JP2009103101A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射された燃料が気筒の内壁に付着すること起因する潤滑油の希釈を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関は、吸気行程においてインジェクタにより燃焼室内に燃料を直接噴射するとともに、吸気バルブの開弁時期TKを上死点よりも遅角側に設定することにより燃焼室の内圧を低下させた後に吸入空気を燃焼室に導入する。内燃機関の電子制御装置は、燃焼室の壁温THを推定するとともに、燃料噴射時期Tの燃焼室の内圧PCを推定し、推定された壁温THが判定温度THLよりも低く且つ推定された内圧PCが低いときにインジェクタの燃料噴射圧PFを低下させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、吸気行程において気筒内に燃料を直接噴射するとともに、吸気バルブの開弁時期を上死点よりも遅角側に設定することにより気筒の内圧を低下させた後に空気を同気筒に導入する内燃機関の制御装置に関する。
近年、高出力や低燃費を図るために吸気行程において気筒に燃料を直接噴射する筒内噴射式の内燃機関が実用化されている(例えば特許文献1参照)。こうした筒内噴射式の内燃機関は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関と比較して、噴射された燃料が吸入空気と混合される時間が短いため、燃料の霧化が促進されにくい傾向がある。そこで、筒内噴射式の内燃機関において燃料の霧化を促進するために、例えば以下のような方法を採用することが考えられる。すなわち、吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング変更機構を搭載するとともに、吸気行程において該バルブタイミング変更機構を通じて吸気バルブの開弁時期を上死点よりも遅角側に設定することにより気筒の内圧を低下させるようにする。そして、このように気筒の内圧が低下した後に吸気バルブを開弁させることにより、吸入空気が吸気ポートから気筒内に流入する際の速度が上昇するようになるため、この吸入空気の流れによって燃料が拡散されその霧化が促進されるようになる。
特開平8−312401号公報
ところで、このように燃料噴射時における気筒の内圧を低下させるようにした場合、噴射された燃料の噴霧長さが長くなることがある。そしてこのように燃料の噴霧長さが長くなると、噴射された燃料が気筒の内壁に付着しやすくなる。ここで、内燃機関の暖機完了後にあっては、気筒内及びその内壁の温度が相対的に高いため、燃料は気筒の内壁に付着する前に気化するか、あるいは仮に付着したとしてもその付着した燃料は速やかに蒸発する。しかしながら、内燃機関の冷間時には、気筒の内壁に付着した燃料は蒸発しにくくなり、その燃料の一部がシリンダとピストンとの間の隙間を通じてクランクケースに浸入することがある。そしてこの結果、燃料がクランクケースの貯留された潤滑油に混入して同潤滑油が希釈されることにより、その潤滑性能の悪化を招くこととなる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射された燃料が気筒の内壁に付着すること起因する潤滑油の希釈を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング変更機構と、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタとを備え、吸気行程において前記インジェクタから前記気筒内に燃料を噴射するとともに、前記バルブタイミング変更機構を通じて前記吸気バルブの開弁時期を上死点よりも遅角側に設定することにより前記気筒の内圧を低下させた後に吸入空気を前記気筒に導入する筒内圧低下処理を実行する内燃機関の制御装置であって、前記気筒の壁温を推定する壁温推定手段と、前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する内圧推定手段と、前記筒内圧低下処理に際し、前記壁温推定手段によって推定された前記壁温が所定の判定温度よりも低く且つ前記内圧推定手段によって推定された前記気筒の内圧が低いときに前記インジェクタの燃料噴射圧を低下させる燃料噴射圧変更手段とを備えることをその要旨とする。
同構成によれば、気筒の壁温が所定の判定温度よりも低く気筒の内圧が低いときには燃料噴射圧が低い圧力に変更されるため、燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制することができ、燃料が気筒の内壁に付着することを抑制することができるようになる。その結果、燃料が気筒の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記噴射圧変更手段は前記推定される気筒の内圧が低いほどそれに応じて燃料噴射圧を連続的に又は段階的に低下させるものであることをその要旨とする。
燃料の噴霧長さは気筒の内圧が低いときほど長くなる傾向にあるが、上記構成によればこうした傾向に合わせて燃料噴射圧を変更することができるため、燃料噴射圧が過度に低くされることによる燃料の微粒化抑制を回避しつつ、潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング変更機構と、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタとを備え、吸気行程において前記インジェクタから前記気筒内に燃料を噴射するとともに、前記バルブタイミング変更機構を通じて前記吸気バルブの開弁時期を上死点よりも遅角側に設定することにより前記気筒の内圧を低下させた後に吸入空気を前記気筒に導入する筒内圧低下処理を実行する内燃機関の制御装置において、前記気筒の壁温を推定する壁温推定手段と、前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する内圧推定手段と、前記筒内圧低下処理に際し、前記壁温推定手段によって推定された前記壁温が所定の判定温度よりも低く且つ前記内圧推定手段によって推定された前記気筒の内圧が低いときに、燃料噴射時の筒内圧が高くなるように前記インジェクタの燃料噴射時期を上死点側に進角する噴射時期変更手段とを備えることをその要旨とする。
