JP7067038B2 - ポリエステル系粘着剤組成物、ポリエステル系粘着剤、粘着シート及び粘着剤層付き光学部材 - Google Patents
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Description
<1>芳香族ジカルボン酸(a1)の含有割合が50モル%以上の多価カルボン酸成分(A)と、側鎖に炭化水素基を有するジオール化合物(b1)を含有するポリオール成分(B)から得られるポリエステル系樹脂(I)であり、前記芳香族ジカルボン酸(a1)全体に対するイソフタル酸の含有割合が60モル%以上であり、ガラス転移温度が-20~+30℃であるポリエステル系樹脂(I)を含有することを特徴とするポリエステル系粘着剤組成物。
<2>さらに、加水分解抑制剤(II)を、前記ポリエステル系樹脂(I)100質量部に対して0.01~10質量部含有することを特徴とする<1>に記載のポリエステル系粘着剤組成物。
<3>さらに、架橋剤(III)を含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリエステル系粘着剤組成物。
<4><3>に記載のポリエステル系粘着剤組成物が、架橋剤(III)により架橋されてなることを特徴とするポリエステル系粘着剤。
<5><4>に記載のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
<6>基材を有し、前記粘着剤層が前記基材の少なくとも片面側に設けられていることを特徴とする<5>に記載の粘着シート。
<7>基材を有しない基材レスタイプであることを特徴とする<5>に記載の粘着シート。
<8>光学部材の貼り合せに用いることを特徴とする<5>~<7>のいずれか1つに記載の粘着シート。
<9><4>に記載のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層及び光学部材を有することを特徴とする粘着剤層付き光学部材。
前記粘着剤は、光学部材の貼り合せ用途に好適に用いることができ、特には、プラスチック材料からなる光学部材の貼り合せに好適に用いることができる。
なお、本発明において、「カルボン酸」との用語は、カルボン酸に加えて、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等のカルボン酸の誘導体を含むものであり、これらカルボン酸の誘導体を「エステル形成性誘導体」と記載する。
なお、イソフタル酸等の具体的なカルボン酸についても同様である。
また、本発明において「シート」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、芳香族ジカルボン酸(a1)の含有割合が50モル%以上の多価カルボン酸成分(A)と、側鎖に炭化水素基を有するジオール化合物(b1)を含有するポリオール成分(B)から得られ、前記芳香族ジカルボン酸(a1)全体に対するイソフタル酸の含有割合が60モル%以上であり、ガラス転移温度が-20~+30℃であるポリエステル系樹脂(I)を含有するものである。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(I)は、ガラス転移温度が-20~+30℃であることが必要であり、好ましくは-15~+25℃、より好ましくは-10~+20℃、さらに好ましくは-8~+15℃、特に好ましくは-5℃~+10℃である。
また、かかるガラス転移温度が下限値より低いと、粘着剤の凝集力が低下し、浮き剥がれが生じやすくなるため、本発明の目的を達成することができない。
多価カルボン酸成分(A)としては、例えば、芳香族ジカルボン酸(a1)、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等の二価カルボン酸や、三価以上の多価カルボン酸等を挙げることができる。
これらは、一種を単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
また、かかる含有割合が多すぎると、ポリエステル系樹脂(I)の柔軟性が失われ、粘着剤の初期粘着性が低下する傾向がある。
本発明において、ポリオール成分(B)は、側鎖に炭化水素基を有するジオール化合物(b1)を含有することが必要である。
これらは、一種を単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
これらは、一種を単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(I)は、多価カルボン酸成分(A)とポリオール成分(B)を、触媒存在下、公知の方法により重縮合反応させることにより製造することができる。
かかるエステル化反応において使用される触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系等の触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド等を挙げることができる。これらは、一種を単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
かかる配合量が少なすぎると、重合反応が充分に進行しにくい傾向があり、多すぎると、反応時間短縮等の利点はなく副反応が起こりやすい傾向がある。
かかる反応温度が低すぎると反応が充分に進みにくい傾向があり、高すぎると分解等の副反応が起こりやすい傾向がある。また、反応時の圧力は通常、常圧下であればよい。
重縮合反応の反応条件としては、エステル化反応で用いるものと同様の触媒をさらに同程度の量配合し、反応温度を好ましくは220~280℃(より好ましくは230~270℃)として、反応系を徐々に減圧して最終的には5hPa以下で反応させることが好ましい。
かかる反応温度が低すぎると反応が充分に進行しにくい傾向があり、高すぎると分解等の副反応が起こりやすい傾向がある。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(I)の数平均分子量は5,000以上であることが好ましく、より好ましくは10,000~150,000、さらに好ましくは15,000~80,000である。
なお、本発明において、ポリエステル系樹脂(I)の酸価とは、樹脂中におけるカルボキシル基の含有量を意味するものである。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、特に高温高湿下での耐久性が向上する点から、前記ポリエステル系樹脂(I)に加えて、加水分解抑制剤(II)を含有することが好ましい。
これらの中でも、カルボジイミド基含有化合物が、カルボキシル基末端基由来のプロトンの触媒活性を消失させる効果が高い点で好ましい。
このような高分子量ポリカルボジイミドは、合成してもよいし、市販品を使用してもよい。
ビスオキサゾリン化合物の具体例としては、例えば、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-エチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4,4’-ジエチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-プロピル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-ブチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-ヘキシル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-シクロヘキシル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-ベンジル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-o-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-エチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ヘキサメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-オクタメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-デカメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレンビス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-9,9’-ジフェノキシエタンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-シクロヘキシレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ジフェニレンビス(2-オキサゾリン)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
