JP2006207433A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気バルブのバルブ特性を増大させるための徐変処理中に、履歴を利用した徐変処理の継続が不能となっても内燃機関の出力トルクが急激に増大するのを抑制する。
【解決手段】電子制御装置は、エンジンの過渡時に気筒への吸気量を増量すべく、作用角可変機構による吸気バルブの作用角を増大させるとき、徐変処理を行うことで同作用角を徐々に増大させ、吸気量を徐々に増大させる(タイミングt1〜t2)。こうした徐変処理中に、電子制御装置がリセットされて、履歴を利用した徐変処理が不能になると(タイミングt2)、電子制御装置は、作用角について作用角可変機構が採り得る最小値を目標作用角として設定し、その後は、目標作用角を徐々に増加させる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、吸気バルブの最大リフト量、及び吸気バルブの開弁に関わる吸気カムの作用角の少なくとも一方をバルブ特性可変機構により変更することで、内燃機関の気筒に吸入される空気の量(吸気量)を調整するようにした内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関の気筒への吸気量を調整する手段として、吸気バルブの最大リフト量、及び吸気バルブの開弁に関わる吸気カムの作用角の少なくとも一方をバルブ特性とし、このバルブ特性を機関運転状態に応じて変更するようにしたバルブ特性可変機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記バルブ特性可変機構が設けられた内燃機関では、例えばアクセルペダルの踏込み操作を通じて加速要求があったとき、吸気量を増量させるべく、バルブ特性可変機構によるバルブ特性が増大される。このとき、徐変処理(なまし処理)が行われることで、バルブ特性が徐々に増大される。これに伴い、吸気量及び燃料の噴射量が徐々に増量され、発生する出力トルクが緩やかに上昇する。この徐変処理は、アクセルペダルが踏込み操作された場合に、それに対応してバルブ特性が急に増大することによる不具合、すなわち、吸気量の急激な増量に起因して出力トルクが急増しトルクショックが発生するのを抑制するために行われる。
特開2001−263015号公報
ところが、上記徐変処理中に、バルブ特性可変機構の制御を司る電子制御装置に何らかの異常が発生して、同装置がリセットされた場合、徐変処理を行うために記憶されていた前回値等の履歴情報がクリアされて不明となる。この場合、履歴を利用した徐変処理を継続することが不能となる。
こうした状況(電子制御装置のリセット)が起った場合には、バルブ特性可変機構によるバルブ特性が、内燃機関のそのときの運転状態(アクセル踏込み量等)に見合ったものにされる。このときのバルブ特性は、リセットされない場合のバルブ特性よりも大きい。リセットされなければバルブ特性は徐々に増加し、機関運転状態に見合ったものに近づいてゆくからである。そのため、上記電子制御装置がリセットされた直後には多くの量の空気が内燃機関に急激に吸入される。これに伴い多くの燃料が噴射され、内燃機関の出力トルクが急激に増大する。
なお、こうした現象は、上記バルブ特性可変機構に加え、吸気通路にスロットルバルブを備え、バルブ特性可変機構によるバルブ特性及びスロットルバルブの開度(スロットル開度)を互いに協調させて制御することにより吸気量を調整するようにした内燃機関にも同様にして起り得る。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸気バルブのバルブ特性を増大させるための徐変処理中に、履歴を利用した徐変処理の継続が不能となっても内燃機関の出力トルクが急激に増大するのを抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、吸気バルブの最大リフト量、及び前記吸気バルブの開弁に関わる吸気カムの作用角の少なくとも一方をバルブ特性として変更するバルブ特性可変機構が設けられた内燃機関に用いられ、前記内燃機関の気筒への吸気量を増量させるべく、前記バルブ特性可変機構によるバルブ特性を増大させるとき、徐変処理を行うことで同バルブ特性を徐々に増大させ、前記吸気量を徐々に増大させるようにした内燃機関の制御装置において、前記バルブ特性の増大中に、履歴を利用した徐変処理の継続が不能となったとき、前記吸気量を、前記内燃機関の運転状態に見合った吸気量に対して強制的に減量させる吸気量減量手段を備えるとする。
上記の構成によれば、内燃機関の過渡時等において、気筒への吸気量を増大させるべくバルブ特性可変機構によるバルブ特性を増大させるときには、徐変処理によりバルブ特性が徐々に増大させられ、それに伴い吸気量が徐々に増大される。
上記バルブ特性の増大中に、例えばバルブ特性可変機構の制御を司る電子制御装置がリセットされると、徐変処理についての履歴が不明となり、その履歴を利用した徐変処理の継続が不能となる。この場合、請求項1に記載の発明では、吸気量減量手段により吸気量が、そのときの内燃機関の運転状態に見合った吸気量に対して強制的に減量される。これに伴い、内燃機関への燃料の噴射量も減量される。その結果、内燃機関の運転状態に見合った吸気量の空気が気筒に吸入された場合に比べ、内燃機関で発生する出力トルクも減少し、同出力トルクの急激な増大が抑制される。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記吸気量減量手段は、前記バルブ特性可変機構によるバルブ特性の目標値を、前記内燃機関の運転状態に見合ったバルブ特性よりも強制的に縮小させることにより前記吸気量を減量させるとする。
