JP5724667B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
自動車用エンジン等の内燃機関においては、機関運転領域全体に亘って出力及び燃費の最適化を図るべく、吸気バルブのバルブタイミングを可変バルブタイミング機構(VVT機構)により機関運転状態に応じて変更制御するものが実用化されている。そして、上記VVT機構としては、内燃機関によって駆動される機械式オイルポンプからのオイル供給を受け、そのオイルの油圧に基づき動作するものが知られている。
こうした内燃機関は、内燃機関の運転状態に対応する、必要な圧縮比を確保した状態での安定した燃焼を行うべく、吸気バルブのバルブタイミングが上記圧縮比を確保可能なタイミングに調整される。例えば、アイドル運転時には、通常運転時よりも低い機関回転数で安定した燃焼を行うべく、アイドル運転に適した圧縮比を確保した状態となるように、吸気バルブのバルブタイミングが同圧縮比を確保可能なタイミングに調整される。
しかしながら、内燃機関により駆動される機械式オイルポンプは、内燃機関の運転状態によっては、VVT機構を駆動させるに十分な油圧のオイルを供給できないことがあり、そのような場合、VVT機構によるバルブタイミングの調整を不安定にさせかねない。そこで、供給されるオイルの油圧にかかわらず、VVT機構によるバルブタイミングの調整を安定させる技術の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の装置は、バルブタイミングを予め最遅角させておくことによって、機関始動時にVVT機構が遅角側に大きく動いて乗員にショックを感じさせることを防ぐようにしている。そのため同装置には、内燃機関の停止開始後(停止移行時)など、オイルの油圧が低下した場合であれ、VVT機構を駆動させることのできる電動モータが、内燃機関とは別の駆動源として備えられている。すなわちこの装置は、オイルの油圧が低下する内燃機関の停止移行後であれ、吸気バルブのバルブタイミングが遅角するように電動モータがVVT機構を駆動させて、同バルブタイミングが最遅角タイミングまで確実に遅角するようにしている。
特開2006−144567
このように、特許文献1に記載の装置によれば、内燃機関の運転状態に左右されることなく、バルブタイミングを調整することができるようにはなるものの、同装置にはVVT機構の駆動源として、機械式オイルポンプとは別に電動モータが必要となる。このため、このような電動モータの追加が、バルブタイミングを可変とする装置を備える内燃機関としての構造を複雑にするとともに、搭載にかかる専有スペースやコストの増加なども生じさせることとなり、特に近年の車載内燃機関に要求される小型、軽量化等を阻害しかねない要因ともなっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、VVT機構の駆動源として機械式オイルポンプを備える内燃機関であれ、アイドル運転時のバルブタイミングを適正に調整することのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、内燃機関により駆動されるオイルポンプから供給されるオイルを駆動源として、内燃機関の吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構を備え、内燃機関のアイドル運転時にバルブタイミングを最遅角よりも進角したアイドル位相に制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、内燃機関の運転状態がアイドル運転に変化するときに、前記オイルの油温が所定の温度以上であれば、前記アイドル位相と同じ位相として規定位相が設定され、前記オイルの油温が所定の温度よりも低ければ、前記アイドル位相よりも進角側に規定位相が設定され、前記バルブタイミングが前記規定位相よりも進角していれば、前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する前記制御に先立って、前記バルブタイミングを前記規定位相となるように制御することを要旨とする。
通常、アイドル運転時には、内燃機関の回転数が低下するため、同内燃機関により駆動される機械式オイルポンプにより供給されるオイルの油圧が不足し、バルブタイミングの変更が好適に行えないおそれがある。またオイルは、油温が高くなると粘度が低下して油圧系からの漏れが増加することなどから油圧がより一層低下する傾向にある。
そこで、このような構成によれば、バルブタイミング制御装置は、油温の影響を受けてオイルの油圧が変化することを考慮して可変バルブタイミング機構(VVT機構)によりバルブタイミングをアイドル位相に制御する開始時期を調整するようになる。このように調整されるバルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期によれば、オイルの油圧が油温により変化する場合であれ、バルブタイミングがアイドル位相へ確実に変更されるようになる。その結果、オイルの油圧に影響を与えるオイルの油温変化にかかわらず、このバルブタイミング制御装置は、バルブタイミングを好適にアイドル位相へ変更させ、アイドル運転に適したバルブタイミングによって内燃機関に安定したアイドル運転をさせることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記オイルの油温が高いほど高いアイドル回転数から前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御することを要旨とする。
通常、オイルは油温が高くなると油圧が低下する。そこで、このような構成によれば、オイルの油温が高い場合、内燃機関の回転数が高いうちにバルブタイミングをアイドル位相に変更開始させるようになるため、オイルの油温が高い場合であれ、VVT機構に十分な油圧のオイルが供給されているときに同VVT機構にバルブタイミングを変更させることができる。
特に、アイドル運転時は、内燃機関の回転数が低くなることに応じてオイルの油圧が不足するおそれがあるが、内燃機関の回転数が高いうちにバルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期を設定すれば、バルブタイミングを好適に変更させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記バルブタイミングは、前記アイドル位相よりも進角する位相から同アイドル位相よりも遅角する位相までの範囲で変更可能になっており、前記オイルの油温が所定の温度よりも高いとき前記アイドル位相よりも進角する位相への変更が制限されることを要旨とする。
