後、水酸化カリウムのエタノー
ル溶液で滴定することにより酸価を測定した。指示薬は
フェノールフタレイン液を用いた。
【0042】ガラス転移温度:示差走査熱量計を用い、
測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封
し20℃/minの昇温速度で測定した。
【0043】ウレタン基濃度:ポリウレタン樹脂の組成
分析を1H−NMRで行い、その結果から樹脂1トンあ
たりのイソシアネート基の当量数を理論計算した。
【0044】リン原子含有量:(湿式分解・モリブデン
ブルー比色法によるリンの定量)試料中のリン濃度にあ
わせて試料を三角フラスコに計量し、硫酸3ml、過塩
素酸0.5mlおよび硝酸3.5mlを加え、電熱器で
半日かけて徐々に加熱分解した。溶液が透明になった
ら、さらに加熱して硫酸白煙を生じさせ、室温まで放冷
し、この分解液を50mlメスフラスコに移し、2%モ
リブデン酸アンモニウム溶液5mlおよび0.2%硫酸
ヒドラジン溶液2mlを加え、純水にてメスアップし、
内容物をよく混合した。沸騰水浴中に10分間フラスコ
をつけて加熱発色した後、室温まで水冷し、超音波にて
脱気して、溶液を吸収セル10mmに採り、分光光度計
(波長830nm)にて空試験液を対照にして吸光度を
測定した。先に作成しておいた検量線からリン含有量を
求め、試料中のP濃度を算出した。
【0045】<リン含有ポリエステルポリオールの合成
例1>撹拌機、温度計、流出用冷却機を装備した反応缶
内に、テレフタル酸171部、イソフタル酸199部、
化7のエチレングリコール溶液(固形分濃度50%)
(三光株式会社製GHM)1042部、3−メチル−
1、5−ペンタンジオール527部、テトラブチルチタ
ネート0.23部、トリエチルアミン0.17部を仕込
み、180〜240℃で1時間エステル化反応を実施し
た。次いでエステル化反応終了後、反応系を240℃か
ら250℃に昇温する一方、系内を徐々に減圧してい
き、60分かけて500Paとした。そして、さらに1
30Pa以下で65分間重縮合反応を行い、リン含有ポ
リエステルポリオールを得た。
【0046】リン含有ポリエステルポリオールはNMR
分析の結果テレフタル酸28モル%、イソフタル酸30
モル%、化8成分42モル%、エチレングリコール31
モル%、3−メチル―1、5−ペンタンジオール69モ
ル%の組成を有しており、数平均分子量3200、ガラ
ス転移温度は30℃の淡黄色樹脂であった。
【0047】<リン含有ポリエステルポリオールの合成
例2〜6、比較合成例1〜8>「リン含有ポリエステル
ポリオールの合成例1」と同様の方法で合成したリン含
有ポリエステルポリオールのうち、「リン含有ポリエス
テルポリオールの合成例2〜6」を表1に、また「リン
含有ポリエステルポリオールの比較合成例1〜8」を表
2に示す。ここでリン含有の化合物は、原料として化7
で示される化合物を使用したが、ポリエステル組成は便
宜上化8として記載した。
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1及び2の略号は以下に示す通りであ
る。 TPA : テレフタル酸 IPA : イソフタル酸 AA : アジピン酸 SA : セバシン酸 化8 : 上記化学式参照 EG : エチレングリコール 2MG : 2−メチル−1,3−プロパンジオール MPD : 3−メチル−1,5−ペンタンジオール 1,6−HD : 1,6−ヘキサンジオール
【0053】表1、2中の組成に関する数値はモル%で
ある。
【0054】<難燃性ポリウレタン樹脂の合成例7>温
度計、撹拌機、還流式冷却管および蒸留管を具備した反
応容器にリン含有ポリエステルポリオール合成例1 2
64部をトルエン150部に溶解後、トルエン30部を
蒸留させ、トルエン/水の共沸により原料系を脱水し
た。60℃まで冷却後、メチルエチルケトンを66部、
ジメチロールブタン酸7.9部、ネオペンチルグリコー
ル18.5部加え、60℃にて30分撹拌後、ヘキサメ
チレンジイソシアネートを50.4部加え、ジブチルチ
ンジラウレートを0.2部加えた後、80℃下にて、反
応させポリウレタン樹脂を得た。反応終了後、メチルエ
チルケトンを284部加え、固形分濃度を40%に調整
した。ポリウレタン樹脂の数平均分子量32000、酸
価180当量/106g、ガラス転移温度32℃であっ
た。結果を表3に示す。
【0055】<難燃性ポリウレタン樹脂の合成例8〜1
2、比較合成例9〜14>「難燃性ポリウレタンの合成
例7」と同様にして、表3及び表4に示す原料を用いて
得られた難燃性ポリウレタン樹脂のうち、「難燃性ポリ
ウレタン樹脂の合成例8〜12」を表3に、「難燃性ポ
リウレタン樹脂の比較合成例9〜14」を表4に示し
た。「難燃性ポリウレタン樹脂の比較合成例9〜14」
