JP2009512737A - インク組成物、インクの製造方法、インクセット、並びに記録方法 - Google Patents
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Abstract
物であり、且つ、該水溶性染料のうち少なくとも1つが一般式(L−1)で表される化合
物、または少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物であることを特徴とするインク組成物。
Description
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。
また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
しかしながら、従来提案されてきた色補正用染料では、吸収が短波過ぎる為に多量添加する必要があったり、更に別の色補正用の染料が必要になるなどの黒色調の調整能に欠ける問題を抱えていた。
に配合することからなるブラックインク組成物が記載されている。
ところが、一般的な黒染料は570〜620nmに極大吸収を有しており、該色補正染料を用い
たとしても、黒色調の調整に重要な補色関係を考慮すると好適な黒色調が得られないことは明らかである(「色彩科学ハンドブック(第2版)」,東京大学出版会,1998,p5
60-562)。
JP−A−8−302255には、CI Direct Red 84の記載があるが、これを短波染料として用い長波染料と組み合わせた黒インク組成物については開示がない。
JP−A−2000−265099には、CI Direct Red 84の記載がカラム8にあるが、マゼンタであって、上記と同様にこれを短波染料として用い長波染料と組み合わせた黒インク組成物については開示がない。
JP−A−2005−1462444では特定の長波染料と組み合わせた黒インク組成物について開示されている。
即ち、本発明の目的は、多量添加または他の色補正染料を必要とせずに、優れた黒色調と高濃度の印刷が可能となり、且つ、耐候性に優れると共に、特に耐水性(にじみのない)に優れる、水溶性染料を少なくとも2種含有する黒インク組成物及びそれを含むインクセット並びにそれらを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
(1)水溶性染料を少なくとも2種含有するインク組成物であって、該水溶性染料のうち少なくとも1つが一般式(S−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれ
る化合物であり、且つ、該水溶性染料のうち少なくとも1つが一般式(L−1)で表され
る化合物、または少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物であることを特徴とするインク組成物。
少なくともひとつのイオン性親水性基を含む。
(2)少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物が有するアゾ基の数が5つ以下であることを特徴とする前記(1)に記載のインク組成物
(3)少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物が、スルホン酸基またはカルボキシル基を1つ以上含有することを特徴とする前記(1)及び(2)のいずれかに記載のインク組成物。
(4)少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物が一般式(L−2)、(L−2a)、(L−3)及び(L−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物。
を表し、R23は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環のヘテロ環基を表す。さらに前記R21〜R23における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、置換基を有するアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。
(5)前記一般式(L−4)で表される化合物が一般式(L−5)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれることを特徴とする前記(4)に記載のインク組成物。
(6)前記一般式(S−1)におけるイオン性親水性基のうち少なくとも一つがスルホ基であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のインク組成物
(7)前記一般式(S−1)で表される化合物及びその塩を0.1〜4質量%含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のインク組成物。(本明細書にお
いて、「質量比」は「重量比」と同義である。)
(8)前記一般式(S−1)で表される化合物、一般式(L−1)で表される化合物、および少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物の少なくとも1つは、リチウムイオンを対イオンとする塩であることを特徴とする前記(1)〜(7)の何れかに記載のインク組成物。
(9)前記一般式(S−1)で表される化合物を水に溶解してインク原液を作製し、該インク原液の前記一般式(S−1)で表される化合物の濃度をさげて前記(1)〜(8)のいずれかに記載のインク組成物とする工程を有する事を特徴とするインク製造方法。
(10)前記インク原液に水混和性有機溶剤を含有することを特徴とする前記(9)に記載のインク製造方法。
(11)前記水混和性有機溶剤が2−ピロリドン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールの群から選ばれることを特徴とする前記(10)に記載のインク製造方法。
(12)前記(9)〜(11)のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするインク組成物
(13)前記(1)〜(8)のいずれかに記載のインク組成物を含むことを特徴とするインクセット。
(14)前記(1)〜(8)のいずれかに記載のインク組成物を記録媒体上に付与して記録することを特徴とする記録方法
(15)前記(13)に記載のインクセットを記録装置に装填し、記録装置から記録媒体上にインクを付与して記録することを特徴とする記録方法。
(16)インクジェットノズルよりインク組成物を記録媒体上に吐出させて記録することを特徴とする、前記(14)または(15)に記載の記録方法。
本発明のインク組成物は水溶性染料を少なくとも2種含有することを特徴とするインク
組成物であって、該水溶性染料のうち少なくとも1つが一般式(S−1)で表される化合
物及びその塩からなる群から選ばれる化合物(以下、「水溶性短波染料S」とも記す。)であり、且つ、該水溶性染料のうち少なくとも1つが(L−1)で表される化合物、およ
び少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物とから選ばれる化合物(以下、「水溶性長波染料L」とも記す。)であることを特徴とするインク組成物である。
本発明のインク組成物は、黒インクとして好ましく用いられる。
水溶性短波染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルの極大(吸収極大:λmax)を440〜540nm、且つ半値幅を90nm〜200nmに有し、ブロードな吸収を達成する染料であることが好ましい。ここで、水溶媒とは水を主溶媒とし、水混和性有機溶剤を適度に含んでもよい染料を溶解又は分散させる媒体を意味する。また、吸収スペクトルは、通常使用する1cm
のセルを用いた分光光度計で測定されるものを意味する。これらは、後述の水溶性短波染料Sについても同様である。
上記水溶性短波染料Sの吸収スペクトルは、単一化合物を用いて測定されたものである。即ち、本発明の水溶性短波染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルを測定する場合、複数の化合物を組み合わせることにより所望の吸収極大および半値幅といった物性を示すものではなく、1つの化合物によりかかる物性を示すことを意味する。なお、上記水溶性短波染料S(以下、「短波染料S」とも記す。)として、互いに構造の異なる化合物を併用しても差し支えないことは明らかである。更に本発明は、前記一般式(S−1)で表される化合物以外の染料を併用してもかまわない。
