JP2009506288A - 電気器具にセラミック製クックトップを搭載する方法 - Google Patents

電気器具にセラミック製クックトップを搭載する方法 Download PDF

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Abstract

セラミック製クックトップをレンジ内に搭載する工程であって、a)セラミック製クックトップ(2)を受容するための開口部を設けたフレーム(5)を供給するステップを備え、この開口部は外周と、この外周から内方に延びた支持面とを設けており;b)ダム(10)を支持面上に提供するステップをさらに備え、このダムは、支持面周囲にかけて連続的に延び、また、クックトップがその底部と支持面の少なくとも一部との間に離間関係を持つことができる高さを備えており;c)クックトップをフレームの開口部内に、クックトップのへりがフレームの側壁から離間した状態で位置決めするステップをさらに備え;d)フレームの側壁とクックトップのへりの間に、流動可能かつ硬化可能なシリコン(11)を付加し、このシリコンを水平化させて、フレームとクックトップの間に目に見える密封部を提供するステップをさらに備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、コンロ、クックトップ、さらに、金属フレーム内に入ったセラミッククックトップ面を設けたレンジ(以降、総称して「コンロ」と呼ぶ)の製造に関する。
家庭使用向けのコンロはガラスセラミック(「セラミック」)製の調理面を設けていることが多い。この調理面の下には、ニッケルクロームワイヤのような抵抗ワイヤ、または石英ハロゲンランプによって加熱されるセラミック製の最上部が搭載されている。クックトップ面は色および/または質感が付加されていることが多く、また一般的には、加熱コイルが露出した従来の電気式クックトップと比較して美的に改善されていると考えられる。クックトップは通常「セラミック」と呼ばれるが、時に「ガラスセラミック」とも呼ばれる。
独立型コンロ、レンジ、および落としこみ式クックトップユニットにおいては、「レンジ」1(図1)は頂面5を設けており、この頂面5はスチール型押しによって成形され、内部にセラミック製クックトップ2が位置決めされる開口部を設けており、開口部はさらに、へりまたは側壁8(図3)、およびセラミック製クックトップ支持面5aによって特徴付けられている。美的な理由から、セラミック製クックトップを、外部クランプまたはリングを使用せずに凹部内に配置することが望ましい場合が多い。図2に示すように、密封用化合物6、一般にはシリコンが、金属フレームとセラミック製クックトップの間の隙間を充填する。
従来、クックトップを搭載するために採用される方法は労働力を要し、散らかりが生じてしまうものであった。まず、(図3、図4を参照すると)接着剤パッド7を供給するロールから両面式の接着剤スペーサパッド7を手作業で付加し、紙を取り除く。次に、セラミック製クックトップを開口部内に中心決めし、パッド上に押圧する。パッドによって、クックトップが金属フレーム5と接触しない状態に維持され、セラミック製クックトップ2と支持面5aの間に空間が得られ、この空間を密封剤6で充填することができる。セラミック製クックトップのへりとセラミック製クックトップの受容穴の間の隙間を充填するだけでなく、密封剤をクックトップの下に、符号5aに沿って押入することが望ましい。密封剤が硬化すると、その接着性質はクックトップを適所に保持する大きな役割を果たす。
密封剤の付加は手作業で行われるが、密封剤は流動し難い、好ましくは揺変性のものでなくてはならず、この条件を満たしていないと、図3中の符号6cで示すように、密封剤が接着剤パッド7を超えて流れ、クックトップの下の空間内へ流れ込んでしまうことになる。付加する密封剤の量が多過ぎるだけでも、密封剤の滲出が生じてしまう。密封剤はその硬い性質のために、クックトップとフレームの間の空間内に、いくらかの困難を伴って強制的に押入しなければならず、さらに、密封剤付加の直後に、手作業用工具を使用して滑らかで均等な表面を提供する必要がある。多くの場合、所望の美観を得るには複数の「通過点」を経る必要があり、最後の掃除では硬化した密封剤をかみそりの刃で除去する工程が含まれる。セラミック製トップを取り外してコンロの一部を再加工し、コンロおよびシリコンで出来たフレームを掃除し、セラミック製トップを再び搭載することは珍しいことではない。一般にシリコンは水溶性ではなく、厚みと粘着性があるため、動作全体はかなり散らかりを生じるものとなる。