上記の構成によれば、バルブ特性の増大中に、履歴を利用した徐変処理の継続が不能となった場合、バルブ特性の目標値が、内燃機関のそのときの運転状態に見合ったバルブ特性よりも強制的に縮小させられる。このバルブ特性の目標値の縮小により、内燃機関への吸気量を、そのときの内燃機関の運転状態に見合った吸気量よりも減量させることが可能となる。このようにバルブ特性の目標値を変更(縮小)することで、請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記吸気量減量手段は、前記バルブ特性について前記バルブ特性可変機構が採り得る最小値を目標値とし、同目標値に基づき前記バルブ特性可変機構を作動させてバルブ特性を縮小させるとする。
上記の構成によれば、バルブ特性の増大中に履歴を利用した徐変処理の継続が不能となったとき、バルブ特性についてバルブ特性可変機構の採り得る最小値が目標値として設定され、この目標値に基づいてバルブ特性可変機構が作動させられる。この作動により、バルブ特性が最小にされて、吸気量が、バルブ特性可変機構によって変更し得る最も少ない量まで減量される。その結果、請求項2に記載の発明の効果が確実に得られる。
請求項4に記載の発明では、請求項2又は3に記載の発明において、前記吸気量減量手段により前記バルブ特性の目標値が強制的に縮小された後、前記吸気バルブの実際のバルブ特性が前記目標値に対し所定値以上大きいと、前記内燃機関の所定気筒への燃料の噴射を停止する燃料噴射停止手段をさらに備えるとする。
ここで、バルブ特性の目標値が強制的に縮小されても、実際のバルブ特性が目標値まですぐに縮小しない場合があり得る。この場合には、実際のバルブ特性が目標値に対し大きいことから、意図する以上の量の空気が内燃機関に吸入されて出力トルクが十分低下せず、目的とするトルクショックの抑制効果が得られないおそれがある。
この点、請求項4に記載の発明では、吸気量減量手段によりバルブ特性の目標値が強制的に縮小された後、吸気バルブの実際のバルブ特性が前記目標値に対し所定値以上大きいと、燃料噴射停止手段により、所定気筒への燃料の噴射が停止される。この燃料停止に伴い内燃機関の出力トルクが低下する。従って、実際のバルブ特性が目標値まですぐに減少しなくても、トルクショックが問題とならないレベルまで内燃機関の出力トルクを低下させることが可能となる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、内燃機関として筒内噴射式のガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11は、ピストン13が往復動可能に収容された複数の気筒(シリンダ)12を有している。各ピストン13は、コネクティングロッド15を介し、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト16に連結されている。各ピストン13の往復運動は、コネクティングロッド15によって回転運動に変換された後、クランクシャフト16に伝達される。
気筒12毎の燃焼室17には、スロットルバルブ18、サージタンク19、吸気マニホルド21等を有する吸気通路22が接続されている。エンジン11の外部の空気は、吸気通路22の各部を順に通過して燃焼室17に吸入される。スロットルバルブ18は吸気通路22の途中に回動可能に設けられており、電動モータ等からなるスロットル用のアクチュエータ23に駆動連結されている。アクチュエータ23は、運転者によるアクセルペダル24の踏込み操作等に応じて作動し、スロットルバルブ18を回動させる。吸気通路22を流れる空気の量(吸気量)は、スロットルバルブ18の回動角度(スロットル開度)等に応じて変化する。基本的には、スロットル開度が大きくなるほど吸気量が多くなる。
また、燃焼室17には、排気マニホルド25、触媒コンバータ20等を有する排気通路26が接続されている。燃焼室17で生じた燃焼ガスは、排気通路26の各部を順に通ってエンジン11の外部へ排出される。
エンジン11には、吸気通路22の燃焼室17との接続部分(吸気ポート)を開閉する吸気バルブ27と、排気通路26の燃焼室17との接続部分(排気ポート)を開閉する排気バルブ28とが気筒12毎に設けられている。吸気バルブ27の略上方には、吸気カム31Aを有する吸気カムシャフト31が設けられ、また排気バルブ28の略上方には、排気カム32Aを有する排気カムシャフト32が設けられている。これらの吸・排気カムシャフト31,32は、クランクシャフト16の回転が伝達されて回転する。この回転に伴い吸・排気カムシャフト31,32は吸・排気バルブ27,28を押下げる。この押下げにより、吸・排気通路22,26が燃焼室17に連通された状態(開弁状態)になる。
エンジン11には、電磁式の燃料噴射弁33が気筒12毎に取付けられている。各燃料噴射弁33は通電により開弁し、対応する燃焼室17に高圧燃料を噴射供給する。燃料噴射弁33から噴射された燃料は、燃焼室17内に吸入された空気と混ざり合って混合気となる。
エンジン11には、点火プラグ34が気筒12毎に取付けられている。各点火プラグ34は、イグナイタ35からの点火信号に基づいて作動する。点火プラグ34には、点火コイル36から出力される高電圧が印加される。そして、前記混合気は点火プラグ34の火花放電によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン13が往復動され、クランクシャフト16が回転されてエンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼によって生じたガス(排気)は、排気バルブ28の開弁にともない排気通路26に排出される。
