JP2007009598A - 作業機械の連結ピン構造 - Google Patents

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直志 渡田
Takashi Maruta
隆 丸田
Yoshio Hamada
吉生 濱田
Yoshiyuki Moriyama
善行 森山
Yukihiro Uto
幸弘 字都
Masaki Kita
正樹 喜多
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Abstract

【課題】一方の部材の一対の支持部それぞれを貫通した一対の支持孔と、その間に位置付けた他方の部材の軸受孔にピンを挿通する連結ピン構造において、ピンを支持する支持孔の部分への土砂、泥水などの異物の侵入を防止し、連結ピン構造の損傷を防止する。
【解決手段】支持部(20a、20b)の外端それぞれに着脱を可能に固定し支持孔(26a、26b)内のそれぞれのピン(24)の軸端を覆う一対のカバー(30a、30b)と、カバー(30a、30b)のいずれか一方とこのカバーに対向したピン(24)の端との間に設けてピン(24)が回動できないように係止する係止手段(32)を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、作業機械の連結ピン構造、さらに詳しくは、作業機械の、土砂、泥水などにさらされる作業具の連結部分などに好適な連結ピン構造に関する。
作業機械の代表例である油圧ショベルは、作業腕の先端にピンにより回動自在に連結した作業具である、例えば土砂の掘削、積込を行うバケットを備えている。
バケットのような作業具は、作業の形態などに合わせて大きさ、形状などの異なったものに適宜に交換される。したがって、ピンの抜き差しによる作業具の取り付け取り外しの機会が多いので、連結ピン構造はピンの着脱が容易に行なえるように、比較的簡単な構造を有している。
代表的な連結ピン構造は、作業腕に貫通形成された軸受孔の両側に、作業具の一対のボスそれぞれに貫通形成された支持孔を位置付け、一方の支持孔から軸受孔そして他方の支持孔にピンを挿通し、いずれか一方のボスとピンとを半径方向に貫通する孔にボルトを通してピンが支持孔から抜けないようにまた支持孔内で回転しないように固定し、作業腕がピンを中心に軸受孔によって自在に回動できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−254384号公報(第4図)
しかしながら、上述したとおりの形態の従来の作業機械の連結ピン構造には、次のとおりの改善の望まれている課題がある。
すなわち、貫通した一対の支持孔ならびに軸受孔にピンが挿通された連結ピン構造は、ピン両端の貫通した支持孔の部分を通して、また回動を止めるボルト孔を通して土砂、泥水などの異物が内部に侵入し、早期の摩耗、錆びなどによる損傷、また軸受孔の部分に封入した潤滑油の漏れにより、損傷されやすい。
さらに、支持孔およびピンの軸端が常時外部にさらされているので、岩石、土砂、泥水などの異物との接触による損傷、また錆びにより、ピンの着脱が困難になる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、貫通した一対の支持孔とその間に位置付けた軸受孔にピンを挿通する連結ピン構造において、ピンの両端部を支持する支持孔の部分への土砂、泥水などの異物の侵入を防止し、連結ピン構造の損傷を防止することである。
本発明によれば上記技術的課題を解決する作業機械の連結ピン構造として、一方の部材の一対の支持部の間に他方の部材をピンにより回動自在に連結する作業機械の連結ピン構造であって、一対の支持部それぞれを貫通し該ピンの両端部それぞれを支持する支持孔と、他方の部材を貫通し該ピンの中間部を支持して他方の部材を回動自在に連結する軸受孔と、一対の支持部の外端それぞれに着脱可能に固定され該ピンの両軸端を覆う一対のカバーと、一対のカバーのいずれか一方とこのカバーに対向したピンの軸端との間に設けられピンが支持孔内で回動できないように係止する係止手段とを備えている、ことを特徴とする作業機械の連結ピン構造が提供される。
好適には、係止手段は、カバーまたはピンのいずれか一方に形成されピンの軸線に直交して延びた凸条部と、いずれか他方に形成されこの凸条部に係合する凹条部を備えている。また、一対のカバーそれぞれは、該ピンの軸端それぞれとの間の空間にグリースを充填するグリースニップルを備えている。
本発明に従って構成された作業機械の連結ピン構造は、ピンの端部を支持する貫通した支持孔の形成された支持部それぞれに、着脱を可能に固定され支持孔のピン先端側を閉じる一対のカバーを備え、かつカバーのいずれか一方とこのカバーに対向したピンの端との間にピンが支持孔内で回動できないように係止する係止手段を備えている。したがって、連結ピン構造内部への土砂、泥水などの異物の侵入が防止され、連結ピン構造の損傷が防止される。
以下、本発明に従って構成された作業機械の連結ピン構造について、代表的な作業機械である油圧ショベルにおける好適実施形態を図示している添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。
