JP2006242037A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラッシュアジャスタのポンプアップが頻繁に発生して機関バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になることを抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、排気バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関に適用される。バルブ機構はロッカアームを有し、同ロッカアームの一端がラッシュアジャスタによって支持されている。バルブスプリングの付勢力に抗してロッカアームがカムの回転によって揺動されることにより、排気バルブが開閉駆動される。排気バルブが不完全閉弁状態であると判定されるときに(S100:YES)、スロットル弁を絞ることによって燃料噴射量を減量し(S102,S104)、機関回転速度を強制的に低下させる。
【選択図】 図5
【解決手段】この装置は、排気バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関に適用される。バルブ機構はロッカアームを有し、同ロッカアームの一端がラッシュアジャスタによって支持されている。バルブスプリングの付勢力に抗してロッカアームがカムの回転によって揺動されることにより、排気バルブが開閉駆動される。排気バルブが不完全閉弁状態であると判定されるときに(S100:YES)、スロットル弁を絞ることによって燃料噴射量を減量し(S102,S104)、機関回転速度を強制的に低下させる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、油圧式ラッシュアジャスタを備えるピボット式のバルブ機構を有する内燃機関の制御装置に関するものである。
ラッシュアジャスタを備えるバルブ機構は、カムによって駆動されるロッカアームを備えている。ロッカアームの一端はラッシュアジャスタによって支持されている。そして、ロッカアームは、カムの回転に伴い、ラッシュアジャスタによって支持された部分を支点としてバルブスプリングの付勢力に抗して揺動される。このロッカアームの揺動によって機関バルブが開閉駆動されるようになっている。
上記ラッシュアジャスタは、次のように機能するものである。すなわち、例えば熱膨張によって機関バルブの軸が伸長するときには、これに併せてラッシュアジャスタが比較的緩慢に短縮されて、機関バルブが不要に開弁されることが回避される。また、機関バルブの軸の温度が低い状態で内燃機関が始動されるときなど、ロッカアームとカムとの間にクリアランスが生じる状況下においては、ラッシュアジャスタが速やかに伸長されて同クリアランスが解消される。
ラッシュアジャスタは、そのボディ内部からスプリングの付勢力によってプランジャを進出させることにより、ロッカアームをカム側に押し付けている。また、ラッシュアジャスタのボディ内にはオイルポンプからオイルが供給されており、機関バルブの開弁に際して上記カムがロッカアームを押圧するときには、上記ボディ内に満たされたオイルによってプランジャのボディ内への進入が制限されるようになっている。
ところで、上記バルブ機構にあっては、いわゆるバルブサージングの発生や機関バルブに作用する排気圧力の影響などにより、ロッカアームの揺動によらず、機関バルブが不要に開弁されることがある。このときラッシュアジャスタにあっては、そのプランジャが進出するとともに、ボディ内にオイルが流入するようになる。これにより、ラッシュアジャスタが過度に伸長されるとともに、ボディ内に流入したオイルによってプランジャの進入が制限された状態、いわゆるポンプアップが発生するようになる。こうしたポンプアップが発生しても、その後におけるボディ内からのオイル漏洩に伴って徐々に解消されるようになる。ただし、そのようにポンプアップが解消されるまでの期間では、機関バルブを完全に閉弁させることのできない状態(不完全閉弁状態)になることが避けられない。
そして、上述したようなポンプアップが頻繁に発生し、機関バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になったり、本来、閉弁しているはずの機関バルブが大きく開弁した状態になったりすると、混合気の一部が排気通路に漏出しするため、排気性状の悪化が避けられないものとなる。
そこで従来、上述のように機関バルブが不要に開弁されるときに、ラッシュアジャスタのボディ内へのオイル供給を停止させる装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。同装置によれば、機関バルブの不要な開弁に伴ってラッシュアジャスタが伸長することが抑制され、これにより同ラッシュアジャスタが過度に伸長すること、ひいては上記不完全閉弁状態になることが抑制される。
特開昭63−297710号公報
上述した従来の装置のように、オイル供給を停止することにより、ラッシュアジャスタが過度に伸長することについてはこれを抑制することができるようになる。しかしながら、このようにラッシュアジャスタに対するオイルの供給を停止してしまったのでは、同ラッシュアジャスタの機能が失われてしまうこととなり好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ラッシュアジャスタのポンプアップが頻繁に発生して機関バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になることを抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて機関バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、前記機関バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、前記判定手段により前記機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度の上昇を制限する制限処理を実行する機関回転速度制限手段とを備えることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて機関バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、前記機関バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、前記判定手段により前記機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度の上昇を制限する制限処理を実行する機関回転速度制限手段とを備えることをその要旨とする。
バルブサージングは、バルブスプリングと機関バルブ等の可動部分とによって構成されるバネ−質量系の固有振動数(以下、動弁系固有振動数)と機関バルブが往復動する際の周波数(以下、弁往復周波数)とが近づき、共振が生じることに起因して発生する。そのため、バルブサージングが発生した場合には、動弁系固有振動数と弁往復周波数とがそれ以上接近しないようにすることにより、これを抑制することが可能である。
上記構成によれば、バルブサージングが発生して機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、制限処理を通じて機関回転速度の上昇が制限されるため、弁往復周波数が動弁系固有振動数に更に接近し、バルブサージングによって機関バルブの挙動不安定化が更に顕在化することを抑制することができる。その結果、バルブサージングの発生に伴って機関バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になること、ひいてはそれに起因する排気性状の悪化を抑制することができるようになる。
