JP3972720B2 - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents

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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の吸・排気バルブのバルブ特性を可変制御する内燃機関のバルブ特性制御装置、特に内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのそれぞれに対して可変動弁機構を備え、両バルブのバルブ特性をそれぞれ個別に変更可能な内燃機関に適用して好適な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の出力や排気エミッション等の向上を目的として、バルブタイミング(開閉時期)やバルブリフト量等の吸・排気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構が知られている。特に車載用内燃機関には、例えば、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更することで、吸・排気バルブのバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構(VVT機構)等が可変動弁機構として広く採用されている。
【0003】
また、例えば特開平11−218035号公報に記載されているように、吸気側カムシャフトと排気側カムシャフトとに上記VVT機構をそれぞれ実装し、吸・排気バルブのバルブタイミングをそれぞれ個別に変更可能な、いわゆるデュアルVVTシステムを搭載した内燃機関も実用されている。
【0004】
従来、そうしたデュアルVVTシステムの搭載された内燃機関のバルブ特性制御装置では、機関運転状態に応じた最適な吸・排気バルブのバルブタイミングが各VVT機構の目標バルブタイミングとしてそれぞれ個別に算出されている。そして、各VVT機構の実バルブタイミングを各自の目標バルブタイミングにそれぞれ一致させるように、各VVT機構の駆動制御が行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなデュアルVVTシステムのバルブ特性制御装置では、上記制御を通じて、吸・排気バルブの双方を機関運転状態に応じた最適なバルブタイミングに設定することができる。しかしながら、上記従来のバルブ特性制御装置では、各VVT機構によるバルブタイミングの変更途中に、次のような不具合が生じることがあり、まだ改善の余地がある。
【0006】
内燃機関のバルブ特性制御装置における目的の一つに、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量の調整がある。バルブオーバラップ量を機関運転状態に応じて最適化することで、内部EGR量を適宜に調整して、排気エミッションを向上させることができる。
【0007】
上記従来のバルブ特性制御装置においても、機関運転状態に応じた最適なバルブオーバラップ量が得られるように、各VVT機構の目標バルブタイミングをそれぞれ適切に設定しさえすれば、最終的にはバルブオーバラップ量の最適化を図ることはできる。ただし上記従来のバルブ特性制御装置では、目標バルブタイミングを設定した後、各自の目標バルブタイミングへの各VVT機構の駆動制御が共に完了するまでは、最適なバルブオーバラップ量を得ることができず、バルブオーバラップ量の調整に関しては十分な応答性を確保することが困難となっている。そのため、特にバルブオーバラップ量の設定が排気エミッション等に与える影響が大きい運転状況においては、各VVT機構の実バルブタイミングが目標バルブタイミングと一致するまでの応答遅れの間に、排気エミッションの悪化等の不具合が発生することがあった。
【0008】
また、両VVT機構の応答速度に違いがある場合には、更に次のような問題が生じてしまう。ちなみに吸・排気双方のVVT機構が全く同一の構成であっても、多くの場合には、両VVT機構に対する駆動油圧の供給路長さ等の差違により、各VVT機構の応答速度には違いが生じてしまう。以下に、こうした応答速度の違いにより生じる問題について、図7を参照して説明する。
【0009】
図7は、上記従来のバルブ特性制御装置による吸・排気バルブのバルブタイミング制御態様の一例を示している。同図7の例では、吸気側のVVT機構の応答速度が排気側のVVT機構の応答速度よりも低い場合を示している。またここでは、同図に示される時刻Tにおける状態から、各VVT機構のバルブタイミングを現状よりも遅角側にそれぞれ変更しつつ、バルブオーバラップ量を現状よりも小さく変更するときを例として説明する。
【0010】
時刻Tにおいて、上記のようなバルブタイミングの変更を要求する目標バルブタイミングの算出がなされると、各VVT機構により両バルブのバルブタイミングがそれぞれ遅角側に変更され始める。この変更途中では、上記のような各VVT機構の応答速度の違いにより、排気バルブのバルブタイミングの変更速度が吸気バルブよりも速くなっている。そのため、バルブオーバラップ量は、時間の経過とともに変更前よりも徐々に増大していくようになる。
【0011】
そして時刻T1において、目標バルブタイミングへの排気バルブのバルブタイミングが完了すると、その後は、吸気バルブのバルブタイミングが遅角側へと変更されるのに従って、バルブオーバラップ量は徐々に減少していく。そして目標バルブタイミングへの吸気バルブのバルブタイミングの変更も完了する時刻T2になって、はじめて機関運転状態に応じたバルブオーバラップ量が確保される。
【0012】
よって、最終的には所望とするバルブオーバラップ量が確保されるとはいえ、バルブタイミングの変更途中には、最終的にバルブオーバラップ量を変更前よりも小さくしようとしているにもかかわらず、一時的にバルブオーバラップ量が変更前よりも不必要に増大した状態となっている。こうして不必要にバルブオーバラップ量が増大すれば、シリンダ内の内部EGR量が過大となり、内燃機関のHC排出量が増大してしまう。また、内部EGR量が過大になることにより燃焼温度が不適切に低下してしまったり、吸気通路側から排気通路側への吸気の吹き抜けが生じ過ぎて燃焼状態が不安定になったりしてしまう。そして、最悪の場合には、エンジンストールを誘発してしまうおそれがある。
【0013】
更に、両VVT機構の応答速度に違いがあれば、状況によっては、バルブオーバラップ量を現状よりも増大すべく各バルブのバルブタイミングを変更している途中に、バルブオーバラップ量が変更前よりも不必要に小さくなってしまう事態も同様に生じることがある。こうした場合には、シリンダ内の内部EGR量が不必要に減少してしまい、燃焼温度が不適切に上昇したり、NOx排出量が増大したりしてしまう。
【0014】
このように、機関運転状態に応じた各バルブのバルブタイミングを各VVT機構の目標バルブタイミングとして設定する従来のバルブ特性制御装置では、バルブオーバラップ量の調整に関しては、必ずしも適切なバルブ特性制御がなされていなかった。なお、VVT機構のようにカムシャフトの相対位相を変更してバルブタイミングを変更する方式の可変動弁機構以外にも、吸・排気双方に可変動弁機構を有し、吸・排気バルブのバルブ特性をそれぞれ個別に可変とするバルブ特性制御装置においては、これと概ね共通した問題が生じるおそれがある。
【0015】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸・排気側の双方に可変動弁機構を備える内燃機関において、バルブ特性の変更時の機関運転状態を好適に保持することのできる内燃機関のバルブ特性制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する
【0019】
