JP2002294097A - フタロシアニン化合物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

フタロシアニン化合物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法

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JP2002294097A
JP2002294097A JP2001096610A JP2001096610A JP2002294097A JP 2002294097 A JP2002294097 A JP 2002294097A JP 2001096610 A JP2001096610 A JP 2001096610A JP 2001096610 A JP2001096610 A JP 2001096610A JP 2002294097 A JP2002294097 A JP 2002294097A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光,熱,湿度および環境中の活性ガスに対して
十分な堅牢性を有する新規な染料化合物、該染料を用い
た着色組成物、特に光及び環境中のオゾンガスに対して
堅牢性の高い画像を形成できるインクジェット記録用イ
ンク及びインクジェット記録方法を提供する。 【解決手段】特定構造のフタロシアニン化合物、具体的
には下記構造式の化合物が例示される。 〔W、W、W、及びWは、それぞれ独立に、5
〜6員含窒素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と他の環との
縮合環を形成するのに必要な原子群を表す。Mは、水素
原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金
属ハロゲン化物を表す。〕それを用いた着色組成物、イ
ンクジェット記録用インク及びインクジェット記録方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフタロシア
ニン化合物及び該化合物を含む着色組成物、さらにはイ
ンクジェット記録用水溶性インク、並びにインクジェッ
ト記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像記録材料としては、特にカラ
ー画像を形成するための材料が主流であり、具体的に
は、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録
材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン
化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用さ
れている。また、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、
撮影機器ではCCDなどの電子部品においてカラーフィル
ターが使用されている。これらのカラー画像記録材料や
カラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは
記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3
原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好まし
い色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざま
な使用条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であ
り、改善が強く望まれている。
【0003】インクジェット記録方法は、材料費が安価
であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少
ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速
に普及し、更に発展しつつある。インクジェット記録方
法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方
式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマン
ド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力
を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気
泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた
方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式
がある。また、インクジェット記録用インクとしては、
水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)イン
クが用いられる。
【0004】このようなインクジェット記録用インクに
用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるい
は分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、
色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(N
Ox、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して
堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れている
こと、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、
インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこ
と、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが
要求されている。特に、良好なシアン色相を有し、光及
び環境中の活性ガス、中でもオゾンなどの酸化性ガスに
対して堅牢な色素が強く望まれている。
【0005】インクジェット記録用水溶性インクに用い
られるシアンの色素骨格としてはフタロシアニン系やト
リフェニルメタン系が代表的である。最も広範囲に報告
され、利用されている代表的なフタロシアニン系色素
は、以下の〜で分類されるフタロシアニン誘導体が
挙げられる。
【0006】Direct Blue 86又はDi
rect Blue 199のような銅フタロシアニン
系色素〔例えば、Cu-Pc-(SO3Na)m:m=1〜
4の混合物〕
【0007】特開昭62−190273号、特開昭6
3−28690号、特開昭63−306075号、特開
昭63−306076号、特開平2−131983号、
特開平3−122171号、特開平3−200883
号、特開平7−138511号等に記載のフタロシアニ
ン系色素〔例えば、Cu-Pc-(SO3Na)m(SO2
NH2n:m+n=1〜4の混合物〕
【0008】特開昭63−210175号、特開昭6
3−37176号、特開昭63−304071号、特開
平5−171085号、WO 00/08102号等に
記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu-Pc-(C
2H)m(CONR12n:m+n=0〜4の混合
物〕
【0009】特開昭59−30874号、特開平1−
126381号、特開平1−190770号、特開平6
−16982号、特開平7−82499号、特開平8−
34942号、特開平8−60053号、特開平8−1
13745号、特開平8−310116号、特開平10
−140063号、特開平10−298463号、特開
平11−29729号、特開平11−320921号、
EP173476A2号、EP468649A1号、E
P559309A2号、EP596383A1号、DE
3411476号、US6086955号、WO 99
/13009号、GB2341868A号等に記載のフ
タロシアニン系色素〔例えば、Cu-Pc-(SO3H)m
(SO2NR12n:m+n=0〜4の混合物、且つ、
m≠0〕
【0010】特開昭60−208365号、特開昭6
1−2772号、特開平6−57653号、特開平8−
60052号、特開平8−295819号、特開平10
−130517号、特開平11−72614号、特表平
11−515047号、特表平11−515048号、
EP196901A2号、WO 95/29208号、
WO 98/49239号、WO 98/49240
号、WO 99/50363号、WO 99/6733
4号等に記載のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu-
Pc-(SO3H)l(SO2NH2m(SO2NR
12n:l+m+n=0〜4の混合物〕
【0011】特開昭59−22967号、特開昭61
−185576号、特開平1−95093号、特開平3
−195783号、EP649881A1号、WO 0
0/08101号、WO 00/08103号等に記載
のフタロシアニン系色素〔例えば、Cu-Pc-(SO2
NR12n:n=1〜5の混合物〕
【0012】ところで、現在一般に広く用いられている
Direct Blue 86又はDirect Bl
ue 199に代表されるフタロシアニン系色素につい
ては、一般に知られているマゼンタ色素やイエロー色素
に比べ耐光性に優れるという特徴がある。フタロシアニ
ン系色素は酸性条件下ではグリーン味の色相であり、シ
アンインクには不適当であるため、これらの色素をシア
ンインクとして用いる場合は中性からアルカリ性の条件
下で使用するのが最も適している。しかしながら、イン
クが中性からアルカリ性でも、用いる被記録材料が酸性
紙である場合、印刷物の色相が大きく変化する可能性が
ある。
【0013】さらに、昨今環境問題として取りあげられ
ることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによ
ってもグリーン味に変色及び消色し、同時に印字濃度も
低下してしまう。
【0014】一方、トリフェニルメタン系については、
色相は良好であるが、耐光性、耐オゾンガス性等におい
て非常に劣る。
【0015】今後、使用分野が拡大して、広告等の展示
物に広く使用されると、光や環境中の活性ガスに曝され
る場合が多くなるため、特に良好な色相を有し、光堅牢
性および環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性
ガスの他SOxなど)堅牢性に優れた色素及びインク組
成物がますます強く望まれるようになる。これらの要求
を高いレベルで満たすシアン色素(例えば、フタロシア
ニン系色素)及びシアンインクを捜し求めることは、極
めて難しい。
【0016】これまで、耐オゾンガス性を付与したフタ
ロシアニン系色素としては、特開平3−103484号
公報、特開平4−39365号公報、特開2000−3
03009号公報等に開示されているが、いずれも色相
と光及び酸化性ガス堅牢性を両立させるには至っていな
いのが現状であり、シアンインクで、まだ市場の要求を
充分に満足する製品を提供するには至っていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明の目的は、(1)三原色の色素と
して色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光,熱,湿
度および環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有す
る新規な色素を提供すること、(2)色相と堅牢性に優
れた着色画像や着色材料を与える、インクジェットなど
の印刷用のインク組成物、感熱転写型画像形成材料にお
けるインクシート、電子写真用のトナー、LCD、PDPやCC
Dで用いられるカラーフィルター用着色組成物、各種繊
維の染色のための染色液などの各種着色組成物を提供す
ること、(3)特に、該フタロシアニン系色素誘導体の
使用により良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガ
ス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成す
ることができるインクジェット記録用インク及びインク
ジェット記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、良好な色
相と光堅牢性及びガス堅牢性(特に、オゾンガス)の高
いフタロシアニン系色素誘導体を詳細に検討したとこ
ろ、従来知られていない特定の色素構造(特定の置換基
種を特定の置換位置に特定の置換基数導入)を有した下
記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物によ
り、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明によれば下記構成の着色組
成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記
録方法、及びフタロシアニン化合物が提供されて、本発
明の上記目的が達成される。 1.下記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物
を含有することを特徴とする着色組成物。
【0019】
【化4】
【0020】一般式(I)中;R1、R2、R3、R4、R
5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シア
ノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド
基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテ
ロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
テロ環チオ基、ホスホリル基、またはアシル基を表し、
各々はさらに置換基を有していてもよい。Z1、Z2、Z
3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の
ヘテロ環基を表す。Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち、少
なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有す
る。l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1または
2の整数を表す。Mは、水素原子、金属元素、金属酸化
物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。 2.上記1に記載の着色組成物からなることを特徴とす
るインクジェット記録用インク。 3.一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物が、
下記一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物であ
ることを特徴とする上記2に記載のインクジェット記録
用インク。
【0021】
【化5】
【0022】一般式(II)中;Z1、Z2、Z3、及びZ4
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のヘテロ環基
を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4の内、少なくと
も1つはイオン性親水性基を置換基として有する。M
は、一般式(I)のMと同義である。l、m、n、及び
pは、それぞれ独立に、1または2の整数を表す。 4.一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物が、
下記一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物で
あることを特徴とする上記3に記載のインクジェット記
録用インク。
【0023】
【化6】
【0024】一般式(III)中;W1、W2、W3、及びW
4は、それぞれ独立に、5〜6員含窒素ヘテロ環あるい
は該ヘテロ環と他の環との縮合環を形成するのに必要な
原子群を表す。但し、W 1、W2、W3、及び/又はW
4が、6員含窒素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と他の環
と縮合環を形成する原子群である場合、6員含窒素ヘテ
ロ環あるいは縮合環を構成する窒素原子数は1個または
2個であり、且つ原子群W1、W2、W3、及びW4から形
成される5〜6員含窒素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と
他の環との縮合環の少なくとも1つは、イオン性親水性
基を置換基として有する。Mは、一般式(I)のMと同
義である。 5.イオン性親水性基が、カルボキシル基、スルホ基お
よび4級アンモニウム基のいずれかであることを特徴と
する上記4に記載のインクジェット記録用インク。 6.支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像
層を有する受像材料上に、上記2〜5のいずれかに記載