なお、制限処理については、これを例えば燃料噴射量の調節を通じて機関出力が増大しないようにする他、例えばバルブタイミングを変更する変更機構を有した内燃機関にあっては、機関出力が増大しないようにバルブタイミングを変更する、更に変速比を制御可能な自動変速機を搭載する内燃機関にあっては、同変速比を強制的に低下させるといった方法を通じて具体化することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関回転速度制限手段は前記制限処理に際して機関回転速度が低下するようにこれを制御することをその要旨とする。
同構成によれば、弁往復周波数を動弁系固有振動数から遠ざけることにより、バルブサージングの発生を好適に抑制することができる。その結果、機関バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になること、それに起因する排気性状の悪化を一層効果的に抑制することができるようになる。
なお、機関回転速度を低下させる際には、例えば燃料噴射量を減量して機関出力を低下させるようにする他、例えばバルブタイミングを変更する変更機構を有した内燃機関にあっては、機関出力が低下するようにバルブタイミングを変更する、更に変速比を制御可能な自動変速機を搭載する内燃機関にあっては、同変速比を強制的に低下させるといった方法を採用することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関回転速度制限手段は前記制限処理に際して燃料噴射量を強制的に減量することをその要旨とする。
同構成によれば、例えばバルブタイミングを変更することにより機関出力を低下させる等の構成と比較して、機関出力を低下させる際の応答遅れが少なく、同機関出力を速やかに低下させてバルブサージングの発生をより早期に抑制することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関回転速度制限手段は、前記制限処理を所定期間実行した後、前記判定手段の判定結果に関わらず同制限処理を終了することをその要旨とする。
バルブサージングは、機関回転速度が極めて高くなった場合において偶発的に発生するものであるため、その発生頻度は低く、またこれが継続する可能性も低い。そのため、機関回転速度の制限処理を通じてバルブサージングの発生し易い状況から機関バルブやバルブスプリング等々、動弁系の各部材が安定して動作する状況に一旦移行させておけば、その後に、機関回転速度が上昇してもバルブサージングが発生しない可能性が高い。したがって、判定手段により機関バルブが不完全閉弁状態である旨判定されているときに、制限処理をそのまま継続して実行する必要性は必ずしもないといえる。
この点、請求項4に記載の発明では、制限処理を所定期間実行した後は、判定手段の判定結果に関わらず、すなわち同判定手段により機関バルブが不完全閉弁状態である旨判定されるときであっても、制限処理を終了するようにしている。同構成によれば、判定手段により機関バルブが不完全閉弁状態にある旨判定されていることをもって制限処理が長期間にわたって不必要に継続されるのを回避することができる。
請求項5に記載の発明は、油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて排気バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、前記排気バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、前記排気バルブの閉弁時期を変更する変更機構と、前記判定手段により前記機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、前記変更機構を通じて排気バルブの閉弁時期を変更する閉弁時期変更手段とを備えることをその要旨とする。
上述したようなバルブサージングの他、機関バルブが着座したときに跳ね返り、この跳ね返りによって油圧式ラッシュアジャスタのポンプアップが発生し機関バルブが不完全閉弁状態になることがある。特に、排気バルブにあっては、排気通路の排気圧力が排気バルブを開弁させる方向に作用することから、排気バルブに作用する排気圧力がその脈動のピークになる時期(以下「ピーク時期」)と排気バルブの着座タイミング(閉弁時期)とが偶然に一致することがあると、排気バルブが着座するときの跳ね返りが助長されるため、こうした傾向が顕著になる。
この点、請求項5に記載の発明によれば、排気バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、排気バルブの閉弁時期を変更させるようにしている。このため、上述したように、排気脈動のピーク時期と排気バルブの閉弁時期とが偶然一致しているため、排気バルブの着座における跳ね返りが助長される状況が発生していても、排気バルブの閉弁時期を変更することにより、排気脈動のピーク時期と排気バルブの閉弁時期とをずらすことができ、排気バルブの跳ね返りによって生じるポンプアップ、ひいては同ポンプアップの発生に起因して排気バルブが不完全閉弁状態になることを抑制することができる。したがって、排気バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になることに起因する排気性状の悪化を極力抑制することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、前記閉弁時期変更手段は前記排気バルブの閉弁時期を変更するに際しこれを進角させることをその要旨とする。
排気バルブの閉弁途中において同排気バルブに排気脈動のピークが作用すると、その閉弁動作が不安定になり易いため、着座時における跳ね返りを抑制する効果も小さくなる。この点、請求項6に記載の発明によれば、排気バルブの閉弁時期を変更する際、同閉弁時期を進角させるようにしているため、排気バルブが完全に閉弁状態になったときに排気脈動のピークが排気バルブに作用する可能性が高くなる。したがって、排気バルブの着座時に生じる跳ね返りをより効果的に抑制することができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の制御装置において、前記閉弁時期変更手段は前記排気バルブの閉弁時期を変更してから所定期間が経過した後は、前記判定手段の判定結果に関わらず前記閉弁時期を変更前の状態に復帰させることをその要旨とする。
排気バルブの跳ね返り現象は、その閉弁時期と排気脈動のピーク時期とが偶然一致した場合に発生するものであるため、その発生頻度は低く、またこれが継続する可能性も低い。そのため、閉弁時期の変更処理を通じて、排気バルブの跳ね返りが発生し易い状況から排気バルブやバルブスプリング等々、動弁系の各部材が安定して動作する状況に一旦移行させておけば、その後は排気バルブの跳ね返りは発生しなくなる可能性もある。したがって、判定手段により排気バルブが不完全閉弁状態である旨判定されているときに、排気バルブの閉弁時期を変更後の状態にそのまま維持しておく必要性は必ずしもないといえる。
この点、請求項7に記載の発明では、排気バルブの閉弁時期を変更してから所定期間経過した後は、判定手段の判定結果に関わらず、すなわち同判定手段により排気バルブが不完全閉弁状態である旨判定されるときであっても、同閉弁時期を変更前の状態に復帰させるようにしている。このため同構成によれば、判定手段により排気バルブが不完全閉弁状態にある旨判定されていることをもって排気バルブの閉弁時期が長期間にわたって不必要に変更されたままになるのを回避することができる。
請求項8に記載の発明は、油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて機関バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、前記機関バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、前記判定手段により前記機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに機関点火時期を変更する点火時期変更手段とを備えることをその要旨とする。
