JP7138848B2 - 接着剤組成物、それを用いた接着剤シート、および積層体並びにそれらを用いたプリント基板 - Google Patents
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Description
(1)接着性付与樹脂としてのポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂
(2)エポキシ樹脂
(3)特定のリン化合物(A)
本発明に用いられる接着性付与樹脂としては、各種フィルムや金属基材への密着性、電気絶縁性、成型加工性を向上させる機能を有し、エポキシ樹脂との反応性や特定リン化合物(A)との相溶性に優れる必要がある等の点からポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂が挙げられる。
これらの接着性付与樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は接着剤組成物の不揮発分(固形分)を100質量%としたときに20~80質量%が好ましく、30~60質量%がより好ましい。接着性付与樹脂の配合量が20質量%未満では基材への密着性が低下したり、接着剤としての可撓性が低下して、Bステージ状態の形状保持が悪くなったりするおそれがある。また、80質量%を超えると、架橋密度が低下して耐熱性や耐薬品性、耐湿熱性が低下して高湿度下での絶縁信頼性や半田耐熱性が低下することがある。
以下、これらの接着性付与樹脂について更に説明する。
ポリエステル樹脂はジカルボン酸を主体とする多価カルボン酸とジオールを主体とする多価アルコールの縮合反応で得られる樹脂であることが好ましい。本発明のポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸(ポリカルボン酸)成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フェニレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,2-シクロヘキセンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、テルペン-マレイン酸付加体などの不飽和基含有ジカルボン酸などを挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を選び使用することができる。なかでも芳香族ジカルボン酸を使用することが好ましい。前記ポリカルボン酸成分は全酸成分を100モル%としたとき、80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上であり、100モル%であっても差し支えない。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂はジオールを主体とする多価アルコールとジイソシアネートを主体とする多価イソシアネートから重付加反応で得られる樹脂であることが好ましい。
これらの中では接着剤としての耐熱性や基材への密着性の点から、脂肪族ジイソシアネートまたは芳香族のジイソシアネートが好ましく、脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。なかでもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。また、経済的な理由で、2,4-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートなども好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂溶液の固形分濃度は30~60質量%であることが好ましく、より好ましくは40~50質量%である。
本発明に用いられるポリアミド樹脂の合成は多価カルボン酸クロリドとジアミンを用いる酸クロリド法や多価カルボン酸とジアミンを用いる溶融重合法、多価カルボン酸とジイソシアネートを用いる溶液重合法で合成される。本発明の場合、成型加工性やエポキシ樹脂、リン化合物との相溶性の点から溶剤に溶解するポリアミド樹脂が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂溶液の固形分濃度は、通常30~60質量%、好ましくは40~50質量%である。
この場合、ジイソシアネートとしては前記のポリウレタン樹脂の合成に用いられたジイソシアネートを用いることができ、それらの中では溶剤用解性や耐熱性、基材への密着性の点からイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましく、その一部をジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートやトリレンジイソシアネートで置き換えるのが好ましい。
本発明で用いることができるポリオレフィン樹脂は限定的ではないが、ポリオレフィン樹脂にα,β-不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種をグラフトすることにより得られるものであることが好ましい。ポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン等に例示されるオレフィンモノマーの単独重合、もしくはその他のモノマーとの共重合、および得られた重合体の水素化物やハロゲン化物など、炭化水素骨格を主体とする重合体を指す。すわなち、酸変性ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン-α-オレフィン共重合体の少なくとも1種に、α,β-不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種をグラフトすることにより得られるものが好ましい。