はリンを共重合していないか、あるいは、酸価が50当
量/106g未満なので本発明の範囲外である。また、
「比較合成例15」、「比較合成例16」は、リン含有
ポリエステルポリオールである比較合成例7、8をメチ
ルエチルケトンとトルエンの混合溶媒(1/1重量比)
に固形分濃度40%となるように溶解してそのまま使用
した。「比較合成例15」はポリエステルポリオールで
あるので本発明の範囲外である。「比較合成例16」
は、リンを含有しないポリエステルポリオールであり、
ウレタン基を含んでいないため本発明の範囲外である。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】表3、4中の略号は以下の通りである。 DMPA : ジメチロールプロピオン酸 DMBA : ジメチロールブタン酸 NPG : ネオペンチルグリコール HDI : ヘキサメチレンジイソシアネート MDI : ジフェニルメタンジイソシアネート
【0059】<実施例1>酸素指数:「難燃性ポリウレ
タン樹脂の合成例7」で得られた難燃性ポリウレタン樹
脂から溶剤を乾燥させて取り除き、JIS K7201酸素指数
法に準じてポリウレタン樹脂の限界酸素指数(L.O.I)で
評価した。これは、試料が燃焼するために必要な最低酸
素濃度である。この酸素指数が大きいほど難燃性が高い
ことを示す。
【0060】難燃性の評価:「難燃性ポリウレタン樹脂
の合成例7」で得られた難燃性ポリウレタン樹脂100
重量部にテラーシ゛ュC60(ポリ燐酸アンモニウム、チッソ社
製、リン含有量29重量%、窒素含有量13重量%)を
30部、ガラスビーズをマヨネーズ瓶に入れてペイント
シェーカーにより3時間分散した。これを25μmのPE
Tフィルムに、乾燥後の厚みが30μmとなる様に塗布
し、120℃で3分乾燥したものを作成した。これを米
国のアンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)で規
格化されたサブジェクト94号(UL94)に基づき、
長さ125mm×幅12.5mmの試験片を用いて評価
した。 (判定)難燃性クラスV−0で合格したものを◎、合格
に近いものを△、合格しなかったものを×で判定した。
【0061】PET接着性:「難燃性ポリウレタン樹脂の
合成例7」で得られた難燃性ポリウレタン樹脂を50μ
mの二軸延伸PETフィルム上に乾燥後の厚みが30μ
mとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥したものを作
成した。接着層同志を合わせ、テスター産業社製ロール
ラミネータを用いて接着した。なお、ラミネートは温度
170℃、圧力0.3mPa、速度0.5m/minで
行った。接着強度は東洋ボールドウイン社製RTM100
を用いて、25℃下で引っ張り試験を行い、50mm/
minの引っ張り速度でT型剥離接着力を測定した。
【0062】スズメッキ銅接着性:「難燃性ポリウレタ
ン樹脂の合成例7」で得られた難燃性ポリウレタン樹脂
を50μmの二軸延伸PETフィルム上に乾燥後の厚み
が30μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥した
ものを作成した。これを用い、接着層とスズメッキ銅を
上記と同様の方法でラミネートし、180度剥離接着力
を測定した。
【0063】耐ブロッキング性:「難燃性ポリウレタン
樹脂の合成例7」で得られた難燃性ポリウレタン樹脂を
50μmの二軸延伸PETフィルム上に乾燥後の厚みが
30μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥したも
のを作成した。これらの接着フィルムを同方向に5枚重
ね、接着層の上にPETフィルムが重なるようにした。次
いで、このようにして重ねた接着フィルムの上に90g
/cm2の荷重をかけ、40℃雰囲気中に24時間保存し
た。この後、接着シートを取り出し、重ねたシート間の
接着強度を測定し、下記の判定を行った。 (判定)◎:0〜3g/cm ○:3〜5g/cm △:5〜15g/cm ×:15g/cm以上
【0064】耐屈曲性:PETフィルムに「難燃性ポリ
ウレタン樹脂の合成例7」で得られた難燃性ポリウレタ
ン樹脂を50μmの二軸延伸PETフィルム上に乾燥後
の厚みが30μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾
燥したものを作成した。この接着層付きPETフィルム
の接着層側上にスズメッキ銅箔を0.7mm幅、長さ1
5cmに切断した導線を1mm間隔で5本並べ、さらに
この上に、接着層を設けたフィルムを接着層が下になる
ように重ね合わせ、テスター産業社製ロールラミネータ
ーを用いて温度170℃、圧力0.3mPa、速度0.