このような構成によれば、バルブタイミングがアイドル位相よりも進角しているためアイドル位相に遅角させなければならない場合、アイドル位相よりも進角する位相への変更が制限されることに応じてアイドル位相への変更、つまり遅角が開始されるようになる。これにより、VVT機構に十分な油圧のオイルが供給されているときにバルブタイミングをアイドル位相に変更させることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記アイドル回転数を、車速に基づいて推定することを要旨とする。
このような構成によれば、車速に基づいてバルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期が定められるため、バルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期を車両の運転状態に適合させやすくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記オイルの油温が高いほど高い車速から前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御することを要旨とする。
アイドル運転時は、内燃機関の回転数が低くなることに伴って、オイルの油圧が不足するおそれがある。しかしながら、このような構成によれば、車速に基づいてバルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期を定めるため、VVT機構に十分な油圧のオイルが供給されているときに同VVT機構にバルブタイミングを変更させることができる。
また、オイルの油温が高い場合、車速の高い、つまり内燃機関の回転数が高いうちにバルブタイミングをアイドル位相に変更開始させるようになるため、オイルの油温が高い場合であれ、VVT機構に十分な油圧のオイルが供給されているときに同VVT機構にバルブタイミングを変更させることができる。
なお、請求項6に記載の発明は、内燃機関により駆動されるオイルポンプから供給されるオイルを駆動源として、内燃機関の吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構を備え、内燃機関のアイドル運転時にバルブタイミングを最遅角よりも進角したアイドル位相に制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、前記オイルの油温に応じて、前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する開始時期を変化させるものであり、前記バルブタイミングは、前記アイドル位相よりも進角する位相から同アイドル位相よりも遅角する位相までの範囲で変更可能になっており、前記オイルの油温が所定の温度よりも高いとき前記アイドル位相よりも進角する位相への変更が制限されることを要旨とする。
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記オイルの油温が高いほど高いアイドル回転数から前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御することを要旨とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記内燃機関の機関停止時、前記バルブタイミングを前記アイドル位相よりも遅角した位相に固定することを要旨とする。
このような構成によれば、通常、内燃機関の機関停止前に生じるアイドル運転においてバルブタイミングは少なくともアイドル位相の状態に、つまりアイドル位相よりも進角していない状態に維持されている。このため、機関を停止させる際、VVT機構は、バルブタイミングをアイドル位相よりも遅角した位置へより確実に変更させることができるようになる。
本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の第1の実施形態が適用される内燃機関全体を示す略図。 同実施形態のバルブタイミングを示す図であり、(a)は通常運転時のバルブタイミングを示す図、(b)はアイドル運転時やパーシャル運転時のバルブタイミングを示す図。 同実施形態のバルブタイミングと、油温と機関回転数との関係を表にて示す図。 同実施形態のバルブタイミングの制御手順について示すフローチャート。 本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の第2の実施形態について、バルブタイミングと、油温と機関回転数との関係を表にて示す図。 同実施形態のバルブタイミングの制御手順について示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の第1の実施形態について図1〜4に従って説明する。
図1に示される内燃機関1においては、アクセルペダル27の踏み込み操作に基づき吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度調節が行われ、吸気通路3から燃焼室2に吸入される空気の量が調整される。また、内燃機関1の燃料噴射弁4からは燃焼室2に吸入される空気の量に対応した量の燃料が噴射され、この燃料と空気とからなる混合気に対し燃焼室2内での点火プラグ5による点火が行われる。この点火を通じて混合気が燃焼すると、そのときの燃焼エネルギによりピストン6が往復移動して内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転し、燃焼後の混合気は排気として燃焼室2から排気通路8に送り出される。
内燃機関1において、吸気通路3と燃焼室2との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室2との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。そして、吸気バルブ9及び排気バルブ10は、クランクシャフト7の回転が伝達される吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12の回転に伴い、それらカムシャフト11,12の吸気カム及び排気カムに押されて開閉動作する。吸気カムシャフト11には、クランクシャフト7の回転に対する相対回転位相として、図2(a)に示すように、上死点位置TDCを過ぎた角度である基準制御角度θ1が設けられている。つまり、吸気バルブ9は、吸気カムシャフト11のクランクシャフト7の回転に対する相対回転位相が基準制御角度θ1のとき、リフト量が最大となる(バルブリフト中心L0)。なお、本実施形態では、基準制御角度θ1を120°としている。
