JP2002003588A - 難燃性ポリエステル樹脂及びその接着剤 - Google Patents
難燃性ポリエステル樹脂及びその接着剤Info
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Abstract
性、耐加水分解性等に優れた難燃性ポリエステル樹脂及
びその接着剤を得る。 【解決手段】 分子鎖中に含まれるリン原子が0.5w
t%以上であり、かつ塗膜を温度40℃、湿度90%、
100時間の条件で保存したときの分子量低下率が10
%未満、好ましくはグリコール成分の内、炭素数4以上
のグリコールを60モル%以上含み、さらに好ましくは
グリコール成分の内、エチレングリコールの含有量が4
0モル%以下であり、より好ましくは一般式1または2
で示されるリン含有カルボン酸あるいはそのエステル化
物を共重合して得られ、最も好ましくはガラス転移温度
が−15℃以上40℃未満である難燃性ポリエステル樹
脂、及びそれを使用した接着剤。 【化1】 【化2】
Description
燃性を有すると共に、長期間使用しても分子量低下が抑
えられるため優れた耐久接着性を示すリン含有ポリエス
テル接着剤に関するものである。
れている。例えば、OA機器や家電製品などにおいては部
品の誤動作による異常加熱で万一高分子材料が着火して
も火災の原因とならないようにすることが必要とされて
おり、小火源での短時間加熱後の速やかな自己消化が重
要となってきている。そこで、さらに高度な難燃材料を
開発するためには、難燃化された成形材料等の接着剤に
おいても難燃化技術が必要となってきている。
ゲン原子を導入することや、特開昭52−29830号
公報に見られるように、ハロゲン系難燃剤と三酸化アン
チモンを併用する難燃化処方が良く知られている。
シン問題が最近の世界的な環境問題への取り組みを加速
しており、ハロゲン系難燃剤使用規制の動きがでてきて
いる。例えば欧州ではエコラベルの動き等である。
化難燃系に関する技術として例えば、リン系難燃剤を添
加する方法が挙げられる。これらは、材料化する際にリ
ン酸エステル等のリン含有添加剤を樹脂に大量に配合す
ることによって難燃性が付与されるものであるので、接
着性、耐熱性や種々の用途特性が低下するだけでなく、
難燃剤自身がブリードアウトする問題の生じることにな
る。
脂自体に難燃性を付与する方法としては種々提案されて
いるが、その中でも、リン化合物の共重合による難燃化
技術が、特開昭53−128195号公報、特開昭63
−150352号公報等に提案されている。
多くのポリエステル系接着剤の中には、用途、使用環境
によって、加水分解を起こし、樹脂の分子量が低下する
場合があった。このことで、凝集力が減少し接着強度が
低下するなど様々な樹脂の特性が損なわれていく。ま
た、ポリエステル接着剤に難燃性を付与するため、含リ
ンジカルボン酸化合物等を共重合することで、さらに樹
脂の耐加水分解性は悪化するという問題が生じてきた。
例えば、特開平10−46474号公報に用いられてい
るポリエステル接着剤についての加水分解性を調べたと
ころ、分子量の低下が認められ長期間使用するための耐
久接着性が不足した。
中のリン含有率を向上させるべく含リンジカルボン酸等
を多量に共重合すると、リン含有率とともに加水分解性
は低下した。
分解性を抑えることが非常に難しいため、長期間使用し
ても高い接着強度を保持し、高度な難燃性を実現するリ
ン含有化合物共重合ポリエステル接着剤は未だ提案され
ていない。
品、電化製品、フィルム、繊維用途に用いられるポリエ
ステル接着剤に関してであり、環境上問題のあるハロゲ
ンを用いずに優れた難燃性を発現するだけでなく接着
性、耐加水分解性等の性能にも優れたポリエステル接着
剤を提供することを目的とする。
ゲンで難燃性、耐加水分解性、接着性、機械的特性に優
れたポリエステル接着剤を得るべく鋭意研究を重ねた結
果、本発明に到達した。すなわち、分子鎖中に含まれる
リン原子が0.5wt%以上であり、かつ塗膜を温度4
0℃、湿度90%、100時間の条件で保存したときの
分子量低下率が10%未満、好ましくはグリコール成分
の内、炭素数4以上のグリコールを60モル%以上含
み、さらに好ましくはグリコール成分の内、エチレング
リコールの含有量が40モル%以下であり、より好まし
くは一般式1または2で示されるリン含有カルボン酸あ
るいはそのエステル化物を共重合して得られ、最も好ま
しくはガラス転移温度が−15℃以上40℃未満である
難燃性ポリエステル樹脂、及びそれを使用した接着剤に
関する。
テル接着剤には、ノンハロゲンで難燃性を付与するため
にリン原子を有するモノマーを共重合や変性によって導
入し、分子鎖中にリン原子を含むことが必須である。含
まれるリン原子の量としては、樹脂の重量中0.5wt%
