JP2009203900A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009203900A
JP2009203900A JP2008047410A JP2008047410A JP2009203900A JP 2009203900 A JP2009203900 A JP 2009203900A JP 2008047410 A JP2008047410 A JP 2008047410A JP 2008047410 A JP2008047410 A JP 2008047410A JP 2009203900 A JP2009203900 A JP 2009203900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
engine
pressure
internal combustion
variable valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008047410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4792478B2 (ja
Inventor
Yoshito Moriya
嘉人 守谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008047410A priority Critical patent/JP4792478B2/ja
Priority to US12/395,769 priority patent/US8498797B2/en
Publication of JP2009203900A publication Critical patent/JP2009203900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4792478B2 publication Critical patent/JP4792478B2/ja
Priority to US13/421,138 priority patent/US8505505B2/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/008Controlling each cylinder individually
    • F02D41/0087Selective cylinder activation, i.e. partial cylinder operation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
    • F01L13/0005Deactivating valves
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2800/00Methods of operation using a variable valve timing mechanism
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0002Controlling intake air
    • F02D2041/001Controlling intake air for engines with variable valve actuation
    • F02D2041/0012Controlling intake air for engines with variable valve actuation with selective deactivation of cylinders

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】全筒運転及び減筒運転が行われる多気筒内燃機関において、可変制御されるバルブ特性の不安定化を抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1は、吸気バルブ9のバルブ特性を変更する油圧駆動式の可変動弁機構100と、一部の気筒の吸気バルブ9及び排気バルブ10の開閉動作を停止する弁停止機構24、25とを備えている。電子制御装置26は、可変動弁機構100の油圧制御を通じてバルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うとともに、機関運転状態が予め設定された減筒運転領域内にあるときには弁停止機構24、25を作動させて減筒運転を実行する。この電子制御装置26は、機関運転状態が減筒運転領域内にあるときに、可変動弁機構100に供給される作動油の圧力の状態が予め設定された条件を満たすときにはバルブ可変制御の実行を禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構と、一部の気筒の機関バルブの開閉動作を停止する弁停止機構とを備える多気筒内燃機関が知られている(例えば特許文献1等)。
こうした内燃機関では、可変動弁機構によって機関バルブのバルブ特性を可変制御することにより、機関出力の向上や排気性状の改善などを図るようにしている。また、弁停止機構によって一部の気筒の機関バルブ(例えば吸気バルブ)の開閉動作を停止させることにより当該気筒の稼働を停止させる、いわゆる減筒運転を行うことにより、燃費等の改善を図るようにしている。
特開平5−163971号公報
ところで、上記可変動弁機構として、油圧駆動式の可変動弁機構を採用する場合には、バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御が同機構に供給される作動油の油圧制御を通じて行われる。このバルブ可変制御に際しては、機関バルブのバルブスプリングの反力に起因して可変動弁機構に作用するカムトルクの大きさを考慮してその制御が行われる。
ここで、上述したように、一部の気筒の機関バルブの開閉動作を停止して当該気筒の稼働を停止させることが可能な内燃機関、いわゆる減筒運転の可能な内燃機関では、全筒運転時には、全ての機関バルブが開閉動作することにより、全てのバルブスプリングから反力が発生する。他方、減筒運転時には、一部の機関バルブの開閉動作が停止されることにより、開閉動作が停止された機関バルブの数に対応してバルブスプリングからの反力が減少する。
このように全筒運転時と減筒運転時とでは、バルブスプリングからの反力が変化し、可変動弁機構に作用するカムトルクの平均値等が変化する。そのため、全筒運転及び減筒運転といった運転形態の切り替えが行われる内燃機関では、可変制御されるバルブ特性が不安定になるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、全筒運転及び減筒運転が行われる多気筒内燃機関において、可変制御されるバルブ特性の不安定化を抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、機関バルブのバルブ特性を変更する油圧駆動式の可変動弁機構と、一部の気筒の機関バルブの開閉動作を停止させる弁停止機構とを備える多気筒内燃機関に適用されて、前記可変動弁機構の油圧制御を通じて前記バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うとともに、機関運転状態が予め設定された減筒運転領域内にあるときには前記弁停止機構を作動させて減筒運転を実行する内燃機関の制御装置において、機関運転状態が前記減筒運転領域内にあるときに、前記可変動弁機構に供給される作動油の圧力の状態が予め設定された条件を満たすと判定されたときには、前記バルブ可変制御の実行を禁止することをその要旨とする。
バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うに際し、可変動弁機構に供給される作動油の圧力に応じて同可変動弁機構の応答性は変化する。ここで、上述したように、全筒運転時と減筒運転時とでは、バルブスプリングからの反力が変化することにより、可変動弁機構に作用するカムトルクの平均値等が変化する。例えば、減筒運転時には、全筒運転時と比較してカムトルクの平均値が減少する。そのため、減筒運転時には、作動油の圧力変化に対するバルブ特性の変化度合が大きくなり、そうした減筒運転時にはより精密な油圧制御が要求される。こうした減筒運転時において、作動油の圧力が低下してしまうと、可変動弁機構の応答性が低下して精密な油圧制御が困難になる。そのため、例えばバルブ特性の実値と目標値とが一致した状態を保持するに際して、バルブ特性の実値がハンチングするといった不都合が発生しやすくなり、可変制御されるバルブ特性が不安定になるおそれがある。
そこで、同構成では、機関運転状態が減筒運転領域内にあるときに、可変動弁機構に供給される作動油の圧力状態が予め設定された条件を満たすと判定されたときにはバルブ可変制御の実行を禁止するようにしている。これにより、精密な油圧制御が要求される減筒運転時において、作動油の圧力が予め設定された条件を満たしており、可変動弁機構の応答性が低下するようなときには、バルブ可変制御の実行そのものが禁止される。従って、全筒運転及び減筒運転が行われる多気筒内燃機関で可変制御されるバルブ特性が、減筒運転時において不安定になることを好適に抑えることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記バルブ可変制御の実行を禁止する際には、前記バルブ特性を予め定められた特性に固定したのちに前記バルブ可変制御の実行が禁止されることをその要旨とする。