吸気カムシャフト11には、クランクシャフト7の回転に対する同吸気カムシャフト11の相対回転位相を変更することで、吸気バルブ9のバルブタイミング(開閉タイミング)を変更する可変バルブタイミング(VVT)機構13が設けられている。
VVT機構13は、進角側油路17及び遅角側油路18を介してオイルコントロールバルブ(OCV)19に接続されているとともに、OCV19には、内燃機関1のオイルパン22まで延出されている供給通路20及び排出通路21が接続されている。供給通路20には、オイルパン22に貯留されたオイル15を汲み上げてOCV19に向けて吐出するオイルポンプ25が設けられている。このオイルポンプ25は、内燃機関1によって駆動される機械式のもの、つまり機械式オイルポンプであって、機関回転数一定の条件下でオイルの吐出圧を可変とすることができる可変容量式のものである。OCV19は、互いに逆方向に働くコイルスプリング及び電磁ソレノイドの付勢力によって動作するバルブであって、この動作によってオイルパン22まで延出されている供給通路20及び排出通路21と、VVT機構13に接続されている進角側油路17及び遅角側油路18との接続状態を変更させる。
つまり、OCV19の動作を通じて、遅角側油路18と供給通路20とが連通するとともに、進角側油路17と排出通路21とが連通すると、オイルパン22内のオイル15がオイルポンプ25により遅角側油路18へ送り出されるとともに、進角側油路17内にあったオイル15がオイルパン22内へ戻される。このとき、VVT機構13には遅角側油路18を通じてオイル15が供給される。これにより、VVT機構13は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を遅角させるよう油圧により作動される。その結果、吸気バルブ9のバルブタイミングが遅角側に変化する。
また、OCV19の動作を通じて、遅角側油路18と排出通路21とが連通するとともに、進角側油路17と供給通路20とが連通すると、オイルパン22内のオイル15がオイルポンプ25により進角側油路17に送り出されるとともに、遅角側油路18内にあったオイル15がオイルパン22内へ戻される。このとき、VVT機構13には進角側油路17を通じてオイル15が供給される。これにより、VVT機構13は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を進角させるよう油圧により作動される。その結果、吸気バルブ9のバルブタイミングが進角側に変化する。
このように、吸気バルブ9のバルブタイミングは、OCV19の動作を通じて制御される。なお、OCV19の動作は、電磁ソレノイドの印可電圧がデューティ比指令値に応じて変更されることによって制御される。このデューティ比指令値は、例えば「0〜100%」という範囲で変更される。そして、デューティ比指令値が「0%」に近づくほど、遅角側油路18を通じてVVT機構13に作用するオイル15の油圧が高くなるようOCV19が動作させられ、吸気バルブ9のバルブタイミングを遅角させる力が強くなる。逆に、デューティ比指令値が「100%」に近づくほど、進角側油路17を通じてVVT機構13に作用する油圧が高くなるようOCV19が動作させられ、吸気バルブ9のバルブタイミングを進角させる力が強くなる。
図2(a)及び(b)に示すように、このようなVVT機構13により、吸気バルブ9のバルブタイミングが、基準制御角度θ1を中心として進角側や遅角側に変更される。本実施形態では、内燃機関1の通常運転時、VVT機構13は、吸気バルブ9のバルブタイミングを、進角側の進角制御角度θ11から遅角側の遅角制御角度θ12までのバルブタイミング制御範囲WAで変更させるようにしている。つまり、吸気バルブ9は、そのバルブタイミングがVVT機構13の駆動により調整制御され、そのバルブリフト中心L0が、基準制御角度θ1を中心に、進角制御角度θ11の進角位置L11から、遅角制御角度θ12の遅角位置L12までの間で変化されるようになっている。なお、本実施形態では、内燃機関1の通常運転を、内燃機関1が車両を駆動させるための駆動力を発生させている運転状態としており、同通常運転には、例えばアイドル運転時や、車両を加速も減速もさせない状態に維持する状態からエンジンブレーキ状態までを含むパーシャル運転などの運転状態は含まれない。ところで、パーシャル運転は、車速を維持もしくは減速させつつ、内燃機関1の機関回転数を低下させるような機関運転状態を含む運転である。また、本実施形態では、進角側の進角制御角度θ11を「50°」に、遅角側の遅角制御角度θ12を「50°」に、つまりバルブタイミング制御範囲WAを「100°」に設定している。
さらに、本実施形態では、図2(b)に示すように、VVT機構13は、内燃機関のアイドル運転時、吸気バルブ9のバルブタイミングをアイドル位相としてのアイドル制御位相θ2に変更し、パーシャル動作時、吸気バルブ9のバルブタイミングをパーシャル制御位相θ3に変化させる。具体的には、アイドル制御位相θ2は、基準制御角度θ1から進角側に「G1」進角した角度であり、進角制御角度θ11よりも進角しており、パーシャル制御位相θ3は、基準制御角度θ1から進角側に「G2」進角した角度であり、進角制御角度θ11及びアイドル制御位相θ2よりも進角している。内燃機関1は、アイドル制御位相θ2に基づくバルブタイミングにより、機関回転数が低速となるアイドル運転に適した圧縮比が得られ、燃焼耐力が確保できるため、アイドル運転における低速での機関回転数、いわゆるアイドル回転数が安定するようになる。なお、アイドル回転数は、内燃機関1の運転状態がアイドル運転のときにとる全ての回転数の範囲を含み、例えば目標とする回転数及び、当該目標とする回転数に変化する途中の回転数を含む。また、内燃機関1は、パーシャル制御位相θ3に基づくバルブタイミングにより、ポンプロスが低減されるようになるため、パーシャル運転に適した状態になるようになる。