短波染料Sは、かかる吸収特性を有している為、水溶性長波染料Lの吸収スペクトルで不足となりがちな、青色から緑色にかけて広い範囲の光を吸収することができ、補色染料として好ましい吸収特性を有する。
短波染料Sの吸収極大としては、440〜520nmの間であることが好ましく、460〜500nmにあることが特に好ましい。
短波染料Sの吸収極大における半値幅としては、100nm〜180nmの間にあることが好ましく、110nm〜160nmの間にあることが特に好ましい。
ここで、解離性のフェノール性水酸基とは、アリール基に置換されている解離性の水酸基を意味する。このアリール基は、他の置換基で置換されていてもよい。
さらに、本発明の短波染料Sは、1分子中に4個以上のアゾ基を有することが好ましく
、かかる構造により、発色性を増強させ、また、色素平面が大きく広がっているために定着性の良い画像を与えることができる。
少なくともひとつのイオン性親水性基を含む。
るために有用である。また、対イオンがリチウムの塩は他の対イオンとの塩に比べて水溶性に優れるために染料が析出しにくい。そのため、溶液での保存安定性に優れ、かつブロンズ及び滲みのない画像を得られるという点で特に好適である。
尚、市販の染料以外の上記短波染料Sについても、カラーインデックス第4巻(The Society of Dyers and Colourists 発行)に記載されているC.I.Direct Red84の合成ルートに従って、市販の原料から容易に合成できる。
本発明において水溶性長波染料Lは、水溶媒における吸収スペクトルの極大(吸収極大)が550〜700nm、かつ半値幅が100nm以上(好ましくは120〜500nm、更に好ましくは120〜350nm)であることが好ましい。
上記水溶性長波染料Lの吸収スペクトルは、単一化合物を用いて測定されたものである。即ち、本発明の水溶性長波染料Lは、水溶媒における吸収スペクトルを測定する場合、複数の化合物を組み合わせることにより所望の吸収極大および半値幅といった物性を示すものではなく、1つの化合物によりかかる物性を示すことを意味する。なお、本発明において、上記水溶性長波染料L(以下、「長波染料L」とも記す。)として上記吸収スペクトルを満たすものであれば、互いに構造の異なる化合物を併用しても差し支えないことは明らかである。更に、本発明は、上記吸収スペクトル特性を示す長波染料L以外の染料を併用してもかまわない。
長波染料Lとしては、1分子中に2〜5個の互いに共役するアゾ基を有することが好ましい。
染料が会合状態であるかどうかについては、染料濃度を変化させて可視吸収スペクトルを測定し、その吸収極大波長、モル吸光係数および波形の変化を調べることで染料が会合性を有するかどうかを判断し、それらの溶液物性と受像材料上での染料の吸収スペクトルとの比較から容易に判断できる。
具体的には、特開2004-307831号で定義されている、0.1mmol/l染料水溶液を光路長1cm
のセルを使用して測定した可視域吸収の極大波長におけるモル吸光係数(ε1)と、0.2mol/l水溶液を光路長5μmの液晶セルを使用して測定した時のモル吸光係数(ε2)の間で、ε1/ε2>1.2の関係が成り立つ染料が好ましい。
下記一般式では染料を遊離の酸の構造で示すが、実際の使用にあたっては塩の形で用いても良いことは言うまでもない。
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(そ
れらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それらの塩を含む)が好ましく、更に水素原子、スルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にX1、X2、X3、X4、X5、X6及びX7のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩
を含む)またはカルボキシル基(それらの塩を含む)であることが好ましい。
、R43とR41、あるいはR41とR42が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基で置換されても良いスルファモイル基、リン酸基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されても良い炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシル基で置換されても良い炭素数1〜4のアルコキシ基またはアシルアミノ基であり、R13,R14及びR15のうち少なくとも一つはスルホ基またはカルボキシル基である。n1は
0又は1である。
を表す。
、それぞれ独立に0又は1を表す。
が、これに限定されるものではない。また、下記具体例は遊離の酸の構造で示すが、任意の塩として用いても良いことは言うまでもない。
を表し、R23は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環のヘテロ環基を表す。さらに前記R21〜R23における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基
、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、アミノ基、置換基を有す
るアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。
さらにまた、本発明においては、ブラックインク組成物の色調などを調整するために耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、さらにその他の染料を併用することもできる
。
、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280
、288、289、290、291、C.I. ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199、C.I. アシッドレッド1、8、35、42、52、57、62、80、81、82、87、94、111、114、115、118、119、127、128、131、143、144、151、152、154、158、186
、245、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397、C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126、C.I. アシッドイエロ
ー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227、C.I. アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、87、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、185、205、207、220、221、230、232、247、249、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326、C.I. アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172、C.I. リアクティブレッド3、6、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37
、40、41、43、45、49、55、63、106、107、112、113、114、126、127、128、129、130、131、137、160、161、174、180、C.I. リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34、C.I. リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42、C.I. リアクティブブルー2、3、5、7、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38、82、89、158、182、190、203、216、220、244、C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31