次に、本発明に用いられるエポキシ樹脂について説明する。本発明においてエポキシ樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の接着性付与樹脂及び後述するリン化合物(A)と硬化、反応させ、適度な架橋密度を形成させ、接着剤としての耐熱性や耐水性、耐薬品性、Bステージ状態での可撓性などを向上させる役割を担う。
次に本発明に用いられるリン化合物について説明する。
本発明で、一般式(1)で示されるリン化合物(以下、リン化合物(A)ともいう。)の配合は難燃性を向上させるだけでなく、エポキシ樹脂の硬化剤としての機能も併せ持ち、接着剤組成物の耐熱性や耐薬品性の向上にも寄与するうえ、リン化合物のブリードアウトを抑え、耐水性や高湿度下での絶縁信頼性の低下を防ぐ。
本発明の接着剤組成物には、特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂の硬化剤や硬化促進剤を加えることができる。硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応する化合物であれば特に制限は無いが、例えば、アミン系硬化剤、フェノール性水酸基を有する化合物、カルボン酸を有する化合物、酸無水物を有する化合物などが挙げられる。
本発明の接着剤組成物を得る製造方法の一例を説明する。ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの接着性付与樹脂の溶剤溶液中にエポキシ樹脂、リン化合物(A)を投入して室温又は加熱下撹拌して均一溶液とする。この場合、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤やシランカップリング剤などを必要に応じて配合してもよい。この溶液に、必要に応じて、予め溶剤でスラリーにしたフィラーを配合して更に撹拌をして接着剤組成物のワニスを得ることが出来る。
本発明の接着剤組成物のワニス(接着剤組成物の溶剤溶液)を、ガラスクロスやガラス不織布に塗布・含浸させ、連続又は非連続的に加熱乾燥してBステージ化し、プリプレグを得る。このプリプレグの一方又は両方の面に銅箔を配し、積層し、加熱成形することによって、金属箔張り積層板が得られる。
本発明の接着剤シートとは、本発明の接着剤組成物を基材に塗布・乾燥させて接着剤層とし、かつ少なくとも1層以上の剥離可能な保護フィルム層を有する構成のものをいう。ここでいう保護フィルム層とは、接着剤層の形態を損なうことなく剥離できれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルム及びこれらをシリコーンあるいはフッ素化合物等でコーティング処理を施したフィルムであることが好ましい。具体的な製造方法については実施例で示す。
フィルム積層体として具体的にはカバーレイフィルムが挙げられ、本発明の難燃性接着剤組成物を接着剤層とし、絶縁性プラスチックフィルム層/接着剤層の2層構成、あるいは絶縁性プラスチックフィルム層/接着剤層/保護フィルム層の3層構成からなる。絶縁性プラスチックフィルムとは、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のプラスチックからなる厚さ5~200μmのフィルムであることが好ましく、保護フィルムは、上述した接着剤シートの保護フィルムとして説明したものを用いることができる。具体的な製造方法については実施例で示す。
本発明のフレキシブルプリント基板に用いる金属積層体とは、本発明の難燃性接着剤組成物を接着剤層とし、該接着層で絶縁性プラスチックフィルムと銅箔を貼り合せた構成のものをいう。例えば、絶縁性フィルムの片面又は両面に上に設けられた該接着剤層上に一層又は二層の銅箔が積層された構成のものである。上記銅箔には、プリント配線板に従来用いられている圧延銅箔、電解銅箔を使用することが出来る。絶縁性プラスチックフィルムは、上述したカバーレイフィルムの絶縁性プラスチックフィルムとして説明したものを用いることができる。具体的な製造方法については実施例に示す。
接着性付与樹脂の特性は以下の方法で測定した。
(1)対数粘度
乾燥した固形状ポリマー0.5gを100mlのNMPに溶解した溶液を30℃でウベローデ型粘度管を用いて測定した。
本発明におけるポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂については、試料を、樹脂濃度が0.5重量%程度となるようにテトラヒドロフランで溶解および/または希釈し、孔径0.5μmのポリ四フッ化エチレン製メンブレンフィルターで濾過したものを測定用試料として、テトラヒドロフランを移動相とし、示差屈折計を検出器とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分子量を測定した。流速は1mL/分、カラム温度は30℃とした。カラムには昭和電工製KF-802、804L、806Lを用いた。分子量標準には単分散ポリスチレンを使用した。