請求項に記載の発明は、内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのいずれか一方のバルブ特性を可変とする第1の可変動弁機構と、他方のバルブ特性を可変とする第2の可変動弁機構とを備える内燃機関にあって、前記各可変動弁機構の目標制御量をそれぞれ算出し、その算出された目標制御量と実制御量とを一致させるように前記各可変動弁機構をそれぞれ駆動制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記一方のバルブについて機関運転状態に応じたバルブ特性が得られる前記第1の可変動弁機構の制御量をその目標制御量として算出するとともに、機関運転状態に応じた前記両バルブの目標バルブオーバラップ量を算出し、前記第1の可変動弁機構の実制御量と前記目標バルブオーバラップ量とに基づいて前記第2の可変動弁機構の目標制御量を算出する第1の目標算出手段と、機関運転状態に応じた前記各バルブのバルブ特性が得られる前記第1及び第2の可変動弁機構の制御量をそれらの目標制御量としてそれぞれ算出する第2の目標算出手段とを有し、前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも小さくなる機関運転状態では、前記第1の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の目標制御量を算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行い、前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも大きくなる機関運転状態では、前記第2の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の目標制御量を算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行うことをその要旨とする。
【0020】
機関運転状態に対するバルブ特性の影響として、バルブオーバラップ量が影響を与える場合と、吸・排気バルブのバルブ特性自体、例えばその開閉時期等が影響を与える場合とがある。
【0021】
同構成によれば、第1の目標算出手段により、第1の可変動弁機構の実制御量と目標バルブオーバラップ量とに基づいて第2の可変動弁機構の目標制御量が算出される。この第1の目標算出手段によって前記第2の可変動弁機構の目標制御量が算出される場合には、前記第2の可変動弁機構は目標バルブオーバラップ量を確保するべく駆動制御される。そのため、要求されるバルブオーバラップ量の確保は、前記各バルブのバルブ特性の変更が完了するまで必ずしも待つ必要はなくなり、早急バルブオーバラップ量の調整を行うことができる。更に、バルブ特性を変更している途中のバルブオーバラップ量の変化が、常に目標バルブオーバラップ量に収束する側となる。このため、バルブ特性変更中のバルブオーバラップ量の不必要な増大や減少を回避でき、バルブ特性変更時の機関運転状態をより好適に制御できる。
【0022】
一方、第2の目標算出手段では、機関運転状態に応じたバルブ特性が得られる前記第2の可変動弁機構の目標制御量が算出される。この第2の目標算出手段によって前記第2の可変動弁機構の目標制御量が算出される場合には、前記第2の可変動弁機構により可変とされるバルブのバルブ特性は、機関運転状態に応じたバルブ特性に変更される。すなわち、バルブ特性の変更に際して、機関運転状態に応じて要求される各バルブのバルブ特性を速やかに確保することができる。
【0023】
さらに、同構成では、機関運転状態がいずれの方向へのバルブオーバラップ量の変化を要求しているかに応じて、前記第1の目標算出手段及び第2の目標算出手段を切り替えるようにしている。このため、バルブ特性を変更する際の機関運転状態をより好適に制御することができるようになる。
【0026】
更に、バルブタイミングを変更している途中のバルブオーバラップ量の変化が、常に目標バルブオーバラップ量に収束する側となる。このため、前述したようなバルブタイミング変更中のバルブオーバラップ量の不必要な増大や減少を回避でき、バルブタイミング変更時の機関運転状態をより好適に制御できるようになる。
【0027】
請求項に記載の発明は、内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのいずれか一方のバルブタイミングを可変とする第1の可変動弁機構と、他方のバルブタイミングを可変とする第2の可変動弁機構とを備える内燃機関にあって、前記各可変動弁機構の目標バルブタイミングをそれぞれ算出し、その算出された目標バルブタイミングと実バルブタイミングとを一致させるように前記各可変動弁機構をそれぞれ駆動制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、機関運転状態に応じた前記一方のバルブのバルブタイミングを前記第1の可変動弁機構の目標バルブタイミングとして算出するとともに、機関運転状態に応じた目標バルブオーバラップ量を算出し、前記第1の可変動弁機構の実バルブタイミングと前記目標バルブオーバラップ量とに基づいて前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングを算出する第1の目標算出手段と、機関運転状態に応じた前記各バルブのバルブタイミングを前記第1及び第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングとしてそれぞれ算出する第2の目標算出手段とを有し、前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも小さくなる機関運転状態では、前記第1の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の駆動制御にかかる目標バルブタイミングを算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行い、前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも大きくなる機関運転状態では、前記第2の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の駆動制御にかかる目標バルブタイミングを算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行うことをその要旨とする。
【0028】
同構成によれば、第1の目標算出手段により、第1の可変動弁機構の実バルブタイミングと目標バルブオーバラップ量とに基づいて第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングが算出される。この第1の目標算出手段によって前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングが算出される場合には、前記第2の可変動弁機構は目標バルブオーバラップ量を確保するべく駆動制御される。そのため、要求されるバルブオーバラップ量の確保は、前記各バルブのバルブタイミングの変更が完了するまで、必ずしも待つ必要はなくなり、早急バルブオーバラップ量の調整を行うことができる。更に、バルブタイミングを変更している途中のバルブオーバラップ量の変化が、常に目標バルブオーバラップ量に収束する側となる。このため、バルブタイミング変更中のバルブオーバラップ量の不必要な増大や減少を回避でき、バルブタイミング変更時の機関運転状態をより好適に制御できる。
【0029】
一方、第2の目標算出手段では、機関運転状態に応じたバルブタイミングが得られる前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングが算出される。この第2の目標算出手段によって前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングが算出される場合には、前記第2の可変動弁機構により可変とされるバルブのバルブタイミングは、機関運転状態に応じたバルブタイミングに変更される。すなわち、バルブタイミングの変更に際して、機関運転状態に応じて要求される各バルブのバルブタイミングを速やかに確保することができる。
【0030】
