JP2013075972A - ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた耐加水分解性と折り曲げ加工性を両立するポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体、およびこれを含有する接着剤用、塗料用またはコーティング用に有用な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 数平均分子量が5,000〜30,000のポリエステルセグメント(A)とポリカルボジイミドセグメント(B)とがウレタン結合で連結された化学構造からなり、数平均分子量が5,500〜50,000であるポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体、これを含有する樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤、塗料またはコーティング剤のバインダー成分として用いられた際に、優れた耐加水分解性と折り曲げ加工性を両立することができるポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体に関するものである。
屋外で用いられる工業製品、たとえば建築材料や太陽電池パネル材などに用いられる接着剤や塗料やコーティング剤の主剤として、ポリエステルポリオールが知られている。ポリエステルポリオールはポリマー分子鎖中にエステル結合を含んでおり、屋外環境に長期間さらされるとエステル結合が徐々に加水分解を受け、劣化することが知られている。耐加水分解性向上策の一つとしてカルボジイミド基を導入することが知られており、これはエステル基の加水分解によって生じたカルボン酸をカルボジイミドと反応させ、系の酸価上昇を抑えることで更なる加水分解を防いで樹脂の分子量低下の抑制を図ることができるというものである。
特許文献1には、ポリエステルポリオールを主剤とした接着剤組成物が開示されており、カルボジイミド化合物を添加することで耐湿熱性が向上するとされている。また特許文献2には、カルボジイミド結合を樹脂内に有するポリエステル系ウレタン樹脂が開示されており、同結合を持っていることで耐加水分解性に優れるものであるとされている。
特開2011−1484公報 特開2008−156517公報
特許文献1、2に開示されている樹脂およびこれらの樹脂から形成される塗膜は、カルボジイミド基を導入することにより耐加水分解性の向上に効果的ではあるが、塗膜の折り曲げ加工性については満足な結果が得られないことが分かった。
そこで、本発明は優れた耐加水分解性と折り曲げ加工性を両立するポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の提供を課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリエステルセグメントとポリカルボジイミドセグメントとがウレタン結合で連結された化学構造を持つポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体を用いることで優れた耐加水分解性と折り曲げ加工性が両立することを見出した。すなわち、本発明は、
(1) 数平均分子量が5,000〜30,000のポリエステルセグメント(A)とポリカルボジイミドセグメント(B)とがウレタン結合で連結された化学構造からなり、数平均分子量が5,500〜50,000であるポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
(2) 末端基が主として水酸基であることを特徴とする(1)に記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
(3) 前記ポリエステルセグメント(A)と前記ポリカルボジイミドセグメント(B)の重量比が100:0.5〜15であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
(4) 前記ポリエステルセグメント(A)が、共重合成分として、(x)炭素数4以上の直鎖アルキレン構造を有する脂肪族グリコール、および/または、(y)炭素数4以上の直鎖アルキレン構造を有する脂肪族二塩基酸を含有し、ポリエステルセグメント(A)を構成する全酸成分と全アルコール成分の合計に対し(x)成分と(y)成分の合計が5〜60モル%であることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
(5) (1)〜(4)いずれかに記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体とポリイソシアネート化合物とを含有する樹脂組成物。
(6) さらに、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールおよびカルボジイミド化合物から選ばれる1種または2種以上が配合されていることを特徴とする(5)に記載の樹脂組成物。
(7) 接着剤用、塗料用またはコーティング用である(5)または(6)の樹脂組成物。
本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体は、ポリマーの鎖中にカルボジイミド結合を含んでおり、樹脂そのものの耐加水分解性に優れる。またカルボジイミド結合がポリマー鎖の中に組み込まれるように共重合させることで、樹脂組成物の分子量が増加し、さらに折り曲げ加工性が付与された樹脂の提供が可能となる。
本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体は、数平均分子量が5,000〜30,000のポリエステルセグメント(A)とポリカルボジイミドセグメント(B)とがウレタン結合で連結された化学構造からなり、数平均分子量が5,500〜50,000であるポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体である。ポリエステルセグメント(A)はポリエステルポリオール(a)から、ポリカルボジイミドセグメント(B)はポリカルボジイミド化合物(b)から形成させることができる。