本発明におけるポリアミド樹脂については、樹脂濃度が0.5重量%程度となるようにジメチルアセトアミド(LiBr30mM添加)に溶解した後、孔径0.2μmのポリ四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過したものを測定用試料として、ジメチルアセトアミド(LiBr30mM添加)を移動相とし、示差屈折計を検出器とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分子量を測定した。流速は0.7mL/分、カラム温度は40℃とした。カラムにはTOSOH製TSKgel GMHXL、TSKgel GMHXL、TSKgel G2000HXLを用いた。分子量標準には単分散PEGを使用した。
接着剤シートから剥離した樹脂フィルムを170℃で3時間硬化させたサンプルを、アイテイ計測制御社製動的粘弾性測定装置DVA-220を用いて、周波数110Hzで動的粘弾性の測定を行い、その貯蔵弾性率の変曲点から求めた。
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にイソフタル酸1モル、テレフタル酸1モル、無水トリメリット酸0.01モル、エチレングリコール1モル、ネオペンチルグリコール1モル、触媒としてテトラ-n-ブチルチタネートを全酸成分に対して0.01モル%仕込み、160℃から240℃まで4時間かけて昇温しながらエステル交換反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて90分間重縮合反応を行った。窒素気流下、220℃まで冷却し、無水トリメリット酸を0.01モル投入し、30分間反応を行った。得られたポリエステルポリオール(1)はNMRによる組成分析の結果、酸成分がモル比でイソフタル酸/テレフタル酸/トリメリット酸=49/49/2であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50であった。また、数平均分子量は5400、ガラス転移温度は56℃であった。
得られたポリエステル樹脂を固形分濃度が40%となるようにメチルエチルケトン中で撹拌溶解した。
温度計、攪拌機、還流式冷却管および蒸留管を具備した反応容器に、ポリエステル樹脂の製造例と同じ方法で合成したポリエステルポリオールを100部、鎖延長剤として1,4-ブタンジオールを7部、メチルエチルケトトン100部を仕込み溶解後、ヘキサメチレンジイソシアネート28部を投入し、撹拌均一溶液としてから、触媒としてジブチルチンジラウレートを0.04部加え70℃で2時間反応させた。充分に反応させた後、メチルエチルケトンを追加投入して固形分濃度40質量%のポリエステルウレタンの溶液を得た。得られたポリエステルウレタンの分子量は9800、ガラス転移温度は48℃であった。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管のついた4ツ口フラスコにセバシン酸1モル、イソホロンジイソシアネート(IPDI)1モル、フッ化カリウム0.02モルを固形分濃度が50質量%となるようにN―メチル-2-ピロリドンと共に仕込み、180℃で5時間攪拌した後、n-ブタノールで固形分濃度が30質量%となるように希釈してポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の対数粘度は0.65dl/g、ガラス転移温度は130℃であった。
1Lオートクレーブに、プロピレン-ブテン共重合体(三井化学社製「タフマー(登録商標)XM7080」)100質量部、トルエン150質量部及び無水マレイン酸19質量部、ジ-tert-ブチルパーオキサイド6質量部を加え、140℃まで昇温した後、更に3時間撹拌した。その後、得られた反応液を冷却後、多量のメチルエチルケトンが入った容器に注ぎ、樹脂を析出させた。その後、当該樹脂を含有する液を遠心分離することにより、無水マレイン酸がグラフト重合した酸変性プロピレン-ブテン共重合体と(ポリ)無水マレイン酸および低分子量物とを分離、精製した。その後、減圧下70℃で5時間乾燥させることにより、無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体を得た。得られたポリオレフィン樹脂の分子量は25000であった。
得られたポリオレフィン樹脂を固形分濃度が30質量%となるようにメチルシクロヘキサン中で撹拌溶解した。
撹拌機、冷却管を具備した溶剤回収装置、窒素導入管および温度計を備えた4つ口フラスコに、三光(株)製の商品名HCA(9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド)558.3gおよびAllnex(株)製の商品名Phenodur(登録商標) PR411(ブタノール中固形分濃度75%)391.6gを加え、攪拌、窒素フローをしながら、フラスコ内温を199℃まで180分かけて昇温した。その過程で原料中に含まれるブタノールおよび反応により生成したブタノールは、溶剤回収装置を介して留出させた。その後、200℃で20分間保持し、反応物に残る揮発分を留出させた。得られた固体をフラスコから取り出し、リン化合物Aを得た。リン化合物(A)は化学式(5)の構造を有する。
[実施例1]ポリエステル樹脂