さらに、同構成では、機関運転状態がいずれの方向へのバルブオーバラップ量の変化を要求しているかに応じて、前記第1の目標算出手段及び第2の目標算出手段を切り替えるようにしている。このため、バルブ特性、より具体的には上記バルブタイミングを変更する際の機関運転状態をより好適に制御することができるようになる。
【0033】
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記各可変動弁機構は、前記各バルブを開閉駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する相対位相を変更することで、該当バルブのバルブタイミングを可変とするものであることをその要旨とする。
【0034】
同構成によれば、吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングを確実に変更することができるようになる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
【0036】
図1は、本実施の形態にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置が適用されるガソリン機関1の概略構成を示している。
ガソリン機関1のシリンダブロック2は複数(図1には1つのみ図示)のシリンダ3を備えている。上記シリンダ3内に設けられたピストン4は、クランクシャフト5にコンロッド6を介して連結されている。このコンロッド6によりピストン4の往復運動がクランクシャフト5の回転運動へと変換されるようになっている。
【0037】
上記シリンダブロック2の上部には、シリンダヘッド7が取り付けられている。そして、上記シリンダ3においてピストン4の上端とシリンダヘッド7との間には、燃焼室8が形成されている。
【0038】
上記燃焼室8には点火プラグ11が設けられている。上記燃焼室8に対応して設けられた吸気ポート12及び排気ポート13は、それぞれ吸気通路14及び排気通路15に接続されている。また、上記燃焼室8に対応して吸気ポート12に設けられたインジェクタ16からは燃料が噴射される。
【0039】
上記燃焼室8に対応して設けられた吸気バルブ17及び排気バルブ18は、前記吸気ポート12及び排気ポート13をそれぞれ開閉する。同吸気バルブ17及び排気バルブ18は、それぞれ吸気側カムシャフト31及び排気側カムシャフト32の回転に伴い、同カムシャフト31、32に設けられたカム(図示略)が回転することによって開閉動作する。前記各カムシャフト31、32の先端に各々設けられたタイミングプーリ33、34は、タイミングベルト35を介してクランクシャフト5に駆動連結されており、クランクシャフト5が2回転すると各タイミングプーリ33、34が1回転するようになっている。そして、ガソリン機関1の運転時には、クランクシャフト5の回転力はタイミングベルト35及び各タイミングプーリ33、34を介して前記吸気側カムシャフト31及び排気側カムシャフト32に伝達される。こうして、吸気バルブ17、及び排気バルブ18はクランクシャフト5の回転に同期して、すなわち各ピストン4の往復移動に対応して所定のタイミングで開閉駆動される。
【0040】
また、クランクシャフト5に近接してクランク角センサ41が設けられている。このクランク角センサ41は、クランクシャフト5の回転位相(クランク角)を検出しており、またその検出結果に基づいてガソリン機関1(クランクシャフト5)の機関回転速度NEが検出される。また、吸気側カムシャフト31に近接してカム角センサ42aが設けられており、同カム角センサ42a及びクランク角センサ41の出力信号に基づいて吸気側カムシャフト31の回転位相(カム角)が検出される。同様に、排気側カムシャフト32に近接してカム角センサ42bが設けられており、同カム角センサ42b及びクランク角センサ41の出力信号に基づいて排気側カムシャフト32の回転位相(カム角)が検出される。
【0041】
前記点火プラグ11にはイグナイタ46から出力される高電圧が印加される。点火プラグ11の点火タイミングは、イグナイタ46からの高電圧出力タイミングにより決定される。そして、ガソリン機関1は点火プラグ11により、吸気通路14からの吸入空気とインジェクタ16から噴射される燃料とからなる混合気を燃焼室8内で爆発させて機関出力を得る。また、このときに発生する燃焼ガスは排気通路15へ排出される。
【0042】
前記吸気通路14の一部には、吸気の脈動を抑えるためのサージタンク51が設けられている。サージタンク51の上流側には、アクセルペダル52の操作に基づいて開度が変更されるスロットルバルブ53が設けられている。このスロットルバルブ53の開度を変更することにより燃焼室8内へ吸入される空気量が調節されるようになっている。スロットルバルブ53の近傍には、その開度を検出するスロットル開度センサ54と、そのスロットルバルブ53が全閉状態のときオンとなるアイドルスイッチ55が取り付けられている。また、上記スロットルバルブ53の上流側には、ガソリン機関1に吸入される吸入空気量Qaに応じた出力が得られるエアフロメータ56が設けられている。
【0043】
本実施の形態において、吸気側カムシャフト31に設けられたタイミングプーリ33には吸気側可変バルブタイミング機構(以下、IN−VVT機構という)60aが設けられている。また、排気側カムシャフト32に設けられたタイミングプーリ34には排気側可変バルブタイミング機構(以下、EX−VVT機構という)60bが設けられている。
【0044】
このIN−VVT機構60aは、クランクシャフト5に対するタイミングプーリ33と吸気側カムシャフト31との相対回転位相を油圧の作用により変更することで、吸気バルブ17の開閉タイミングを連続的に変更する機構である。また、EX−VVT機構60bは、クランクシャフト5に対するタイミングプーリ34と排気側カムシャフト32との相対回転位相を油圧の作用により変更することで、排気バルブ18の開閉タイミングを連続的に変更する機構である。このIN−VVT機構60aは、タイミングプーリ33に対し吸気側カムシャフト31の相対回転位相を進める際に油を供給するための進角側油圧通路P1aと、同相対回転位相を遅らす際に油を供給するための遅角側油圧通路P2aとを有している。同様に、EX−VVT機構60bは、タイミングプーリ34に対する排気側カムシャフト32の相対回転位相を進める際に油を供給するための進角側油圧通路P1bと、同相対回転位相を遅らす際に油を供給するための遅角側油圧通路P2bとを有している。また、オイルパン65に貯留されている油はオイルポンプ62によって吸入され、この吸入された油は同オイルポンプ62によってオイルコントロールバルブ(以下、OCVという)63a、63bに供給される。これらOCV63a、63bは、いわゆるリニアソレノイドバルブであって、内蔵された電磁ソレノイドに印加する電圧のデューティ比を変化させることにより、油の供給先、及び油の供給速度を変更することができるようになっている。このようなOCV63aに供給された油は進角側油圧通路P1a、あるいは遅角側油圧通路P2aのいずれかに供給される。同様にOCV63bに供給された油は進角側油圧通路P1b、あるいは遅角側油圧通路P2bのいずれかに供給される。こうして、各油圧通路に選択的に油が供給されることにより、クランクシャフト5に対する各カムシャフト31、32の相対回転位相が変更され、もって吸気バルブ17及び排気バルブ18のバルブタイミングが変更される。
【0045】
上記ガソリン機関1の点火時期制御、燃料噴射量制御、あるいはVVT機構の位相制御に基づくバルブタイミングの制御等の各種制御は、制御装置(以下、ECUという)80によって行われる。このECU80は中央処理制御装置(CPU)を備えるマイクロコンピュータを中心として構成されている。例えばECU80には、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)が設けられている。またECU80には、演算結果や予め記憶されたデータ等を機関停止後も保存するためのバックアップRAM、入力インターフェース、出力インターフェース等も設けられている。そして、前記クランク角センサ41、カム角センサ42a、カム角センサ42b、水温センサ43、スロットル開度センサ54、アイドルスイッチ55及びエアフロメータ56等からの出力信号が前記入力インターフェースを通じて入力されるようになっている。これら各センサ41〜43、54〜56等の出力信号により、ガソリン機関1の運転状態が検出される。
