JP6218240B2 - クローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体およびカバー体の組み立て方法 - Google Patents
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Description
このような走行体において、固定部であるモータハウジングと回転部であるスプロケットハウジングとのあいだに摺動抵抗がないよう隙間を設けると共に、モータハウジングとスプロケットハウジングの内周面間に、前記隙間を塞ぐ状態でフローティングシールが設けられている。
ところでこのような作業機械は、過酷な作業現場で作業することが多く、このようなとき、モータハウジングとスプロケットハウジングとのあいだの隙間を通って土砂等の異物がフローティングシールにまで浸入することがあり、このようになるとフローティングシールが早期のうちに損耗してスプロケットハウジングの円滑な回転が損なわれるだけでなくオイル漏れが発生する等の問題がある。
そこでモータハウジングとスプロケットハウジングとのあいだの隙間にカバー体を設けて土砂等の異物の浸入を防止することが提唱されている(例えば特許文献1、2参照。)。
これに対し特許文献2のものは、モータハウジングとスプロケットハウジングとの対向面に形成される隙間を縦溝状にする一方、該隙間から続くようにしてカバー体とスプロケットハウジングとのあいだの隙間を横溝から縦溝状にして外部に至るようにしてラビリンス構造が形成されるようにしてフローティングシールにまで異物が浸入することを防止するようにし、そして異物が浸入した場合に、カバー体を取り外すことで浸入した異物を取り除くことが容易にできるようにしている。ところがこのものは、浸入してしまった異物を取り除くにはカバー体をいちいち取り外す必要があって面倒であるだけでなく、カバー体を取り付けるためにはモータハウジングにボルト孔を設ける必要があるが、モータハウジングにボルト孔を設けるスペースがない場合には、モータハウジングを大型なものに変更する必要があるが、既設の作業機械ではモータハウジングの交換をすることは事実上難しくカバー体を取付けることができないという問題があり、さらにモータハウジングにボルト孔を穿設できるスペースがあったとしても、ボルト孔をモータハウジングに穿設すること自体、多くの手間暇がかかって作業性が悪く、その間、ユーザーから作業機械を預からなければならず、ユーザーは長い間、作業ができなくなる等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、カバー部には、スプロケットハウジング外周面とカバー部先端面とのあいだに設けられる隙間に浸入した異物を排出するための排出口が形成されていることを特徴とする請求項1記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体である。
請求項3の発明は、少なくとも一つの分割部は、カバー部先端面がスプロケットハウジングの外周面に載置された中心合わせ用の冶具に当接された状態でセットされ、取り付けボルトを螺入して本体部が駆動源ハウジング外周面から離間していくことで中心合わせがなされるものであり、残りの分割部は、該中心合わせがなされた分割部に連結されるものであることを特徴とする請求項1または2記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体である。
請求項4の発明は、取り付けボルトは、本体部に突設したフランジ部と取り付けボルトのボルト頭とのあいだに回り止め状に挿入されたチャンネル材に固着されることで回り止めされることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体である。
請求項5の発明は、カバー体は、取り付けボルトのボルト頭のスプロケットハウジング側部位に係止するアングル材を駆動源ハウジングに固着することでスプロケットハウジング側へのズレ防止がなされていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体である。
