JP2021107541A - ウレタン系ホットメルト接着剤 - Google Patents

ウレタン系ホットメルト接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2021107541A
JP2021107541A JP2020215003A JP2020215003A JP2021107541A JP 2021107541 A JP2021107541 A JP 2021107541A JP 2020215003 A JP2020215003 A JP 2020215003A JP 2020215003 A JP2020215003 A JP 2020215003A JP 2021107541 A JP2021107541 A JP 2021107541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urethane
melt adhesive
based hot
hot melt
polyurethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020215003A
Other languages
English (en)
Inventor
訓司 今田
Kunji Imada
訓司 今田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyopolymer Co Ltd
Original Assignee
Toyopolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyopolymer Co Ltd filed Critical Toyopolymer Co Ltd
Publication of JP2021107541A publication Critical patent/JP2021107541A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】本発明の課題は、従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた耐熱性、耐湿熱性および即硬化性を示すウレタン系ホットメルト接着剤を提供することにある。【解決手段】本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤UAは、(A)ポリウレタン、(B)イソシアネート前駆体および(C)触媒を含有する。ポリウレタンは、少なくとも(a1)芳香族ユニットを有するイソシアネート由来単位および(a2)芳香族ユニットを有するポリオール由来単位から成る。そして、このポリウレタンは、末端に水酸基を有する。イソシアネート前駆体は、芳香族ユニットを有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、ウレタン系ホットメルト接着剤に関する。
過去に「イソシアネート基と反応可能である官能基を2つ有するポリマーと、イソシアネート基と反応可能である官能基を3つ以上有するポリマーと、複数のイソシアネート基を有する化合物と、触媒とを含有するウレタン系ホットメルト接着剤」が種々提案されている(例えば、特表2013−529238号公報等参照。)
特表2013−529238号公報
ところで、上述のようなウレタン系ホットメルト接着剤は耐湿熱性が十分ではなく、高温多湿の環境下では十分な接着性を示さないことが明らかとなってきている。
そこで、従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた耐湿熱性を示すウレタン系ホットメルト接着剤を提供することを本発明の課題とする。
本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、少なくとも(A)ポリウレタン、(B)イソシアネート前駆体および(C)触媒を含有する。ポリウレタンは、少なくとも(a1)芳香族ユニットを有するイソシアネート由来単位および(a2)芳香族ユニットを有するポリオール由来単位から成る。また、この(A)ポリウレタンは、末端に水酸基を有する。(B)イソシアネート前駆体は、芳香族ユニットを有する。なお、ここにいう(B)イソシアネート前駆体とは、例えば、マスクドイソシアネートや、ブロックドイソシアネート、イソシアネート多量体等である。
本願発明者の鋭意検討の結果、上述の成分を有するウレタン系ホットメルト接着剤は従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた耐湿熱性を示し、高温多湿の環境下において従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた接着性を維持することができることが明らかとなった。また、このウレタン系ホットメルト接着剤は、高温多湿の環境下においても従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた接着性を維持することができることが明らかとなった。さらに、このウレタン系ホットメルト接着剤は、比較的短時間で接着強さを発現することも明らかとなった。
なお、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、イソシアネート由来単位は、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートより成る群から選択される少なくとも一種の化合物に由来する単位であることが好ましい。上述のイソシアネート化合物は、凝集力が高く、また、費用対効果が高いためである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、ポリオール由来単位は、少なくともカルボン酸由来単位およびポリオール由来単位から成るポリエステルポリオールに由来する単位であることが好ましい。そして、その際、カルボン酸由来単位に上述の芳香族ユニットが含まれていることが好ましい。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、ポリウレタンは、架橋構造を有していることが好ましい。硬化の凝集破壊を抑制したりクリープ性を向上させたりすることができるからである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、触媒は、全量に対して0.005質量%以上0.08質量%未満の範囲内を占めていることが好ましい。同接着剤が適度な時間で十分に硬化すると共に、セットタイムも良好となって張り合わせも問題なくでき、また、同接着剤に欠陥が生じることを避けることができ、延いては良好な強度を維持することができるからである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、イソシアネート前駆体は全量に対して1質量%以上15質量%以下の範囲内を占めていることが好ましい。本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤引張りせん断接着強さが高まるだけではなく、耐湿熱性が良好となるからである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤はシランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。ガラスや金属等の部材に対する接着性を向上させることができるからである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、ポリウレタンの数平均分子量は6,000以上12,000以下の範囲内であることが好ましい。本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤に対してタックを生じさせることなく良好な融解性を付与することができるからである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤は、SPCC鋼板に対する常態の引張せん断接着強さが5MPa以上であることが好ましい。また、この常態の引張せん断接着強さは、9MPa以上であることがより好ましく、11MPa以上であることがさらに好ましく、12MPa以上であることがさらに好ましく、13MPa以上であることが特に好ましい。本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤が実用に耐え得ることができるようになるからである。なお、ウレタン系ホットメルト接着剤のSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さは高ければ高いほど好ましく、特に上限はない。ただし、実験的に得られた同接着強さは14MPa以下である。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、80℃の温度環境(相対湿度:5%RH程度)に500時間暴露した後のSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さが暴露前の引張せん断接着強さに対して80%以上保持されることが好ましい。また、この引張せん断接着強さは、暴露前の引張せん断接着強さに対して90%以上保持されることがより好ましく、100%保持されることがさらに好ましい。本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤が高温環境下においても実用に耐え得ることができるようになるからである。
