JP4801952B2 - インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相や堅牢性を両立させることは難しい。
1)
少なくとも、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である着色剤、水、以下の化合物群から選択されるグアニジン系化合物、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインク組成物。
2)
前記グアニジン系化合物の添加量が、インク組成物中0.1〜10質量%であることを特徴とする1)に記載のインク組成物。
3)
前記界面活性剤の添加量が、インク組成物中0.05〜50g/lであることを特徴とする1)または2)に記載のインク組成物。
4)
前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることを特徴とする1)〜3)の何れか1項に記載のインク組成物。
5)
前記ノニオン系界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする4)に記載のインク組成物。
6)
前記着色剤は、フタロシアニン染料であることを特徴とする1)〜5)の何れか1項に記載のインク組成物。
7)
前記着色剤は、下記一般式(2)で表される染料であることを特徴とする1)〜6)の何れか1項に記載のインク組成物。
Zはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
R 11 、R 12 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
Y 11 、Y 12 、Y 13 、Y 14 、Y 15 、Y 16 、Y 17 、およびY 18 はそれぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。
a 11 〜a 14 は、X 11 〜X 14 の置換基数を表し、それぞれ独立に1または2の整数を表す。
Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。)
8)
前記X 11 〜X 14 の少なくとも1つは水溶性基であり、かつ該X 11 〜X 14 の少なくとも1つは水素結合性基であることを特徴とする7)に記載のインク組成物。
9)
前記水溶性基(x)/水素結合性基(y)(個数比)が、(0<x<3)/(1<y<4)であることを特徴とする8)に記載のインク組成物。
10)
前記水溶性基が、−SO 2 (CH 2 ) 3 SO 3 Liであり、水素結合性基が、−SO 2 (CH 2 ) 3 SO 2 NHCH 2 CH(CH 3 )OHであることを特徴とする8)または9)に記載のインク組成物。
11)
インクジェット記録に用いることを特徴とする1)〜10)の何れか1項に記載のインク組成物。
12)
1)〜11)の何れか1項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明は上記の1)〜12)に関するものであるが、その他の事項についても記載した。
1)少なくとも、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である着色剤、水、グアニジン系化合物、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインク組成物。
2)前記グアニジン系化合物の添加量が、インク組成物中0.1〜10質量%であることを特徴とする上記1)に記載のインク組成物。
3)前記グアニジン系化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする上記1)または2)に記載のインク組成物。
4)前記界面活性剤の添加量が、インク組成物中0.05〜50g/lであることを特徴とする上記1)〜3)の何れかに記載のインク組成物。
5)前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることを特徴とする上記1)〜4)の何れかに記載のインク組成物。
6)前記ノニオン系界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする上記5)に記載のインク組成物。
7)前記着色剤は、フタロシアニン染料であることを特徴とする上記1)〜6)の何れかに記載のインク組成物。
8)前記着色剤は、下記一般式(2)で表される染料であることを特徴とする上記1)〜7)の何れかに記載のインク組成物。
Zはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
R11、R12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、およびY18はそれぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。
a11〜a14は、X11〜X14の置換基数を表し、それぞれ独立に1または2の整数を表す。
Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。)
9)前記X11〜X14の少なくとも1つは水溶性基であり、かつ該X11〜X14の少なくとも1つは水素結合性基であることを特徴とする上記8)に記載のインク組成物。
10)前記水溶性基(x)/水素結合性基(y)(個数比)が、(0<x<3)/(1<y<4)であることを特徴とする上記9)に記載のインク組成物。
11)前記水溶性基が、−SO2(CH2)3SO3Liであり、水素結合性基が、−SO2(CH2)3SO2NHCH2CH(CH3)OHであることを特徴とする上記9)または10)に記載のインク組成物。
12)インクジェット記録に用いることを特徴とする上記1)〜11)の何れかに記載のインク組成物。
13)上記1)〜12)の何れかに記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
また、本発明は、着色剤として、特に一般式(2)で表される特定構造のシアン染料、グアニジン系化合物及び界面活性剤の共存が上記効果を更に高めることを見出したものである。
特に、フタロシアニン染料の置換基の種類及び置換位置を特定すると上記耐オゾン性は更に向上し得ることを見出したものである。
即ち、一般式(2)で表される本発明のフタロシアニン染料は、置換基の位置を分子合成の際に制御することにより、フタロシアニン骨格のベンゼン環のβ位のみに置換基を有することが、大きな特徴となっている。