作動油の圧力が予め設定された条件を満たした時点でバルブ可変制御の実行を直ちに禁止して可変動弁機構の駆動を中止してしまうと、同可変動弁機構の可動部がカムトルクなどの外力によって動いてしまい、バルブ特性が変動してしまうおそれがある。この点、同構成では、バルブ可変制御の実行を禁止する際には、同バルブ可変制御の実行禁止に先だって、バルブ特性を予め定められた特性に固定するようにしている。従って、バルブ可変制御の実行を禁止したときのバルブ特性の変動を抑えることができるようになる。なお、上述した減筒運転は、混合気の燃焼状態が悪化しやすい低負荷領域などで実行されることが多い。そのため、同構成にあっては、混合気の燃焼状態が安定するようにバルブ特性を固定することが望ましい。例えば可変動弁機構にて吸気バルブのバルブタイミングが変更される場合には、同吸気バルブのバルブタイミングを最遅角位置に固定する。また、可変動弁機構にて排気バルブのバルブタイミングが変更される場合には、同排気バルブのバルブタイミングを最進角位置に固定することにより、バルブ特性を固定したときの排気の内部再循環量(内部EGR)を減少させることができ、これにより燃焼状態の悪化を抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、前記バルブ特性を予め定められた特性に固定する際には、前記機関バルブのバルブタイミングが最遅角位置に固定されることをその要旨とする。
バルブ可変制御の実行を禁止して可変動弁機構の駆動を中止すると、同可変動弁機構の可動部は、カムトルクが作用する方向に、より具体的にはバルブタイミングが遅角側に変化する方向に移動する。そこで、上述したように、バルブ特性を予め定められた特性に固定する場合には、機関バルブのバルブタイミングが最遅角位置になるように固定することで、カムトルクを利用したバルブ特性の固定を行うことができる。そこで、バルブ特性を予め定められた特性に固定する場合には、係止機構などを利用して可変動弁機構の可動部を固定することも可能であるが、同構成によるように、機関バルブのバルブタイミングを最遅角位置に固定することにより、そうしたバルブ特性の固定をより容易に行うことができるようになる。
請求項4に記載の発明は、機関バルブのバルブ特性を変更する油圧駆動式の可変動弁機構と、一部の気筒の機関バルブの開閉動作を停止させる弁停止機構とを備える多気筒内燃機関に適用されて、前記可変動弁機構の油圧制御を通じて前記バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うとともに、機関運転状態が予め設定された減筒運転領域内にあるときには前記弁停止機構を作動させて減筒運転を実行する内燃機関の制御装置において、機関運転状態が前記減筒運転領域内にあるときに、前記可変動弁機構に供給される作動油の圧力の状態が予め設定された条件を満たすと判定されたときには、前記減筒運転の実行を禁止することをその要旨とする。
バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うに際し、可変動弁機構に供給される作動油の圧力に応じて同可変動弁機構の応答性は変化する。ここで、上述したように、全筒運転時と減筒運転時とでは、バルブスプリングからの反力が変化することにより、可変動弁機構に作用するカムトルクの平均値等が変化する。例えば、減筒運転時には、全筒運転時と比較してカムトルクの平均値が減少する。そのため、減筒運転時には、作動油の圧力変化に対するバルブ特性の変化度合が大きくなり、そうした減筒運転時にはより精密な油圧制御が要求される。こうした減筒運転時において、作動油の圧力が低下してしまうと、可変動弁機構の応答性が低下して精密な油圧制御が困難になる。そのため、例えばバルブ特性の実値と目標値とが一致した状態を保持するに際して、バルブ特性の実値がハンチングするといった不都合が発生しやすくなり、可変制御されるバルブ特性が不安定になるおそれがある。
そこで、同構成では、機関運転状態が減筒運転領域内にあるときに、可変動弁機構に供給される作動油の圧力の状態が予め設定された条件を満たすと判定されたときには減筒運転の実行を禁止するようにしている。これにより、作動油の圧力が予め設定された条件を満たしており、可変動弁機構の応答性が低下するようなときには、精密な油圧制御が要求される減筒運転の実行が禁止される。従って、全筒運転及び減筒運転が行われる多気筒内燃機関で可変制御されるバルブ特性が、減筒運転の実行によって不安定になることを好適に抑えることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、予め設定された前記条件として、前記作動油の圧力が予め設定された判定圧以下であることが設定されていることをその要旨とする。
同構成によれば、作動油の圧力が予め設定された判定圧以下にまで低下しており、可変動弁機構の応答性が低下する状態にあることを適切に判定することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、前記判定圧は、前記作動油の温度が高いときほど高くなるように可変設定されることをその要旨とする。
作動油の温度が高くなるほど同作動油の粘度は低下するため、可変動弁機構内での作動油の漏れ量は増大するようになる。従って、作動油の圧力がある程度高くても、そうした漏れ量が増大している状態では、可変動弁機構の駆動に利用される作動油の量が減少して同可変動弁機構の応答性は低下する。この点、同構成によれば、作動油の温度が高くなるほど、上記判定圧が高くなるように可変設定されるため、作動油の温度上昇による可変動弁機構の応答性低下が発生しやすいときほど、上記条件が成立しやすくなる。従って、作動油の温度上昇による可変動弁機構の応答性低下を好適に判定することも可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の内燃機関の制御装置において、前記判定圧は、機関回転速度が低いときほど高くなるように可変設定されることをその要旨とする。
機関回転速度が低くなるほど、カムシャフトの回転速度も遅くなり、上記カムトルクの変動周期が長くなる。そのため、機関回転速度が低くなるほど、カムトルクの変動が明確に現れるようになり、バルブ特性の不安定化が助長される傾向がある。この点、同構成によれば、機関回転速度が低くなるほど、上記判定圧が高くなるように可変設定されるため、バルブ特性の不安定化が助長されやすいときほど、上記条件が成立しやすくなる。従って、機関回転速度の低下によるバルブ特性の不安定化が生じやすい状態において、さらに可変動弁機構の応答性低下によるバルブ特性の不安定化が加わることにより、バルブ特性の不安定化がさらに悪化するといった不都合の発生を好適に抑えることができるようになる。
なお、可変動弁機構に供給される作動油の圧力の状態は、圧力センサ等で直接検出することも可能であるが、この他、作動油の温度が高くなるほど粘度低下に起因して同作動油の圧力は低下する傾向がある。そのため、油温に基づいて作動油の圧力を推定するようにしてもよい。また、油温が高くなるほど作動油の圧力は低くなるため、バルブ可変制御の実行を禁止する上記条件や減筒運転の実行を禁止する上記条件として、作動油の油温が予め設定された判定温度以上である、といった条件を設定するようにしてもよい。この場合にも、作動油の圧力が低下しており、可変動弁機構の応答性が低下する状態にあると判定することが可能である。ちなみに、油温は、温度センサ等で直接検出したりする他に、機関運転状態や、機関の冷却水温、或いは機関始動からの経過時間等に基づいて推定することも可能である。
また、機関のクランクシャフトによって作動油用のオイルポンプが駆動される場合には、機関回転速度が低くなるほど、そのオイルポンプからの作動油の送油量が減少して同作動油の圧力は低下するようになる。従って、機関回転速度に基づいて作動油の圧力を推定するようにしてもよい。また、機関回転速度が低くなるほど作動油の圧力は低くなるため、バルブ可変制御の実行を禁止する上記条件や減筒運転の実行を禁止する上記条件として、機関回転速度が予め設定された判定速度以下である、といった条件を設定するようにしてもよい。この場合にも、作動油の圧力が低下しており、可変動弁機構の応答性が低下する状態にあると判定することが可能である。
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すエンジン1は、複数の気筒を有した多気筒内燃機関であって、その吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度がアクセルペダル17の踏み込み量(アクセル踏込量)等に基づき調整されることにより、そのスロットルバルブ29の開度に対応した量の空気が吸気通路3を介して各気筒の燃焼室2に供給される。また、エンジン1の吸気通路3には、燃料噴射弁4から同エンジン1の吸入空気量に対応した量の燃料が噴射供給される。その結果、エンジン1における各気筒の燃焼室2内に空気と燃料とからなる混合気が形成され、その混合気に対し点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。そして、燃焼後の混合気は、排気として各燃焼室2から排気通路8に送り出されるようになる。
エンジン1の各気筒において、燃焼室2と吸気通路3との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室2と排気通路8との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。これら吸気バルブ9及び排気バルブ10に関しては、クランクシャフト7の回転が伝達される吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作する。より詳しくは、吸気バルブ9は、吸気側バルブスプリング40によって閉弁方向に付勢されており、吸気カムシャフト11に固定された吸気カム11aと上記吸気バルブ9との間には、ローラ18を備えたロッカアーム19が設けられている。そして、回転する吸気カム11aがローラ18を押圧することにより、ロッカアーム19はその一端を支持するラッシュアジャスタ20との接点を中心に揺動し、吸気側バルブスプリング40の反力に抗して吸気バルブ9を押圧する。こうしたロッカアーム19による吸気バルブ9の押圧及び吸気側バルブスプリング40の反力によって同吸気バルブ9は開閉動作される。また、排気バルブ10は、排気側バルブスプリング41によって閉弁方向に付勢されており、排気カムシャフト12に固定された排気カム12aと上記排気バルブ10との間にもローラ21を備えたロッカアーム22が設けられている。そして、回転する排気カム12aがロッカアーム22を押圧することにより、同ロッカアーム22はその一端を支持するラッシュアジャスタ23との接点を中心に揺動し、排気側バルブスプリング41の反力に抗して排気バルブ10を押圧する。こうしたロッカアーム22による排気バルブ10の押圧及び排気側バルブスプリング41の反力によって同排気バルブ10は開閉動作される。