【0046】
一方、出力インターフェースは、各々対応する駆動回路等を介してインジェクタ16、イグナイタ46、OCV63a及びOCV63b等に接続されている。そして、ECU80は上記各センサ41〜43、54〜56等からの信号に基づき、ROM内に格納された制御プログラム及び初期データに従い、これらインジェクタ16、イグナイタ46、OCV63a(IN−VVT機構60a)、及びOCV63b(EX−VVT機構60b)等を好適に制御する。
【0047】
次に、本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置により行われるバルブタイミングの制御処理を、図2〜図4に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、吸気バルブ17の実バルブタイミングと目標バルブオーバラップ量とから排気バルブ18の目標バルブタイミングを算出するようにしている。具体的には、機関運転状態に応じて求められる目標バルブオーバラップ量及び吸気側カムシャフト31の実変位角に基づいて、排気側カムシャフト32の目標変位角を算出するようにしている。
【0048】
なお、前記変位角とは、タイミングプーリに対するカムシャフトの相対回転量を表す値であって、その変化角度はクランク角(°CA)に換算されている。また、この変位角は、カム角センサ42a、42b及びクランク角センサ41の出力信号に基づき、吸気側カムシャフト31の実際の変位角、及び排気側カムシャフト32の実際の変位角がそれぞれECU80によって算出される。そして、本実施の形態では、吸気側カムシャフト31の変位角について、吸気バルブ17のバルブタイミングが最大限遅角された状態のときの変位角を0°CAとしている。従って、吸気側カムシャフト31の実変位角は吸気バルブ17のバルブタイミングがその最遅角タイミングからどれだけ進角されているかを表す値となる。一方、排気側カムシャフト32の変位角については、排気バルブ18のバルブタイミングが最大限進角された状態のときの変位角を0°CAとしている。従って、排気側カムシャフト32の実変位角は排気バルブ18のバルブタイミングがその最進角タイミングからどれだけ遅角されているかを表す値となる。
【0049】
次に、図2に示す説明図を参照しながら、変位角とバルブオーバラップ量との関係を説明する。本実施の形態では、吸気側カムシャフト31の変位角及び排気側カムシャフト32の変位角がともに0°CAとなっているときのバルブオーバラップ量を初期値OV0(本実施の形態では−24°CA)という。また、排気バルブ18が閉弁して所定クランク角θCだけクランクシャフト5が回転してから吸気バルブ17が開弁する状態を、バルブオーバラップ量=−θCとしている。なお、このバルブオーバラップ量もクランク角(°CA)で表される値である。そして、吸気側カムシャフト31の実変位角がある値INRであって、排気側カムシャフト32の実変位角がある値EXRであるときの実バルブオーバラップ量OVRは、図2からもわかるように次式(1)で表すことができる。
【0050】
OVR=INR+EXR+OV0 …(1)
次に、本実施の形態おける目標バルブタイミングの算出にかかる処理手順を図3に示すフローチャートを併せ参照しながら説明する。このフローチャートに示される一連の処理はECU80によって所定時間毎の割り込みで実行される。
【0051】
本処理が開始されると、まず、クランク角センサ41の出力に基づいて算出される機関回転速度NE、エアフロメータ56の出力に基づいて算出される吸入空気量Qa、及び吸気側カムシャフト31の実変位角INRが読み込まれる(ステップS110)。ここで、実変位角INRとは、吸気側カムシャフト31の実際の変位角である。
【0052】
次に、現在の機関運転状態におけるガソリン機関1の負荷率Lが算出される(ステップS120)。この負荷率Lは、次式(2)により算出される。なお、Qwotは機関全負荷時の吸入空気量であり、予め求められた定数値である。
【0053】
L=Qa/Qwot … (2)
次に、ECU80のROM内に記憶されたマップを参照して、機関回転速度NEと負荷率Lに基づき、目標バルブオーバラップ量OVPと吸気側カムシャフト31の目標変位角INPが求められる(ステップS130)。
【0054】
次に、目標バルブオーバラップ量OVPと実変位角INRに基づき、次式(3)を用いて排気側カムシャフト32の目標変位角EXPが算出される(ステップS140)。
【0055】
EXP=OVP―(INR+OV0) …(3)
この式(3)は、前述した変位角とバルブオーバラップ量との関係式(1)において、実バルブオーバラップ量OVRを目標バルブオーバラップ量OVPとし、排気側カムシャフト32の実変位角EXRを目標変位角EXPとして、前記式(1)を変形することにより得られる式である。
【0056】
以後、ステップS110〜140の処理が所定時間毎に繰り返し実行される。そして、吸気側カムシャフト31の実変位角INRが上記処理により求められた目標変位角INPとなるようにIN−VVT機構60aが制御される。このときの同制御は、実変位角INRと目標変位角INPとの偏差に応じてOCV63aに印加される電圧のデューティ比を設定し、実変位角INRを目標変位角INPに収束させることで行われる。同様にして、EX−VVT機構60bも制御される。
【0057】
次に、上記目標バルブタイミング算出処理に基づく本実施形態のバルブ特性制御装置の動作態様を説明する。
図4(a)は、吸気バルブ17のバルブタイミングを遅角側に、排気バルブ18のバルブタイミングを進角側に変更して、両バルブ17、18のバルブオーバラップ量を減少させるようにバルブタイミング制御を行うときの制御態様の一例を示している。なお同図4において、線L1は、実変位角EXRに対応した排気バルブ18の閉弁時期(クランク角)の推移を、すなわち排気側カムシャフト32の実変位角EXRに応じた排気バルブ18の閉弁時期の推移を示している。また、線L2は、吸気バルブ17の開弁時期(クランク角)の推移をそれぞれ示している。また同図4の線L3は、目標変位角EXPに対応した排気バルブ18の閉弁時期の推移を、すなわち排気側カムシャフト32が目標変位角EXPに応じた位相にあるときの排気バルブ18の閉弁時期の推移を示している。更に、同図4の線L4は、目標変位角INPに対応した吸気バルブ17の開弁時期の推移を示している。
【0058】
時刻Tにおいて、吸気バルブ17のバルブタイミングを遅角側に、排気バルブ18のバルブタイミングを進角側にそれぞれ変更し、両バルブ17、18のバルブオーバラップ量を減少させることを最終的な目標とするバルブタイミングの変更要求がなされたものとする。このとき、上記算出処理においては、まず、そのときの実変位角INRよりも遅角側の値となるように吸気側カムシャフト31の目標変位角INPが算出され、また現状よりも低減されるように目標バルブオーバラップ量OVPが算出される。
【0059】
これとともに、その目標バルブオーバラップ量OVPと、そのときの吸気側カムシャフト31の実変位角INRとに基づいて、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPが算出される。なお、このときの吸気側カムシャフト31の実変位角INRは、その目標変位角INPよりも進角側になっている。そのため、このとき算出される排気側カムシャフト32の目標変位角EXPは、吸気側カムシャフト31の目標変位角INP及び目標バルブオーバラップ量OVPに応じた排気側カムシャフト32の変位角の最終的な制御目標よりも更に進角側の値になる。
【0060】