、32、34、C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46、C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48、C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40、C.I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71、C.I. ベーシックブラック8、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
、特開2002−332418号公報、特開2002−332419号公報、国際公開第02/059216号パンフレット、国際公開第02/059215号パンフレット、国際公開第04/087814号パンフレット、国際公開第00/58407号パンフレット、特許第3558211号明細書、特許第3558212号明細書、特許第3558213号明細書、特開2004−323605号公報、国際公開第04/104108号パンフ
レット、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
特に、本発明のインク組成物としては、前記一般式(S−1)、一般式(L−1)で表される化合物、および少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物の少なくとも1つは、リチウムイオンを対イオンとする対塩であることが好ましい。中でも、本発明のインク組成物としては、前記一般式(S−1)及び一般式(L−1)で表される化合物が、リチウムイオンを対イオンとする塩であることが好ましい。
本発明においては、上記対塩の着色剤をインクセットとして用いると、印画の際に記録媒体に供給されるインクの量が多く滲みが悪化しやすいフルカラー画像においても、滲みを十分に抑制する効果がある。
本発明では水混和性有機溶剤の中でも、アルコール系溶媒が特に好ましい。また、本発明のインク組成物では沸点150℃以上の水混和性有機溶剤を含むことが好ましい。
これらの水混和性有機溶剤は、総量でインク組成物中に5〜60質量%含有することが好ましく、特に好ましくは10〜45質量%である。
滲み防止剤としては、ベタイン系界面活性剤が挙げられる。ベタイン系界面活性剤については特開2005−111699号公報の[0017]〜[0044]に記載の化合物を適宜選択して使用することができる。
本発明に用いられるブロンズ改良剤は、黒インク組成物を含むインクセットを用いてベタ印刷した場合に見られるブロンズ現象を弱める、もしくは無くする機能を有するものであり、例えば、ブロンズ改良剤としてはカルボキシル基を有する芳香族化合物又はその塩が挙げられる。
本発明で使用されるカルボキシル基を有する芳香族化合物又はその塩としては、特開2004−263155号公報の[0044]に記載の化合物を適宜選択して使用することが
できる。
この水溶性平面状化合物については特開2005−105261号公報の[0012]〜[0026]に記載の化合物を適宜選択して使用することができる。
耐オゾン性向上剤は、染料の酸化を抑制する機能を有する化合物であり、例えば、チオール系化合物、アミジン系化合物、カルバジド系化合物、ヒドラジド系化合物、グアニジン系化合物等が挙げられる。
本発明に用いられるチオール系化合物とは、SH基を有する化合物であり、芳香族チオール、脂肪族チオールが好ましく、一般式(B)で表される化合物が好ましい。
一般式(B):
R10−SH
(式中、R10はアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基である。)
上記R10につき説明する。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12個、更に好ましくは炭素数1〜6個のものが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜18個、更に好ましくは炭素数6〜10個のものが挙げられる。
ヘテロ環基としては、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジル基、ジオキソリル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリル基、ピリジル基、ピペリジル基、ジオキサニル基、モルホリル基、ピリダジル基、ピラジル基、ピペラジル基、トリアジル基、トリチアニル基等が挙げられる。
R10で示される上記置換基は、上述のようにその水素原子が更に他の任意の置換基により置換されたものを包含する。そのような置換基としては、カルボキシル基、オキソ基、アミノ基、アミノ酸残基(好ましくは炭素数2〜8個)、アンモニウム基、ヒドロキシル基、チオール基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12個)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜12個、カルボキシル基、アミノ基等が置換されていてもよい)、カルバモイル基等が挙げられ、これら置換基は2種以上が同一分子に置換されていてもよい。
本発明に用いられるアミジン系化合物とは、−C(=NH)−NH2基(アミジノ基)
が炭素含有基の炭素原子に結合した構造を示すものを意味し、前記−C(=NH)−NH2基の水素原子の1以上は置換基により置換されてもよい。
アミジン系化合物としては、一般式(C)で表される化合物が好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12個、更に好ましくは炭素数1〜6個のものが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜18個、更に好ましくは炭素数6〜10個のものが挙げられる。
ヘテロ環基としては、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジル基、ジオキソリル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリル基、ピリジル基、ピペリジル基、ジオキサニル基、モルホリル基、ピリダジル基、ピラジル基、ピペラジル基、トリアジル基、トリチアニル基等が挙げられる。
R51〜R54で示される置換基は、その水素原子が更に他の任意の置換基により置換されていてもよい。そのような置換基としては、塩素などのハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミジノ基、アリールオキシ基(アリール部分は、ここで列記する置換基により更に置換されていてもよい)等が挙げられ、これら置換基は2種以上が同一分子に置換されていてもよい。また、上記アミノ基、カルバモイル基、アミジノ基は、その水素原子が上記R51〜R54で示されるアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で置換されていてもよい。
本発明に用いられるカルバジド系化合物とは、カルバジド及びその誘導体を意味し、下記一般式(D)で表される化合物である。
R55R56NCONHNR57R58 (D)
一般式(D)において、R55〜R58は、それぞれ独立に、水素原子または有機基である。
前記有機基としては、前記R51〜R54で挙げられたものが好ましい。
R55〜R58で示される置換基は、その水素原子が更に他の任意の置換基により置換されたものを包含する。そのような置換基としては、前記R51〜R54に置換し得るものとして
例示したものの他に、−HNCONHNR59R60(ここで、R59、R60は、有機基であり、その好ましい例は、R51〜R54と同様である。)が好ましいものとして挙げられる。本発明において、−HNCONHNR59R60をカルバジド構造という。本発明で用いられるカルバジド系化合物としては、同一分子中にカルバジド構造を好ましくは2つ以上(更に好ましくは2〜6つ)有するものである。
である)で表されるヒドラジン化合物類との縮合反応等によって得られる。