さらに、VVT機構13には、オイル15の油圧の印加によりロックが解除されるピンが設けられており、同ピンは、油圧がなくなったり、低下して不十分になると、吸気カムシャフト11を基準制御角度θ1に固定させる。すなわち、アイドル運転後に内燃機関1の運転停止が開始されると、つまり停止移行時、VVT機構13は、オイルポンプ25が停止して油圧の供給が不十分になる前に、吸気カムシャフト11をアイドル制御位相θ2から基準制御角度θ1に移動させるように制御される。
こうした内燃機関1の各種制御は、自動車に搭載された電子制御装置26によって実施される。電子制御装置26は、内燃機関1の制御にかかるバルブタイミングの制御などの各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置26の入力ポートには、以下に示す各種センサが接続されている。
・クランクシャフト7の回転に対応する信号を出力し、機関回転数の算出等に用いられるクランクポジションセンサ34。
・吸気カムシャフト11の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ35。
・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル27の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ28。
・吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ30。
・吸気通路3を通じて燃焼室2に吸入される空気の量を検出するエアフローメータ32。
・オイルパン22に貯留されているオイル15の温度(油温)を検出する油温センサ36。
・オイルポンプ25から吐出されたオイル15の油圧を検出する油圧センサ37。
一方、電子制御装置26の出力ポートには、燃料噴射弁4、点火プラグ5、スロットルバルブ29、オイルポンプ25、及び、OCV19などの各駆動回路がそれぞれ接続されている。
そして、電子制御装置26は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、機関回転数といった機関運転状態、並びに、オイルポンプ25から吐出されるオイル15の油温及び同オイル15の油圧等を把握する。なお、機関回転数は、クランクポジションセンサ34からの検出信号に基づき求められる。電子制御装置26は、機関回転数といった機関運転状態、並びに、油温及び油圧等に応じて、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして燃料噴射弁4からの燃料噴射量の制御、点火プラグ5の点火時期の制御、スロットルバルブ29の開度制御、及び、吸気バルブ9のバルブタイミングの制御、及びオイルポンプ25の吐出制御等が電子制御装置26を通じて実施される。
電子制御装置26では、吸気バルブ9のバルブタイミングの制御に関しては、同吸気バルブ9のバルブタイミングが機関運転状態に応じて設定された目標バルブタイミングとなるよう、VVT機構13を油圧動作させることにより実現される。なお、バルブタイミングは、クランクポジションセンサ34及びカムポジションセンサ35からの信号に基づき求められる。また、内燃機関1の運転状態に対応する目標バルブタイミングの値がマップデータとして電子制御装置26に保持されているとともに、電子制御装置26は、そのときの内燃機関1の運転状態に基づいて、同運転状態に対応する目標バルブタイミングをマップデータから選択設定する。
また、本実施形態では、図3に示すように、電子制御装置26には、バルブタイミングの制御において、バルブタイミングの進角量を制限するガード値がマップデータ(ガード値マップM1)として設けられている。ガード値は、バルブタイミングを進角制御させることのできる最大値が基準制御角度θ1を基準にした値として設定されており、電子制御装置26は、バルブタイミングがガード値を越えて進角しないようにVVT機構13を駆動制御する。すなわち、電子制御装置26は、目標バルブタイミングがガード値よりも遅角している場合、バルブタイミングを目標バルブタイミングの値に制御するようにする。一方、電子制御装置26は、目標バルブタイミングがガード値よりも進角している場合、バルブタイミングをガード値に制御するようにし、バルブタイミングをガード値を越えて進角、例えば目標バルブタイミングまで進角させないようにしている。このとき、設定された目標バルブタイミングやガード値よりもバルブタイミングが進角していた場合、電子制御装置26は、バルブタイミングを、上述の設定された目標バルブタイミングやガード値に変更する制御を直ちに開始する。なお、ガード値は、電子制御装置26による、バルブタイミングの制御における最大進角であるため、VVT機構13の構造に基づいて定まる構造上の最大進角よりも遅角している値である。
ガード値マップM1には、オイル15の各油温と内燃機関1の各機関回転数とのそれぞれの関係に各対応するガード値がそれぞれ設定されている。なお、機関回転数の単位はrpmであり、機関回転数「600」は「700未満」を示し、機関回転数「700」は「700以上、800未満」を示し、機関回転数「800」は「800以上」を示している。また、温度の単位は摂氏(℃)であり、温度「90」は「110未満」を示し、温度「110」は「110以上、130未満」を示し、温度「130」は「130以上」を示している。すなわち、ガード値マップM1には、機関回転数が「600」、かつ、油温が「90」、「110」及び「130」の場合、ガード値として「G1」が設定されている。また、ガード値マップM1には、機関回転数が「700」、かつ、油温が「90」の場合、ガード値として「G2」が設定されているとともに、機関回転数が「700」、かつ、油温が「110」及び「130」の場合、ガード値として「G1」が設定されている。さらに、ガード値マップM1には、機関回転数が「800」、かつ、油温が「90」及び「110」の場合、ガード値として「G2」が設定されているとともに、機関回転数が「800」、かつ、温度が「130」の場合、ガード値として「G1」が設定されている。
なお、本実施形態では、上述のように、ガード値として設定されている「G1」はアイドル制御位相θ2に対応する値であり、同じくガード値として設定されている「G2」はパーシャル制御位相θ3に対応する値である。すなわち、ガード値「G1」と「G2」とは、基準制御角度θ1に対する進角量として、「G1<G2」なる関係を有している。また、ガード値がオイル15の各油温と内燃機関1の各機関回転数とのそれぞれの関係に各対応するように設定されているのは、オイル15の油圧が、油温や機関回転数の影響により変化してVVT機構13の駆動に影響を及ぼすおそれがあるためである。すなわち、通常、内燃機関1の回転数の低下は同内燃機関1により駆動されるオイルポンプ25が供給するオイル15の油圧の低下を招くおそれがあるため、VVT機構13によるバルブタイミングのアイドル制御位相θ2などの目標バルブタイミングへの変更が遅延するなどのおそれがある。またオイル15は、油温の上昇が生じさせる粘度の低下が、油圧系からの漏れを増加させて油圧を低下させる傾向にあるため、油温の上昇も、VVT機構13によるバルブタイミングのアイドル制御位相θ2などへの変更を難しくするおそれがある。