上述したようなバルブサージングの他、機関バルブが着座したときに跳ね返り、この跳ね返りによって油圧式ラッシュアジャスタのポンプアップが発生し機関バルブが不完全閉弁状態になることがある。特に、排気バルブにあっては、排気通路の排気圧力が排気バルブを開弁させる方向に作用することから、排気脈動のピーク時期と排気バルブの着座タイミング(閉弁時期)とが偶然に一致することがあると、排気バルブが着座するときの跳ね返りが助長されるため、こうした傾向が顕著になる。
この点、請求項8に記載の発明によれば、排気バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関点火時期を変更させるようにしている。この機関点火時期の変更により、燃焼圧力が最も高くなる時期や燃焼速度が変化し、ひいては排気脈動のピーク時期も変化するようになる。このため、上述したように、排気脈動のピーク時期と排気バルブの閉弁時期とが偶然一致しているため、排気バルブの着座における跳ね返りが助長される状況が発生していても、機関点火時期を変更することにより、排気脈動のピーク時期と排気バルブの閉弁時期とをずらすことができ、排気バルブの跳ね返りによって生じるポンプアップ、ひいては同ポンプアップの発生に起因して排気バルブが不完全閉弁状態になることを抑制することができる。したがって、排気バルブが長期間にわたって不完全閉弁状態になることに起因する排気性状の悪化を極力抑制することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、前記点火時期変更手段は前記機関点火時期を変更するに際しこれを遅角させることをその要旨とする。
排気バルブの閉弁途中において同排気バルブに排気脈動のピークが作用すると、その閉弁動作が不安定になり易いため、着座時における跳ね返りを抑制する効果も小さくなる。
この点、請求項9に記載の発明によれば、機関点火時期を変更する際にこれを遅角させるようにしているために、排気脈動のピーク時期が遅い時期になり、排気バルブが完全に閉弁状態になったときに排気脈動のピークが排気バルブに作用する可能性が高くなる。したがって、排気バルブの着座時に生じる跳ね返りをより効果的に抑制することができるようになる。
この点、請求項9に記載の発明によれば、機関点火時期を変更する際にこれを遅角させるようにしているために、排気脈動のピーク時期が遅い時期になり、排気バルブが完全に閉弁状態になったときに排気脈動のピークが排気バルブに作用する可能性が高くなる。したがって、排気バルブの着座時に生じる跳ね返りをより効果的に抑制することができるようになる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関の制御装置において、前記点火時期変更手段は前記機関点火時期を変更してから所定期間が経過した後は、前記判定手段の判定結果に関わらず前記機関点火時期を変更前の状態に復帰させることをその要旨とする。
排気バルブの跳ね返り現象は、その閉弁時期と排気脈動のピーク時期とが偶然一致した場合に発生するものであるため、その発生頻度は低く、またこれが継続する可能性も低い。そのため、機関点火時期の変更処理を通じて、排気バルブの跳ね返りが発生し易い状況から排気バルブやバルブスプリング等々、動弁系の各部材が安定して動作する状況に一旦移行させておけば、その後は排気バルブの跳ね返りは発生しなくなる可能性もある。したがって、判定手段により排気バルブが不完全閉弁状態である旨判定されているときに、機関点火時期を変更後の状態にそのまま維持しておく必要性は必ずしもないといえる。
この点、請求項10に記載の発明では、機関点火時期を変更してから所定期間経過した後は、判定手段の判定結果に関わらず、すなわち同判定手段により排気バルブが不完全閉弁状態である旨判定されるときであっても、同機関点火時期を変更前の状態に復帰させるようにしている。このため同構成によれば、判定手段により排気バルブが不完全閉弁状態にある旨判定されていることをもって機関点火時期が不必要に長期間にわたって変更されたままになるのを回避することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。
ここでは先ず、図1を参照して、本実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の概略構成を説明する。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路12には、スロットル弁14が設けられている。スロットル弁14には、スロットルモータ16が連結されている。そして、このスロットルモータ16の駆動制御を通じてスロットル弁14の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路12を通じて燃焼室18内に吸入される空気の量が調節される。また、上記吸気通路12には燃料噴射弁20が設けられている。この燃料噴射弁20は吸気通路12内に燃料を噴射する。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路12には、スロットル弁14が設けられている。スロットル弁14には、スロットルモータ16が連結されている。そして、このスロットルモータ16の駆動制御を通じてスロットル弁14の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路12を通じて燃焼室18内に吸入される空気の量が調節される。また、上記吸気通路12には燃料噴射弁20が設けられている。この燃料噴射弁20は吸気通路12内に燃料を噴射する。
内燃機関10の燃焼室18においては、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火プラグ22による点火が行われる。この点火動作によって混合気が燃焼してピストン24が往復移動し、クランクシャフト26が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室18から排気通路28に送り出される。
内燃機関10において、吸気通路12と燃焼室18との間は吸気バルブ30の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室18と排気通路28との間は排気バルブ32の開閉動作によって連通・遮断される。
また、吸気バルブ30及び排気バルブ32にはそれぞれバルブ機構40が設けられている。そして、各バルブ機構40の作動を通じて、クランクシャフト26の回転が伝達される吸気カムシャフト34の回転に伴って吸気バルブ30が開閉動作し、また同じくクランクシャフト26の回転が伝達される排気カムシャフト36の回転に伴って排気バルブ32が開閉動作する。
内燃機関10には、機関運転状態を検出するための各種センサや、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置38が設けられている。この電子制御装置38は、各種センサの出力信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットルモータ16の駆動制御(スロットル制御)や、燃料噴射弁20の駆動制御(燃料噴射制御)、点火プラグ22の駆動制御(点火時期制御)等、機関制御にかかる各種制御を実行する。
なお、スロットル制御では、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量や機関回転速度に基づいて制御目標開度(目標スロットル開度Tta)が算出され、同目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとを一致させるようにスロットルモータ16の駆動が制御される。また、燃料噴射制御では、そうしたスロットル制御を通じて調量される吸入空気量に基づいて目標噴射量が算出され、目標噴射量に応じた量の燃料を噴射するべく燃料噴射弁20の駆動が制御される。更に、点火時期制御では、スロットル開度TAや機関回転速度に基づいて目標点火時期Trtが算出され、同目標点火時期Trtにおいて点火動作を実行するべく点火プラグの駆動が制御される。