組み立ておよび仕上げに伴う手作業ステップのいくつか、好ましくは殆どまたは全て排除した状態で、セラミック製クックトップを金属フレーム内に迅速かつ均等な方法で密封および接着結合することが望ましい。手作業による機械工作または掃除を殆どあるいは全く行わずに、クックトップの下における接着密封剤の幅を均等にし、密封剤表面を美的なものにすることがさらに望ましい。
セラミック製クックトップを、内周部周囲に供給されたダムによる支持面を設けた金属フレーム内に、ダム上に位置決めした形で搭載し、計量した低粘性で自己水平化型の硬化可能なシリコンを、クックトップと金属フレームの間に注入する。硬化可能なシリコンは支持面の内周部がダムから離れることを防止し、また、上方へ延びることで、セラミック製クックトップのへりと金属フレーム間の隙間を均等に充填する。
したがって、本発明の課題はセラミック製クックトップをコンロ内に搭載する工程を提供することであり、この工程は、
a)前記セラミック製クックトップを受容できる寸法の開口部を有するフレームを供給するステップを備え、前記開口部は外周部と、前記開口部の外周部から内方へ延びた支持面とを有し、前記支持面と開口部の外周部はこれらの間に延びている側壁によって接続しており、前記セラミック製クックトップは底面、頂面、前記頂面と底面を接続するへりを有し、
b)支持面にダムを提供するステップをさらに備え、前記ダムは、前記支持面の周囲に連続的に延びており、また、前記セラミック製クックトップが、前記フレームの開口部内の、前記ダム上に位置決めされた際に、前記セラミック製クックトップの底面と支持面の少なくとも1つの位置との間に離間関係を有する高さを有し、
c)セラミック製クックトップを前記フレームの開口部内に位置決めするステップをさらに備え、この場合、前記セラミック製クックトップの底面が前記ダム上に配置され、前記セラミック製クックトップのへりは前記フレームの側壁から離間しており、
d)前記フレームの側壁と前記セラミック製クックトップのへりとの間に流動可能かつ硬化可能なシリコンを付加し、前記シリコンを水平化させて、前記フレームと前記セラミック製クックトップの間に目に見える密封部を提供するステップをさらに備える。
レンジのいわゆる金属フレームは従来の方法で作成することができる。一般的に、図3〜図8に示すように、レンジには開口部が設けられており、この開口部内に厚さがセラミック製クックトップおよびダム(以降で説明)の厚さを収容する深さを持ったセラミック製クックトップ、凹んだ平縁、「支持面」5aが受容されて、金属フレームの頂部5およびセラミック製クックトップ2の頂部と実質的に同一平面をなすようになっている。デザインによっては、これらの表面が同一平面をなさないことが望ましいものもある。
本発明の鍵は、特に或る既知の量の、自己水平化能力のある低粘性シリコン密封剤を使用できる能力である。従来技術の処理では、このようなシリコン密封剤は、単に接着剤パッドの上を流れ、クックトップの下の空間に少量ずつ流れ落ちてしまうため、使用できなかった。
さらに、使用する密封剤の量を、クックトップ2と支持面5aの間の空間に侵入する深さによって、また、接着パッドの形状、サイズ、位置によって変更できる。
「ダム」を、好ましくは支持面の内縁または「外縁」に近接させて、あるいはセラミック製クックトップの外縁から離間させて、また好ましくはこれと平行して形成することにより、レンジ内部に液状シリコンが流入することを防止できる。図5、図6、図7では、このようなダムを参照符号10で示している。さらに、ダムは高さと配置が均一であることから、必要なシリコンの容量を妥当な精密性で測定または計算できるので、分注用ロボットツールの採用が可能である。やはり自己水平能力のあるシリコンを丁度適量注入することにより、シリコン注入後にクックトップをそのまま放置しておけば、シリコンはフレームとセラミック製クックトップの間で滑らか且つ均等で、さらにきれいな密封部を形成する。ほとんどの場合、手作業でのツール作動や掃除は不要である。