エンジン11には、クランクシャフト16に対する吸気カムシャフト31の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ27のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト16の回転角)に対して連続的に変更するためのバルブタイミング可変機構37が設けられている。
また、エンジン11には、吸気バルブ27のバルブ特性を変更するバルブ特性可変機構として作用角可変機構38が設けられている。作用角可変機構38は、吸気バルブ27の作用角をバルブ特性として連続的に可変とする機構であり、電動モータ等の作用角可変用のアクチュエータ39によって駆動される。ここで、作用角は、図2に示すように、吸気カム31Aの回転(図2ではクランク角で表現)について、吸気バルブ27の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの角度範囲である。本実施形態では、作用角可変機構38により、吸気バルブ27のバルブ特性の一態様である最大リフト量もまた連続的に変更される。最大リフト量は、吸気バルブ27が最も下方まで移動(リフト)したときの吸気バルブ27の移動量である。これらの作用角及び最大リフト量は、作用角可変機構38によって互いに同期して変化させられ、例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。作用角が小さくなるに従い、吸気バルブ27の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄って開弁期間が短くなり、各気筒12に吸入される空気の量(吸気量)が少なくなる。
このように、スロットル開度の調整に加え、吸気バルブ27の作用角の調整によっても吸気量を調整可能であることから、同一の吸気量を様々なスロットル開度及び作用角の組合わせで実現することが可能である。例えば、吸気バルブ27の作用角を大きくするときにはスロットル開度を相対的に小さくし、逆に作用角を小さくするときにはスロットル開度を相対的に大きくすることで気筒12への吸気量を一定に保持することが可能である。なお、吸気量の調整に際し、作用角を小さくすることにより吸気量を低減させる場合には、スロットルバルブ18を絞ってスロットル開度を小さくすることで吸気量を低減する場合と比較して、ポンピングロスを小さくすることができる。そのため、エンジン11の出力ロスを抑えることが可能となり、燃費を向上させることができる。
さらに、図1に示すように、車両には、各部の状態を検出するセンサが種々取付けられている。これらのセンサとしては、例えばクランク角センサ41、カム角センサ42、回転角センサ43、エアフロメータ44、スロットルセンサ45、アクセルセンサ46等が用いられている。
クランク角センサ41は、クランクシャフト16が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生する。この信号は、クランクシャフト16の回転角度であるクランク角や、単位時間当りのクランクシャフト16の回転速度であるエンジン回転速度の算出等に用いられる。カム角センサ42は、吸気カムシャフト31の近傍に設けられて同カムシャフト31の回転角度(カム角)を検出する。回転角センサ43は、吸気バルブ27のバルブ特性(作用角及び最大リフト量)を検出すべく、アクチュエータ39の回転角度を検出する。エアフロメータ44は、吸気通路22を流れる空気の量を検出し、スロットルセンサ45はスロットル開度を検出し、アクセルセンサ46は運転者によるアクセルペダル24の踏込み量を検出する。
車両には、前記各種センサの検出信号に基づいて、エンジン11等の各部を制御する電子制御装置51が設けられている。電子制御装置51はマイクロコンピュータを中心として構成されており、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
電子制御装置51は、例えば燃料噴射弁33に対する通電を制御することで、同燃料噴射弁33からの燃料噴射を制御する。この燃料噴射制御では、エンジン回転速度及びエンジン負荷といったエンジン11の運転状況に基づき、混合気の空燃比を所定の値とするための燃料の噴射量が基本噴射量(基本噴射時間)として算出される。エンジン負荷は、例えばエンジン11の吸気量、又はそれに関係するパラメータ(例えば、スロットル開度、アクセル踏込み量等)に基づき求められる。こうした求められた基本噴射量に対し、各センサからの信号に基づき補正が行われることにより、空燃比がエンジン11の運転状況に応じた値にされる。そして、補正後の噴射量に対応する時間、燃料噴射弁33に通電される。この通電により燃料噴射弁33が開弁して、上記補正後の噴射量の燃料が噴射される。
また、電子制御装置51は、バルブタイミング可変機構37を制御することで、吸気バルブ27のバルブタイミングを制御する。バルブタイミング制御では、エンジン11の運転状況、例えばエンジン回転速度、エンジン負荷等に基づいて、吸気バルブ27の目標バルブタイミングが算出される。そして、クランク角センサ41及びカム角センサ42の検出結果に基づき把握される吸気バルブ27の実際のバルブタイミングが上記目標バルブタイミングとなるように、バルブタイミング可変機構37が制御される。この制御により、吸気バルブ27のバルブタイミングが、エンジン11の運転状況に応じて適切なタイミングに制御される。
さらに、上述したように、スロットル開度の調整に加え、吸気バルブ27の作用角の調整によっても気筒12への吸気量の調整が可能であることから、電子制御装置51は、作用角及びスロットル開度を協調制御することで、気筒12への実際の吸気量を、エンジン11の運転状態に応じた要求吸気量(目標吸気量)に収束させる。