のインクジェット記録用インクを用いて画像形成するこ
とを特徴とするインクジェット記録方法。 7.上記4に記載される一般式(III)で表されること
を特徴とするフタロシアニン化合物。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 [フタロシアニン化合物]まず、本発明の一般式(I)で
表されるフタロシアニン化合物について詳細に説明す
る。上記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4
5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アル
キルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミ
ド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘ
テロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、
ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、また
はアシル基を表し、各々はさらに置換基を有していても
よい。
【0026】なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基およびアルコキシカルボニル基が好ま
しく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基が好まし
く、水素原子が最も好ましい。
【0027】Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立
に、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。そして、
1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオ
ン性親水性基を置換基として有する。置換基としてのイ
オン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、およ
び4級アンモニウム基等が含まれる。なかでも、カルボ
キシル基およびスルホ基が好ましく、特にスルホ基が好
ましい。カルボキシル基およびスルホ基は、塩の状態で
あってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカ
リ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウ
ムイオン)が含まれる。
【0028】l、m、n、pは、それぞれ独立に、1ま
たは2の整数を表す。
【0029】Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、
金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
【0030】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7
8、Z1、Z2、Z3及びZ4が有することができる置換
基としては、下記の置換基を挙げることができる。
【0031】ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子);炭素数1〜12の直鎖状または分岐鎖状アルキル
基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12の
アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アル
キニル基、炭素数3〜12の側鎖を有していてもよいシ
クロアルキル基、炭素数3〜12の側鎖を有していても
よいシクロアルケニル基(例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニ
ルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチ
ル、シクロペンチル);アリール基(例えば、フェニ
ル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミル
フェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラ
ゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2
−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルキルオ
キシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエ
トキシ、2−メタンスルホニルエトキシ);アリールオ
キシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、
4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3
−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メト
キシカルバモイル);アシルアミノ基(例えば、アセト
アミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ
基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルア
ミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フ
ェニルアミノ、2−クロロアニリノ);ウレイド基(例
えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジ
ブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、
N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキル
チオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェ
ノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニ
ルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチ
オ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカ
ルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンア
ミド、オクタデカン);カルバモイル基(例えば、N−
エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファ
モイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−
ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メ
タンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホ
ニル、トルエンスルホニル);アルキルオキシカルボニ
ル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカル
ボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテ
トラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオ
キシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシ
フェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2
−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシ
ルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキ
シ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フ
ェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例え
ば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオ
キシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、
フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N
−スクシンイミド、N−フタルイミ);ヘテロ環チオ基
(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フ
ェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−
ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノ
キシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、
フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フ
ェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例
えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、ア
セチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イ
オン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、
および4級アンモニウム基);その他シアノ基、ヒドロ
キシル基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられる。
【0032】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子および臭素原子が挙げられる。
【0033】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル
基および無置換のアルキル基が含まれる。アルキル基と
しては、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12の
アルキル基が好ましい。置換基の例には、ヒドロキシル
基、アルコキシ基、シアノ基、およびハロゲン原子およ
びイオン性親水性基が含まれる。アルキル基の例には、
メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、
ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、ト
リフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4−スル
ホブチルが含まれる。
【0034】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すシクロアルキル基には、置換基を有するシ
クロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含ま
れる。シクロアルキル基としては、置換基を除いたとき
の炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好まし
い。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。シ
クロアルキル基の例には、シクロヘキシル基が含まれ
る。
【0035】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルケニル基には、置換基を有するアルケ
ニル基および無置換のアルケニル基が含まれる。アルケ
ニル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が2
〜12のアルケニル基が好ましい。前記置換基の例に
は、イオン性親水性基が含まれる。前記アルケニル基の
例には、ビニル基、アリル基等が含まれる。
【0036】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアラルキル基としては、置換基を有するア
ラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。ア
ラルキル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数
が7〜12のアラルキル基が好ましい。置換基の例に
は、イオン性親水性基が含まれる。アラルキル基の例に
は、ベンジル基、および2−フェネチル基が含まれる。
【0037】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアリール基には、置換基を有するアリール
基および無置換のアリール基が含まれる。アリール基と
しては、置換基を除いたときの炭素原子数が6〜12の
アリール基が好ましい。置換基の例には、アルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基および
イオン性親水性基が含まれる。前記アリール基の例に
は、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o
−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミ
ノ)フェニルが含まれる。
【0038】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すヘテロ環基には、置換基を有するヘテロ環
基および無置換のヘテロ環基が含まれる。前記ヘテロ環
基としては、5員または6員環のヘテロ環基が好まし
い。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。へ
テロ環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基お
よび2−フリル基が含まれる。
【0039】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルキルアミノ基には、置換基を有するア
ルキルアミノ基および無置換のアルキルアミノ基が含ま
れる。アルキルアミノ基としては、置換基を除いたとき
の炭素原子数1〜6のアルキルアミノ基が好ましい。置
換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アル
キルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチル
アミノ基が含まれる。
【0040】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコ
キシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコ
キシ基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が1
〜12のアルコキシ基が好ましい。置換基の例には、ア
ルコキシ基、ヒドロキシル基およびイオン性親水性基が
含まれる。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキ
シ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロ
キシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含
まれる。
【0041】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアリールオキシ基には、置換基を有するア
リールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含ま
れる。アリールオキシ基としては、置換基を除いたとき
の炭素原子数が6〜12のアリールオキシ基が好まし
い。置換基の例には、アルコキシ基およびイオン性親水
性基が含まれる。アリールオキシ基の例には、フェノキ
シ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフ
ェノキシ基が含まれる。
【0042】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアミド基には、置換基を有するアミド基お
よび無置換のアミド基が含まれる。アミド基としては、
置換基を除いたときの炭素原子数が2〜12のアミド基
が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含ま
れる。前記アミド基の例には、アセトアミド基、プロピ
オンアミド基、ベンズアミド基および3,5−ジスルホ
ベンズアミド基が含まれる。
【0043】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアリールアミノ基には、置換基を有するア
リールアミノ基および無置換のアリールアミノ基が含ま