本発明に用いられるヒドラジド系化合物とは、ヒドラジド及びその誘導体を意味し、好ましくは一般式(E)R61CONHNR62R63(R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドラジノ基、または有機基である。また、R61とR62またはR63と結合することにより環を形成してもよい。)で表される化合物である。
前記有機基としては、前記一般式(C)のR51〜R54で挙げられたものが好ましい。
R61〜R63で示される置換基は、その水素原子が更に他の任意の置換基により置換されたものを包含する。そのような置換基としては、前記R51〜R54に置換し得るものとして例示したものの他に、アシル基、シアノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ベンゾイル基、−CONHNR64R65(ここで、R64、R65は、有機基であり、その好ましい例は、R51〜R54と同様である。)が好ましいものとして挙げられる。本発明において、−CONHNR64R65をヒドラジド構造という。本発明で用いられるヒドラジド系化合物としては、同一分子中にヒドラジド構造を好ましくは2つ以上(更に好ましくは2〜6つ)有するものである。
て得られる。
(グアニジン系化合物)
本発明に用いられるグアニジン系化合物とは、N−C(=N)−N構造を有する化合物を意味する。
グアニジン系化合物としては、一般式(F)で表される化合物が好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12個、特に好ましくは炭素数1〜6個のものが挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜12個、特に好ましくは炭素数1〜6個のものが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜18個、特に好ましくは炭素数6〜10個のものが挙げられる。
ヘテロ環基としては、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジル基、ジオキソリル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリル基、ピリジル基、ピペリジル基、ジオキサニル基、モルホリル基、ピリダジル基、ピラジル基、ピペラジル基、トリアジル基、トリチアニル基等が挙げられる。
R71〜R75で示されるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロ環基は、その水素原子が更に他の任意の置換基により置換されたものを包含する。そのような置換基としては、塩素などのハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、アリールオキシ基(アリール部分は、ここで列記する置換基により更に置換されていてもよい)等が挙げられ、これら置換基は2種以上が同一分子に置換されていてもよい。また、上記アミノ基、カルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基は、その水素原子が上記R71〜R75で示されるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロ環基で置換されていてもよい。
R71〜R74で示されるアミノ基は、その水素原子が上記R71〜R75で示されるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロ環基等で置換されていてもよい。
り、好ましくは2〜30であり、更に好ましくは2〜15である。一般式(F−a)で表される繰り返し単位を含む化合物は、単独重合体であっても、他の繰り返し単位、例えば、アゼチジニウム等との共重合体であってもよい。また、末端構造は適宜選定し得るが、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基が好ましい。
同一でも異なってもよい。l7は2以上の整数であり、好ましくは2〜10であり、更に
好ましくは2〜5である。m7は1以上の整数であり、好ましくは1〜6であり、更に好
ましくは1〜3である。一般式(F−b)で表される繰り返し単位を含む化合物は、単独重合体であっても、他の繰り返し単位、例えば、アゼチジニウム等との共重合体であってもよい。また、末端構造は適宜選定し得るが、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基が好ましい。
よい。pは1以上の整数であり、好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。一般式(F−c)で表される繰り返し単位を含む化合物は、単独重合体であっても、他の繰り返し単位、例えば、アゼチジニウム等との共重合体であってもよい。また、末端構造は適宜選定し得るが、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基が好ましい。
この表面張力は、動的表面張力及び静的表面張力の両者を意味し、いずれも、25℃において測定される。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インクの表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。表面張力の調整は、界面活性剤等を用いることが挙げられ、上記界面活性剤の項で挙げたものを用いることができる。
ガラスまたは白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、液体と板との接する長さに沿って液体の表面張力が下向きに働く。この力を上向きの力で釣り合わせて表面張力を測定することが出来る。
伝導度の測定方法は、市販の飽和塩化カリウムを用いた電極法により測定可能である。
伝導度は主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロール可能である。塩濃度が高い場合、限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。また、塩等を加えて伝導度調節する場合、種々の有機物塩や無機物塩を添加することにより調節することができる。
無機物塩としては、ハロゲン化物カリウム、ハロゲン化物ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、ホウ酸、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、サッカリン酸カリウム、フタル酸カリウム、ピコリン酸ナトリウム等の有機化合物を使用することもできる。
また、上記添加剤を選定することによっても伝導度を調整し得る。
インク組成物のpHは、上記pH調整剤を用いることにより調整される。
てインク組成物とする工程を有する事を特徴とする。
本発明のインク製造工程において一般式(S−1)で表される化合物を含有するインク原液は、一般式(S−1)で表される化合物を水に溶解して調整される。その染料濃度としては3〜15重量%が好ましく、4〜10重量%が更に好ましい。
このインク原液の製造方法は、まず染料水溶液(所望により染料以外の成分を含む)を調製した後に、粘度低下剤を添加してインク原液の粘度を低下させる方法を挙げることができる。この粘度低下剤の添加は、染料水溶液に粘度低下剤を一様に溶解したものの粘度を定性的乃至定量的に測定しつつ行ってもよいし、予め添加量を決めて染料水溶液に添加してもよい。このインク原液の製造方法では、粘度低下剤を添加して粘度を調節する工程が最終工程であることが好ましいが、この工程と同時またはこの工程の後で他の成分を添加する工程や濾過工程を設けるようにしてもよい。
なお、染料水溶液を調製するときには、加熱することが好ましい。加熱温度は、30〜80℃が好ましく、35〜70℃が更に好ましい。
本発明の第2のインク原液の製造方法は、インク原液を作製する際に、少なくとも染料、水、粘度低下剤が共存する状態でそれらを溶解する工程を含むことを特徴とする。
上記少なくとも染料、水、粘度低下剤が共存する状態でそれらを溶解する工程は、染料を水に溶解する段階で、同時に粘度低下剤、所望によりその他の成分を同時に溶解する工程であって、通常、インク原液の調製の初期工程で用いることが好ましい。この初期工程は最終工程(後述の濾過工程を行う場合はその前段階)であることが好ましいが、他の成分を添加する工程をこの工程の後又は前に設けてもよい。