この制御に際しては、エンジン11の運転状態に応じた目標吸気量が算出され、この目標吸気量を実現するための目標作用角及び目標スロットル開度がそれぞれ算出される。そして、目標作用角を指令値として作用角可変用のアクチュエータ39に対する通電が制御され、目標スロットル開度を指令値としてスロットル用のアクチュエータ23に対する通電が制御される。
目標吸気量は、図3のフローチャートにて示される目標吸気量算出ルーチンに従って算出される。このルーチンは所定の時間毎に繰返し実行される。
目標吸気量算出ルーチンでは電子制御装置51は、まずステップ100において、アクセル踏込み量、エンジン回転速度等に基づき基本目標吸気量を算出する。
ここで、例えば図7(A)に示すようにアクセル踏込み量が変化して、タイミングt1でエンジン11が過渡状態になった場合、基本目標吸気量は図7(B)において二点鎖線で示すように、アクセル踏込み量と同様の傾向で変化する。しかし、この基本目標吸気量の空気が気筒12内に吸入されると、エンジン11の出力トルクが急激に増加してトルクショックが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、エンジン11の過渡時と非過渡時とで、基本目標吸気量を異なる形態にて補正して目標吸気量を算出する。過渡時には、上記補正により目標吸気量を徐々に増加させる。そして、補正後の目標吸気量の空気が気筒12内に吸入されるようにすることで、トルクショックを緩和するようにしている。
具体的には、ステップ100の処理を経た後、ステップ110において、エンジン11の過渡時であるかどうかを判定する。この判定に際しては、例えば、アクセルペダル24が踏込まれて、その後所定の期間が経過するまでを過度時とすることができる。
上記ステップ110の判定条件が満たされている(過渡時である)と、ステップ120において過渡補正量を算出する。この過渡補正量は、過渡時におけるトルクショックの緩和を目的として、基本目標吸気量を減量するために用いられる補正量である。この算出に際しては、過渡補正量の履歴(例えば、前回の制御周期で算出した過渡補正量)を利用して、同過渡補正量を徐々に減少させる徐変処理(なまし処理)が行われる。ステップ120の処理により過渡補正量を算出した後、ステップ140へ移行する。
これに対し、ステップ110の判定条件が満たされていない(非過渡時である)と、上記トルクショックの問題がなく、基本目標吸気量を減量補正する必要がないと考えられる。このことから、ステップ130において上記過渡補正量を「0」に設定し、その後に、ステップ140へ移行する。
ステップ140では、上記ステップ100で算出した基本目標吸気量から前記ステップ120又はステップ130で算出した過渡補正量を減算し、その減算結果を目標吸気量とする。
従って、非過渡時には、ステップ100での基本目標吸気量がそのまま目標吸気量とされる。一方、過渡時には、目標吸気量は、上記ステップ120で算出された過渡補正量分少なくなる。過渡補正量は、過渡時の初期値には大きく、その後徐々に小さくなる。そのため、ステップ140で算出される目標吸気量は、例えば図7(B)において実線で示すように、過渡時の初期には、基本目標吸気量から大きく乖離し、時間の経過とともに徐々に増量して二点鎖線で示す基本目標吸気量に収束してゆく。
上記目標吸気量の空気と、これに見合った量の燃料とからなる混合気が燃焼されれば、エンジン11の出力トルクは徐々に増加することとなり、同出力トルクの急増に起因するトルクショックが抑制される。
そして、ステップ140の処理を経た後に目標吸気量算出ルーチンを終了する。
上記目標吸気量算出ルーチンによって算出される目標吸気量は、例えば図7(B)又は図8(B)に示す態様で変化する。図7(B)は、電子制御装置51がリセットされない場合を示している。
アクセル踏込み量がほとんど変化しないタイミングt1よりも前の期間(非過渡時)には、ステップ110の判定条件が満たされないことから、ステップ100→110→130→140の順に処理が行われる。これらの一連の処理により、アクセル踏込み量等に応じた基本目標吸気量が目標吸気量として算出される。
タイミングt1以降、アクセル踏込み量の増量側への変化によりエンジン11が過渡状態になると、ステップ110の判定条件が満たされる。そのため、ステップ100→110→120→140の順に処理が行われる。ステップ120の処理により、徐々に減量する過渡補正量が算出される。過渡補正量を用いた基本目標吸気量に対するステップ140での減量補正により、目標吸気量は徐々に増加(徐変)して基本目標吸気量に収束してゆく。
図8(B)は、目標吸気量が徐変処理されている途中のタイミングt2で電子制御装置51がリセットされた場合を示している。そのため、タイミングt2よりも前の期間では、目標吸気量は上記図7(B)と同様に変化する。
電子制御装置51のリセットにより、それ以前のデータが不明となることから、実際には過渡であるものの、その旨の判定を行うことができなくなる。履歴を利用した基本目標吸気量の徐変処理が不能となる。そのため、ステップ100→110→130→140の順に処理が行われる。その結果、タイミングt2以降は、図8(B)において実線で示すように、基本目標吸気量が目標吸気量として算出される。この場合の吸気量は、トルクショックを緩和する制御(基本目標吸気量の減量補正)を行わない場合の吸気量(図7(B)の二点鎖線参照)と同じである。従って、仮にこの目標吸気量の空気が気筒12内に吸入された場合には、トルクショックの発生が再び問題となる。
次に、目標作用角は、図4のフローチャートにて示される目標作用角算出ルーチンに従って算出される。このルーチンは所定の時間毎に繰返し実行される。