上記エンジン1においては、全気筒を稼働させる全筒運転の他に、一部の気筒の稼働を停止させて残りの気筒のみを稼働させることで燃費改善等を図る、いわゆる減筒運転が実行される。こうした減筒運転は、エンジン1における一部の気筒において、燃料噴射弁4からの燃料噴射の停止及び混合気への点火のための点火プラグ5への通電の停止を行うとともに、吸気バルブ9及び排気バルブ10の開閉動作を停止させることによって実現される。こうした吸気バルブ9及び排気バルブ10の開閉停止は、ロッカアーム19,22に設けられた弁停止機構24,25によって行われる。
吸気カム11aと吸気バルブ9との間のロッカアーム19に設けられた弁停止機構24は、吸気カム11aの同ロッカアーム19(ローラ18)への押圧に基づく吸気バルブ9のリフト(開閉)を停止させることが可能になっている。
この弁停止機構24の作動時には、ローラ18がロッカアーム19に対して上記押圧の方向に相対移動可能にされ、非作動時にはそうした相対移動が規制される。この弁停止機構24の非作動時にあっては、ローラ18のロッカアーム19に対する相対移動が規制されることにより、吸気カム11aによってローラ18が押圧されると、それに基づきロッカアーム19が上記のように揺動して吸気バルブ9は開閉動作される。一方、弁停止機構24の作動時にあっては、ローラ18がロッカアーム19に対して相対移動するため、吸気カム11aによってローラ18が押圧されると、同ローラ18はロッカアーム19に対して相対移動し、いわば空振りのような状態になる。そのため、ロッカアーム19の揺動は停止され、これにより吸気カム11aの回転に伴う吸気バルブ9のリフト動作は停止されて、吸気バルブ9は閉弁状態にされる。
排気カム12aと排気バルブ10との間のロッカアーム19に設けられた弁停止機構25は、上記排気カム12aの同ロッカアーム22(ローラ21)への押圧に基づく排気バルブ10のリフト(開閉)を停止させることが可能になっている。
この弁停止機構25も、上述した弁停止機構24と同様の構造を有しており、弁停止機構25の作動時には、ローラ21がロッカアーム22に対して上記押圧の方向に相対移動可能にされ、非作動時にはそうした相対移動が規制される。この弁停止機構25の非作動時にあっては、ローラ21のロッカアーム22に対する相対移動が規制されることにより、排気カム12aによってローラ21が押圧されると、それに基づきロッカアーム22が上記のように揺動して排気バルブ10は開閉動作される。一方、弁停止機構25の作動時にあっては、ローラ21がロッカアーム22に対して相対移動するため、排気カム12aによってローラ21が押圧されると、同ローラ21はロッカアーム22に対して相対移動し、いわば空振りのような状態になる。そのため、ロッカアーム22の揺動が停止され、これにより、排気カム12aの回転に伴う排気バルブ10のリフト動作は停止されて、排気バルブ10も閉弁状態にされる。
また、エンジン1には、吸気バルブ9及び排気バルブ10といった機関バルブのうち、吸気バルブ9のバルブ特性を連続的に変更する油圧駆動式の可変動弁機構100が設けられている。この可変動弁機構100は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を変更することにより、吸気バルブ9のバルブタイミングを可変とするものである。こうした可変動弁機構100の駆動を通じて、吸気バルブ9の開弁期間が一定に維持された状態で同吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期が共に進角又は遅角されることにより、吸気バルブのバルブ特性は機関運転状態に応じた適切な値に変更される。
図2に、可変動弁機構100の構造を模式的に示す。この図2に示すように、可変動弁機構100は、略円環形状のハウジング103と、その内部に収容されてハウジング103に対して相対回転するロータ101とを有している。ロータ101は、吸気バルブ9を開閉させる吸気カムシャフト11に、またハウジング103はクランクシャフト7に同期して回転するカムプーリ105に、それぞれ一体回転可能に連結されている。
ハウジング103の内部には、同ハウジング103の内周面とロータ101に設けられたベーン102とで区画された進角圧力室106及び遅角圧力室107がそれぞれ複数形成されている。なお、進角圧力室106及び遅角圧力室107の数は適宜変更可能することができる。
これら進角圧力室106、遅角圧力室107はそれぞれ適宜の油通路を介して油圧制御弁120に接続されている。この油圧制御弁120は、各種のポートが形成されたスリーブ121、スリーブ121内に往復動可能に収納された弁体であるスプール122、同スプール122を往復動させるためのソレノイド123及びスプリング124等を備えている。
上記スリーブ121には、進角圧力室106に接続される進角用ポート125、遅角圧力室107に接続される遅角用ポート126、オイルパン160に接続されるドレンポート128、129がそれぞれ形成されている。また、同スリーブ121には、可変動弁機構100に作動油である潤滑油を送油するポンプであって上記クランクシャフト7によって駆動されるオイルポンプ150が接続されるポンプポート127も形成されている。そして、上記スプール122に設けられた弁体の位置が変化することで進角圧力室106への油圧供給、遅角圧力室107への油圧供給、進角圧力室106及び遅角圧力室107の油圧保持がそれぞれ切り換えられる。また、スプール122の位置は、上記ソレノイド123に印加される駆動電圧信号のデューティ比によって決定される。
例えば、デューティ比が「0%≦デューティ比<50%」の範囲にある場合には、スプール122の移動を通じてポンプポート127及び遅角用ポート126が連通されるとともに、ドレンポート128及び進角用ポート125が連通される。これにより遅角圧力室107への油圧供給がなされてロータ101は遅角側に回動され、バルブタイミングは遅角側に変更される。また、デューティ比が「50%<デューティ比≦100%」の範囲にある場合には、スプール122の移動を通じてポンプポート127及び進角用ポート125が連通されるとともに、ドレンポート128及び遅角用ポート126が連通される。これにより進角圧力室106への油圧供給がなされてロータ101は進角側に回動され、バルブタイミングは進角側に変更される。そして、デューティ比が50%近傍の値となっているときには、スプール122の位置が、進角用ポート125及び遅角用ポート126をともに閉鎖する中立位置にされることにより、進角圧力室106及び遅角圧力室107の油圧保持がなされ、これにより基本的にはバルブタイミングが現在の状態に保持される。
ちなみに、ソレノイド123への通電が停止されると、スプール122は、スプリング124の付勢力によって、ポンプポート127及び遅角用ポート126が連通し、ドレンポート128及び進角用ポート125が連通する位置に移動する。従って、ソレノイド123への通電が停止されると、遅角圧力室107への油圧供給がなされてロータ101は最遅角位置にて保持される。
このように可変動弁機構100は、上記ロータ101、ベーン102、及びハウジング103等で構成されてバルブ特性を変更する可動部や、その可動部を駆動するアクチュエータとしての油圧制御弁120等から構成されている。そして、同可変動弁機構100による吸気バルブ9のバルブタイミングの変更により、吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期はともに同じクランク角度だけ進角側に、あるいは遅角側に変更される。すなわち、吸気バルブ9の開弁期間が一定に維持された状態で、吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期は進角方向、あるいは遅角方向に変更される。
先の図1に示すように、エンジン1の機関運転状態等は各種センサによって検出される。例えば、アクセルポジションセンサ28により、自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル17の踏み込み量(アクセル踏込量)が検出される。また、スロットルポジションセンサ30により、吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度(スロットル開度)が検出される。また、エアフロメータ32により、吸気通路3を通じて燃焼室2に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が検出される。また、クランクポジションセンサ34により、クランクシャフト7の回転角度、すなわちクランク角度が検出され、その検出信号に基づいて機関回転速度NEが算出される。また、吸気カムシャフト11の近傍に設けられたカム角センサ35により、吸気カムシャフト11の回転位相が検出され、同カム角センサ35及び上記クランクポジションセンサ34の検出値に基づき、吸気バルブ9の実際のバルブタイミングを示す吸気カムシャフト11の実変位角VTが算出される。また、油温センサ36により、可変動弁機構100に供給される作動油の温度(油温Tem)が検出され、油圧センサ37により、可変動弁機構100に供給される作動油の圧力(油圧Pre)が検出される。
エンジン1の各種制御は、電子制御装置26によって行われる。この電子制御装置26は、上記各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。その入力ポートには、上記各種センサの信号線が接続されている。また、出力ポートには、燃料噴射弁4、点火プラグ5、可変動弁機構100の油圧制御弁120、スロットルバルブ29、及び弁停止機構24,25の駆動回路等が接続されており、電子制御装置26は、各種センサにて検出された機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして燃料噴射弁4の燃料噴射制御、点火プラグ5の点火時期制御、吸気バルブ9のバルブタイミングの制御、スロットルバルブ29の開度制御、弁停止機構24,25の駆動制御等が電子制御装置26によって実施される。