本発明のポリエステルセグメント(A)は、多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合により得られる化学構造からなる。多価カルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ダイマー酸及びその水素添加物などの脂肪族二塩基酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族二塩基酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸等の二塩基酸の一種または二種以上を用いることが好ましい。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ダイマージオールなど脂肪族グリコール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリーコルなどの脂環式グリコール、キシリレングリーコルなどの芳香環含有グリコール等のグリコールの一種または二種以上を用いることが好ましい。無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの三官能以上の多価カルボン酸やトリメチロールプロパンなどの三官能以上の多価グリコールを少量共重合させて分岐を導入することも好ましい実施態様である。
前記ポリエステルセグメント(A)は、共重合成分として、(x)炭素数4以上の直鎖アルキレン構造を有する脂肪族グリコール、および/または、(y)炭素数4以上の直鎖アルキレン構造を有する脂肪族二塩基酸を含有することが好ましく、本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体に適度な柔軟性を持たせて、特に優れた接着性と折り曲げ加工性を発揮させる効果がある。(x)成分および(y)成分の炭素数4以上の直鎖アルキレン構造はそれが有する水素原子の一部がアルキル基で置換された分岐構造となっていても良い。(x)成分と(y)成分の共重合比率は、(x)成分と(y)成分の合計がポリエステルセグメント(A)を構成する全酸成分と全アルコール成分の合計に対し5〜60モル%であることが好ましい。(x)成分と(y)成分の合計が少なすぎると接着性と加工性が低下してしまい、逆に多すぎると耐湿熱性が低下してしまう。
前記(x)成分の具体例としては、ブタンジオール、メチルペンタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ダイマージオールなどを挙げることができる。また、前記(y)成分の具体例としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ダイマー酸及びその水素添加物などを挙げることができる。
本発明に使用されるポリエステルポリオール(a)を製造する際には、従来公知の重合触媒、例えば、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、チタンオキシアセチルアセトネートなどのチタン化合物、トリブトキシアンチモン、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物などを使用することができる。これらの触媒は1種又は2種以上を併用してもよい。重合の反応性の面からチタン化合物が好ましい。
本発明に使用するポリエステルポリオール(a)の数平均分子量の範囲は5,000〜30,000であり、好ましくは8,000〜20,000である。ポリエステルポリオール(a)の数平均分子量が低すぎると共重合体形成による分子量の増加が小さすぎるため加工性が出ず、分子量が高すぎると共重合体の作成が困難である。
本発明において使用するポリカルボジイミド化合物(b)は、一般的に良く知られた方法、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用い、各種有機イソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応に付することにより合成することができる。
ポリカルボジイミド化合物(b)の製造における合成原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルジイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
本発明におけるポリカルボジイミド化合物(b)はポリエステルポリオール(a)と共重合体を形成するため、その末端にイソシアネート基が残存していることが必要である。そのため、ポリカルボジイミド化合物の末端イソシアネートを封鎖したものを使用するのは好ましくない。
本発明におけるポリカルボジイミド化合物(b)の具体例としては、カルボジライトV−01、V−05、V−07(いずれも日清紡ケミカル株式会社製)などを挙げることができる。
本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の数平均分子量は5,500〜50,000であり、好ましくは7,000〜40,000である。ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の数平均分子量が低すぎると折り曲げ加工性が出ず、高すぎるとポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の末端基が少なくなるため硬化剤との反応が進行しにくくなる。