れる。アリールアミノ基としては、置換基を除いたとき
の炭素原子数が6〜12のアリールアミノ基が好まし
い。置換基の例としては、ハロゲン原子およびイオン性
親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例として
は、アニリノ基および2−クロロアニリノ基が含まれ
る。
【0044】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すウレイド基には、置換基を有するウレイド
基および無置換のウレイド基が含まれる。ウレイド基と
しては、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12の
ウレイド基が好ましい。置換基の例には、アルキル基お
よびアリール基が含まれる。ウレイド基の例には、3−
メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および
3−フェニルウレイド基が含まれる。
【0045】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すスルファモイルアミノ基には、置換基を有
するスルファモイルアミノ基および無置換のスルファモ
イルアミノ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基
が含まれる。スルファモイルアミノ基の例には、N, N
−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
【0046】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルキルチオ基には、置換基を有するアル
キルチオ基および無置換のアルキルチオ基が含まれる。
アルキルチオ基としては、置換基を除いたときの炭素原
子数が1〜12のアルキルチオ基が好ましい。置換基の
例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキルチオ基
の例には、メチルチオ基およびエチルチオ基が含まれ
る。
【0047】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアリールチオ基には、置換基を有するアリ
ールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。
アリールチオ基としては、置換基を除いたときの炭素原
子数が6〜12のアリールチオ基が好ましい。置換基の
例には、アルキル基、およびイオン性親水性基が含まれ
る。アリールチオ基の例には、フェニルチオ基およびp
−トリルチオ基が含まれる。
【0048】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルコキシカルボニルアミノ基には、置換
基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換
のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキ
シカルボニルアミノ基としては、置換基を除いたときの
炭素原子数が2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基
が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含ま
れる。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキ
シカルボニルアミノ基が含まれる。
【0049】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すスルホンアミド基には、置換基を有するス
ルホンアミド基および無置換のスルホンアミド基が含ま
れる。スルホンアミド基としては、置換基を除いたとき
の炭素原子数が1〜12のスルホンアミド基が好まし
い。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。ス
ルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベン
ゼンスルホンアミド、および3−カルボキシベンゼンス
ルホンアミドが含まれる。
【0050】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すカルバモイル基には、置換基を有するカル
バモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。
前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。カルバモ
イル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチル
カルバモイル基が含まれる。
【0051】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すスルファモイル基には、置換基を有するス
ルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含ま
れる。置換基の例には、アルキル基、アリ−ル基が含ま
れる。スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモ
イル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモ
イル基、フェニルスルファモイル基が含まれる。
【0052】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有
するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシ
カルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基とし
ては、置換基を除いたときの炭素原子数が2〜12のア
ルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、イ
オン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル
基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカル
ボニル基が含まれる。
【0053】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すヘテロ環オキシ基には、置換基を有するヘ
テロ環オキシ基および無置換のヘテロ環オキシ基が含ま
れる。ヘテロ環オキシ基としては、5員または6員環の
ヘテロ環を有するヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基
の例には、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が
含まれる。ヘテロ環オキシ基の例には、2−テトラヒド
ロピラニルオキシ基が含まれる。
【0054】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアゾ基には、置換基を有するアゾ基および
無置換のアゾ基が含まれる。アゾ基の例には、p−ニト
ロフェニルアゾ基が含まれる。
【0055】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアシルオキシ基には、置換基を有するアシ
ルオキシ基および無置換のアシルオキシ基が含まれる。
アシルオキシ基としては、置換基を除いたときの炭素原
子数1〜12のアシルオキシ基が好ましい。置換基の例
には、イオン性親水性基が含まれる。アシルオキシ基の
例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含ま
れる。
【0056】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すカルバモイルオキシ基には、置換基を有す
るカルバモイルオキシ基および無置換のカルバモイルオ
キシ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含ま
れる。カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカル
バモイルオキシ基が含まれる。
【0057】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すシリルオキシ基には、置換基を有するシリ
ルオキシ基および無置換のシリルオキシ基が含まれる。
置換基の例には、アルキル基が含まれる。シリルオキシ
基の例には、トリメチルシリルオキシ基が含まれる。
【0058】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアリールオキシカルボニル基には、置換基
を有するアリールオキシカルボニル基および無置換のア
リールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシ
カルボニル基としては、置換基を除いたときの炭素原子
数が7〜12のアリールオキシカルボニル基が好まし
い。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。ア
リールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボ
ニル基が含まれる。
【0059】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアリールオキシカルボニルアミノ基には、
置換基を有するアリールオキシカルボニルアミノ基およ
び無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれ
る。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、置換
基を除いたときの炭素原子数が7〜12のアリールオキ
シカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イ
オン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニル
アミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含
まれる。
【0060】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すイミド基には、置換基を有するイミド基お
よび無置換のイミド基が含まれる。イミド基の例には、
N−フタルイミド基およびN−スクシンイミド基が含ま
れる。
【0061】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すヘテロ環チオ基には、置換基を有するヘテ
ロ環チオ基および無置換のヘテロ環チオ基が含まれる。
ヘテロ環チオ基としては、5員または6員環のヘテロ環
を有することが好ましい。置換基の例には、イオン性親
水性基が含まれる。へテロ環チオ基の例には、2−ピリ
ジルチオ基が含まれる。
【0062】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すホスホリル基には、置換基を有するホスホ
リル基および無置換のホスホリル基が含まれる。ホスホ
リル基の例には、フェノキシホスホリル基およびフェニ
ルホスホリル基が含まれる。
【0063】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及
びR8が表すアシル基には、置換基を有するアシル基お
よび無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、
置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12のアシル基
が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含ま
れる。アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル
基が含まれる。
【0064】Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すヘテロ環基
としては、それぞれ独立に飽和ヘテロ環であっても、不
飽和ヘテロ環であってもよい。また、Z1、Z2、Z3
及びZ4が表すヘテロ環基は、それぞれ独立に、さらに
他の環と縮合環を形成していてもよい。
【0065】Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すヘテロ環お
よびその縮合環の好ましい例をヘテロ環の置換位置を限
定せずに挙げると、それぞれ独立に、イミダゾール、ベ
ンゾイミダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、ト
リアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチア
ゾール、ベンゾイソチアゾール、オキサゾール、ベンゾ
オキサゾール、チアジアゾール、ピロール、ベンゾピロ
ール、インドール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキ
サゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ベ
ンゾフラン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリ
ダジン、ピリミジン、ピラジン、シンノリン、フタラジ
ン、キナゾリン、キノクサリン等である。
【0066】Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すヘテロ環お
よびその縮合環の好ましいものは、5〜6員含窒素ヘテ
ロ環(さらに他の環と縮合環を形成可)である。但し、
1、W2、W3、及びW4が、それぞれ独立に、6員含窒
素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と他の環と縮合環を形成
している場合、6員含窒素ヘテロ環を構成する窒素原子
数は1個または2個である(6員含窒素ヘテロ環を構成
する窒素原子数が3個以上のもの、例えばトリアジン環
等は除く)。
【0067】Z1、Z2、Z3、及びZ4が表す5〜6員含
窒素ヘテロ環およびその縮合環の更に好ましい例をヘテ
ロ環の置換位置を限定せずに挙げると、それぞれ独立
に、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、
ベンゾピラゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾ
チアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、
オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアジアゾール、
ピロール、ベンゾピロール、インドール、イソオキサゾ
ール、ベンゾイソオキサゾール、ピリジン、キノリン、
イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、シ
ンノリン、フタラジン、キナゾリンであり、より好まし
くはイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、
ベンゾピラゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾ
チアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、
オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアジアゾール、
ピロール、ベンゾピロール、インドール、イソオキサゾ
ール、ベンゾイソオキサゾールであり、その中でもピラ
ゾール、トリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソ
チアゾールが最も好ましい。
【0068】Z1、Z2、Z3、Z4が表すヘテロ環および
その縮合環の少なくとも1つは、イオン性親水性基を置
換基として有する。
【0069】Z1、Z2、Z3、Z4が表すヘテロ環および
その縮合環で、更に置換基を有することが可能な環は、
上記置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8
で例示したような基で更に置換されていてもよい。
【0070】その中でも、イオン性親水性基で置換した
環あるいはイオン性親水性基を置換基として有する基で
置換した環が好ましく、イオン性親水性基で置換した環
が最も好ましい。
【0071】置換基としてのイオン性親水性基には、ス
ルホ基、カルボキシル基、および4級アンモニウム基等
が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル
基およびスルホ基が好ましく、特にスルホ基が好まし
い。カルボキシル基およびスルホ基は塩の状態であって
もよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属
イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)およ