通常、フタロシアニン染料では、フタロシアニン骨格のベンゼン環のα位、及びβ位にランダムに水溶性基などの置換基を有している。
本発明のフタロシアニン染料は、上に述べたようにβ位のみに置換基を有し、これによりフタロシアニン染料分子の会合が起こり、このため優れた耐候性(耐光性、耐ガス性)を示すと考えられる
また、グアジニン系化合物の添加により、プリントされた画像の耐ガス性(耐オゾン性)は著しく向上するが、インクの受像紙中への浸透の悪化が懸念される。
これはインク滴が受像紙中に浸透する際に、添加した化合物が析出してインクの浸透を妨げる恐れがあるためである。これを防止する為には、インクに界面活性剤を添加することが効果的である。界面活性剤の添加により、インクの受像紙への濡れ性が上がりインクの浸透性が向上することに加えて、添加した化合物が析出しても、これらは速やかに界面活性剤により可溶化されて、浸透性に悪影響を及ぼさない。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
本発明に用いられるグアニジン系化合物とは、N−C(=N)−N構造を有する化合物を意味する。
グアニジン系化合物としては、一般式(1)で表される化合物が好ましい。
(式中、R1、R2、R3、又はR4は、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を示し、R5は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロ環基を示す。これらのアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基は、置換されていても置換されていなくてもよい。)
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12個、特に好ましくは炭素数1〜6個のものが挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜12個、特に好ましくは炭素数1〜6個のものが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜18個、特に好ましくは炭素数6〜10個のものが挙げられる。
ヘテロ環基としては、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピロリジル基、ジオキソリル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリル基、ピリジル基、ピぺリジル基、ジオキサニル基、モルホリル基、ピリダジル基、ピラジル基、ピペラジル基、トリアジル基、トリチアニル基等が挙げられる。
本願明細書において、例えば、置換アルキル基とは、アルキル基の水素原子が他の置換基で置換されているアルキル基を意味し、該置換基は1種以上を各々1個以上置換し得る。他の置換アリール基等も上記と同様である。
R1〜R4で示されるアミノ基は、その水素原子が上記R1〜R5で示されるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロ環基等で置換されていてもよい。
グアニジン系化合物としては、以下のものが挙げられ、単独もしくは組み合わせて用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のインク組成物に含有界面活性剤は、表面張力等のインクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、メディアへの浸透性改善、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤、脂肪アミン塩、4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド等のノニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型等の両性界面活性剤、フッ素系、シリコン系化合物などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を用いることができる。
上記効果の点で好ましく、さらにインクの吐出安定性や紙への浸透性の点からノニオン系界面活性剤が好ましい。特に、下記一般式(I)または(II)あるいは一般式(III)で表される化合物がより好ましい。
多価アルコールのモノ、あるいはジアルキルエーテル(例えば、トリエチレングルコールモノブチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)も界面活性能を有するが、本発明ではこれらは浸透剤とみなし、界面活性剤とは見なさない。
R21で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。
R21で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルペンチル、1−n−ペンチルヘキシル、1−n−ヘキシルヘプチル、1−n−ヘプチルオクチル、1−n−オクチルノニル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
m1はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40であり、好ましくは3〜30であり、特に好ましくは3〜20である。
一般式(I)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(I−1)で表される化合物である。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
R24で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R24で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルヘプチル、1−n−ヘキシルノニル、1−n−ヘプチルデシル、1−n−オクチルドデシル、1−n−デシルテトラデシル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
m2はエチレンオキシドの平均付加数を表し、2〜40であり、好ましくは3〜30であり、特に好ましくは4〜20である。
一般式(II)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(II−1)で表される化合物である。