合成例1で得られたポリエステル樹脂の溶液を250部、JER152(ジャパンエポキシ社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂の50%トルエン溶液)を84.4部、リン化合物(A)を42.2部、硬化剤としてDDS(4,4’―ジアミノジフェニルスルホンの15%メチルエチルケトン溶液)を38.6部、KBM-403(信越化学社製アミン系シランカップリング剤の20%トルエン溶液)を9.5部、メチルエチルケトンを55.3部と共に容器に仕込み、室温で均一になるように撹拌して固形分濃度が40質量%の接着剤組成物ワニスを得た。
得られた接着剤組成物ワニスを用いて、下記に示す方法で接着剤シート、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板、プリプレグ及びリッドプリント配線板を作製し、下記に示す特性を評価した。結果を表1に示す。
合成例2で得られたポリウレタン樹脂の溶液を250部、JER152(ジャパンエポキシ社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂の50%トルエン溶液)を84.4部、リン化合物(A)を42.2部、硬化剤としてDDS(4,4’―ジアミノジフェニルスルホンの15%メチルエチルケトン溶液)を38.6部、KBM-403(信越化学社製アミン系シランカップリング剤の20%トルエン溶液)を9.5部、メチルエチルケトンを55.3部と共に容器に仕込み、室温で均一になるように撹拌して固形分濃度が40質量%の接着剤組成物ワニスを得た。
得られた接着剤組成物ワニスを用いて、下記に示す方法で接着剤シート、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板、プリプレグ及びリッドプリント配線板を作製し、下記に示す特性を評価した。結果を表1に示す。
合成例3で得られたポリアミド樹脂の溶液を333.3部、JER152(ジャパンエポキシ社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂の50%トルエン溶液)を84.4部、リン化合物(A)を42.2部、硬化剤としてDDS(4,4’―ジアミノジフェニルスルホンの15%メチルエチルケトン溶液)を38.6部、KBM-403(信越化学社製アミン系シランカップリング剤の20%トルエン溶液)を9.5部、N,N-ジメチルアセトアミドを132部と共に容器に仕込み、室温で均一になるように撹拌して固形分濃度が30質量%の接着剤組成物ワニスを得た。
得られた接着剤組成物ワニスを用いて、下記に示す方法で接着剤シート、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板、プリプレグ及びリッドプリント配線板を作製し、下記に示す特性を評価した。結果を表1に示す。
合成例4で得られたポリオレフィン樹脂333.3部、JER152(ジャパンエポキシ社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂の50%トルエン溶液)を84.4部、リン化合物(A)を42.2部、硬化剤としてDDS(4,4’―ジアミノジフェニルスルホンの15%メチルエチルケトン溶液)を38.6部、KBM-403(信越化学社製アミン系シランカップリング剤の20%トルエン溶液)を9.5部、トルエンを105部と共に容器に仕込み、室温で均一になるように撹拌して固形分濃度が30質量%の接着剤組成物ワニスを得た。
得られた接着剤組成物ワニスを用いて、下記に示す方法で接着剤シート、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板、プリプレグ及びリッドプリント配線板を作製し、下記に示す特性を評価した。結果を表1に示す。
JER152(ジャパンエポキシ社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂の50%トルエン溶液)を284.4部、リン化合物Aを42.2部、硬化剤としてDDS(4,4’―ジアミノジフェニルスルホン)を38.6部、KBM-403(信越化学社製アミン系シランカップリング剤の20%トルエン溶液)を9.5部、トルエンを52.2部と共に容器に仕込み、室温で均一になるように撹拌して固形分濃度が45質量%の接着剤組成物ワニスを得た。
得られた接着剤組成物ワニスを用いて、下記に示す方法で接着剤シート、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板、プリプレグ及びリッドプリント配線板を作製し、下記に示す特性を評価した。結果を表1に示す。
尚、各試料の作製方法と評価方法は以下のとおりである。
実施例1~4と比較例1で得られた接着剤組成物溶液を用いて離型処理を施したポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃で3分間、送風オーブン内で乾燥し未硬化もしくは半硬化状態の接着剤シートを製造した。
実施例1~4と比較例1で得られた接着剤組成物の溶液を25μmのポリイミドフィルム((株)カネカ製、アピカル25NPI)上に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃で3分間、送風オーブン内で乾燥し未硬化もしくは半硬化状態のカバーレイフィルムを作製した。