目標作用角算出ルーチンでは、基本的には、上記目標吸気量に応じた目標作用角が算出される。電子制御装置51がリセットされなければ、この値が最終的にアクチュエータ39に指令される目標作用角とされる。しかし、電子制御装置51がリセットされた場合には、上述したように基本目標吸気量が目標吸気量として算出される。この目標吸気量を実現するための目標作用角にて吸気バルブ27が開弁されると、過剰量の空気が気筒12内に吸入される。
そこで、本実施形態では、電子制御装置51がリセットされた場合には、そのときの目標吸気量(基本目標吸気量)に対応する値よりも目標作用角を強制的に縮小させる処理を行うようにしている。この縮小のためにリセット補正量を算出し、目標作用角をこのリセット補正量によって減量補正するようにしている。
上記減量補正に際しては完了フラグが参照される。完了フラグは、リセット補正量を用いた目標作用角の減量補正が実質的に完了したかどうかを判定する際の指標となるものであり、電子制御装置51がリセットされる毎に「オフ」に設定され、減量補正が完了したときに「オン」に切替えられる。
電子制御装置51は、まずステップ200において、上記目標吸気量算出ルーチンにて算出された目標吸気量等に基づき目標作用角を算出する。電子制御装置51がリセットされなければ、目標作用角は目標吸気量に対応した値となり、目標吸気量が変化する場合には目標作用角もまた同様の傾向で変化する。例えば、過渡時にトルクショックの緩和を目的とした目標吸気量の徐変処理が行われる場合には、目標作用角は図7(C)において実線で示すように変化する。なお、図7(C)中の二点鎖線は、上記徐変処理が行われないとした場合の目標作用角の変化を示している。ここで、電子制御装置51がリセットされた場合には、上述したように、過渡時にトルクショックの緩和を目的とした目標吸気量の徐変処理が不能となって、基本目標吸気量が目標吸気量とされる。そのため、このままでは、目標作用角は図8(C)における二点鎖線上の点Xの値となる。この目標作用角にて吸気バルブ27が開弁されると、上述したように過剰量の空気が気筒12内に吸入される。
そこで、次にステップ210において、電子制御装置51が今回リセットされたかどうかを判定する。この判定条件が満たされている(今回リセットされた)と、ステップ220において、完了フラグを「オフ」に設定する。
次に、ステップ230において、リセット補正量の初期値を設定する処理を行う。詳しくは、上記ステップ200での目標作用角(図8(C)の点X参照)から所定のリセット初期値を減算する。このリセット初期値として、本実施形態では、作用角について作用角可変機構38が採り得る最小値が用いられる。そして、この減算結果をリセット補正量の初期値として設定する。
続いて、ステップ240において、上記ステップ200での目標作用角から上記ステップ230でのリセット補正量を減算し、その減算結果を最終的にアクチュエータ39に指令される目標作用角として設定する。この処理により、電子制御装置51がリセットされたときには、最終的な目標作用角は、上記リセット初期値と同一、すなわち作用角可変機構38が採り得る最小値になる。従って、この目標作用角に従って作用角可変用のアクチュエータ39が制御されると、気筒12内への吸気量が減少する。それに応じて燃料噴射量が減量され、出力トルクが低下する。そして、ステップ240の処理を経た後に目標作用角算出ルーチンを終了する。
ところで、上記ステップ210の判定条件が満たされていない(今回リセットされていない)と、ステップ250へ移行し、完了フラグが「オフ」であるかどうかを判定する。例えば、過去に1度もリセットされたことがない場合、あるいはリセットされたことはあるが、リセット補正量を用いた目標作用角の減量補正(ステップ240)が完了していない場合には、完了フラグは「オフ」のままである。そして、上記ステップ250の判定条件が満たされている(完了フラグ:オフ)と、ステップ260において、リセット後に上記リセット補正量が「0」になったかどうかを判定する。
上記ステップ260の判定条件が満たされていないと、ステップ270において、リセット補正量から所定値αを減算し、その減算結果を新たなリセット補正量として設定する。ここで、所定値αはステップ230で算出されるリセット補正量の初期値に比べて十分に小さな値である。そして、ステップ270の処理を経た後に上記ステップ240へ移行し、リセット補正量を用いた目標作用角の減量補正を行う。ステップ270の処理が行われる毎にリセット補正量が所定値αずつ小さくなってゆくため、ステップ240での補正後の目標作用角は、リセット直後に一旦最小となるが、その後は所定値αずつ徐々に増加してゆく。
上記ステップ270の減算処理によりリセット補正量が徐々に減少してゆき、やがて「0」になってステップ260の判定条件が満たされると、ステップ280において完了フラグを「オフ」から「オン」に切替える。ステップ280の処理を経た後、上述したステップ240へ移行する。従って、この場合には、リセット補正量が「0」であることから、目標作用角の減量補正が実質上行われず、上記ステップ200で算出した目標作用角がそのまま最終的な目標作用角(アクチュエータ39に指令される目標作用角)とされる。
なお、ステップ280の処理により完了フラグが「オン」に切替えられると、上記ステップ250の判定条件が満たされなくなる。この場合には、ステップ290において、リセット補正量を「0」に設定し、上記ステップ240へ移行する。従って、この場合にも、ステップ200で算出された目標作用角がそのまま最終の目標作用角とされる。
このようにして、電子制御装置51がリセットされると、目標作用角は作用角可変機構38の採り得る最小値まで一旦縮小され、その後は所定値αずつ増加されてゆく。目標作用角は、最終的には、徐変処理を行わない場合の目標吸気量に対応する値に収束する。