なお、この第2の製法においても、染料等を溶解する場合に第1の製法と同様に加熱してもよい。
上記本発明のインク原液の2つの製法は、水溶液染料についてであるが、同様な技術思想を油溶性染料についても当てはめることが可能である。
超音波振動は、通常、振動数20kHz以上、好ましくは40kHz以上、より好ましくは50kHzの超音波である。また超音波振動により液に加えられるエネルギーは、通常、2×107J/m3以上、好ましくは5×107J/m3以上、より好ましくは1×108J/m3以上である。また、超音波振動の付与時間としては、通常、10分〜1時間程度である。
超音波振動を加える工程は、染料を媒体に投入以降であれば何時行っても効果を示す。
完成後のインク組成物を一旦保存した後に超音波振動を加えても効果を示す。しかし、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する際に超音波振動を付加することが、気泡除去の効果がより大きく、尚且つ超音波振動により染料の媒体への溶解及び/又は分散が促進されるので好ましい。
即ち、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する工程中でもその工程後であってもいずれの場合にも行うことができる。換言すれば、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、インク原液および/またはインク組成物調製後に製品となるまでの間に任意に1回以上行うことができる。
上記残余の溶媒を混合する工程は、単独工程でも複数工程でもよい。
また、本発明によるインク原液の調製において、加熱脱気あるいは減圧脱気を併用することは、インク原液中の気泡除去の効果を上げるので好ましい。加熱脱気工程あるいは減圧脱気工程は、残余の媒体を混合する工程と同時またはその後に実施することが好ましい。
超音波振動を加える工程における、超音波振動発生手段としては、超音波分散機等の公知の装置が挙げられる。
この濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。この空気に起因する泡もインクジェット記録において画像の乱れの原因となることが多いため、前述の脱泡工程を別途設けることが好ましい。脱泡の方法としては、濾過後の溶液を静置してもよいし、市販の装置などを用いた超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。超音波による脱泡の場合は、好ましくは30秒〜2時間、より好ましくは5分〜1時間程度脱泡操作を行うとよい。
これらの作業は、作業時におけるゴミの混入を防ぐため、クリーンルームもしくはクリーンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。本発明では特にクリーン度としてクラス1000以下のスペースにおいてこの作業を行うことが好ましい。ここで「クリーン度」とは、ダストカウンターにより測定される値を指す。
本発明のインク原液の作製に用いることのできる粘度低下剤とは、染料が水溶性の場合は、脱イオン水に比べてインク原液の粘度低下作用が大きいものを意味し、すなわち、本発明のインク原液の粘度をV0として、本発明のインク原液から粘度低下剤を除いた量と同量の脱イオン水を添加して測定した粘度をV1としたときにV0<V1であることを意味し、好ましくはΔV=V1−V0が10mPa・s以上、更に好ましくは20mPa・s以上を示すものである。
粘度低下剤としては、水混和性有機溶剤が好ましい。水混和性有機溶剤としては、25℃における水に対する溶解度が10(g/100g)以上が好ましく、20(g/100g)以上が更に好ましい。
水混和性有機溶剤の詳細は、先述と同様であるが、粘度低下剤として用いられる水混和性有機溶剤としては、インクジェット記録用インクの乾燥防止剤、浸透促進剤、湿潤剤などの機能を有する主に高沸点の水混和性有機溶剤が用いられ、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、アルコール及び含窒素化合物が好ましい。
アルコールとしては、水酸基を2個以上含む多価アルコールやエーテル結合を有するものが添加量に対する粘度低下効果が大きく好ましい。アルコールの例としては、例えば、エタノール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、メタノール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
含窒素化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中から特に好ましく使用できる水混和性有機溶剤としては、2−ピロリドン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールが挙げられる。
インク原液への粘度低下剤の添加量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。
イエロー染料としては、国際公開第05/075573号パンフレット、特開2004−83903号公報(段落番号[0024]〜[0062])、同2003−277661号公報(段落番号[0021]〜[0050])、同2003−277662号公報(段落番号[0042]〜[0047])、同2003−128953号公報(段落番号[0025]〜[0076])、同2003−41160号公報(段落番号[0028]〜[0064])、米国特許出願公開第2003/0213405号明細書(段落番号[0108])に記載さ
れたもの、及び下記一般式(Y−1)であらわされる化合物が挙げられる。
(Y−1)
(Y−2)
(Y−3)
(Y−4)
(Y−5)
(Y−6)
マゼンタ染料としては、ヘテロ環アゾ染料が好ましく、国際公開第02/83795号パンフレット(35〜55頁)、同02/83662号パンフレット(27〜42頁)、特開2004−149560号公報(段落番号[0046]〜[0059])、同2004−149561号公報(段落番号[0047]〜[0060])、及び下記一般式(M−1)に記載するアゾ色素が挙げられる。
一般式(M−1)
B31およびB32は、各々-CR81=もしくは-CR82=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が-CR81=もしくは-CR82=を表す。R83及びR84は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。R81、
R82は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シ
アノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R81とR83、またはR83とR84が結合して5または6員環を形成してもよい。aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびe が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の
合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立に
R81、R2と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
Aは5員ヘテロ環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。該5員ヘテロ環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好しくは含窒素5員ヘテロ環であり、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環または他のヘテロ環が縮合していてもよい。
Aの好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、またはベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各ヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。なかでもピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、またはトリアゾール環が好ましい。一般式(M−1)アゾ色素が下記一般式(M−2)で表されることが好ましい。