次に、図2を参照して、上記バルブ機構40の具体的な構成を説明する。
なお、吸気バルブ30及び排気バルブ32にそれぞれ設けられる各バルブ機構40は同一の構成であるため、ここでは排気バルブ32に設けられるバルブ機構40についてのみ説明する。
なお、吸気バルブ30及び排気バルブ32にそれぞれ設けられる各バルブ機構40は同一の構成であるため、ここでは排気バルブ32に設けられるバルブ機構40についてのみ説明する。
図2に示すように、排気バルブ32にはリテーナ42が取り付けられており、このリテーナ42と内燃機関10(詳しくは、そのシリンダヘッド)との間にはバルブスプリング44が設けられている。このバルブスプリング44によって、排気バルブ32はその閉弁方向に常時付勢されている。
上記バルブ機構40は、ピボット式のバルブ機構であり、排気カムシャフト36に設けられたカム46と同カム46の回転によって駆動されるロッカアーム48とを備えている。
ロッカアーム48の一端部(図中右端部)は、内燃機関10に設けられた油圧式のラッシュアジャスタ60により揺動可能に支持されている。また、ロッカアーム48の他端部(図中左端部)は、排気バルブ32の端部32aが当接している。更に、ロッカアーム48には、上記カム46の接触するローラ50が回転可能に支持されている。
そして、カム46が回転してローラ50を押すことにより、ラッシュアジャスタ60によって支持された部分を支点としてロッカアーム48が揺動し、この揺動によって排気バルブ32の端部32aが押圧されるようになる。このロッカアーム48による押圧力とバルブスプリング44の付勢力とに基づき、排気バルブ32はその軸線方向に往復移動して開閉動作する。
なお、吸気バルブ30及び排気バルブ32に対応する各ラッシュアジャスタ60のうちの排気バルブ32に対応するラッシュアジャスタ60の近傍には、その伸長量(詳しくはプランジャ72の変位量)を検出するための伸長量センサ52が設けられている。
次に、上記ラッシュアジャスタ60の具体的な構成を、図3を参照して説明する。
同図3に示すように、ラッシュアジャスタ60は有底円筒状のボディ62を備えている。そして、ボディ62の内部には、プランジャスプリング64、ボールリテーナ66、チェックボールスプリング68、チェックボール70、プランジャ72がそれぞれ配設されている。
同図3に示すように、ラッシュアジャスタ60は有底円筒状のボディ62を備えている。そして、ボディ62の内部には、プランジャスプリング64、ボールリテーナ66、チェックボールスプリング68、チェックボール70、プランジャ72がそれぞれ配設されている。
ボディ62の底とプランジャ72の底との間は高圧室74として区画され、プランジャ72の内部は低圧室76として区画されている。そして、高圧室74にはオイル(具体的には、内燃機関の潤滑に供される潤滑オイル)が満たされている。また、高圧室74と低圧室76とはプランジャ72の底に形成された連通路78を介して連通しており、低圧室76にはボディ62及びプランジャ72に形成されたオイル穴62a,72aを介してオイルが供給されている。なお、低圧室76に供給されるオイルは、内燃機関10の運転に伴い駆動されるオイルポンプ80(図2)から吐出されて上記オイル穴62a,72aに到達するものである。
高圧室74には、プランジャスプリング64及びボールリテーナ66が配設されている。そして、このプランジャスプリング64の付勢力がボールリテーナ66を介してプランジャ72に作用することで、プランジャ72は常にボディ62から突出する方向に付勢されている。また、高圧室74において、ボールリテーナ66とプランジャ72の底との間には、チェックボールスプリング68及びチェックボール70が配設されている。そして、このチェックボールスプリング68の付勢力がチェックボール70に作用することで、チェックボール70が連通路78を遮断する位置に保持されている。
したがって、機関運転中における排気バルブ32の閉弁開始後に、カム46がロッカアーム48(正確には、ローラ50)から離れようとすると、プランジャスプリング64が伸びてプランジャ72がボディ62から進出し(ラッシュアジャスタ60が伸長し)、そのプランジャ72によってロッカアーム48が上記カム46側に押し付けられる。このようにロッカアーム48がカム46に追従して変位することで、両者の間にクリアランスが生じることは抑制される。
なお、このようにラッシュアジャスタ60が伸長するときには、高圧室74の容積が拡大しようとして高圧室74内の圧力が低下し、高圧室74と低圧室76との差圧に基づく力がチェックボール70に作用する。そして、上記差圧に基づく力によってチェックボール70がチェックボールスプリング68の付勢力に抗して連通路78の遮断を解除する位置まで変位すると、低圧室76から高圧室74にオイルが流れるようになる。その後、上記差圧に基づく力の大きさがチェックボールスプリング68の付勢力以下になると、チェックボール70が連通路78を遮断する位置へと戻される。
一方、内燃機関の運転中であって、排気バルブ32の開弁開始後に、カム46によってロッカアーム48が押されると、その際の力がロッカアーム48を介してプランジャ72に伝達され、プランジャ72がボディ62内に進入しようとする。このときには連通路78がチェックボール70によって遮断されているため、高圧室74から低圧室76へのオイル流出は制限される。そして、高圧室74内に満たされたオイルにより、同高圧室74の容積を縮小する方向へのプランジャ72の移動、言い換えればプランジャ72のボディ62内への進入は制限される。
なお、このようにプランジャ72がボディ62内に進入しようとするとき、高圧室74内のオイルが僅かながらボディ62の内周面とプランジャ72の外周面との間を通ってラッシュアジャスタ60の外部に漏洩するため、それによってプランジャ72がボディ62内に僅かに沈み込むようになる。しかしながら、そうしたプランジャ72のボディ62内への進入は、上述した排気バルブ32の閉弁開始後におけるラッシュアジャスタ60の動作を通じて回復される。
このように、ラッシュアジャスタ60にあっては、排気バルブ32の開閉駆動に伴ってボディ62内にオイルが供給され、そのオイルによって排気バルブ32の開弁開始後におけるプランジャ72のボディ62内への進入が制限されるようになっている。
ここで、上記バルブ機構40にあっては、いわゆるバルブサージングの発生等に起因して、ロッカアーム48の揺動によらず、排気バルブ32が不要に開弁されることがある。図4に、排気バルブ32が不要に開弁したときにおけるバルブ機構40の各動作部の動きを示す。
同図4に示すように、排気バルブ32が不要に開弁されると(矢印A)、同排気バルブ32及びロッカアーム48の間やカム46及びロッカアーム48の間にクリアランスが生じないように、ラッシュアジャスタ60が伸長して(矢印B)、ロッカアーム48が移動するようになる(矢印C)。そして、これに伴ってラッシュアジャスタ60の高圧室74(図3)内にオイルが流入するようになる。したがって、このときラッシュアジャスタ60が過度に伸長されるとともに高圧室74内に流入したオイルによってプランジャ72の進入が制限されるようになる。
このようにラッシュアジャスタ60が過度に伸長する現象、すなわちポンプアップが発生し、これにより排気バルブ32を完全に閉弁させることのできない状態(不完全閉弁状態)になる。なお、詳細なメカニズムは解明されていないものの、ポンプアップの発生には、バルブサージングの発生の他、例えばラッシュアジャスタ60の作動状況や、排気バルブ32に作用する排気圧力の推移等も関係していることが確認されている。
ここで、不完全閉弁状態になった場合には、これが速やかに解消されることが望ましい。そして、不完全閉弁状態を解消するためには、ポンプアップの発生要因(例えばバルブサージングの発生要因)を取り除けばよい。ちなみに、この要因が取り除かれさえすれば、その後における高圧室74からのオイル漏洩による上記ボディ62内へのプランジャ72の進入を通じて、ポンプアップ、ひいては不完全閉弁状態は徐々に解消されるようになる。