本実施形態では、上記目標作用角算出ルーチンにおけるステップ210,230,240の処理が吸気量減量手段に相当する。
この目標作用角算出ルーチンによって算出される目標作用角は、例えば図7(C)又は図8(C)に示す態様で変化する。図7(C)は、電子制御装置51がリセットされない場合を示している。
この場合には、ステップ210,250の判定条件がともに満たされないことから、ステップ200→210→250→290→240の順に処理が行われる。これらの一連の処理により、目標吸気量等に応じた目標作用角がリセット補正量によって実質上減量補正されることなく、そのまま最終的な目標作用角として算出される。従って、目標作用角は図7(C)において実線で示すように、上記目標吸気量と同様の傾向で変化する。
この目標作用角の増加途中、図8(C)におけるタイミングt2で電子制御装置51がリセットされると、その直後には、ステップ210の判定条件が満たされる。そのため、ステップ200→210→220→230→240の順に処理が行われる。ステップ230の処理により、リセット補正量の初期値(作用角可変機構38が採り得る最小値)が設定される。目標吸気量に対応した目標作用角が上記リセット補正量によって減量補正される。その結果、目標作用角としては、リセットにより、本来ならば目標吸気量に対応する値(図8(C)のX)になるところ、作用角可変機構38が採り得る最小値となる。
ステップ220の処理により完了フラグが「オフ」にされること、及び次回の制御周期からはステップ210の判定条件が満たされなくなることから、タイミングt2以降しばらくの間(リセット補正量が「0」になるまでの期間)は、ステップ200→210→250→260→270→240の順に処理が行われる。ステップ270の処理によりリセット補正量が所定値αずつ減量されるため、ステップ240の処理により算出される目標作用角は図8(C)において実線で示すように徐々に増加してゆく。
そして、上記所定値αを用いた減算処理(ステップ270)によりリセット補正量が「0」になってステップ260の判定条件が満たされると、ステップ200→210→250→260→280→240の順に処理が行われる。その後は、上記ステップ280で完了フラグが「オン」に切替えられることから、ステップ200→210→250→290→240の順に処理が行われる。この一連の処理は、電子制御装置51が再びリセットされるまで継続される。
次に、目標スロットル開度は、図5のフローチャートにて示される目標スロットル開度算出ルーチンに従って算出される。このルーチンは所定の時間毎に繰返し実行される。
電子制御装置51は、まずステップ300において、上記目標吸気量算出ルーチンでの目標吸気量等に基づき目標吸気圧を算出する。得られる目標吸気圧は、目標吸気量に対応した値となり、目標吸気量が変化する場合には目標吸気圧もまた同様の傾向で変化する。
次に、ステップ310において、上記ステップ300で算出された目標吸気圧等に基づき目標スロットル開度を算出する。得られる目標スロットル開度は目標吸気量(目標吸気圧)に対応した値となり、目標吸気量(目標吸気圧)が変化する場合には目標スロットル開度もまた同様の傾向で変化することが望ましい。
例えば、過渡時にトルクショックの緩和を目的とした目標吸気量の徐変処理が行われる場合には、目標スロットル開度は図7(E)において一点鎖線で示すように変化する。なお、図7(E)中の二点鎖線は、上記徐変処理が行われないとした場合の目標スロットル開度の変化を示している。
ただし、吸気通路22においてスロットルバルブ18と気筒12との間には、サージタンク19等、容量の大きな部材が設けられている。そのため、エンジン11の過渡時には、上記目標スロットル開度に従ってスロットルバルブ18が開き側へ回動したとしても、吸気通路22におけるスロットルバルブ18下流の空気の分、同スロットルバルブ18が回動してから吸気圧が変化するまでに遅れが生ずる。すなわち、スロットル開度が変化しても、その変化から若干遅れて吸気圧が変化する。この遅れを少なくして実際の吸気圧を上記目標吸気圧に収束させるためには、スロットル開度を過渡時の初期に上記目標スロットル開度よりも大きく開き側にすることが有効である。
そこで、上記ステップ310の処理を経た後、ステップ320でエンジン11の過渡時であるかどうかを判定する。この判定条件が満たされている(過渡時である)と、ステップ330において吸気遅れ補正量を算出する。吸気遅れ補正量は、サージタンク19内の空気等、スロットルバルブ18下流の空気の存在を前提としつつ、過渡時に実際の吸気圧を目標吸気圧とするために、スロットル開度をさらに開き側にすべく用いられる補正量である。このステップ330の処理により吸気遅れ補正量を算出した後、ステップ350へ移行する。
これに対し、ステップ320の判定条件が満たされていないと、上記吸気遅れのおそれがなく、目標スロットル開度の増量補正の必要がないと考えられる。このことから、ステップ340において上記吸気遅れ補正量を「0」に設定し、その後に、ステップ350へ移行する。
ステップ350では、上記ステップ310で算出した目標スロットル開度に対し、前記ステップ330又はステップ340で算出した吸気遅れ補正量を加算し、その加算結果を新たな目標スロットル開度として設定する。従って、非過渡時には、吸気遅れ補正量が「0」であることから、ステップ310での目標スロットル開度がそのまま最終的にスロットル用のアクチュエータ23に指令される目標スロットル開度とされる。また、過渡時には、吸気遅れ補正量の分、目標スロットル開度が増加される。
上記目標スロットル開度算出ルーチンによって算出される目標吸気圧及び目標スロットル開度は、例えば図7(D),(E)又は図8(D),(E)に示す態様で変化する。