請求項6の発明は、走行フレームの前端部に設けたアイドラー輪と後端部に設けた駆動スプロケットとのあいだにクローラを懸回してなるクローラ式走行体を備え、前記駆動スプロケットを、走行フレームに固定され、駆動源が内装される駆動源ハウジングと、該駆動源ハウジングに対し回転自在に設けられたスプロケットハウジングとを備えて構成してなる作業機械において、前記駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間をカバーして土砂等の異物の浸入防止をするためのカバー体を設けるにあたり、該カバー体は少なくとも二分割された分割部から構成され、該分割部の隣接する端部同士には、連結ボルトを介して互いに連結される連結部が形成され、カバー体は、前記連結された状態で駆動源ハウジング外周面を周回する本体部と、該本体部からスプロケットハウジング外周面に対向する位置まで延出して、駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間からの異物浸入の防止をするカバー部と、本体部から駆動源ハウジング外周面に当接するよう螺入してカバー体の駆動源ハウジングへの取り付け固定をする取り付けボルトとを備えて構成されるものであり、少なくとも一つの分割部を、カバー部先端面がスプロケットハウジングの外周面に載置された中心合わせ用の冶具に当接された状態でセットした後、取り付けボルトを螺入して本体部が駆動源ハウジング外周面から離間していくことで中心合わせをし、しかる後、残りの分割部を、該中心合わせがなされた分割部に連結し、次いで残りの分割部に取り付けボルトを螺入することでカバー体を駆動部ハウジングに取付け固定するようにしたことを特徴とするクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体の組み立て方法である。
請求項2の発明とすることにより、スプロケットハウジング外周面とカバー部先端面とのあいだに設けられる隙間に浸入した異物の排出をカバー部に形成の排出口から排出できることになって、異物が駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間にまで至ることを低減できることになる。
請求項3の発明とすることにより、カバー体の中心合わせをした取り付け固定が容易となって、取り付け誤差の少ない組込みができることになる。
請求項4の発明とすることにより、取り付けボルトの弛み防止が確実にできることになる。
請求項5の発明とすることにより、カバー体がスプロケットハウジング側に移動してしまうことを確実に防止できることになる。
またスプロケットハウジング15の外周にフランジ15aが設けられ、該フランジ15aに、スプロケットハウジング15に対して左右方向外側から外嵌したスプロケット16をボルト16aを介して固定することでスプロケット16はスプロケットハウジング15と一体化されている。
そして油圧モータMの正逆駆動に伴い回転するスプロケット16によりクローラ13が進退移動することになり、これによって走行機体1の走行ができるようになっていること等は何れも従来通りである。
前記上半部19は、半円形状をし、モータハウジング端縁部14aの上半部外周に積層する本体部19aと、該本体部19aからスプロケットハウジング15側に向けて小径になるよう傾斜状に突出したものが縦面(鉛直面)となるよう軸心側に向けて折曲していて、先端面(内端面)19bがスプロケットハウジング端縁部15bの外周面に間隙Yを有する状態で対向し先端部内周面19cがモータハウジング端縁部14aの先端縁に当接(または近接対向)するカバー部19dと、後述する下半部20と連結するため両端部に形成の第一、第二の連結部19e、19fとを備えて構成されるが、本体部19aには調節ボルト(本発明の「取り付けボルト」に相当する。)21を螺入できるボルト孔19gが形成されると共に、該ボルト孔19gの周縁部外周には後述するフランジ部19hか形成され、カバー部19dには第二連結部19d側が一部切欠かれた切欠き部19iが形成されていると共に、カバー部19dの内面にはモータハウジング14のスロット14cに嵌入する突起19jが形成されている。。
また、下半部20についても、上半部19と同様、20a本体部、20b先端面、20c先端部内周面、20dカバー部、20e第一連結部、20f第二連結部、20gボルト孔、20hフランジ部、20i切欠き部、20j突起が形成されている。
その後、下半部20の本体部20aに形成のボルト孔20gに調節ボルト21を、ボルト先端部がモータハウジング端縁部14aに緊締状に当接するまで螺入する。これによりカバー体18の基本的な取り付け固定工程は終了する(図8(A)参照)。
駆動スプロケット10は左右両側に設けられているから、一台の油圧ショベルに対し、カバー体18の取り付け固定作業は二度繰り返されることになる。
2 下部走行体
8 走行フレーム
9 アイドラー輪
10 駆動スプロケット
13 クローラ
14 モータハウジング
14a 端縁部
15 スプロケットハウジング
15b 端縁部
16 スプロケット
17 フローティングシール
18 カバー体
19 上半部
19a 本体部
19b 先端面
19d カバー部
19e 第一連結部
19f 第二連結部
19g ボルト孔
19h 切欠き部
19i フランジ部
20 下半部
21 調節ボルト
21a ボルト頭
22 冶具
23 連結ボルト
24 チャンネル材
24a 脚部
25 アングル材
26 排出口
X 駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間