バルブサージングは、排気バルブ32等の可動部分やバルブスプリング44によって構成されるバネ−質量系の固有振動数(以下、動弁系固有振動数)と排気バルブ32が往復動する際の周波数(以下、弁往復周波数)とが近づき、共振が生じることに起因して発生する。そのため、バルブサージングが発生した場合には、弁往復周波数を動弁系固有振動数から遠ざけることにより、その発生を抑制することが可能である。
ちなみに、機関回転速度の上昇に伴って弁往復周波数が高くなることから、これが動弁系固有振動数と過度に近づくことのないように、動弁系固有振動数は内燃機関10の運転可能領域外のごく高い機関回転速度に対応するように設定されている。そのため、機関回転速度を低下させることにより、弁往復周波数を動弁系固有振動数から強制的に遠ざけることが可能になる。
こうした実情をふまえ、本実施の形態では、バルブサージングが発生して排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、スロットル弁14を絞ることによって燃料噴射量を減量して機関回転速度を強制的に低下させるようにしている。
以下、図5を参照して、そのように機関回転速度を制限する処理(制限処理)について説明する。
なお、同図のフローチャートに示される一連の処理は、制限処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置38により実行される。
なお、同図のフローチャートに示される一連の処理は、制限処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置38により実行される。
図5に示すように、この処理では先ず、以下の(条件イ)及び(条件ロ)の何れかが満たされているか否かが判断される(ステップS100)。本実施の形態では、このステップS100の処理が、機関バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段として機能する。
(条件イ)本処理の今回の実行時において排気バルブ32が不完全閉弁状態でない状態から不完全閉弁状態になったこと。なお、不完全閉弁状態であることは、前記伸長量センサ52の検出信号を通じてラッシュアジャスタ60の伸長量が過度に大きくなっていると判断されたことをもって判定される。その判定条件としては、例えばロッカアーム48に対するカム46の押圧部分が同カム46のベース円部分であるときにおけるラッシュアジャスタ60の伸長量が所定量以上であること等といった条件を設定することができる。
(条件ロ)不完全閉弁状態になった後の経過時間が所定時間未満であること。
(条件イ)本処理の今回の実行時において排気バルブ32が不完全閉弁状態でない状態から不完全閉弁状態になったこと。なお、不完全閉弁状態であることは、前記伸長量センサ52の検出信号を通じてラッシュアジャスタ60の伸長量が過度に大きくなっていると判断されたことをもって判定される。その判定条件としては、例えばロッカアーム48に対するカム46の押圧部分が同カム46のベース円部分であるときにおけるラッシュアジャスタ60の伸長量が所定量以上であること等といった条件を設定することができる。
(条件ロ)不完全閉弁状態になった後の経過時間が所定時間未満であること。
そして、上記(条件イ)及び(条件ロ)の何れかが満たされている場合には(ステップS100:YES)、補正量Ktaとして所定値が設定される(ステップS102)。この補正量Ktaは、前記目標スロットル開度Ttaを補正するための補正量である。補正量Ktaとして所定値が設定されているときには、目標スロットル開度Ttaが小さい開度に補正される。上記所定値及び所定時間としては、バルブサージングの発生を確実に解消することの可能なだけ機関回転速度を低下させることのできる値及び時間が実験結果などを通じて求められ、それぞれ設定されている。
一方、上記(条件イ)及び(条件ロ)の何れも満たされない場合には(ステップS100:NO)、補正量Ktaとして「0」が設定される(ステップS104)。このとき目標スロットル開度Ttaは補正されない。
このように補正量Ktaが設定された後、関係式「Tta←Tta−Kta」のように、補正量Ktaの減算された値が新たな目標スロットル開度Ttaとして設定される(ステップS106)。その後、本処理は一旦終了される。
図6に、上記制限処理の処理態様の一例を示す。
同図6に示すように、上記制限処理では、排気バルブ32が不完全閉弁状態になると、その後の所定時間(時刻t11〜t12)にわたって目標スロットル開度Ttaが補正されてスロットル弁14が強制的に絞られる。これにより、吸入空気量及び燃料噴射量が減少して機関出力が低下し、その結果、機関回転速度が低下するようになる。そして、所定時間が経過すると(時刻t12)、目標スロットル開度Ttaの補正が停止され、その後において機関回転速度が上昇するようになる。このように、上記制限処理では、不完全閉弁状態になったことを条件に、一時的に機関回転速度が低下される。
同図6に示すように、上記制限処理では、排気バルブ32が不完全閉弁状態になると、その後の所定時間(時刻t11〜t12)にわたって目標スロットル開度Ttaが補正されてスロットル弁14が強制的に絞られる。これにより、吸入空気量及び燃料噴射量が減少して機関出力が低下し、その結果、機関回転速度が低下するようになる。そして、所定時間が経過すると(時刻t12)、目標スロットル開度Ttaの補正が停止され、その後において機関回転速度が上昇するようになる。このように、上記制限処理では、不完全閉弁状態になったことを条件に、一時的に機関回転速度が低下される。
ところで、バルブサージングは、機関回転速度が極めて高くなった場合において偶発的に発生するものであるため、その発生頻度は低く、またこれが継続する可能性も低い。そのため、上記制限処理を通じてバルブサージングの発生し易い状況から排気バルブ32やバルブスプリング44等々、動弁系の各部材が安定して動作する状況に一旦移行させておけば、その後に、機関回転速度が上昇してもバルブサージングが発生しない可能性が高い。したがって、排気バルブ32が不完全閉弁状態であるときに、燃料噴射量を強制的に減量する処理(具体的には、スロットル弁14を強制的に絞る処理)をそのまま継続して実行する必要性は必ずしもないといえる。
この点、上記制限処理では、燃料噴射量を強制的に減量する処理が所定時間実行されると、不完全閉弁状態であるか否かに関わらず、同処理は終了される。そのため、排気バルブ32が不完全閉弁状態であることをもって燃料噴射量を減量する処理が不必要に長期間にわたって継続されるのを回避することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度を強制的に低下させるようにした。そのため、弁往復周波数を動弁系固有振動数から遠ざけることができ、バルブサージングの発生を好適に抑制することができるようになる。その結果、バルブサージングの発生に伴って排気バルブ32が長期間にわたって不完全閉弁状態になること、ひいてはそれに起因する排気性状の悪化を抑制することができるようになる。
(1)排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度を強制的に低下させるようにした。そのため、弁往復周波数を動弁系固有振動数から遠ざけることができ、バルブサージングの発生を好適に抑制することができるようになる。その結果、バルブサージングの発生に伴って排気バルブ32が長期間にわたって不完全閉弁状態になること、ひいてはそれに起因する排気性状の悪化を抑制することができるようになる。
(2)燃料噴射量を強制的に減量して機関出力を低下させることによって機関回転速度を強制的に低下させるようにした。そのため、例えば吸気バルブ30や排気バルブ32のバルブタイミングを変更することによって機関出力を低下させる等の構成と比較して、機関出力を低下させる際の応答遅れが少なく、同機関出力を速やかに低下させてバルブサージングの発生をより早期に抑制することができるようになる。