び有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオ
ン)が含まれる。
【0072】Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、
金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。Mとし
て好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、
Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、M
n、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi
等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が好まし
く挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr
(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロ
ゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、Fe
Cl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも特に、Cu、
Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
【0073】また、一般式(I)で表されるフタロシア
ニン化合物は、L(2価の連結基)を介してPc(フタ
ロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−
Pc)または3量体を形成してもよく、そのとき複数個
存在するMは、それぞれ同一であっても異なるものであ
ってもよい。
【0074】Lで表される2価の連結基は、オキシ基−
O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニ
ル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2
−、及びこれらを組み合わせて形成される基が好まし
い。
【0075】l、m、n、pは、それぞれ独立に、4≦
l+m+n+p≦8を満たす1または2の整数を表し、
好ましくは4≦l+m+n+p≦6を満たすことであ
り、最も好ましくは、それぞれが1(l=m=n=p=
1)である場合である。
【0076】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン化合物として好ましい組み合わせは、以下の通りであ
る。 (イ)R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が、
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、またはシアノ
基であり、特に好ましくは水素原子またはハロゲン原子
であり、その中でも水素原子であるのが最も好ましい。 (ロ)Z1、Z2、Z3、Z4が表すヘテロ環およびその縮
合環が、イオン性親水性基を置換基として有するヘテロ
環およびその縮合環である。 (ハ)Z1、Z2、Z3、Z4が表すヘテロ環およびその縮
合環が、ヘテロ環の置換位置を限定せずに挙げると、イ
ミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ベンゾ
ピラゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾ
ール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、オキサ
ゾール、ベンゾオキサゾール、チアジアゾール、ピロー
ル、ベンゾピロール、インドール、イソオキサゾール、
ベンゾイソオキサゾールであり、その中でもピラゾー
ル、トリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチア
ゾールであるのが最も好ましい。 (ニ)l、m、n、pが、それぞれ独立に、1または2
の整数であり、特に1であることが好ましい。 (ホ)Mが、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水
酸化物、または金属ハロゲン化物を表し、特にCu、N
i、Zn、Alが好ましく、なかでも特にCuが最も好まし
い。
【0077】また、前記一般式(I)で表されるフタロ
シアニン化合物一分子中、イオン性親水性基を少なくと
も4個以上有するものが好ましく、特に、イオン性親水
性基がスルホ基であるのが好ましい、その中でもスルホ
基を少なくとも4個上有するものが最も好ましい。
【0078】一般式(I)で表されるフタロシアニン化
合物は、分子内に少なくとも1つ以上のイオン性親水性
基を有しているので、水性媒体中に対する溶解性または
分散性が良好となる。
【0079】一般式(I)で表されるフタロシアニン化
合物の中でも、上記一般式(II)で表される構造のフタ
ロシアニン化合物がさらに好ましい。以下に、本発明の
一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物について
詳しく述べる。
【0080】上記一般式(II)において、Z1、Z2、Z
3、Z4、l、m、n、p及びMは、前記一般式(I)中
のZ1、Z2、Z3、Z4、l、m、n、p及びMと各々同
義であり、好ましい例も同様である。
【0081】一般式(II)で表されるフタロシアニン化
合物の中でも、特に好ましい置換基の組み合わせは、前
記一般式(I)中の特に好ましい置換基の組み合わせと
同様である。
【0082】なお、前記一般式(II)で表される化合物
の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換
基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が
好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基で
ある化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好まし
い基である化合物が最も好ましい。
【0083】上記一般式(II)で表されるフタロシアニ
ン化合物の中でも、上記一般式(III)で表される構造
のフタロシアニン化合物がさらに好ましい。以下に、本
発明の一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物
について詳しく述べる。
【0084】W1、W2、W3、及びW4は、それぞれ独立
に、5〜6員含窒素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と他の
環との縮合環を形成するのに必要な原子群を表す。但
し、W 1、W2、W3、及び/又はW4が、6員含窒素ヘテ
ロ環あるいは該ヘテロ環と他の環と縮合環を形成する原
子群である場合、6員含窒素ヘテロ環あるいは縮合環を
構成する窒素原子数は1個または2個であり、6員含窒
素ヘテロ環を構成する窒素原子数が3個以上の環、例え
ばトリアジン環等は除く。そして、原子群W1、W2、W
3、及びW4から形成される5〜6員含窒素ヘテロ環ある
いは該ヘテロ環と他の環との縮合環の少なくとも1つ
は、イオン性親水性基を置換基として有する。
【0085】Mは、上記一般式(II)におけるMと同義
である。
【0086】一般式(III)において、W1、W2、W3
及びW4が形成する5〜6員含窒素ヘテロ環およびその
縮合環の好ましい例は、イミダゾール、ベンゾイミダゾ
ール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、トリアゾール、
チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベン
ゾイソチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾー
ル、チアジアゾール、ピロール、ベンゾピロール、イン
ドール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、
ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリ
ミジン、ピラジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリ
ンであり、より好ましくはイミダゾール、ベンゾイミダ
ゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、トリアゾー
ル、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、
ベンゾイソチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾ
ール、チアジアゾール、ピロール、ベンゾピロール、イ
ンドール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール
であり、その中でもピラゾール、トリアゾール、ベンゾ
チアゾール、ベンゾイソチアゾールが最も好ましい。
【0087】W1、W2、W3、及びW4が形成する5〜6
員含窒素ヘテロ環およびその縮合環が更に置換基を有す
る場合、イオン性親水性基で、あるいはイオン性親水性
基を置換基として有する基で置換したヘテロ環およびそ
の縮合環基が最も好ましい。その中でも、置換基として
のイオン性親水性基が、カルボキシル基またはスルホ基
および4級アンモニウム基であるのが好ましく、更にカ
ルボキシル基およびスルホ基であるのが好ましく、特に
スルホ基が好ましい。カルボキシル基およびスルホ基は
塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例に
は、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリ
ウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグ
アニジウムイオン)が含まれる。
【0088】一般式(III)で表されるフタロシアニン
化合物一分子中、イオン性親水性基を少なくとも4個以
上有するものが好ましく、特に、イオン性親水性基がス
ルホ基であるのが好ましい、その中でもスルホ基を少な
くとも4個有するものが最も好ましい。一般式(III)
で表されるフタロシアニン化合物は、分子内に少なくと
も4個のイオン性親水性基を有していると、水性媒体中
に対する溶解性または分散性が良好となる。
【0089】Mは、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、な
かでも特にCu、Ni、Znが好ましく、特にCuが最も好
ましい。
【0090】一般式(III)で表されるフタロシアニン
化合物の中でも、特に好ましい置換基の組み合わせは、
1、W2、W3、W4が形成する5〜6員含窒素ヘテロ環
およびその縮合環が、それぞれ独立に、イミダゾール、
ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、
トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチ
アゾール、ベンゾイソチアゾール、オキサゾール、ベン
ゾオキサゾール、チアジアゾール、ピロール、ベンゾピ
ロール、インドール、イソオキサゾール、ベンゾイソオ
キサゾールであり、その中でもピラゾール、トリアゾー
ル、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾールであるの
が最も好ましい。
【0091】一般式(III)で表されるフタロシアニン
化合物において、W1、W2、W3、W 4が形成する5〜6
員含窒素ヘテロ環およびその縮合環に、それぞれ独立
に、置換基としてイオン性親水性基を少なくとも1個以
上有するものが好ましく、フタロシアニン化合物一分子
中にイオン性親水性基を少なくとも4個以上有するもの
が好ましく、特に、イオン性親水性基がスルホ基である
のが好ましい、その中でもフタロシアニン化合物一分子
中にスルホ基を少なくとも4個以上有するものが最も好
ましい。
【0092】なお、一般式(III)で表される化合物の
好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基
の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好
ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基であ
る化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい
基である化合物が最も好ましい。
【0093】一般に、インクジェット記録用インク組成
物として種々のフタロシアニン誘導体を使用することが
知られている。下記一般式(IV)で表されるフタロシア
ニン誘導体は、その合成時において不可避的に置換基R
n(n=1〜16)の置換位置(R1:1位〜R16:1
6位とここで定義する)異性体を含む場合があるが、こ
れら置換位置異性体は互いに区別することなく同一誘導
体として見なしている場合が多い。また、Rの置換基に
異性体が含まれる場合も、これらを区別することなく、
同一のフタロシアニン誘導体として見なしている場合が
多い。
【0094】
【化7】
【0095】本明細書中で定義するフタロシアニン化合
物において、構造が異なる場合とは、上記一般式(IV)
で説明すると、置換基Rn(n=1〜16)について構
成原子種が異なる場合、置換基数が異なる場合、また置
換位置が異なる場合の何れかである。
【0096】本発明において、前記一般式(I)〜(II
I)で表されるフタロシアニン化合物の構造が異なる
(特に、置換位置)誘導体を以下の三種類に分類して定
義する。 (1)β-位置換型:(2及びまたは3位、6及びまた
は7位、10及びまたは11位、14及びまたは15位
に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物) (2)α-位置換型:(1及びまたは4位、5及びまた
は8位、9及びまたは12位、13及びまたは16位に
特定の置換基を有するフタロシアニン化合物) (3)α,β-位混合置換型:(1〜16位に規則性な
く、特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
【0097】本明細書中において、構造が異なる(特
に、置換位置)フタロシアニン化合物の誘導体を説明す
る場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β-位混
合置換型を使用する。
【0098】本発明に用いられるフタロシアニン誘導体
は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行
「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共
著、VCH発行‘Phthalocyanines−P
roperties and Application
s’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに
類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0099】本発明の一般式(V)で表されるフタロシ
アニン化合物は、例えば一般式(VI)で表されるフタロ
ニトリル化合物及び/または一般式(VII)で表される
ジイミノイソインドリン誘導体と一般式(VIII)で表さ
れる金属誘導体を反応させることにより合成される。
【0100】
【化8】
【0101】(式(VI)及びまたは(VII)中、Rは置
換スルファモイル基:−SO2NH-ヘテロ環を示す)
【0102】一般式(VIII):M−(Y)d (式(VIII)中、Mは前記一般式(I)〜(III)のM
と同一であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセ
チルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を
示し、dは1〜4の整数である) 一般式(VIII)で示される金属誘導体としては、Al、
Si、Ti、V、Mn,Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pb
のハロゲン化物、カルボン酸誘導体、硫酸塩、硝酸塩、
カルボニル化合物、酸化物、錯体等が挙げられる。具体
例としては塩化銅、臭化銅、沃化銅、塩化ニッケル、臭
化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、臭化コバル
ト、酢酸コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化
亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジ
ウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニ
ウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトン
マンガン、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジ
ウム、塩化チタン、塩化スズ等が挙げられる。
【0103】金属誘導体と一般式(VI)で示されるフタ
ロニトリル化合物の使用量は、モル比で1:3〜1:6
が好ましい。また、金属誘導体と一般式(VII)で示さ
れるジイミノイソインドリン化合物の使用量は、モル比
で1:3〜1:6が好ましい。
【0104】反応は通常、溶媒の存在下に行われる。溶
媒としては、沸点80℃以上、好ましくは130℃以上
の有機溶媒が用いられる。例えばn−アミルアルコー
ル、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチ
ル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタ
ノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、
ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノー
ル、ブトキシエタノール、ジメチルアミノエタノール、
ジエチルアミノエタノール、トリクロロベンゼン、クロ
ロナフタレン、スルフォラン、ニトロベンゼン、キノリ
ン、尿素等がある。溶媒の使用量はフタロニトリル化合
物の1〜100質量倍、好ましくは5〜20質量倍であ
る。
【0105】反応において触媒として、1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)或
いはモリブデン酸アンモニウムを添加してもよい。添加
量はフタロニトリル化合物あるいはジイミノイソインド
リン化合物1モルに対して、0.1〜10倍モル好まし
くは0.5〜2倍モルである。
【0106】反応温度は、通常80〜300℃、好まし
くは100〜250℃の反応温度の範囲にて行なうのが
好ましく、130〜230℃の反応温度の範囲にて行な
うのが特に好ましい。80℃未満では反応速度が極端に
遅い。300℃を越えると生成物であるフタロシアニン
化合物の分解が起こる可能性がある。反応時間は通常2
〜20時間、好ましくは5〜15時間の反応時間の範囲
にて行なうのが好ましく、5〜10時間の反応時間の範
囲にて行なうのが特に好ましい。2時間未満では未反応
原料が多く存在し、20時間を越えるとフタロシアニン
化合物の分解が起こる可能性がある。
【0107】これらの反応によって得られる生成物は通
常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、精
製してあるいは精製せずに製品として用いられる。即
ち、例えば、反応系から遊離したものを精製せずに、あ
るいは再結晶やカラムクロマトグラフィー(例えば、ゲ
ルパーメーションクロマトグラフィ(SEPHADEX
TMLH−20:Pharmacia製)等にて精製する
操作を単独、あるいは組み合わせて行ない、製品として
提供することができる。また、反応終了後、反応溶媒を
留去して、あるいは留去せずに水、または氷に投入し、
中和してあるいは中和せずに遊離したものを精製せず
に、あるいは再結晶、カラムクロマトグラフィー等にて
精製する操作を単独に、あるいは組み合わせて行なった
後、製品として提供することができる。また、反応終了
後、反応溶媒を留去して、あるいは留去せずに水、また
は氷に投入し、中和してあるいは中和せずに、有機溶媒
/水溶液にて抽出したものを精製せずに、あるいは晶
析、カラムクロマトグラフィーにて精製する操作を単独
あるいは組み合わせて行なった後、製品として提供する
ことができる。
【0108】かくして得られる上記一般式(V)で表さ
れるフタロシアニン化合物は、通常、R1(-SO2NH
−ヘテロ環)、R2(-SO2NH−ヘテロ環)、R3(-
SO2NH−ヘテロ環)、R4(-SO2NH−ヘテロ環)
の各置換位置における異性体である下記一般式(a)−
1〜(a)−4で表される化合物の混合物である。
【0109】
【化9】
【0110】
【化10】
【0111】
【化11】
【0112】
【化12】
【0113】上記一般式(a)−1〜(a)−4で表さ
れる化合物は、β-位置換型(2及びまたは3位、6及
びまたは7位、10及びまたは11位、14及びまたは
15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
である。
【0114】本発明の一般式(I)、一般式(II)およ
び(III)で表されるフタロシアニン化合物は、上記β-
位置換型(2及びまたは3位、6及びまたは7位、10
及びまたは11位、14及びまたは15位に特定の置換
基を有するフタロシアニン化合物)にあたる。
【0115】α−位置換型化合物及び又はα,β-位混
合置換型化合物は、特定の置換基の位置、特定の置換基
の置換数の異なる化合物であり、上記β-位置換型化合
物{各置換位置における異性体(例えば、上記一般式
(a)−1〜(a)−4)}とは全く異なる化合物であ
る。
【0116】本発明では、例えば一般式(I)中の(−
SO2NH-Z1)、(−SO2NH-Z2)、(−SO2
H-Z3)、(−SO2NH-Z4)で表される、特定の置
換基が画像堅牢性の向上に非常に重要であることが見出
され、更に、特定の置換基を特定の位置(β-が好まし
い)に特定の数{例えば、フタロシアニン化合物1分子
あたり4個以上8個以下でかつ一般式(IV)で表される
フタロシアニン母核で説明すると、(2位及びまたは3
位)、(6位及びまたは7位)、(10位及びまたは1
1位)、(14位及びまたは15位)の各組に少なくと
も特定の置換基を1個以上含有する}、フタロシアニン
母核に導入した誘導体が本発明が課題を解決する手段と
して極めて重要な構造上の特徴であることを確認した。
【0117】これらの原因は詳細には不明であるが、こ
れらβ-位置換型による構造上の特徴によってもたらさ
れる色相・光堅牢性・オゾンガス耐性等の向上効果は、
前記先行技術から全く予想することができないものであ
る。
【0118】本発明のフタロシアニン化合物の具体例
を、前記一般式(IV)を用いて下記表1〜表7(例示化
合物101〜135)に示すが、本発明に用いられるフ
タロシアニン化合物は、下記の例に限定されるものでは
ない。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】
【表5】
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【0126】<合成例>以下に、実施例により本発明の
フタロシアニン化合物の合成法を詳しく説明するが、出
発物質、色素中間体及び合成ル−トについてはこれによ
り限定されるものでない。
【0127】本発明の代表的なフタロシアニン化合物
は、例えば下記合成ル−トから誘導することができる。
【0128】
【化13】
【0129】(合成例1)化合物Aの合成 冷却管の付いた三つ口フラスコに、ニトロベンゼン10
0mL加え、180℃まで1時間かけて昇温し、そこに
4−スルホフタル酸一ナトリウム塩43.2g、塩化ア
ンモニウム4.7g、尿素58g、モリブデン酸アンモ
ニウム0.68g、塩化銅(II)6.93gを加え、同
温度で6時間撹拌した。反応液を40℃まで冷却したの
ち、50℃の加温したメタノ−ル200mLを注入し
て、生成した固形物を粉砕してながら室温で1時間攪拌
した。得られた分散物をヌッチェでろ過し、400mL
のメタノールで洗浄した。続いて得られた固体を塩化ナ
トリウムで飽和した1000mLの1M塩酸水溶液を加
え、煮沸して未反応の銅塩を溶かし出した。冷却後沈殿
した固体をヌッチェでろ過し、100mLの1M塩酸飽
和食塩水溶液で洗浄した。得られた固体を700mLの
0.1M水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた。溶液を
攪拌しながら80℃まで加温し、同温度で1時間撹拌し
た。水溶液を熱時ゴミ取りろ過した後、ろ液を攪拌しな
がら塩化ナトリウム270mLを徐々に添加した塩析し
た。この塩析液を攪拌しながら80℃まで加温し、同温
度で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、析出した結
晶をろ過し、150mLの20%食塩水で洗浄した。引
き続き、80%エタノール200mLに得られた結晶を
加え、1時間還流下撹拌し、室温まで冷却した後、析出
した結晶をろ過し、更に、60%エタノール水溶液20
0mLに得られた結晶を加え、1時間還流撹拌し、室温
まで冷却した後、析出した結晶をろ過し、エタノ−ル3
00mLで洗浄後乾燥して、化合物A29.25gを青
色結晶として得た。λmax : 629.9nm;εmax
=6.11×104(水溶液中)。得られた化合物を分
析した(質量分析法:ESI−MS、元素分析、中和滴
定等種々の機器解析方法により測定)結果、本明細書中
で定義したフタロシアニン銅(II)-置換位置が、β-位置
換型{それぞれの各ベンゼン核の(2または3位)、
(6または7位)、(10または11位)、(14また
は15位)にスルホ基を1個、銅フタロシアニン一分子
中スルホ基を合計4個有する}であることが確認でき
た。
【0130】(合成例2)化合物Bの合成 冷却管の付いた三つ口フラスコに、クロロスルホン酸1
50mLを加え、30℃以下で攪拌しながら19.0g
の上記化合物A(合成例1の化合物)をゆっくり分割添
加した。更に、20℃で30分間攪拌した後、25℃以
下で60gの五塩化リンをゆっくり分割添加した。反応
液を140℃まで加温し、同温度で3時間撹拌した。8
0℃まで冷却した後、30mLの塩化チオニルを15分
間かけて滴下した。引き続き、反応液を80℃まで加温
し、同温度で2時間撹拌した。10℃まで冷却した後、
反応液を1000mLの水と500gの氷との混合物に
徐々に添加して青色結晶の目的物を析出させた。懸濁液
内の温度は、氷を補足的に添加することによって0〜5
℃に保った。更に室温で1時間攪拌した後に、ヌッチェ
でろ過し、1500mLの冷水で洗浄した。引き続き、
結晶を150mLの冷アセトニトリルで洗浄後、減圧下
乾燥剤入りのデシケーター内で一晩乾燥して、化合物B
を15.6gを青色結晶として得た。得られた化合物を
分析した結果、本明細書中で定義したフタロシアニン銅
(II)-置換位置がβ-型のテトラスルホニルクロライドで
あることが確認できた。更に得られた結晶0.01部を
2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン/アセトンで
クエンチした後、HPLCにて純度検定(検出波長25
4nm;0.1%酢酸/トリエチルアミンbuffer
系;THF/H2O=7/3)したところ、相対面積%
=90.95%{Cu−Pc(−SO2NH−R)4
導体の総和として検定}であった。
【0131】(合成例3)具体的化合物例101の合成 1−{2,5−ジスルホ(ナトリウム塩)フェニル}−
3−メチル−5−アミノピラゾール15.1gを150
mLのDMAcに懸濁し、内温5度で攪拌しているところ
へ、6.5mLのピリジンを適下し、引き続き上記化合
物B(合成例2の化合物)9.7gを徐々に加え反応さ
せた。30分間5〜10℃で攪拌後、35℃まで加温し、
同温度で1時間撹拌した。20℃まで冷却した後、反応
液をろ過して無機物を除去し、ろ液を1000mLの酢
酸エチルにあけて、引き続き室温で30分間撹拌して、
析出した粗結晶をヌッチェでろ過し、100mLの酢酸
エチルで洗浄し、乾燥した。得られた粗結晶を、30m
Lの水に溶解後、ゲルパーメーションクロマトグラフィ
(SEPHADEXTMLH−20:Pharmacia
製)を用いて副生成物{例えば、Cu-Pc-(SO
3X)m(SO2NHヘテロ環)n誘導体:m+n=4,
m≠0}を除去した後、酢酸カリウム/メタノールから
造塩して、粗結晶8.9gを得た。得られた粗結晶を脱
塩(70%メタノ−ルで煮沸洗浄2回)後、メタノール
で再結晶し、具体的化合物例101を7.9g得た。λ
max=634.9nm;εmax=6.05×104
(水溶液中)。
【0132】得られた化合物を分析した(質量分析法:
ESI−MS、元素分析、中和滴定等種々の機器解析方
法により測定)結果、本明細書中で定義したフタロシア
ニン銅(II)-置換位置が、β-位置換型{それぞれの各ベ
ンゼン核の(2または3位)、(6または7位)、(1
0または11位)、(14または15位)に−{SO 2
NH−ヘテロ環}基を1個、銅フタロシアニン一分子中
−{SO2NH−ヘテロ環}基を合計4個有する}であ
ることが確認できた。
【0133】[比較化合物の合成例] (比較合成例1) a)比較化合物1の合成 冷却管の付いた三つ口フラスコに、クロロスルホン酸1
50mLを加え、攪拌しながら引き続き20℃を超えな
い温度を保ちながら25.0g の銅フタロシアニンをゆ
っくり分割添加した。(発熱するため冷却を同時に実施
した)次いでこの混合物を100℃まで、1時間かけて
加温し、更に135℃まで1時間かけて加温を続け、ガ
スの発生が終了するまで同温度で5時間撹拌した。その
後この反応液を10℃まで冷却した後、次いで、反応液
を1500mLの飽和食塩水と500gの氷との混合物
にゆっくり添加して青色結晶の目的物を析出させた。懸
濁液内の温度は、氷を補足的に添加することによって0
〜5℃に保った。更に室温で1時間攪拌した後に、ヌッ
チェでろ過し、1000mLの冷飽和食塩水で洗浄し
た。得られた固体を700mLの0.1M水酸化ナトリ
ウム水溶液に溶解させた。溶液を攪拌しながら80℃ま
で加温し、同温度で1時間撹拌した。水溶液を熱時ゴミ
取りろ過した後、ろ液を攪拌しながら塩化ナトリウム2
70mLを徐々に添加した塩析した。この塩析液を攪拌
しながら80℃まで加温し、同温度で1時間撹拌した。
室温まで冷却した後、析出した結晶をろ過し、150m
Lの20%食塩水で洗浄した。引き続き、80%エタノ
ール200mLに得られた結晶を加え、1時間還流下撹
拌し、室温まで冷却した後、析出した結晶をろ過し、更
に、60%エタノール水溶液200mLに得られた結晶
を加え、1時間還流撹拌し、室温まで冷却した後、析出
した結晶をろ過し、エタノ−ル300mLで洗浄後乾燥
して、下記で示される比較化合物1:34.2gを青色
結晶として得た。λmax : 624.8nm;εmax=
3.40×104;λmax : 663.8nm;εmax
=3.57×104(水溶液中)。得られた化合物を分
析した結果、本明細書中で定義したフタロシアニン銅(I
I)-置換位置が、フタロシアニン銅(II)-置換位置がα,
β−混合型で且つスルホ基置換数比、約4個:3個:2
個=1:3:1の混合物(ESI−MS)}であること
が確認できた。
【0134】b)比較化合物4の合成 冷却管の付いた三つ口フラスコに、ニトロベンゼン10
0mL加え、180℃まで1時間かけて昇温し、そこに
4−スルホフタル酸一ナトリウム塩43.2g、塩化ア
ンモニウム4.7g、尿素58g、モリブデン酸アンモ
ニウム0.68g、塩化銅(II)6.93gを加え、同
温度で6時間撹拌した。反応液を40℃まで冷却したの
ち、50℃の加温したメタノ−ル200mLを注入し
て、生成した固形物を粉砕してながら室温で1時間攪拌
した。得られた分散物をヌッチェでろ過し、400mL
のメタノールで洗浄した。続いて得られた固体を塩化ナ
トリウムで飽和した1000mLの1M塩酸水溶液を加
え、煮沸して未反応の銅塩を溶かし出した。冷却後沈殿
した固体をヌッチェでろ過し、100mLの1M塩酸飽
和食塩水溶液で洗浄した。得られた固体を700mLの
0.1M水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた。溶液を
攪拌しながら80℃まで加温し、同温度で1時間撹拌し
た。水溶液を熱時ゴミ取りろ過した後、ろ液を攪拌しな
がら塩化ナトリウム270mLを徐々に添加した塩析し
た。この塩析液を攪拌しながら80℃まで加温し、同温
度で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、析出した結
晶をろ過し、150mLの20%食塩水で洗浄した。引
き続き、80%エタノール200mLに得られた結晶を
加え、1時間還流下撹拌し、室温まで冷却した後、析出
した結晶をろ過し、更に、60%エタノール水溶液20
0mLに得られた結晶を加え、1時間還流撹拌し、室温
まで冷却した後、析出した結晶をろ過し、エタノ−ル3
00mLで洗浄後乾燥して、化合物A(合成例1の化合
物)29.25gを青色結晶として得た。λmax : 62
9.9nm;εmax=6.11×104(水溶液
中)。得られた化合物を分析した(質量分析法:ESI
−MS、元素分析、中和滴定等種々の機器解析方法によ
り測定)結果、本明細書中で定義したフタロシアニン銅
(II)-置換位置が、β-位置換型{それぞれの各ベンゼン
核の(2または3位)、(6または7位)、(10また
は11位)、(14または15位)にスルホ基を1個、
銅フタロシアニン一分子中スルホ基を合計4個有する}
であることが確認できた。
【0135】本発明の化合物の色素としての用途は、画
像、特にカラー画像を形成するための材料が挙げられ、
具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材
料を始めとして、感熱転写型画像記録材料、感圧記録材
料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化
銀感光材料、印刷インク、記録ペン等であり、好ましく
はインクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材
料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好まし