また、上述のウレタン系ホットメルト接着剤において、80℃、90%RHの温湿度環境に500時間暴露した後のSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さが暴露前の引張せん断接着強さに対して80%以上保持されることが好ましい。また、この引張せん断接着強さは、暴露前の引張せん断接着強さに対して90%以上保持されることがより好ましく、100%保持されることがさらに好ましい。本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤が高温多湿の環境下においても実用に耐え得ることができるようになるからである。
<ウレタン系ホットメルト接着剤の構成成分>
本発明の実施の形態に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、ポリウレタン、イソシアネート前駆体および触媒を含有する。また、このウレタン系ホットメルト接着剤には、ガラスや金属等の部材に対する接着性を向上させる目的でシランカップリング剤等の接着促進剤を添加してもよいし、その他の目的に応じて公知の添加剤を添加してもよい。以下、上記各成分について詳述する。
(1)ポリウレタン
ポリウレタンは、少なくとも「芳香族ユニットを有するイソシアネート由来単位」および「芳香族ユニットを有するポリオール由来単位」から成っている。そして、このポリウレタンは、末端に水酸基を有する。すなわち、このポリウレタンは、マクロモノマーと称することもできる。
ここで、芳香族ユニットを有するイソシアネート由来単位としては、例えば、芳香族ユニットを有するジイソシアネート由来単位が挙げられる。芳香族ユニットを有するジイソシアネート由来単位としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、O−トリジンジイソシアネート、1,4−ジフェニルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、およびα,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。なお、ここで、芳香族ユニットを有するジイソシアネート由来単位は、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートより成る群から選択される少なくとも一種の化合物に由来する単位であることが好ましい。
なお、トルエンジイソシアネート(TDI)は、例えば、コロネートT−80,コロネートT−65,コロネートT−100として東ソー株式会社から販売されている。ここで、コロネートT−80は2,4−TDI/2,6−TDI異性体の混合比率が80/20の製品であり、コロネートT−65は2,4−TDI/2,6−TDI異性体比率が65/35の製品であり、コロネートT−100は、2,4−TDIである。また、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、例えば、ミリオネートMT、MT−F、MTNBP、NM等として東ソー株式会社から販売されている。また、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートは、例えば、ミリオネートMR−100、MR−200、MR−400等として東ソー株式会社から販売されている。
なお、このポリウレタンには、本発明の趣旨を損なわない範囲で「芳香族ユニットを有しないイソシアネート由来単位」が含まれていてもよい。そのようなイソシアネート由来単位としては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート由来単位や、イソホロンジシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環族系ジイソシアネート、過剰量のジイソシアネートにポリオールを反応させたポリイソシアネートプレポリマー等が挙げられる。
また、「芳香族ユニットを有するポリオール由来単位」としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられるが、これらの中でもポリエステルポリオールが特に好ましい。また、ポリエステルポリオール中のカルボン酸由来単位に芳香族ユニットが含まれていることが好ましい。このようなポリエステルポリオールとしては、例えば、イソフタル酸(IPA)やテレフタル酸(TPA)由来単位を含むポリエステルポリオール等が挙げられるが、これらの中でも主にテレフタル酸由来単位および3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MPD)由来単位から成るポリエステルポリオールが好ましい。このようなMPD/TPA系のポリエステルポリオールは、例えば、クラレポリオールP−520、クラレポリオールP−1020、クラレポリオールP−2020として株式会社クラレから販売されている。
なお、このポリウレタンには、本発明の趣旨の損なわない範囲で「芳香族ユニットを有しないポリオール由来単位」が含まれていてもよい。そのようなポリオール由来単位としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ソルビトール環ジオール等の脂肪族系のジオールに由来する単位や、ポリ(スチレンアリルアルコール)、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレントリオール等の脂肪族系のポリオールに由来する単位が挙げられる。なお、このポリウレタンに架橋構造を導入する必要がある場合は、必然的に多官能ポリオールが選択される。
また、このウレタン系ホットメルト接着剤には、本発明の趣旨の損なわない範囲でポリウレタン以外に水酸基末端ウレタン以外の水酸基含有化合物が含まれていてもよい。そのようなポリオール由来単位としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ソルビトール環ジオール等の脂肪族系のジオールに由来する単位や、ポリ(スチレンアリルアルコール)、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレントリオール等の脂肪族系のポリオールに由来する単位が挙げられる。
また、このポリウレタンは、数平均分子量が6,000以上12,000以下の範囲内であることが好ましく、7,000以上12,000以下の範囲内であることがより好ましく、7,500以上12,000以下の範囲内であることがさらに好ましく、8,000以上12,000以下の範囲内であることがさらに好ましく、8,500以上12,000以下の範囲内であることがさらに好ましく、9,000以上12,000以下の範囲内であることが特に好ましい。
(2)イソシアネート前駆体
イソシアネート前駆体とは、例えば、マスクドイソシアネート(「ブロックドイソシアネート」とも称される)、イソシアネート多量体(イソシアネート二量体等)等である。また、このイソシアネート前駆体は、芳香族ユニットを有している。