以上で、好ましくは0.7wt%以上、さらに好ましく
は、1.0wt%以上、最も好ましくは2.0wt%以上
である。リン原子含有量が0.5wt%未満であると難
燃性が低く、難燃性接着剤として使用しにくい。これら
の樹脂にリン原子を導入する方法としては一般的な方法
が用いられるが、その中でも特に下記一般式1、また
は、一般式2で示される含リンカルボン酸、あるいはそ
のエステル化物を共重合成分として用いる方法が経済性
等の面より好ましい。
換炭化水素基 l、m:0〜4の整数
換炭化水素基
子、メチル、エチル、プロピル、フェニルような炭化水
素基である。RとR1は同じであっても良いし、また相異
なっていても良い。R3、R4、R6、R7は水素原子、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジ
ル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、
3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドソキシブチル、2−
ヒドロキシエチルオキシエチルのような炭化水素基また
はヒドロキシ基置換炭化水素基等である。
る化合物以外にも、アルキル−ビス(3−ヒドロキシプ
ロピル)ホスフィンオキサイド、アルキル−ビス(3−
ヒドロキシカルボニルエチル)ホスフィンオキサイド等
(いずれもアルキルはメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル等)、を使用することも好ましい。
膜を温度40℃、湿度90%、100時間の条件で保存
したときの分子量低下率が10%未満である。その評価
方法を以下に詳細に述べる。まずポリエステルをメチル
エチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、クロロ
ホルム等の溶剤に溶解する。特に溶剤の種類は限定しな
い。次にこのポリエステル溶解ワニスを50μmの二軸
延伸ポリプロピレンフィルム上に塗布し乾燥する。乾燥
塗膜の厚みは30±3μmに調節する必要がある。厚み
が異なると分子量低下率が変化する恐れがあり、注意が
必要である。そのようなフィルムを2枚作成し、1枚
は、その時点で塗膜を剥離してゲル浸透クロマトグラフ
ィにより数平均分子量を測定する。測定の溶媒は溶解可
能なときはテトラヒドロフランを用い、テトラヒドロフ
ランで溶解できないときはトリフルオロイソプロパノー
ルを用いる。数平均分子量はポリスチレン換算値とす
る。この分子量をここではAとする。残った1枚はあら
かじめ温度40℃、湿度90%に調節した恒温恒湿機に
入れる。100時間後取り出し、室温で乾燥した後、塗
膜を剥がして1枚目と同様な方法によりゲル浸透クロマ
トグラフィにより数平均分子量を測定する。この分子量
をここではBとする。分子量低下率は(1−B/A)×
100により算出する。単位は%とする。こうして算出
した分子量低下率が0%に近いほど耐加水分解性が優れ
ているのは言うまでもない。
剤として実用上全く差し支えない。我々の別の試験では
分子量低下率10%未満の樹脂は常温では少なくとも5
年の耐久接着性を示した。分子量低下率が10%を越え
ると耐久接着性を示す期間は次第に短くなり、20%を
越えると半年から1年が経過すると接着力が低下して使
いものにならない。
ジカルボン酸が40モル%以上、好ましくは、55モル
%以上、さらに好ましくは70モル%共重合することが
好ましい。 芳香環濃度を高めておくとさらに、難燃化
効果が向上するからである。これは、ポリエステル樹脂
が芳香族縮合系樹脂、特に酸素含有縮合系樹脂であるた
め、これ自体が炭化皮膜形成能力を有しており、自己消
化性が発現し、さらにリン含有化合物が共重合されてあ
るため、これが、燃焼時に固相でリン酸、ポリリン酸と
なり、脱水剤として作用することによって、炭化皮膜形
成が促進されることになるからである。
塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボンル酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族
二塩基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族二塩基酸を上記範
囲内で共重合することができる。
内、炭素数4以上のグリコールを60モル%以上含むこ
とが好ましい。より好ましくは70モル%、さらに好ま
しくは80モル%である。これは、ポリエステル接着剤
に難燃性を付与するため、含リンジカルボン酸化合物を
共重合すると、さらに樹脂の耐加水分解性は悪化すると
いう問題が生じてきたためである。一般的にリン結合は
加水分解を起こし、リン酸が発生するため、ポリエステ