以下に、一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
次に一般式(III)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤について説明する。
さらに詳しく説明すると、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等)を表し、置換されていてもよい。置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。このうち、R31、R32としては炭素数1〜12の無置換の直鎖アルキル基もしくは無置換の分岐アルキル基が好ましく、その特に好ましい具体例としてはメチル、エチル、n−ブチル、2−メチルブチル、2,4−ジメチルペンチル等を挙げることができる。
R32は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表し、アルキル基、フェニル基は置換されていてもよい。
R33のアルキル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、フェニル基を挙げることができる。R33のフェニル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R33のうち好ましいのは、水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子である。
Xは水素原子、
m3、m4はそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m3+m4は0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜40である。
ここで、m3=0の時R33は水素原子を表し、m4=0の時R36は水素原子を表す。またXが水素原子を表す時、m3は1〜100を表し、好ましくは1〜50、特に好ましくは1〜40を表す。
一般式(III)で表される化合物のうち、特に好ましいのは下記一般式(III−1)で表される化合物である。
以下に、一般式(III)または一般式(III−1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
また、一般式(III)または一般式(III−1)で表される化合物は市販品としても容易に入手することができ、その具体的な商品名としてはサーフィノール61,82,104,420,440,465,485,504、CT−111,CT−121,CT−131,CT−136,CT−141,CT−151,CT−171,CT−324,DF−37,DF−58,DF−75,DF−110D,DF−210,GA,OP−340,PSA−204,PSA−216,PSA−336,SE,SE−F,ダイノール604(以上、日信化学(株)およびAir Products&Chemicals社)、オルフィンA,B,AK−02,CT−151W,E1004,E1010,P,SPC,STG,Y,32W(以上、日信化学(株))等を挙げることができる。
一般式(III−1)で表される化合物としては、例えば、アセチレン系ジオールのエチレンオキシド付加物(SURFYNOLシリーズ(Air Products&Chemicals社))や、アセチレン系ジオール、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールなどが好ましく、なかでも分子量が200以上1000以下のものが好ましく、分子量300以上900以下のものがさらに好ましく、分子量400以上900以下のものが特に好ましい。
本発明でインク組成物に含有させる界面活性剤としては、インクからの析出や分離が起こりにくく、発泡性が少ないことが好ましく、この観点から、疎水性部位が2本鎖あるいは疎水性部位が分岐しているアニオン系界面活性剤や、疎水性部位の中央付近に親水性基を有するアニオン系またはノニオン系界面活性剤、さらに疎水性部位が2本鎖もしくは疎水性部位が分岐しているノニオン系界面活性剤が好ましい。なかでもノニオン系界面活性剤が好ましく、この観点から、疎水性部位が2本鎖もしくは疎水性部位が分岐しているノニオン系界面活性剤として一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物、疎水性部位の中央付近に親水性基を有するノニオン系界面活性剤として一般式(III−1)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
本発明において、着色剤とは、染料及び顔料を含む概念であり、本発明のインク組成物は、染料及び顔料の少なくとも何れかを含むことができ、染料または顔料を単独で用いても、染料と顔料を併用してもよい。
本発明のインク組成物に使用される染料としては、特に制限されるべきものではなく、種々のものが使用できる。当該分野で使用される染料としては、直接染料、間接染料、食品用染料、写真用染料など種々のものを使用することができる。以下にその具体例を列挙する。
例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン色素;例えばベンジリデン色素やモノメチンオキソノール色素等のようなメチン色素;例えばナフトキノン色素、アントラキノン色素等のようなキノン系色素などがあり、これ以外の色素種としてはキノフタロン色素、ニトロ・ニトロソ色素、アクリジン色素、アクリジノン色素等を挙げることができる。
例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン色素;アントラピリドン色素をあげることができる。
例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン色素;シアニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素などのようなポリメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素;フタロシアニン色素;アントラキノン色素;インジゴ・チオインジゴ色素などを挙げることができる。