ここで、芳香族ユニットを有するマスクドイソシアネートは、例えば、DM−6400(MDI系)、メイカネートDM−3031CONC(MDI系)、メイカネートDM−350Z(MDI系)、メイカネートTP−10(TDI系)として明成化学株式会社から販売されている。
また、芳香族ユニットを有するイソシアネート多量体としては、例えば、トルエンジイソシアネート二量体、ジフェニルメタンジイソシアネート二量体等である。トルエンジイソシアネート二量体は、例えば、Addolink(登録商標)TTとしてRheinChemie社から販売されている。ジフェニルメタンジイソシアネート二量体は、例えば、特開2014−097983号公報に開示されている方法で製造することができる。
また、本発明の実施の形態に係るウレタン系ホットメルト接着剤において、イソシアネート前駆体は全量に対して1質量%以上15質量%以下の範囲内を占めていることが好ましい。
(3)触媒
ここで触媒とは、イソシアネート前駆体からイソシアネートを生成する反応が起こる温度を低下させる役目を担うと共に、イソシアネート生成後においてポリオールとイソシアネートとを反応させる役目を担っている。このような触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート等の錫系触媒、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(以下DBNと略称する)、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(以下DBUと略称する)、アミン系触媒のボラン塩、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBUギ酸塩、DBU炭酸塩、DBNオクチル酸塩等の各種アミン塩系触媒、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸鉛、酢酸カリウム等のカルボキシレート類、トリエチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド類、亜鉛系有機金属触媒等が挙げられる。なお、この中でもDBNおよびDBUならびにそれらの塩が好ましく、DBUのギ酸塩が特に好ましい。DBUのギ酸塩はU−CAT SA(登録商標)603としてサンアプロ株式会社から販売されている。
なお、本発明の実施の形態に係るウレタン系ホットメルト接着剤において、触媒は、全量に対して0.005質量%以上0.08質量%未満の範囲内を占めていることが好ましい。なお、この触媒添加量の範囲は、触媒として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7−ギ酸塩が用いられる際に特に有効である。
(4)接着促進剤
接着促進剤は、上述の通り、ガラス等の部材に対する接着性を向上させる目的で任意に添加され得る成分であって、ポリウレタンとガラスや金属等の部材を良好に接着させるものであれば特に制限はない。接着促進剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシランおよびN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、ヘキサメチルジシラザンおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。なお、具体的なシランカップリング剤としては、例えば、MOMENTIVE社のSilquest A−187J等が挙げられる。
(5)添加剤
添加剤としては、例えば、安定剤、充填剤、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、揺変剤、顔料、酸化防止剤等の公知の添加剤が挙げられる。
<ウレタン系ホットメルト接着剤の製造方法>
本発明の実施の形態に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
上述のポリウレタンを80℃以上100℃以下の温度環境下において混錬装置で混錬しながら、そこにイソシアネート前駆体および触媒(必要に応じて添加剤も)を投入してさらに混錬を続けた後に素早く室温まで冷却し、その後にその冷却物を粉砕機にかけて粉体化し、その粉体を打錠機で錠剤化することによって得られる。
<ウレタン系ホットメルト接着剤の物性>
本発明の実施の形態に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた耐湿熱性を示し、高温多湿の環境下において従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた接着性を維持することができる。具体的には、このウレタン系ホットメルト接着剤は、SPCC鋼板に対する常態の引張せん断接着強さが5MPa以上となる。また、この常態の引張せん断接着強さは、9MPa以上であることがより好ましく、11MPa以上であることがさらに好ましく、12MPa以上であることがさらに好ましく、13MPa以上であることが特に好ましい。また、このウレタン系ホットメルト接着剤は、80℃の温度環境(相対湿度:5%RH程度)に500時間暴露した後においてもSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さを暴露前の引張せん断接着強さに対して80%以上保持する。さらに、このウレタン系ホットメルト接着剤は、80℃、90%RHの温湿度環境に500時間暴露した後においてもSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さを暴露前の引張せん断接着強さに対して80%以上保持する。
また、本発明の実施の形態に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、SPCC鋼板に対する常態の引張せん断接着強さが5MPa以上であり、良好なセットタイムを示す。また、このウレタン系ホットメルト接着剤の中には、常態で12MPaよりも大きい引張せん断接着強さを示すものや、80℃の温度環境下(相対湿度:5%RH程度)において17MPaより大きい引張せん断接着強さを示すもの、80℃、90%RHの温湿度環境において11MPaより大きい引張せん断接着強さを示すものが存在する。
<実施例・比較例>
以下、実施例および比較例を示して本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示される実施例に限定されることはない。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
100質量部のクラレポリオールP−1020(株式会社クラレ製)および2.01質量部のトリメチロールプロパン(TMP)を反応容器に投入し、その内容物を十分に加熱しながら撹拌した後にその内容物に対して15.95質量部のコロネートT−80(東ソー株式会社製,2,4−トルエンジイソシアネート/2,6−トルエンジイソシアネート異性体の混合比率が80/20の製品)を加え、それらを100℃で8時間反応させた。8時間後には、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の質量割合)が0.01%以下となっていた。すなわち、ここに末端に水酸基が存在するポリウレタン(以下「末端水酸基ポリウレタン」と称する。)が得られた。なお、この末端水酸基ポリウレタンのR値(水酸基に対するイソシアネート基のモル比)は0.75であった。そして、常温環境下で末端水酸基ポリウレタンを指触したところタック(ベタつき)は感じられなかった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU1」と略することがある。
また、以下の条件下のゲルパーミエーションクロマトグラフィーでこの末端水酸基ポリウレタンのポリスチレン換算数平均分子量を測定したところ8533であった。
・測定機器(GPC):昭和電工株式会社製のShodex GPC−101
・カラム:昭和電工株式会社製のShodex LF804
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折計(RI検出器)
・試料濃度:0.2体積%
・希釈液:テトラヒドロフラン
・移動相流速:1.0mL/分
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