特に、アイドル運転時は機関回転数が低下するため、オイル15の油圧が不十分になるおそれが高く、VVT機構13がバルブタイミングをアイドル制御位相θ2へ好適に変更させることができないおそれがある。これらのことから、機関回転数が低い場合や油温が高い場合など、オイル15の油圧が低下するおそれのあるとき、油圧の高い状態のうちにVVT機構13によるバルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更制御を開始するようにする。例えば、機関回転数の低下中であるが、まだ機関回転数が高い場合であっても、油温が高い場合には、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更制御が開始される。
次に、本発明の内燃機関のバルブタイミング制御装置がバルブタイミングをアイドル制御位相θ2へ変更する制御手順について、図4に従って説明する。なお、通常、車両の内燃機関1は、その運転状態を、通常運転からパーシャル運転を介してアイドル運転に変化させることが多いため、本実施形態では、バルブタイミングをパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2に変化させる場合について説明する。
図4に示すように、電子制御装置26は、内燃機関1の運転状態が変化するなど、所定の条件に応じてバルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理を開始する。バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理が開始されると、電子制御装置26は、内燃機関1の運転状態がアイドル運転となるのか否かを判断する(ステップS10)。内燃機関1の運転状態がアイドル運転となることは、内燃機関1の運転がアイドル運転に切り換えられたことにより判断される。この判断は、電子制御装置26による内燃機関1の制御状態に基づいて判断することができる。内燃機関1の運転状態がアイドル運転にならないと判断された場合(ステップS10でNO)、電子制御装置26は、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2へ変更処理を終了する。
一方、内燃機関1の運転状態がアイドル運転になると判断された場合(ステップS10でYES)、電子制御装置26は、機関回転数を取得する(ステップS11)とともに、オイル15の油温を取得する(ステップS12)。そして、それら取得した機関回転数とオイル15の油温とに基づいて、電子制御装置26は、ガード値マップM1から適切なガード値を取得する(ステップS13)ととともに、取得したガード値をバルブタイミングの制御に適用する(ステップS14)。このとき、電子制御装置26は、目標バルブタイミングをパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2へ変更するが、通常、目標バルブタイミングを機関回転数に応じて徐々に変化させるようにしている。つまり、機関回転数が目標とするアイドル運転の回転数になったとき、バルブタイミングがアイドル制御位相θ2になるように同アイドル制御位相θ2への変更制御が開始される、つまり目標バルブタイミングがアイドル制御位相θ2に変更される。その一方、目標バルブタイミングがガード値よりも進角している場合、電子制御装置26は、バルブタイミングを最大ガード値までしか進角させない制御を行うため、バルブタイミングは、機関回転数などにかかわらず、バルブタイミングのガード値への変更制御を直ちに開始する。すなわち、この場合、内燃機関1の運転状態がアイドル運転になることが検出されると、パーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2への変更制御が迅速に行われるようになる。そして、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理が終了される。このように、電子制御装置26は、オイル15の油温や機関回転数に基づいて取得されるガード値に基づいて、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への制御の開始時期を変化させる。
[作用]
内燃機関1の運転状態がアイドル運転に変化するとき、機関回転数が高く、かつ、油温が低い場合、つまりVVT機構13に十分な油圧が供給される状態である場合、内燃機関1がアイドル運転に切り換えられてから徐々に低下する機関回転数に応じて目標バルブタイミングが徐々にアイドル制御位相θ2に変更される。これにより、バルブタイミングは、例えばパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2まで徐々に変化する。なお、機関回転数が高く、かつ、油温が低い場合とは、例えば、図3で、機関回転数「800」、かつ、油温「90」又は「110」の場合が相当する。すなわち、ガード値が「G2」であるため、電子制御装置26は、目標バルブタイミングをパーシャル制御位相θ3の「G2」からアイドル制御位相θ2の「G1」へ徐々に変更するようにする。
一方、内燃機関1の運転状態がアイドル運転に変化するとき、機関回転数が低い場合、つまりVVT機構13に十分な油圧が供給されない状態である場合、内燃機関1の運転状態がアイドル運転に切り換えられると直ちに、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更制御が開始される。これにより、バルブタイミングは、例えばパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2に直ちに変化する。なお、機関回転数が低い場合とは、例えば、図3で、機関回転数「600」の場合が相当する。すなわち、油温にかかわらず、ガード値が「G1」であるため、電子制御装置26は、バルブタイミングを、パーシャル制御位相θ3の「G2」からアイドル制御位相θ2に等しいガード値の「G1」へ直ちに変更するようにする。これにより、内燃機関1の機関回転数がアイドル運転時に目標とする機関回転数に低下する以前に、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更制御が開始されるため、バルブタイミングが好適にアイドル制御位相θ2へ変更され、その後のオイル15の油圧の低下の影響を受けないか、軽減されるようになる。