同構成によれば、気筒の壁温が所定の判定温度よりも低く気筒の内圧が低いときには燃料噴射時期が上死点側に進角されるため、燃料噴射時における気筒の内圧が高くなる。したがって、燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制することができ、噴射燃料が気筒の内壁に付着することを抑制することができるようになる。その結果、噴射燃料が気筒の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、前記筒内圧低下処理に際し、前記壁温推定手段によって推定された前記壁温が所定の判定温度よりも低く且つ前記内圧推定手段によって推定された前記気筒の内圧が低いときに前記インジェクタの燃料噴射圧を低下させる燃圧変更手段を更に備えることをその要旨とする。
同構成によれば、噴射時期変更手段と燃圧変更手段とを併用することにより、機関冷間時等、気筒の壁温が相対的に低いときに、より高い信頼性と自由度をもって燃料が気筒の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記内圧推定手段は、前記吸気バルブの開弁時期に基づいて前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定することをその要旨とする。
吸気バルブの開弁時期が遅角するほど、吸気行程における気筒の内圧の最低値が低くなるとともに、その吸気バルブが開弁した後の気筒の内圧が低くなる。すなわち、吸気バルブの開弁時期の変化により、吸気行程における気筒の内圧の推移態様が変化する。
したがって、吸気バルブの開弁時期に基づいて気筒内に燃料が噴射される際の気筒の内圧を推定することにより、気筒の内圧を適確に推定することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記内圧推定手段は、機関回転速度に基づいて前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定することをその要旨とする。
機関回転速度が高いほど、吸気バルブの開弁時間が短くなるため、吸気行程における気筒の内圧の最低値が低くなるとともに、その吸気バルブが開弁した後の気筒の内圧が低くなる。すなわち、機関回転速度の変化により、吸気行程における気筒の内圧の推移態様が変化する。
したがって、機関回転速度に基づいて気筒内に燃料が噴射される際の気筒の内圧を推定することにより、気筒の内圧の推定精度を向上させることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記内燃機関は前記吸気バルブの最大リフト量を変更可能なリフト量変更機構を備え、前記内圧推定手段は、前記リフト量変更機構により変更される前記吸気バルブの最大リフト量に基づいて前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定することをその要旨とする。
吸気バルブの最大リフト量を変更可能なリフト量変更機構を備える内燃機関において、リフト量変更機構により変更される吸気バルブの最大リフト量が小さくなるほど、吸気バルブの開弁期間において吸気バルブを通じて気筒に流入する空気に対する抵抗が大きくなるため、その吸気バルブが開弁した後の気筒の内圧が低くなり、吸気行程における気筒の内圧の最低値も低くなる。すなわち、吸気バルブの最大リフト量の変化により、吸気行程における気筒の内圧の推移態様が変化する。
そのため、リフト量変更機構により変更される吸気バルブの最大リフト量に基づいて気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定することにより、気筒の内圧の推定精度を向上させることができるようになる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置の第1の実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
図1に、車輌に搭載される内燃機関及びその制御装置についてその概要を模式的に示す。同図1に示されるように、内燃機関1のシリンダブロック10には、その内部に複数のシリンダ11(図1にはその1つを示す)が形成されるとともに、各シリンダ11の内部には同シリンダ11内で往復動するピストン12が設けられている。ピストン12は、コネクティングロッド13を介してクランクケース14に収納されたクランクシャフト15に連結されている。クランクケース14の底部には、エンジンオイルが貯留されている。
シリンダブロック10には、内燃機関の冷却水温を検出するための水温センサ111が設けられるとともに、クランクシャフト15の近傍には、同クランクシャフト15の回転角度を検出するためのクランクセンサ112が設けられている。これら水温センサ111及びクランクセンサ112の検出信号は、マイクロコンピュータを備えて内燃機関1の制御を統括的に実行する電子制御装置100に取り込まれる。電子制御装置100、特にその中枢となるマイクロコンピュータは、各種制御にかかる制御プログラムによって数値計算や情報処理等を行う中央演算処理装置100a、及びそれら制御プログラムやその実行に必要となる各種関数マップ、及び同制御プラグラムの実行結果等を記憶するメモリ100bを備えている。なお、電子制御装置100では、上記クランクセンサ112による検出信号に基づいてその時々の機関回転速度NEを算出する。