本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体は、末端基が主として水酸基であることが好ましく、末端基の70%以上が水酸基であることがより好ましく、末端基の90%以上が水酸基であることがより好ましく、末端基のすべてが水酸基であっても差し支えない。本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の末端基が主として水酸基であると、イソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を形成し接着性、耐湿熱性への効果を発揮する。発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の末端基を水酸基にするには、たとえば、ポリエステルポリオール(a)とポリカルボジイミド化合物(b)とを、ポリカルボジイミド化合物(b)が有するイソシアネート基の数に対して、ポリエステルポリオール(a)が有する水酸基の数が過剰になる状態で両者を反応させればよい。
水酸基末端を有するポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体を作成するには、前述のポリエステルポリオール(a)の数平均分子量と、後述のポリエステルセグメント(A)とポリカルボジイミドセグメント(B)の比率が所定の範囲に収まっていることが望ましい。
本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体を製造する方法は特に限定されないが、たとえば、ポリエステルポリオール(a)とポリカルボジイミド化合物(b)とを反応させる方法を挙げることができる。溶融させたポリエステルポリオール(a)中にカルボジイミド化合物(b)を混合することによって、容易に本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体を製造することができる。ポリエステルポリオール(a)とポリカルボジイミド化合物(b)の反応条件は特に限定されないが、典型的には、反応温度は100〜250℃、反応時間は5〜100分である。
本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体を構成するポリエステルセグメント(A)とポリカルボジイミドセグメント(B)の比率は、ポリエステルセグメント(A)100重量部に対してポリカルボジイミドセグメント(B)0.5〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。ポリカルボジイミドセグメント(B)の共重合比率が低すぎると耐加水分解性の向上と折り曲げ加工性の向上に効果がなく、共重合比率が高すぎると分子量が増加しすぎて共重合体が時にゲル化してしまう恐れや、カルボジイミド基の反応による架橋が進みすぎて接着性が低下する可能性がある。
従来技術において、ポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤とポリカルボジイミド化合物とを配合する系を用いる場合、ポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤とを混合するときにあわせてポリカルボジイミド化合物を加える方法が一般的である。この場合、イソシアネート基はカルボジイミド化合物の末端イソシアネート基だけでなく、硬化剤のイソシアネート基も多量に併存していることになる。この状態で硬化反応を行うので、ポリカルボジイミド化合物はポリエステル樹脂と反応したものだけではなく、未反応のポリカルボジイミドが多く残存する。未反応ポリカルボジイミド化合物は、ポリエステル樹脂の分解によって生じるカルボン酸と反応できるので酸価上昇の抑制には働くものの、塗膜の架橋構造に入り込んではいないため架橋構造を形成する効果はない。
それに比べてポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体はカルボジイミド基が共重合体の分子鎖内に存在するため、カルボジイミド基がポリエステル樹脂の分解によって生じるカルボン酸と反応すると、その部分が架橋点となり、架橋構造を形成する。それに加えて共重合体を形成の際に分子量が上がるため、塗膜の折り曲げ加工性も向上する。
本発明の接着剤組成物は、本発明のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体とポリイソシアネート化合物とを含有する接着剤組成物である。ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネート化合物から誘導されるビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型などのポリイソシアネート化合物が挙げられる。芳香族ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートを挙げることができる。また脂肪族ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートを挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は単独で、あるいは2種以上併用して使用することができる。脂肪族ポリイソシアネート化合物を用いることにより、屋外用途における経時的な黄変の低減効果を発揮する傾向にあり、より好ましい。
本発明の接着剤組成物において、ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体100重量部に対しポリイソシアネート化合物1〜15重量部が配合されていることが好ましい。ポリイソシアネート化合物の配合比率が低すぎると耐湿熱性が低下する傾向にあり、高すぎると初期接着性、耐湿熱性が低下する傾向にある。
本発明の接着剤組成物には、さらにポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、およびカルボジイミド化合物から選ばれる1種または2種以上を任意の割合で配合することができる。ポリエステルポリオールおよび/またはポリウレタンポリオールを配合することにより、初期接着力あるいは折り曲げ加工性の向上に効果が発揮される場合がある。また、カルボジイミド化合物を配合することにより、耐湿熱性の向上に効果が発揮される場合がある。