例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン色素;シアニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素などのようなポリメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素、これらが種々組み合わさったビスアゾ、トリスアゾ染料などのポリクロモフォア染料を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基とは、芳香族性をもつ6π((4n+2)π)電子系中にヘテロ原子を含む環を意味し(nは1以上の整数)を意味し、その好ましい例を挙げると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール等の基、またはそれらの誘導体の基が挙げられる。
なお、電位を一義的に規定する為、本発明では、0.1モル/リットルの過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001モル/リットル)で測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
(一般式(2)で表される染料)
一般式(2)において、X11、X12、X13およびX14はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR11R12、スルホ基、−CONR11R12、または−CO2R11を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR11R12、または−CONR11R12が好ましく、特に−SO2−Z、または−SO2NR11R12が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。ここで、複数のX11、X12、X13およびX14はそれぞれ同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であっても良く、あるいは例えばX11、X12、X13およびX14が全て−SO2−Zであるが各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であっても良く、あるいは例えば−SO2−Zと−SO2NR11R12が同時に置換した場合のように、互いに異なる置換基を含んでいても良い。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
a11〜a14は、X11〜X14の置換基数を表し、それぞれ独立に1または2の整数を表し、好ましくは4≦a11+a12+a13+a14≦6であり、特に好ましいのはa11=a12=a13=a14=1のときである。また、該置換基は、水溶性基と水素結合性基からなることが好ましい。
なかでも特に、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
一般式(A)中、Mは前記一般式(2)のMと同一であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
水溶性基とは、一般式(2)で表される染料(染料(2)とも記す)の水溶解性に寄与する基であって、その構造中にイオン性親水性基を少なくとも1つ有する置換基である。水溶性基は、イオン性親水性基のみからなるものでもイオン性親水性基を有する基でもよい。
イオン性親水性基には、カルボキシル基、ヘテロ芳香環を含む芳香環上の水酸基、スルホ基、ホスホノ基、スルホンアミド基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ヘテロ芳香環を含む芳香環上の水酸基、スルホ基、およびホスホノ基が好ましく、中でもカルボキシル基、ヘテロ芳香環を含む芳香環上の水酸基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはカルボキシル基である事が最も好ましい。また、ヘテロ芳香環を含む芳香環上の水酸基、もしくはスルホンアミド基は、インク中における染料の保存安定性を高める作用がある為、好ましい。
カルボキシル基、ヘテロ芳香環を含む芳香環上の水酸基、ホスホノ基、スルホンアミド基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
なお、水素結合性基は、染料(2)と後述の添加剤との間で水素結合が可能であってもよい。
染料(2)1分子において、水溶性基と水素結合性基が共存する場合、和が8個の条件で各々1〜7個が可能であるが、本発明では、水溶性基(x)/水素結合性基(y)(個数比)が、(0<x<3)/(1<y<4)であることが好ましく、(1<x<3)/(1<y<3)が更に好ましく、(x=2)/(y=2)が特に好ましい。この個数比の各値はそのまま染料(1)1分子中に占める個数であることが好ましい。
なお、上記個数比は、多数の染料(2)分子が統計的に平均化されたものであって、かりに個々の分子においてその個数比が下限または上限から外れたものが存在しても、全分子を平均化したものが上記範囲であれば、本発明では許容範囲である。この個数比は後述されるように染料(2)の合成原料の配合比を制御することにより調整可能である。この個数比は、染料(2)の水溶液中の吸収スペクトル特性(λmax,ε値、吸収波形)で管理することができる。
特に好ましい水溶性基、水素結合性基の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる水溶性基、水素結合性基は、下記の例に限定されるものではない。
また、水溶性基に付いては遊離の形で以下に示すが、本発明に用いられる水溶性基は、塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
本発明に用いることのできる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W.Herbst,K.Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments(VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC.I.Pigment Yellow 34,37,42,53など、赤系顔料のC.I.Pigment Red 101,108など、青系顔料のC.I.Pigment Blue 27,29,17:1など、ブラック系顔料のC.I.Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC.I.Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C.I.Pigment Orange 13,16など)や緑顔料(C.I.Pigment Green 7など)を使用してもよい。