そして算出された目標変位角INP、EXPに基づきIN−VVT機構60a及びEX−VVT機構60bが制御されて、両カムシャフト31、32の実変位角INR、EXRが変更され始める。このときの吸気側カムシャフト31の実変位角INRは遅角側へと、排気側カムシャフト32の実変位角EXRは進角側へと変更されていく。また、吸気側カムシャフト31の実変位角INRの遅角側への変更に同期して、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPも遅角側へと変更されていく。ここで、排気側カムシャフト32の実変位角EXRがその目標変位角EXPと一致しても、吸気側カムシャフト31の位相変更が完了していなければ、排気側カムシャフト32の位相は更に変更され続けることとなる。
【0061】
こうして排気側カムシャフト32の進角側への位相変更は、時刻T1において、実変位角EXRがその目標変位角EXPと一致するまで続けられる。これにより、吸気側カムシャフト31の位相変更の完了に先立って、要求されたバルブオーバラップ量が確保されるようになる。
【0062】
そしてその後も、実変位角INRが目標変位角INPと一致する時刻T2まで、吸気側カムシャフト31の実変位角INRの遅角側への変更は継続される。一方、それに同期して排気側カムシャフト32の目標変位角EXPも遅角側に変更されるため、要求されるバルブオーバラップ量が維持され続ける。
【0063】
他方、図4(b)は、吸気バルブ17のバルブタイミングを進角側に、排気バルブ18のバルブタイミングを遅角側に変更して、両バルブ17、18のバルブオーバラップ量を増大させるようにバルブタイミング制御を行うときの制御態様の一例を示している。この場合には、時刻Tにおいて、吸気バルブ17のバルブタイミングを進角側に、排気バルブ18のバルブタイミングを遅角側にそれぞれ変更し、両バルブ17、18のバルブオーバラップ量を増大させることを最終的な目標とするバルブタイミングの変更要求がなされたものとする。このとき、上記算出処理においては、まず、そのときの実変位角INRよりも進角側の値となるように吸気側カムシャフト31の目標変位角INPが算出され、また現状よりも増大されるように目標バルブオーバラップ量OVPが算出される。
【0064】
これとともに、その目標バルブオーバラップ量OVPと、そのときの吸気側カムシャフト31の実変位角INRとに基づいて、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPが算出される。なお、このときの吸気側カムシャフト31の実変位角INRは、その目標変位角INPよりも遅角側になっている。そのため、このとき算出される排気側カムシャフト32の目標変位角EXPは、吸気側カムシャフト31の目標変位角INP及び目標バルブオーバラップ量OVPに応じた排気側カムシャフト32の変位角の最終的な制御目標よりも更に遅角側の値になる。
【0065】
そして算出された目標変位角INP、EXPに基づきIN−VVT機構60a及びEX−VVT機構60bが制御されて、両カムシャフト31、32の実変位角INR、EXRが変更され始める。このときの吸気側カムシャフト31の実変位角INRは進角側へと、排気側カムシャフト32の実変位角EXRは遅角側へと変更されていく。また、吸気側カムシャフト31の実変位角INRの進角側への変更に同期して、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPも進角側へと変更されていく。こうして排気側カムシャフト32の遅角側への位相変更は、時刻T1において、実変位角EXRがその目標変位角EXPと一致するまで続けられる。これにより、吸気側カムシャフト31の位相変更の完了に先立って、要求されたバルブオーバラップ量が確保されるようになる。
【0066】
そしてその後も、実変位角INRが目標変位角INPと一致する時刻T2まで、吸気側カムシャフト31の実変位角INRの進角側への変更は継続される。一方、それに同期して排気側カムシャフト32の目標変位角EXPも進角側に変更されるため、要求されるバルブオーバラップ量が維持され続ける。
【0067】
以上のように、上記目標バルブタイミングの算出処理によれば、吸気バルブ17のバルブタイミングの変更完了を必ずしも待たずとも、要求されるバルブオーバラップ量を確保し得るようになる。
【0068】
更に、上記目標バルブタイミングの算出処理によれば、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPが常に現状の吸気側カムシャフト31の変位角に対して要求されるバルブオーバラップ量が得られる変位角に設定される。そのため、位相変更中のバルブオーバラップ量の変化は、常に目標バルブオーバラップ量に収束する側のみになる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置によれば、次のような効果が得られるようになる。
(1)機関運転状態に基づいて求められる目標バルブオーバラップ量OVPと吸気側カムシャフト31の実変位角INRとから、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出するようにした。そのため、要求されるバルブオーバラップ量の確保に、両カムシャフト31、32の位相変更の完了を必ずしも待つ必要はなくなり、より早急なバルブオーバラップ量の調整が可能になる。
【0070】
(2)更に、位相変更途中のバルブオーバラップ量の変化が、常に目標バルブオーバラップ量に収束する側となるため、前述したようなバルブタイミング変更中のバルブオーバラップ量の不必要な増大や減少を回避でき、バルブタイミング変更中の機関運転状態をより好適に制御できる。
【0071】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態における目標バルブタイミング算出手段によって算出される排気側カムシャフト32の目標変位角EXPは、吸気側カムシャフト31の実変位角INRの変化に伴って随時変更されるものであった。この場合には、位相変更途中のバルブオーバラップ量調整の早期化は達成されるものの、排気側カムシャフト32の位相変更を完了するには常に吸気側カムシャフト31の位相変更の完了を待つ必要があり、排気バルブ18のバルブタイミング変更に遅れが生じることがある。
【0072】
一方、バルブタイミングが機関運転状態に与える影響には、バルブオーバラップ量の大きさが支配的な因子となるものと、バルブタイミング自身、すなわち吸・排気バルブの開閉時期が支配的な因子となるものとがある。例えば、バルブオーバラップ量はシリンダ内の内部EGRの量を決定する支配的な因子となる。また、バルブの開閉時期はシリンダ内に導入される気体の充填効率等を決定する支配的な因子となる。例えば、高負荷高回転領域において吸気バルブの閉弁時期を遅くすると、吸気の慣性力により、シリンダ内に導入される気体の充填効率が向上する。また、排気バルブの開閉タイミングと排気系とを好適に設定することで、排気ポート内の圧力を吸気ポート内の圧力よりも小さくすることができ、これによってもシリンダ内に導入される気体の充填効率を向上させることができる。このように、バルブタイミングの変更に際して、機関運転状態によってはバルブオーバラップ量の確保よりも最終的な目標バルブタイミングを早く確保した方が機関運転状態をより好適な状態にすることができる場合がある。
【0073】
そこで、本実施の形態では、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPの算出ロジックとして、上記第1の目標算出手段に対応した第1の算出ロジックと上記第2の目標算出手段に対応した第2の算出ロジックとの二通りのロジックを用意している。そして、それら二つの算出ロジックを機関運転状態に応じて使い分けるようにしている。
【0074】
まず、第1の算出ロジックは、第1の実施形態と同じく、目標バルブオーバラップ量OVPと吸気側カムシャフト31の実変位角INRとに基づいて排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出するものである。すなわち、この第1の算出ロジックにおいては、現状の吸気バルブ17のバルブタイミングに対して要求されるバルブオーバラップ量の得られるバルブタイミングを、排気バルブ18の目標バルブタイミングをして設定するようにしている。