くはインクジェット方式記録材料である。また、米国特
許4808501号、特開平6−35182号などに記
載されているLCDやCCDなどの固体撮像素子で用い
られているカラーフィルター各種繊維の染色のための染
色液にも適用できる。本発明の化合物は、その用途に適
した溶解性、熱移動性などの物性を、置換基により調整
して使用することができる。また、本発明の化合物は、
用いられる系に応じて均一な溶解状態、乳化分散のよう
な分散された溶解状態、固体分散状態で使用することが
出来る。
【0136】[インクジェット記録用インク]インクジ
ェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記
フタロシアニン化合物を溶解及び/又は分散させること
によって作製することができる。好ましくは、水性媒体
を用いる場合である。必要に応じてその他の添加剤を、
本発明の効果の発現を阻害しない範囲内において含有さ
れる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤
(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫
外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調
整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆
剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これら
の各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直
接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合に
は、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的で
あるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
【0137】乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用
いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用
インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で
好適に使用される。
【0138】乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い
水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、
ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレン
グリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリド
ン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素
環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホ
レン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタ
ノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられ
る。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等
の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止
剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。こ
れらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有す
ることが好ましい。
【0139】前記浸透促進剤は、インクジェット用イン
クを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。
前記浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブ
チルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコー
ル類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム
やノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これ
らはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効
果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起
こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0140】紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させ
る目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58
−185677号公報、同61−190537号公報、
特開平2−782号公報、同5−197075号公報、
同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾ
ール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5
−194483号公報、米国特許第3214463号等
に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−3
0492号公報、同56−21141号公報、特開平1
0−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、
特開平4−298503号公報、同8−53427号公
報、同8−239368号公報、同10−182621
号公報、特表平8−501291号公報等に記載された
トリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーN
o.24239号に記載された化合物やスチルベン系、
ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収
して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いる
ことができる。
【0141】褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる
目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有
機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができ
る。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アル
コキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェ
ノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマ
ン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、
金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17
643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、
同No.18716の650頁左欄、同No.3654
4の527頁、同No.307105の872頁、同N
o.15162に引用された特許に記載された化合物や
特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁
に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含ま
れる化合物を使用することができる。
【0142】防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、
安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−
オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩
等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.0
0質量%使用するのが好ましい。
【0143】pH調整剤としては上記中和剤(有機塩
基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤
はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目
的で、該インクジェット用インクがpH6〜10と夏用
に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添
加するのがより好ましい。
【0144】表面張力調整剤としてはノニオン、カチオ
ンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。なお、本
発明のインクジェット用インクの表面張力は25〜70
mPa・sが好ましい。さらに25〜60mN/mが好
ましい。また本発明のインクジェット用インクの粘度は
30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以
下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例とし
ては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エス
テル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系
界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エ
ステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポ
リマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、ア
セチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であ
るSURFYNOLS(AirProducts&Ch
emicals社)も好ましく用いられる。また、N,
N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなア
ミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、
特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサ
ーチ・ディスクロージャーNo.308119(198
9年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことが
できる。
【0145】消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系
化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応
じて使用することができる。
【0146】本発明のフタロシアニン化合物を水性媒体
に分散させる場合は、特開平11−286637号公
報、特願平2000−78491号明細書、同2000
−80259号明細書、同2000−62370号明細
書のように色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒
子を水性媒体に分散したり、特願平2000−7845
4号、同2000−78491号、同2000−203
856号,同2000−203857号の各明細書のよ
うに高沸点有機溶媒に溶解した本発明の色素を水性媒体
中に分散することが好ましい。本発明の化合物を水性媒
体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポ
リマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量
は、前記特許公報に記載されたものを好ましく使用する
ことができる。あるいは、前記アゾ色素を固体のまま微
粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面
活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡
単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌
方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、
サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーター
ミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジ
ナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナ
イザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000
等)を使用することができる。上記のインクジェット記
録用インクの調製方法については、先述の特許公報以外
にも特開平5−148436号公報、同5−29531
2号公報、同7−97541号公報、同7−82515
号公報、同7−118584号公報、特開平11−28
6637号公報、特願2000−87539号明細書等
に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録
用インクの調製にも利用できる。
【0147】水性媒体は、水を主成分とし、所望によ
り、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることが
できる。水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタ
ノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価
アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコ
ール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジア
セテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル
ジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリ
ン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチル
プロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スル
ホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセト
ニトリル、アセトン)が含まれる。なお、これら水混和
性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
【0148】本発明のインクジェット記録用インク10
0質量部中には、前記フタロシアニン化合物を0.2質
量部以上10質量部以下含有するのが好ましい。また、
本発明のインクジェット用インクには、前記フタロシア
ニン化合物とともに、他の着色剤を併用してもよい。2
種類以上の着色剤を併用する場合は、本発明化合物を含
む着色剤の含有量の合計が前記範囲となっているのが好
ましい。
【0149】本発明のインクジェット記録用インクは、
単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用
いることができる。フルカラー画像を形成するために、
マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー
色調インクを用いることができ、また、色調を整えるた
めに、更にブラック色調インクを用いてもよい。
【0150】適用できるイエロー染料としては、任意の
ものを使用することが出来る。例えばカップリング成分
(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のよう
なヘテロ環類;開鎖型活性メチレン化合物類、などを有
するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラ
ー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有する
アゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチン
オキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフト
キノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染
料などがある。さらに、これ以外の染料種として、キノ
フタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染
料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
【0151】適用できるマゼンタ染料としては、任意の
ものを使用することが出来る。例えばカプラー成分とし
てフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有す
るアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー
成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類など
を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、ス
チリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソ
ノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン
染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などの
ようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アント
ラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、
例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙
げることができる。
【0152】適用できるシアン染料としては、任意のも
のを使用する事が出来る。例えばカプラー成分としてフ
ェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するア
リールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分
としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾー
ルのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シ
アニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料など
のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリ
フェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカル
ボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染
料; インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることが
できる。
【0153】上記の各染料は、クロモフォアの一部が解
離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈す
るものであってもよく、その場合のカウンターカチオン
はアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオ
ンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム
塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそ
れらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよ
い。適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスア
ゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体
を挙げることができる。
【0154】[インクジェット記録方法]本発明のイン
クジェット記録方法は、上記インクジェット記録用イン
クにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通
紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公
報、同8−27693号公報、同2−276670号公
報、同7−276789号公報、同9−323475号
公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−
153989号公報、同10−217473号公報、同
10−235995号公報、同10−337947号公
報、同10−217597号公報、同10−33794
7号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フ
ィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器
等に画像を形成する。
【0155】画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与
えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化
合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に
付与する時期については、着色剤を付与する前であって
も,後であっても、また同時であってもよく、したがっ
て添加する場所も受像紙中であっても、インク中であっ
てもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物と
して使用してもよい。具体的には、特願2000−29
9465号や、同2000−363090号、同200
0−315231号、同2000−354380号、同
2000−343944号、同2000−268952
号等の各明細書に記載された方法を好ましく用いること
が出きる。
【0156】以下に、本発明のインクを用いてインクジ
ェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フ
ィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムにお
ける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、G
P、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CG
P等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、
必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、
定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、
長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの
等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プ
ラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支
持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g
/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層
及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリ
ビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層
を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けて
もよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレ
ンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平
坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、
両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及び
それらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチ
ックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィ
ン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又
は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化
ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0157】支持体上に設けられるインク受容層には、
顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白
色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シ
リカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼ
オライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタ
ン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系
ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含
有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好まし
く、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適で
ある。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られ
る無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸の
いずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用するこ
とが望ましい。
【0158】インク受容層に含有される水性バインダー
としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリ
ビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カ
ゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ
アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導
体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、
アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられ
る。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用し
て用いることができる。本発明においては、これらの中
でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビ
ニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の
耐剥離性の点で好適である。インク受容層は、顔料及び
水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界
面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
【0159】インク受容層中に添加する媒染剤は、不動
化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー
媒染剤が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤について
は、特開昭48−28325号、同54−74430
号、同54−124726号、同55−22766号、
同55−142339号、同60−23850号、同6
0−23851号、同60−23852号、同60−2
3853号、同60−57836号、同60−6064
3号、同60−118834号、同60−122940
号、同60−122941号、同60−122942
号、同60−235134号、特開平1−161236
号の各公報、米国特許2484430号、同25485
64号、同3148061号、同3309690号、同
4115124号、同4124386号、同41938
00号、同4273853号、同4282305号、同
4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−
161236号公報の212〜215頁に記載のポリマ
ー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記
載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得
られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0160】耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、
これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望まし
い。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダル
シリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特に
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適であ
る。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の
全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜
10質量%であることが好ましい。
【0161】耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜
鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等の
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。
これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
【0162】界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、
スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界
面活性剤については、特開昭62−173463号、同
62−183457号の各公報に記載がある。界面活性
剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機
フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機
フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル
状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ
素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含ま
れる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9
053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994
号、同62−135826号の各公報に記載がある。そ
の他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料
分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、
pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、
インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0163】記録紙及び記録フィルムには、バックコー
ト層を設けることもでき、この層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げ