実施例1~4と比較例1で得られた接着剤組成物の溶液を25μmのポリイミドフィルム((株)カネカ製、アピカル25NPI)上に乾燥後の厚みが16μmとなるように塗布し、130℃で3分間、送風オーブン内で乾燥し未硬化もしくは半硬化状態の接着剤付きフィルムを作製した。このようにして得られた接着剤付きフィルムの接着剤塗布面と電解銅箔(厚さ18μm、日本電解社製USLP)または圧延銅箔(厚さ18μm、日鉱金属性BHY)の粗化処理面とを(株)ナセック社製真空プレスラミネート機を用いて、ラミネート温度130℃、圧力3MPa、時間20秒間の条件にて熱圧着させた。これを、さらに170℃で3時間加熱硬化させることにより、フレキシブルプリント配線板を作製した。
実施例1~4と比較例1の接着剤組成物ワニスを厚さ:0.2mmのガラス布(旭シュエーベル株式会社製、商品名:7629)に塗布、含浸後、120℃、20分間加熱、乾燥しプリプレグを得た。
プリプレグの両側に、(厚さ18μm、日本電解社製USLP)を接着面がプリプレグと合わさるように重ね、ラミネート温度130℃、圧力3MPa、時間20秒間の条件にて熱圧着させた。これを、さらに170℃で3時間加熱硬化させることにより、フレキシブルプリント配線板を作製した。
以上のようにして得られた接着剤シート、カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板及びリジッドプリント配線板を、以下に示す通りの評価項目に従い評価を行った。
JIS C6471に準拠して、上記フレキシブルプリント配線板及びリジッドプリント配線板にパターン幅1mmの回路を形成し、東洋ボールドウイン社製RTM100を用いて、25℃雰囲気下で、銅箔を該配線板の90°の方向に50mm/minの引っ張り速度で引っ張り試験を行い、90°剥離強度を測定した。
(判定)◎:15N/cm以上
○:11N/cm以上15N/cm未満
△:6N/cm以上11N/cm未満
×:6N/cm未満
(1)常態:JIS C6471に準拠して、上記フレキシブルプリント配線板及びリジッドプリント配線板を25mm角に切断することにより試験片を作製し、その試験片を300℃以上の半田浴中に30秒間浸漬した。その試験片に剥がれ、膨れ、変色等の外観異常のいずれも生じない温度を測定した。
(判定)◎:330℃以上
○:300℃以上330℃未満
×:300℃未満
(2)吸湿:前記の常態での測定と同様にして作製した試験片を40℃、相対湿度90%の雰囲気下に24時間放置した後、速やかにその試験片を280℃以上の半田浴中に30秒間浸漬した。その試験片に剥がれ、膨れ、変色等の外観異常のいずれも生じない温度を測定した。
(判定)◎:300℃以上
○:280℃以上300℃未満
×:280℃未満
実施例1~4と比較例1で得られた接着剤組成物を厚み12.5μmのポリイミドフィルム((株)カネカ製、アピカル12.5NPI)の両面にそれぞれ乾燥後の厚みが16μmとなるように塗布し、130℃で3分間、送風オーブン内で乾燥した後、170℃で3時間、加熱硬化させることによりサンプルを作製した。UL-94VTM難燃性規格に準拠して、難燃性を評価した。
(判定)◎:UL94 VTM-0相当であり、サンプル片の燃焼が半分より少なかったもの。
○:UL94 VTM-0相当であり、サンプル片の燃焼が半分以上であったもの。
×:UL94 VTM-0を満足しないもの
東洋紡社製2層CCL(商品名バイロフレックス)上に線間70μmの櫛型パターンを作製した。この回路上に実施例1~4と比較例1で得られた接着剤組成物ワニスを乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃で3分間、送風オーブン内で乾燥した後、170℃で3時間、加熱硬化させることによりカバーレイを設けたサンプルを作製した。その後、温度85℃、相対湿度85%の条件化で、直流電圧50Vを印加し、耐マイグレーション性を測定した。
(判定)○:500hr後の絶縁抵抗値が1×108Ωを上回り且つデンドライトの成長が認められなかったもの。
×:500hr後の絶縁抵抗値が1×108Ωを下回った場合、もしくはデンドライトの成長が認められたもの。
上記フレキシブルプリント配線板及びリジッドプリント配線板をサンプル幅が5mmになるように切断しサンプルを作製した後、トミー精工社製オートクレーブを用いて、温度121℃、湿度100%、気圧2atm条件化で40時間PCT試験を行った。これをJIS C6471に準拠して、東洋ボールドウイン社製RTM100を用いて、25℃雰囲気下で、銅箔を該配線板の90°の方向に50mm/minの引っ張り速度で引っ張り試験を行い、90°剥離強度を測定した。
(判定)◎:10N/cm以上
○:6N/cm以上10N/cm未満
△:4N/cm以上6N/cm未満
×:4N/cm未満
Claims (5)
- ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂、エポキシ樹脂並びに一般式(1)で示されるリン化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
- プリント配線板用途で使用されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
- 請求項1~2のいずれかに記載の接着剤組成物を使用したことを特徴とする接着剤シート。
- 請求項3に記載の接着剤シートを使用したことを特徴とするプレプリグ積層体、ポリイミドフィルム積層体または金属箔積層体。
- 請求項4に記載の積層体を使用したことを特徴とするリジッドプリント基板またはフレキシブルプリント基板。
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