【0075】
また、第2の算出ロジックは、目標バルブオーバラップ量OVPと吸気側カムシャフト31の目標変位角INPとに基づいて排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出するものである。よって、この第2の算出ロジックでは、当初から排気バルブ18のバルブタイミングの最終的な制御目標を、すなわち現状の機関運転状態に応じた排気バルブ18の最適なバルブタイミングを、目標バルブタイミングをして設定するようにしている。
【0076】
以下、本実施の形態にかかる目標バルブタイミングの算出処理の詳細を図5に示すフローチャートを併せ参照しながら説明する。このフローチャートに示される一連の処理もECU80によって所定時間毎の割り込みで実行される。
【0077】
本処理が開始されると、まず、クランク角センサ41の出力に基づいて算出される機関回転速度NE、エアフロメータ56の出力に基づいて算出される吸入空気量Qa、吸気側カムシャフト31の実変位角INR、及び排気側カムシャフト32の実変位角EXRが読み込まれる(ステップS210)。ここで、実変位角EXRは先に説明した実変位角INRと同様な値であって、排気側カムシャフト32の実際の変位角である。
【0078】
次に、現在の機関運転状態におけるガソリン機関1の負荷率Lが算出される(ステップS220)。この負荷率Lも、前記式(2)に基づいて算出される。
次に、ECU80のROM内に記憶されたマップを参照して、機関回転速度NEと負荷率Lに基づき、目標バルブオーバラップ量OVPと吸気側カムシャフト31の目標変位角INPが求められる(ステップS230)。
【0079】
次に、吸気側カムシャフト31の実変位角INR及び排気側カムシャフト32の実変位角EXRに基づき、前記式(1)を用いて実バルブオーバラップ量OVRが算出される(ステップS240)。
【0080】
次に、式(4)を用いて、実バルブオーバラップ量OVRと目標バルブオーバラップ量OVPとの偏差である、バルブオーバラップ偏差ΔOVが算出される(ステップS250)。
【0081】
ΔOV=OVR―OVP … (4)
ここで、機関運転状態の変化に対応してバルブオーバラップ量を減少させようとする場合には、目標バルブオーバラップ量OVPが実バルブオーバラップ量OVRより小さくなるため、バルブオーバラップ偏差ΔOVは正の値となる。一方、バルブオーバラップ量を増大させようとする場合には、目標バルブオーバラップ量OVPが実バルブオーバラップ量OVRより大きくなるため、バルブオーバラップ偏差ΔOVは負の値となる。このように、バルブオーバラップ偏差ΔOVの値は、目標バルブオーバラップ量OVPと実バルブオーバラップ量OVRとの差だけではなく、その符号(正、あるいは負)によりバルブオーバラップ量の変更方向についても表す値となっている。
【0082】
次に、バルブオーバラップ偏差ΔOVが判定値α以上であるか否かが判定される(ステップS260)。なお、本実施の形態では、判定値αを「−2(°CA)」としている。
【0083】
ΔOV≧判定値α … (5)
このステップS260において、バルブオーバラップ偏差ΔOVが判定値α以上であると判定される場合は(ステップS260でYES)、バルブオーバラップ偏差ΔOVが正の値であって、バルブオーバラップ量を減少させる場合、或いは同オーバーラップ量の増大量が2°CA以下となっている場合である。そしてこの場合には、目標バルブオーバラップ量OVP及び吸気側カムシャフト31の実変位角INRに基づき、前記第1の実施形態で説明した式(3)を用いて排気側カムシャフト32の目標変位角EXPが算出される(ステップS270)。
【0084】
一方、バルブオーバラップ偏差ΔOVが判定値α未満であると判定される場合は(ステップS260でNO)、バルブオーバラップ偏差ΔOVが負の方向に大きい値であって、バルブオーバラップ量を増大させる場合である。そしてこの場合には、目標バルブオーバラップ量OVP及び吸気側カムシャフト31の目標変位角INPに基づき、次式(6)を用いて排気側カムシャフト32の目標変位角EXPが算出される(ステップS280)。なお、初期値OV0は前記第1の実施形態で説明した初期値OV0と同じ値である。
【0085】
EXP=OVP―(INP+OV0) …(6)
この式(6)は、先の式(3)において実変位角INRを目標変位角INPとすることで得られる式である。
【0086】
以後、ステップS210〜280の処理が所定時間毎に繰り返し実行される。そして、前記第1の実施形態と同様に、吸気側カムシャフト31の実変位角INRが本処理により求められた目標変位角INPになるように、また、排気側カムシャフト32の実変位角EXRが本処理により求められた目標変位角EXPになるように、前記各VVT機構60a、60bが制御される。
【0087】
本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置によりバルブオーバラップ量を減少させる場合、或いはバルブオーバラップ量の増大量が2°CA以下の場合における各バルブのバルブタイミング及びバルブオーバラップ量の変化態様は、前記図4(a)に例示した変化態様と同様である。すなわち、この場合には、位相変更途中において、速やかにバルブオーバラップ量を確保することができる。例えば、ガソリン機関1が軽負荷状態になり、バルブオーバラップ量を減少させる場合には、その位相変更途中において速やかに軽負荷状態に応じた目標バルブオーバラップ量が確保される。このため、位相変更途中においてバルブオーバラップ量が過大になることはなく、燃焼の不安定化による失火等の発生を抑制することができる。なお、本実施の形態では、バルブオーバラップ量を増大させる場合であってもその増大量が2°CA以下の場合には、位相変更途中におけるバルブオーバラップ量の確保が優先される。これは、バルブオーバラップ量の増大量が少ない場合には、排気バルブ18のバルブタイミングの確保を優先しても大きな出力向上は望めないため、出力向上よりも、位相変更途中の不適切なバルブオーバラップ量の変化により生じる不具合の抑制を優先させているためである。
【0088】
一方、本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置によりバルブオーバラップ量を増大させる場合における各バルブのバルブタイミング及びバルブオーバラップ量の変化態様は図6に例示するような変化態様になる。この図6に示す各線L1〜L4も、前記の図4に示した各線L1〜L4と同一のものである。そして、本実施の形態にかかる第2の算出ロジックでは、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPは、吸気側カムシャフト31の目標変位角INPの設定と同様に、現状の機関運転状態に応じた位相変更完了時の変位角が設定される。そのため、この図6、及び先の図4(b)に示される線L1との対比によって明らかなように、排気側カムシャフト32の位相は、現状の機関運転状態に応じた位相変更完了時の変位角へより早期に収束するようになる。そのため、機関運転状態の変化に対応した排気バルブ18のバルブタイミングを速やかに確保することができる。すなわち、位相変更途中におけるバルブオーバラップ量の確保よりも、排気バルブ18のバルブタイミングの確保を優先させることができる。例えば、ガソリン機関1が高負荷状態になり、機関出力を増大させる場合には、排気ポート13内の圧力を吸気ポート12内の圧力よりも小さくするのに最適な排気バルブ18のバルブタイミングが速やかに確保され、気筒の充填効率を向上させることができる。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置によれば、次のような効果が得られるようになる。
(1)排気側カムシャフト32の目標変位角EXPの算出手段を機関運転状態に応じて、より厳密には、機関運転状態がいずれの方向へのバルブオーバラップ量の変化を要求しているかに応じて、切り替えるようにしている。このため、バルブタイミングを変更する際の機関運転状態をより好適に制御することができるようになる。