加水分解抑制剤(II)の重量平均分子量は、500以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量の上限は通常50,000である。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、さらに、架橋剤(III)を含有することが好ましい。
架橋剤(III)によってポリエステル系樹脂(I)を架橋することにより、凝集力に優れたものとなり、粘着剤としての性能をより向上させることができる。
これらの中でも、粘着剤の初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
これらの架橋剤(III)は、その1種を単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、硬化速度の観点から、更にウレタン化触媒(IV)を含有することが好ましい。ウレタン化触媒(IV)を含有することで、硬化
を促進しエージング時間の短縮、及び安定した塗膜を形成しやすくなる。
ウレタン化触媒(IV)としては、例えば、有機金属系化合物、3級アミン化合物等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、例えば、ジルコニウム系化合物、鉄系化合物、錫系化合物、チタン系化合物、鉛系化合物、コバルト系化合物、亜鉛系化合物等を挙げることができる。
鉄系化合物としては、例えば、鉄アセチルアセトネート、2-エチルヘキサン酸鉄等が挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
チタン系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等が挙げられる。
鉛系化合物としては、例えば、オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。
コバルト系化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルト等が挙げられる。
亜鉛系化合物としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
また、ウレタン化触媒(IV)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
かかる含有量が少なすぎると硬化速度が遅くなり安定した塗膜を形成しづらくなる傾向があり、多すぎるとポットライフが短くなり塗工性が低下する傾向がある。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、ポットライフを延長し、塗工性を向上させる点でウレタン化触媒(IV)に触媒作用抑制剤(V)を含有させることが好ましい。
触媒作用抑制剤(V)としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ア
セト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステルや、アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ-ジケトンが挙げられる。これらはケトエノール互変異性化合物であり、上記ウレタン化触媒(IV)を保護することにより、ウレタン化触媒(IV)の溶液状態での触媒活性を低下させ、配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長することができる。
)としてアセチルアセトンを用いることが好ましい。なお、これらの触媒作用抑制剤(V)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
抑制剤(V):ウレタン化触媒(IV)=0.001:1~15:1の範囲であること
が好ましく、さらに好ましくは0.005:1~13:1であり、特に好ましくは0.01:1~10:1である。ウレタン化触媒(IV)の含有量に対して、触媒作用抑制
剤(V)の含有量が少なすぎるとポットライフが短く塗工性が低下する傾向があり、多
すぎると硬化速度が低下する傾向がある。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、耐熱性を向上させる観点から、更に酸化防止剤(VI)を含有することが好ましい。酸化防止剤(VI)を含有することにより、耐熱環境下におけるポリエステル系樹脂(I)の分子量低下を抑制し、被着体への糊残り防止性に優れるようになる。
酸化防止剤(VI)としては、ヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤が好ま
しい。
ヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤としては、例えば、フェノールのOH基が結合した芳香族環上炭素原子の隣接炭素原子の少なくとも一方に、ターシャリーブチル基等の立体障害の大きな基が結合したヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤であれば、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤を用いることによって、耐熱環境下におけるポリエステル系樹脂(I)の分子量低下を抑制する効果が非常に大きくなる。
好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.03~8質量部であり、さらに好ましくは0.05~5質量部である。
かかる含有量が少なすぎると被着体への糊残りが発生しやすくなる傾向があり、多すぎると粘着物性が低下する傾向がある。
本発明のポリエステル系粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、従来公知の軟化剤、紫外線吸収剤、安定剤、耐電防止剤、粘着付与剤等の添加剤やその他、無機又は有機の充填剤、金属粉、顔料等の粉体、粒子状等の添加剤を含有してもよい。
また、上記添加剤の他にも、粘着剤の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
本発明のポリエステル系粘着剤は、上記説明した本発明のポリエステル系粘着剤組成物が架橋剤(III)により架橋されてなる。かかる架橋剤(III)による架橋反応は、通常、粘着剤組成物を20℃以上120℃以下で加熱することにより行うことができる。
なお、ポリエステル系粘着剤の酸価は、ポリエステル系樹脂(I)の酸価と同様の方法で求めることができる。
本発明の粘着シートは、本発明のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層を有する。