一方、シリンダブロック10の上方にはシリンダヘッド20が組み付けられている。そして、これらシリンダブロック10、シリンダヘッド20及びピストン12によって燃焼室18が区画されている。また、シリンダヘッド20には、この燃焼室18に接続される吸気ポート21及び排気ポート22が形成されている。吸気ポート21は、吸気通路23に接続される一方、排気ポート22は、排気通路24に接続されている。内燃機関の吸気行程において、大気から吸気通路23及び吸気ポート21を通じて空気が燃焼室18に吸入される一方、内燃機関1の排気行程においては、燃焼室18内の既燃焼ガスが排気ポート22及び排気通路24を通じて大気に排出される。吸気通路23には、吸入空気量を検出するための空気量センサ113が設けられるとともに、排気通路24には、排気中の酸素濃度を検出するための空燃比センサ114が設けられている。これら空気量センサ113及び空燃比センサ114の検出信号も、上記電子制御装置100に取り込まれる。
また、シリンダヘッド20には、筒内噴射式のインジェクタ27が設けられるとともに、燃料供給装置60によって供給される燃料が同インジェクタ27から燃焼室18に直接噴射される。この燃料供給装置60は、クランクシャフト15によって駆動される高圧ポンプ61が設けられており、この高圧ポンプ61により、内燃機関の燃料タンク62における燃料が加圧されてインジェクタ27に接続されたデリバリパイプ63に圧送される。高圧ポンプ61には、同高圧ポンプ61による燃料の圧送量を変更可能な電磁弁61aが設けられるとともに、デリバリパイプ63には、その内圧を検出するための燃圧センサ115が設けられている。
電子制御装置100は、機関運転状態に基づいてデリバリパイプ63の内圧、換言すればインジェクタ27の燃料噴射圧PFについてその目標値を設定するとともに、燃圧センサ115によりその燃料噴射圧PFの実際値を検出し、この燃料噴射圧PFの実際値が目標値と一致するように燃料噴射圧PFをフィードバック制御する。すなわち、電子制御装置100は、燃圧センサ115によって検出された内圧の実際値が目標値よりも低いときに、電磁弁61aを通じて高圧ポンプ61の燃料圧送量を増大させてデリバリパイプ63の内圧を上昇させる一方、検出された内圧の実際値がその目標値よりも高いときに、電磁弁61aを通じて高圧ポンプ61の燃料圧送量を減少させることによりデリバリパイプ63の内圧を低下させる。なお、本実施形態では、通常の運転時に燃料噴射圧PFの目標値が一定の値(例えば10Mpa)に設定され、燃料噴射圧PFの実際値は、略一定の値に維持される。
また、電子制御装置100は、機関回転速度NE等に基づいてインジェクタ27の開弁時期を設定するとともに、インジェクタ27の開弁期間、換言すれば燃料噴射期間の長さを変更することにより同インジェクタ27による燃料噴射量を制御する。具体的には、電子制御装置100は、機関運転状態に基づき空燃比の目標値(例えば理論空燃比)を設定するとともに、空燃比センサ114の検出信号に基づき空燃比の実際値を算出し、この空燃比の実際値が目標値と一致するようにインジェクタ27の開弁期間の長さをフィードバック制御する。
また、シリンダヘッド20には、一対の排気バルブ30と一対の吸気バルブ40とが往復動可能にそれぞれ設けられている。排気バルブ30の基端部の近傍には、ラッシュアジャスタ31が設けられるとともに、ラッシュアジャスタ31と排気バルブ30との間にはロッカーアーム32が架設されている。ロッカーアーム32は、その基端がラッシュアジャスタ31に支持されるとともに先端が排気バルブ30の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド20には、排気カムシャフト33が回転可能に支持されており、この排気カムシャフト33は、上記クランクシャフト15の回転に連動して回転する。排気カムシャフト33には複数のカム34が形成されるとともに、それらカム34の外周面にはロッカーアーム32の中間部分に設けられたローラ32aが当接されている。排気バルブ30にはリテーナ35が設けられるとともに、このリテーナ35とシリンダヘッド20との間にはバルブスプリング36が設けられている。なお、このバルブスプリング36の付勢力によって排気バルブ30は閉弁方向に付勢されている。そしてこれにより、ロッカーアーム32のローラ32aはカム34の外周面に押圧されている。機関運転時にカム34が回転すると、ロッカーアーム32はラッシュアジャスタ31により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ30はロッカーアーム32によって開閉駆動されるようになる。
一方、吸気バルブ40側にも、上述した排気側と同様にラッシュアジャスタ41をはじめ、ロッカーアーム42、リテーナ45及びバルブスプリング46が設けられている。シリンダヘッド20には、カム44が形成された吸気カムシャフト43が回転可能に支持されており、この吸気カムシャフト43も、クランクシャフト15の回転に連動して回転する。ここで、排気バルブ30側とは異なり、カム44とロッカーアーム42との間には吸気バルブ40の最大リフト量を変更する最大リフト量変更機構50が設けられている。この最大リフト量変更機構50は入力部51と一対の出力部52とを有しており、これら入力部51及び出力部52はシリンダヘッド20に固定された支持パイプ53に揺動可能に支持されている。ロッカーアーム42は、ラッシュアジャスタ41及びバルブスプリング46の付勢力によって出力部52側に付勢され、同ロッカーアーム42の中間部分に設けられたローラ42aが出力部52の外周面に当接されている。これにより、入力部51が出力部52とともに左回り方向W1に揺動付勢され、入力部51においてその径方向に延出した部分の先端に設けられたローラ51aがカム44の外周面に押圧される。