一般式(M−2)
す。R81、R82、R83、R84、a、b、c、d及びeは、各々一般式(M−1)の場合と同義である。Q11は、水素原子、脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。上記Z11、Z12及びQ11の各基は、更に置換基を有していてもよい。但し、一般式
(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
アゾ色素の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。
シアン染料としては、フタロシアニン染料としては、会合性のフタロシアニン染料が好ましい。会合性のフタロシアニン染料としては、会合性基を有するものが好ましい。この会合性基とは、その基中に少なくとも分子間で水素結合が可能な結合部位(あるいは官能基)を少なくとも有する基を意味する。該結合部位は、1基中に1以上含有することができる。結合部位としては、水酸基、アミノ基、アミド結合、オキシド結合等が挙げられ、
同一種もしくは異種間で水素結合が形成される。なお、会合性基は、フタロシアニン染料と任意の添加剤との間で水素結合が可能であってもよい。
求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、例えばアザフタロシアニンのようにフタロシアニン骨格の炭素原子を部分的にヘテロ原子に置換したり、電子求引性基をフタロシアニン骨格に導入したりして、酸化電位を1.0V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE
)よりも貴であることがさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であるこ
とが特に好ましい。
公報、同2004-323605号公報、同2004-315758号公報、同2004-315807号公報、同2005-179469号後方に記載されたものが挙げられる。
公報、同2004-323511号工法に従って合成することが可能である。また、出発物質、染料
中間体及び合成ル−トについてはこれらにより限定されるものでない。
本発明のインクセットは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、特開2004−331871号公報の[0727]〜[0731]等に記載のディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
本発明の記録方法は、本発明のインク組成物を被記録材に付与することを特徴とする。本発明の好ましい記録方法は、好ましくは、インク組成物の液滴を記録媒体上に吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法で、インク組成物にエネルギーを供与して、被記録材としての公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特
開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
具体的には、特開2002−166638号公報、特開2002−121440号公報、特開2002−154201号公報、特開2002−144696号公報、特開2002−080759号公報、特開2002−187342号公報、特開2002−172774号公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
ジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
染料(Black・S−1)を50gに超純水(比抵抗値18MΩ・cm以上)850gを加えて60〜65℃で加熱しながら1時間攪拌した。染料が完全に溶解した後、室温まで冷却し、粘度低下剤として2−ピロリドンを100g添加し、防腐剤としてPROXELXL2を1.0g添加した。10分間の攪拌の後、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過してインクジェット用インク原液を作製した。
同様に、(Black・S−2)、(Black・S−3)、(Black・S−4)のインク原液を作製した。
(ブラックインクの調製)
下記の成分に超純水を加え100%とした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してブラックインク
液をそれぞれ調製した。なお表1中において、各成分の数値はインク組成物の質量を100%とした場合の各成分の重量%を示し、さらに水の量を示す「残」は、水以外の成分とあわせて合計100%になる量を示す。
これらのブラックインクをセイコーエプソン(株)社製インクジェットプリンタPM-
A700のブラックインクカートリッジに装填した。Adobe Systems Incorporated製の画像ソフトPhotoshopを使用してR:0、G:0、B:0からR:255、G:255、B:255まで段階的に濃度が変化したグレー画像(以下、階段パターンとも記す)を作成し、「黒」モードで印字させて、黒インクのみで印画した画像を得た。受像シートは、富士写真フイルム(株)社製 画彩〈写真仕上げPro〉を用いた。
(評価)
1)色相の評価は、グレーの階段パターンで、各印字濃度におけるグレーの色調を目視で判断して、各濃度において好ましいグレー色調を示すものをA、グレーバランスが崩れる濃度が散見されるものをB、殆どの濃度でグレーバランスが崩れたものをCとした。
2)画像保存性については、グレー印字サンプルを用いて、以下3)〜4)の評価を行った。画像保存性の評価は、階段状パターンの濃度を、ステータスAフィルターを搭載したX-rite 310濃度測定機を用いて測定し、Dvis=1.0付近の点を基準点として、そこの濃度変化を測定することにより行った。
3)耐光性
3−1)光堅牢性は、印字直後の上記濃度(DB、DG、DR)CiをX-rite 310を用いて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した。その後再び濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
染料残像率がDB、DG、DRすべてにおいて80%以上の場合をA、一部でも70〜80%となった場合をB、一部でも70%未満となった場合をCとした。
3−2)色相の評価に用いたグレーの階段パターンを用いて、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した。各印字濃度におけるキセノン光暴露後のグレーの色調を目視で判断して、各濃度において好ましいグレー色調を示すものをA、グレーバランスが崩れる濃度が散見されるものをB、殆どの濃度でグレーバランスが崩れたものをCとした。
4)耐オゾン性
4−1)耐オゾン性は、印字直後の上記濃度(DB、DG、DR)CiをX-rite 310を用いて測定した後、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内で170時間オゾンガスに暴露した。その後再び濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニタ(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
染料残像率がDB、DG、DRすべてにおいて80%以上の場合をA、一部でも70〜80%となった場合をB、一部でも70%未満となった場合をCとした。
4−2)色相の評価に用いたグレーの階段パターンを用いて、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内で170時間オゾンガスに暴露した。各印字濃度におけるキセノン光暴露後のグレーの色調を目視で判断して、各濃度において好ましいグレー色調を示すものをA、グレーバランスが崩れる濃度が散見されるものをB、殆どの濃度でグレーバランスが崩れたものをCとした。
5)ブラックインクの高湿下における画像にじみについては、Adobe Systems Incorporated製の画像ソフトPhotoshopを使用して、線幅が0.2mm、線の間隔が0.