ル主骨格の加水分解を促進すると考えられる。例えば、
酸成分として芳香族ジカルボン酸より酸性度の高い、脂
肪族ジカルボン酸、または、脂環族ジカルボン酸を60
モル%以上共重合するとエステル基の加水分解性が向上
してしまい好ましくない。
下のグリコールを40モル%以上共重合すると、エステ
ル基濃度が上昇して耐加水分解性が低下するので好まし
くない。炭素数4以上のグリコール成分としては2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ
−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレ
ングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,5−ペン
タンジオ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペン
チルヒドロキシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルA
のエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイ
ド付加物、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイ
ド付加物およびプロピレンオキサスド付加物、1,9−
ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,1
0−デカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
グリコ−ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロパンジオ−ル等を40モル%未満の範囲内で共重合
することができる。
15℃以上40℃未満で、好ましくは−10℃以上35
℃未満、さらに好ましくは−5℃以上30℃未満であ
る。ガラス転移温度が−15℃以下になると接着剤の高
温下での弾性率が低下し、接着力が不足することにな
る。例えば、自動車用部品や家電製品の接着剤として用
いる時、夏場の高温環境下での接着強度の低下が起こ
り、部品と部品を十分に接着しておくことが難しくな
る。また、ガラス転移温度が−15℃以下になるとポリ
エステル樹脂のブロッキングがひどくなり、接着剤を塗
布した後、フィルム等の基材の取り扱いが困難となる。
また、ガラス転移温度が40℃を超えると、室温付近で
の弾性率が高くなり、樹脂自体が堅すぎて被着体に対し
て接着性が発現しない。
が好ましい。さらに好ましくは10000以上、より好
ましくは13000以上である。数平均分子量が800
0未満では、機械的強度が不足してしまい、接着性等の
各種用途特性が損なわれる。なお、本発明の樹脂は、難
燃剤併用することでリン含有ポリエステル樹脂の難燃性
効果をさらに高めることができる。例えば、トリフェニ
ルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリ
キシレニルフォスフェート、トリエチルフォスフェー
ト、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジ
フェニルフォスフェート、クレジルビス(2,6−キシ
レニル)フォスフェート、2−エチルヘキシルフォスフ
ェート、ジメチルメチルフォスフェート、レゾルシノー
ルビス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェノール
Aビス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェノール
Aビス(ジクレジル)フォスフェート、ジエチル−N,
N―ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォス
フェート、リン酸アミド、有機フォスフィンオキサイ
ド、赤燐等のリン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、
フォスファゼン、シクロフォスファゼン、トリアジン、
メラミンシアヌレート、サクシノグアナミン、エチレン
ジメラミン、トリグアナミン、シアヌル酸トリアジニル
塩、メレム、メラム、トリス(β−シアノエチル)イソ
シアヌレート、アセトグアナミン、硫酸グアニルメラミ
ン、硫酸メレム、硫酸メラム等の窒素系難燃剤、ジフェ
ニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、芳香族スルフ
ォンイミド金属塩、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ
金属塩等の金属塩系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水
酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコ
ニウム、酸化スズ等の水和金属系難燃剤、シリカ、酸化
アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モ
リブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、
酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸
化タングステン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホ
ウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、炭酸バリウムスズ酸亜鉛等無機系難燃剤、シリ
コーンパウダー等のシリコン系難燃剤である。リン化合
物含有樹脂自身の高い難燃性と難燃剤が持つ難燃機構の
複合効果からより高い難燃効果が得られる。
応じ、エポキシ樹脂、酸無水物、イソシアネート化合物
等の硬化剤、スズ系、アミン系等の硬化触媒を使用する
ことができる。特に、エポキシ樹脂は耐熱性を発現する
上で非常に好ましい。
ド、ポリエステル等の各種プラスチッックフィルムや
銅、ステンレス、アルミニウム等の金属箔、エポキシ含
浸ガラス布あるいは、エポキシ含浸不織布、ポリエステ
ルやナイロン等の繊維の接着や含浸用樹脂として用いる
ことができる。また、構造材料としてポリエステル等を
ベースにした難燃性プラスチックにも適用できる。
実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定される
ものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下
の方法によって測定したものである。
1−NMRにより定量した。 ガラス転移温度:示差走査熱量計を用い、測定試料10
mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し20℃/
minの昇温速度で測定した。
ブルー比色法によるリンの定量)試料中のリン濃度にあ
わせて試料を三角フラスコに量りとり、硫酸3ml、過
塩素酸0.5mlおよび硝酸3.5mlを加え、電熱器で半日かけ
て徐々に加熱分解した。溶液が透明になったら、さらに
加熱して硫酸白煙を生じさせ、室温まで放冷し、この分
解液を50mlメスフラスコに移し、2%モリブデン酸アン
モニウム溶液5mlおよび0.2%硫酸ヒドラジン溶液2ml
を加え、純水にてメスアップし、内容物をよく混合し
た。沸騰水浴中に10分間フラスコをつけて加熱発色し
た後、室温まで水冷し、超音波にて脱気し、溶液を吸収
セル10mmに採り、分光光度計(波長830nm)にて空試験
液を対照にして吸光度を測定した。先に作成しておいた
検量線からリン含有量を求め、試料中のP濃度を算出し
た。数平均分子量:テトラヒドロフランを溶媒として用
いてゲル浸透クロマトグラフィによりポリスチレン換算
値として求めた。
する。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。 <リンを共重合した樹脂の合成例1>撹拌器、温度計、
流出用冷却機を装備した反応缶内に、式3のエチレング
リコール溶液(固形分濃度50%)(三光株式会社製G
HM−1)2013部、テトラブチルチタネート0.6
部を仕込み、200℃まで昇温する。次に反応系を25
0℃まで昇温する一方、系内を徐々に減圧していき、6
0分かけて500Paとした。そして、さらに130P
a以下55分間重縮合反応を行い、ポリエステルオリゴ
マー式4を得た。このオリゴマーは、ガラス転移温度7
5℃の淡黄色固体であった。
フタル酸825部、セバシン酸1166部、無水トリメ
リット酸30部、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル866部、1,6−ヘキサンジオール1704部、テ
トラブチルチタネート5.46部をオートクレーブに仕
込み、180〜240℃で2時間エステル化反応を実施
した。次いでエステル化反応終了後、ポリエステルオリ
ゴマー(式4)2940部を加え、10分間撹拌した
後、反応系を240℃から275℃に昇温する一方、系
内を徐々に減圧していき、60分かけて500Paとし
た。そして、さらに130Pa以下で65分間重縮合反
応を行い、共重合ポリエステルを得た。
レフタル酸23モル%、イソフタル酸19モル%、セバ
シン酸28モル%、式5の成分29モル%(式5は便宜