エンジン1の減筒運転及び全筒運転は、機関運転状態に応じて切り替えられる。すなわち、図3に示すように、機関回転速度及び機関負荷に基づいて把握される機関運転状態が、低回転低負荷状態になっており、予め設定された減筒運転領域G内にあるときには減筒運転が実行される。なお、機関回転速度が過度に低い領域で減筒運転を行うと、エンジン1から出力されるトルクの変動が顕著になってしまうため、本実施形態では、上記減筒運転領域Gから極低回転領域を除くようにしている。
この減筒運転時には、一部の気筒について燃料噴射弁4による燃料噴射及び点火プラグ5による点火の停止が行われるとともに、その燃料噴射及び点火が停止された気筒の吸気バルブ9及び排気バルブ10の開閉動作が弁停止機構24,25の作動によって停止される。このように低回転低負荷時、すなわち稼働気筒に対し1サイクル当たりに吸入される空気(混合気)の量が少なくなる状況のときには、減筒運転により一部の気筒の稼働が停止されることにより、残りの稼働気筒に対し1サイクル当たりに吸入される空気(混合気)の量が多くされる。その結果、減筒運転中の稼働気筒において、1サイクル当たりの吸入空気量(混合気の量)が、全気筒運転で高負荷運転となったときの稼働気筒における1サイクル当たりの吸入空気量(混合気の量)に近い値となり、低負荷運転時におけるエンジン1の燃費改善が図られるようになる。
他方、機関運転状態が上述した減筒運転領域Gよりも外の領域にあるとき、換言すれば全筒運転領域A内にあるときには全筒運転が実行される。この全筒運転時には、全ての気筒について燃料噴射弁4による燃料噴射及び点火プラグ5による点火が行われるとともに、弁停止機構24,25が非作動にされることにより、全ての吸気バルブ9及び排気バルブ10は開閉動作される。
吸気バルブ9のバルブタイミング制御では、可変動弁機構100のロータ101が最遅角位置にあり、バルブタイミングが最遅角状態となっているときの吸気カムシャフト11の回転位相を基準として、この基準となる回転位相からの進角量が上記実変位角VTとして定義されている。そして、この実変位角VTが機関運転状態に基づいて設定される目標変位角VTpと一致するように油圧制御弁120の駆動がフィードバック制御されることにより、吸気バルブ9のバルブタイミングは機関運転状態に応じたものに変更される。このように、吸気バルブ9の実変位角VTと目標変位角VTpとを一致させるバルブ可変制御は、可変動弁機構100の油圧制御を通じて行われる。
ところで、吸気側バルブスプリング40の反力は、ロッカアーム19、吸気カム11a、吸気カムシャフト11を介して可変動弁機構100に伝達されるため、同可変動弁機構100には、そうした吸気側バルブスプリング40の反力に起因したカムトルクが作用する。従って、上記バルブタイミング制御に際しては、そうしたカムトルクの大きさを考慮して同制御が行われる。
他方、バルブタイミング制御を行うに際し、可変動弁機構100に供給される作動油の圧力の状態に応じて同可変動弁機構100の応答性は変化する。ここで、上記エンジン1において全筒運転が行われるときには、吸気バルブ9及び排気バルブ10の全てが開閉動作することにより、全てのバルブスプリングから反力が発生する。他方、減筒運転が行われるときには、一部の気筒の吸気バルブ9及び排気バルブ10の開閉動作が停止されることにより、開閉動作が停止された機関バルブの数に対応してバルブスプリングからの反力が減少するため、減筒運転時には、全筒運転時と比較して可変動弁機構100に作用するカムトルクの平均値が減少する。そのため、減筒運転時には、作動油の圧力変化に対するバルブタイミングの変化度合が大きくなり、そうした減筒運転時においてバルブタイミングを精密に制御するには、全筒運転時よりも精密な油圧制御が要求される。
こうした減筒運転時において、作動油の圧力が低下してしまうと、可変動弁機構100の応答性が低下して精密な油圧制御が困難になる。そのため、例えば実変位角VTと目標変位角VTpとが一致した状態を保持するに際して、実変位角VTがハンチングするといった不都合が発生しやすくなり、バルブタイミングが不安定になるおそれがある。
そこで、本実施形態では、以下に説明するバルブタイミング制御の禁止処理を実行することにより、全筒運転及び減筒運転が行われるエンジン1で可変制御されるバルブタイミングが、減筒運転時において不安定になることを抑えるようにしている。
図4に、上述したバルブタイミング制御の禁止処理についてその処理手順を示す。なお、本処理は、電子制御装置26によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関負荷KL、機関回転速度NE、油温Tem、油圧Preが読み込まれる(S100)。
次に、機関負荷KL及び機関回転速度NEに基づいて、現在の機関運転状態が減筒運転領域G内にあるか否かが判定され(S100)、減筒運転領域G内ではない、すなわち全筒運転領域A内である場合には(S110:NO)、バルブタイミング制御の実行が許可されて(S120)、本処理は一旦終了される。このようにバルブタイミング制御の実行が許可される場合には、機関運転状態に基づいて設定される目標変位角VTpと実変位角VTとが一致するように可変動弁機構100の油圧制御が行われる。
一方、減筒運転領域G内である場合には(S110:YES)、現在の油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内にあるか否かが判定され(S130)、同バルブタイミング制御禁止領域VS内にあるときには、油圧Preの状態がバルブタイミング制御の禁止条件を満たしていると判断される。
図5に、そうしたバルブタイミング制御禁止領域VSの設定態様を示す。この図5に示すように、油圧Preが判定圧α以下であるときには、現在の油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内にあると判定され、油圧低下によって可変動弁機構100の応答性が低下する状態にあると判断される。また、上記判定圧αは、油温Tem及び機関回転速度NEに基づいて可変設定される。このように判定圧αを可変設定する理由は以下による。
まず、作動油の温度が高くなるほど同作動油の粘度は低下するため、可変動弁機構100内での作動油の漏れ量、例えば進角圧力室106や遅角圧力室107からの作動油の漏れ量等は増大するようになる。従って、作動油の圧力がある程度高くても、そうした漏れ量が増大している状態では、ロータ101の回動に利用される作動油の量が減少して可変動弁機構100の応答性は低下する。そこで、図5に示すように、作動油の油温Temが高くなるほど、上記判定圧αは高くなるように可変設定される。これにより、同一の油圧Preであっても、作動油の温度上昇による可変動弁機構100の応答性低下が発生しやすいときほど、上述した禁止条件(油圧Pre≦判定圧α)は成立しやすくなり、作動油の温度上昇による可変動弁機構100の応答性低下を適切に判定することができる。
また、機関回転速度NEが低くなるほど、吸気カムシャフト11の回転速度も遅くなり、上述したカムトルクの変動周期が長くなる。そのため、機関回転速度NEが低くなるほど、カムトルクの変動が明確に現れるようになり、バルブタイミングの不安定化が助長される傾向がある。そこで、図5に示すように、機関回転速度NEが低いときほど、上記判定圧αは高くなるように可変設定される。これにより、バルブ特性の不安定化が助長されやすいときほど、上記禁止条件(油圧Pre≦判定圧α)が成立しやすくなる。従って、機関回転速度NEの低下によるバルブタイミングの不安定化が生じやすい状態において、さらに可変動弁機構100の応答性低下によるバルブタイミングの不安定化が加わることにより、バルブタイミングの不安定化がさらに悪化するといった不都合の発生が抑えられるようになる。
油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内にあるか否かを判定する際の具体的な態様について、その一例を、先の図5を併せ参照して説明する。例えば、現在の機関回転速度NEが機関回転速度NEA(例えば1000r/min程度)であって、油温Temが油温Tem1である場合には、機関回転速度NEA及び油温Tem1に対応する判定圧αAが設定される。そして、現在の油圧Pre1が判定圧αAを超えた圧力である場合には、油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内ではないと判定され、現在の油圧Pre2が判定圧αA以下の圧力である場合には、油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内にあると判定される。
また、現在の機関回転速度NEが上記機関回転速度NEAよりも高い機関回転速度NEB(例えば2000r/min程度)であって、油温Temが油温Tem1である場合には、機関回転速度NEB及び油温Tem1に対応する判定圧αBが設定される。そして、上記態様と同様に、現在の油圧Preが判定圧αBを超えた圧力である場合には、油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内ではないと判定され、現在の油圧Preが判定圧αB以下の圧力である場合には、油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内にあると判定される。