(3)燃料噴射量を強制的に減量する処理を所定時間実行した後、不完全閉弁状態であるか否かに関わらず、同処理を終了させるようにした。そのため、排気バルブ32が不完全閉弁状態であることをもって燃料噴射量を減量する処理が長期間にわたって不必要に継続されるのを回避することができるようになる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2の実施の形態について説明する。
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2の実施の形態について説明する。
図7に示すように、本実施の形態にかかる制御装置が適用される内燃機関90は、排気バルブ32の開閉時期(バルブタイミング)を変更するバルブタイミング変更機構92を備えている点において、先の図1に示す内燃機関10と異なる。
このバルブタイミング変更機構92はクランクシャフト26と排気カムシャフト36との間に設けられている。そして、このバルブタイミング変更機構92の作動制御を通じて、クランクシャフト26の回転位相(クランク位相)に対する排気カムシャフト36の相対回転位相が調節されて、排気バルブ32のバルブタイミングが進角或いは遅角される。具体的には、先ず機関回転速度やスロットル開度TAに基づいてバルブタイミングについての制御目標値(目標バルブタイミングTvt)が算出され、この目標バルブタイミングTvtと実際のバルブタイミングとを一致させるようにバルブタイミング変更機構92の作動が制御される。このバルブタイミングの変更にあっては、排気バルブ32の開弁期間を一定に保持した状態で同排気バルブ32の開弁時期及び閉弁時期が共に進角又は遅角される。
また、本実施の形態では、排気バルブ32が不完全閉弁状態になったときに、前述した制限処理(第1の実施の形態)ではなく、排気バルブ32のバルブタイミングを変更する処理(変更処理)が実行される。
以下、上記変更処理を実行する理由を説明する。
前述した不完全閉弁状態になる原因としては、バルブサージング発生によってポンプアップが発生することの他にも、機関バルブが着座したときに跳ね返り、この跳ね返りによってポンプアップが発生することが挙げられる。特に、排気バルブ32にあっては、排気通路28の排気圧力が排気バルブ32を開弁させる方向に作用する。そのため、図8に実線で示すように、排気バルブ32に作用する排気圧力がその脈動のピークになる時期(以下「ピーク時期」)と排気バルブ32の着座タイミング(閉弁時期)とが偶然に一致することがあると、排気バルブ32が着座するときの跳ね返りが助長されて、こうした傾向が顕著になる。
前述した不完全閉弁状態になる原因としては、バルブサージング発生によってポンプアップが発生することの他にも、機関バルブが着座したときに跳ね返り、この跳ね返りによってポンプアップが発生することが挙げられる。特に、排気バルブ32にあっては、排気通路28の排気圧力が排気バルブ32を開弁させる方向に作用する。そのため、図8に実線で示すように、排気バルブ32に作用する排気圧力がその脈動のピークになる時期(以下「ピーク時期」)と排気バルブ32の着座タイミング(閉弁時期)とが偶然に一致することがあると、排気バルブ32が着座するときの跳ね返りが助長されて、こうした傾向が顕著になる。
こうした実情をふまえ、上記変更処理では、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、排気バルブ32のバルブタイミングを変更するようにしている。このため、上述したように、排気脈動のピーク時期と排気バルブ32の閉弁時期とが偶然一致しているためにその着座における跳ね返りが助長される状況が発生していても、排気バルブ32の閉弁時期を変更することにより、例えば図8に一点鎖線で示すように、排気脈動のピーク時期と排気バルブ32の閉弁時期とをずらすことができるようになる。これにより、閉弁時において同排気バルブ32に作用する排気圧力が低下されて、排気バルブ32の跳ね返りによって生じるポンプアップ、ひいては同ポンプアップの発生に起因して排気バルブ32が不完全閉弁状態になることを抑制することができるようになる。
なお、排気バルブ32の閉弁途中において同排気バルブ32に排気脈動のピークが作用すると、その閉弁動作が不安定になり易いため、着座時における跳ね返りを抑制する効果も小さくなる。この点をふまえ、上記変更処理では、排気バルブ32のバルブタイミングを変更する際に、同バルブタイミングを進角させるようにしている(図8参照)。これにより、排気バルブ32が完全に閉弁状態になったときに排気脈動のピークが同排気バルブ32に作用する可能性が高くなる。したがって、排気バルブ32の着座時に生じる跳ね返りをより効果的に抑制することができるようになる。
以下、図9を参照して、上記変更処理について説明する。
同図のフローチャートに示される一連の処理は、変更処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置38により実行される。
同図のフローチャートに示される一連の処理は、変更処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置38により実行される。
図9に示すように、この処理では先ず、前記(条件イ)及び(条件ロ)の何れかが満たされているか否かが判断される(ステップS200)。
そして、上記(条件イ)及び(条件ロ)の何れかが満たされている場合には(ステップS200:YES)、補正量Kvtとして所定値が設定される(ステップS202)。この補正量Kvtは、前記目標バルブタイミングTvtを補正するための補正量である。補正量Kvtとして所定値が設定されているときには、目標バルブタイミングTvtが進角補正される。上記所定値及び所定時間としては、弁座からの排気バルブ32の跳ね返りを的確に抑制することの可能になる値及び時間が実験結果などを通じて求められ、それぞれ設定されている。
そして、上記(条件イ)及び(条件ロ)の何れかが満たされている場合には(ステップS200:YES)、補正量Kvtとして所定値が設定される(ステップS202)。この補正量Kvtは、前記目標バルブタイミングTvtを補正するための補正量である。補正量Kvtとして所定値が設定されているときには、目標バルブタイミングTvtが進角補正される。上記所定値及び所定時間としては、弁座からの排気バルブ32の跳ね返りを的確に抑制することの可能になる値及び時間が実験結果などを通じて求められ、それぞれ設定されている。
一方、上記(条件イ)及び(条件ロ)の何れも満たされない場合には(ステップS200:NO)、補正量Kvtとして「0」が設定される(ステップS204)。このとき目標バルブタイミングTvtは補正されない。
このように補正量Kvtが設定された後、関係式「Tvt←Tvt+Kvt」のように、補正量Kvtの加算された値が新たな目標バルブタイミングTvtとして設定される(ステップS206)。その後、本処理は一旦終了される。
上記変更処理では、排気バルブ32が不完全閉弁状態になると、その後の所定時間にわたって目標バルブタイミングTvtが補正されて排気バルブ32のバルブタイミングが進角される。これにより、排気脈動のピーク時期と排気バルブ32の閉弁時期とが強制的に離され、閉弁時において排気バルブ32に作用する排気圧力が低下するようになる。そして、所定時間が経過すると、目標バルブタイミングTvtの補正が停止される。
このように、上記変更処理では、不完全閉弁状態になったことを条件に、一時的に排気バルブ32のバルブタイミングが進角される。
ところで、排気バルブ32の跳ね返り現象は、その閉弁時期と排気脈動のピーク時期とが偶然一致した場合に発生するものであるため、その発生頻度は低く、またこれが継続する可能性も低い。したがって、上記変更処理を通じて、排気バルブ32の跳ね返りが発生し易い状況から同排気バルブ32やバルブスプリング44等々、動弁系の各部材が安定して動作する状況に一旦移行させておけば、その後は排気バルブ32の跳ね返りは発生しなくなる可能性もある。したがって、排気バルブ32が不完全閉弁状態であるときに、そのバルブタイミングを変更後の状態にそのまま維持しておく必要性は必ずしもないといえる。