られる。バックコート層に含有される白色顔料として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等が挙げられる。
【0164】バックコート層に含有される水性バインダ
ーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレ
ン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオ
ン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテ
ックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が
挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分
としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0165】インクジェット記録紙及び記録フィルムの
構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテッ
クスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安
定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のよう
な膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックス
については、特開昭62−245258号、同62−1
316648号、同62−110066号の各公報に記
載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリ
マーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひ
び割れやカールを防止することができる。また、ガラス
転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に
添加しても、カールを防止することができる。
【0166】本発明のインクはインクジェットの記録方
式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用
してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振
動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パル
ス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射し
て、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジ
ェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じ
た圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用い
られる。インクジェット記録方式には、フォトインクと
称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方
式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用
いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方
式が含まれる。
【0167】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0168】[実施例1]下記の成分に脱イオン水を加
え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1
時間撹拌した。その後、KOH水溶液(10mol/
L)にてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミ
クロフィルターで減圧濾過しシアン用インク液(インク
ジェット記録用インク)を調製した。
【0169】 インク液Aの組成: 本発明のシアン化合物(例示化合物101) 20.0g ジエチレングリコール 20g グリセリン 120g ジエチレングリコールモノブチルエーテル 230g 2−ピロリドン 80g トリエタノールアミン 17.9g ベンゾトリアゾール 0.06g サーフィノールTG 8.5g PROXEL XL2 1.8g
【0170】前記フタロシアニン化合物を、下記表8に
示すように変更した以外は、インク液Aの調製と同様に
して、インク液B〜Gを作製した。この際、比較用のイ
ンク液として、以下の化合物を用いてインク液101,
102,103,104を作製した。
【0171】
【化14】
【0172】
【化15】
【0173】染料を変更する場合は、添加量がインク液
Aに含有される染料に対して等モルとなるように使用し
た。染料を2種以上併用する場合は等モルずつ使用し
た。
【0174】(画像記録及び評価)以上の各実施例(イ
ンク液A〜G)及び比較例(インク液101〜104)
のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行
った。その結果を表8に示した。なお、表8において、
「色調」、「紙依存性」、「耐水性」及び「耐光性」
は、各インクジェット用インクを、インクジェットプリ
ンター(EPSON(株)社製;PM−700C)でフ
ォト光沢紙(EPSON社製PM写真紙<光沢>(KA4
20PSK、EPSON)に画像を記録した後で評価し
たものである。
【0175】<色調>上記フォト光沢紙に形成した画像
の390〜730nm領域のインターバル10nmによ
る反射スペクトルを測定し、これをCIE L*a*b
*色空間系に基づいて、a*、b*を算出した。JNC
のJAPAN Color の標準シアンのカラーサン
プルと比較してシアンとして好ましい色調を下記のよう
に定義し、3段階評価を行った。
【0176】 好ましいa*:−35.9以上0以下 好ましいb*:−50.4以上0以下 ○:a*、b*ともに好ましい領域 △:a*、b*の一方のみ好ましい領域 ×:a*、b*のいずれも好ましい領域外
【0177】<紙依存性>上記フォト光沢紙に形成した
画像と、別途にPPC用普通紙に形成した画像との色調
を比較し、両画像間の差が小さい場合をA(良好)、両
画像間の差が大きい場合をB(不良)として、二段階で
評価した。
【0178】<耐水性>画像を形成した上記フォト光沢
紙を、1時間室温乾燥した後、10秒間脱イオン水に浸
漬し、室温にて自然乾燥させ、滲みを観察した。滲みが
無いものをA、滲みが僅かに生じたものをB、滲みが多
いものをCとして、三段階で評価した。
【0179】<耐光性>画像を形成した上記フォト光沢
紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用い
て、キセノン光(85000lx)を7日間照射し、キ
セノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X-Rite31
0TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。
なお、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で
測定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場
合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で7
0%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
【0180】<暗熱保存性>画像を形成した上記フォト
光沢紙を、80℃−15%RHの条件下で7日間試料を
保存し、保存前後の画像濃度を反射濃度計(X-Rite3
10TR)を用いて測定し、色素残存率として評価し
た。色素残存率について反射濃度が1,1.5,2の3
点にて評価し、いずれの濃度でも色素残存率が90%以
上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃
度で90%未満の場合をCとした。
【0181】<耐オゾンガス性>前記画像を形成したフ
ォト光沢紙を、オゾンガス濃度が0.5±0.1pp
m、室温、暗所に設定されたボックス内に7日間放置
し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X
-Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として
評価した。なお、前記反射濃度は、1、1.5及び2.
0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、
APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG
−EM−01)を用いて設定した。何れの濃度でも色素
残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未
満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三
段階で評価した。
【0182】
【表8】
【0183】表8に示される結果から、本発明のフタロ
シアニン化合物を用いたインクジェット記録用インク
は、色相に優れ、紙依存性が少なく、湿度、熱、光及び
オゾンガス等に対して堅牢性の高い画像を形成すること
ができることが明らかである。
【0184】[実施例2]実施例1で作製した同じカー
トリッジを、実施例1の同機にて画像を富士写真フイル
ム製インクジェットペーパーフォト光沢紙EXにプリン
トし、実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1
と同様な結果が得られた。
【0185】[実施例3]実施例1で作製した同じイン
クを、インクジェットプリンターBJ−F850(CA
NON社製)のカートリッジに詰め、同機にて同社のフ
ォト光沢紙GP−301に画像をプリントし、実施例1
と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が
得られた。
【0186】
【発明の効果】本発明によれば、(1)三原色の色素と
して色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光,熱,湿
度および環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有す
る新規なフタロシアニン化合物が提供され、(2)色相
と堅牢性に優れた着色画像や着色材料を与える、インク
ジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱転写型画像
形成材料におけるインクシート、電子写真用のトナー、
LCD、PDPやCCDで用いられるカラーフィルター
用着色組成物、各種繊維の染色の為の染色液などの各種
着色組成物が提供され、特に、(3)該フタロシアニン
化合物の使用により良好な色相を有し、光及び環境中の
活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を
形成することができるインクジェット記録用インク及び
インクジェット記録方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 B41J 3/04 101Y (72)発明者 矢吹 嘉治 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA33 BA55 4C050 PA13 4J039 BC60 BC64 BC75 BC79 CA03 CA04 CA06 CA07 EA35 EA40 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるフタロシア
    ニン化合物を含有することを特徴とする着色組成物。 【化1】 一般式(I)中;R1、R2、R3、R4、R5、R6
    7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
    アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒ
    ドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリ
    ールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、
    アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニ
    ルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スル
    ファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキ
    シ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
    基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、ア
    リールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環
    チオ基、ホスホリル基、またはアシル基を表し、各々は
    さらに置換基を有していてもよい。Z1、Z2、Z3、及
    びZ4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のヘテ
    ロ環基を表す。Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち、少なく
    とも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。
    l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1または2の
    整数を表す。Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、
    金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の着色組成物からなるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表されるフタロシアニン
    化合物が、下記一般式(II)で表されるフタロシアニン
    化合物であることを特徴とする請求項2に記載のインク
    ジェット記録用インク。 【化2】 一般式(II)中;Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ
    独立に、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。但
    し、Z1、Z2、Z3、及びZ4の内、少なくとも1つはイ
    オン性親水性基を置換基として有する。Mは、一般式
    (I)のMと同義である。l、m、n、及びpは、それ
    ぞれ独立に、1または2の整数を表す。
  4. 【請求項4】 一般式(II)で表されるフタロシアニン
    化合物が、下記一般式(III)で表されるフタロシアニ
    ン化合物であることを特徴とする請求項3に記載のイン
    クジェット記録用インク。 【化3】 一般式(III)中;W1、W2、W3、及びW4は、それぞ
    れ独立に、5〜6員含窒素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環
    と他の環との縮合環を形成するのに必要な原子群を表
    す。但し、W 1、W2、W3、及び/又はW4が、6員含窒
    素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と他の環と縮合環を形成
    する原子群である場合、6員含窒素ヘテロ環あるいは縮
    合環を構成する窒素原子数は1個または2個であり、且
    つ原子群W1、W2、W3、及びW4から形成される5〜6
    員含窒素ヘテロ環あるいは該ヘテロ環と他の環との縮合
    環の少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基とし
    て有する。Mは、一般式(I)のMと同義である。
  5. 【請求項5】 イオン性親水性基が、カルボキシル基、
    スルホ基および4級アンモニウム基のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用
    インク。
  6. 【請求項6】 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する
    インク受像層を有する受像材料上に、請求項2〜5のい
    ずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いて画
    像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載される一般式(III)で
    表されることを特徴とするフタロシアニン化合物。
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