上記ステップS130にて、油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内ではないと判定される場合には(S130:NO)、バルブタイミングの不安定化が生じる状態ではないと判断されて、バルブタイミング制御の実行が許可され(S120)、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS130にて、油圧Preの状態がバルブタイミング制御禁止領域VS内であると判定される場合には(S130:YES)、バルブタイミングの不安定化が生じるおそれがあると判断されて、まず、吸気バルブ9のバルブタイミングが最遅角位置に固定される(S140)。このステップS140では、上記ソレノイド123に印加される駆動電圧信号のデューティ比が「0%」に設定されることにより、実質的にソレノイド123への通電が停止され、これにより遅角圧力室107への油圧供給が行われる。従って、吸気バルブ9のバルブタイミングは遅角方向に変更されて、最終的には最遅角位置で固定される。そして、その後、バルブタイミング制御の実行が停止されて(S150)、本処理は一旦終了される。このようにバルブタイミング制御の実行が禁止される場合には、可変動弁機構100の油圧制御が停止される。
こうしたバルブタイミング制御の禁止処理が実行されることにより、機関運転状態が減筒運転領域G内にあるときに、可変動弁機構100に供給される作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件(油圧Pre≦判定圧α)を満たすときには、ステップS150の処理によって、バルブタイミング制御の実行が禁止される。これにより、精密な油圧制御が要求される減筒運転時において、作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件を満たしており、可変動弁機構100の応答性が低下するようなときには、バルブタイミング制御の実行そのものが禁止される。従って、全筒運転及び減筒運転が行われるエンジン1で可変制御される吸気バルブ9のバルブタイミングが、減筒運転時において不安定になることを抑えることができるようになる。
また、作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件を満たした時点でバルブタイミング制御の実行を直ちに禁止して可変動弁機構100の駆動を中止してしまうと、可変動弁機構100の可動部がカムトルクなどの外力によって動いてしまい、バルブタイミングが変動してしまうおそれがある。この点、上記バルブタイミング制御の禁止処理では、バルブタイミング制御の実行を禁止する際、そのバルブタイミング制御の実行禁止に先だって、ステップS140の処理により、バルブタイミングを予め定められた特性に固定するようにしている。従って、バルブタイミング制御の実行を禁止したときの吸気バルブ9のバルブタイミングの変動を抑えることができるようになる。
また、バルブタイミング制御の実行を禁止して可変動弁機構100の駆動を中止すると、同可変動弁機構100の可動部は、カムトルクが作用する方向に、より具体的にはバルブタイミングが遅角側に変化する方向に移動する。そこで、ステップS140にてバルブタイミングを予め定められた特性に固定するときには、吸気バルブ9のバルブタイミングを最遅角位置で固定するようにしており、これによりカムトルクを利用してバルブタイミングの固定が行われるようになる。従って、そうしたバルブタイミングの固定をより容易に行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
(1)機関運転状態が減筒運転領域G内にあるときに、可変動弁機構100に供給される作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件を満たすとき、より詳細には油圧Preが判定圧α以下にまで低下しており、可変動弁機構100の応答性が低下する状態にあると判定されるときには、バルブタイミング制御の実行を禁止するようにしている。これにより、精密な油圧制御が要求される減筒運転時において、可変動弁機構100の応答性が低下するようなときには、バルブタイミング制御の実行そのものが禁止される。従って、全筒運転及び減筒運転が行われるエンジン1で可変制御される吸気バルブ9のバルブタイミングが、減筒運転時において不安定になることを好適に抑えることができるようになる。
(2)バルブタイミング制御の実行を禁止する際には、吸気バルブ9のバルブタイミングを予め定められた特性に固定したのちに、バルブタイミング制御の実行を禁止するようにしている。従って、バルブタイミング制御の実行を禁止したときの吸気バルブ9のバルブタイミングの変動を抑えることができるようになる。
(3)バルブタイミングを予め定められた特性に固定する際には、吸気バルブ9のバルブタイミングが最遅角位置に固定されるようにしている。従って、カムトルクを利用したバルブタイミングの固定を行うことができるようになり、そうしたバルブタイミングの固定をより容易に行うことができるようになる。
(4)上記判定圧αを、作動油の油温Temが高いときほど高くなるように可変設定するようにしている。そのため、作動油の温度上昇による可変動弁機構100の応答性低下を好適に判定することも可能になる。
(5)上記判定圧αを、機関回転速度NEが低いときほど高くなるように可変設定するようにしている。そのため、機関回転速度NEの低下によるバルブタイミングの不安定化が生じやすい状態において、さらに可変動弁機構100の応答性低下によるバルブタイミングの不安定化が加わることにより、吸気バルブ9バルブタイミングの不安定化がさらに悪化するといった不都合の発生を好適に抑えることができるようになる。
(第2実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
上記第1実施形態では、機関運転状態が減筒運転領域G内にあるときに、可変動弁機構100に供給される作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件を満たすときには、バルブタイミング制御の実行を禁止するようにした。一方、本実施形態では、上記バルブタイミング制御の禁止処理に代えて、以下に説明する減筒運転の禁止処理を実行することで同様な禁止条件が満たされるときには減筒運転の実行を禁止するようにしており、この点以外は基本的に上記第1実施形態と同一である。そこで、以下では、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態にかかる内燃機関の制御装置を説明する。
図6に、上記減筒運転の禁止処理についてその処理手順を示す。なお、本処理は、電子制御装置26によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関負荷KL、機関回転速度NE、油温Tem、油圧Preが読み込まれる(S200)。
次に、機関負荷KL及び機関回転速度NEに基づいて、現在の機関運転状態が減筒運転領域G内にあるか否かが判定され(S200)、減筒運転領域G内ではない、すなわち全筒運転領域A内である場合には(S210:NO)、全筒運転が実行されて(S240)、本処理は一旦終了される。
一方、減筒運転領域G内である場合には(S210:YES)、現在の油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内にあるか否かが判定され(S220)、同減筒運転禁止領域GS内にあるときには、油圧Preの状態が減筒運転の実行禁止条件を満たしていると判断される。
図7に、そうした減筒運転禁止領域GSの設定態様を示す。この図7に示すように、油圧Preが判定圧β以下であるときには、現在の油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内にあると判定され、油圧低下によって可変動弁機構100の応答性が低下する状態にあると判断される。また、上記判定圧βは、油温Tem及び機関回転速度NEに基づいて可変設定される。このように判定圧βを可変設定する理由は、上記判定圧αを可変設定する理由と同一である。
すなわち、作動油の温度が高くなるほど同作動油の粘度は低下するため、可変動弁機構100内での作動油の漏れ量、例えば進角圧力室106や遅角圧力室107からの作動油の漏れ量等は増大するようになる。従って、作動油の圧力がある程度高くても、そうした漏れ量が増大している状態では、ロータ101の回動に利用される作動油の量が減少して可変動弁機構100の応答性は低下する。そこで、図7に示すように、作動油の油温Temが高くなるほど、上記判定圧βは高くなるように可変設定される。これにより、同一の油圧Preであっても、作動油の温度上昇による可変動弁機構100の応答性低下が発生しやすいときほど、上述した禁止条件(油圧Pre≦判定圧β)は成立しやすくなり、作動油の温度上昇による可変動弁機構100の応答性低下を適切に判定することができる。
また、機関回転速度NEが低くなるほど、吸気カムシャフト11の回転速度も遅くなり、上述したカムトルクの変動周期が長くなる。そのため、機関回転速度NEが低くなるほど、カムトルクの変動が明確に現れるようになり、バルブタイミングの不安定化が助長される傾向がある。そこで、図7に示すように、機関回転速度NEが低いときほど、上記判定圧βは高くなるように可変設定される。これにより、バルブ特性の不安定化が助長されやすいときほど、上記禁止条件(油圧Pre≦判定圧β)が成立しやすくなる。従って、機関回転速度NEの低下によるバルブタイミングの不安定化が生じやすい状態において、さらに可変動弁機構100の応答性低下によるバルブタイミングの不安定化が加わることにより、バルブタイミングの不安定化がさらに悪化するといった不都合の発生が抑えられるようになる。
油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内にあるか否かを判定する際の具体的な態様について、その一例を、先の図7を併せ参照して説明する。例えば、現在の機関回転速度NEが機関回転速度NEA(例えば1000r/min程度)であって、油温Temが油温Tem1である場合には、機関回転速度NEA及び油温Tem1に対応する判定圧βAが設定される。そして、現在の油圧Pre1が判定圧βAを超えた圧力である場合には、油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内ではないと判定され、現在の油圧Pre2が判定圧βA以下の圧力である場合には、油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内にあると判定される。