機関運転時にカム44が回転すると、同カム44はローラ51aに摺接しつつ入力部51を押圧し、これにより出力部52が支持パイプ53の周方向に揺動するようになる。そして出力部52が揺動すると、ロッカーアーム42はラッシュアジャスタ41により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ40はロッカーアーム42によって開閉駆動されるようになる。
また、支持パイプ53には、その軸方向に沿って駆動可能なコントロールシャフト54が挿入されている。このコントロールシャフト54は、連結部材を介して入力部51及び出力部52に駆動連結されている。コントロールシャフト54がその軸方向に沿って駆動すると、それら入力部51及び出力部52が相対的に揺動するようになる。次に、図2を参照して最大リフト量変更機構50について詳述する。なお、図2は最大リフト量変更機構50の内部構造を示す一部破断斜視図である。
図2に示されるように、入力部51は一対の出力部52の間に設けられており、これら入力部51と出力部52との内部には略円柱状の連通空間が形成されている。また、入力部51の内周面にはヘリカルスプライン51hが形成されるとともに、出力部52の内周面には入力部51のヘリカルスプライン51hとその歯すじが逆向きに傾斜する一対のヘリカルスプライン52hが形成されている。
入力部51と出力部52との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア55が収容されている。このスライダギア55の外周面の中央部分には、入力部51のヘリカルスプライン51hに噛合するヘリカルスプライン55aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部52のヘリカルスプライン52hに噛合する一対のヘリカルスプライン55b(図2ではその一つを示す)が形成されている。
また、この略円筒状のスライダギア55の内壁には、その周方向に沿って延伸する溝55cが形成されており、この溝55cにはブッシュ56が嵌合されている。なお、このブッシュ56は、溝55cの伸びる方向に沿って同溝55cの内周面を摺動することができるが、スライダギア55に対するその軸方向の相対変位は溝55cによって規制されている。
そして、支持パイプ53はスライダギア55の内部に形成された貫通空間に挿入されるとともに、コントロールシャフト54はその支持パイプ53に挿入されている。また、支持パイプ53の管壁にはその軸方向に延伸する長孔53aが形成されている。スライダギア55とコントロールシャフト54との間には、長孔53aを通じてこれらスライダギア55とコントロールシャフト54とを連結する係止ピン57が設けられている。この係止ピン57の一端がコントロールシャフト54に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ56に形成された貫通孔56aに挿入されている。
こうした最大リフト量変更機構50にあって、コントロールシャフト54がその軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダギア55が軸方向に変位する。スライダギア55の外周面に形成されたヘリカルスプライン55a,55bは、入力部51及び出力部52の内周面に形成されたヘリカルスプライン51h、52hとそれぞれ噛合されているため、スライダギア55がその軸方向に変位すると、入力部51と出力部52とは逆の方向に回転する。その結果、入力部51と出力部52との相対位相差が変更され、吸気バルブ40の最大リフト量L及び開弁時期が変更される。
図3は、それら入力部51と出力部52との相対位相差の変化に対応した吸気バルブ40の最大リフト量L及び開弁期間(作用角)の変化態様を示す図である。同図3に示されるように、それら入力部51と出力部52との相対位相差が大きくなるほど、最大リフト量Lが大きくなるとともに開弁期間の長さが長くなる。
また、先の図1に示されるように、コントロールシャフト54の基端部には、同コントロールシャフト54をその軸方向に駆動可能なアクチュエータ59が設けられている。電子制御装置100は、このアクチュエータ59を通じてコントロールシャフト54を往復駆動することにより、吸気バルブ40の最大リフト量L、換言すれば吸入空気量を制御する。このように、スロットルバルブの開度の代わりに吸気バルブ40の最大リフト量Lを変更して吸入空気量、換言すれば車載内燃機関の出力を制御することにより、アクセルペダルの操作に基づいて出力を変化させる際の応答性を高めることができるようになる。
また、本実施形態では、吸気バルブ40のバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング変更機構バルブタイミング変更機構を採用するようにしている。以下、このバルブタイミング変更機構についてその構造並びに機能を説明する。
図1及び図4に併せて示されるように、バルブタイミング変更機構70は、吸気カムシャフト43の基端部に設けられており、同吸気カムシャフト43の軸線を中心として所定範囲内で相対的に回転可能なベーン71とハウジング72とを備えている。ベーン71は吸気カムシャフト43に固定される一方、ハウジング72はタイミングチェーンを介してクランクシャフト15に駆動連結される。ベーン71とハウジング72との間には、進角油室73と遅角油室74とがそれぞれ複数区画形成されており、これら進角油室73及び遅角油室74には、同油室73,74に作動油を供給するための作動油供給回路81が接続されている。
内燃機関1の運転時に、タイミングチェーンによってハウジング72に伝達されたクランクシャフト15の回転力は、油室73,74の作動油により位相調整されたベーン71を介して吸気カムシャフト43に伝達され、これによって吸気カムシャフト43が、クランクシャフト15に連動して回転する。