図7(D),(E)は、電子制御装置51がリセットされない場合を示している。タイミングt1以降の過渡時には目標吸気量の徐変処理が行われる(電子制御装置51はリセットされない)ことから、目標吸気圧は目標吸気量と同様の傾向で、すなわち図7(D)において実線で示すように変化する。
また、目標スロットル開度については、タイミングt1以降、ステップ320の判定条件が満たされることから、ステップ310→320→330→350の順に処理が行われる。目標吸気圧等に基づき算出された目標スロットル開度が吸気遅れ補正量によって増量補正される。この増量補正により、最終的な目標スロットル開度は図7(E)において実線で示すように、タイミングt1以降に急激に増大する。この処理により、吸気圧は過渡時における吸気遅れに拘わらず目標吸気圧に収束させられる。
一方、図8(D),(E)は、タイミングt2で電子制御装置51がリセットされた場合を示している。タイミングt2よりも前の期間については、上述した図7(D),(E)と同様である。また、タイミングt2以降については、上述したように基本目標吸気量が目標吸気量として算出される。そのため、タイミングt2以降、目標吸気圧は、図8(D)において実線で示すように、過渡時におけるトルクショックの緩和を目的とした目標吸気量の徐変処理が行われない場合と同様に変化する。また、タイミングt2以降、目標スロットル開度は、図8(E)において実線で示すように、過渡時におけるトルクショックの緩和を目的とした目標吸気量の徐変処理が行われない場合と同様に変化する。
ところで、上記目標作用角算出ルーチンにおいて、電子制御装置51のリセットにより作用角可変機構38が採り得る最小値が目標作用角として設定されても、同作用角可変機構38の慣性等により実際の作用角がしばらく保持され、上記目標作用角まですぐに減少しない場合が起り得る。この場合には、実際の作用角が目標作用角よりも大きいことから、意図する以上の量の空気が気筒12内に吸入される。そのため、エンジン11の出力トルクが十分低下せず、目的とするトルクショックの抑制効果が得られないおそれがある。
そこで、本実施形態では、こうした不具合を解消するための処理を、燃料噴射制御に際し行うようにしている。図6のフローチャートは、この処理を加味した燃料噴射制御ルーチンを示している。このルーチンは所定の時間毎に繰返し実行される。
電子制御装置51は、まずステップ400において、実作用角と目標作用角との偏差を算出する。実作用角としては、回転角センサ43によって検出されたアクチュエータ39の回転角度に基づき算出された値が用いられる。また、目標作用角としては、上記目標作用角算出ルーチン(図4)で算出された値が用いられる。そして、上記偏差が所定値Aよりも大きいかどうかを判定する。
上記ステップ400の判定条件が満たされていないと、実作用角が目標作用角に近い値であって出力トルクが十分に小さくなると考えられることから、ステップ420において、全ての気筒12に対し通常の燃料噴射制御を行う。すなわち、全ての気筒12の燃料噴射弁33に対し、エンジン11の運転状態に応じた燃料噴射時間にわたり通電を行って開弁させる。そして、ステップ420の処理を経た後に燃料噴射制御ルーチンを終了する。
これに対し、上記ステップ400の判定条件が満たされていると、ステップ410において所定の気筒12に対する燃料噴射を停止(減筒)する。この処理により、上記ステップ420の処理を行った場合に比べてエンジン11の出力トルクが低下する。そして、ステップ410の処理を経た後に燃料噴射制御ルーチンを終了する。
上記燃料噴射制御ルーチンにおいては、ステップ400,410の処理が燃料噴射停止手段に相当する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)目標吸気量の徐変処理中に、電子制御装置51がリセットされると、徐変処理についての履歴が不明となり、その履歴を利用した徐変処理の継続が不能となる。この点、本実施形態では、作用角可変機構38による吸気バルブ27の目標作用角を、そのときのエンジン11の運転状態に見合った値(徐変処理を行わない場合の値)よりも強制的に縮小させるようにしている。この目標作用角を指令値としてアクチュエータ39を制御することで、気筒12内への吸気量を、そのときのエンジン11の運転状態に見合った吸気量に対して強制的に減量させることができる。これに伴い、燃料の噴射量も減量される。このように、目標作用角を変更(縮小)することで、エンジン11の運転状態に見合った吸気量の空気が吸入された場合に比べ、エンジン11の出力トルクを低下させ、同出力トルクの急激な増大を抑制することができる。
(2)上記(1)のリセット時における目標作用角として、作用角可変機構38の採り得る最小値を設定するようにしている。そのため、吸気量を、作用角可変機構38によって変更し得る最も少ない量まで減量させ、電子制御装置51のリセット時における上記出力トルクの急激な増大を確実に抑制することができる。
(3)作用角可変機構38の採り得る最小値を目標作用角として設定した後には、その目標作用角を所定値αずつ徐々に増加させるようにしている(ステップ240,270)。そのため、電子制御装置51のリセットにより一旦最小値まで縮小された目標作用角が、その後に急激に増加して、吸気量、ひいては出力トルクが急激に増加するのを抑制することができる。