【0090】
(その他の実施形態)
なお、前記各実施形態は以下のように変更してもよく、その場合でも各実施形態に準じた作用及び効果を得ることができる。
【0091】
・前記第1の実施形態において、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを機関運転状態から求めるとともに、目標バルブオーバラップ量OVP及び排気側カムシャフト32の実変位角EXRに基づいて、吸気側カムシャフト31の目標変位角INPを算出するようにしてもよい。また、前記第2の実施形態において、排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを機関運転状態から求めるとともに、目標バルブオーバラップ量OVP及び排気側カムシャフト32の目標変位角EXPに基づいて、吸気側カムシャフト31の目標変位角INPを算出するようにしてもよい。これらの場合にも、上記各実施形態に準ずる効果を得ることができる。
【0092】
・上記各実施形態では、吸気バルブ17、及び排気バルブ18のバルブタイミングを表す値として変位角を用いた。しかしながら、これは一例であって、各バルブ17、18のバルブタイミングを表す他のパラメータを用いてもよい。
【0093】
・前記第2の実施形態では、判定値αの値を「−2°CA」としたが何らこの値に限定するものではなく、この値は第1及び第2の算出手段の切り替えを機関運転状態に応じて好適に実施できるように設定すればよい。
【0094】
・前記第2の実施形態において、バルブオーバラップ偏差ΔOVが判定値α未満であるときには第1の算出ロジックにより排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出する。一方、同バルブオーバラップ偏差ΔOVが判定値α以上であるときには第2の算出ロジックにより排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出するようにしてもよい。この場合には、バルブオーバラップ量を増大させる際に位相変更途中におけるバルブオーバラップ量を確保することができるため、例えば内部EGR量を早い時期に増量させることができ、もってNOxの低減が速やかに行われるようになる。一方、バルブオーバラップ量を減少させる際には、バルブタイミングを速やかに確保することができる。
【0095】
・前記第2の実施形態において、機関運転状態がバルブオーバラップ量の影響を受けやすい運転領域にあるときには第1の算出ロジックにより排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出する。一方、機関運転状態が前記各バルブの開閉時期の影響を受けやすい運転領域にあるときには第2の算出ロジックにより排気側カムシャフト32の目標変位角EXPを算出するようにしてもよい。この場合には、機関運転状態に応じた最適な態様で、吸気側カムシャフト31及び排気側カムシャフト32の位相変更を行うことができるようになる。
【0096】
・上記各実施形態における可変動弁機構によって可変とされるバルブ特性は、吸気バルブ及び排気バルブの開閉時期であった。しかしながら、本発明にかかるバルブ特性制御装置の適用対象となるものは、このような可変動弁機構に何ら限定するものではない。例えば、前記各バルブのリフト量と開閉時期とを可変とする可変動弁機構にも適用可能である。また、各バルブのリフト量のみを可変とし、それらの開閉時期は変化させない可変動弁機構でも、リフト量が変化することで内部EGR量等は変化するため、前述したような問題の生じるおそれはある。この場合には、上述したバルブ特性に相当する値、例えば各バルブのリフト量等と、バルブオーバラップ量に相当する値、例えばリフト量及び各バルブの開閉時期とから推定されるバルブオーバラップ量等を用い、上記の各実施形態に準じた制御処理を行うことによって、上記各実施形態に準ずる効果を得ることができる。
【0097】
・上記各実施形態では、ガソリン機関1に本発明にかかるバルブ特性制御装置を適用した。しかしながら、適用対象となる内燃機関はこのガソリン機関1に何ら限定するものではない。要するに、吸気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構と、排気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構とを備える内燃機関であれば、上記各実施形態にかかるバルブ特性制御装置は適用可能である。そして、この場合にも上記各実施形態に準ずる効果を得ることができる。
【0098】
その他、上記実施形態あるいはその変更例から把握することができる技術思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのいずれか一方のバルブタイミングを可変とする第1の可変動弁機構と、他方のバルブタイミングを可変とする第2の可変動弁機構とを備える内燃機関にあって、前記各可変動弁機構の目標バルブタイミングをそれぞれ算出し、その算出された目標バルブタイミングと実バルブタイミングとを一致させるように前記各可変動弁機構をそれぞれ駆動制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、機関運転状態に応じた前記一方のバルブのバルブタイミングを前記第1の可変動弁機構の目標バルブタイミングとして算出するとともに、機関運転状態に応じた目標バルブオーバラップ量を算出し、前記第1の可変動弁機構の実バルブタイミングと前記目標バルブオーバラップ量とに基づいて前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングを算出する第1の目標算出手段と、機関運転状態に応じた前記各バルブのバルブタイミングを前記第1及び第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングとしてそれぞれ算出する第2の目標算出手段とを有し、前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも大きくなる機関運転状態では前記第1の目標算出手段を用い、前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも小さくなる機関運転状態では前記第2の目標算出手段を用いて、前記各可変動弁機構の駆動制御にかかる目標バルブタイミングを算出することを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0099】
上記構成によれば、バルブオーバラップ量を増大させる際に、位相変更途中のバルブオーバラップ量を確保することができる。一方、バルブオーバラップ量を減少させる際には、バルブタイミングを速やかに確保することができるようになる。
【0100】
(ロ)内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのいずれか一方のバルブタイミングを可変とする第1の可変動弁機構と、他方のバルブタイミングを可変とする第2の可変動弁機構とを備える内燃機関にあって、前記各可変動弁機構の目標バルブタイミングをそれぞれ算出し、その算出された目標バルブタイミングと実バルブタイミングとを一致させるように前記各可変動弁機構をそれぞれ駆動制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、機関運転状態に応じた前記一方のバルブのバルブタイミングを前記第1の可変動弁機構の目標バルブタイミングとして算出するとともに、機関運転状態に応じた目標バルブオーバラップ量を算出し、前記第1の可変動弁機構の実バルブタイミングと前記目標バルブオーバラップ量とに基づいて前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングを算出する第1の目標算出手段と、機関運転状態に応じた前記各バルブのバルブタイミングを前記第1及び第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングとしてそれぞれ算出する第2の目標算出手段とを有し、機関運転状態がバルブオーバラップ量の影響を受けやすい運転領域にあるときには前記第1の目標算出手段を用い、機関運転状態が前記各バルブの開閉時期の影響を受けやすい運転領域にあるときには前記第2の目標算出手段を用いて、前記各可変動弁機構の駆動制御にかかる目標バルブタイミングを算出することを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0101】