さらに、内燃機関1の運転状態がアイドル運転に変化するとき、油温が高い場合、つまりVVT機構13に十分な油圧が供給されない状態である場合、内燃機関1がアイドル運転に切り換えられると直ちに、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更制御が開始される。これにより、バルブタイミングは、例えばパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2に直ちに変化する。なお、油温が高い場合とは、例えば、図3で、油温「130」が相当する。すなわち、機関回転数にかかわらず、ガード値が「G1」であるため、電子制御装置26は、バルブタイミングを、パーシャル制御位相θ3の「G2」からアイドル制御位相θ2に等しいガード値の「G1」へ直ちに変更するようにする。これによっても、内燃機関1の機関回転数がアイドル運転時に目標とする機関回転数に低下する以前に、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更制御が開始されるため、バルブタイミングが好適にアイドル制御位相θ2へ変更され、その後の油圧の低下の影響を受けないか、軽減されるようになる。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)通常、アイドル運転時には、内燃機関1の機関回転数が低下するため、同内燃機関により駆動されるオイルポンプ25により供給されるオイル15の油圧が不足し、バルブタイミングの変更が好適に行えないおそれがある。またオイル15は、油温が高くなると粘度が低下して油圧系からの漏れが増加することなどから油圧がより一層低下する傾向にある。
そこで、このような構成によれば、バルブタイミング制御装置は、油温の影響を受けてオイル15の油圧が変化することを考慮してVVT機構13によりバルブタイミングをアイドル制御位相θ2に制御する開始時期を調整するようになる。このように調整されるバルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期によれば、オイル15の油圧が油温により変化する場合であれ、バルブタイミングがアイドル制御位相θ2へ確実に変更されるようになる。その結果、オイル15の油圧に影響を与えるオイル15の油温変化にかかわらず、このバルブタイミング制御装置は、バルブタイミングを好適にアイドル制御位相θ2へ変更させ、アイドル運転に適したバルブタイミングによって内燃機関1に安定したアイドル運転をさせることができるようになる。
(2)オイル15の油温が高い場合、内燃機関1の機関回転数が高いうちにバルブタイミングをアイドル制御位相θ2に変更開始させるようになる。このため、オイル15の油温が高い場合であれ、VVT機構13に十分な油圧のオイル15が供給されているときに同VVT機構13にバルブタイミングを変更させることができるようになる。
特に、アイドル運転時は、内燃機関1の回転数が低くなることに応じてオイル15の油圧が不足するおそれがあるが、内燃機関1の機関回転数が高いうちにバルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更開始時期を設定すれば、バルブタイミングを好適に変更させることができる。
(3)バルブタイミングがアイドル制御位相θ2よりも進角しているためアイドル制御位相θ2に遅角させなければならない場合、アイドル制御位相θ2よりも進角する位相への変更が制限されることに応じてアイドル位相への変更、つまり遅角が開始されるようになる。これにより、VVT機構に十分な油圧のオイルが供給されているときにバルブタイミングをアイドル位相に変更させることができるようになる。
(4)通常、内燃機関1の機関停止前に生じるアイドル運転においてバルブタイミングは少なくともアイドル制御位相θ2の状態、つまりアイドル制御位相θ2よりも進角していない状態に維持されている。このため、機関を停止させる際、VVT機構は、バルブタイミングをアイドル制御位相θ2よりも遅角した基準制御角度θ1へより確実に変更させることができるようになる。
(第2の実施形態)
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の第2の実施形態について図5及び図6に従って説明する。なお、本実施形態は、ガード値マップM2に油温と車速の関係に基づく各ガード値が設定されていることが、第1の実施形態ではガード値マップM1に油温と機関回転数の関係に基づく各ガード値が設定されていることと相違する。しかし、それ以外の構成については、本実施形態は第1の実施形態と同様の構成を有していることから、第1の実施形態と同様の構成については、説明の便宜上、同じ符号を用いることでその説明を割愛する。
図5に示すように、電子制御装置26に保持されているガード値マップM2には、オイル15の各油温と車両の速度(車速)とのそれぞれの関係に各対応するガード値がそれぞれ設定されている。なお、車速の単位はkm/h(時速)であり、車速「10」は「10以下」を示し、車速「20」は「10より大きく、20以下」を示し、機関回転数「30」は「20より大きく、30以下」を示している。また、温度の単位は摂氏(℃)であり、温度「90」は「110未満」を示し、温度「110」は「110以上、130未満」を示し、温度「130」は「130以上」を示している。すなわち、ガード値マップM2には、車速が「10」、かつ、油温が「90」、「110」及び「130」の場合、ガード値として「G1」が設定されている。また、ガード値マップM2には、車速が「20」、かつ、油温が「90」の場合、ガード値として「G2」が設定されているとともに、車速が「20」、かつ、油温が「110」及び「130」の場合、ガード値として「G1」が設定されている。さらに、ガード値マップM2には、機関回転数が「30」、かつ、油温が「90」及び「110」の場合、ガード値として「G2」が設定されているとともに、車速が「30」、かつ、温度が「130」の場合、ガード値として「G1」が設定されている。