ここで、上記作動油供給回路81には、進角油室73及び遅角油室74への作動油の供給・排出を切替可能な切替弁が設けられている。そして電子制御装置100では、機関運転状態に基づきこの切替弁を通じてそれら進角油室73及び遅角油室74に対する作動油の供給・排出状態を切替えることにより、ベーン71とハウジング72との相対位相差を変更して吸気バルブ40のバルブタイミングを変更する。
すなわち、進角油室73に作動油が供給されるとともに、遅角油室74の作動油が排出されると、ベーン71がハウジング72に対して進角側に相対回転し、吸気バルブ40のバルブタイミングが進角側に変化する。一方、進角油室73の作動油が排出されるとともに、遅角油室74に作動油が供給されると、ベーン71がハウジング72に対して遅角側に相対回転し、吸気バルブ40のバルブタイミングが遅角側に変化する。
前述したように、このような筒内噴射式の内燃機関は、例えば吸気ポート21に燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関と比較して、噴射された燃料が吸入空気と混合される時間が短いため、燃料の霧化が促進されにくい傾向がある。そこで、燃料の霧化を促進するために、燃料の吸気行程においてバルブタイミング変更機構70及び最大リフト量変更機構50を通じて吸気バルブ40の開弁時期TKを上死点よりも遅角側に設定する開弁時期制御を実行することができる。
図5は、吸気バルブ40の開弁時期制御が実行される場合について、ピストン12の位置、吸気バルブ40のバルブリフト量及び燃焼室18の内圧の推移を示している。同図5に示されるように、吸気バルブ40の開弁時期TKが上死点(TDC)よりも遅角側に設定され、吸気バルブ40が閉弁状態に維持されたままピストン12が上死点から下死点(BDC)側に下降すると、燃焼室18の内圧はそのピストン12の下降に伴って低下するようになる。そして、このように燃焼室18の内圧が低下した後に吸気バルブ40を開弁させることにより、吸入空気が吸気ポート21から燃焼室18に流入する際の速度が上昇するようになるため、この吸入空気の流れによって燃料が拡散されてその霧化が促進されるようになる。ちなみに、上述のように燃焼室18の内圧が低下しているときに吸気バルブ40が開弁されても、燃焼室18の内圧は直ぐには上昇せず、その最低値にまで一旦低下した後に徐々に上昇するようになる。
ところで、同図5に示されるように、インジェクタ27による燃料噴射が吸気行程に実行されるため、上述のように燃焼室18の内圧を低下させると、燃料が噴射されるときの燃焼室18の内圧が低下し、燃料の噴霧長さが長くなることがある。そしてこのように燃料の噴霧長さが長くなると、噴射された燃料が燃焼室18の内壁、特に側壁に付着しやすくなる。ここで、内燃機関の暖機完了後にあっては、燃焼室18内及びその内壁の温度が相対的に高いため、燃料は燃焼室18の内壁に付着する前に気化するか、あるいは仮に付着したとしてもその付着した燃料は速やかに蒸発する。しかしながら、内燃機関の冷間時には、燃焼室18の内壁に付着した燃料は蒸発しにくくなり、その燃料の一部がシリンダ11とピストン12との間の隙間を通じてクランクケース14に浸入することがある。そしてこの結果、燃料がクランクケース14の貯留された潤滑油に混入して同潤滑油が希釈されることにより、その潤滑性能の悪化を招くこととなる。
そこで、本実施形態では、以下に説明する処理を実行することにより燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制し、燃料が燃焼室18の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を好適に抑制するようにしている。
以下、図6のフローチャートを参照して電子制御装置100による燃料噴射制御の処理手順について説明する。なお、同図6に示される一連の処理は、電子制御装置100に内蔵されるマイクロコンピュータにより所定の周期をもって繰り返し実行される。
この処理ではまず、機関運転状態に基づき最大リフト量変更機構50を通じて吸気バルブ40の最大リフト量Lを設定するとともに、バルブタイミング変更機構70を通じて吸気バルブ40の開弁時期TKを上死点よりも遅角側に設定する(ステップS10)。
そして、機関運転状態に基づいて燃料噴射圧PFを設定するとともに、燃料噴射が開始される時期(以下、「燃料噴射時期」と称する)Tを設定する(ステップS20)。ここで、上述したように燃料はインジェクタ27の所定の開弁期間にわたって噴射されるが、その開弁期間の長さは吸気行程の長さと比較して相対的に短いため、本実施形態では便宜上、インジェクタ27による燃料噴射は極短時間で完了するものと見做し、燃料噴射時期Tをインジェクタ27の開弁時期とする。
そして、水温センサ111を通じて内燃機関の冷却水温を検出するとともに、この検出された冷却水温に基づいて燃焼室18の内壁温度(以下、「壁温」と称する)THを推定し、この推定された壁温THが判定温度THLよりも低いか否かを判断する(ステップS30)。ここで、この判定温度THLは、燃料が燃焼室18の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈が発生しにくいと想定されるときの壁温THの最低値であり、予めメモリ100bに記憶されている。そして、その推定された壁温THが判定温度THL以上である旨判断した場合には(ステップS30:NO)、壁温THが相対的に高いため燃料の付着に起因する潤滑油の希釈が発生しにくいと判断し、この一連の処理を一旦終了する。