Y カバー体先端面とのスプロケットハウジングとのあいだの間隙
Claims (6)
- 走行フレームの前端部に設けたアイドラー輪と後端部に設けた駆動スプロケットとのあいだにクローラを懸回してなるクローラ式走行体を備え、前記駆動スプロケットを、走行フレームに固定され、駆動源が内装される駆動源ハウジングと、該駆動源ハウジングに対し回転自在に設けられたスプロケットハウジングとを備えて構成してなる作業機械において、前記駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間をカバーして土砂等の異物の浸入防止をするためのカバー体を設けるにあたり、該カバー体は少なくとも二分割された分割部から構成され、該分割部の隣接する端部同士には、連結ボルトを介して互いに連結される連結部が形成され、カバー体は、前記連結された状態で駆動源ハウジング外周面を周回する本体部と、該本体部からスプロケットハウジング外周面に対向する位置まで延出して、駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間からの異物浸入の防止をするカバー部と、本体部から駆動源ハウジング外周面に当接するよう螺入してカバー体の駆動源ハウジングへの取り付け固定をする取り付けボルトとを備えて構成されることを特徴とするクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体。
- カバー部には、スプロケットハウジング外周面とカバー部先端面とのあいだに設けられる隙間に浸入した異物を排出するための排出口が形成されていることを特徴とする請求項1記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体。
- 少なくとも一つの分割部は、カバー部先端面がスプロケットハウジングの外周面に載置された中心合わせ用の冶具に当接された状態でセットされ、取り付けボルトを螺入して本体部が駆動源ハウジング外周面から離間していくことで中心合わせがなされるものであり、残りの分割部は、該中心合わせがなされた分割部に連結されるものであることを特徴とする請求項1または2記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体。
- 取り付けボルトは、本体部に突設したフランジ部と取り付けボルトのボルト頭とのあいだに回り止め状に挿入されたチャンネル材に固着されることで回り止めされることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体。
- カバー体は、取り付けボルトのボルト頭のスプロケットハウジング側部位に係止するアングル材を駆動源ハウジングに固着することでスプロケットハウジング側へのズレ防止がなされていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体。
- 走行フレームの前端部に設けたアイドラー輪と後端部に設けた駆動スプロケットとのあいだにクローラを懸回してなるクローラ式走行体を備え、前記駆動スプロケットを、走行フレームに固定され、駆動源が内装される駆動源ハウジングと、該駆動源ハウジングに対し回転自在に設けられたスプロケットハウジングとを備えて構成してなる作業機械において、前記駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間をカバーして土砂等の異物の浸入防止をするためのカバー体を設けるにあたり、該カバー体は少なくとも二分割された分割部から構成され、該分割部の隣接する端部同士には、連結ボルトを介して互いに連結される連結部が形成され、カバー体は、前記連結された状態で駆動源ハウジング外周面を周回する本体部と、該本体部からスプロケットハウジング外周面に対向する位置まで延出して、駆動源ハウジングと駆動スプロケットとのあいだの隙間からの異物浸入の防止をするカバー部と、本体部から駆動源ハウジング外周面に当接するよう螺入してカバー体の駆動源ハウジングへの取り付け固定をする取り付けボルトとを備えて構成されるものであり、少なくとも一つの分割部を、カバー部先端面がスプロケットハウジングの外周面に載置された中心合わせ用の冶具に当接された状態でセットした後、取り付けボルトを螺入して本体部が駆動源ハウジング外周面から離間していくことで中心合わせをし、しかる後、残りの分割部を、該中心合わせがなされた分割部に連結し、次いで残りの分割部に取り付けボルトを螺入することでカバー体を駆動部ハウジングに取付け固定するようにしたことを特徴とするクローラ式走行体を備えた作業機械の駆動スプロケットへの異物浸入防止用のカバー体の組み立て方法。
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