ところで、排気バルブ32の跳ね返り現象は、その閉弁時期と排気脈動のピーク時期とが偶然一致した場合に発生するものであるため、その発生頻度は低く、またこれが継続する可能性も低い。したがって、上記変更処理を通じて、排気バルブ32の跳ね返りが発生し易い状況から同排気バルブ32やバルブスプリング44等々、動弁系の各部材が安定して動作する状況に一旦移行させておけば、その後は排気バルブ32の跳ね返りは発生しなくなる可能性もある。したがって、排気バルブ32が不完全閉弁状態であるときに、そのバルブタイミングを変更後の状態にそのまま維持しておく必要性は必ずしもないといえる。
この点、上記変更処理では、バルブタイミングを変更してから所定時間経過した後は、不完全閉弁状態であるか否かに関わらず、同バルブタイミングを変更前の状態に復帰させるようにしている。そのため、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあることをもって同排気バルブ32のバルブタイミングが長期間にわたって不必要に変更されたままになるのを回避することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、排気バルブ32のバルブタイミングを変更するようにした。そのため、排気バルブ32の跳ね返りによって生じるポンプアップ、ひいては同ポンプアップの発生に起因して排気バルブ32が不完全閉弁状態になることを抑制することができるようになる。したがって、排気バルブ32が長期間にわたって不完全閉弁状態になることに起因する排気性状の悪化を極力抑制することができるようになる。
(1)排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、排気バルブ32のバルブタイミングを変更するようにした。そのため、排気バルブ32の跳ね返りによって生じるポンプアップ、ひいては同ポンプアップの発生に起因して排気バルブ32が不完全閉弁状態になることを抑制することができるようになる。したがって、排気バルブ32が長期間にわたって不完全閉弁状態になることに起因する排気性状の悪化を極力抑制することができるようになる。
(2)排気バルブ32のバルブタイミングを変更する際に、同バルブタイミングを進角させるようにした。そのため、排気バルブ32が完全に閉弁状態になったときに排気脈動のピークが同排気バルブ32に作用する可能性が高くなり、排気バルブ32の着座時に生じる跳ね返りをより効果的に抑制することができるようになる。
(3)バルブタイミングを変更してから所定時間経過した後、不完全閉弁状態であるか否かに関わらず、同バルブタイミングを変更前の状態に復帰させるようにした。そのため、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあることをもって同排気バルブ32のバルブタイミングが長期間にわたって不必要に変更されたままになるのを回避することができるようになる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・排気バルブ32が不完全閉弁状態になった後の所定時間にわたって、第1の実施の形態ではスロットル弁14を強制的に絞る処理を実行するようにし、第2の実施の形態では排気バルブ32のバルブタイミングを変更する処理を実行するようにした。上記所定時間を、クランク位相やカム位相によって規定される所定期間に変更するようにしてもよい。要は、バルブサージングの発生を確実に解消することのできる期間(第1の実施の形態)、或いは弁座からの排気バルブ32の跳ね返りを的確に抑制することのできる期間(第2の実施の形態)であれば、上記所定時間は適宜変更可能である。
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・排気バルブ32が不完全閉弁状態になった後の所定時間にわたって、第1の実施の形態ではスロットル弁14を強制的に絞る処理を実行するようにし、第2の実施の形態では排気バルブ32のバルブタイミングを変更する処理を実行するようにした。上記所定時間を、クランク位相やカム位相によって規定される所定期間に変更するようにしてもよい。要は、バルブサージングの発生を確実に解消することのできる期間(第1の実施の形態)、或いは弁座からの排気バルブ32の跳ね返りを的確に抑制することのできる期間(第2の実施の形態)であれば、上記所定時間は適宜変更可能である。
・第1の実施の形態にかかる制限処理の処理態様は、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときにスロットル弁14を強制的に絞ることができるのであれば、任意に変更可能である。具体的には、例えば補正量Ktaとして時間経過とともに徐々に小さくなる値を設定することや、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されているときにおいて常に目標スロットル開度Ttaを補正すること等が可能である。
・第1の実施の形態では、機関回転速度を強制的に低下させるために、スロットル弁14を絞るようにした。これに代えて、若しくは併せて、目標点火時期Trtの補正を通じて点火時期を遅角したり、目標噴射量の補正を通じて燃料噴射量を減少させたりするようにしてもよい。また、バルブタイミングを変更する変更機構を有した内燃機関において機関出力が低下するようにバルブタイミングを変更したり、変速比を変更することの可能な自動変速機が搭載される内燃機関にあって同変速比を強制的に低下させたりするようにしてもよい。要は、機関回転速度が低下するように、機関制御の制御態様を変更するようにすればよい。
・第1の実施の形態において、吸気バルブ30が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度を低下させるようにしてもよい。同構成にあっては、吸気バルブ30に対応するラッシュアジャスタ60の近傍にその変位量を検出するための変位量センサを設けるとともに、同変位量センサの検出信号に基づいて吸気バルブ30が不完全閉弁状態にあるか否かの判定を行うようにすればよい。
・第1の実施の形態において、機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度を強制的に低下させることに代えて、機関回転速度の上昇を制限するようにしてもよい。具体的には、機関出力が増大しないように、例えば燃料噴射量を調節することや、バルブタイミングを変更すること、或いは変速比を強制的に低下させること等が考えられる。同構成によっても、バルブサージングが発生して機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、弁往復周波数が動弁系固有振動数に更に接近し、バルブサージングによって機関バルブの挙動不安定化が更に顕在化することを抑制することはできる。
・第2の実施の形態では、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、排気バルブ32のバルブタイミングを進角させるようにしたが、これに代えて、点火時期を遅角させるようにしてもよい。ここで、点火時期が遅角されるほど、混合気の燃焼が緩慢になるために、燃焼室18から排気通路28に排出されるガスの圧力低下速度が遅くなり、同ガスの圧力が最大となる時期も遅角側の時期になる。したがって、上記構成のように点火時期を遅角させることにより、上記排気脈動のピーク時期と排気バルブ32の閉弁時期とを強制的に離すことができるようになる。また、点火時期を遅角させることにより、機関出力が低下して機関回転速度が低下するようになる。そのため、バルブサージングが発生している場合には、その発生についてもこれが抑制されるようになり、ポンプアップの発生、ひいては不完全閉弁状態になることを好適に抑制することができるようになる。
