JP3577929B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバルブの開閉特性を可変制御するバルブ特性制御装置を有する内燃機関、特に吸気バルブと排気バルブの両方のバルブ特性制御装置を有する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸気バルブと排気バルブのそれぞれについて、その開閉特性を制御するバルブ特性制御装置を備えオーバーラップを変更するようにした内燃機関が公知である(特開平9−79056号公報参照)。
ところで、排気バルブと吸気バルブが共に開弁しているオーバーラップ期間を増大すると体積効率が向上するのでオーバーラップの増大は出力の要求度が高い負荷が増大された場合である。ところが、この様に負荷が高められた場合は他の制御パラメータ、例えば、燃料量も増量され出力を高めようとする。それに、オーバーラップの増大による体積効率の向上が重なると出力が急激に増大することになりショックを生じるおそれがある。
【0003】
特に、上記公報の装置のように吸気バルブと排気バルブのそれぞれについて、バルブ特性制御装置を備えた場合には、オーバーラップを大きくすることが多く上記の問題に配慮が必要である。しかしながら、上記の問題に配慮したものはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、吸気バルブと排気バルブのそれぞれについて、バルブ特性制御装置を備えた内燃機関においてオーバーラップを増大するときにショックが発生しないようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、運転負荷を検出する運転負荷検出手段と、
運転負荷に応じて設定された吸気バルブと排気バルブの目標開閉タイミングを記憶する目標バルブ開閉タイミング記憶手段と、
吸気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように吸気バルブの開閉タイミングを調整する吸気バルブ特性制御装置と、
排気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように排気バルブの開閉タイミングを調整する排気バルブ特性制御装置とを備え、
目標バルブ開閉タイミング記憶手段が記憶している目標開閉タイミングは、
第1段階の軽負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが遅れ側の吸気第1タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第2段階の中負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第3段階の高負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが遅れ側の排気第2タイミングであって、
負荷が1段階のみ増大された場合には、吸気バルブまたは排気バルブのいずれか一方の開閉タイミングのみ変更し、
負荷が軽負荷から高負荷に急激に増大される場合は、吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第1タイミングから吸気第2タイミングへの変更が全変更量に対して所定の割合に達した後に、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第1タイミングから排気第2タイミングへ変更を開始するようにされた内燃機関が提供される。
【0008】
この様に構成された内燃機関では、負荷が軽負荷から高負荷に急激に増大される場合は、吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第1タイミングから吸気第2タイミングへの変更が全変更量に対して所定の割合に達した後に、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第1タイミングから排気第2タイミングへ変更を開始され、吸気バルブの開閉タイミングと排気バルブの開閉タイミングの同時変更が回避されオーバーラップが急増しない。
【0009】
請求項2の発明によれば、運転負荷を検出する運転負荷検出手段と、
運転負荷に応じて設定された吸気バルブと排気バルブの目標開閉タイミングを記憶する目標バルブ開閉タイミング記憶手段と、
吸気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように吸気バルブの開閉タイミングを調整する吸気バルブ特性制御装置と、
排気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように排気バルブの開閉タイミングを調整する排気バルブ特性制御装置とを備え、
目標バルブ開閉タイミング記憶手段が記憶している目標開閉タイミングは、
第1段階の軽負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが遅れ側の吸気第1タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第2段階の中負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第3段階の高負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが遅れ側の排気第2タイミングであって、
負荷が1段階のみ増大された場合には、吸気バルブまたは排気バルブのいずれか一方の開閉タイミングのみ変更し、
負荷が高負荷から軽負荷に急激に減少される場合は、吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第2タイミングから吸気第1タイミングへの変更と、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第2タイミングから排気第1タイミングへの変更とを同時に開始するようにされた内燃機関が提供される。
【0010】
