JP2009250065A - 多気筒内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン10は、バルブスプリング312、油圧式のラッシュアジャスタ320、これらスプリング312及びラッシュアジャスタ320との協働により排気バルブ31を開閉駆動するカム314、及び排気バルブ31の開閉駆動にともない燃焼室11との連通状態が切り替えられる排気ポート32を気筒#1〜#4毎に備える。また、電子制御装置は、機関運転状態に基づいて算出される排気バルブ31の目標開弁タイミングに応じて排気バルブ31の開弁タイミングを可変とする可変動弁機構40を制御し、排気マニホルドの内圧PEが所定圧PEA以上である旨推定されるときに排気バルブ31の開弁タイミングを目標開弁タイミングよりも遅角側に補正する。
【選択図】図2
Description
請求項1に記載の発明は、排気バルブの閉じる方向に同バルブを付勢するバルブスプリングと、前記排気バルブの開く方向に同バルブを押圧して同バルブの位置を調節する油圧式ラッシュアジャスタと、これらバルブスプリング及び油圧式ラッシュアジャスタとの協働により前記排気バルブを開閉駆動するカムと、前記排気バルブの開閉駆動にともない燃焼室との連通状態が切り替えられる排気ポートとを気筒毎に備え、これら排気ポートの排気下流側に接続される排気マニホルドを備える多気筒内燃機関において、前記排気バルブの開弁タイミングを可変とする可変動弁機構と、機関運転状態に基づいて算出される排気バルブの目標開弁タイミングに応じて前記可変動弁機構を制御する制御手段と、前記排気マニホルドの内圧が所定圧以上である旨推定されるときに前記排気バルブの開弁タイミングを前記目標開弁タイミングよりも遅角側に補正する補正手段とを備えることをその要旨としている。
図1〜図8を参照して、本発明にかかる多気筒内燃機関を車載用筒内噴射式ガソリンエンジン(以下、「エンジン10」)として具体化した第1実施形態について説明する。
エンジン10の各気筒#1〜#4には、燃焼室11がそれぞれ形成され、各燃焼室11内に燃料を直接噴射するインジェクタ12、及びこれらインジェクタ12により噴射された燃料と空気との混合気に点火する点火プラグ13がそれぞれ設けられている。また、エンジン10の各燃焼室11には、吸気通路20及び排気通路30が接続されている。また、エンジン10の各気筒#1〜#4には、各燃焼室11と吸気通路20との連通状態を切り替えるための吸気バルブ21及び各燃焼室11と排気通路30との連通状態を切り替えるための排気バルブ31がそれぞれ設けられている。
排気バルブ31にはリテーナ311が取り付けられており、このリテーナ311とエンジン10のシリンダヘッド14との間にはバルブスプリング312が設けられている。このバルブスプリング312によって排気バルブ31は同バルブ31を閉じる方向に常時付勢されている。
ラッシュアジャスタ320は、有底筒状のボディ321を備え、このボディ321の内部には、プランジャ322、プランジャスプリング323、チェックボール324、チェックボールスプリング325、及びボールリテーナ326が設けられている。ボディ321の内側底面とこれに対向するプランジャ322の基端部との間は高圧室327として区画され、プランジャ322の内部は低圧室328として区画されている。これら高圧室327と低圧室328とはプランジャ322の基端部に形成された連通路329を介して連通されている。また、ボディ321及びプランジャ322にはオイル孔330,331がそれぞれ形成されており、オイルポンプ15からオイル通路16を通じて供給されるオイルは、これらオイル孔330,331を通じて低圧室328に供給される。また、高圧室327にもオイルが満たされている。
先の図1に示すように、エンジン10には燃焼室11から排出される排気の圧力によって駆動される過給機50が設けられている。過給機50は、排気管34に設けられるタービン51と、吸気管24に設けられてタービン51に軸連結されるコンプレッサ52とを備えている。排気の圧力によってタービン51が回転すると、これにともないタービン51に軸連結されるコンプレッサ52が回転し、これにより燃焼室11に吸入される空気が過給されるようになっている。
図5を参照して排気バルブ31のバルブタイミング制御について説明する。なお同図は、排気バルブ31のリフト量の推移であるリフト曲線を示したものである。また、図中における一点鎖線は、吸気バルブ21のリフト曲線を示している。