また、本発明の粘着シートは、基材を有し、粘着剤層が基材の少なくとも片面側に設けられるものであることが好ましい。
本発明の粘着シートは、特には、光学部材の貼り合せに用いる光学部材用粘着シートとして好適である。
得られた粘着シートや基材レスタイプの粘着シートは、使用時には、上記離型シートを粘着剤層から剥離して、粘着剤層と被着体を貼合する。
これらの基材は、単層体として又は2種以上が積層された複層体として用いることができる。
具体的には、例えば23℃で1日~20日間、好ましくは、23℃で3~10日間、40℃で1~7日間等の条件で行えばよい。
かかる粘着剤層の厚みが薄すぎると、粘着力が低下する傾向があり、厚すぎると均一に塗工することが困難となるうえ、塗膜に気泡が入る等の不具合が発生しやすい傾向がある。
ゲル分率が低すぎると凝集力が低下することにより耐久性低下する傾向があり、ゲル分率が高すぎると凝集力の上昇により粘着力が低下する傾向がある。
すなわち、基材となる高分子シート(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)に粘着剤層が形成されてなる粘着シート(セパレーターを設けていないもの)を200メッシュのステンレス鋼製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の質量百分率をゲル分率とする。ただし、基材の質量は差し引いておく。
本発明の粘着剤層付き光学部材は、本発明のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層及び光学部材を有するものであり、本発明のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層を光学部材上に積層形成することにより、得ることができる。
なお、ITO電極膜はガラスやPET(ポリエチレンテレフタレート)等の基材上に薄膜で形成されていることが多い。
かかる離型シートとしては、シリコン系の離型シートを用いることが好ましい。
なお、以下の実施例において、「部」とは「質量部」を表す。
下記表1のモル比に基づき、下記ポリエステル系樹脂(I-1)~(I-6)及び(I’-1)~(I’-3)を製造した。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸219.4部(1.3モル)及びセバシン酸218.5部(1.1モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール225部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール108.2部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール24.7部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.2部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I-1)の数平均分子量は22,000、ガラス転移温度は-18.0℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸240.6部(1.4モル)及びセバシン酸195.3部(1.0モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール226.3部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール108.8部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール24.8部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.2部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I-2)の数平均分子量は22,000、ガラス転移温度は-11.0℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸262.1部(1.6モル)及びセバシン酸171.8部(0.8モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール227.5部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール109.4部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール25部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.2部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I-3)の数平均分子量は23,000、ガラス転移温度は-6.3℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸283.8部(1.7モル)及びセバシン酸148.1部(0.7モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール228.8部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール110部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール25.1部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.3部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I-4)の数平均分子量は22,000、ガラス転移温度は1.6℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸328部(2.0モル)及びセバシン酸99.8部(0.5モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール231.3部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール111.2部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール25.4部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.3部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I-5)の数平均分子量は23,000、ガラス転移温度は13.5℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸182.5部(1.1モル)、テレフタル酸101.4部(0.61モル)及びセバシン酸148.1部(0.73モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール228.8部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール111.0部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール25.1部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.3部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I-6)の数平均分子量は16,000、ガラス転移温度は2.1℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸76.9部(0.5モル)及びセバシン酸374.3部(1.9モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール216.8部(2.1モル)、1,4-ブタンジオール104.2部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール23.8部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I’-1)の数平均分子量は25,000、ガラス転移温度は-48.5℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてイソフタル酸76.6部(0.5モル)、セバシン酸186.5部(0.9モル)、アゼライン酸173.6部(0.9モル)、ポリオール成分(B)としてエチレングリコール14.3部(0.2モル)、シクロヘキサンジメタノール349部(2.4モル)、触媒として二酸化ゲルマニウム0.04部仕込み、内温250℃まで除々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I’-2)の数平均分子量は30,000、ガラス転移温度は-25.6℃であった。