一方、推定された壁温THが判定温度THLよりも低い旨判断した場合には(ステップS30:YES)、吸気バルブ40の開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEに基づいて燃料噴射時期Tの燃焼室18の内圧(以下、「噴射時内圧」と称する)PCを演算用マップを参照して推定する(ステップS40)。ここで、この演算用マップは、予めメモリ100bに記憶されており、同演算用マップからそれら開弁時期TK、最大リフト量L、機関回転速度NE及び燃料噴射時期Tが与えられることにより、噴射時内圧PCを読み出すことができる。
なお、これら開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEの変化に対応して吸気行程における燃焼室18の内圧態様は以下の通りに変化する。
・図7に示されるように、最大リフト量L及び機関回転速度NEが一定であるとしたとき、吸気バルブ40の開弁時期TKが遅角するほど、吸気行程における燃焼室18の内圧の最低値が低くなる。
・図8に示されるように、開弁時期TK及び機関回転速度NEが一定であるとしたとき、最大リフト量Lが小さくなるほど、吸気バルブ40の開弁後において吸入空気に対する抵抗が大きくなり、しかも吸気バルブ40の開弁期間が短くなるため、吸気行程における燃焼室18の内圧の最低値が低くなる。
・図9に示されるように、開弁時期TK及び最大リフト量Lが一定であるとしたとき、機関回転速度NEが高くなるほど、吸気バルブ40の開弁時間が短くなるため、吸気行程における燃焼室18の内圧の最低値が低くなる。
次に、ステップS40において推定された噴射時内圧PCが判定圧力PCLよりも低いか否かを判断する(ステップS50)。ここで、この判定圧力PCLは、インジェクタ27から噴射されて燃焼室18の内壁に付着する燃料の量が無視できるときの燃焼室18の内圧の最低値であり、予めメモリ100bに記憶されている。
噴射時内圧PCが判定圧力PCL以上である旨判断した場合には(ステップS50:NO)、インジェクタ27から噴射されて燃焼室18の内壁に付着する燃料の量が無視できると判断し、この一連の処理を一旦終了する。一方、噴射時内圧PCが判定圧力PCLよりも低い旨判断した場合には(ステップS50:YES)、その噴射時内圧PCに基づいて燃料噴射圧PFに対する補正量ΔPを演算用マップを参照して算出し、下記の算式(1)に基づいて燃料噴射圧PFが低下するようにこれを補正する(ステップS60)。

PF ←PF−ΔP …(1)

ここで、上記演算用マップは、予めメモリ100bに記憶されており、噴射時内圧PCが与えられることにより、その噴射時内圧PCに対応して予め適合された補正量ΔPを読み出すことができる。このように、上記算式(1)に基づいて燃料噴射圧PFを補正量ΔPだけ補正することにより、インジェクタ27から噴射されて燃焼室18の内壁に付着する燃料の量を無視できる程度の量まで減少させることができる。図10は、この演算マップにおいて噴射時内圧PCの変化に対応して補正量ΔPが変化する態様を示している。同図10に示されるように、噴射時内圧PCが低いほど、それに応じて補正量ΔPが連続的に大きく設定される。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)燃焼室18の壁温THが判定温度THLよりも低く且つ噴射時内圧PCが判定圧力PCLよりも低いときに燃料噴射圧PFが低下するようにこれを補正することとした。これにより、燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制することができ、燃料が燃焼室18の内壁に付着することを抑制することができるようになる。その結果、燃料が燃焼室18の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
(2)噴射時内圧PCが低いほど、それに応じて補正量ΔPを連続的に大きく設定することとした。これにより、噴射時内圧PCが低いときほど燃料の噴霧長さが長くなるといった傾向に即して燃料噴射圧PFを変更することができるため、燃料噴射圧PFが過度に低くされることによる燃料の微粒化抑制を回避しつつ、潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
(3)吸気バルブ40の開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEに基づいて燃料噴射時期Tの噴射時内圧PCを推定することとした。吸気バルブ40の開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEそれぞれの変化により、吸気行程における燃焼室18の内圧の推移態様が変化するため、これらパラメータに基づいて噴射時内圧PCを推定することにより、燃焼室18の内圧の推定精度を向上させることができるようになる。
(第2の実施形態)
以下、図11及び図12を参照して、本発明にかかる第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。この第2の実施形態の制御装置は、その基本的な構成は先に説明した第1の実施形態の制御装置と同様であり、燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制するための処理の一部が第1の実施形態の制御装置と異なっている。
図11は、本実施形態にかかる燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制する処理の手順を示している。同図11に示されるように、この処理も、先の第1の実施形態と同様に、吸気バルブ40の最大リフト量L及び開弁時期TKを設定するとともに(ステップS10)、燃料噴射圧PF及び燃料噴射時期Tを設定する(ステップS20)。そして、壁温THが判定温度THLよりも低いか否かを判断し(ステップS30)、壁温THが判定温度THLよりも低い旨判断した場合には(ステップS30:YES)吸気バルブ40の開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEに基づいて噴射時内圧PCを演算用マップを参照して推定する(ステップS40)。
