JP2009257378A - 軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブッシュの軸方向端面とダストシールとの間に潤滑油が漏出するのを抑え、給脂圧力によるダストシールの抜出し防止を図るようにする。
【解決手段】 環状ブロック体20A、リップ部20Bおよび切欠き溝20Cからなるダストシール20にシール突起20Eを一体に形成する。このシール突起20Eは、断面矩形状をなす環状ブロック体20Aのうちブッシュ当接面20A2 の径方向内側部位からリップ部20Bとは逆向きに突出してブッシュ14の面取り部14Eに内側から被さるように当接する。このため、グリース等の潤滑剤をブッシュ14と連結ピン17との間に給脂したときに、潤滑剤の一部がブッシュ14の端面14Dとダストシール20の環状当接面20A2 のとの間に廻り込むように漏出するのをシール突起20Eにより防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に装備される作業装置のピン結合部等に好適に用いられる軸受装置に関し、特に、外部からの異物侵入を抑えるためのダストシールを備えた軸受装置に関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、例えば土砂等の掘削作業を行うために車体の前部側にブーム、アームおよびバケット等からなる作業装置を備えている。そして、該作業装置のブームとアームの間、アームとバケットとの間等には、両者間を互いに回動可能に連結する軸受装置が設けられている。
この種の従来技術による軸受装置は、前記ブーム、アームおよびバケットのうちいずれか一方の部材に設けられ内周側がブッシュ嵌合穴となった筒状のボス部材と、該ボス部材のブッシュ嵌合穴に嵌着して設けられた円筒状のブッシュと、該ブッシュの内周側に挿通され前記ボス部材を相手方部材に回動可能に連結する連結ピンと、前記ブッシュの軸方向両端側に位置して前記ボス部材と連結ピンとの間に設けられたダストシール等とにより構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−90400号公報
そして、この場合のダストシールは、例えば連結ピンとブッシュとの摺動面に外部からの異物(ダスト、雨水等)が侵入するのを抑えるため、ボス部材の内周面と連結ピンの外周面との間に配置される。即ち、ダストシールは、ボス部材の内周側に締代をもって嵌合される筒状の嵌合筒部と、該嵌合筒部の端部から径方向内向きに延び前記ブッシュの軸方向端面に面接触状態で当接するブッシュ端面当接部と、該ブッシュ端面当接部の径方向内側部位から前記ブッシュとは反対方向に斜め内向きに傾斜して延び先端側が前記連結ピンの外周面に摺接するリップ部とを含んで構成されている。
また、ダストシールは、筒状の嵌合筒部をボス部材の内周側に挿嵌することにより該ボス部材に固定的に取付けられ、この挿嵌状態ではリップ部を連結ピンの外周面に弾性的に摺接させる。これによりダストシールは、外部からの異物が軸受装置内に侵入するのを防止できる。また、ダストシールのリップ部は、軸受装置にグリース等の潤滑剤を給脂するときに、この潤滑剤をボス部材内に均一に充填するための弁の役目を果たすものである。
ところで、上述した従来技術では、ダストシールに設けたブッシュ端面当接部がブッシュの軸方向端面に単に接触するように当接しているだけである。このため、ダストシールのブッシュ端面当接部とブッシュの端面との間には、軸受装置のブッシュと連結ピンとの間に給脂されたグリース等の潤滑剤の一部が漏出することがある。
そして、ダストシールのブッシュ端面当接部側に漏出してきた潤滑剤は、その給脂圧力によりダストシール全体をボス部材(ブッシュ嵌合穴)の軸方向外側に向けて押圧するように作用し、これが原因となってダストシールがボス部材の内側から外側に、即ちブッシュの端面から離れて相手方部材の方向へと抜出してしまう虞れがある。
一方、前述した特許文献1による従来技術では、このようなダストシールの抜出し防止を図るため嵌合筒部の外周側に凸状の抜止め部を設けている。しかし、嵌合筒部の外周側に凸状の抜止め部を形成すると、例えば金型等を用いたダストシールの成形作業、型抜き作業等に余分な手間が掛かり、ダストシールを成形、加工する上での作業性が低下するという問題がある。さらに、凸状の抜止め部により嵌合力が不均一になるため、シール力も不均一になる虞れがある。
しかも、このような抜止め部をダストシールの嵌合筒部に追加して設けた場合でも、ダストシールは、ブッシュ端面当接部側に漏出してきた潤滑剤の給脂圧力によりブッシュの端面から離れる方向に押圧され、ボス部材の内側から外側へと押し出されることがあり、ダストシールの抜止め効果を必ずしも十分には期待することができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、外部から給脂された潤滑剤の一部がブッシュの軸方向端面とダストシールとの間に漏出するのを抑え、給脂圧力によるダストシールの抜出し防止を図ることができるようにした軸受装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、内周側にブッシュが嵌着して設けられたボス部材と、前記ブッシュの内周側に挿通され前記ボス部材を相手方部材に回動可能に連結する連結ピンと、前記ブッシュの軸方向両端側に位置して前記ボス部材と連結ピンとの間に設けられたダストシールとを備え、前記ブッシュの軸方向端部には、その内周側に位置し前記連結ピンをブッシュ内に挿通するときのガイド面となるテーパ状の面取り部を形成してなる軸受装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ダストシールを、横断