また、現在の機関回転速度NEが上記機関回転速度NEAよりも高い機関回転速度NEB(例えば2000r/min程度)であって、油温Temが油温Tem1である場合には、機関回転速度NEB及び油温Tem1に対応する判定圧βBが設定される。そして、上記態様と同様に、現在の油圧Preが判定圧βBを超えた圧力である場合には、油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内ではないと判定され、現在の油圧Preが判定圧βB以下の圧力である場合には、油圧Preが減筒運転禁止領域GS内にあると判定される。
上記ステップS220にて、油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内ではないと判定される場合には(S220:NO)、バルブタイミングの不安定化が生じる状態ではないと判断されて、減筒運転が実行され(S230)、本処理は一旦終了される。
一方、先のステップS220にて、油圧Preの状態が減筒運転禁止領域GS内であると判定される場合には(S220:YES)、バルブタイミングの不安定化が生じるおそれがあると判断される。そのため、機関負荷KL及び機関回転速度NEが減筒運転領域G内にあっても、全筒運転が実行され(S240)、これにより実質的には減筒運転の実行が禁止される。そして、本処理は一旦終了される。
こうした減筒運転の禁止処理が実行されることにより、機関運転状態が減筒運転領域G内にあっても、可変動弁機構100に供給される作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件(油圧Pre≦判定圧β)を満たすときには、ステップS240の処理によって、減筒運転の実行禁止が優先して行われる。これにより、作動油の油圧Preが予め設定された禁止条件を満たしており、可変動弁機構100の応答性が低下するようなときには、精密な油圧制御が要求される減筒運転の実行が禁止される。従って、全筒運転及び減筒運転が行われるエンジン1で可変制御される吸気バルブ9のバルブタイミングが、減筒運転の実行によって不安定になることを抑えることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
(1)機関運転状態が減筒運転領域G内にあるときに、可変動弁機構100に供給される作動油の油圧Preの状態が予め設定された禁止条件(油圧Pre≦判定圧β)を満たす場合、より詳細には油圧Preが判定圧α以下にまで低下しており可変動弁機構100の応答性が低下する状態にあると判定されるときには、減筒運転の実行を禁止するようにしている。従って、全筒運転及び減筒運転が行われる多気筒内燃機関で可変制御されるバルブ特性が、減筒運転の実行によって不安定になることを抑えることができるようになる。
(2)上記判定圧βを、作動油の油温Temが高いときほど高くなるように可変設定するようにしている。そのため、作動油の温度上昇による可変動弁機構100の応答性低下を好適に判定することも可能になる。
(3)上記判定圧βを、機関回転速度NEが低いときほど高くなるように可変設定するようにしている。そのため、機関回転速度NEの低下によるバルブタイミングの不安定化が生じやすい状態において、さらに可変動弁機構100の応答性低下によるバルブタイミングの不安定化が加わることにより、吸気バルブ9バルブタイミングの不安定化がさらに悪化するといった不都合の発生を好適に抑えることができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・判定圧αや判定圧βを、油温Temや機関回転速度NEに基づいて可変設定するようにしたが、より簡易的には、油温Temに基づいて可変設定するようにしたり、機関回転速度NEに基づいて可変設定するようにしたりしてもよい。さらに簡易的には、判定圧αや判定圧βを固定値とするようにしてもよい。
・油温Temを油温センサ36で検出するようにしたが、エンジン1の冷却水温等から推定するようにしてもよい。
・作動油の圧力の状態を示す油圧Preを油圧センサ37で検出するようにした。この他、作動油の温度が高くなるほど粘度低下に起因して同作動油の圧力は低下する傾向があるため、油温Temから油圧Preを推定するようにしてもよい。また、油温Temが高くなるほど油圧Preは低くなるため、バルブタイミング制御の実行禁止条件や減筒運転の実行禁止条件として、作動油の油温Temが予め設定された判定温度以上である、といった条件を設定するようにしてもよい。この場合にも、作動油の圧力が低下しており、可変動弁機構100の応答性が低下する状態にあると判定することが可能である。ちなみに、油温Temは、上記油温センサ36等で直接検出したりする他に、機関運転状態や、機関の冷却水温、或いは機関始動からの経過時間等に基づいて推定することも可能である。
・上記各実施形態によるように、クランクシャフト7によって作動油用のオイルポンプ150が駆動される場合には、機関回転速度NEが低くなるほど、そのオイルポンプ150からの作動油の送油量が減少して同作動油の圧力は低下するようになる。従って、機関回転速度NEから油圧Preを推定するようにしてもよい。また、機関回転速度NEが低くなるほど油圧Preは低くなるため、バルブタイミング制御の実行禁止条件や減筒運転の実行禁止条件として、機関回転速度NEが予め設定された判定速度以下である、といった条件を設定するようにしてもよい。この場合にも、作動油の圧力が低下しており、可変動弁機構100の応答性が低下する状態にあると判定することが可能である。
・上記第1実施形態では、先の図4に示したステップS140の処理にて、バルブタイミングを予め定められた特性に固定する際に、吸気バルブ9のバルブタイミングを最遅角位置に固定するようにした。この他、バルブタイミングの可変範囲内における任意の特性に固定するようにしてもよい。なお、この場合には、係止機構などを利用して可変動弁機構の可動部を固定することが望ましい。例えば、ハウジング103に対するロータ101の相対回転を規制する係止ピンなどを設け、バルブタイミングを予め定められた特性に固定する際には、その係止ピンによってロータ101の回転を規制するようにしてもよい。ちなみに、吸気バルブ9のバルブタイミングを最遅角位置に固定する場合でも、上記係止機構などによってロータ101の回転を規制することにより、バルブタイミングを確実に固定することが可能である。
・上記実施形態では、可変動弁機構100をフィードバック制御する制御装置に本発明を適用した場合について説明したが、オープンループ制御を行う制御装置にも適用可能である。
・減筒運転中における稼働停止気筒数を機関運転状態等に応じて可変としてもよい。例えば、エンジン1が低回転低負荷となるほど、稼働停止気筒数が多くなるよう、言い換えれば稼働気筒数が少なくなるようにしてもよい。
・上記実施形態では、可変動弁機構100にて吸気バルブ9のバルブ特性を変更するようにしたが、同様な機構にて排気バルブ10のバルブ特性を変更する場合、あるいは吸気バルブ9及び排気バルブ10のバルブ特性を変更する場合にも、本発明は同様に適用することができる。
・上述した減筒運転は、混合気の燃焼状態が悪化しやすい低負荷領域などで実行されることが多い。そのため、上記第1実施形態において、バルブタイミングを予め定められた特性に固定する際には、混合気の燃焼状態が安定するようにバルブ特性を固定することが望ましい。例えば、可変動弁機構100にて吸気バルブ9のバルブタイミングを変更する場合には、上述したように、吸気バルブ9のバルブタイミングを最遅角位置に固定することが望ましい。また、可変動弁機構100と同様な機構にて排気バルブ10のバルブタイミングを変更する場合には、排気バルブ10のバルブタイミングを最進角位置に固定することが望ましい。このように、吸気バルブ9のバルブタイミングを最遅角位置に固定したり、排気バルブ10のバルブタイミングを最進角位置に固定したりすることにより、バルブオーバラップを極力小さくすることができ、これによりバルブ特性を固定したときの排気の内部再循環量(内部EGR)を減少させることができる。そのため、バルブ特性を予め定められた特性に固定したときの燃焼状態の悪化を抑えることができる。
なお、可変動弁機構100と同様な機構にて排気バルブ10のバルブタイミングを変更する場合にあっては、油圧制御弁のソレノイドへの通電が停止されたときに進角圧力室への油圧供給がなされるように、スプールをスプリングで付勢しておく。このようにしておけば、可変動弁機構の油圧制御が停止されても、排気バルブ10のバルブタイミングを最進角位置に固定しておくことができる。ちなみに、排気バルブ10のバルブタイミングを可変範囲内における任意の特性に固定するようにしてもよく、この場合には、排気バルブ10の可変動弁機構の可動部を係止機構などを利用して固定することが望ましい。
・上記実施形態で説明した可変動弁機構100に限らず、他の構成で吸気バルブ9や排気バルブ10といった機関バルブのバルブ特性(例えば、開時期、閉時期、開弁期間、あるいは最大リフト量等)を可変とする可変動弁機構であっても、本発明は同様に適用することができる。すなわち、作動油の圧力変化に対するバルブ特性の変化度合が上記カムトルクの変化によって変わる可変動弁機構であれば、本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる内燃機関の制御装置の第1実施形態について、これが適用される内燃機関及びその周辺構成を示す概略図。 同実施形態における可変動弁機構の構造を示す模式図。 全筒運転領域と減筒運転領域とを示す概念図。 同実施形態におけるバルブタイミング制御の禁止処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるバルブタイミング制御禁止領域の設定態様を示す概念図。 第2実施形態における減筒運転の禁止処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態における減筒運転禁止領域の設定態様を示す概念図。