図6及び図7を参照して、排気バルブ31の遅角補正制御について説明する。なお図6は、遅角補正制御の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、エンジン10の運転中に電子制御装置70によって繰り返し実行される。また、図7は、過給圧PMと遅角補正量ΔVTexとの関係を規定したマップである。
VTTex ← VTBex −+ ΔVTex ・・・(1)
次に、図8のタイミングチャートの上側部分を参照して、上記遅角補正制御を実行しない場合における、(a)第1気筒#1の排気バルブ31のリフト量の推移、(b)第3気筒#3の排気バルブ31のリフト量の推移、(c)排気マニホルド33の内圧PEの推移の一例について説明する。なお、図中における一点鎖線は、対応する気筒における吸気バルブ21のリフト曲線を示している。
(1)排気バルブ31の開弁タイミングを可変とする可変動弁機構40を備え、排気マニホルド33の内圧PEが所定圧PEA以上である旨推定されるときに、排気バルブ31の開弁タイミングを、機関運転状態に基づいて算出される目標開弁タイミングよりも遅角側に補正する遅角補正制御を実行することとした。従って、排気バルブ31の開閉駆動にともなう機関抵抗の増大を抑制しつつも、排気の圧力が過度に高くなることに起因して排気バルブ31の着座不良が生じることを抑制することができるようになる。
図9を参照して、本発明にかかる多気筒内燃機関の第2実施形態について説明する。
先の第1実施形態では、上記遅角補正制御を実行するか否かを判断するための所定圧力PMAを一定値としているに対して、本実施形態では、機関回転速度NEが高いときには低いときに比べて上記所定圧力PMXを小さな値に設定するようにしている。また、機関冷却水温THWが高いときには低いときに比べて上記所定圧力PMXを大きな値に設定するようにしている。
上記所定圧力PMAを過給圧PMにかかわらず拘わらず一定値とすると、すなわち排気マニホルド33の内圧PEに拘わらず一定値とすると、例えばラッシュアジャスタ320の押圧力が予め想定したものよりも大きい場合には、過給圧PMが所定圧力PMAよりも小さいにも拘わらず、すなわち排気マニホルド33の内圧PEが上記所定圧PEAよりも小さいにも拘わらず、ラッシュアジャスタ320のポンプアップが発生し、排気バルブ31の着座不良が生じる。
機関回転速度NEが高いときには低いときに比べて所定圧力PMXは大きな値とされている。また、機関冷却水温THWが高いときには低いときに比べて所定圧力PMXは小さな値とされている。
(1)ラッシュアジャスタ320はエンジン10により駆動されるオイルポンプ15から供給されるオイルの圧力により駆動されるものであり、機関回転速度NEが高いときには低いときに比べて上記所定圧力PMXを小さな値に設定することとした。これにより、ラッシュアジャスタ320の押圧力が大きいときには小さいときに比べて上記所定圧力PMXを小さな値に設定することができ、ラッシュアジャスタ320の押圧力に応じて上記所定圧力PMXを的確に設定することができるようになる。従って、排気マニホルド33の内圧PEが上記所定圧PEXよりも小さいにも拘わらず、ラッシュアジャスタ320のポンプアップが発生することを抑制することができ、排気バルブ31の着座不良が生じることを抑制することができるようになる。
・上記第2実施形態では、機関回転速度NEが高いときには低いときに比べて上記所定圧力PMXを小さな値に設定するとともに、機関冷却水温THWが高いときには低いときに比べて上記所定圧力PMXを大きな値に設定するようにしている。しかし、例えばラッシュアジャスタ320の押圧力に対して機関冷却水温THWの与える影響が無視できる場合には機関冷却水温THWに拘わらず所定圧力PMXを一定値とするようにしてもよい。また、ラッシュアジャスタ320の押圧力に対して機関回転速度NEの与える影響が無視できる場合には機関回転速度NEに拘わらず所定圧力PMXを一定値とするようにしてもよい。
Claims (9)
- 排気バルブの閉じる方向に同バルブを付勢するバルブスプリングと、前記排気バルブの開く方向に同バルブを押圧して同バルブの位置を調節する油圧式ラッシュアジャスタと、これらバルブスプリング及び油圧式ラッシュアジャスタとの協働により前記排気バルブを開閉駆動するカムと、前記排気バルブの開閉駆動にともない燃焼室との連通状態が切り替えられる排気ポートとを気筒毎に備え、これら排気ポートの排気下流側に接続される排気マニホルドを備える多気筒内燃機関において、