2mmの格子の画像を作成した。線を黒色(R:0、R:0、B:0)、線の間を白色(R:255、G:255、B:255)の黒/白格子の画像サンプルを作成し、25℃90%RHの条件下7日間保存後の画像にじみを目視にて判断した。
格子間の白地部分ににじみが認められないものをA、色補正染料の色相が若干認められるものをB、明らかに色補正染料が白地部ににじみ出したものをC、色補正染料だけでなく黒染料のにじみも顕著であるものをDとした。
評価結果を表2に示す。
同様の試験を受像シートだけを変えて、富士写真フイルム(株)製画彩〈写真仕上げAdvance〉Hi厚手、エプソン(株)製写真用紙CRISPIA〈高光沢〉、エプソン(株)製写真用紙〈光沢〉、キャノン(株)製プロフェッショナルフォトペーパー、キャノン(株)製スーパーフォトペーパー、コニカミノルタ製PhotolikeQP〈写真画質〉超厚手を用いて同様の試験を行ったが、表2とほぼ同様の結果が得られた。
以下の表3及び表4に示した組成に基づき、各成分を常温において30分間攪拌した後、得られた溶液を目開き1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより各インク組成物を得た。なお表3、4中において、各成分の数値はインク組成物の質量を100%とした場合の各成分の重量%を示し、さらに水の量を示す「残」は、水以外の成分とあわせて合計100%になる量を示す。
(1)化合物(YELLOW−1b)の合成:
炭酸水素ナトリウム25.5gおよびイオン交換水150mLを40℃に加温し、塩化シアヌル(東京化成品)25.0gを10分毎に5分割して添加して1時間攪拌した。その溶液をヒドラジン52.8mLとイオン交換水47mLの混液(8℃)に内温が10℃を超えないように滴下した。内温を50℃まで昇温し、30分攪拌した。析出した結晶を
濾過し、23.4gの化合物b(YELLOW−1b)(ヒドラジン誘導体:m.p.>300℃)を得た。収率は94.7%であった。
化合物(YELLOW−1b)(ヒドラジン誘導体)35.0gをエチレングリコール420mLに懸濁し、内温50℃で攪拌した。濃塩酸59mL、続いてピバロイルアセトニトリル(東京化成品)60.1gを添加し、50℃で10時間攪拌した。濃塩酸95mL、メタノール145mLを追添し、更に8時間攪拌した。室温まで冷却後、析出した結晶を濾別し、化合物c(5−アミノピラゾール誘導体:m.p.=233〜235℃)を81.6gを得た。収率は94.2%であった。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.2〜1.3(18H,s))
化合物d(東京化成品)90.57gを、H2O 500mlに懸濁しておき、130mlの濃塩酸を注入後内温が5℃以下になるまで冷却した。次に亜硝酸ナトリウム36.23gと( )70mlの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、更に内温5℃以下で30分間撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウムと636mlのH2Oを内温20℃以下を保ちながら注入し、更に内温25℃で250mlの濃塩酸を注入し、引き続き内温90℃で1時間撹拌後、内温を室温が冷却後ろ過、200mlの水で洗浄し風乾後80.0gの化合物eを得た。
化合物e 23.3gと209mlのエタノール懸濁液にトリエチルアミン28mlを室温で滴下後12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH品)を分割添加し、3時間還流し室温まで冷却後ろ過、400mlのイソプロピルアルコールで洗浄し乾燥後23.57gの化合物fを得た。
内温4℃以下で硫酸32.4mLに酢酸145.56mLを注入し、引き続き内温7℃で撹拌しながら40%ニトロシル硫酸15.9mL(ALDRICH品)を滴下した。
化合物(YELLOW−1f)32.4gを分割添加し、内温10℃で撹拌しながら同温度で60分間撹拌した後、尿素1.83gを反応混合物の中に添加した18.8gの化合物Cを470mlのメタノールに懸濁した溶液へ、内温<0℃でジアゾニウム塩を滴下し、そのまま同温度で30分間撹拌した後、反応液の内温を室温まで昇温した後、ろ過、メタノール洗浄及びH2O洗浄して、粗結晶を得た。引き続き粗結晶をメタノール400mlに懸濁して、一時間還流下で撹拌後、室温まで冷却し、ろ過、メタノール洗浄、水洗浄メタノール洗浄後、75℃で一晩乾燥した後DYE−11の遊離酸型結晶34.4gを得た。得られた結晶を10wt%aq(at25℃:pH≒8.3:KOHaq調製)とした後、内温50℃でIPAを添加して晶析後、冷却、ろ過、IPA洗浄して、乾燥後35gの(YELLOW−1)(カリウム塩)を得た。
λmax=436.4nm(H2O)、ε:3.53×104(dm3.cm/mol)
(YELLOW−6);C.I.ダイレクトイエロ−86
(YELLOW−7);C.I.ダイレクトイエロ−58
(1)化合物(MAGENTA−1a)の合成
5-アミノ-3-tert-ブチル-4-シアノピラゾール(1)24.1g(0.147mol)、濃塩酸45ml、酢酸30ml、プロピオン酸45mlを内温0℃で攪拌させ、水20mlに溶解させた亜硝酸ナトリウム10.1g(0.147mol)を10分間で滴下した。そのまま30分間攪拌させた。カプラー成分(2)84.7g(0.147mol)をメタンスルホン酸231ml、酢酸147ml、プロピオン酸221mlに溶解させ、0℃で攪拌し、上記ジアゾニウム塩を30分間で加えた。ジアゾニウム塩添加後、さらに反応液を30分攪拌させた後、水2250mlに氷750gを添加し攪拌させたところへ、上記反応液を徐々に加え、析出した化合物(MAGENTA−1a)を吸引濾過し単離した。収量73.8g、収率85%。
化合物(MAGENTA−1a)21g(35.5mmol)にヘテリル化剤(3)26.6g(157mmol)、炭酸カリウム21.7g、DMSO147mlを加え、窒素バブリングさせながら内温92℃で4時間加熱攪拌させた。攪拌終了後、室温まで冷却し、反応系から析出した化合物(d5−b)を吸引濾過にて単離した。さらにこの粗結晶を水3L中で分散させ、過剰の炭酸カリウムを溶解させ、吸引ろ過して目的化合物(MAGENTA−1b)を得た。収量20.0g、収率63.5%。λmax=558nm(DMF溶液)。
m/Z(POSI)=858。
化合物(MAGENTA−1b)2g(2.33mmol)を東京化成製スルホラン7gに分散させ、内温15℃で日曹サルファン(三酸化硫黄)1.7gを滴下した。滴下終了後、内温70℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を20℃に冷却し、水2mlを滴下させた。内温5℃に冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液を3.3ml滴下、さらにソディウムメトキシド28wt%メタノール溶液を0.8ml滴下させた。さらにメタノールを4ml滴下し、析出した無機塩をろ過し、2mlのメタノールで共洗いした。このろ液に酢酸カリウム2g、メタノール5.6mlを添加し、さらにエタノール22,5mlを添加して、染料を晶析させ、吸引ろ過およびエタノールによる洗浄を行って、粗結晶の化合物(MAGENTA−1)を得た。上記無機塩を含む粗結晶は、ファルマシア製セファデックスLH−20ゲルクロマトフラフィー(溶離液、水/メタノール=1
:1(v/v))で脱塩精製し、化合物MAGENTA−1を得た。得量2g、収率66%。
λmax(DMSO)=567.1nm、ε=46900
ートリッジに充填した。これらのインクカートリッジをPMG800に装填し、印画を行った。
1)画像保存性については、Adobe Systems Incorporated製の画像ソフトPhotoshopを使用してR:0、G:0、B:0の黒色ベタ画像を作成し、黒ベタ画像の印画を行った。その画像を使用して以下2)〜3)の評価を行った。画像保存性の評価は、階段状パターンの濃度を、ステータスAフィルターを搭載したX-rite 310濃度測定機を用いて測定し、濃度変化を測定することにより行った。