本発明の接着剤組成物には、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を配合することができ、耐紫外線性や耐湿熱性をさらに向上させることができる場合がある。
以下本発明について実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
(ポリエステルポリオールおよびポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の組成)
ポリエステルポリオールおよびポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体の組成及び組成比の決定は共鳴周波数400MHzのH−NMR測定(プロトン型核磁気共鳴分光測定)にて行った。測定装置はVARIAN社製NMR装置400−MRを用い、溶媒には重クロロホルムを用いた。
(数平均分子量Mn)
試料4mgを、4mlのテトラヒドロフラン(テトラブチルアンモニウムクロライド5mM添加)に溶解した後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過した試料溶液のゲル浸透クロマトグラフィー分析を行った。装置はTOSOH HLC−8220で示差屈折率検出器を用い、40℃で測定した。数平均分子量は標準ポリスチレン換算値とし、分子量1000未満に相当する部分を省いて算出した。
(ガラス転移温度Tg)
示差走査型熱量計(SII社、DSC−200)により測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム製の抑え蓋型容器に入れて密封し、液体窒素を用いて−50℃まで冷却し、次いで150℃まで20℃/分にて昇温させた。この過程にて得られる吸熱曲線において、吸熱ピークが出る前のベースラインと、吸熱ピークに向かう接線との交点の温度をもって、ガラス転移温度(Tg、単位:℃)とした。
(酸価AV)
試料0.2gを精秤しクロロホルム40mlに溶解し、0.01Nの水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定を行った。指示薬にはフェノールフタレインを用いた。測定値を試料10gあたりの当量に換算し、単位は当量/10gとした。
ポリエステルポリオール(P1)の製造例
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸249部、イソフタル酸241部、アジピン酸292部、無水トリメリット酸10部、エチレングリコール312部、ネオペンチルグリコール257部、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(以下、TBTと略記する場合がある)を全酸成分に対して0.03モル%仕込み、160℃から230℃まで4時間かけて昇温しながらエステル交換反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて90分間重縮合反応を行った。得られたポリエステルポリオール(P1)はNMRによる組成分析の結果、モル比でテレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/トリメリット酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=30/29/40/1//63/37であった。また、数平均分子量は15,000、ガラス転移温度は10℃、酸価は10当量/10g、であった。
ポリエステルポリオール(P2)〜(P7)の製造例
ポリエステル樹脂(P1)の製造例に準じて、但し、原料の種類と配合比率を変更して、ポリエステル樹脂(P2)〜(P7)を製造した。結果を表1に記す。
TPA テレフタル酸残基
IPA イソフタル酸残基
AA アジピン酸残基
SA セバシン酸残基
TMA トリメリット酸残基
EG エチレングリコール残基
NPG ネオペンチルグリコール残基
HD 1,6−ヘキサンンジオール残基
ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体(PC1)の製造例
ポリエステルポリオール(P1)100部を窒素気流下200℃で溶融し、ポリカルボジイミド化合物(日清紡ケミカル株式会社製 カルボジライトV−05)を3部投入し、60分間反応を行った。得られたポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体(PC1)のポリエステルセグメントとポリカルボジイミドの共重合比率が仕込み組成と一致することをNMRによる組成分析により確認した。また、数平均分子量は20,000であった。
ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体(PC2)〜(PC11)の製造例
ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体(PC1)の製造例に準じて、但し、原料の種類と配合比率を変更して、ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体(PC2)〜(PC11)を製造した。結果を表2に記す。また、いずれの共重合体のポリエステルセグメントとポリカルボジイミドの共重合比率が仕込み組成と一致することをNMRによる組成分析により確認した。
以下、主剤、硬化剤、添加剤は下記のものを示す。
主剤(1)〜(11):ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体(PC1)〜(PC11)を酢酸エチルに溶解させて得られた、固形分30重量%の樹脂溶液。
主剤(12):ポリエステルポリオール(P1)を酢酸エチルに溶解させて得られた、固形分30重量%の樹脂溶液。
硬化剤:ポリイソシアネート化合物であるHDIイソシアヌレート体「住化バイエル製 デスモジュールN3300」を酢酸エチルに溶解させて得られた固形分50重量%の溶液。