ダムは3つの明確な方法によって供給することができ、この方法のそれぞれは本発明の実施形態である。第1の、最も好適な実施形態では、ダムは、均等に付加するためにロボット手段により付加することが好ましい、急速に固体化するエラストマおよび/または接着剤のビーズとして供給される。この実施形態では、急速に固体化する接着剤はあらゆる化学タイプのホットメルト接着剤であってよく、例えば、耐熱および抗酸化タイプのシリコンホットメルト接着であってよい。しかし最も好適になのは、急速にゴム状に硬化する、非常に高粘性および/または揺変性の硬化可能な接着剤でダムを構成することである。いずれの場合でも、上述のとおりに製造されたビーズは、粘着性のあるゴム状エラストマの特徴を有していなければならない。
このビーズには粘着性があることが好ましいが、これは、一旦位置決めしたクックトップが、製造中、あるいは後に付加する自己水平化シリコンの硬化期間中に何かがぶつかったり誤って(または故意に)傾けられても動じないようにするためである。しかし、このビーズは粘着性以外にも、エラストマ産業において「かえるのような手」として知られている、自体には粘着性がないのに滑らかな面を掴持できる傾向をエラストマに提供する特徴を設けていてよい。しかし、クックトップを位置決めした後のコンロの傾きや衝突を防止すれば、ビーズは適度な設置機能、並びに液体シリコンがビーズを超えて流れることを妨げる能力(「ダム」機能)のみを提供する。このような場合には、非粘着性で、適度にのみ変形可能なエラストマまたはポリマを使用できる。
オルガノポリシロキサン(シリコン)は非常に有利な特徴を複数有するため、この急速に固体化する接着剤はシリコン接着剤であることが好ましい。特に、シリコンは比較的高温に対しても耐性があるため、全てのバーナーを長時間使用する状況であっても、クックトップ外周付近で予想される温度に容易に耐え得る。さらに、シリコンは酸化的に安定しているため、長期間にわたる使用の後にも、長い寿命と弾性の継続が期待できる。
ホットメルトタイプではないシリコンビーズを使用する際には、任意の急速に硬化するタイプのものを使用できる。適切なシリコンは、例えば過酸化物硬化、縮合硬化、付加硬化タイプのものである。硬化速度が相当に速いものが最も望ましいため、二構成型の付加硬化システムが好適である。このようなシステムは市販されており、またフォーミュレーションが容易である。採用するオルガノポリシロキサンは反応グループに加えて、例えばメチル、エチル、プロピル、フェニール、クロロフェニール等のようなあらゆる有機グループを含有してよいが、これらに限定はされない。ハロゲン化、また特にフッ素化処理したアルキル基、例えばヘキサフルオロプロピル基やヘパフルオロプロピル基が存在していてもよい。経済的な理由から、メチル基とフェニール基が好ましく、メチル基が最も好ましい。したがって、好適なエラストマは実質的にポリジメチルシロクサンである。
ヒドロシリル化によって硬化する付加硬化可能なシリコンエラストマにおける反応グループは、Si結合水素、Si−C結合エチレン性またはエチリン性不飽和である。α‐、ω‐シリコン、並びに付属の反応基を含有したシリコンの使用が可能である。硬化の堅さは一般的には交差結合密度に影響され、交差結合密度が高いほど、より高い硬度のエラストマが得られる。充填剤やチキソトロープ剤を用いていない場合には、未硬化状態での粘着性は個々のオルガノポリシロキサンの鎖長によって、さらに、分子重量によって大きく決定される。充填剤、特に微粒子サイズの充填剤を追加することで粘着性が増加し、さらに、粘着性規制装置および/または流れ規制装置と同様に、合成チキソトロープ剤を加工することができる。
急速に凝固するダムに使用できる材料のさらなる例には、特に耐熱のためにフッ素化合物を採用しているエポキシ樹脂ベースのエラストマ、さらにポリウレタンがある。この他にもシアン酸塩樹脂、ビスマレイミド樹脂等のような硬化可能なポリマ系を使用できるが、この場合はコスト高となることが多い。ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、これらの混合物、その他類似のものを基本とするホットメルト接着剤の使用も可能である。しかし、隆起したポリマビーズまたはダムをシリコンエラストマで構造することが好ましい。ホットメルト接着剤を採用する場合には、付加後に熱硬化ポリマと交差結合するタイプのもの、あるいは温度を上昇させると熱的に安定するタイプのものであってよく、この例として、ポリアミド6、ポリアミド6、6、ポリアミド6、12、その他のような脂肪族ポリアミドが挙げられる。