上ジカルボン酸として表した)、トリメリット酸1モル
%、エチレングリコール8モル%、2−メチル−1,3
−プロパンジオール27モル%、1,6−ヘキサンジオ
ール65モル%の組成を有しており、数平均分子量25
000、リン含有量3.5wt%、ガラス転移温度は6℃
の淡黄色樹脂であった。
〜6>合成例1と同様にして、各原料を用いて表1及び
表2に示す組成のポリエステル樹脂を得た。比較合成例
1〜3はリンを共重合していないか、あるいは共重合が
少ないので本発明の範囲外である。比較合成例4〜6は
後で述べる耐加水分解性が悪いため本発明の範囲外であ
る。
ル *12)1,3−PD:1,3−プロパンジオール *13)NPG:ネオペンチルグリコール *14)1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール *15)ND:1,9−ノナンジオール *16)DDOダイマージオール(ユニケマ社製プリポ
ール2033) *17)PTG:ポリテトラメチレングリコール(分子
量1000)
(L.O.I)で評価した。これは、試料が燃焼するために必
要な最低酸素濃度である。この酸素指数が大きいほど難
燃性が高いことを示す。
接着剤を50μmの2軸延伸PETフィルム上に厚みが3
0μmになるように積層する。接着層同志を合わせ、テ
スター産業社製ロールラミネータを用いて接着した。な
お、ラミネートは温度170℃、圧力0.3mPa、速
度0.5m/minで行った。接着強度は東洋ボールド
ウイン社製RTM100を用いて、25℃及び、60℃雰
囲気下で引っ張り試験を行い、50mm/minの引っ
張り速度でT型剥離接着力を測定した。 分子量低下率:合成例1で得られたポリエステル接着剤
を50μmの2軸延伸PPフィルム上に接着剤を厚みが3
0μmになるように積層する。このフィルムの接着剤面
を上にして40℃、90%の恒温恒湿機に入れ、100
時間静置した。このようにして加速試験したサンプルの
耐加水分解を調べるために、PPフィルムから接着剤を
はがして数平均分子量を測定し、その低下率を算出し
た。 (判定) ◎:分子量低下率5%未満、○:分子量低下率5%以上
10%未満、×:分子量低下率10%以上
表2に記載したポリエステル接着剤サンプルの各評価を
実施例1と同様に行った。表3から分かる様に、本発明
のポリエステル接着剤は、従来技術と比較して、難燃性
に優れ、又、耐加水分解性、接着性に優れた性能を有す
ることがわかる。それに対して、表4に見られるよう
に、比較例1〜6は、酸素指数(難燃性)、接着性、耐
加水分解性のいずれかが劣っている。
×:10%以上
用いた場合、高温雰囲気下においても優れた接着性を有
し、高い難燃性を有すると共に、加水分解が少ないた
め、長期間使用できる耐久接着性を実現することができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 分子鎖中に含まれるリン原子が0.5w
t%以上であり、かつ塗膜を温度40℃、湿度90%、
100時間の条件で保存したときの分子量低下率が10
%未満の難燃性ポリエステル樹脂。 - 【請求項2】 ポリエステルのグリコール成分の内、炭
素数4以上のグリコールを60モル%以上含むことを特
徴とする請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂。 - 【請求項3】 ポリエステルのグリコール成分の内、エ
チレングリコールの含有量が40モル%以下であること
を特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の難燃性ポ
リエステル樹脂。 - 【請求項4】 一般式1または2で示されるリン含有カ
ルボン酸あるいはそのエステル化物を共重合して得られ
る請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリエステル
樹脂。 【化1】 R1,R2:水素原子、または炭化水素基 R3,R4:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
換炭化水素基 l、m:0〜4の整数 【化2】 R5:水素原子、または炭化水素基 R6,R7:水素原子、炭化水素基またはヒドロキシ基置
換炭化水素基 - 【請求項5】 ガラス転移温度が−15℃以上40℃未
満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載の難燃性ポリエステル樹脂。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエ
ステル樹脂を含有することを特徴とする接着剤。
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