添加剤1:酸化防止剤(BASF製、イルガノックス1010)を酢酸エチルに溶解させて固形分10重量%にしたもの。
添加剤2:紫外線吸収剤(BASF製、チヌビン234)を酢酸エチルに溶解させて固形分10重量%にしたもの。
添加剤3:ポリカルボジイミド化合物 (日清紡ケミカル株式会社製 カルボジライトV−05)を酢酸エチルに溶解させて固形分50重量%にしたもの。
実施例1
(接着剤(1)の製造)
10部の主剤(1)と、0.6部の硬化剤1と、0.15部の添加剤1と、0.3部の添加剤2とを配合し混合したものを接着剤(1)とした。
(初期接着力および耐湿熱性の評価)
ポリエステルフィルム(東洋紡製、シャインビームQ1210、厚み125μm。以下、PETフィルムと略記する)に接着剤(1)をドライ膜厚が10μmになるようにアプリケーターで塗布し、溶剤を揮発させ、PETフィルム/接着剤積層体を形成した。次に、PETフィルム/接着剤積層体の接着剤側と接着剤を塗布していないPETフィルムとをドライラミネーターをもちいて圧着させ、PETフィルム/接着層/PETフィルム積層体(未エージング)を得た。ドライラミネーションは、ロール温度120℃、ロール荷重3kg/cm、被圧着物速度1m/分、で行った。次いで、40℃、5日のエージングを行なって接着剤を硬化させ、PETフィルム/接着層/PETフィルム積層体(エージング済み)を得た。
上記PETフィルム/接着層/PETフィルム積層体(エージング済み)を幅15mmの短冊状に切り取り、テンシロン(東洋測器(株)製、UTM−IV)でPETフィルム間の剥離強度(T型ピール剥離、引っ張り速度50mm/分)を測定し、初期接着力とした。評価結果を表3に示す。
評価基準: ◎:800g/15mm以上
○:600g/15mm以上800g/15mm未満
△:400g/15mm以上600g/15mm未満
×:400g/15mm未満
また、上記PETフィルム/接着層/PETフィルム積層体(エージング済み)を、レトルト試験機(トミー工業(株)製 ES−315)を用いて121℃、100%RH、54時間および72時間の環境負荷を与えたのち、幅15mmの短冊状に切り取ってPETフィルム間の剥離強度(T型ピール剥離、引っ張り速度50mm/分)を測定した。剥離強度の保持率を以下の式から算出し、耐湿熱性の指標とした。保持率は、数値が高いほど耐湿熱性が良好なことを示した。
保持率(%)=(耐湿熱試験後の剥離強度/耐湿熱試験前の剥離強度)×100
評価基準: ◎:80%以上
○:60%以上80%未満
△:40%以上60%未満
×:40%未満
(折り曲げ加工性の評価)
アルミ板(幅70mm、奥行き150mm、厚み0.5mm)の片面に、ドライ膜厚が10μmになるように接着剤(1)を塗布し、120℃で30分で硬化を行ない、これを試験板とした。塗膜が外側となる方向に試験板を甘く折り曲げ、次いで試験板と同じ厚さの金属板を挟み、180°折り曲げ加工を施した。アルミ板製の電極(幅20mm、奥行き50mm、厚さ0.5mm)の上に1%NaCl水溶液に浸したスポンジ(幅20mm、奥行き50mm、厚さ10mm)を載せたものを用意し、スポンジの20mmの辺と平行になるように試験板の折り曲げ部の中央部付近をスポンジに接触させ、アルミ板電極と試験板の裏面の非塗装部との間に5.5Vの直流電圧をかけ、通電値を測定した。通電値が小さい方が折り曲げ特性が良好であることを意味する。
評価基準:◎:1.5mA未満
○:1.5mA以上3.0mA未満
△:3.0mA以上10mA未満
×:10mA以上
実施例2〜11および比較例1〜4
実施例1の接着剤(1)に準じ、但し、主剤と硬化剤を表3の配合に変更して、接着剤(2)〜接着剤(13)を製造した。次いで、接着剤を表3に記載のように変更し、実施例1同様の評価を行った。評価結果を表4に示した。
本発明品は優れた耐加水分解性と折り曲げ加工性を両立するポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体であり、屋外に用いられる産業用品の接着剤や塗料、コーティング材の主剤に好適である。

Claims (7)

  1. 数平均分子量が5,000〜30,000のポリエステルセグメント(A)とポリカルボジイミドセグメント(B)とがウレタン結合で連結された化学構造からなり、数平均分子量が5,500〜50,000であるポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
  2. 末端基が主として水酸基であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
  3. 前記ポリエステルセグメント(A)と前記ポリカルボジイミドセグメント(B)の重量比が100:0.5〜15であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
  4. 前記ポリエステルセグメント(A)が、共重合成分として、(x)炭素数4以上の直鎖アルキレン構造を有する脂肪族グリコール、および/または、(y)炭素数4以上の直鎖アルキレン構造を有する脂肪族二塩基酸を含有し、ポリエステルセグメント(A)を構成する全酸成分と全アルコール成分の合計に対し(x)成分と(y)成分の合計が5〜60モル%であることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載のポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体とポリイソシアネート化合物とを含有する樹脂組成物。
  6. さらに、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールおよびカルボジイミド化合物から選ばれる1種または2種以上が配合されていることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 接着剤用、塗料用またはコーティング用である請求項5または6の樹脂組成物。
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