(1)金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2)印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3)最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4)米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5)特開平9−151342号、同10−140065号、同10−292143号、同11−166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
本発明に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。受像材料としては支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料が好ましい。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
(インク組成物の調製)
表3に示す組成を有する各成分を30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌溶解した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して、各インク組成物を得た。
上記のインクLC−01〜04を、エプソン社製インクジェットプリンターPM−G800のライトシアンインクのカートリッジに装填し、同機にて富士写真フィルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、下記の評価を行った。評価結果を表5に示す。
シアン単色の階段パッチ画像を印字した。この階段パッチ画像の印字後24時間経過したところで、階段パッチ部分の各濃度域を、ステータスAフィルターが標準装備されたX−rite310濃度計を用いて反射濃度の測定を行った(Ci)。この試料を、常に5mg/Lのオゾンガス濃度となるように調節可能なオゾンガス褪色試験機中に保存することにより、褪色試験を行った。オゾナイザーには5kV交流電圧印加の高圧放電方式の市販装置を使用し、オゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定及び制御を行った。
1週間保存後、再び画像濃度測定を行い、保存後の濃度(Cf)を求め、色素残存率[%]=(Cf/Ci)×100を求め評価を行った。色素残存率としては反射濃度Ciが0.9〜1.1での値を採用した。
耐オゾン性評価と同様にして印字及び画像濃度測定を行い、その後、試料をアトラス社製ウェザーメーターを用いて画像にキセノン光(8万5千ルクス)を2週間照射した後、再び画像濃度Dfを測定し、色素残存率[%]=(Df/Di)×100を求め評価とした。色素残存率については反射濃度Diが0.9〜1.1での値を採用した。
記録媒体へのインク滴の浸透性を測定する手段としては、特開2003−300374号公報の図6に示す測定システムを用いた。インクを打滴するためのヘッド駆動信号により記録ヘッドを駆動すると共に、所定時間の時間遅れを発生させる回路を調整し、記録媒体近傍の飛翔中のインク滴に短時間だけランプにより照明光を当て、これをCCDカメラで所定倍率に拡大して撮像する。この構成によって、遅延時間を調整して撮像した複数の画像の内から、インク滴の先端が記録媒体に接触するタイミングと、インク滴の全てが記録媒体に浸透されるタイミングとを求め、これらの時間差を求めることでインク滴着弾後の浸透時間を計測した。
表5の結果より、本発明によるインク組成物を用いた場合は、優れた耐オゾン性、耐光性を示すことが分かる。
耐オゾン性に注目すると、実用的な色素残存率は80%程度と想定し、上記の結果から、色素残存率が80%になるのに要する時間を求め、それを実際環境(オゾン濃度)での時間に換算すれば、LC−01は約15年であるのに対して、LC−02は約8年、LC−03、04は2年以下の寿命しか持たないと予想される。
Claims (12)
- 前記グアニジン系化合物の添加量が、インク組成物中0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
- 前記界面活性剤の添加量が、インク組成物中0.05〜50g/lであることを特徴とする請求項1または2に記載のインク組成物。
- 前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする請求項4に記載のインク組成物。
- 前記着色剤は、フタロシアニン染料であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインク組成物。
- 前記着色剤は、下記一般式(2)で表される染料であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインク組成物。
(一般式(2)において、X11、X12、X13およびX14はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR11R12、スルホ基、−CONR11R12、または−CO2R11を表す。
Zはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
R11、R12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、およびY18はそれぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。
a11〜a14は、X11〜X14の置換基数を表し、それぞれ独立に1または2の整数を表す。
Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。) - 前記X11〜X14の少なくとも1つは水溶性基であり、かつ該X11〜X14の少なくとも1つは水素結合性基であることを特徴とする請求項7に記載のインク組成物。
- 前記水溶性基(x)/水素結合性基(y)(個数比)が、(0<x<3)/(1<y<4)であることを特徴とする請求項8に記載のインク組成物。
- 前記水溶性基が、−SO2(CH2)3SO3Liであり、水素結合性基が、−SO2(CH2)3SO2NHCH2CH(CH3)OHであることを特徴とする請求項8または9に記載のインク組成物。
- インクジェット記録に用いることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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