なお、本実施形態でも、ガード値として設定されている「G1」はアイドル制御位相θ2に対応する値であり、同じくガード値として設定されている「G2」はパーシャル制御位相θ3に対応する値である。このことから、オイル温度が高いほど、高い車速からガード値が小さくなるため、内燃機関1の運転状態がアイドル運転に変更されたとき、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への制御開始時期が早まるようになる。
次に、VVT機構13におけるバルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理について、図6に従って説明する。なお、本実施形態でも、バルブタイミングをパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2に変化させる場合について説明する。
図6に示すように、電子制御装置26は、内燃機関1の運転状態が変化するなど、所定の条件に応じてバルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理を開始する。バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理が開始されると、電子制御装置26は、内燃機関1の運転状態がアイドル運転となるのか否かを判断する(ステップS20)。内燃機関1の運転状態がアイドル運転にならないと判断された場合(ステップS20でNO)、電子制御装置26は、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2へ変更処理を終了する。
一方、内燃機関1の運転状態がアイドル運転になると判断された場合(ステップS20でYES)、電子制御装置26は、車速を取得する(ステップS21)とともに、オイル15の油温を取得する(ステップS22)。車速は、車両の速度センサなどから取得、算出される。そして、それら取得した車速とオイル15の油温とに基づいて、電子制御装置26は、ガード値マップM2から適切なガード値を取得する(ステップS23)ととともに、取得したガード値をバルブタイミングの制御に適用する(ステップS24)。このとき、電子制御装置26は、目標バルブタイミングをパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2へ徐々に変化させるが、目標バルブタイミングがガード値よりも進角している場合、バルブタイミングを最大ガード値までしか進角させない制御を行う。この場合、電子制御装置26は、車速などにかかわらず、バルブタイミングのガード値への変更制御を直ちに開始する。例えば、内燃機関1の運転状態がアイドル運転になることが検出されると、バルブタイミングは、パーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2へ迅速に変更される。そして、バルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更処理が終了される。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置によれば、先の第1の実施形態で記載した効果(1)〜(3)に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(4)アイドル運転時は、内燃機関1の回転数が低くなることに伴って、オイル15の油圧が不足するおそれがある。しかしながら、このような構成によれば、車速に基づいてバルブタイミングのアイドル制御位相θ2への変更開始時期を定めるため、VVT機構13に十分な油圧のオイル15が供給されているときに同VVT機構13にバルブタイミングを変更させることができる。
(5)また、オイル15の油温が高い場合、車速の高いうち、つまり内燃機関1の回転数が高いうちにバルブタイミングをアイドル制御位相θ2に変更開始させるようになるため、オイル15の油温が高い場合であれ、VVT機構13に十分な油圧のオイル15が供給されているときに同VVT機構13にバルブタイミングを変更させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、機関回転数をクランクポジションセンサ34から検出する場合について例示した。しかしこれに限らず、機関回転数が推定可能であるならば、車速から機関回転数を推定するようにしてもよい。すなわち、内燃機関がアイドル運転を開始したときの機関回転数(アイドル回転数)を車速から推測することで、車速に基づいてバルブタイミングのアイドル制御位相への変更開始時期が定められるため、バルブタイミングのアイドル位相への変更開始時期を車両の運転状態に適合させやすくなる。
・上記各実施形態では、機関停止時、VVT機構13は吸気カムシャフト11を基準制御角度θ1に固定させる場合について例示したが、これに限らず、機関停止時、VVT機構が吸気カムシャフトを固定させる位置は、内燃機関として適切な位置であれば、VVT機構の構造上の最遅角などであってもよい。これにより、内燃機関の設計自由度の向上などが図られるようになる。
・上記各実施形態では、電子制御装置26は、目標バルブタイミングがガード値よりも進角しているとき、バルブタイミングをガード値よりも進角させないように制御する場合について例示した。しかしこれに限らず、電子制御装置は、ガード値も考慮して定められた目標バルブタイミングを用いて、バルブタイミングを目標バルブタイミングに変更するように制御してもよい。この場合、内燃機関の運転状態をアイドル運転に変化させるタイミングで、目標バルブタイミングにガード値を適用するか否かを判断するようにすればよい。これにより、電子制御装置におけるバルブタイミングの制御に対する設計自由度の向上が図られる。
・上記各実施形態では、基準制御角度θ1を120°としている場合について例示したが、これに限らず、基準制御角度は、吸気弁の開弁期間を適切にすることができるのであれば、120°より小さくても、または、120°より大きくてもよい。
また、進角制御角度θ11を「50°」に、遅角制御角度θ12を「50°」に、つまりバルブタイミング制御範囲WAを「100°」に設定している場合について例示した。しかしこれに限らず、これにより、進角制御角度θ11や遅角制御角度θ12をそれぞれ「50°」より小さくしても、「50°」より大きくしてもよく、また、バルブタイミング制御範囲WAが「100°」より小さくなっても、「100°」より大きくなってもよい。