先ず図3および図4を参照して説明する。油圧ショベル2は、下部走行体4と、下部走行体4上に旋回作動を自在に取り付けた上部旋回体6を備え、上部旋回体6には、運転室8および多関節の作業腕であるフロントリンケージ10が備えられている。
フロントリンケージ10は、上部旋回体6に上下方向に揺動自在に取り付けたブーム12と、ブーム12の先端に上下方向に揺動自在に取り付けたアーム14を備え、アーム14の先端に、土砂の掘削、積込などを行う作業具であるバケット16が軸線Xを中心に連結ピン構造18により回動自在に連結されている。
上部旋回体6とブーム12の間にはブーム作動シリンダ11が、ブーム12とアーム14の間にはアーム作動シリンダ13が、またアーム14とバケット16の間にはバケット作動シリンダ15がそれぞれ取り付けられている。
次に、図1を参照して連結ピン構造18について説明する。連結ピン構造18は、一方の部材としてのバケット16の一対の支持部であるボス20a、20bの間に、他方の部材としてのアーム14の先端のボス22を、ピン24により軸線Xを中心に回動自在に連結している。
ピン連結構造18は、ボス20a、20bそれぞれを貫通しピン24の両端部をそれぞれ支持する支持孔26a、26bと、ボス22を貫通しピン24の中間部を支持してボス22を回動自在に連結する軸受孔28と、ボス20a、20bの外端それぞれに着脱可能に固定され支持孔26a、26b内のピン24の両軸端を覆う一対のカバー30a、30bと、一方のカバー30aとピン24の両軸端との間に設けられピン24が支持孔26a、26b内で回動できないように係止する係止手段32を備えている。
一方の支持孔26aは、カバー30aが取り付けられる外端に大径の環状空間27を備えている。他方の支持孔26bは、ピン24とボス20bの間に介在された隙間調整手段34の筒状部材であるブッシュ36に形成されている。
軸受孔28は、ボス22の軸線X方向の両端に取り付けた一対のスリーブ軸受28a、28aを備えている。一対のスリーブ軸受28a、28aの間には環状空間のグリース溜め28bが備えられている。グリース溜め28bには、給脂パイプ38を通してアーム14の外側面に取り付けられたグリースニップル40から潤滑用のグリースが注入され充填される。
図1とともに図2を参照して説明する。カバー30aは、軸線Xを中心にした円板状に形成されている。ボス20aに対向する内面には、軸線Xに直交した方向に延びる断面矩形の、ピン24の外径と略同じ長さの凸条部32aが形成されている。軸線Xを中心にした円ピッチ上には、軸線X方向に延びたボルト孔31aが等間隔に4個形成され、ボルト孔31aには、内面と反対の外面の側に、挿通したボルト42の頭部が位置付けられる凹部31bが形成されている。
外面の軸線Xの近くには、内面とピン24の端部との間の空間27にグリースを充填するグリースニップル44が凹部に取り付けられている。カバー30aは、4個のボルト42よりボス20aに形成されたねじ穴に取り付けられている。
ピン24は、真直の丸軸状に形成され、カバー30bに対向した軸端には、先端に向けて細くなったテーパ部24aが形成され、支持孔26a、軸受孔28、支持孔26bへの挿通が容易に行なえるようになっている。カバー30aに対向した軸端には、カバー30aに形成された凸条部32aに係合する断面矩形の溝である凹条部32bが直径方向に貫通形成されている。
かくして、カバー30aの凸条部32aと、この凸条部32aに係合するピン24の凹条部32bによって係止手段32が形成されている。凸条部32aをピン24に、凹条部32bをカバー30aに形成してもよい。
図1を参照して説明を続ける。カバー30bは、軸線Xを中心にした円板状に形成され、カバー30aと同様に軸線Xを中心にした円ピッチ上に等間隔で軸線X方向に、外面に凹部31bを有して延びたボルト孔31aを4個備えている。外面の軸線Xの部分には内面とピン24の端部との間の空間にグリースを充填するグリースニップル44が凹部に取り付けられている。カバー30bは、ボス20bの端面との間に隙間調整手段34のシム34aを挟んで4個のボルト42によりボス20bに形成されたねじ穴に取り付けられている。
隙間調整手段34は、軸線X方向における、一対のボス20a、20bとその間に位置したボス22との間の隙間(ガタ)を調整する。すなわち、前述のブッシュ36はボス20bとピン24との間に軸線X方向の移動を可能に嵌合されている。ブッシュ36は、軸線X方向においてボス22の端面にボス20bの端面との間で当接する鍔部36aと、カバー30bに軸線X方向の移動のみを自在にして回動を止め連結するピン36bと、ボス20bの端面とカバー30bの間に挟まれた複数の薄板からなる前記のシム34aを備えている。
したがって、軸線X方向における、一対のボス20a、20bとその間に位置したボス22との間の隙間、例えば摩耗、あるいは寸法のバラつきなどにより発生した隙間(ガタ)は、シム34aの厚さを減らし(複数枚の薄板から適宜の枚数を抜いて)、カバー30bによりブッシュ36を軸線X方向にボス22の端面に向けて移動させることにより調整される。
ボス22の外周面両端部とボス20aの外周面端部とブッシュ36の鍔部36aの外面端部に、断面が略V字状の環状溝部が形成されこの環状溝部にOリング46が取り付けられている。また、軸受孔28の一対の軸受28a、28aそれぞれの軸線X方向の外方には、ダストシール48が取り付けられている。