上述の末端水酸基ポリウレタン(PU1)93.73質量部を約100℃の温度環境の混錬装置で混錬しながら、そこに5.15質量部のAddolink(登録商標)TT(RheinChemie社製のTDIダイマー)、0.03質量部のU−CAT SA(登録商標)603および1.09質量部のシランカップリング剤Silquest A−187J(MOMENTIVE社製)を投入してさらに混錬を続けた後に素早く室温まで冷却した。そして、その冷却物を粉砕機にかけて粉体化し、その粉体を打錠機で錠剤化して目的のウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
(1)引張せん断接着強さの測定
a.試験片の作製
23℃、50%RHの環境下にて、幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの脱脂済みのSPCC鋼板を160℃に加熱した後、その加熱SPCC鋼板に、上述の通りにして作製されたウレタン系ホットメルト接着剤を10秒置き、そのウレタン系ホットメルト接着剤の上から、80℃に加温された同寸のSPCC鋼板を12.5mm重なるように置き、二枚のSPCC鋼板の重なり部分をクリップで固定して24時間放置し、目的の試験片を作製した。
b.測定方法
上述の通りして得られた試験片のSPCC鋼板の非重なり部分を、対向する2つのチャックに固定して25℃、50RHの温湿度環境下において10mm/分の速度でその試験片を引っ張った。なお、本測定において詳細はJIS K6850に従った。その結果、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の上記測定雰囲気下における引張せん断接着強さ(以下「常態の引張せん断接着強さ」という。)は12.3MPaであった。
(2)引張せん断接着強さに及ぼす環境の影響の検討
(2−1)80℃の温熱環境
a.試験片の作製
上述の「(1)引張せん断接着強さの測定」の欄の「a.試験片の作製」に記載の通りに試験片を作製した後、その試験片を80℃の乾燥器に500時間載置した。
b.測定方法
上述の「(1)引張せん断接着強さの測定」の欄の「b.測定方法」に記載の通りに引張せん断接着強さの測定を行った。なお、このときの測定雰囲気は、25℃、50%RHであった。その結果、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の上記測定環境下における引張せん断接着強さは14.9MPaであった。すなわち、同ウレタン系ホットメルト接着剤は、前述の温熱環境暴露前に比べて121%(=14.9/12.3×100)の引張せん断接着強さを保持していた(以下この数値を「引張せん断接着強さ保持率」と称する。)(すなわち、21%の強度向上が見られた。)。
(2−2)80℃、90%RHの温湿熱環境
a.試験片の作製
上述の「(1)引張せん断接着強さの測定」の欄の「a.試験片の作製」に記載の通りに試験片を作製した後、その試験片を80℃、90%RHの恒温恒湿器に500時間載置した。
b.測定方法
上述の「(1)引張せん断接着強さの測定」の欄の「b.測定方法」に記載の通りに引張せん断接着強さの測定を行った。なお、このときの測定雰囲気は、25℃、50%RHであった。その結果、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の上記測定環境下における引張せん断接着強さは13.0MPaであった。すなわち、同ウレタン系ホットメルト接着剤は、前述の温熱環境暴露前に比べて106%(=13.0/12.3×100)の引張せん断接着強さを保持していた。
(3)フィルム物性の測定
a.試験片の作製
上述の通りにして作製されたウレタン系ホットメルト接着剤を、固形分が80重量%となるように溶剤で希釈した。そして、その希釈溶液を離型紙に塗布し、その塗膜を80℃で30分乾燥した後に130℃で60分放置した。そして、その後、離型紙上に得られた固形の塗膜を離型紙から剥がして目的の試験片を作製した。
b.測定方法
上述の通りして得られた試験片を、対向する2つのチャックに固定して25℃、50%RHの温湿度環境下において200mm/分の速度でその試験片を引っ張った。なお、本測定において詳細はJIS K7161に従った。その結果、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のフィルムの引張強さは21.9MPaであり、引張伸びは40.0%であった。
(4)フィルム物性に及ぼす環境の影響の検討
(4−1)80℃の温熱環境
a.試験片の作製
上述の「(3)フィルム物性の測定」の欄の「a.試験片の作製」に記載の通りに試験片を作製した後、その試験片を80℃の乾燥器に500時間載置した。
b.測定方法
上述の「(3)フィルム物性の測定」の欄の「b.測定方法」に記載の通りに試験片を引っ張ってその試験片の引張強さおよび引張伸びを測定した。なお、このときの測定雰囲気は、25℃、50%RHであった。その結果、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの上記測定環境下における引張強さは22.5MPaであり、引張伸びは60.0%であった。すなわち、同ウレタン系ホットメルト接着剤フィルムは、前述の温熱環境暴露前に比べて103%(=22.5/21.9×100)の引張強さを保持していた(以下この数値を「フィルム引張強さ保持率」と称する。)(すなわち、3%の強度向上が見られた。)。
(4−2)80℃、90%RHの温湿熱環境
a.試験片の作製
上述の「(3)フィルム物性の測定」の欄の「a.試験片の作製」に記載の通りに試験片を作製した後、その試験片を80℃、90%RHの恒温恒湿器に500時間載置した。
b.測定方法
上述の「(3)フィルム物性の測定」の欄の「b.測定方法」に記載の通りに試験片を引っ張ってその試験片の引張強さおよび引張伸びを測定した。なお、このときの測定雰囲気は、25℃、50%RHであった。その結果、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの上記測定環境下における引張強さは26.7MPaであり、引張伸びは25.0%であった。すなわち、同ウレタン系ホットメルト接着剤フィルムは、前述の温熱環境暴露前に比べて122%(=26.7/21.9×100)の引張強さを保持していた(すなわち、22%の強度向上が見られた。)。
(5)セットタイムの測定
23℃、50%RHの環境下にて直径24mm重さ12gの脱脂済みの円盤状SPCC鋼板を160℃に加熱した後、その加熱した円盤状SPCC鋼板に、上述の通りにして作製されたウレタン系ホットメルト接着剤を塗布して10秒放置し、その円盤状SPCC鋼板に対して、80℃に加温された幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの脱脂済みの長方形状SPCC鋼板に張り合わせ、張り合わせ直後に接合体の長方形状SPCC鋼板を持って、接合体に持ち上げた。そのとき、下側になった円盤状SPCC鋼板が自重でズレ落ちなければ「良好」と判定し、円盤状SPCC鋼板がズレ落ちたら「不良」と判定した。その結果、円盤状SPCC鋼板はズレ落ちず、セットタイムは良好であると判定された。
(6)接着剤溶融性の測定
上記「(4)セットタイムの測定」に記載と同様に2枚のSPCC鋼板を張り合わせた後に、引き剥がして、各SPCC鋼板における接着剤の拡がり(溶融性)を確認した。そのとき、接着剤がSPCC鋼板張り合わせ時に容易に拡がった場合を「良好」と判定し、容易に拡がらなかった場合を「不良」と判定した。その結果、このウレタン系ホットメルト接着剤は、SPCC鋼板張り合わせ時に容易に拡がっており、その溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
コロネートT−80の添加量を16.47質量部に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認すると共にその末端水酸基ポリウレタンのポリスチレン換算数平均分子量を測定した。その結果、タック(ベタつき)は感じられず、ポリスチレン換算数平均分子量は8999であった。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.77であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU2」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU2)の添加量を94.22質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を4.65質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.10質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは13.5MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは14.3MPa(引張せん断接着強さ保持率:106%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは11.0MPa(引張せん断接着強さ保持率:81%)であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは22.3MPaであり、引張伸びは20.0%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは29.4MPa(フィルム引張強さ保持率:132%)であり、引張伸びは27.0%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは26.2MPa(フィルム引張強さ保持率:117%)であり、引張伸びは18.0%であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
コロネートT−80の添加量を14.72質量部に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認すると共にその末端水酸基ポリウレタンのポリスチレン換算数平均分子量を測定した。その結果、ポリスチレン換算数平均分子量は6776であった。また、得られた末端水酸基ポリウレタンを指触したところタック(ベタつき)は感じられなかった。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.69であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU3」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU3)の添加量を92.56質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を6.32質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは13.1MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは17.5MPa(引張せん断接着強さ保持率:134%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは10.8MPa(引張せん断接着強さ保持率:82%)であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは28.2MPaであり、引張伸びは13.3%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは31.9MPa(フィルム引張強さ保持率:113%)であり、引張伸びは57.0%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは35.2MPa(フィルム引張強さ保持率:125%)であり、引張伸びは25.0%であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
コロネートT−80の添加量を13.94質量部に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認すると共にその末端水酸基ポリウレタンのポリスチレン換算数平均分子量を測定した。その結果、タック(ベタつき)は感じられず、ポリスチレン換算数平均分子量は6375であった。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.65であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU4」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU4)の添加量を91.86質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を7.04質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.07質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは11.0MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは14.9MPa(引張せん断接着強さ保持率:128%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは8.9MPa(引張せん断接着強さ保持率:81%)であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは31.4MPaであり、引張伸びは30.0%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは25.2MPa(フィルム引張強さ保持率:80%)であり、引張伸びは38.0%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは29.6MPa(フィルム引張強さ保持率:94%)であり、引張伸びは15.0%であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
15.95質量部のコロネートT−80を22.88質量部のミリオネートMT(三井化学株式会社製,モノメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート),ピュアMDI、分子量250)に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認すると共にその末端水酸基ポリウレタンのポリスチレン換算数平均分子量を測定した。その結果、タック(ベタつき)は感じられず、ポリスチレン換算数平均分子量は11059であった。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.75であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU5」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU5)の添加量を94.01質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を4.86質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.10質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは12.0MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは13.8MPa(引張せん断接着強さ保持率:115%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは11.8MPa(引張せん断接着強さ保持率:98%)であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは19.8MPaであり、引張伸びは45.0%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは23.0MPa(フィルム引張強さ保持率:116%)であり、引張伸びは40.0%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは23.5MPa(フィルム引張強さ保持率:119%)であり、引張伸びは38.0%であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタン(PU1)を得た。