符号の説明
1…エンジン、2…燃焼室、3…吸気通路、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、17…アクセルペダル、18…ローラ、19…ロッカアーム、20…ラッシュアジャスタ、21…ローラ、22…ロッカアーム、23…ラッシュアジャスタ、24…(吸気バルブの)弁停止機構、25…(排気バルブの)弁停止機構、26…電子制御装置、28…アクセルポジションセンサ、29…スロットルバルブ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフロメータ、34…クランクポジションセンサ、35…カム角センサ、36…油温センサ、37…油圧センサ、40…吸気側バルブスプリング、41…排気側バルブスプリング、100…可変動弁機構、101…ロータ、102…ベーン、103…ハウジング、105…カムプーリ、106…進角圧力室、107…遅角圧力室、120…油圧制御弁、121…スリーブ、122…スプール、123…ソレノイド、124…スプリング、125…進角用ポート、126…遅角用ポート、127…ポンプポート、128…ドレンポート、150…オイルポンプ、160…オイルパン。

Claims (7)

  1. 機関バルブのバルブ特性を変更する油圧駆動式の可変動弁機構と、一部の気筒の機関バルブの開閉動作を停止させる弁停止機構とを備える多気筒内燃機関に適用されて、前記可変動弁機構の油圧制御を通じて前記バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うとともに、機関運転状態が予め設定された減筒運転領域内にあるときには前記弁停止機構を作動させて減筒運転を実行する内燃機関の制御装置において、
    機関運転状態が前記減筒運転領域内にあるときに、前記可変動弁機構に供給される作動油の圧力の状態が予め設定された条件を満たすと判定されたときには、前記バルブ可変制御の実行を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記バルブ可変制御の実行を禁止する際には、前記バルブ特性を予め定められた特性に固定したのちに前記バルブ可変制御の実行が禁止される
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記バルブ特性を予め定められた特性に固定する際には、前記機関バルブのバルブタイミングが最遅角位置に固定される
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 機関バルブのバルブ特性を変更する油圧駆動式の可変動弁機構と、一部の気筒の機関バルブの開閉動作を停止させる弁停止機構とを備える多気筒内燃機関に適用されて、前記可変動弁機構の油圧制御を通じて前記バルブ特性の実値と目標値とを一致させるバルブ可変制御を行うとともに、機関運転状態が予め設定された減筒運転領域内にあるときには前記弁停止機構を作動させて減筒運転を実行する内燃機関の制御装置において、
    機関運転状態が前記減筒運転領域内にあるときに、前記可変動弁機構に供給される作動油の圧力の状態が予め設定された条件を満たすと判定されたときには、前記減筒運転の実行を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 予め設定された前記条件として、前記作動油の圧力が予め設定された判定圧以下であることが設定されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記判定圧は、前記作動油の温度が高いときほど高くなるように可変設定される
    請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記判定圧は、機関回転速度が低いときほど高くなるように可変設定される
    請求項5または6に記載の内燃機関の制御装置。
JP2008047410A 2008-02-28 2008-02-28 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4792478B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008047410A JP4792478B2 (ja) 2008-02-28 2008-02-28 内燃機関の制御装置
US12/395,769 US8498797B2 (en) 2008-02-28 2009-03-02 Control apparatus and control method for internal combustion engine
US13/421,138 US8505505B2 (en) 2008-02-28 2012-03-15 Control apparatus and control method for internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008047410A JP4792478B2 (ja) 2008-02-28 2008-02-28 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009203900A true JP2009203900A (ja) 2009-09-10
JP4792478B2 JP4792478B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=41013804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008047410A Expired - Fee Related JP4792478B2 (ja) 2008-02-28 2008-02-28 内燃機関の制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (2) US8498797B2 (ja)
JP (1) JP4792478B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011125167A1 (ja) * 2010-04-05 2011-10-13 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2013122232A (ja) * 2011-11-08 2013-06-20 Nippon Soken Inc バルブタイミング調整システム
JP2015203370A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
JP2016183628A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 富士重工業株式会社 内燃機関の状態判定装置
WO2018168693A1 (ja) * 2017-03-17 2018-09-20 マツダ株式会社 車両の制御装置
JP2018155172A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 マツダ株式会社 車両の制御装置
JP2018155173A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 マツダ株式会社 車両の制御装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5741520B2 (ja) * 2012-05-01 2015-07-01 株式会社アドヴィックス 制動制御装置
JP5491612B1 (ja) * 2012-12-11 2014-05-14 三菱電機株式会社 流体噴射弁及び噴霧生成装置
CN105637202B (zh) * 2014-08-29 2018-07-20 马自达汽车株式会社 发动机的控制装置
JP5911547B1 (ja) * 2014-10-20 2016-04-27 三菱電機株式会社 内燃機関の制御装置
JP6460140B2 (ja) * 2017-03-15 2019-01-30 マツダ株式会社 エンジンの制御装置及び制御方法
US10927779B2 (en) 2018-02-20 2021-02-23 Ford Global Technologies, Llc Camshaft phaser control for variable displacement engines

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0681678A (ja) * 1992-08-31 1994-03-22 Mitsubishi Motors Corp 弁可変駆動機構付きエンジンの切り換え制御装置
JPH06317125A (ja) * 1994-03-28 1994-11-15 Mitsubishi Motors Corp 油圧制御弁制御装置
JP2002221052A (ja) * 2001-01-22 2002-08-09 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の油圧制御装置
JP2004346903A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Honda Motor Co Ltd 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法
JP2007113398A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Denso Corp エンジンの制御装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2917636B2 (ja) 1991-12-10 1999-07-12 トヨタ自動車株式会社 多気筒内燃機関の制御装置