上記構成によれば、機関運転状態がバルブオーバラップ量の影響を受けやすい運転領域にあるときには、位相変更途中のバルブオーバラップ量を確保することができる。一方、機関運転状態が前記各バルブの開閉時期の影響を受けやすい運転領域にあるときには、機関運転状態に応じた各バルブの開閉時期を速やかに確保することができるようになる。すなわち、機関運転状態に応じた最適な態様で、吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングを変更することができるようになり、バルブタイミングを変更する際の機関運転状態を好適に制御することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置が適用されるガソリン機関1の概略構成図。
【図2】吸気バルブ及び排気バルブの各変位角とバルブオーバラップ量との関係を示す図。
【図3】第1の実施形態における目標バルブタイミングの算出にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図4】第1の実施形態にかかるバルブ特性制御装置による吸・排気バルブのバルブタイミング制御態様の一例を示す図。
【図5】第2の実施形態における目標バルブタイミングの算出にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態にかかるバルブ特性制御装置の第2の算出ロジックによる吸・排気バルブのバルブタイミング制御態様の一例を示す図。
【図7】従来のバルブ特性制御装置による吸・排気バルブのバルブタイミング制御態様の一例を示す図。
【符号の説明】
1…ガソリン機関、2…シリンダブロック、3…シリンダ、4…ピストン、5…クランクシャフト、6…コンロッド、7…シリンダヘッド、8…燃焼室、11…点火プラグ、12…吸気ポート、13…排気ポート、14…吸気通路、15…排気通路、16…インジェクタ、17…吸気バルブ、18…排気バルブ、31…吸気側カムシャフト、32…排気側カムシャフト、33、34…タイミングプーリ、35…タイミングベルト、41…クランク角センサ、42a、42b…カム角センサ、43…水温センサ、46…イグナイタ、51…サージタンク、52…アクセルペダル、53…スロットルバルブ、54…スロットル開度センサ、55…アイドルスイッチ、56…エアフロメータ、60a…吸気側可変バルブタイミング機構(IN−VVT機構)、60b…排気側可変バルブタイミング機構(EX−VVT機構)、62…オイルポンプ、63a、63b…オイルコントロールバルブ(OCV)、65…オイルパン、80……制御装置(ECU)、P1a、P1b…進角側油圧通路、P2a、P2b…遅角側油圧通路。

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのいずれか一方のバルブ特性を可変とする第1の可変動弁機構と、他方のバルブ特性を可変とする第2の可変動弁機構とを備える内燃機関にあって、前記各可変動弁機構の目標制御量をそれぞれ算出し、その算出された目標制御量と実制御量とを一致させるように前記各可変動弁機構をそれぞれ駆動制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記一方のバルブについて機関運転状態に応じたバルブ特性が得られる前記第1の可変動弁機構の制御量をその目標制御量として算出するとともに、機関運転状態に応じた前記両バルブの目標バルブオーバラップ量を算出し、前記第1の可変動弁機構の実制御量と前記目標バルブオーバラップ量とに基づいて前記第2の可変動弁機構の目標制御量を算出する第1の目標算出手段と、
    機関運転状態に応じた前記各バルブのバルブ特性が得られる前記第1及び第2の可変動弁機構の制御量をそれらの目標制御量としてそれぞれ算出する第2の目標算出手段とを有し、
    前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも小さくなる機関運転状態では、前記第1の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の目標制御量を算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行い、
    前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも大きくなる機関運転状態では、前記第2の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の目標制御量を算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行う
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  2. 内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブのいずれか一方のバルブタイミングを可変とする第1の可変動弁機構と、他方のバルブタイミングを可変とする第2の可変動弁機構とを備える内燃機関にあって、前記各可変動弁機構の目標バルブタイミングをそれぞれ算出し、その算出された目標バルブタイミングと実バルブタイミングとを一致させるように前記各可変動弁機構をそれぞれ駆動制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    機関運転状態に応じた前記一方のバルブのバルブタイミングを前記第1の可変動弁機構の目標バルブタイミングとして算出するとともに、機関運転状態に応じた目標バルブオーバラップ量を算出し、前記第1の可変動弁機構の実バルブタイミングと前記目標バルブオーバラップ量とに基づいて前記第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングを算出する第1の目標算出手段と、
    機関運転状態に応じた前記各バルブのバルブタイミングを前記第1及び第2の可変動弁機構の目標バルブタイミングとしてそれぞれ算出する第2の目標算出手段とを有し、
    前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも小さくなる機関運転状態では、前記第1の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の駆動制御にかかる目標バルブタイミングを算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行い、
    前記目標バルブオーバラップ量がその現状値よりも大きくなる機関運転状態では、前記第2の目標算出手段を用いて前記各可変動弁機構の駆動制御にかかる目標バルブタイミングを算出して前記各可変動弁機構の駆動制御を行う
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  3. 前記各可変動弁機構は、前記各バルブを開閉駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する相対位相を変更することで、該当バルブのバルブタイミングを可変とするものである
    請求項1または2に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。
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