(4)電子制御装置51のリセット後、吸気バルブ27の実際の作用角が目標作用角に対し所定値A以上大きいとき、所定の気筒12についての燃料の噴射を停止(減筒)するようにしている。このため、電子制御装置51のリセット後、作用角可変機構38の慣性等により実際の作用角が縮小された目標作用角(作用角可変機構38の採り得る最小値)まですぐに減少しなくても、トルクショックが問題とならないレベルまでエンジン11の出力トルクを確実に低下させることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・電子制御装置51がリセットされたときの目標作用角は、必ずしも作用角可変機構38の採り得る最小値でなくてもよい。目標作用角は、そのときの目標吸気量(基本目標吸気量)に対応する値よりも小さいことを条件に適宜変更可能である。
・前記実施形態において、電子制御装置51のリセットにより履歴を利用した徐変処理が不能となった場合に、上記目標作用角の強制縮小に代え、又は加え、目標スロットル開度を強制的に縮小させるようにしてもよい。この場合にも、気筒12内への吸気量を減少させることができるため、前記実施形態と同様にトルクショックを抑制することができる。
・目標作用角算出ルーチン(図4)のステップ270の処理に用いられる所定値αは一定値でもよいし、またエンジン11の運転状態に応じて変化する可変値としてもよい。
・前記実施形態において、電子制御装置51のリセット時に実作用角と目標作用角との偏差が所定値A以上の場合に、所定の気筒12への燃料噴射を停止することに代え、又は加え、点火時期を遅角するようにしてもよい。この場合にも、エンジン11の出力トルクを低下させることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・燃料噴射制御ルーチン(図6)のステップ410の処理について、燃料噴射停止の対象となる気筒12及び数は常に同一であってもよいし、エンジン11の運転状態に応じて変更してもよい。
・バルブ特性可変機構は、最大リフト量及び作用角のうち少なくとも一方を吸気バルブ27のバルブ特性として変更するものであればよい。
・本発明は、スロットルバルブによらず、バルブ特性可変機構のみによって吸気量を調整するようにした内燃機関にも適用可能である。
・本発明は、吸気バルブ27に加えて、排気バルブ28のバルブ特性(最大リフト量及び作用角の少なくとも一方)を変更するようにした内燃機関にも適用可能である。
・バルブ特性可変機構として、前記実施形態で用いたものとは異なるタイプを用いてもよい。例えば、吸気カムシャフトの吸気カムを軸方向にプロフィールが変化する三次元カムとし、この吸気カムシャフトをアクチュエータにより軸方向に変位させることにより、バルブ特性(最大リフト量及び作用角の少なくとも一方)をエンジンの運転状態に応じて変化させるようにしたものを、バルブ特性可変機構として用いてもよい。要は、吸気バルブのバルブ特性をエンジンの運転状態に応じて可変制御できるものであればよい。
本発明のエンジンの制御装置の一実施形態についてその構成を示す略図。 作用角可変機構による吸気バルブの作用角の変化態様を示すグラフ。 目標吸気量を算出する手順を示すフローチャート。 目標作用角を算出する手順を示すフローチャート。 目標スロットル開度を算出する手順を示すフローチャート。 燃料噴射を制御する手順を示すフローチャート。 (A)〜(E)は電子制御装置がリセットされない場合の各種目標値の変化態様を示すタイムチャート。 (A)〜(E)は電子制御装置がリセットされる場合の各種目標値の変化態様を示すタイムチャート。
符号の説明
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、12…気筒、27…吸気バルブ、31A…吸気カム、38…作用角可変機構(バルブ特性可変機構)、51…電子制御装置(吸気量減量手段、燃料噴射停止手段)、A…所定値。

Claims (4)

  1. 吸気バルブの最大リフト量、及び前記吸気バルブの開弁に関わる吸気カムの作用角の少なくとも一方をバルブ特性として変更するバルブ特性可変機構が設けられた内燃機関に用いられ、
    前記内燃機関の気筒への吸気量を増量させるべく、前記バルブ特性可変機構によるバルブ特性を増大させるとき、徐変処理を行うことで同バルブ特性を徐々に増大させ、前記吸気量を徐々に増大させるようにした内燃機関の制御装置において、
    前記バルブ特性の増大中に、履歴を利用した前記徐変処理の継続が不能となったとき、前記吸気量を、前記内燃機関の運転状態に見合った吸気量に対して強制的に減量させる吸気量減量手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気量減量手段は、前記バルブ特性可変機構によるバルブ特性の目標値を、前記内燃機関の運転状態に見合ったバルブ特性よりも強制的に縮小させることにより前記吸気量を減量させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気量減量手段は、前記バルブ特性について前記バルブ特性可変機構が採り得る最小値を目標値とし、同目標値に基づき前記バルブ特性可変機構を作動させてバルブ特性を縮小させる請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気量減量手段により前記バルブ特性の目標値が強制的に縮小された後、前記吸気バルブの実際のバルブ特性が前記目標値に対し所定値以上大きいと、前記内燃機関の所定気筒への燃料の噴射を停止する燃料噴射停止手段をさらに備える請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2009243372A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Mazda Motor Corp 内燃機関の制御方法および同装置

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