面が矩形状をなす環状のブロックとして形成され、外周側が外側嵌合面となって前記ボス部材の内周側に締代をもって嵌合し、軸方向の一側面が前記ブッシュの軸方向端面に面接触状態で当接するブッシュ当接面となった環状ブロック体と、基端側が前記ブッシュ当接面の径方向内側に位置して前記環状ブロック体に一体形成され、先端側が前記ブッシュとは反対方向へと漸次縮径するように斜めに延びて前記連結ピンの外周面に摺接するリップ部と、前記ブッシュ当接面とは軸方向の反対側に位置し、前記環状ブロック体の内側面と該リップ部との間を全周にわたって切欠くことにより形成された切欠き溝と、前記ブッシュ当接面の径方向内側位置から前記リップ部とは逆向きに突出し、前記ブッシュの面取り部に被さるように当接するシール突起とにより構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記ダストシールの環状ブロック体は、径方向外側に位置し前記ボス部材の内周面に嵌合される前記外側嵌合面と、該外側嵌合面の軸方向一側から前記ブッシュの軸方向端面に沿って径方向内側に延びた前記ブッシュ当接面と、該ブッシュ当接面とは軸方向の反対側に位置し前記相手方部材に対向して配置される外側端面と、前記外側嵌合面とは径方向の反対側に位置し前記リップ部との間で前記切欠き溝を形成する内側面とを有する構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記ダストシールは軟質の弾性体により形成し、前記環状ブロック体は、径方向の厚さ寸法を前記ブッシュよりも薄く、かつ該ブッシュの厚さ寸法に対して1/2以上となる寸法に形成する構成としている。
一方、請求項4の発明によると、前記ブッシュの面取り部は、予め決められた角度αで傾斜したテーパ面により形成し、前記ダストシールのシール突起は、該テーパ面に対して先端が接触した状態で被さる構成としている。
また、請求項5の発明によると、前記ダストシールのシール突起は、前記ブッシュ当接面の径方向内側位置から断面三角形状をなして突出する構成とし、その先端部が前記連結ピンの軸線と平行な直線となす角度βは、前記テーパ面が前記直線となす角度αよりも小さい角度に設定している。
また、請求項6の発明によると、前記ダストシールの環状ブロック体には、前記外側嵌合面の全周にわたって凹凸面を形成する構成としている。
さらに、請求項7の発明によると、前記ダストシールは、その一部または全部にウレタンゴム、ニトリルブタジェンゴム(NBR)又はその他の合成ゴムからなる軟質弾性体材料を用いて形成する構成としている。
上述の如く、請求項1の発明によれば、ダストシールに設けたシール突起は、環状ブロック体(ブッシュ当接面)の径方向内側位置からリップ部とは逆向きに突出し、ブッシュの面取り部に被さるように当接するので、例えばグリース等の潤滑剤をブッシュと連結ピンとの間に外部から給脂したときに、潤滑剤の一部がブッシュの軸方向端面側からダストシールのブッシュ当接面側に廻り込むように漏出するのをシール突起によって防止でき、ブッシュの端面とダストシールの当接面との間をシール突起により封止状態に保つことができる。
このため、外部から給脂された潤滑剤の給脂圧力がブッシュの軸方向端面とダストシールの環状ブロック体(ブッシュ当接面)との間に作用するのを抑えることができ、ダストシールをボス部材の内側で安定した姿勢に保つことができると共に、給脂圧力によるダストシールの抜出し防止を図ることができる。また、ダストシールには、環状ブロック体の外周側に特別な抜止め部等を追加して設ける必要がなくなり、ダストシールの成形、加工等を容易に行うことができ、生産性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
また、請求項2の発明は、ダストシールの環状ブロック体を、外側嵌合面,ブッシュ当接面,外側端面および径方向の内側面とにより、横断面が矩形状をなすリング状(環状)のブロックとして形成することができる。これによって、ダストシールの環状ブロック体(外側嵌合面)をボス部材の内周側に嵌合させるときに、環状ブロック体全体の弾性変形代を大きくとることができ、環状ブロック体をボス部材の内周側に弾性変形状態で締代をもって嵌合できると共に、ボス部材の内側にダストシールを安定した状態で保持することができる。
また、請求項3の発明によると、ダストシールは軟質の弾性体により形成し、環状ブロック体の厚さ寸法をブッシュよりも薄く、かつ該ブッシュの厚さ寸法に対して1/2以上となる寸法に形成している。このため、ダストシールの環状ブロック体を比較的厚肉なリングとして形成でき、材料として軟質の弾性体を用いたダストシールの強度、耐久性等を高めることができる。そして、環状ブロック体をボス部材の内周側に嵌合させるときに、環状ブロック体の弾性変形代を大きくとることができ、環状ブロック体をボス部材の内周側に弾性変形状態で締代をもって嵌合できると共に、ボス部材の内側にダストシールを安定した状態で保持することができる。
一方、請求項4の発明によると、ブッシュの面取り部を形成するテーパ面に対して、ダストシールのシール突起は先端が接触した状態で被さるように当接するので、このシール突起の先端側を前記面取り部のテーパ面に対して所謂リップの如く当接させることができ、両者の当接面をシール状態に保つことができる。これにより、潤滑剤の一部がブッシュの軸方向端面とダストシールの環状ブロック体(ブッシュ当接面)との間に廻り込むように漏出するのをシール突起で良好に防止することができる。
また、請求項5の発明によると、ダストシールのシール突起は、ブッシュ当接面の径方向内側位置から断面三角形状をなして突出し、その先端部の角度βを面取り部(テーパ面)の角度αよりも小さい角度に設定している。このため、シール突起の先端部を面取り部側のテーパ面に密着するように当接でき、両者の間のシール性能を高めることができる。