2)耐光性
光堅牢性は、印字直後の上記濃度(DB、DG、DR)CiをX-rite 310を用いて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した。その後再び濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
染料残像率がDB、DG、DRすべてにおいて80%以上の場合をA、一部でも70〜80%となった場合をB、一部でも70%未満となった場合をCとした。
3)耐オゾン性
耐オゾン性は、印字直後の上記濃度(DB、DG、DR)CiをX-rite 310を用いて測定した後、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内で170時間オゾンガスに暴露した。その後再び濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニタ(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
染料残像率がDB、DG、DRすべてにおいて80%以上の場合をA、一部でも70〜80%となった場合をB、一部でも70%未満となった場合をCとした。
4)ブラックインクの高湿下における画像にじみについては、実施例1で作成した黒/白
格子画像と、その画像の白部をマゼンタのOD=1.0となるように作成した黒/マゼン
タ格子画像、同様に白部をシアンのOD=1.0となるように作成した黒/シアン格子画
像とを作成し、それぞれの画像サンプルを作成した。その画像サンプルを用いて25℃90%RHの条件下7日間保存後の画像にじみを目視にて判断した。
格子間の白地、マゼンタ地またはシアン地の部分ににじみが認められないものをA、色補正染料の色相が若干認められるものをB、明らかに色補正染料が白地部ににじみ出したものをCとした。
評価結果を表6に示す。
正染料のにじみが顕著に悪化した。一方、本発明のインクセットでは、黒/マゼンタ格子
や黒/シアン格子においても色補正色素のにじみは認められず、良好な耐湿にじみ性を示
すことが判った。
同様の試験を受像シートだけを変えて、富士写真フイルム(株)製画彩〈写真仕上げA
dvance〉Hi厚手、エプソン(株)製写真用紙CRISPIA〈高光沢〉、エプソン(株)製写真用紙〈光沢〉、キャノン(株)製プロフェッショナルフォトペーパー、キャノン(株)製スーパーフォトペーパー、コニカミノルタ製PhotolikeQP〈写真画質〉超厚手を用いて同様の試験を行ったが、表6とほぼ同様の結果が得られた。
ここで十分に説明したように、本出願において請求された他国の優先権によるそれぞれ全ての開示及び全ての外国特許出願が、ここに援用して組み込まれる。
Claims (16)
- 水溶性染料を少なくとも2種含有するインク組成物であって、該水溶性染料のうち少なくとも1つが一般式(S−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合
物であり、且つ、該水溶性染料のうち少なくとも1つが一般式(L−1)で表される化合
物、または少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物であることを特徴とするインク組成物。
一般式(S−1):
のイオン性親水性基を含む。
一般式(L−1):
- 少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有す
る化合物が有するアゾ基の数が5つ以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。 - 少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物が、スルホン酸基またはカルボキシル基を1つ以上含有することを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載のインク組成物。
- 少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物が一般式(L−2)、(L−2a)、(L−3)及び(L−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク組成物。
一般式(L−2):
一般式(L−2a):
R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;カルボキシル基;スルホ基;ニトロ基;炭素数1〜4のアルキル基;ヒドロキシル基;炭素数1〜4のアルコキシ基若しくはスルホ基で置換されても良い炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、nは0又は1である。
一般式(L−2a−1)
一般式(L−3):
一般式(L−4):
を表し、R23は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環のヘテロ環基を表す。さらに前記R21〜R23における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO3H2、CO2H、NO2、NH2、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、置換基を有するアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。 - 前記一般式(S−1)におけるイオン性親水性基のうち少なくとも一つがスルホ基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインク組成物
- 前記一般式(S−1)で表される化合物及びその塩を0.1〜4質量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインク組成物。
- 前記一般式(S−1)で表される化合物、一般式(L−1)で表される化合物、および少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたナフタレン環と3つ以上のアゾ基を有する化合物の少なくとも1つは、リチウムイオンを対イオンとする塩であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のインク組成物。
- 前記一般式(S−1)で表される化合物を水に溶解してインク原液を作製し、該インク原液の前記一般式(S−1)で表される化合物の濃度をさげて請求項1〜8のいずれかに記載のインク組成物とする工程を有する事を特徴とするインク製造方法。
- 前記インク原液に水混和性有機溶剤を含有することを特徴とする請求項9に記載のインク製造方法。
- 前記水混和性有機溶剤が2−ピロリドン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールの群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載のインク製造方法。
- 請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするインク組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のインク組成物を含むことを特徴とするインクセット。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のインク組成物を記録媒体上に付与して記録することを特徴とする記録方法。
- 請求項13に記載のインクセットを記録装置に装填し、記録装置から記録媒体上にインクを付与して記録することを特徴とする記録方法。
- インクジェットノズルよりインク組成物を記録媒体上に吐出させて記録することを特徴とする、請求項14または15に記載の記録方法。
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