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU1)の添加量を93.70質量部に代え、U−CAT SA(登録商標)603の添加量を0.06質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは9.6MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは11.3MPa(引張せん断接着強さ保持率:118%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは10.1MPa(引張せん断接着強さ保持率:105%)であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは22.0MPaであり、引張伸びは35.0%であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタン(PU1)を得た。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU1)の添加量を93.74質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を5.16質量部に代え、U−CAT SA(登録商標)603の添加量を0.01質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは14.2MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは14.7MPa(引張せん断接着強さ保持率:103%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは12.8MPa(引張せん断接着強さ保持率:90%)であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは20.3MPaであり、引張伸びは30.0%であった。また、本実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は良好であると判定された。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタン(PU1)を得た。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU1)の添加量を88.63質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を10.04質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.03質量部に代え、0.03質量部のU−CAT SA(登録商標)603を0.30質量部の1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN,サンアプロ株式会社製)に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の硬化反応評価
上述の通りにして得られたウレタン系ホットメルト接着剤をアルミニウム製のサンプルパンに詰めて試料を準備した。また、同一のアルミニウム製のサンプルパンから対照を作製した。試料と対照を示差操作熱量計(理学電機株式会社製DSC8230)にセットし、試料と対照を室温から250℃まで10℃/分の昇温しながらその熱量変化を測定した。その結果、このウレタン系ホットメルト接着剤は80.8℃−131.4℃に反応領域(ピーク温度:117.8℃)を有することがわかった。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタン(PU1)を得た。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU1)の添加量を88.63質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を10.04質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.03質量部に代え、0.03質量部のU−CAT SA(登録商標)603を0.30質量部のU-Cat SA(登録商標)1(DBUフェノール塩,サンアプロ株式会社製)に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の硬化反応評価
上述の通りにして得られたウレタン系ホットメルト接着剤をアルミニウム製のサンプルパンに詰めて試料を準備した。また、同一のアルミニウム製のサンプルパンから対照を作製した。試料と対照を示差操作熱量計(理学電機株式会社製DSC8230)にセットし、試料と対照を室温から250℃まで10℃/分の昇温しながらその熱量変化を測定した。その結果、このウレタン系ホットメルト接着剤は94.8℃−148.1℃に反応領域(ピーク温度:132.5℃)を有することがわかった。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタン(PU1)を得た。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU1)の添加量を88.63質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を10.04質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.03質量部に代え、0.03質量部のU−CAT SA(登録商標)603を0.30質量部のU-Cat SA(登録商標)102(DBUオクチル塩,サンアプロ株式会社製)に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の硬化反応評価
上述の通りにして得られたウレタン系ホットメルト接着剤をアルミニウム製のサンプルパンに詰めて試料を準備した。また、同一のアルミニウム製のサンプルパンから対照を作製した。試料と対照を示差操作熱量計(理学電機株式会社製DSC8230)にセットし、試料と対照を室温から250℃まで10℃/分の昇温しながらその熱量変化を測定した。その結果、このウレタン系ホットメルト接着剤は94.9℃−153.3℃に反応領域(ピーク温度:140.5℃)を有することがわかった。
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタン(PU1)を得た。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
末端水酸基ポリウレタン(PU1)の添加量を88.63質量部に代え、Addolink(登録商標)TTの添加量を10.04質量部に代え、シランカップリング剤Silquest A−187Jの添加量を1.03質量部に代え、U−CAT SA(登録商標)603の添加量を0.30質量部に代えた以外は実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た。
2.ウレタン系ホットメルト接着剤の硬化反応評価
上述の通りにして得られたウレタン系ホットメルト接着剤をアルミニウム製のサンプルパンに詰めて試料を準備した。また、同一のアルミニウム製のサンプルパンから対照を作製した。試料と対照を示差操作熱量計(理学電機株式会社製DSC8230)にセットし、試料と対照を室温から250℃まで10℃/分の昇温しながらその熱量変化を測定した。その結果、このウレタン系ホットメルト接着剤は73.1℃−150.4℃に反応領域(ピーク温度:139.2℃)を有することがわかった。
(比較例1)
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