次に、このように推定された噴射時内圧PCが判定圧力PCLよりも低いか否かを判断し(ステップS50)、噴射時内圧PCが判定圧力PCLよりも低い旨判断した場合には(ステップS50:YES)、開弁時期TKと上死点との間においてその判定圧力PCLに対応する燃料の噴射時期(判定噴射時期TLという)にまで燃料噴射時期Tを進角する(ステップS70)。
以下、図12を参照して上述の処理の一具体例について説明する。
同図12に示されるように、開弁時期TK0、最大リフト量L0及び機関回転速度NE0に基づいて推定された燃料噴射時期T0の燃焼室18の内圧、すなわち噴射時内圧PC0が判定圧力PCLよりも低い旨判断されたときに(ステップS50:YES)、燃料噴射時期Tが時期T0から判定噴射時期TLにまで進角される(ステップS70)。これにより、噴射時内圧PCは判定圧力PCLにまで上昇する。
以上説明した第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果(3)に加えて以下の効果が得られるようになる。
(4)燃焼室18の壁温THが判定温度THLよりも低く且つ噴射時内圧PCが判定圧力PCLよりも低いときには、噴射時内圧PCが高くなるように燃料噴射時期Tを上死点側に進角することとした。これにより、燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制することができ、燃料が燃焼室18の内壁に付着することを抑制することができるようになる。その結果、燃料が燃焼室18の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
(5)また、このように進角させることにより燃焼室18の側壁においてピストン12によって覆われていない部分の面積が少ないときに燃料噴射が行われるようになるため、燃料が燃焼室18の内壁に付着することを更に抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、噴射時内圧PCに応じて補正量ΔPを連続的に大きく設定するようにしているが、これに限らず、例えば図13に示されるように、噴射時内圧PCに応じて補正量ΔPを段階的に大きく設定してもよい。また、この補正量ΔPを燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制することができる程度の大きさに設定された一定値とすることもできる。
・上記第1の実施形態では、燃料噴射圧PFを低下させることにより燃料の噴霧長さが過度に長くなることを抑制するようにしているが、例えば燃料噴射圧PFを低下させるとともに、上記第2の実施形態のように燃料噴射時期Tを上死点側に進角させて噴射時内圧PCを増大させるようにしてもよい。このように、燃料噴射時期Tの変更と燃料噴射圧PFの変更とを併用することにより、機関冷間時等、燃焼室18の壁温THが相対的に低いときに、より高い信頼性と自由度をもって燃料が燃焼室18の内壁に付着することに起因する潤滑油の希釈を抑制することができるようになる。
・上記各実施形態では、吸気バルブ40の開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEに基づいて噴射時内圧PCを推定するようにしている。これに対して、例えば要求される噴射時内圧PCの推定精度が相対的に低い場合には、開弁時期TK及び最大リフト量Lのみ、開弁時期TK及び機関回転速度NEのみ、或いは最大リフト量L及び機関回転速度NEのみに基づいて噴射時内圧PCを推定することもできる。また、吸気バルブ40の開弁時期TK、最大リフト量L及び機関回転速度NEのいずれか1つのみに基づいて噴射時内圧PCを推定することもできる。
・上記各実施形態では、吸気バルブ40の最大リフト量Lを変更する最大リフト量変更機構50を備える内燃機関の制御装置に本発明を適用した場合について例示したが、これに限らず、その最大リフト量変更機構50を備えていない内燃機関の制御装置に本発明を適用することもできる。なお、この場合には、吸気バルブ40の最大リフト量Lが一定であるため、吸気バルブ40の開弁時期TK及び機関回転速度NEに基づいて噴射時内圧PCを推定することができる。
この発明にかかる車載内燃機関の制御装置の第1の実施形態についてその概要を示す断面及びブロック図。 同実施形態の制御装置によって制御される最大リフト量変更機構の内部構造を示す一部破断斜視図。 最大リフト量変更機構の入力部と出力部との相対位相差の変化に対応した吸気バルブの最大リフト量及び開弁時期の変化態様を示すタイミングチャート。 同実施形態の制御装置によって制御されるバルブタイミング変更機構の内部構造を示す断面図。 同実施形態の制御装置による吸気バルブの開弁時期制御が実行される場合、ピストン行程、吸気バルブのバルブリフト量及び燃焼室の内圧の推移を示すタイミングチャート。 同実施形態の制御装置による燃料噴射制御についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の制御装置による燃料噴射制御が実行される場合、吸気バルブの開弁時期の変化に対応して燃焼室の内圧の変化態様を示すグラフ。 同実施形態の制御装置による燃料噴射制御が実行される場合、吸気バルブの最大リフト量の変化に対応して燃焼室の内圧の変化態様を示すグラフ。 同実施形態の制御装置による燃料噴射制御が実行される場合、機関回転速度の変化に対応して燃焼室の内圧の変化態様を示すグラフ。 同実施形態の制御装置が用いる補正量演算マップにおいて噴射時内圧PCの変化に対応して補正量ΔPが変化する態様を示すグラフ。 第2の実施形態による燃料噴射制御についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態による燃料噴射制御についてその一具体例を説明するグラフ。 第1の実施形態にかかる補正量演算マップの変形例を示すグラフ。