以下、そのように点火時期を変更する処理の具体例について説明する。図10のフローチャートに示すように、この処理では先ず、前記(条件イ)及び(条件ロ)の何れかが満たされている場合(ステップS300:YES)、補正項Krtとして所定値が設定される(ステップS302)。この補正項Krtは、前記目標点火時期Trtを補正するための補正項である。補正項Krtとして所定値が設定されているときには、目標点火時期Trtが遅角補正される。上記所定値及び所定時間としては、弁座からの排気バルブ32の跳ね返りを的確に抑制することの可能になる値及び時間が実験結果などを通じて求められ、それぞれ設定されている。一方、上記(条件イ)及び(条件ロ)の何れも満たされない場合には(ステップS300:NO)、補正項Krtとして「0」が設定される(ステップS304)。このとき目標点火時期Trtは補正されない。このように補正項Krtが設定された後、関係式「Trt←Trt+Krt」のように、補正項Krtの加算された値が新たな目標点火時期Trtとして設定された後(ステップS306)、本処理は一旦終了される。
・また、排気バルブ32のバルブタイミングを進角させることと点火時期を遅角させることとを併せて実行することも可能である。同構成によれば、高い自由度をもって、排気脈動のピーク時期と排気バルブ32の閉弁時期とをずらすことができるようになる。
・排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、同排気バルブ32のバルブタイミングを遅角させるようにしてもよい。また、バルブタイミングを遅角させることに代えて、或いは併せて、点火時期を進角させるようにしてもよい。こうした構成によっても、排気脈動のピーク時期と排気バルブ32の閉弁時期とをずらすことはできる。
・第2の実施の形態において、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されるときに、前記ピーク時期と同排気バルブ32の閉弁時期とが離れるように、排気バルブ32のバルブタイミングや点火時期を変更することができるのであれば、変更処理の処理態様は任意に変更可能である。具体的には、例えばバルブタイミングや点火時期についての制御目標値についての補正量として時間経過とともに徐々に小さくなる値を設定することや、排気バルブ32が不完全閉弁状態にあると判定されているときにおいて常に制御目標値を補正すること等が可能である。
10,90…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットル弁、16…スロットルモータ、18…燃焼室、20…燃料噴射弁、22…点火プラグ、24…ピストン、26…クランクシャフト、28…排気通路、30…吸気バルブ、32…排気バルブ、32a…端部、34…吸気カムシャフト、36…排気カムシャフト、38…機関回転速度制限手段及び閉弁時期変更手段及び点火時期変更手段としての電子制御装置、40…バルブ機構、42…リテーナ、42a…オイル穴、44…バルブスプリング、46…カム、48…ロッカアーム、50…ローラ、52…伸長量センサ、60…ラッシュアジャスタ、62…ボディ、62a,72a…オイル穴、64…プランジャスプリング、66…ボールリテーナ、68…チェックボールスプリング、70…チェックボール、72…プランジャ、74…高圧室、76…低圧室、78…連通路、80…オイルポンプ、92…バルブタイミング変更機構。
Claims (10)
- 油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて機関バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、
前記機関バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、機関回転速度の上昇を制限する制限処理を実行する機関回転速度制限手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記機関回転速度制限手段は前記制限処理に際して機関回転速度が低下するようにこれを制御する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、
前記機関回転速度制限手段は前記制限処理に際して燃料噴射量を強制的に減量する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
前記機関回転速度制限手段は、前記制限処理を所定期間実行した後、前記判定手段の判定結果に関わらず同制限処理を終了する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて排気バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、
前記排気バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、
前記排気バルブの閉弁時期を変更する変更機構と、
前記判定手段により前記排気バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに、前記変更機構を通じて排気バルブの閉弁時期を変更する閉弁時期変更手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、
前記閉弁時期変更手段は前記排気バルブの閉弁時期を変更するに際しこれを進角させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関の制御装置において、
前記閉弁時期変更手段は前記排気バルブの閉弁時期を変更してから所定期間が経過した後は、前記判定手段の判定結果に関わらず前記閉弁時期を変更前の状態に復帰させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 油圧式ラッシュアジャスタのプランジャによって一端が支持されたロッカアームの他端をバルブスプリングの付勢力に抗してカムの回転により揺動させて機関バルブを開閉駆動するバルブ機構を有する内燃機関の制御装置において、
前記機関バルブが不完全閉弁状態であることを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記機関バルブが不完全閉弁状態にあると判定されるときに機関点火時期を変更する点火時期変更手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
前記点火時期変更手段は前記機関点火時期を変更するに際しこれを遅角させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項9に記載の内燃機関の制御装置において、
前記点火時期変更手段は前記機関点火時期を変更してから所定期間が経過した後は、前記判定手段の判定結果に関わらず前記機関点火時期を変更前の状態に復帰させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005056326A JP2006242037A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 内燃機関の制御装置 |
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JP2005056326A JP2006242037A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 内燃機関の制御装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN111140302A (zh) * | 2018-11-06 | 2020-05-12 | 丰田自动车株式会社 | 内燃机的气门传动系统 |
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