シリコンまたは他のダム材料の使用を最小に抑えて経済性を高めるために、付加したビーズは断面が半円形となり、この半円形の平坦な側部がフレームの表面と当接した状態となることが好ましい。しかし実際には、垂直方向に平坦な形状あるいは楕円形となり、また原理上、セラミック製のクックトップを設計高さに維持するだけの十分な高さがあれば、断面がかなり幅広い(かなり平坦な)形状であっても構わない。適切なシリコンエラストマのフォーミュレーションには二構成型のRTV−2エラストマであるELASTOSIL(登録商標)RT722があり、ミシガン州エイドリアンにあるWacker Chemical Corporation、ドイツ、ミュンヘンにあるWacker Chemie AGから市販されている。このエラストマ化合物の硬化時間は、150℃の温度で10分間である。この硬化時間は、これよりも長い硬化化合物によって製造サイクルが遅速化されたり、いくつかの化合物においては幅広いビーズのみを作成できる流れを許容する場合においてのみ重要である。寸法的に安定したビーズを提供し、後により完全に硬化する初期硬化も問題なく許容できる。硬化時間は5〜20分間であることが好ましく、これよりも短い硬化時間は付加時間によって制限される。即ち、エラストマは「ガン」の内部にある間は硬化すべきではない。
特に、空気圧ガンを採用して適量の材料の吐出を行えば、急速に硬化するポリマビーズを手作業で配置することができる。しかし、手作業による技術は避けるべきであり、従来どおりロボットを採用することが非常に好ましい。一般に、このようなロボットは、急速に硬化可能なポリマが内部に流れるノズルまたは「ガン」を案内するための人工アームを含んでいる。ロボットを適用することには、製造中に手作業によるステップを排除するだけでなく、濃度を遥かに高められるという明らかな利点がある。ビーズは、後で付加される流動するシリコンの流れをせき止める少なくとも1つの実質的に連続したダムを製造する形で付加されなくてはならない。連続したダムの小さい「隙間」は、実質的にダムを超えた漏出が生じない限りは許容される。連続したビーズの最終ビーズは開始ビーズと当接していたり、開始ビーズの側部に重なっていてよく、また、これ以外の、実質的な低粘性のシリコンがダムを超えて漏出し、コンロトップ内に流れ込むことを防止する任意の終端形式であってもよい。
第1の実施形態よりは好適性に欠ける第2の実施形態では、手作業または機械(即ちロボット)によって、既に固体化しているエラストマを付加している。このような1つの実施形態では、適切な厚みの両面接着テープの連続ロールを手作業で付加するか、あるいは好ましくはロボット手段によって付加する。手作業で付加する場合には、例えば、連続した直線細片を使用して、この直線細片の縁どうしを当接させて連続したダムを提供するか、あるいは、縁周囲で屈曲する長い細片を使用することができる。このような使用では、縁周囲での屈曲を容易にするために、細片の幅を広くし過ぎないようにすることが好ましい。これと同じ使用モードをロボットによって実施することができ、これは手作業による方法よりも好ましい。特に手作業の場合、セラミッククックトップから離間する支持面に、正確なダムの配置または位置決めを補助するための溝、段、その他の設置装置を設けて製造できる。急速に硬化するダムでは、連続ダムの「隙間」は、低粘性シリコンがダムを超えて漏出することを防止できる十分に小さいものでなければならない。
第3実施形態では、図8の5bに示すように、例えばフレームを型押しする際に、同時にダムの型押しも行うことによって、支持面自体に隆起したダムを提供している。この実施形態では、ダム自体には位置決め抑制能力はない。例えば、セラミック製クックトップを位置決めしても、もしコンロが傾斜すればクックトップは滑ったり、容易にその位置から動いてしまう。しかし、ダムに接着剤または粘着物質を噴霧すれば、この抑制特徴を得ることができる。この場合、ダムは既に位置決めされており、接着剤の噴霧を非常に迅速に完了できるため、接着剤または粘着物質の手作業による噴霧が可能である。
そのため、用語「ダム」は、支持面の内縁とフレームの開口部の側壁の間に設けられ、セラミック製クックトップを開口部内のダム上に位置決めした後に、流動可能なシリコンがダムを超えて流れることを排除または実質的に排除する、支持面の高さよりも上に隆起した範囲を幅広く意味する。「実質的に排除する」とは、流動可能なシリコンのコンロトップ内部への流れ込みを、処理の商業的な実行可能性が欠陥を生じない範囲内で防止する ことを意味する。少量の漏出は許容できるが、しかしこの量は、実際に掃除が必要とならない程の十分に少ない量でなければならず、ダムとセラミック製クックトップの底面との間の外縁全体にわたって、またはダムの小さい隙間内において好ましくは10mL未満、より好ましくは5mL未満、最も好ましくは1mL未満である。最も好ましくは、隔離された液滴、または全く流動不能なシリコンのみがダムを通過する。「ダム」はさらに、このような漏出を防止できる連続した構造、即ちループ状の構造を意味する。非連続部分を設け、これを通って、またはこれを超えて相当量の流動可能なシリコンが流れてしまう非連続的な構造は、本発明の範囲のダムには包括されない。しかし、ダムは、1つの一体型で閉鎖した構造である必要はない点に留意するべきである。例えば、ダムを隆起した螺旋形状にして、流動可能なシリコンが通ることができる入口から出口までの間の経路が非常に長いために、螺旋から出てコンロ内に入る流れが、流動可能なシリコンの粘性と表面張力、またはその硬化速度によって防止されるようにした場合、並びに、複数の同心リングを使用し、隣接したリングどうしの間をつなぐ開口部を設けて、流動可能なシリコンが流れる迷路状の経路を提供する場合は本発明の範囲内に包括される。原則的に考慮されるのはダムの機能、流動可能なシリコンの相当量の漏出の防止、支持面とセラミック製クックトップの間の適切な間隔の維持であり、ダムの厳密な形状ではない。
どのダム構造方法(またはこれらの組み合わせ)を使用するかに関係なく、クックトップは支持面の上に、フレームのへり8と適切な空間関係を保った状態で配置される。この動作は、ロボットで実施する場合にも好ましい。
最後に、セラミック製クックトップのへり9とフレームのへり8の間に粘着性の低い硬化可能なシリコン(11)を付加する。このシリコンの付加は、手作業で行うことが可能であり、従来の粘着性の高いシリコンの付加よりもずっと短時間で済むが、ロボットでの付加が遥かに好適である。手作業でのシリコン付加はいくらか時間の節約にはなるが、非常に熟達した作業員であっても、シリコンをへり8、9の間で均等かつ美的な密封部として自己水平化させるために要求される精密度を満たすことができないため、一般的にはやはり手作業での工具仕上げが必要になる。その一方で、ロボットによる接着剤の容量出力、直線速度、その他は微細な範囲内で容易に調整することができるので、手作業による機械工作は必要ない。したがってロボットの使用が好ましい。分散させるシリコンの量は、ダムと、へり8、9の間の表面高さとの間に封じ込まれた容量から計算する。クックトップの隅の外縁を「ダム」が追随していない場合には、搬送速度を調整することで、この部分により多量のシリコンを供給することできる。
シリコン化合物は、比較的粘性が低く、ゲル時間が中程度の付加硬化可能型化合物であることが好ましい。シリコンは自己水平型であることが望ましい、即ち全ての空隙を充填するべく流れ、セラミック製クックトップのへりとコンロトップのフレームとの間に滑らかで水平な密封部を形成することが望ましいため、ゲル時間と粘性は本質的に反比例関係にある。化合物の粘性が高いほど、ゲル化までにより長い流動時間が必要となる。実質的にこれと同じ理由で、シリコン中の微粒子の量は、一般にコルクまたは従来の密封剤中の微粒子量よりも遥かに少ない。この化合物は、グラウンドチョーク、チタニア、黒色の透明な酸化鉄、カーボンブラックのような顔料を採用して白色、グレイ、黒色に着色されることが多い。殆どの顔料の場合においてそうであるように、一般に、必要なのは比較的少量だけである。化合物を無色、且つ半透明または透明のまま残すことが望ましい場合もある。このような化合物の場合には、どのようなタイプの充填剤も使用されないか、または、粒子サイズが非常に小さいシリカやチタニア、好ましくは前者、即ち薫蒸シリカが使用される。硬化時間は好ましくは5〜30分であり、より好ましくは5〜20分である。硬化時間をこれよりも遥かに長くしたり、さらには、先述したように、コンロを使用する場合にのみ完全硬化が生じるようにしてもよいが、これは望ましくない。
先述したポリマダムもののような付加硬化シリコン化合物は、Si結合エチレン性またはエチリン性不飽和の両方、およびSi結合水素、ヒドロシリル化触媒を含有している。ゆっくりと硬化する化合物が望ましいため、一般に、触媒の量は、急速に硬化するビーズシリコンの量よりも少なくする。ゲル時間と硬化速度を変更するため、さらには、これらの速度を変化する気候条件、即ち製造施設内の温度に合わせて調整するために、当業者はこの触媒の量を容易に変更することができる。
無論、これ以外のタイプの、硬化が過酸化物によって促進される硬化可能な液体シリコンや、凝縮硬化系を採用することもできる。この凝縮硬化系は、例えば、シラノール機能性オルガノポリシロキサン、アルコキシシラン、アルコキシシロキサンを交差結合剤として採用したもの、あるいは、Si結合水素を有する、シラノール機能性オルガノポリシロキサン、シランまたはシロキサン(ポリシロキサンを含有)である。このような硬化可能なRTV−2、LTV−2シリコンエラストマはよく知られており、多くの供給業者から市販されている。事実上はRTV−1化合物を使用できるが、この化合物は好ましくなく、コンロを例えば熱トンネル等の中で加熱できる場合には、触媒や、または中程度に上昇させた温度にて始動されるインジケータを含んだRTV−1化合物を使用することが可能である。しかし、硬化するために温度の上昇を要するエラストマは望ましくない。
硬化可能で液体である自己水平化型シリコン化合物の付加時における粘性は、好ましくは10mPa・s〜100,000mPa・s、より好ましくは5,000〜15,000mPa・s、最も好ましくは8,000〜10,000mPa・sである。粘性が9,000mPa・sの化合物(温度は25℃)が非常に有利であることが分かっている。この適切な粘性は、セラミック製クックトップのへりと金属フレームの間の分離距離、セラミック製クックトップ底面と支持面の間の分離距離を含む多くの要素に依存するため、特定の用途ではこれよりも粘性の高いまたは低いシリコンも有効である。化合物が流動および水平化するのに十分な時間を設けられるよう、シリコン付加後の粘性は適度なペースで増加しなければならない。硬化は、例えば10〜15分間(これに限定されるものではない)の後に完了段階に達し、この間に密封剤を損傷せずにコンロまたはコンロトップを操作することができるが、完全な硬化は、数日または数週間を越える期間に延長したり、あるいは、電気器具の温度が上昇すればこの電気器具の使用中に達成することも可能である。自己水平型シリコンは、一般に15〜30℃の周囲温度で、またはこれよりも高い、例えば最高150℃(これに限定はされない)の温度で硬化できる。
流動可能で粘性の低い好ましいシリコンは、粘性が6,000〜9,000mPa・sの二構成型の付加硬化可能なシリコンであり、最も好ましいのは、Wacker Chemie AGおよびWacker Chemical Corporationより市販されているELASTOSIL(登録商標)RT749である。これらのシリコンの硬化時間は、150℃の温度で10分間である。
したがって、本発明による好ましい処理において、図6に図示すように、コンロトップにはセラミック製クックトップ2を受容する寸法のフレーム5があり、このフレームは支持面5aを備えており、急速硬化型で非常に高粘性のRTV−2シリコン11をノズルまたは「ガン」12から吐出するロボットの届く範囲内に位置している。このシリコン吐出によって、支持面上また事前に画定された場所に、粘着性のあるシリコンエラストマの、隆起し実質的に半円形のビーズまたは「ダム」10が形成される。ビーズは支持面のへりと平行で、あるいは後に付加するセラミック製クックトップのへり位置と平行であり、また、フレームの位置とダムの配置は、ビーズが同タイプの各コンロのフレームに対して常に同一の位置を占めるものであることが好ましい。ダムは実質的に連続しており、後に付加される流動可能なシリコンがダムを超えて漏出することを防止できるようになっている。
次に、第2のロボットが、セラミック製クックトップをフレームの開口部内に位置決めする。この場合、セラミック製クックトップの下方面が隆起したシリコンのビーズ(ダム)上に配置され、「密封」容量が、ダムの外周部からフレームの側部またはへりに向かって外方へ延び、さらに、クックトップとフレームの頂部高さにまで、あるいはクックトップとフレームの高さが異なる場合にはこれらよりも下の位置にまで上方向に延びた形で画定される。
最後に、さらに別のロボット(または、さらなるシリコン供給部および/またはノズルを装備した同じロボット)が、流動可能なシリコン11をクックトップの外周周囲の、フレームとクックトップの間に、定義された密封容量と実質的に同量だけ吐出する。流動可能なシリコンは、定義された密封容量を充填して自己水平化し、固形化(硬化)時には、フレームのへりとクックトップのへりの間に歯のない密封部13を形成する。
上述した好ましい実施形態では、無論、1または2台のロボットに、説明した全ての機能を実行させることが可能である。さらに、コンロトップをロボットへ、またはロボットをコンロトップへ移動させることも可能である。最も好ましく経済的な製造方法は、コンロまたはコンロトップを、各ロボット機能を実行するべく十分な長さで延びた状態で休止している3台のロボットを経て、コンベヤ上に移送すると考えられる。明らかに多くの応用形が可能である。
これよりも好適性に欠ける実施形態では、実質的に、好ましい実施形態は以下に述べるが、ある程度変形型である。例えば1つの実施形態では、ダムは、流動可能なシリコンの使用と同様にロボットを使用する。しかし、クックトップは手作業によって配置される。別の実施形態では、ポリマダムの使用は実施されず、むしろ、図8の参照符号5bで示すように、ダムと同じ機能を提供する隆起した区間を設けた支持面を代わりに使用している。
コンロトップから同一モデルのコンロトップに同じ方式でポリマダムを使用することは、単純化の理由から好ましいが、無論、ロボットによって使用されるダムの位置、幅、高さ等を変更したり、データをハードウェアまたはソフトウェアに保存しておき、それぞれのユニットについて密封容量を計算できるようにすることが可能である。しかし、明らかに本発明の範囲内に包括されるこの実施形態は好ましくはない。
「ダムを提供する」のような用語はダムが存在していることを意味し、この場合、ダムが、シート金属からフレームを型押し成形する際に製造された金属の隆起部分として供給されたか、または固体接着剤の連続した細片として、あるいは急速に固体化する接着剤の連続ビーズとして供給されたかは関係ない。「支持面」という用語は、セラミック製のクックトップがダムを仲介して上に配置される、フレームの内方へ延びた部分、また、通常はフレームの水平に延びた部分を意味する。この支持面はフレームと一体化していることが好ましいが、別個に製造しフレームに取り付けてもよい。本発明の行程に固有の高い位置への位置決めの精度により、支持面の幅を、接着パッドが搭載される従来技術の支持棚幅よりも狭くすることができる。先述したように、「コンロ」とは、コンロ、レンジ、落とし込み式クックトップ、その他を含む。「流動可能な」とは、粘性の限度によって定義されていない場合には、重力の影響下で自己流動する化合物を意味する。
本発明の実施形態を例証および説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の全ての可能な形態を例証および説明することを意図したものではない。むしろ、本願明細書中で使用した用語は制限するより説明するための用語であり、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り様々な変更が可能であることが理解されるべきである。
セラミック製クックトップを設けた独立型のレンジを示す。 レンジ頂部の接近図であり、クックトップとフレームの間の密封剤を示している。 従来技術による、セラミック製クックトップの搭載工程を示す。 従来技術による、セラミック製クックトップの搭載工程を示す。 本発明によるセラミック製クックトップ搭載工程の実施形態を示す。 本発明によるセラミック製クックトップ搭載工程の実施形態を示す。 本発明によるセラミック製クックトップ搭載工程の実施形態を示す。 本発明による支持面とダムのさらなる実施形態を示す。

Claims (20)

  1. セラミック製クックトップをコンロ内に搭載する工程であって、
    a)前記セラミック製クックトップを受容できる寸法の開口部を有するフレームを供給するステップを備え、前記開口部は外周部と、前記開口部の外周部から内方へ延びた支持面とを有し、前記支持面と開口部の外周部はこれらの間に延びている側壁によって接続しており、前記セラミック製クックトップは底面、頂面、前記頂面と底面を接続するへりを有し、
    b)支持面にダムを提供するステップをさらに備え、前記ダムは、前記支持面の周囲に連続的に延びており、また、前記セラミック製クックトップが、前記フレームの開口部内の、前記ダム上に位置決めされた際に、前記セラミック製クックトップの底面と支持面の少なくとも1つの位置との間に離間関係を有する高さを有し、