符号の説明
1…内燃機関、10…シリンダブロック、11…シリンダ、12…ピストン、13…コネクティングロッド、14…クランクケース、15…クランクシャフト、18…燃焼室、20…シリンダヘッド、21…吸気ポート、22…排気ポート、23…吸気通路、24…排気通路、27…インジェクタ、30…排気バルブ、31…ラッシュアジャスタ、32…ロッカーアーム、32a…ローラ、33…排気カムシャフト、34…カム、35…リテーナ、36…バルブスプリング、40…吸気バルブ、41…ラッシュアジャスタ、42…ロッカーアーム、42a…ローラ、43…吸気カムシャフト、44…カム、45…リテーナ、46…バルブスプリング、50…最大リフト量変更機構、51…入力部、51a…ローラ、51h…ヘリカルスプライン、52…出力部、52h…ヘリカルスプライン、53…支持パイプ、53a…長孔、54…コントロールシャフト、55…スライダギア、55a…ヘリカルスプライン、55b…ヘリカルスプライン、55c…溝、56…ブッシュ、56a…貫通孔、57…係止ピン、59…アクチュエータ、60…燃料供給装置、61…高圧ポンプ、61a…電磁弁、62…燃料タンク、63…デリバリパイプ、70…バルブタイミング変更機構、71…ベーン、72…ハウジング、73…進角油室、74…遅角油室、81…作動油供給回路、100…電子制御装置(壁温推定手段、内圧推定手段、噴射時期変更手段)、100a…中央演算処理装置、100b…メモリ、111…水温センサ、112…クランクセンサ、113…空気量センサ、114…空燃比センサ、115…燃圧センサ。

Claims (7)

  1. 吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング変更機構と、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタとを備え、吸気行程において前記インジェクタから前記気筒内に燃料を噴射するとともに、前記バルブタイミング変更機構を通じて前記吸気バルブの開弁時期を上死点よりも遅角側に設定することにより前記気筒の内圧を低下させた後に吸入空気を前記気筒に導入する筒内圧低下処理を実行する内燃機関の制御装置であって、
    前記気筒の壁温を推定する壁温推定手段と、
    前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する内圧推定手段と、
    前記筒内圧低下処理に際し、前記壁温推定手段によって推定された前記壁温が所定の判定温度よりも低く且つ前記内圧推定手段によって推定された前記気筒の内圧が低いときに前記インジェクタの燃料噴射圧を低下させる燃料噴射圧変更手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料噴射圧変更手段は前記推定される気筒の内圧が低いほどそれに応じて燃料噴射圧を連続的に又は段階的に低下させるものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング変更機構と、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタとを備え、吸気行程において前記インジェクタから前記気筒内に燃料を噴射するとともに、前記バルブタイミング変更機構を通じて前記吸気バルブの開弁時期を上死点よりも遅角側に設定することにより前記気筒の内圧を低下させた後に吸入空気を前記気筒に導入する筒内圧低下処理を実行する内燃機関の制御装置において、
    前記気筒の壁温を推定する壁温推定手段と、
    前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する内圧推定手段と、
    前記筒内圧低下処理に際し、前記壁温推定手段によって推定された前記壁温が所定の判定温度よりも低く且つ前記内圧推定手段によって推定された前記気筒の内圧が低いときに、燃料噴射時の筒内圧が高くなるように前記インジェクタの燃料噴射時期を上死点側に進角する噴射時期変更手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記筒内圧低下処理に際し、前記壁温推定手段によって推定された前記壁温が所定の判定温度よりも低く且つ前記内圧推定手段によって推定された前記気筒の内圧が低いときに前記インジェクタの燃料噴射圧を低下させる燃圧変更手段を更に備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記内圧推定手段は、前記吸気バルブの開弁時期に基づいて前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記内圧推定手段は、機関回転速度に基づいて前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関は前記吸気バルブの最大リフト量を変更可能なリフト量変更機構を備え、
    前記内圧推定手段は、前記リフト量変更機構により変更される前記吸気バルブの最大リフト量に基づいて前記気筒内に燃料が噴射される際の同気筒の内圧を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014034931A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2014040806A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置

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