これらのことにより、バルブタイミングの制御の自由度が向上され、このバルブタイミング制御装置を適用することのできる内燃機関の拡大が図られるようになる。
・上記各実施形態では、アイドル制御位相θ2を基準制御角度θ1から進角側に「G1」進角し、進角制御角度θ11よりも進角した角度にし、パーシャル制御位相θ3を基準制御角度θ1から進角側に「G2」進角し、進角制御角度θ11よりも進角した角度にした場合について例示した。しかしこれに限らず、アイドル運転に適したバルブタイミングにすることができるのであれば、アイドル制御位相(「G1」)は、進角制御角度θ11よりも小さくても、または、大きくてもよい。また、パーシャル運転に適したバルブタイミングにすることができるのであれば、パーシャル制御位相(「G2」)は、進角制御角度θ11よりも小さくても、または、大きくてもよい。
これらのことによっても、バルブタイミングの制御の自由度が向上され、このバルブタイミング制御装置を適用することのできる内燃機関の拡大が図られるようになる。
・上記各実施形態では、バルブタイミングをパーシャル制御位相θ3からアイドル制御位相θ2に変化させる場合について例示した。しかしこれに限らず、内燃機関の運転状態の変化の態様として正常な態様であれば、バルブタイミングをアイドル制御位相に変化させる前の同バルブタイミングの状態は、通常運転などであってもよい。これにより、バルブタイミングの制御の自由度が向上され、このバルブタイミング制御装置を適用することのできる内燃機関の拡大が図られるようになる。
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、12…排気カムシャフト、13…VVT(可変バルブタイミング)機構、15…オイル、17…進角側油路、18…遅角側油路、19…OCV(オイルコントロールバルブ)、20…供給通路、21…排出通路、22…オイルパン、25…オイルポンプ、26…電子制御装置、27…アクセルペダル、28…アクセルポジションセンサ、29…スロットルバルブ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフローメータ、34…クランクポジションセンサ、35…カムポジションセンサ、36…油温センサ、37…油圧センサ、θ1…基準制御角度、θ2…アイドル制御位相、θ3…パーシャル制御位相、L0…バルブリフト中心、M1,M2…ガード値マップ。

Claims (8)

  1. 内燃機関により駆動されるオイルポンプから供給されるオイルを駆動源として、内燃機関の吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構を備え、内燃機関のアイドル運転時にバルブタイミングを最遅角よりも進角したアイドル位相に制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    内燃機関の運転状態がアイドル運転に変化するときに、
    前記オイルの油温が所定の温度以上であれば、前記アイドル位相と同じ位相として規定位相が設定され、
    前記オイルの油温が所定の温度よりも低ければ、前記アイドル位相よりも進角側に規定位相が設定され、
    前記バルブタイミングが前記規定位相よりも進角していれば、前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する前記制御に先立って、前記バルブタイミングを前記規定位相となるように制御する
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記オイルの油温が高いほど高いアイドル回転数から前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する
    請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記バルブタイミングは、前記アイドル位相よりも進角する位相から同アイドル位相よりも遅角する位相までの範囲で変更可能になっており、前記オイルの油温が所定の温度よりも高いとき前記アイドル位相よりも進角する位相への変更が制限される
    請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 前記アイドル回転数を、車速に基づいて推定する
    請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 前記オイルの油温が高いほど高い車速から前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する
    請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 内燃機関により駆動されるオイルポンプから供給されるオイルを駆動源として、内燃機関の吸気バルブのバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構を備え、内燃機関のアイドル運転時にバルブタイミングを最遅角よりも進角したアイドル位相に制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記オイルの油温に応じて、前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する開始時期を変化させるものであり、
    前記バルブタイミングは、前記アイドル位相よりも進角する位相から同アイドル位相よりも遅角する位相までの範囲で変更可能になっており、前記オイルの油温が所定の温度よりも高いとき前記アイドル位相よりも進角する位相への変更が制限される
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 前記オイルの油温が高いほど高いアイドル回転数から前記バルブタイミングを前記アイドル位相に制御する
    請求項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 前記内燃機関の機関停止時、前記バルブタイミングを前記アイドル位相よりも遅角した位相に固定する
    請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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