    c)セラミック製クックトップを前記フレームの開口部内に位置決めするステップをさらに備え、この場合、前記セラミック製クックトップの底面が前記ダム上に配置され、前記セラミック製クックトップのへりは前記フレームの側壁から離間しており、
    d)前記フレームの側壁と前記セラミック製クックトップのへりとの間に流動可能かつ硬化可能なシリコンを付加し、前記シリコンを水平化させて、前記フレームと前記セラミック製クックトップの間に目に見える密封部を提供するステップをさらに備える工程。
  2. 前記ダムは、付加された急速に硬化するポリマのビーズを備えている、請求項1に記載の工程。
  3. 前記急速に硬化するポリマはRTV−2シリコンエラストマである、請求項2に記載の工程。
  4. 前記RTV−2シリコンエラストマは付加硬化可能タイプのエラストマである、請求項3に記載の工程。
  5. 前記急速に硬化するポリマは、断面が半円形または平坦な半円形のダムを形成する、高粘性および/または揺変性を持った化合物である、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の工程。
  6. 前記ダムはロボットによって前記支持面に付加される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の工程。
  7. 前記セラミック製クックトップはロボットによって前記開口部内に位置決めされる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の工程。
  8. 前記流動可能かつ硬化可能なシリコンはロボットによって付加される、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の工程。
  9. 前記ステップb)、c)、d)のうち少なくとも2つがロボットによって実行される、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の工程。
  10. 前記ダムは、前記ダムの内周から前記目に見える密封部の頂部まで延びた密封部容量を画定する方式で付加され、前記密封部容量と同量の流動可能なシリコンが付加される、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の工程。
  11. 前記流動可能なシリコンはロボットによって供給される、請求項10に記載の工程。
  12. 前記ステップd)の後には手作業用工具または掃除は不要である、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の工程。
  13. 前記ダムは、前記支持面に付加された固体エラストマによって形成されている、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の工程。
  14. 前記固体エラストマは、ロボットによって連続した細片の形状に付加される、請求項13に記載の工程。
  15. 前記ダムは前記支持面の隆起部分として提供される、請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の工程。
  16. 前記隆起部分は金属型押し動作によって提供される、請求項15に記載の工程。
  17. 前記ステップc)の前に、前記隆起部分は粘着性物質で被覆される、請求項15に記載の工程。
  18. 前記流動可能かつ硬化可能なシリコンは付加硬化可能なシリコンである、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の工程
  19. 前記流動可能かつ硬化可能なシリコンは、25℃の温度で6,000〜9,000mPa−sの初期粘性を有する、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の工程。
  20. 金属フレーム内のセラミック製クックトップを有し、この内部に、請求項1の工程によって製造したシリコン密封部を有するコンロ。
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