JPH10141036A (ja) 1996-09-13 1998-05-26 Nippon Soken Inc 内燃機関の潤滑油圧回路
JP3822950B2 (ja) * 1997-06-12 2006-09-20 株式会社日立製作所 内燃機関用可変バルブタイミング機構の自己診断装置
JP2000356143A (ja) * 1999-06-14 2000-12-26 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼制御装置
JP2001164953A (ja) 1999-12-14 2001-06-19 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の動弁装置
US6325029B1 (en) * 2000-05-29 2001-12-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Valve timing control system for internal combustion engine
JP2002227665A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の弁停止機構の油圧制御装置
AT5399U1 (de) * 2001-09-25 2002-06-25 Avl List Gmbh Variabler ventiltrieb
JP3985696B2 (ja) 2003-02-28 2007-10-03 日産自動車株式会社 内燃機関の可変動弁装置
JP2004300922A (ja) 2003-03-28 2004-10-28 Suzuki Motor Corp エンジンの可変動弁装置
JP2004340018A (ja) 2003-05-15 2004-12-02 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4974506B2 (ja) * 2005-10-18 2012-07-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US8060267B2 (en) * 2007-10-23 2011-11-15 GM Global Technology Operations LLC Method for controlling power flow within a powertrain system

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0681678A (ja) * 1992-08-31 1994-03-22 Mitsubishi Motors Corp 弁可変駆動機構付きエンジンの切り換え制御装置
JPH06317125A (ja) * 1994-03-28 1994-11-15 Mitsubishi Motors Corp 油圧制御弁制御装置
JP2002221052A (ja) * 2001-01-22 2002-08-09 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の油圧制御装置
JP2004346903A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Honda Motor Co Ltd 油圧制御型気筒休止エンジンの気筒休止制御方法
JP2007113398A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Denso Corp エンジンの制御装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011125167A1 (ja) * 2010-04-05 2011-10-13 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
DE112010005447T5 (de) 2010-04-05 2013-03-28 Toyota Jidosha K.K. Steuervorrichtung für eine Brennkraftmaschine
JP2013122232A (ja) * 2011-11-08 2013-06-20 Nippon Soken Inc バルブタイミング調整システム
JP2015203370A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
JP2016183628A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 富士重工業株式会社 内燃機関の状態判定装置
WO2018168693A1 (ja) * 2017-03-17 2018-09-20 マツダ株式会社 車両の制御装置
JP2018155174A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 マツダ株式会社 車両の制御装置
JP2018155172A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 マツダ株式会社 車両の制御装置
JP2018155173A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 マツダ株式会社 車両の制御装置
US11041450B2 (en) 2017-03-17 2021-06-22 Mazda Motor Corporation Vehicle control device

Also Published As

Publication number Publication date
US8498797B2 (en) 2013-07-30
US20120167848A1 (en) 2012-07-05
US8505505B2 (en) 2013-08-13
US20090222197A1 (en) 2009-09-03
JP4792478B2 (ja) 2011-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4792478B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US8316831B2 (en) Control device for internal combustion engine and control method for internal combustion engine
JP4614019B2 (ja) 可変動弁機構の制御装置および制御方法
US5494008A (en) Valve timing control apparatus for engine
US20060169231A1 (en) Intake air amount control apparatus and intake air amount control method for internal combustion engine
US7137367B2 (en) Control apparatus and control method for internal combustion engine valve actuation
JP3972720B2 (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
JP2005201113A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009057901A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4415571B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4396507B2 (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
JP2006316762A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2009191703A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009250065A (ja) 多気筒内燃機関
JP3826298B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3873809B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング可変制御装置
JP2006207433A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4861378B2 (ja) 内燃機関の可変動弁制御装置
JP2008075557A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4442440B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004245192A (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP4254660B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4690094B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008095632A (ja) 内燃機関の可変バルブ制御装置
JP2010203372A (ja) 可変動弁機構の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4792478

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees