JP2006226266A - 動弁機構の異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラッシュアジャスタの機能に悪影響を及ぼすことなく、不完全閉弁状態を精度よく判定することのできる動弁機構の異常判定装置を提供する。
【解決手段】この装置は、機関弁を開閉駆動する動弁機構に適用され、動弁機構のロッカアームの位置Lfを検出する位置センサを備える。ロッカアームの一端はラッシュアジャスタのプランジャによって支持されている。ロッカアームの他端がカムによって揺動されることにより、機関バルブが開閉駆動される。位置センサによってロッカアームの位置Lfを検出し(ステップS102)、その検出した位置Lfに基づいて、機関弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する(ステップS106〜S110)。
【選択図】 図6
【解決手段】この装置は、機関弁を開閉駆動する動弁機構に適用され、動弁機構のロッカアームの位置Lfを検出する位置センサを備える。ロッカアームの一端はラッシュアジャスタのプランジャによって支持されている。ロッカアームの他端がカムによって揺動されることにより、機関バルブが開閉駆動される。位置センサによってロッカアームの位置Lfを検出し(ステップS102)、その検出した位置Lfに基づいて、機関弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する(ステップS106〜S110)。
【選択図】 図6
Description
本発明は、ラッシュアジャスタを有するピボット式の動弁機構に適用されてその異常の発生を判定する異常判定装置に関するものである。
内燃機関の動弁機構としては、カムシャフトのカムによって機関弁を直接往復駆動してこれを開閉させる直動式動弁機構の他、一端がラッシュアジャスタによって支持されたロッカアームの他端をカムによって揺動させることにより機関弁を開閉させるようにしたピボット式動弁機構が知られている。
ラッシュアジャスタは、スプリングの付勢力によってそのボディ内部からプランジャを進出させることにより、ロッカアームをカム側に押し付けている。また、ラッシュアジャスタのボディ内にはオイルポンプからオイルが供給されており、機関弁の開弁に際して上記カムがロッカアームを押圧するときには、上記ボディ内に満たされたオイルによってプランジャのボディ内への進入が制限されるようになっている。そして、機関弁の軸長が温度によって変化した場合に、機関弁の傘部と弁座との間にクリアランスが生じないようプランジャが進退し、ロッカアームの支持状態を調節する。
ところで、バルブサージングの発生などに起因して、機関弁の軸がロッカアームから一時的に離間すると、そのクリアランスを埋めるようにしてラッシュアジャスタのプランジャが進出するとともに、ボディ内にオイルが流入するようになる。これにより、ラッシュアジャスタが過度に伸長する現象、いわゆるポンプアップが発生するとともに、ボディ内に流入したオイルによってプランジャの進入が制限されるようになり、機関弁を完全に閉弁させることのできない状態(不完全閉弁状態)になる。
このように不完全閉弁状態になると、機関燃焼室から吸気通路や排気通路に燃焼ガスが漏出することとなり、吸気系部品や排気系部品の信頼性低下や機関トルクの低下などといった種々の不都合を招いてしまう。そのため、不完全閉弁状態になった場合には、それに対処するために、これを速やかに判定することが望まれる。
そこで、例えば特許文献1に見られるように、プランジャ近傍にセンサを設けるとともに同プランジャに例えば凸部等のセンサ検出部を設け、センサによってプランジャの位置を検出することが考えられる(例えば特許文献1参照)。これにより、同センサの検出信号をもとにラッシュアジャスタが過度に伸長された状態、ひいては上記不完全閉弁状態になったことを検出することができるようになる。
特開昭63−297710号公報
ところで、上記プランジャにセンサ検出部を設けると、同プランジャの慣性が大きくなり、その挙動に悪影響を与えるおそれがあり好ましくない。また、ラッシュアジャスタのプランジャの先端側にはこれを覆うようにロッカアームが設けられる一方、同プランジャの基端側にはこれが出入可能なようにボディが設けられる。そのため、上記プランジャはその露出部分がごく小さい。したがって、プランジャにセンサ検出部を配設するのが困難である等、設計上の制約が大きいといった実情もある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ラッシュアジャスタの機能に悪影響を及ぼすのを抑制しつつ、不完全閉弁状態を精度よく判定することのできる動弁機構の異常判定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、ラッシュアジャスタによって一端が支持されたロッカアームの他端をカムにより揺動させて内燃機関の機関弁を開閉駆動する動弁機構について前記機関弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する異常判定装置において、前記ロッカアームの位置を検出する位置検出手段と、該検出されるロッカアームの位置に基づいて前記異常の発生を判定する判定手段とを備えることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、ラッシュアジャスタによって一端が支持されたロッカアームの他端をカムにより揺動させて内燃機関の機関弁を開閉駆動する動弁機構について前記機関弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する異常判定装置において、前記ロッカアームの位置を検出する位置検出手段と、該検出されるロッカアームの位置に基づいて前記異常の発生を判定する判定手段とを備えることをその要旨とする。
ラッシュアジャスタの伸長量が変化すると、それに伴ってロッカアームの揺動態様も変化するようになる。上記構成では、そうしたロッカアームの位置を監視することにより、ラッシュアジャスタが過度に伸長して機関弁が不完全閉弁状態になる異常の発生が判定される。そのため上記構成によれば、ラッシュアジャスタにその伸長量を検出するための構成を設けるようにした場合とは異なり、ラッシュアジャスタの機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記位置検出手段は前記ロッカアームの揺動する端部の位置を検出するものであることをその要旨とする。
ここで、ラッシュアジャスタにポンプアップが生じたときに、これを確実に検出する上では、ラッシュアジャスタにより支持されるロッカアームの端部の位置を検出するのが好ましい。しかしながら、このようにラッシュアジャスタにポンプアップが生じたとしても、そのときに機関弁が必ずしも不完全閉弁状態になっているとはいえない。
この点に鑑み、請求項2に記載の構成では、ロッカアームの揺動する端部の位置を検出するようにしている。同構成によれば、ロッカアームの揺動状態、換言すれば機関弁の開閉状態を正確に監視することができ、機関弁が不完全閉弁状態であることをより高い精度をもって判定することができるようになる。
なお、前記異常が発生していることは、請求項3に記載の構成によるように、ロッカアームがカムのベース円部分に当接しているときに、機関弁が閉弁状態となる基準位置からのロッカアームの変位量が所定量以上であることを条件に判定することができる。因みに、ロッカアームがカムのベース円部分に当接しているか否かの判断については、例えばクランクシャフトやカムシャフトの回転角を検出する既存のセンサによる検出結果に基づいて判断することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記基準位置は、前記ロッカアームが前記カムのベース円部分に当接しているときの所定期間におけるロッカアームの平均的な位置であることをその要旨とする。
機関弁が閉弁状態となるロッカアームの位置、すなわち上記基準位置は、ロッカアームがカムのベース円部分に当接しているときであっても、個体差や経年変化或いは機関振動等の影響を受けて変化することがある。この点、上記構成によれば、そうした変化に応じて適切に基準位置を設定することができるようになり、上記異常の発生をより精度よく判定することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記位置検出手段は前記ロッカアームの揺動に伴って同ロッカアームとの位置関係が変化し、その位置変化を検出する非接触式のセンサを有してなることをその要旨とする。
上記構成によれば、ロッカアームの位置を検出するに際して同ロッカアームに不必要な力が作用することがないため、同ロッカアームの揺動に悪影響を与えることなく、その位置を検出することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記ラッシュアジャスタは複数の動弁機構に対応してそれぞれ設けられ、同一のオイルポンプから供給されるオイルの圧力に基づいてその調節機能を奏するものであり、前記位置検出手段及び前記判定手段は、前記オイルポンプと前記ラッシュアジャスタとの間のオイル通路の長さの最も短い動弁機構についてそのロッカアームの位置を検出し、その検出結果に基づいて前記異常の発生を判定するものであることをその要旨とする。
複数の動弁機構を有する内燃機関では、通常、それら動弁機構のラッシュアジャスタは全て同一のオイルポンプに接続され、そのオイルポンプから供給されるオイルの圧力に基づいてバルブクリアランスを調節するようにしている。このため、オイルポンプとラッシュアジャスタとの間のオイル通路の長さが短いラッシュアジャスタほど、オイル通路での管路損失が小さく抑えられ、そのラッシュアジャスタに供給されるオイルの圧力が他のラッシュアジャスタと比較して高くなる。その結果、ラッシュアジャスタにおける調節機能の応答性が高くなり、前述のように機関弁にバルブサージング等が生じた場合には、ラッシュアジャスタのポンプアップ、ひいてはそれに起因して機関弁が不完全閉弁状態になる可能性も高くなる。また、オイル通路の長さが短いラッシュアジャスタに対応する動弁機構に上記異常が発生していないのであれば、それ以外の動弁機構において上記異常が発生している可能性が極めて低いこととなる。
この点、請求項6に記載の構成によれば、複数の動弁機構の中でも上記異常の発生する可能性が高い動弁機構を対象にしてその異常の発生を判定するようにしているため、複数の動弁機構の何れかに上記異常が発生していることを早期に判定することができるようになる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記位置検出手段及び前記判定手段は排気弁の動弁機構についてその異常の発生を判定することをその要旨とする。
ラッシュアジャスタのポンプアップは機関弁が閉弁された直後に発生することが多い。そして、吸気弁が閉弁した後においては、内燃機関は圧縮行程に移行するため、このとき燃焼室に発生する正圧の作用によって吸気弁は閉弁する方向に付勢される。一方、排気弁が閉弁した後においては、内燃機関が吸気行程に移行するため、燃焼室に発生する負圧の作用によって排気弁は開弁する方向に付勢されるようになる。したがって、排気弁は吸気弁と比較して不完全閉弁状態になる可能性が高い。
こうした実情に鑑み、請求項7に記載の構成では、排気弁をその異常判定対象としている。同構成によれば、不完全閉弁状態になり易い排気弁についてその異常を判定することができる。
請求項8に記載の発明は、ラッシュアジャスタによって一端が支持されたロッカアームの他端をカムにより揺動させて内燃機関の排気弁を開閉駆動する動弁機構について前記排気弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する異常判定装置において、排気通路に設けられて排気の空燃比を検出するセンサと、前記ロッカアームが前記カムのベース円部分に当接しているときに排出された排気の空燃比が所定の判定値よりもリッチであることに基づいて前記異常の発生を判定する判定手段とを備えることをその要旨とする。
排気弁が不完全閉弁状態になる異常が発生すると、圧縮行程中に混合気が排気通路に漏出するようになる。したがって、排気には未燃燃料が混在するようになり、その空燃比が正常時よりもリッチになる。
この点に鑑み、請求項8に記載の構成では、ロッカアームがカムのベース円部分に当接しているときに排出された排気の空燃比をセンサによって検出し、その排気空燃比が所定の判定値よりもリッチであるときに異常である旨判定するようにしている。同構成によれば、ラッシュアジャスタにその伸長量を検出するための構成を設けるようにした場合とは異なり、ラッシュアジャスタの機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
なお、ロッカアームがカムのベース円部分に当接しているときに排出された排気の空燃比を適切に検出するためには、請求項9に記載した発明によるように、動弁機構を備える気筒が圧縮行程にあるときから所定期間経過後の排気空燃比と所定の判定値とを比較する、といった構成を採用するのが望ましい。
ここで、異常判定をより正確に行う上では上記所定期間を、気筒からセンサの取付位置までの距離や現在の排気流量(吸入空気量)の他、排気流速と相関の高い機関回転速度に基づいて可変設定するようにするのが望ましい。すなわち、請求項10に記載の構成によるように、前記所定期間を機関回転速度が高いときほど短く設定する、といった構成を採用するのが望ましい。同構成によれば、上記所定期間をそのときどきの排気流速に見合った期間に設定することができ、異常判定の精度を高めることができるようになる。
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記判定手段は前記所定の判定値を機関運転状態に基づいて可変設定することをその要旨とする。
内燃機関が例えば加減速時のような過渡運転状態にあるときには、センサの検出結果は、排気の流速変化や、燃料噴射量の変化に伴う排気空燃比の変化による影響を受け易いものとなる。この点、上記構成によれば、上記所定の判定値をこうした機関運転状態の変化に即して適切に設定することができるため、異常判定の精度を一層高めることができるようになる。
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記判定手段は機関トルクの低下を検知したことを条件に前記異常が発生している旨判定することをその要旨とする。
排気空燃比は機関運転状態の影響を受け易いため、こうした影響に起因する誤判定を回避する上では、請求項12に記載の発明によるように、排気空燃比が所定の判定値よりもリッチであることに併せて、機関トルクの低下を検知したことを条件に異常がある旨判定するのが望ましい。すなわち、排気弁が不完全閉弁状態になると、正常な機関燃焼が行われなくなるため、機関トルクが低下するようになるが、この機関トルクの低下を併せて監視することによって、より正確な異常判定を行うことができるようになる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記内燃機関が搭載される車両の減速度を検出する減速度検出手段を更に備え、前記判定手段は同減速度検出手段により検出される減速度が所定値以上であることを条件に機関トルクが低下した旨検知することをその要旨とする。
排気弁が不完全閉弁状態になると、排気空燃比が変化するのに併せて機関トルクが低下し、車両が急激に減速するようになる。上記構成によれば、排気空燃比の変化と機関トルクの低下に伴う車両の減速に基づいて排気弁が不完全閉弁状態にあることを適切に判定することができるようになる。
また、請求項14に記載の発明は、請求項8〜13の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、前記ラッシュアジャスタは複数の気筒の各動弁機構に対応してそれぞれ設けられ、同一のオイルポンプから供給されるオイルの圧力に基づいてその調節機能を奏するものであり、前記判定手段は、前記オイルポンプと前記ラッシュアジャスタとの間のオイル通路の長さの最も短い動弁機構に対応する特定気筒についての排気空燃比を検出し、その検出結果に基づいて前記異常の発生を判定するものであることをその要旨とする。
複数の気筒を有する内燃機関では、通常、各気筒の動弁機構のラッシュアジャスタは全て同一のオイルポンプに接続され、そのオイルポンプから供給されるオイルの圧力に基づいてバルブクリアランスを調節するようにしている。このため、オイルポンプとラッシュアジャスタとの間のオイル通路の長さが短いラッシュアジャスタほど、オイル通路での管路損失が小さく抑えられ、そのラッシュアジャスタに供給されるオイルの圧力がその他のラッシュアジャスタと比較して高くなる。その結果、ラッシュアジャスタにおける調節機能の応答性が高くなり、前述のように排気弁にバルブサージング等が生じた場合には、ラッシュアジャスタのポンプアップ、ひいてはそれに起因して機関弁が不完全閉弁状態になる可能性も高くなる。また、オイル通路の長さが短いラッシュアジャスタを有する動弁機構に上記異常が発生していないのであれば、それ以外の動弁機構において上記異常が発生している可能性が極めて低いこととなる。
この点、請求項14に記載の構成によれば、複数の動弁機構の中でも上記異常の発生する可能性が高い動弁機構に対応する特定気筒を対象にして前記異常の発生を判定するようにしているため、他の気筒を対象にして異常の発生を判定する場合と比べて、同異常が発生していることを早期に判定することができるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる動弁機構の異常判定装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。
以下、本発明にかかる動弁機構の異常判定装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。
ここでは先ず、図1を参照して、本実施の形態にかかる異常判定装置が適用される内燃機関の動弁機構の概略構成を説明する。
図1に示すように、機関弁10(吸気弁inVや排気弁exV)にはリテーナ12が取り付けられており、このリテーナ12とシリンダヘッド14との間にはバルブスプリング16が設けられている。このバルブスプリング16によって、機関弁10はその閉弁方向に常時付勢されている。
図1に示すように、機関弁10(吸気弁inVや排気弁exV)にはリテーナ12が取り付けられており、このリテーナ12とシリンダヘッド14との間にはバルブスプリング16が設けられている。このバルブスプリング16によって、機関弁10はその閉弁方向に常時付勢されている。
機関弁10を開閉させる動弁機構は、ピボット式の動弁機構であり、内燃機関Enのクランクシャフト(図示略)の回転が伝達されるカム18と、同カム18の回転によって駆動されるロッカアーム20とを備えている。
ロッカアーム20の一端部(図中右端部)は、シリンダヘッド14に設けられたラッシュアジャスタ30により揺動可能に支持されている。また、ロッカアーム20の他端部(図中左端部)は、機関弁10の端部10aが当接している。更に、ロッカアーム20には、上記カム18の接触するローラ22が回転可能に支持されている。
そして、カム18が回転してローラ22を押すことにより、ラッシュアジャスタ30によって支持された部分を支点としてロッカアーム20が揺動し、この揺動によって機関弁10の端部10aが押圧されるようになる。このロッカアーム20による押圧力とバルブスプリング16の付勢力とに基づき、機関弁10はその軸線方向に往復移動して開閉動作する。
内燃機関Enには、ロッカアーム20の位置Lfを検出するための位置センサ52等の各種センサが設けられている。各種センサとしては他に、例えばクランクシャフトの回転角(クランク角)及び回転速度(機関回転速度)を検出するためのクランクセンサ54や、カム18の回転角(カム角)を検出するためのカムセンサ56等も設けられている。
また、内燃機関Enは、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置50を備えている。電子制御装置50は、各種センサの出力信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて後述する異常発生の判定にかかる処理を実行する。
次に、上記ラッシュアジャスタ30の具体的な構成を、図2を参照して説明する。
同図2に示すように、ラッシュアジャスタ30は有底円筒状のボディ32を備えている。そして、ボディ32の内部には、プランジャスプリング34、ボールリテーナ36、チェックボールスプリング38、チェックボール40、プランジャ42がそれぞれ配設されている。
同図2に示すように、ラッシュアジャスタ30は有底円筒状のボディ32を備えている。そして、ボディ32の内部には、プランジャスプリング34、ボールリテーナ36、チェックボールスプリング38、チェックボール40、プランジャ42がそれぞれ配設されている。
ボディ32の底とプランジャ42の底との間は高圧室44として区画され、プランジャ42の内部は低圧室46として区画されている。そして、高圧室44にはオイル(具体的には、内燃機関Enの潤滑に供される潤滑オイル)が満たされている。また、高圧室44と低圧室46とはプランジャ42の底に形成された連通路48を介して連通しており、低圧室46にはボディ32及びプランジャ42に形成されたオイル穴32a,42aを介してオイルが供給されている。なお、低圧室46に供給されるオイルは、内燃機関Enの運転に伴い駆動されるオイルポンプ24(図1)から吐出され、オイル通路26を通じて上記オイル穴32a,42aに到達するものである。
高圧室44には、プランジャスプリング34及びボールリテーナ36が配設されている。そして、このプランジャスプリング34の付勢力がボールリテーナ36を介してプランジャ42に作用することで、プランジャ42は常にボディ32から突出する方向に付勢されている。また、高圧室44において、ボールリテーナ36とプランジャ42の底との間には、チェックボールスプリング38及びチェックボール40が配設されている。そして、このチェックボールスプリング38の付勢力がチェックボール40に作用することで、チェックボール40が連通路48を遮断する位置に保持されている。
したがって、機関運転中における機関弁10の閉弁開始後に、カム18がロッカアーム20(正確には、ローラ22)から離れようとすると、プランジャスプリング34が伸びてプランジャ42がボディ32から進出し(ラッシュアジャスタ30が伸長し)、そのプランジャ42によってロッカアーム20が上記カム18側に押し付けられる。このようにロッカアーム20がカム18に追従して変位することで、両者の間にクリアランスが生じることは抑制される。
なお、このようにラッシュアジャスタ30が伸長するときには、高圧室44の容積が拡大しようとして高圧室44内の圧力が低下し、高圧室44と低圧室46との差圧に基づく力がチェックボール40に作用する。そして、上記差圧に基づく力によってチェックボール40がチェックボールスプリング38の付勢力に抗して連通路48の遮断を解除する位置まで変位すると、低圧室46から高圧室44にオイルが流れるようになる。その後、上記差圧に基づく力の大きさがチェックボールスプリング38の付勢力以下になると、チェックボール40が連通路48を遮断する位置へと戻される。
一方、機関弁10が開弁される際に上記カム18によってロッカアーム20が押されると、その際の力がロッカアーム20を介してプランジャ42に伝達され、プランジャ42がボディ32内に進入しようとする。このときには連通路48がチェックボール40によって遮断されているため、高圧室44から低圧室46へのオイル流出は禁止される。そして、高圧室44内に満たされたオイルにより、同高圧室44の容積を縮小する方向へのプランジャ42の移動、言い換えればプランジャ42のボディ32内への進入は禁止される。
なお、このようにプランジャ42がボディ32内に進入しようとするとき、高圧室44内のオイルが僅かながらボディ32の内周面とプランジャ42の外周面との間を通ってラッシュアジャスタ30の外部に漏出するため、それによってプランジャ42がボディ32内に僅かに沈み込むようになる。しかしながら、そうしたプランジャ42のボディ32内への進入は、上述した機関弁10の閉弁開始後におけるラッシュアジャスタ30の動作を通じて回復される。
このように、ラッシュアジャスタ30にあっては、機関弁10の開閉駆動に伴ってボディ32内にオイルが供給され、そのオイルによって機関弁10の開弁開始後におけるプランジャ42のボディ32内への進入が禁止されるようになっている。
ここで、上記動弁機構にあっては、いわゆるバルブサージングの発生などに起因して、ロッカアーム20の揺動によらず、機関弁10が不要に開弁されることがある。このように機関弁10が不要に開弁される原因としては、その他にも、例えば複数の気筒を有する内燃機関における他の気筒からの排気放出あるいは排気ブレーキを有する車両における同排気ブレーキの作動等に伴ってごく高い排気圧力が機関弁10(詳しくは排気弁exV)に作用すること等が挙げられる。
図3に、このときの動弁機構における各動作部の動きを示す。
同図3に示すように、機関弁10が不要に開弁されると(矢印A)、同機関弁10及びロッカアーム20の間やカム18及びロッカアーム20(詳しくはローラ22)の間にクリアランスが生じないように、プランジャ42が進出して(矢印B)、ロッカアーム20が移動するようになる(矢印C)。そして、これに伴ってラッシュアジャスタ30の高圧室44(図2)内にオイルが流入し、その流入したオイルによってプランジャ42の進入が制限されるようになる。したがって、このときラッシュアジャスタ30が過度に伸長する現象、すなわちポンプアップが発生し、これにより機関弁10が完全に閉弁させることのできない状態(不完全閉弁状態)になる。
同図3に示すように、機関弁10が不要に開弁されると(矢印A)、同機関弁10及びロッカアーム20の間やカム18及びロッカアーム20(詳しくはローラ22)の間にクリアランスが生じないように、プランジャ42が進出して(矢印B)、ロッカアーム20が移動するようになる(矢印C)。そして、これに伴ってラッシュアジャスタ30の高圧室44(図2)内にオイルが流入し、その流入したオイルによってプランジャ42の進入が制限されるようになる。したがって、このときラッシュアジャスタ30が過度に伸長する現象、すなわちポンプアップが発生し、これにより機関弁10が完全に閉弁させることのできない状態(不完全閉弁状態)になる。
図4にラッシュアジャスタ30の伸長量の推移の一例を示す。
なお同図4にあって、実線は不完全閉弁状態になる異常の未発生時における推移を示しており、一点鎖線は同異常の発生時における推移を示している。
なお同図4にあって、実線は不完全閉弁状態になる異常の未発生時における推移を示しており、一点鎖線は同異常の発生時における推移を示している。
図4に示すように、ロッカアーム20にカム18のノーズ部分が当接しているときには(時刻t1よりも前)、ロッカアーム20がカム18によって押圧された状態になっているために、上記ラッシュアジャスタ30の伸長量は短くなっている。
その後、ロッカアーム20にカム18のベース円部分が当接するようになると(時刻t1以降)、上記異常の未発生時には(実線)、ラッシュアジャスタ30の伸長量が所定の伸長量になる。なお、この所定の伸長量は、上記異常が未発生である場合において、機関弁10及びロッカアーム20の間やカム18及びロッカアーム20の間のクリアランスが無い状態で機関弁10が確実に閉弁されるようになる伸長量である。これに対し、上記異常が発生すると(一点鎖線)、機関弁10が開弁状態になるために、その分だけラッシュアジャスタ30の伸長量が上記所定の伸長量を超えて過度に大きくなる。
この点をふまえ、本実施の形態では、位置センサ52を通じて検出されるロッカアーム20の位置Lfに基づいて、ラッシュアジャスタ30の伸長量が上記所定の伸長量を超えて過度に大きくなったことを判断し、上記異常の発生を判定するようにしている。具体的には、機関弁10が閉弁状態となる位置(詳しくは、後述する基準位置Lfa)からのロッカアーム20の変位量であって上記カム18のベース円部分に当接しているときにおける同ロッカアーム20の変位量が所定量以上であることをもって、上記異常が発生している旨が判定される。
ラッシュアジャスタ30の伸長量が大きくなると、それに伴ってロッカアーム20の変位量も大きくなる。本実施の形態では、そうしたロッカアーム20の変位量の増大が検知されて上記異常が発生していると判定されるようになる。そのため、ラッシュアジャスタ30にその伸長量を検出するためのセンサや凸部等の構成を設ける場合とは異なり、ラッシュアジャスタ30の機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
なお、本実施の形態では、位置センサ52として例えばホール素子などからなる非接触式のセンサが採用されている。また、この位置センサ52は、ロッカアーム20の揺動に伴って同ロッカアーム20との位置関係が変化するように、且つロッカアーム20の揺動する側、すなわち同ロッカアーム20の上記端部10a側の側面に対向するように設けられている。
ラッシュアジャスタ30にポンプアップが生じたときに、これを確実に検出する上では、ラッシュアジャスタ30により支持される側のロッカアーム20の端部の位置を検出するのが好ましい。しかしながら、ラッシュアジャスタ30にポンプアップが生じたとしても、そのときに機関弁10が必ずしも不完全閉弁状態になっているとは限らない。この点、本実施の形態では、位置センサ52を通じてロッカアーム20の揺動する側の端部の位置が検出されるために、ロッカアーム20の揺動状態、換言すれば機関弁10の開閉状態を正確に監視することができ、機関弁10が不完全閉弁状態であることを高い精度をもって判定することができるようになる。
ところで、図5に示すように、上記内燃機関Enは複数の気筒(♯1〜♯4)を有し、それら気筒は吸気弁inV及び排気弁exV(共に図示略)をそれぞれ複数備えている。それら吸気弁inV及び排気弁exVの動弁機構はそれぞれラッシュアジャスタ30を備えており、各ラッシュアジャスタ30はオイル通路26を介してオイルポンプ24にそれぞれ接続されている。そして、内燃機関Enにあっては、同一のオイルポンプ24から供給されるオイルの圧力に基づいて、全てのラッシュアジャスタ30がその調節機能を発揮するようになっている。
ここで、ラッシュアジャスタ30のポンプアップは、機関弁10が閉弁された直後に発生することが多い。そして、吸気弁inVが閉弁された後においては、内燃機関Enは圧縮行程に移行するため、このとき燃焼室に発生する正圧(大気圧よりも高い圧力)によって吸気弁inVは閉弁する方向に付勢される。一方、排気弁exVが閉弁された後においては、内燃機関Enが吸気行程に移行するために、燃焼室に発生する負圧(大気圧よりも低い圧力)の作用によって排気弁exVは開弁する方向に付勢されるようになる。そのため、排気弁exVは吸気弁inVと比較して不完全閉弁状態になる可能性が高い。
また上記内燃機関Enでは、ラッシュアジャスタ30とオイルポンプ24との間のオイル通路26が短いラッシュアジャスタ30ほど、同オイル通路26での管路損失が小さく抑えられ、供給されるオイルの圧力が他のラッシュアジャスタ30と比べて高くなる。そのため、ラッシュアジャスタ30における調節機能の応答性が高くなり、前述のようにバルブサージング等が生じた場合に、ラッシュアジャスタ30のポンプアップ、ひいてはそれに起因して機関弁10が不完全閉弁状態になる可能性も高くなる。また、上記オイル通路26の長さが短いラッシュアジャスタ30に対応する動弁機構に上記異常が発生していないのであれば、それ以外の動弁機構において上記異常が発生している可能性が極めて低いこととなる。
こうした実情に鑑み、本実施の形態では、排気弁exVに対応する動弁機構のうちでラッシュアジャスタ30とオイルポンプ24との間のオイル通路26の長さが最も短い特定の動弁機構(具体的には、図5中に矢印Hで示すラッシュアジャスタ30に対応する動弁機構)にのみ前記位置センサ52が設けられている。そして、この位置センサ52の検出信号に基づいて上記異常の発生を判定するようにしている。
すなわち、上述した理由から上記異常の発生する可能性の最も高い特定の動弁機構についてのみ同異常の発生が判定される。これにより、複数の動弁機構の一つについてのみ上記異常の発生の判定を行うといった構成を採用するにあたり、他の動弁機構を対象にして異常の発生を判定する場合と比べて、複数の動弁機構の何れかに上記異常が発生していることを早期に判定することができるようになる。
以下、上記異常発生の判定にかかる処理(判定処理)の処理手順について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
このフローチャートに示す一連の処理は、上記判定処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置50により実行される。
このフローチャートに示す一連の処理は、上記判定処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置50により実行される。
図6に示すように、この処理では先ず、上記ロッカアーム20に対するカム18の当接部分が同カム18のベース円部分であるか否かが判断される(ステップS100)。なお、ロッカアーム20がカム18のベース円部分に当接しているか否かの判断については、クランク角やカム角に基づいて判断される。
そして、上記当接部分がベース円部分でないときには(ステップS100:NO)、以下の処理を実行することなく、本処理は一旦終了される。
その後、上記当接部分がベース円部分になると(ステップS100:YES)、ロッカアーム20の位置Lfが検出されるとともに(ステップS102)、基準位置Lfaからのロッカアーム20の変位量ΔLf(=Lf−Lfa)が算出される(ステップS104)。
その後、上記当接部分がベース円部分になると(ステップS100:YES)、ロッカアーム20の位置Lfが検出されるとともに(ステップS102)、基準位置Lfaからのロッカアーム20の変位量ΔLf(=Lf−Lfa)が算出される(ステップS104)。
なお、上記基準位置Lfaは、ステップS102の処理において検出されるロッカアーム20の位置Lfのうちの所定期間(具体的には、機関始動されてから現在までの期間)において検出された位置Lfの平均的な位置である。具体的には、機関始動後において最初に検出された位置を初期値として、今回の処理で検出したロッカアーム20の位置Lf、前回の処理で算出された基準位置Lfai、及び任意の正の整数nに基づいて関係式「Lfa=(Lfai・(n−1)+Lf)/n」から求められる。ここで、機関弁10が閉弁状態となるロッカアーム20の位置は、個体差や経年変化、或いは機関振動等の影響を受けて変化することがある。本処理では、そうした変化に応じて基準位置Lfaが設定されるようになっている。
そして、上記変位量ΔLfが所定量以上であり(ステップS106:YES)、且つ同変位量ΔLfが所定量以上になった履歴が所定期間(例えば、内燃機関Enが燃焼サイクルを3回繰り返す期間)継続して有る場合には(ステップS108:YES)、前記異常が発生している旨判定される(ステップS110)。なお、この所定量は、上記異常が発生していることを的確に且つ早期に判定することの可能な値が実験結果などを通じて求められ、設定されている。
一方、上記変位量ΔLfが所定量未満である場合(ステップS106:NO)、或いは同変位量ΔLfが所定量以上であってもその履歴有りの状態が所定期間継続していない場合には(ステップS108:NO)、上記異常が発生している旨を判定しない。
その後(ステップS106:NO、またはS108:NO、またはS110の処理の後)、前記関係式に基づいて基準位置Lfaが更新され(ステップS112)、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)ロッカアーム20の位置Lfを検出するための位置センサ52を設け、同位置センサ52により検出される位置Lfに基づいて機関弁10が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定するようにした。そのため、ラッシュアジャスタ30にその伸長量を検出するための構成を設けるようにした場合とは異なり、ラッシュアジャスタ30の機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
(1)ロッカアーム20の位置Lfを検出するための位置センサ52を設け、同位置センサ52により検出される位置Lfに基づいて機関弁10が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定するようにした。そのため、ラッシュアジャスタ30にその伸長量を検出するための構成を設けるようにした場合とは異なり、ラッシュアジャスタ30の機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
(2)位置センサ52を、ロッカアーム20の揺動する側の側面に対向するように設けるようにした。これにより、ロッカアーム20の揺動状態、換言すれば機関弁10の開閉状態を正確に監視することができ、機関弁10が不完全閉弁状態であることを高い精度をもって判定することができるようになる。
(3)基準位置Lfaとして、ロッカアーム20がカム18のベース円部分に当接しているときの所定期間における同ロッカアーム20の位置Lfの平均的な位置を設定するようにした。そのため、個体差や経年変化或いは機関振動等の影響による変化に応じたかたちで適切に基準位置Lfaを設定することができるようになり、上記異常の発生をより精度よく判定することができるようになる。
(4)位置センサ52として、ロッカアーム20の揺動に伴って同ロッカアーム20との位置関係が変化するように設けられてその位置変化を検出する非接触式のセンサを採用した。そのため、ロッカアーム20の位置Lfを検出するに際して同ロッカアーム20に不必要な力が作用することがないため、同ロッカアーム20の揺動に悪影響を与えることなく、その位置Lfを検出することができるようになる。
(5)複数の動弁機構の中でオイルポンプ24とラッシュアジャスタ30との間のオイル通路26の長さの最も短い動弁機構についてそのロッカアーム20の位置Lfを検出し、同位置Lfに基づいて上記異常の発生を判定するようにした。そのため、複数の動弁機構の中でも上記異常の発生する可能性が高い動弁機構を対象にしてその異常の発生を判定することができ、他の動弁機構を対象にして異常の発生を判定する場合と比べて、複数の動弁機構の何れかに上記異常が発生していることを早期に判定することができるようになる。
(6)排気弁exVの動弁機構についてその異常の発生を判定するようにしたために、不完全閉弁状態になり易い排気弁exVについてその異常を判定することができるようになる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる動弁機構の異常判定装置を具体化した第2の実施の形態について説明する。
以下、本発明にかかる動弁機構の異常判定装置を具体化した第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の異常判定装置は、これが備える各種センサが第1の実施の形態の異常判定装置と異なる。具体的には、前記位置センサ52に代えて、排気空燃比AFを検出するための空燃比センサ58が設けられている。図7に示すように、この空燃比センサ58は排気通路Exにあって各気筒(♯1〜♯4)から伸びる通路が集合した部分に設けられている。また、本実施の形態の内燃機関Enとしては動力源として車両Veに搭載される内燃機関を想定しており、同車両Veにはその減速度を検出するための減速度センサ60が設けられている。
また、本実施の形態は、判定処理の処理内容についても第1の実施の形態と異なる。詳しくは、第1の実施の形態にかかる判定処理ではロッカアーム20の位置Lfに基づいて前述した排気弁exVが不完全閉弁状態になる異常の発生を判定するようにしたのに対し、本実施の形態にかかる判定処理では空燃比センサ58により検出される排気空燃比AFに基づいて同異常の発生を判定するようにしている。
以下、本実施の形態にかかる判定処理の概要について説明する。
上記異常が発生すると、内燃機関Enの圧縮行程中において燃焼室内の混合気が排気通路Exに漏出するようになる。したがって、排気には未燃燃料が混在するようになり、その空燃比が正常時よりもリッチになる。
上記異常が発生すると、内燃機関Enの圧縮行程中において燃焼室内の混合気が排気通路Exに漏出するようになる。したがって、排気には未燃燃料が混在するようになり、その空燃比が正常時よりもリッチになる。
この点に鑑み、上記判定処理では、検出対象となっている特定気筒が圧縮行程にあるときに排出された排気の空燃比が所定の判定値よりもリッチであることに基づいて上記異常が発生している旨判定するようにしている。なお、この判定に用いる空燃比としては、特定気筒が圧縮行程にあるときから所定期間が経過した後の排気空燃比AFを空燃比センサ58によって検出するようにしている。これにより、特定気筒から漏出した混合気が排気通路Exの上記空燃比センサ58の設けられた位置に到達するのを待って排気空燃比AFが検出される。
こうした排気空燃比AFに基づく判定を実行することにより、ラッシュアジャスタ30にその伸長量を検出するためのセンサや凸部等の構成を設ける場合と異なり、同ラッシュアジャスタ30の機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
なお、排気弁exVが不完全閉弁状態になると、正常な機関燃焼が行われなくなるために、機関トルクが低下するようになる。そのため、排気空燃比AFのリッチ化と機関トルクの低下とが併せて発生したことをもって上記異常が発生している旨判定することにより、機関運転状態の影響を受け易い排気空燃比AFのみに基づいて異常判定を行う場合と比べて、同異常判定の判定精度向上を図ることが可能である。こうした実情をふまえ、上記判定処理では、排気空燃比AFが所定の判定値よりもリッチであることに併せて、機関トルクの低下が検知されたことを条件に、上記異常が発生している旨判定するようにしている。
また、排気弁exVが不完全閉弁状態になって機関トルクが低下する場合には、車両Veが急激に減速するようになる。そのため上記判定処理では、減速度センサ60により検出される車両Veの減速度が所定値以上であることをもって機関トルクが低下したことを検知するようにしている。
更に、上記判定処理では、最も上記異常の発生する可能性の高い排気弁exVの動弁機構(図7に矢印H’で示す動弁機構)に対応する特定気筒(本実施の形態では、気筒♯1)を対象に同異常の発生を判定するようにしている。これにより、一つの気筒についてのみ上記異常の発生の判定を行うといった構成を採用するにあたり、他の気筒を対象にして異常の発生を判定する場合と比べて、複数の動弁機構の何れかに上記異常が発生していることを早期に判定することができるようになる。なお、上記動弁機構において最も上記異常の発生する可能性が高い理由は、前述したように、排気弁exVは吸気弁inVよりも上記異常が発生し易く、またオイルポンプ24とラッシュアジャスタ30との間のオイル通路26の長さが短い動弁機構ほど同ラッシュアジャスタ30に供給されるオイルの圧力が高く上記異常が発生し易いためである。
以下、本実施の形態にかかる判定処理の詳細について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
このフローチャートに示す一連の処理は、上記判定処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置50により実行される。
このフローチャートに示す一連の処理は、上記判定処理の具体的な処理手順を示したものであり、所定周期毎の処理として電子制御装置50により実行される。
図8に示すように、この処理では先ず、判定期間であるか否かが判断される(ステップS200)。この判定期間としては、前記特定気筒が圧縮行程であるときに同気筒から排気通路Exにガスが漏出した場合に、その漏出したガスを含む排気の空燃比を空燃比センサ58によって検出することの可能な期間が設定される。具体的には、特定気筒が圧縮行程にあるときから所定時間経過した後の期間が、機関回転速度やカム角に基づいて設定される。
なお、上記異常の判定を正確に行う上では上記所定時間を、特定気筒から空燃比センサ58の取付位置までの距離を考慮して設定することは勿論のこと、排気流速と相関の高い機関回転速度に基づいて可変設定することが望ましい。そのため、本処理では、上記所定時間として機関回転速度が高いときほど短い時間が設定される。これにより、上記判定期間がそのときどきの排気流速に見合った期間に設定され、異常判定の精度が高められるようになる。
そして、判定期間であるときには(ステップS200:YES)、空燃比センサ58によって排気空燃比AFが検出される(ステップS202)。
これと共に、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量や機関回転速度などの機関運転状態に基づいて、ステップS202の処理で検出された排気空燃比AFについての基準値(基準空燃比AFb)が算出される(ステップS204)。なお、基準空燃比AFbの算出パラメータとしては、そのときの機関運転状態を用いることや、特定気筒についての吸入空気量や燃料噴射量を設定するタイミングにおける機関運転状態を記憶しておくとともにこれを用いること等が可能である。異常発生の判定精度を高めるためには、後者を採用することが望ましい。
これと共に、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量や機関回転速度などの機関運転状態に基づいて、ステップS202の処理で検出された排気空燃比AFについての基準値(基準空燃比AFb)が算出される(ステップS204)。なお、基準空燃比AFbの算出パラメータとしては、そのときの機関運転状態を用いることや、特定気筒についての吸入空気量や燃料噴射量を設定するタイミングにおける機関運転状態を記憶しておくとともにこれを用いること等が可能である。異常発生の判定精度を高めるためには、後者を採用することが望ましい。
その後、以下の条件が全て満たされることをもって、上記異常が発生している旨が判定される(ステップS212)。
・上記検出した排気空燃比AFと基準空燃比AFbとの偏差ΔAF(=AF−AFb)が判定値以上であること(ステップS206:YES)。なお、この判定値は、上記異常の発生を精度よく判定することの可能な値が実験結果などに基づき求められ、定められている。
・上記偏差ΔAFが判定値以上になった履歴が所定期間(例えば、内燃機関Enが燃焼サイクルを3回繰り返す期間)継続して有ること(ステップS208:YES)。
・上記偏差ΔAFが判定値以上になった履歴が継続して有る期間、或いは同期間の直前において、減速度センサ60により検出される車両Veの減速度が所定値以上になった履歴があること(ステップS210:YES)。
・上記検出した排気空燃比AFと基準空燃比AFbとの偏差ΔAF(=AF−AFb)が判定値以上であること(ステップS206:YES)。なお、この判定値は、上記異常の発生を精度よく判定することの可能な値が実験結果などに基づき求められ、定められている。
・上記偏差ΔAFが判定値以上になった履歴が所定期間(例えば、内燃機関Enが燃焼サイクルを3回繰り返す期間)継続して有ること(ステップS208:YES)。
・上記偏差ΔAFが判定値以上になった履歴が継続して有る期間、或いは同期間の直前において、減速度センサ60により検出される車両Veの減速度が所定値以上になった履歴があること(ステップS210:YES)。
なお、上記条件の何れか一つでも満たされない場合には(ステップS206,S208,S210の何れかがNO)、上記異常が発生している旨を判定しない。
このように上記異常が判定された後、本処理は一旦終了される。
このように上記異常が判定された後、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)検出対象となっている特定気筒が圧縮行程にあるときに排出された排気の空燃比が所定の判定値よりもリッチであることに基づいて上記異常が発生している旨判定するようにした。そのため、ラッシュアジャスタ30にその伸長量を検出するための構成を設けるようにした場合とは異なり、ラッシュアジャスタ30の機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
(1)検出対象となっている特定気筒が圧縮行程にあるときに排出された排気の空燃比が所定の判定値よりもリッチであることに基づいて上記異常が発生している旨判定するようにした。そのため、ラッシュアジャスタ30にその伸長量を検出するための構成を設けるようにした場合とは異なり、ラッシュアジャスタ30の機能に悪影響を及ぼすことなく、上記異常の発生を判定することができるようになる。
(2)また、特定気筒が圧縮行程にあるときから所定時間が経過した後において空燃比センサ58によって検出された排気空燃比AFを上記異常判定に用い、同所定時間として機関回転速度が高いときほど短い時間を設定するようにした。そのため、所定時間、ひいては判定期間をそのときどきの排気流速に見合った期間に設定することができ、異常判定の精度を高めることができるようになる。
(3)機関トルクの低下を検知したことを条件に上記異常が発生している旨判定するようにしたために、より正確な異常判定を行うことができるようになる。
(4)減速度センサ60により検出される車両Veの減速度が所定値以上になったことをもって、機関トルクが低下したことを検知することができる。
(4)減速度センサ60により検出される車両Veの減速度が所定値以上になったことをもって、機関トルクが低下したことを検知することができる。
(5)オイルポンプ24とラッシュアジャスタ30との間のオイル通路26の長さの最も短い排気弁exVの動弁機構に対応する特定気筒を対象に、上記異常の発生を判定するようにしたために、他の気筒を対象にして異常の発生を判定する場合と比べて、同異常が発生していることを早期に判定することができるようになる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態では、機関弁10の端部10a側におけるロッカアーム20の側面に対向するように位置センサ52を設けるようにした。これに代えて、図9に示すように、ロッカアーム20の上記ラッシュアジャスタ30側の側面に対向するように位置センサ62を設けるようにしてもよい。
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態では、機関弁10の端部10a側におけるロッカアーム20の側面に対向するように位置センサ52を設けるようにした。これに代えて、図9に示すように、ロッカアーム20の上記ラッシュアジャスタ30側の側面に対向するように位置センサ62を設けるようにしてもよい。
・第1の実施の形態において、ロッカアーム20の挙動に与える悪影響が小さく抑えられるのであれば、同ロッカアーム20に接触するタイプのセンサを位置センサとして用いるようにしてもよい。
・第1の実施の形態では、基準位置Lfaとして、ステップS102の処理において検出されるロッカアーム20の位置Lfの平均的な位置を設定するようにした。これに代えて、実験結果などにより求めた特定の位置を基準位置Lfaとして予め設定しておくことも可能である。こうした構成によっても、機関弁10が閉弁状態となる位置からのロッカアーム20の変位量であって上記カム18のベース円に当接しているときにおける同ロッカアーム20の変位量が過度に大きくなっていることを判断することはでき、これをもって上記異常が発生している旨判定することができる。
・第1の実施の形態にかかる判定処理において、ステップS108(図6)の処理を省略してもよい。
・第1の実施の形態において、判定処理を以下のように実行するようにしてもよい。
・第1の実施の形態において、判定処理を以下のように実行するようにしてもよい。
図10のフローチャートに示すように、先ず、ロッカアーム20に対するカム18の当接部分がベース円部分になったときに(ステップS100:YES且つS300:YES)、同ロッカアーム20の位置Lfを検出しこれを基準位置Lfbとして記憶する(ステップS302)。次に、その後におけるロッカアーム20の位置Lfのピークホールド値Lfpを求める(ステップS304)。その後、所定のカム角(位置Lfが確実にピークを迎えるようになるカム角以降のカム角)になったときに(ステップS306:YES)、上記基準位置Lfbとピークホールド値Lfpとの差(=Lfp−Lfb)を求めてこれを上記ロッカアーム20の変位量ΔLfとする(ステップS308)。そして、同変位量ΔLfに基づいて上記異常の発生を判定する(ステップS106〜S110)。なお、ロッカアーム20に対するカム18の当接部分がベース円部分でないときには(ステップS100:NO)、上記基準位置Lfb及びピークホールド値Lfpを共に「0」にリセットする(ステップS310)。
・第1の実施の形態において、上記異常の発生を判定する手法は、基準位置からのロッカアーム20の変位量ΔLfに基づく判定手法に限らず、ロッカアーム20の位置Lfに基づく手法であれば、適宜変更可能である。具体的には、例えばロッカアーム20の位置Lfが所定値以上であることをもって上記異常が発生している旨を判定すること等が可能である。
・第1の実施の形態において、オイルポンプ24とラッシュアジャスタ30との間のオイル通路26の長さが最も短い吸気弁inVの動弁機構についてのみ前記異常の発生を判定するようにしてもよい。
・第1の実施の形態において、オイルポンプ24とラッシュアジャスタ30との間のオイル通路26の長さが最も短い動弁機構以外の動弁機構について前記異常の発生を判定するようにしてもよい。
・第1の実施の形態にあって、ロッカアーム20の位置を検出するための位置センサを複数の動弁機構に設けるとともにそれら動弁機構についてそれぞれ上記異常の発生を判定するようにしてもよい。具体的には、例えば吸気弁inVの動弁機構の中でオイルポンプ24及びラッシュアジャスタ30の間のオイル通路26の長さが最も短い動弁機構と排気弁exVの動弁機構の中で同オイル通路26の長さが最も短い動弁機構とに位置センサを設けるとともに、それら動弁機構についてそれぞれ上記異常の発生を判定することが考えられる。その他、全ての動弁機構に位置センサを設けるとともに各動弁機構についてそれぞれ上記異常の発生を判定することなども考えられる。
・第2の実施の形態において、前記判定値(図8のステップS206)を、機関運転状態に基づいて可変設定するようにしてもよい。ここで、内燃機関Enが例えば加減速時のような過渡運転状態にあるときには、空燃比センサ58の検出結果は、排気の流速変化や、燃料噴射量の変化に伴う排気空燃比の変化による影響を受け易いものとなる。この点、上記構成によれば、上記判定値をそうした機関運転状態の変化に即して適切に設定することができ、異常判定の精度を一層高めることができるようになる。
・第2の実施の形態にかかる判定処理のステップS206の処理に代えて、排気空燃比AF及び基準空燃比AFbの比(=AF/AFb)を求め、同比が判定値以上であるか否かを判断するといった処理を実行するようにしてもよい。要は、機関運転状態に応じて定まる基準空燃比と実際の排気空燃比との乖離度合いが過度に大きくなっていることを判断することができればよい。
・第2の実施の形態では、減速度センサ60により検出される車両Veの減速度が所定値以上であることをもって機関トルクの低下を検知するようにした。これに限らず、クランクセンサ54により検出される機関回転速度の単位時間当たりの低下量が所定値以上になったことをもって機関トルクの低下を検知することも可能である。その他、機関トルクが低下したことは、気筒内の圧力を検出するための圧力センサを新たに設け、同圧力センサによって検出される気筒内圧力が基準圧力よりも低いことをもって検知することなども可能である。
・第2の実施の形態にかかる判定処理において、ステップS208の処理やステップS210の処理を省略してもよい。
・第2の実施の形態にかかる判定処理において、ステップS200の処理を省略してもよい。すなわち、内燃機関Enの全運転期間において、排気空燃比AFに基づく異常判定を実行するようにしてもよい。同構成によっても、何れかの気筒からの混合気の漏出によって排気空燃比AFがリッチになったことを判断し、これをもって前記異常が発生している旨判定することができる。
・第2の実施の形態にかかる判定処理において、ステップS200の処理を省略してもよい。すなわち、内燃機関Enの全運転期間において、排気空燃比AFに基づく異常判定を実行するようにしてもよい。同構成によっても、何れかの気筒からの混合気の漏出によって排気空燃比AFがリッチになったことを判断し、これをもって前記異常が発生している旨判定することができる。
・第2の実施の形態において、オイルポンプ24とラッシュアジャスタ30との間のオイル通路26の長さが最も短い動弁機構に対応する気筒以外の気筒について前記異常の発生を判定するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、複数の気筒を対象に、上記異常の発生を判定するようにしてもよい。
・第2の実施の形態にかかる異常判定装置は、車両Veに搭載される内燃機関En以外の内燃機関にも適用することができる。
・第2の実施の形態にかかる異常判定装置は、車両Veに搭載される内燃機関En以外の内燃機関にも適用することができる。