主として図1を参照して、上述したとおりの作業機械の連結ピン構造18の作用について説明する。
連結ピン構造18は、ピン24の軸端を支持する貫通した支持孔26a、26bの形成されたボス20a、20bの外端それぞれに、着脱を可能に固定され支持孔26a、26bのピン24の両軸端を覆う一対のカバー30a、30bを備えている。また、一方のカバー30aとこのカバー30aに対向したピン24の端との間に、ピン24が支持孔26a、26b内で回動できないように係止する係止手段32を備えている。したがって、連結ピン構造18の内部への土砂、泥水などの異物の侵入が防止され、連結ピン構造18の損傷が防止される。
係止手段24は、カバー30aに形成された凸条部32aと、ピン24に形成されこの凸条部32aに係合する凹条部32bを備えている。したがって、ピン24を一対の支持孔26a、26b、並びに軸受孔28に挿通した状態で、カバー30aをボス20aに取り付けるときに、凸状部32aと凹状部32bとの係合により、ピン24を回り止めしながら、容易に、確実に係合させることができる。
一対のカバー30a、30bそれぞれは、ピン24の軸端それぞれとの間の空間にグリースを充填するグリースニップル44を備えている。したがって、支持孔26a、26b内のピン24の先端部の空間には、グリースニップル44によりグリースが充填されるので、この部分に泥水などが侵入するのを、そしてそれによる錆びの発生を防止することができる。
一方の部材であるバケット16と他方の部材であるアーム14の、ピン24の抜き差しによる取り付けおよび取り外しは、ピン24の両端部のカバー30a、30bを、ボス20a、20bに固定しているボルト42を常用の工具であるソケットレンチを用いて着脱すればよいから、ピン24の着脱は容易に行なうことができる。
隙間調整手段34は、軸線X方向における、一対のボス20a、20bとその間に位置したボス22との間の隙間、例えば摩耗、あるいは寸法のバラつきなどにより発生した隙間(ガタ)を最小限に調整できるので、隙間からの土砂、泥水などの侵入による連結ピン構造18の損傷をさらに効果的に防止することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば下記のように、本発明の範囲内においてさまざまな変形あるいは修正ができるものである。
本実施例においては、連結ピン構造18は油圧ショベル2のアーム14とバケット16の連結部分に用いられているが、バケット16とバケット作動シリンダ15の連結部分(図4にBで示す)、またフロントリンケージ10の他の連結部分にも適用できることは言うまでもない。
本実施例において、係止手段32は、カバー30aの凸条部32aと、この凸条部32aに係合するピン24の凹条部32bによって形成されているが、係止手段は、ピン24が支持孔26a内で回動できないように係止できるものであればよいから、例えば一方に軸線X方向に突出した角軸部を設け、他方にこれに係合する角穴部を備えてもよい。
本実施例においては、ボス20bの部分に隙間調整手段34が備えられているが、軸線X方向におけるボス20a、22、20bそれぞれの間の隙間(ガタ)を調整する必要がない場合には備えなくてもよい。
本発明に従って構成された連結ピン構造の(図4のA−A矢印方向に見た)断面図。 図1に示す係止手段を説明した斜視図。 本発明に従って構成された連結ピン構造が用いられる作業機械の代表例である油圧ショベルの側面図。 図3において連結ピン構造が装備された部分の拡大図。
符号の説明
2:油圧ショベル(作業機械)
14:アーム(他方の部材)
16:バケット(一方の部材)
18:連結ピン構造
20a、20b:ボス(支持部)
24:ピン
26a、26b:支持孔
28:軸受孔
30a、30b:カバー
32:係止手段
32a:凸条部
32b:凹条部
34:隙間調整手段
44:グリースニップル

Claims (3)

  1. 一方の部材の一対の支持部の間に他方の部材をピンにより回動自在に連結する作業機械の連結ピン構造であって、
    一対の支持部それぞれを貫通し該ピンの両端部それぞれを支持する支持孔と、
    他方の部材を貫通し該ピンの中間部を支持して他方の部材を回動自在に連結する軸受孔と、
    一対の支持部の外端それぞれに着脱可能に固定され該ピンの両軸端を覆う一対のカバーと、
    一対のカバーのいずれか一方とこのカバーに対向したピンの軸端との間に設けられピンが支持孔内で回動できないように係止する係止手段と
    を備えている、
    ことを特徴とする作業機械の連結ピン構造。
  2. 係止手段が、
    カバーまたはピンのいずれか一方に形成されピンの軸線に直交して延びた凸条部と、
    いずれか他方に形成されこの凸条部に係合する凹条部と
    を備えている、
    ことを特徴とする請求項1記載の作業機械の連結ピン構造。
  3. 一対のカバーそれぞれが、
    該ピンの軸端それぞれとの間の空間にグリースを充填するグリースニップルを備えている、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の作業機械の連結ピン構造。
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