クラレポリオールP−1020をDiol−1000(三井化学SKCポリウレタン株式会社製,ポリプロピレングリコール 分子量1,000)に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認した。その結果、末端水酸基ポリウレタンは液状であってタック(ベタつき)が感じられた。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.75であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU6」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た(ただし、末端水酸基ポリウレタンとしてPU6の末端水酸基ポリウレタンを用いている)。
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは0.58MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは0.74MPa(保持率:127%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは1.40MPa(保持率:241%)であった。また、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは0.57MPaであり、引張伸びは410%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは0.44MPa(フィルム引張強さ保持率:77%)であり、引張伸びは350%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは0.34MPa(フィルム引張強さ保持率:59%)であり、引張伸びは300%であった。また、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は不良であると判定された。
(比較例2)
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
クラレポリオールP−1020をニッポラン981(東ソー株式会社製,脂肪族系ポリカーボネートジオール)に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認した。その結果、タック(ベタつき)は感じられなかった。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.75であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU7」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た(ただし、末端水酸基ポリウレタンとしてPU7の末端水酸基ポリウレタンを用いている)。
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは1.34MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは3.37MPa(保持率:251%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは3.30MPa(保持率:246%)であった。また、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは9.61MPaであり、引張伸びは322%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは7.9MPa(フィルム引張強さ保持率:82%)であり、引張伸びは355%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは8.5MPa(フィルム引張強さ保持率:88%)であり、引張伸びは408%であった。また、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は不良であると判定された。
(比較例3)
1.ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
(1)末端水酸基ポリウレタンの調製
クラレポリオールP−1020をクラレポリオールP−1010(株式会社クラレ製,アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから合成されている脂肪族系ポリエステルポリオール)に代えた以外は実施例1と同様にして末端水酸基ポリウレタンを得た後、常温環境下で指触にてその末端水酸基ポリウレタンのタック性を確認した。その結果、末端水酸基ポリウレタンは液状であってタック(ベタつき)が感じられた。また、この末端水酸基ポリウレタンのR値は0.75であった。以下、この末端水酸基ポリウレタンを「PU8」と略することがある。
(2)ウレタン系ホットメルト接着剤の作製
実施例1と同様にしてウレタン系ホットメルト接着剤を得た(ただし、末端水酸基ポリウレタンとしてPU8の末端水酸基ポリウレタンを用いている)。
実施例1と同様にしてこのウレタン系ホットメルト接着剤の物性評価を行ったところ、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の常態の引張せん断接着強さは1.48MPaであり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは1.62MPa(保持率:109%)であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤の引張せん断接着強さは1.14MPa(保持率:77%)であった。また、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの常態の引張強さは2.14MPaであり、引張伸びは345%であり、80℃温熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは1.68MPa(フィルム引張強さ保持率:78%)であり、引張伸びは327%であり、80℃、90%RH温湿熱環境下に500時間暴露した後における本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤フィルムの引張強さは1.29MPa(フィルム引張強さ保持率:60%)であり、引張伸びは645%であった。また、本比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤のセットタイムおよび溶融性は不良であると判定された。
(まとめ)
上記実施例および比較例で調製されたものの原料組成や物性値等を以下の表1〜4にまとめた。
表1には、各実施例および比較例において調製された末端水酸基ポリウレタンの原料組成と、そのR値、数平均分子量およびタックとがまとめられている。この表1から明らかなように、実施例に係る末端水酸基ポリウレタンにはタックがなかったが、比較例2を除く比較例に係る末端水酸基ポリウレタンにはタックがあった。
表2には、実施例1〜5および比較例1〜3で調製されたウレタン系ホットメルト接着剤の原料組成と、そのセットタイム、拡がり(溶融性)ならびに各種環境における引張せん断接着強さおよびフィルム物性とがまとめられている。この表2から明らかなように、実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤はセットタイムおよび拡がり(溶融性)が良好であるが、比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤はセットタイムおよび拡がり(溶融性)が不良である。また、表2から明らかなように、実施例に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、いずれの環境においても安定した接着物性およびフィルム物性を示すが、比較例に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、高温環境下あるいは高温多湿環境下において接着物性およびフィルム物性が不安定となる。
表3には、実施例8〜11で調製されたウレタン系ホットメルト接着剤の原料組成と、その硬化物性がまとめられている。この表3から明らかなように、いずれの触媒でもウレタン系ホットメルト接着剤は良好に硬化するが、熱エネルギ−の浪費抑制および被着体の張り合わせ作業性向上等を考慮すると、比較的低温から硬化し出すと共に比較的高温で硬化が完了する実施例11のU-Cat SA603が特に望ましい。