前記排気バルブの開弁タイミングを可変とする可変動弁機構と、
機関運転状態に基づいて算出される排気バルブの目標開弁タイミングに応じて前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
前記排気マニホルドの内圧が所定圧以上である旨推定されるときに前記排気バルブの開弁タイミングを前記目標開弁タイミングよりも遅角側に補正する補正手段とを備える
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項1に記載の多気筒内燃機関において、
前記補正手段は、内燃機関の吸気の圧力を検出する圧力検出手段を含み、該圧力検出手段により検出される吸気の圧力が所定圧力以上のときに排気マニホルドの内圧が所定圧以上である旨推定する
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項1又は請求項2に記載の多気筒内燃機関において、
前記補正手段は、前記排気マニホルドの内圧が高いときには低いときに比べて前記排気バルブの開弁タイミングの遅角補正量を大きな値に設定する
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 排気バルブを閉じる方向に付勢するバルブスプリングと、前記排気バルブを開く方向に押圧して同バルブの位置を調節するラッシュアジャスタと、これらバルブスプリング及び油圧式ラッシュアジャスタとの協働により前記排気バルブを開閉駆動するカムと、前記排気バルブの開閉駆動にともない燃焼室との連通状態が切り替えられる排気ポートとを気筒毎に備え、これら排気ポートの排気下流側に接続される排気マニホルドを備える多気筒内燃機関において、
前記排気バルブの開弁タイミングを可変とする可変動弁機構と、
機関運転状態に基づいて算出される排気バルブの目標開弁タイミングに応じて前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
機関回転速度が所定速度以上であるときに前記排気バルブの開弁タイミングを前記目標開弁タイミングよりも遅角側に補正する補正手段とを備える
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項4に記載の多気筒内燃機関において、
前記補正手段は、前記機関回転速度が高いときには低いときに比べて前記排気バルブの開弁タイミングの遅角補正量を大きな値に設定する
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関において、
前記油圧式ラッシュアジャスタは機関駆動式のオイルポンプから供給されるオイルの圧力により駆動されるものであり、
前記補正手段は、機関回転速度が高いときには低いときに比べて前記所定圧を小さな値に設定する
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関において、
前記油圧式ラッシュアジャスタは機関駆動式のオイルポンプから供給されるオイルの圧力により駆動されるものであり、
前記オイルの温度を検出する油温検出手段を備え、
前記補正手段は、前記油温検出手段により検出されるオイルの温度が高いときには低いときに比べて前記所定圧を大きな値に設定する
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関において、
前記油圧式ラッシュアジャスタは機関駆動式のオイルポンプから供給されるオイルの圧力により駆動されるものであり、
機関冷却水の温度を検出する水温検出手段を備え、
前記補正手段は、前記水温検出手段により検出される機関冷却水の温度が高いときには低いときに比べて前記所定圧を大きな値に設定する
ことを特徴とする多気筒内燃機関。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関において、
燃焼室に吸入される空気を排気圧によって過給する過給機を備える
ことを特徴とする多気筒内燃機関。
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