また、請求項6の発明によると、ダストシールの環状ブロック体には、外側嵌合面の全周にわたる凹凸面を形成しているので、ダストシールの環状ブロック体をボス部材の内側に嵌合したときに、環状ブロック体の弾性変形代を凹凸面によって大きくすることができ、ボス部材に対する環状ブロック体の嵌合力、摩擦抵抗力等を高めることができ、これにより、ボス部材内で環状ブロック体を抜止め状態に保持することができる。
さらに、請求項7の発明によると、前述の如く環状ブロック体、リップ部、切欠き溝およびシール突起からなるダストシールを、その一部または全部にウレタンゴム、ニトリルブタジェンゴム(NBR)又はその他の合成ゴムからなる弾性体材料を用いて形成することができる。
以下、本発明の実施の形態による軸受装置を、油圧ショベルに設けられた作業装置のアームとバケットとの連結部に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、例えばクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。この場合、下部走行体2と上部旋回体3は、油圧ショベル1の車体を構成するものである。
そして、作業装置4は、上部旋回体3の前部側にピン結合され、ブームシリンダ5によって俯仰動されるブーム6と、該ブーム6の先端側にピン結合され、アームシリンダ7によって俯仰動されるアーム8と、該アーム8の先端側にピン結合され、バケットシリンダ9によって回動される作業具としてのバケット10とにより大略構成されている。
ここで、作業装置4のうち、例えばアーム8とバケット10との間のピン結合部には、アーム8の先端側にバケット10を回動可能に連結するために後述の軸受装置11が装備されている。
11は例えばアーム8とバケット10との間に設けられた軸受装置で、該軸受装置11は、アーム8の先端側にバケット10を回動可能に連結するもので、後述のボス部材12、ブッシュ14、ブラケット15,16、連結ピン17、ダストシール20等により構成されている。
12はアーム8の先端部に設けられたボス部材で、該ボス部材12は、例えば鋼管等により円筒状に形成されている。ここで、ボス部材12の内周側には、図2に示すように軸方向の中間部に位置し、後述のブッシュ14が嵌合されるブッシュ嵌合穴12Aと、軸方向の両端側に位置し後述のダストシール20が嵌合されるシール嵌合穴12B,12Bとが設けられている。
そして、シール嵌合穴12Bの穴径は、ブッシュ嵌合穴12Aの穴径と等しいか、または僅かに大きい寸法に形成されている。これにより、ボス部材12のブッシュ嵌合穴12A内には、後述のブッシュ14が軸方向外側のシール嵌合穴12B側から、例えば圧入等の手段を用いて強制的な外力を加えることにより嵌合されるものである。
また、ボス部材12には、該ボス部材12内にグリース等の潤滑油を給脂するための左,右の潤滑油通路12C,12Cが径方向に穿設されている。そして、これらの潤滑油通路12Cは、図2、図3に示すようにボス部材12の外周側で給脂ニップル13によって閉塞されるものである。
14はボス部材12のブッシュ嵌合穴12A内に圧入等の手段によって嵌着された円筒状のブッシュで、該ブッシュ14の内周側は後述の連結ピン17が挿通されるピン挿通穴14Aとなっている。また、ブッシュ14の両端側には、ボス部材12の潤滑油通路12Cと対応する外周部位に全周に亘って形成された環状の凹溝14Bと、この凹溝14Bからピン挿通穴14Aに向けて径方向に貫通する潤滑油通路14Cとが形成されている。
これにより、給脂ニップル13から給脂された潤滑油は、ボス部材12の潤滑油通路12C、ブッシュ14の凹溝14B、潤滑油通路14Cを通じて、ブッシュ14のピン挿通穴14Aと後述の連結ピン17との間の摺動面に向けて供給されるものである。
また、ブッシュ14の軸方向両端側には、図2〜図6に示すように、環状の平坦面として形成され後述のダストシール20(環状ブロック体20Aのブッシュ当接面20A2 )が対面して配置される端面14Dと、該端面14Dの径方向内側に位置し斜めに角度α(図4参照)で傾斜した環状のテーパ面からなる径方向内側の面取り部14Eと、端面14Dの径方向外側に位置し面取り部14Eと同等な角度で斜めに傾斜した環状のテーパ面からなる径方向外側の面取り部14Fとが設けられている。
そして、この場合の面取り部14Fは、ボス部材12のブッシュ嵌合穴12A内にブッシュ14を押込むように嵌合するときのガイド面となるようにテーパ状に形成されている。また、径方向内側の面取り部14Eについても、後述の連結ピン17をブッシュ14のピン挿通穴14A内に挿通するときのガイド面となるように角度α(例えば、40°<α<50°、好ましくはα=45°)のテーパ面として形成されている。
15,16はバケット10に一体に設けられた相手方部材としての左,右のブラケットで、該ブラケット15,16は、ボス部材12を左,右両側から挟むように配設されている。そして、左,右のブラケット15,16には、ボス部材12のブッシュ嵌合穴12Aと同軸となるようにピン挿通穴15A,16Aが穿設され、これらのピン挿通穴15A,16A内には後述の連結ピン17が挿通される。
これにより、左,右のブラケット15,16はボス部材12に対して相対回転可能に連結されるものである。また、右側のブラケット16には、図2に示すように外側面に固定環16Bが溶接等の手段により固定して設けられ、この固定環16B内には後述のボルト18が径方向に挿通される。
17は軸受装置11の一部を構成する連結ピンで、該連結ピン17は、軸方向の一端側に大径なフランジ部17Aが設けられ、他端側には径方向に貫通するボルト挿通穴17Bが穿設されている。そして、連結ピン17は、軸方向の一端側がブラケット15のピン挿通穴15Aに挿通され、軸方向の中間部がブッシュ14のピン挿通穴14Aに摺動可能に挿通され、軸方向の他端側がブラケット16のピン挿通穴16Aに挿通される。これにより、連結ピン17は、ボス部材12を左,右のブラケット15,16間に回動可能に連結するものである。
18は連結ピン17の抜止めを行うボルトで、このボルト18は、図2に示す如く連結ピン17のフランジ部17Aがブラケット15に当接する位置まで連結ピン17をピン挿通穴15A,14A,16A内に挿通したときに、連結ピン17のボルト挿通穴17Bに対してブラケット16側の固定環16Bを介して挿通される。そして、この状態でボルト18の先端側にはナット19が螺着され、これによりボルト18は、連結ピン17をブラケット15,16に対して抜止め状態および廻止め状態に保持するものである。
20,20は第1の実施の形態で採用したダストシールで、該ダストシール20は、図2に示す如くブッシュ14の軸方向両端側に位置してボス部材12のシール嵌合穴12Bと連結ピン17との間に設けられる。そして、ダストシール20は、外部からの異物(例えば、塵埃等のダスト、雨水等の液体)がブッシュ14のピン挿通穴14Aと連結ピン17の外周面との間に侵入するのを防止し、両者の摺動面を異物から保護するものである。
ここで、ダストシール20は、図3、図4に示すように、ボス部材12のシール嵌合穴12B内に締代をもって嵌合され軸方向一側の端面(後述のブッシュ当接面20A2 )がブッシュ14の端面14Dに面接触状態で当接する筒状の環状ブロック体20Aと、基端側がブッシュ当接面20A2 の径方向内側に位置して環状ブロック体20Aに一体形成され先端側がブッシュ14とは反対側、即ちブラケット15,16側に向けて漸次縮径するように斜めに傾斜して延び、その最小径部となる先端部が連結ピン17の外周面に適度な弾性力をもって摺動するリップ部20Bと、後述の切欠き溝20C、円筒面20Dおよびシール突起20Eとからなる断面略U字状のリング体(例えば、図7参照)として構成されている。
この場合、ダストシール20の環状ブロック体20Aは、図4〜図9に示すように径方向外側に位置し、ボス部材12のシール嵌合穴12B内に嵌合される外側嵌合面20A1 と、該外側嵌合面20A1 の軸方向一側からブッシュ14の端面14Dに沿って径方向内側に延び、ブッシュ14の端面14Dに面接触状態で当接するブッシュ当接面20A2 と、該ブッシュ当接面20A2 とは反対側の軸方向他側に位置し、相手方部材となるブラケット16(15)の側面と軸方向で対向する位置に配置された外側端面20A3 と、外側嵌合面20A1 とは径方向の反対側に径方向内側に位置し、リップ部20Bとの間で後述の切欠き溝20Cを形成する内側面20A4 とを有している。
そして、この内側面20A4 は、後述の切欠き溝20Cを介してリップ部20Bを径方向外側から全周にわたって取囲むものである。また、環状ブロック体20Aの外側端面20A3 は、外側嵌合面20A1 と内側面20A4 との間を全周にわたって延びると共に、ブッシュ当接面20A2 に対して平行となった環状面を形成している。
ここで、ダストシール20の環状ブロック体20Aは、これらの外側嵌合面20A1 、ブッシュ当接面20A2 、外側端面20A3 および内側面20A4 により、横断面が矩形状をなすリング状のブロックとして形成されている。また、ダストシール20を図3に示すようにボス部材12のシール嵌合穴12B内に嵌合した状態では、環状ブロック体20Aのブッシュ当接面20A2 がブッシュ14の端面14Dに面接触状態で当接し、外側端面20A3 は、相手方部材となるブラケット16(15)の側面と軸方向で対向する位置に配置される。
また、ダストシール20は、環状ブロック体20Aのブッシュ当接面20A2 とは軸方向の反対側となる位置にV字状またはU字状をなして切欠くように形成された切欠き溝20Cを有している。そして、この切欠き溝20Cは、環状ブロック体20Aの内側面20A4 とリップ部20Bの外周面20B1 との間を全周にわたって延び、その横断面がV字状なして形成されている。また、ダストシール20のリップ部20Bは、図3に示す如く連結ピン17の外周面に摺接するときに、切欠き溝20Cによって径方向外側に向けた弾性変形が可能になるものである。
また、ダストシール20の内周側には、リップ部20Bの基端側内周に均一な内径をもって形成された円筒面20Dと、後述のシール突起20Eとが設けられている。そして、円筒面20Dは、環状ブロック体20Aのうちブッシュ当接面20A2 の径方向内側位置から連結ピン17の外周面に沿って軸方向(ブッシュ当接面20A2 に対して垂直方向)に延び、連結ピン17の外周面との間には図3に示すように小さな隙間が確保されるものである。
また、ダストシール20の内周側には、図4、図9に示すようにブッシュ当接面20A2 の径方向内側位置から断面三角形状をなして突出するシール突起20Eが一体形成されている。そして、該シール突起20Eは、均一な内径をもった円筒面20Dに対して、リップ部20Bとは軸方向で逆向きに突出している。また、シール突起20Eは、断面三角形の鋭角状をなす先端部20E1 を有し、先端部20E1 が後述の仮想線21となす角度βは、面取り部14Eの角度αよりも小さい角度に形成されている。
ここで、ブッシュ14の端面14D側に形成される面取り部14Eの角度αは、例えば40°<α<50°に設定され、好ましくは45度(α=45°)のテーパ面として形成されている。これに対し、シール突起20Eの角度βは、例えば30°よりも大きく、角度αよりも小さい角度(30°<β<α)に設定するのが好ましい。
具体的には、面取り部14Eの角度αが、α=45°の場合には、シール突起20Eの角度βは、30°≦β≦45°に設定される。なお、シール突起20Eの角度βを、例えば30°よりも小さい角度とした場合には、シール突起20E全体が薄肉となって強度低下を招き、早期に損傷、破損される可能性が高くなるものである。
また、ダストシール20は、シール突起20Eの基端とブッシュ当接面20A2 との間に鈍角状の角部からなる境界部20Fを有し、この境界部20Fは、図4に示すようにブッシュ14の端面14Dと面取り部14Eとの境界位置と同等の径方向寸法(同等な高さ位置)をもって形成されている。即ち、境界部20Fは、図4、図9中に二点鎖線で示す仮想線21上に配置されている。
この場合、仮想線21は、ブッシュ14の端面14Dと面取り部14Eとの境界位置と、ダストシール20の境界部20Fとの間を結ぶ直線(軸線と平行な直線)からなり、例えば連結ピン17の軸線、またはダストシール20の均一な円筒面20Dに対して平行な直線として規定されるものである。
そして、ダストシール20の環状ブロック体20Aをボス部材12のシール嵌合穴12B内に嵌合し、ブッシュ14の端面14Dにブッシュ当接面20A2 を対面させるときには、図5に示すように、シール突起20Eの先端部20E1 がブッシュ14の面取り部14Eに先に接触した状態で被さる。
次に、この状態からダストシール20をボス部材12内に押込んだときには、図6に示すようにダストシール20のブッシュ当接面20A2 がブッシュ14の端面14Dに面接触するように当接し、このときにはシール突起20Eがブッシュ14の面取り部14Eに内側から被さるように当接する。
これにより、シール突起20Eは、後述の如く潤滑油の一部がブッシュ14の面取り部14E側から端面14Dとブッシュ当接面20A2 との間に廻り込むように漏出するのを防ぎ、ブッシュ14の端面14Dとダストシール20のブッシュ当接面20A2 との間を封止状態に保つものである。
また、ダストシール20は、例えば合成ゴム等の軟質な弾性体を用いて形成され、この弾性体としては、その一部または全部にウレタンゴム、ニトリルブタジェンゴム(NBR)又はその他の合成ゴムからなる弾性体材料(弾性樹脂材料)が用いられるものである。
ところで、前述した特許文献1(特開2006−90400号公報)では、ダストシールの素材として強度の強い樹脂材料、例えば高硬度エステル系ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等を用いている。しかし、これらの材料は、強度は非常に優れており嵌合力は高いが、それ故に追従性に劣ることが問題となる。
そこで、本実施の形態では、ダストシール20の素材としてウレタンゴム、ニトリルブタジェンゴム又はその他の合成ゴム等の軟質な弾性体を用いることにより、連結ピン17に対するリップ部20Bの追従性を高め、シール性能を高めるようにしている。この場合、連結ピン17に対するリップ部20Bのシール性能は、ダストシール20全体の性能を左右する重要な要素である。
そして、ダストシール20は、図4、図9に示す如く環状ブロック体20Aの径方向における厚さ寸法aが、リップ部20Bの厚さ寸法bに対して3倍以上となり、例えば厚さ寸法bを1mm程度としたときに、環状ブロック体20Aの厚さ寸法aは3mm以上に形成するのがよい。また、環状ブロック体20Aの厚さ寸法aは、図4に示すようにブッシュ14の肉厚c(径方向の厚さ寸法)に対して下記の数1式による範囲内に設定されるものである。
Figure 2009257378
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1を操作して掘削作業等を行うときの動作について説明する。
まず、オペレータは、上部旋回体3のキャブ内に搭乗し、該キャブ内に設けられた走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2のクローラを駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
また、作業装置4のバケット10を動作させるときには、バケットシリンダ9を伸縮することにより、アーム8の先端側で軸受装置11の連結ピン17を中心にしてバケット10を回動させることができる。このときに、ボス部材12と連結ピン17との間に設けられたダストシール20は、ブッシュ14のピン挿通穴14Aと連結ピン17との摺動面にダスト(土砂)、水等の異物が侵入するのを阻止するものである。
この場合、ダストシール20の環状ブロック体20Aは、ボス部材12のシール嵌合穴12Bよりも予め大径に形成され、シール嵌合穴12B内に弾性変形状態で締代をもって嵌合される。そして、このときに環状ブロック体20Aの一側面であるブッシュ当接面20A2 は、ブッシュ14の端面14Dに弾性的に押付けた状態で当接される。また、ダストシール20のリップ部20Bは、その先端側が連結ピン17の外周面に適度な弾性力をもって摺接し、外部からの異物がブッシュ14のピン挿通穴14Aと連結ピン17の外周面との間に侵入するのを防止するものである。
ところで、軸受装置11の最初の組立時、または保守、点検等を行うメンテナンス時等にグリース等の潤滑油を給脂ニップル13側から給脂すると、この潤滑油は、ボス部材12の潤滑油通路12C、ブッシュ14の凹溝14B、潤滑油通路14Cを通じてピン挿通穴14Aと連結ピン17との間の摺動面に向けて供給される。しかし、軸受装置11のブッシュ14と連結ピン17との間に給脂された潤滑油は、その一部が連結ピン17の外周面に沿って軸方向外側に流出し、例えばダストシール20のブッシュ当接面20A2 とブッシュ14の端面14Dとの間に向けて漏出する可能性がある。
そして、仮に、潤滑油の一部がダストシール20のブッシュ当接面20A2 側に漏出すると、この潤滑油は給脂作業に伴う給脂圧力により、ダストシール20全体をブッシュ14の端面14Dから引き離す方向に押圧力を作用させ、これが原因となってダストシール20がボス部材12のシール嵌合穴12Bから外部に抜出してしまう虞れがある。
そこで、本実施の形態によれば、ダストシール20にシール突起20Eを一体に形成し、このシール突起20Eは、ブッシュ当接面20A2 の径方向内側位置からリップ部20Bとは逆向きに突出してブッシュ14の面取り部14Eに内側から被さるように当接する構成としている。また、この場合のシール突起20Eは、ブッシュ当接面20A2 の径方向内側部位(内側の円筒面20Dと境界部20Fとの間)から断面三角形状をなして突出し、その先端部20E1 の角度βを面取り部14Eの角度αよりも小さい角度に設定する構成としている。
これにより、ダストシール20をボス部材12のシール嵌合穴12B内に装着するときには、図5に示すようにブッシュ当接面20A2 がブッシュ14の端面14Dに対面する段階で、シール突起20Eの先端部20E1 が先にブッシュ14の面取り部14Eに接触する。その後に、ダストシール20をボス部材12内に強く押込んだ段階では、図6に示すようにダストシール20のブッシュ当接面20A2 がブッシュ14の端面14Dに広く面接触するように当接し、このときにはシール突起20E全体をブッシュ14の面取り部14Eに内側から被せるように当接することができる。
この結果、例えばグリース等の潤滑油を給脂ニップル13側から給脂したときに、ブッシュ14と連結ピン17との間に給脂された潤滑油の一部が連結ピン17の外周面に沿って軸方向外側(面取り部14E側)に流出しても、これがダストシール20のブッシュ当接面20A2 とブッシュ14の端面14Dとの間に廻り込むように漏出するのを、シール突起20Eによって防止することができ、ブッシュ14の端面14Dとダストシール20のブッシュ当接面20A2 との間を封止状態に保つことができる。
そして、このときの潤滑油は、シール突起20Eにより面取り部14E側に漏出するのを阻止されるため、例えば図6中の矢示A方向へと円筒面20Dに沿って流れ、その一部はリップ部20Bを径方向外側へと押上げるように弾性変形させ、リップ部20Bの外側へと余剰油となって排出される。
従って、本実施の形態では、ダストシール20にシール突起20Eを設けることにより、軸受装置11内に外部から給脂された潤滑油の給脂圧力等がブッシュ14の端面14Dとダストシール20のブッシュ当接面20A2 との間に作用するのを抑えることができ、ダストシール20をボス部材12のシール嵌合穴12B内で安定した姿勢に保つことができる。そして、ダストシール20のシール突起20Eにより、ブッシュ14の端面14Dとダストシール20のブッシュ当接面20A2 との間を封止状態に保つことができ、給脂圧力によるダストシール20の抜出し防止を図ることができる。
このため、ダストシール20には、例えば環状ブロック体20Aの外周側等に、例えば特許文献1による従来技術のように、特別な抜止め部等を追加して設ける必要がなくなる。これにより、ダストシール20の成形、加工等を容易に行うことができ、生産性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
また、前述した環状ブロック体20A、リップ部20B、切欠き溝20Cおよびシール突起20E等からなるダストシール20は、例えば合成ゴム等の軟質な弾性体を用いて形成され、この弾性体としては、その一部または全部にウレタンゴム、ニトリルブタジェンゴム(NBR)又はその他の合成ゴムからなる弾性体材料(弾性樹脂材料)が用いられる。
そして、軟質な弾性体からなるダストシール20は、環状ブロック体20Aが外側嵌合面20A1 、ブッシュ当接面20A2、外側端面20A3 および内側面20A4 により、横断面が矩形状をなす環状のブロックとして形成されている。このため、ダストシール20の環状ブロック体20A(外側嵌合面20A1 )をボス部材12のシール嵌合穴12B内に嵌合させるときに、環状ブロック体20A全体の弾性変形代を大きくとることができ、環状ブロック体20Aをシール嵌合穴12B内に弾性変形状態で締代をもって嵌合できる。そして、これにより、ボス部材12のシール嵌合穴12B内にダストシール20を安定した状態で保持することができる。
また、ダストシール20の環状ブロック体20Aは、例えば図4に示すように厚さ寸法aをブッシュ14の肉厚cよりも薄く、かつ肉厚cに対して1/2以上となる寸法(c >a≧ c/2)に形成している。このため、ダストシール20の環状ブロック体20Aを比較的厚肉なリングとして形成でき、材料として軟質の弾性体を用いたダストシール20の強度、耐久性等を高めることができる。
一方、ダストシール20のリップ部20Bは、環状ブロック体20Aの厚さ寸法aに対して、例えば1/3以下となるように厚さ寸法b(図4参照)を相対的に薄く形成しているため、環状ブロック体20Aをボス部材12内に嵌合したときに環状ブロック体20Aの弾性変形代が大きくなったとしても、この影響がリップ部20Bに及ぶのを抑えることができ、リップ部20Bの先端側を連結ピン17の外周面に適正な弾性力をもって摺接させることができる。これにより、ダストシール20としての耐久性、寿命を高めることができ、長期にわたって安定したシール効果を発揮することができる。
また、ダストシール20のシール突起20Eは、ブッシュ14の面取り部14E(テーパ面)に対して先端部20E1 が先に接触した状態で内側から被さるように当接するので、シール突起20Eの先端部20E1 側を面取り部14Eの角度αのテーパ面に対して所謂リップの如く当接させることができ、面取り部14Eとシール突起20Eとの当接面をシール状態に保つことができる。
しかも、シール突起20Eの先端部20E1 は、面取り部14Eを角度αの傾斜面として形成したときに、その角度βを、例えば30°よりも大きく、角度αよりも小さい角度に設定している。これにより、図5、図6に示す如く、シール突起20Eの先端部20E1 を面取り部14Eのテーパ面に密着するように当接でき、両者の間のシール性能を高めることができる。しかも、シール突起20Eはダストシール20の一部として一体成形できるので、ダストシール20にシール突起20Eを容易に設けることができ、生産性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
次に、図10および図11は本発明の第2の実施の形態を示し、第2の実施の形態の特徴は、ダストシールの環状ブロック体に全周にわたって複数の凹溝を設け、これによって、環状ブロック体の外側嵌合面に凹凸面を形成する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は第2の実施の形態で採用したダストシールで、該ダストシール31は、第1の実施の形態で述べたダストシール20とほぼ同様に構成され、環状ブロック体31A、外周面31B1 をもったリップ部31B、切欠き溝31C、円筒面31D、先端部31E1 をもったシール突起31Eおよび境界部31Fを有している。そして、環状ブロック体31Aは、外側嵌合面31A1、ブッシュ当接面31A2 、外側端面31A3 および内側面31A4 により、横断面が矩形状をなすリング状のブロックとして形成されている。
しかし、第2の実施の形態によるダストシール31は、環状ブロック体31Aの外側嵌合面31A1 側に後述の凹溝32が形成されている点で、第1の実施の形態によるダストシール20と相違している。そして、環状ブロック体31Aの厚さ寸法a1 は、後述の凹溝32によって弾性変形代をより大きくすることができるため、第1の実施の形態で述べた環状ブロック体20Aの厚さ寸法aよりも大きく形成されている(a1 >a)。なお、環状ブロック体31Aの厚さ寸法a1 は、厚さ寸法aよりも必ずしも大きく形成する必要はなく、場合によっては、厚さ寸法aと等しい寸法に形成してもよいものである。
32,32,…は第2の実施の形態で採用した複数の凹溝で、これらの凹溝32は、図11に示すように環状ブロック体31Aの外側嵌合面31A1 側に全周にわたって設けられ、環状ブロック体31Aの外側嵌合面31A1 を凹凸面に形成するものである。ここで、各凹溝32は、例えば連結ピン17の軸線O−Oに対して平行に延びる溝形状を有し、環状ブロック体31Aの外側嵌合面31A1 にほぼ一定の間隔をもって配置されている。
そして、軟質の弾性体からなるダストシール31は、環状ブロック体31Aの外側嵌合面31A1 が各凹溝32により凹凸面として形成されるため、環状ブロック体31Aをボス部材12のシール嵌合穴12B内に嵌合したときに、環状ブロック体31Aの弾性変形代を各凹溝32によって大きくすることができ、その嵌合力、摩擦抵抗力等を高めることができる。これにより、各凹溝32は、ボス部材12のシール嵌合穴12B内で環状ブロック体31Aを抜止め状態に保持する機能も有するものである。
かくして、このように構成される第2の実施の形態では、ダストシール31の環状ブロック体31Aに、ブッシュ当接面31A2 の径方向内側位置からリップ部31Bとは逆向きに突出するシール突起31Eを一体に形成しているので、このシール突起31Eをブッシュ14の面取り部14Eに対し内側から被さるように当接させることができ、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
しかも、第2の実施の形態では、ダストシール31の環状ブロック体31Aに全周にわたって複数の凹溝32を設け、その外側嵌合面31A1 を凹凸面として形成しているので、ダストシール31の環状ブロック体31Aをボス部材12のシール嵌合穴12B内に嵌合したときに、その嵌合力、摩擦抵抗力等を高めることができ、ボス部材12のシール嵌合穴12B内で環状ブロック体31Aを抜止め状態に保持することができる。
なお、前記第2の実施の形態では、環状ブロック体31Aの外側嵌合面31A1 側に設ける各凹溝32を、連結ピン17の軸線O−Oに対して平行に延びる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図12に示す変形例のように凹溝33,33,…を形成してもよい。この場合の凹溝33は、連結ピン17の軸線O−Oに対して、例えば45°程度だけ斜めに傾斜した溝形状を有している。
そして、凹溝33は斜めに傾斜した溝形状を有することにより、ボス部材12内での環状ブロック体31Aの抜止め効果を、より一層高めることができるものである。なお、各凹溝33の傾斜角度については、1°以上で、90°以下となる角度の範囲内で設計仕様等に応じて変更可能なものである。
また、前記第1の実施の形態では、環状ブロック体20Aの厚さ寸法aを、例えば3mm程度とし、リップ部20Bの厚さ寸法bを、例えば1mm程度に形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば厚さ寸法aを3mmよりも大きく、または3mm未満に形成してもよく、厚さ寸法bを1mmよりも大きく、または1mm未満の寸法に形成してもよい。
即ち、第1の実施の形態で採用したダストシール20の環状ブロック体20Aおよびリップ部20B等の寸法は、ボス部材12、連結ピン17等の外形寸法、設置スペース等の設計に関する条件で、適宜に設定されるもので、上述した数値に限定されるものではない。そして、この点は第2の実施の形態で述べたダストシール31にも同様に適用することができる。
また、各実施の形態では、軸受装置11をアーム8とバケット10との間のピン結合部に適用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば作業装置4を構成するブーム6の先端とアーム8との間のピン結合部、ブーム6のフート部と上部旋回体3との間のピン結合部、各シリンダ5,7,9のピン結合部等に軸受装置を適用してもよい。
さらに、各実施の形態では、軸受装置11を油圧ショベル1に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、油圧クレーン、リフトトラック等の他の建設機械にも広く適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態による軸受装置が適用された油圧ショベルを示す正面図である。 図1中の軸受装置を拡大して示す縦断面図である。 図2中のボス部材、ブッシュ、連結ピンおよびダストシール等を拡大して示す部分断面図である。 ダストシールをボス部材の内周側に取付ける前の状態を示す要部拡大断面図である。 ボス部材の内周側にダストシールを嵌合する途中の状態を示す図4とほぼ同様な要部拡大断面図である。 ボス部材の内周側にダストシールを嵌合した状態を示す図5と同様な要部拡大断面図である。 図4中のダストシールをリップ部の先端側からみた斜視図である。 図4中のダストシールをブッシュ当接面側からみた側面図である。 ダストシールを図8中の矢示IX−IX方向からみた拡大断面図である。 第2の実施の形態によるダストシールを示す図9と同様な拡大断面図である。 第2の実施の形態によるダストシールの外観形状を示す斜視図である。 変形例によるダストシールの全体形状を示す斜視図である。
符号の説明
11 軸受装置
12 ボス部材
12A ブッシュ嵌合穴
12B シール嵌合穴
14 ブッシュ
14A ピン挿通穴
14D 端面
14E 面取り部
15,16 ブラケット(相手方部材)
17 連結ピン
20,31 ダストシール
20A,31A 環状ブロック体
20A1 ,31A1 外側嵌合面
20A2 ,31A2 ブッシュ当接面
20A3 ,31A3 外側端面
20A4 ,31A4 内側面
20B,31B リップ部
20C,31C 切欠き溝
20E,31E シール突起
20E1 ,31E1 先端部
21 仮想線(直線)
32,33 凹溝

Claims (7)

  1. 内周側にブッシュが嵌着して設けられたボス部材と、前記ブッシュの内周側に挿通され前記ボス部材を相手方部材に回動可能に連結する連結ピンと、前記ブッシュの軸方向両端側に位置して前記ボス部材と連結ピンとの間に設けられたダストシールとを備え、前記ブッシュの軸方向端部には、その内周側に位置し前記連結ピンをブッシュ内に挿通するときのガイド面となるテーパ状の面取り部を形成してなる軸受装置において、
    前記ダストシールは、
    横断面が矩形状をなす環状のブロックとして形成され、外周側が外側嵌合面となって前記ボス部材の内周側に締代をもって嵌合し、軸方向の一側面が前記ブッシュの軸方向端面に面接触状態で当接するブッシュ当接面となった環状ブロック体と、
    基端側が前記ブッシュ当接面の径方向内側に位置して前記環状ブロック体に一体形成され、先端側が前記ブッシュとは反対方向へと漸次縮径するように斜めに延びて前記連結ピンの外周面に摺接するリップ部と、
    前記ブッシュ当接面とは軸方向の反対側に位置し、前記環状ブロック体の内側面と該リップ部との間を全周にわたって切欠くことにより形成された切欠き溝と、
    前記ブッシュ当接面の径方向内側位置から前記リップ部とは逆向きに突出し、前記ブッシュの面取り部に被さるように当接するシール突起とにより構成したことを特徴とする軸受装置。
  2. 前記ダストシールの環状ブロック体は、径方向外側に位置し前記ボス部材の内周面に嵌合される前記外側嵌合面と、該外側嵌合面の軸方向一側から前記ブッシュの軸方向端面に沿って径方向内側に延びた前記ブッシュ当接面と、該ブッシュ当接面とは軸方向の反対側に位置し前記相手方部材に対向して配置される外側端面と、前記外側嵌合面とは径方向の反対側に位置し前記リップ部との間で前記切欠き溝を形成する内側面とを有する構成としてなる請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記ダストシールは軟質の弾性体により形成し、前記環状ブロック体は、径方向の厚さ寸法を前記ブッシュよりも薄く、かつ該ブッシュの厚さ寸法に対して1/2以上となる寸法に形成する構成としてなる請求項1または2に記載の軸受装置。
  4. 前記ブッシュの面取り部は、予め決められた角度αで傾斜したテーパ面により形成し、前記ダストシールのシール突起は、該テーパ面に対して先端が接触した状態で被さる構成としてなる請求項1,2または3に記載の軸受装置。
  5. 前記ダストシールのシール突起は、前記ブッシュ当接面の径方向内側位置から断面三角形状をなして突出する構成とし、その先端部が前記連結ピンの軸線と平行な直線となす角度βは、前記テーパ面が前記直線となす角度αよりも小さい角度に設定してなる請求項4に記載の軸受装置。
  6. 前記ダストシールの環状ブロック体には、前記外側嵌合面の全周にわたって凹凸面を形成する構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の軸受装置。
  7. 前記ダストシールは、その一部または全部にウレタンゴム、ニトリルブタジェンゴム(NBR)又はその他の合成ゴムからなる軟質弾性体材料を用いて形成する構成としてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の軸受装置。
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