Ve…車両、En…内燃機関、Ex…排気通路、吸気弁…inV、排気弁…exV、10…機関弁、10a…端部、12…リテーナ、14…シリンダヘッド、16…バルブスプリング、18…カム、20…ロッカアーム、22…ローラ、24…オイルポンプ、26…オイル通路、30…ラッシュアジャスタ、32…ボディ、32a…オイル穴、34…プランジャスプリング、36…ボールリテーナ、38…チェックボールスプリング、40…チェックボール、42…プランジャ、42a…オイル穴、44…高圧室、46…低圧室、48…連通路、50…判定手段としての電子制御装置、52,62…位置検出手段としての位置センサ、54…クランクセンサ、56…カムセンサ、58…空燃比センサ、60…減速度検出手段としての減速度センサ。
Claims (14)
- ラッシュアジャスタによって一端が支持されたロッカアームの他端をカムにより揺動させて内燃機関の機関弁を開閉駆動する動弁機構について前記機関弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する異常判定装置において、
前記ロッカアームの位置を検出する位置検出手段と、
該検出されるロッカアームの位置に基づいて前記異常の発生を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項1に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記位置検出手段は前記ロッカアームの揺動する端部の位置を検出するものである
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項1又は2に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記判定手段は、前記ロッカアームが前記カムのベース円部分に当接しているときに、前記機関弁が閉弁状態となる基準位置からの該ロッカアームの変位量が所定量以上であることを条件に前記異常が発生している旨判定する
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項3に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記基準位置は、前記ロッカアームが前記カムのベース円部分に当接しているときの所定期間におけるロッカアームの平均的な位置である
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記位置検出手段は前記ロッカアームの揺動に伴って同ロッカアームとの位置関係が変化し、その位置変化を検出する非接触式のセンサを有してなる
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記ラッシュアジャスタは複数の動弁機構に対応してそれぞれ設けられ、同一のオイルポンプから供給されるオイルの圧力に基づいてその調節機能を奏するものであり、前記位置検出手段及び前記判定手段は、前記オイルポンプと前記ラッシュアジャスタとの間のオイル通路の長さの最も短い動弁機構についてそのロッカアームの位置を検出し、その検出結果に基づいて前記異常の発生を判定するものである
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項6に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記位置検出手段及び前記判定手段は排気弁の動弁機構についてその異常の発生を判定する
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - ラッシュアジャスタによって一端が支持されたロッカアームの他端をカムにより揺動させて内燃機関の排気弁を開閉駆動する動弁機構について前記排気弁が不完全閉弁状態になる異常の発生を判定する異常判定装置において、
排気通路に設けられて排気の空燃比を検出するセンサと、
前記ロッカアームが前記カムのベース円部分に当接しているときに排出された排気の空燃比が所定の判定値よりもリッチであることに基づいて前記異常の発生を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項8に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記判定手段は前記動弁機構を備える気筒が圧縮行程にあるときから所定期間経過後の排気空燃比と前記所定の判定値とを比較する
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項9に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記判定手段は前記所定期間を機関回転速度が高いときほど短く設定する
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項8〜10の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記判定手段は前記所定の判定値を機関運転状態に基づいて可変設定する
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 請求項8〜11の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置において、
前記判定手段は機関トルクの低下を検知したことを条件に前記異常が発生している旨判定する
ことを特徴とする動弁機構の異常判定装置。 - 前記内燃機関が搭載される車両の減速度を検出する減速度検出手段を更に備え、前記判定手段は同減速度検出手段により検出される減速度が所定値以上であることを条件に機関トルクが低下した旨検知する
請求項12に記載の動弁機構の異常判定装置。 - 前記ラッシュアジャスタは複数の気筒の各動弁機構に対応してそれぞれ設けられ、同一のオイルポンプから供給されるオイルの圧力に基づいてその調節機能を奏するものであり、前記判定手段は、前記オイルポンプと前記ラッシュアジャスタとの間のオイル通路の長さの最も短い動弁機構に対応する特定気筒についての排気空燃比を検出し、その検出結果に基づいて前記異常の発生を判定するものである
請求項8〜13の何れか一項に記載の動弁機構の異常判定装置。
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---|---|---|---|
JP2005044655A JP2006226266A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 動弁機構の異常判定装置 |
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JP2005044655A JP2006226266A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 動弁機構の異常判定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7546827B1 (en) | 2008-08-21 | 2009-06-16 | Ford Global Technologie, Llc | Methods for variable displacement engine diagnostics |
CN109964009A (zh) * | 2016-10-17 | 2019-07-02 | 伊顿智能动力有限公司 | 基于磁路反馈的控制 |
-
2005
- 2005-02-21 JP JP2005044655A patent/JP2006226266A/ja active Pending
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EP3526451A4 (en) * | 2016-10-17 | 2020-06-03 | Eaton Intelligent Power Limited | CONTROL BASED ON MAGNETIC CIRCUIT FEEDBACK |
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