5m/minの条件で接着し、フラットケーブルモデル
とした。このフラットケーブルモデルを用いて、JIS規
格C5016の耐屈曲性試験法に従い、ケーブルの機械
的特性(耐屈曲性)を調べた。 (判定)○:屈曲回数106回で浮き剥がれを生じない ×:屈曲回数106回未満で浮き剥がれを生じる 以上の評価結果をまとめて表5に示す。
【0065】<実施例2〜6、比較例1〜8>表3及び
表4に記載した難燃性ポリウレタン樹脂サンプルの各評
価を実施例1と同様に行った。表3に記載した合成例7
〜12を用いて評価を行った結果を表5に示し、表4に
記載した比較合成例9〜16を用いて評価を行った結果
を表6に示した。
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】表5によると本発明の難燃性ポリウレタン
樹脂は、難燃性に優れ、接着性と耐ブロッキング性を両
立し、かつ耐屈曲性等の機械的特性に優れていることが
わかる。それに対して、表6に見られるように、比較例
1、2では、耐ブロッキング性、耐屈曲性等の機械的特
性に優れるが、酸価が低いために、PET接着性、スズメ
ッキ銅接着性が低い。比較例3では、酸素指数が高いた
め難燃性が良好であるが、酸価が低いために、PET接着
性、スズメッキ銅接着性が低い。また、ウレタン基濃度
が低いために、耐ブロッキング性、耐屈曲性等の機械的
特性が低下した。
【0069】比較例4では、ガラス転移温度が高いた
め、耐ブロッキング性に優れるが、酸素指数の不足から
難燃性がやや低い。また、酸価が低いためにPET接着
性、スズメッキ銅接着性が不足し、ウレタン基濃度が低
いために耐屈曲性等の機械的特性が低下した。比較例
5、6では、PET接着性、スズメッキ銅接着性、耐ブロ
ッキング性、耐屈曲性等の機械的特性に優れるが、リン
化合物が含有されていないので、難燃性がかなり低い。
比較例7では、酸素指数が高いため難燃性に優れるが、
酸価が低いために、PET接着性、スズメッキ銅接着性が
低い。また、ポリエステルポリオールであり、ポリウレ
タンでないために、耐ブロッキング性、耐屈曲性等の機
械的特性が低下した。比較例8では、リン化合物が含有
されていないので、難燃性がかなり低く、酸価が低いた
めPET接着性、スズメッキ銅接着性が低い。また、ポリ
エステルポリオールであり、ポリウレタンでないため
に、耐ブロッキング性、耐屈曲性等の機械的特性が低
い。
【0070】
【発明の効果】本発明のリン含有ポリウレタン樹脂は、
高度な難燃性を発現しつつ、接着性と耐ブロッキング性
を両立し、さらには、優れた耐屈曲性等の機械的特性を
満足させることができるという特性を発現する。本発明
のポリウレタン樹脂は、各種プラスチックフィルム、木
材、紙、皮革、金属等に対する接着性、さらには各種ア
ンカーコート剤、樹脂改質剤としても有用であり、特
に、金属とプラスチックフィルムを接着させる電子配線
部品等の用途には、従来の難燃性接着剤と比べ、接着性
と耐ブロッキング性の両立を実現し、かつ樹脂の強靱性
により優れた耐屈曲性等の機械特性を発現するため非常
に有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AK01A AK51G BA02 BA07 GB46 JJ07 JJ07G 4J029 AA03 AB01 AC02 AD02 AD10 AE13 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA08 BA09 BA10 BD07A CA02 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CC05A CC06A CD03 CD04 CF13 CH03 DC06 DC09 FB18 4J034 BA03 BA07 BA08 CA04 CB03 CC03 CC08 CD04 DA01 DB04 DC02 DF01 DF02 DF34 DG01 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 MA16 QC05 RA08 4J040 EF111 GA26 LA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1または一般式2で示されるリン
    含有カルボン酸化合物あるいはそのカルボキシル基をエ
    ステル化した化合物を共重合して得られるリン含有ポリ
    エステルポリオールを含むポリウレタン樹脂であり、か
    つ該ウレタン樹脂の酸価が50当量/106g以上40
    0当量/106g以下であることを特徴とする難燃性ポ
    リウレタン樹脂。 一般式1; 【化1】 1、R2:水素原子、または炭化水素基 R3、R4:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
    換炭化水素基 1、m;0〜4の整数 一般式2; 【化2】 5:水素原子、または炭化水素基 R6、R7:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
    換炭化水素基
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリウレタン樹脂を含む
    ことを特徴とする難燃性ポリウレタン樹脂含有接着剤。
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルム層、請求項2記載
    のポリウレタン樹脂含有接着剤層、金属層の構成を含む
    ことを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルム層、請求項2記載
    のポリウレタン樹脂含有接着剤層、金属層の構成を含む
    ことを特徴とするフラットケーブル。
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