表4には、実施例1、6および7で調製されたウレタン系ホットメルト接着剤の原料組成と、そのセットタイム、拡がり(溶融性)ならびに各種環境における引張せん断接着強さおよびフィルム物性とがまとめられている。この表4から明らかなように、0.01質量%〜0.06質量%程度の触媒が添加されていれば、ウレタン系ホットメルト接着剤は良好に硬化する。
Figure 2021107541
Figure 2021107541
Figure 2021107541
Figure 2021107541
本発明に係るウレタン系ホットメルト接着剤は、従前のウレタン系ホットメルト接着剤よりも優れた耐熱性および耐湿熱性を示すと共に比較的短時間で接着強さを発現するという特徴を有しており、特に高温多湿となる部位や地域等において有用である。また、このようなウレタン系ホットメルト接着剤は、上述のような地域で使用され得る乗り物(例えば、自動車や、バイク、電車、飛行機、船舶、自転車等)の部品等の接着に有用である。

Claims (11)

  1. (A)少なくとも(a1)芳香族ユニットを有するイソシアネート由来単位および(a2)芳香族ユニットを有するポリオール由来単位から成ると共に末端に水酸基を有するポリウレタンと、
    (B)芳香族ユニットを有するイソシアネート前駆体と、
    (C)触媒と
    を含有する、ウレタン系ホットメルト接着剤。
  2. 前記イソシアネート由来単位は、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートより成る群から選択される少なくとも一種の化合物に由来する単位である
    請求項1に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  3. 前記ポリオール由来単位は、少なくともカルボン酸由来単位およびポリオール由来単位から成るポリエステルポリオールに由来する単位であり、
    前記カルボン酸由来単位に前記芳香族ユニットが含まれる
    請求項1または2に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  4. 前記ポリウレタンは、架橋構造を有している
    請求項1から3のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  5. 前記触媒は、全量に対して0.005質量%以上0.08質量%未満の範囲内を占めている
    請求項1から4のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  6. 前記イソシアネート前駆体は全量に対して1質量%以上15質量%以下の範囲内を占めている
    請求項1から5のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  7. シランカップリング剤をさらに含有する
    請求項1から6のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  8. 前記ポリウレタンの数平均分子量は6,000以上12,000以下の範囲内である
    請求項1から7のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  9. SPCC鋼板に対する常態の引張せん断接着強さが5MPa以上である
    請求項1から8のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  10. 80℃の温度環境に500時間暴露した後のSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さが前記暴露前の引張せん断接着強さに対して80%以上保持される
    請求項1から9のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
  11. 80℃、90%RHの温湿度環境に500時間暴露した後のSPCC鋼板に対する引張せん断接着強さが前記暴露前の引張せん断接着強さに対して80%以上保持される
    請求項1から10のいずれか1項に記載のウレタン系ホットメルト接着剤。
JP2020215003A 2019-12-27 2020-12-24 ウレタン系ホットメルト接着剤 Pending JP2021107541A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019238779 2019-12-27
JP2019238779 2019-12-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021107541A true JP2021107541A (ja) 2021-07-29

Family

ID=76967752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020215003A Pending JP2021107541A (ja) 2019-12-27 2020-12-24 ウレタン系ホットメルト接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021107541A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8247514B2 (en) Silylated polyurethane compositions and adhesives therefrom
JP4770370B2 (ja) ウレタン樹脂の製造方法および粘着剤
US8247079B2 (en) Laminate containing a silylated polyurethane adhesive composition
US20170275511A1 (en) Urethane Adhesive
JP2016507619A (ja) 持続可能に製造される原料を含む湿分硬化型ポリウレタン組成物
JP2006511639A (ja) ポリウレタン反応性組成物
JP6256743B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、接着剤及び積層体
JPWO2019163622A1 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物
JP2017222746A (ja) ウレタン粘着剤
US8791184B2 (en) Two-component polyurethane adhesives with thixotropic effect
JP2007262322A (ja) 両面粘着シートもしくはテープ
JP7154904B2 (ja) 湿気硬化性接着剤
JP2013075972A (ja) ポリエステル−ポリカルボジイミド共重合体樹脂組成物
JP5385252B2 (ja) ポリウレタン反応性組成物
JP6631863B1 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、及び、その硬化物
JPWO2020116109A1 (ja) 基材接着性良好なポリウレタン樹脂、及びこれを用いた接着剤組成物
JP2021107541A (ja) ウレタン系ホットメルト接着剤
JP2010248303A (ja) ポリウレアウレタン接着剤組成物及びフィルム積層体
JP2020023602A (ja) 2液硬化型接着剤
JP6459500B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、接着剤、及び、積層体
JP2019528360A (ja) 2kポリウレタン接着剤のためのプラスチック接着促進
JP2022189479A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP2020059819A (ja) 反応性ホットメルト接着剤及び被着体の接着方法
WO2023276146A1 (ja) ウレタン系ホットメルト接着剤
JPH09235513A (ja) プライマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20201224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231221