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A)としてテレフタル酸120.3部(0.7モル)、イソフタル酸120.3部(0.7モル)及びセバシン酸195.3部(1.0モル)、ポリオール成分(B)としてネオペンチルグリコール226.3部(2.2モル)、1,4-ブタンジオール108.8部(1.2モル)、1,6-ヘキサンジオール24.8部(0.2モル)及びトリメチロールプロパン4.2部(0.03モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。
得られたポリエステル樹脂(I’-3)の数平均分子量22,000は、ガラス転移温度は-10.4℃であった。
(実施例1)
上記で得られたポリエステル系樹脂(I-1)を酢酸エチルで固形分濃度55質量%に希釈し、このポリエステル系樹脂(I-1)溶液100部(固形分)に対し、加水分解抑制剤(日清紡ケミカル株式会社製;商品名「カルボジライトV-07」)1部(固形分)、及び架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(東ソー株式会社製;製品名「コロネートL55E」)3部(固形分)を配合し、撹拌、混合することにより、ポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I-2)、架橋剤の配合量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I-3)、架橋剤の配合量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I-4)、架橋剤の配合量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I-5)、架橋剤の配合量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
上記で得られたポリエステル系樹脂(I-6)を酢酸エチルで固形分濃度55質量%に希釈し、このポリエステル系樹脂(I-6)溶液100部(固形分)に対し、加水分解抑制剤(日清紡ケミカル株式会社製;商品名「カルボジライトV-09GB」)0.7部(固形分)、及び架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(東ソー株式会社製;製品名「コロネートL55E」)5.0部(固形分)、ウレタン化触媒として触媒作用抑制剤であるアセチルアセトンで固形分濃度1%に希釈したジルコニウム系化合物(マツモトファインケミカル株式会社製;製品名「オルガチックスZC-150」)0.01部(固形分比)、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF社製;製品名「Irganox1010」)0.1部(固形分比)を配合し、撹拌、混合することにより、ポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I’-1)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I’-2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
実施例1において、ポリエステル系樹脂(I-1)をポリエステル系樹脂(I’-3)、架橋剤の配合量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系粘着剤組成物を得た。
上記で得られたそれぞれのポリエステル系粘着剤組成物を厚さ38μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製セパレーター上にアプリケータを用いて塗布し、100℃で4分間乾燥し、粘着剤層の厚さが50μmの粘着シートを得た。
(高温下粘着力)
上記で得られたそれぞれの両面セパレーター付き粘着フィルムの粘着剤層から一方の面のセパレーターを剥離し、粘着剤層をPETフィルム(100μm)に転写して評価用の粘着シートを作製した。
上記で得られた評価用の粘着シートの粘着剤層からもう一方のセパレーターを剥離して、粘着剤層をポリカーボネート板(三菱樹脂株式会社製「ステラ」)に貼合し、0.5MPa、50℃の条件下で20分間圧着し、「PC板/ポリエステル系粘着剤層/PETフィルム」の構成を有する試験片を作製した。
○:試験片の面積に対し発泡を生じた部分の面積が1/4程度以下であった。
△:試験片の面積に対し発泡を生じた部分の面積が1/4程度を超え半分程度以下であった。
×:試験片の面積に対し発泡を生じた部分の面積が半分程度を超えるものであった。
また、ガラス転移温度が所望の範囲内ではあるものの、特定の組成を満足しないポリエステル系樹脂を用いてなる比較例3においても、粘着力、耐ブリスター性ともに満足するものではないことがわかる。
Claims (9)
- 芳香族ジカルボン酸(a1)の含有割合が50~90モル%の多価カルボン酸成分(A)と、側鎖に炭化水素基を有するジオール化合物(b1)の含有割合が5~80モル%で、直鎖構造の脂肪族ジオールの含有割合が10~70モル%のポリオール成分(B)から得られるポリエステル系樹脂(I)であり、前記芳香族ジカルボン酸(a1)全体に対するイソフタル酸の含有割合が60モル%以上であり、ガラス転移温度が-15~+30℃で、酸価が1mgKOH/g以下であるポリエステル系樹脂(I)を含有することを特徴とするポリエステル系粘着剤組成物。
- さらに、加水分解抑制剤(II)を、前記ポリエステル系樹脂(I)100質量部に対して0.01~10質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系粘着剤組成物。
- さらに、架橋剤(III)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系粘着剤組成物。
- 請求項3に記載のポリエステル系粘着剤組成物が、架橋剤(III)により架橋されてなることを特徴とするポリエステル系粘着剤。
- 請求項4に記載のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
- 基材を有し、前記粘着剤層が前記基材の少なくとも片面側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の粘着シート。
- 基材を有しない基材レスタイプであることを特徴とする請求項5に記載の粘着シート。
- 光学部材の貼り合せに用いることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 請求項4に記載のポリエステル系粘着剤を含有する粘着剤層及び光学部材を有することを特徴とする粘着剤層付き光学部材。
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