この様に構成された内燃機関では、負荷が高負荷から軽負荷に急激に減少される場合は、吸気バルブの開閉タイミングと、排気バルブの開閉タイミングが同時にオーバーラップ無しになるように変更され、負荷の急減による燃焼の不安定化が抑制される。
【0011】
請求項3の発明によれば、運転負荷を検出する運転負荷検出手段と、
運転負荷に応じて設定された吸気バルブと排気バルブの目標開閉タイミングを記憶する目標バルブ開閉タイミング記憶手段と、
吸気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように吸気バルブの開閉タイミングを調整する吸気バルブ特性制御装置と、
排気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように排気バルブの開閉タイミングを調整する排気バルブ特性制御装置とを備え、
目標バルブ開閉タイミング記憶手段が記憶している目標開閉タイミングは、
第1段階の軽負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが遅れ側の吸気第1タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第2段階の中負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第3段階の高負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが遅れ側の排気第2タイミングであって、
負荷が1段階のみ増大された場合には、吸気バルブまたは排気バルブのいずれか一方の開閉タイミングのみ変更し、
負荷が高負荷から中負荷に減少された場合に、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第2タイミングから排気第1タイミングへの変更に加えて、
吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第2タイミングから吸気第1タイミングへの変更を同時におこない、その後、吸気バルブ特性制御装置により吸気バルブの開閉タイミングを吸気第1タイミングから吸気第2タイミングへ変更するようにされた内燃機関が提供される。
【0012】
この様に構成された内燃機関では、負荷が高負荷から中負荷に減少された場合に吸気バルブの開閉タイミングと、排気バルブの開閉タイミングが同時にオーバーラップ無しに一旦戻され、その後、吸気バルブの開閉タイミングが変更されるので、負荷の減少による燃焼の不安定化が抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の全体の構造を示す図である。
エンジン1の吸気ポート(図示せず)には、吸気管2、サージタンク3、吸気マニホールド4を介して吸入空気が供給される。吸気管2にはエアクリーナ5とエアフローメータ211と電子スロットル251が配設されている。吸気マニホールド4には各気筒毎に燃料噴射弁252が取り付けられている。
【0016】
電子スロットル251は、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み量に応じてスロットル開度を変化せしめるが、また、スロットル開度センサとしての機能も有する。
【0017】
一方、エンジン1の排気ポート(図示しない)には排気マニホールド6が取り付けられている。ここで、このエンジンの点火の順序は#1気筒→#3気筒→#4気筒→#2気筒の順であるが、これに対して、図示される様に、排気マニホールド6は、#1気筒と#4気筒が、#2気筒と#3気筒が、それぞれ等長的に一旦集合され、それがさらに1本に集合されている。そして、オーバーラップ期間中に排気ポートが負圧になるよう長さが最適にされている。
【0018】
排気マニホールド6の下流に接続された排気管7内には触媒8が配設されている。触媒8の上流には空燃比センサ215が配設されていて、空燃比センサ215の信号をもとに、触媒8が最適に浄化作用をおこなうように燃料噴射弁252の燃料噴射量がフィードバック制御される。また、エンジン1の各気筒に対してイグナイタ一体式の点火栓253が配設されている。
【0019】
また、エンジン1には、特に、本発明に係わるものとして、前述した、エアフローメータ211の他に、クランクシャフトの角度位置を検出するクランクポジションセンサ212、エンジンの冷却水温を検出する水温センサ213、吸気カムシャフト50、排気カムシャフト50’の位相を検出するカム角センサ214、214’等のセンサが配設されていて、これらのセンサからの信号は電子制御ユニット(ECU)200に送られる。
【0020】
エアフローメータ211は負荷としての吸気管通過空気量に応じた信号電圧を発生する。
クランクポジションセンサ212は構造の詳細は省略するが、例えば、クランクシャフトに取り付けられた信号発生円板の突起に近接して電磁ピックアップが配され、この電磁ピックアップが突起が通過する毎に信号電圧を発生する。信号発生円板の突起は10°毎に設けられているが、2つ欠歯しているので34個ある。欠歯箇所は例えば1番気筒の上死点に対して所定の角度位置に設けられているので、欠歯箇所が発した信号から上死点を正確に求めるもとができる。そして、10°おきに発生される信号はさらに分周され計測時点の上死点からのクランク角度を精確にもとめることができる。
【0021】
エンジン水温センサ213はエンジン1の冷却水温TWに対応した信号を発生する。
吸気カム角センサ214と排気カム角センサ214’は、カムシャフトの適切な場所に設けられた信号発生突起に近接して電磁ピックアップが突起が通過する毎に信号電圧を発生するというものである。この突起は、カムシャフトの1回転につき1回、すなわちクランクシャフト2回転につき1回信号を発生する。この突起は、例えば、第1気筒のカム山の最大リフト時に信号を発生する様に設けられている。
【0022】
ECU200は相互に連結された入力インターフェイス210、中央演算処理装置(CPU)220、ランダムアクセスメモリ(RAM)230、リードオンリメモリ(ROM)240、出力インターフェイス250から成るデジタルコンピュータである。
ECU200のCPU220は、入力インターフェイス210に入力された各センサの信号、ROM240に記憶されたデータ等、から後述する本発明にかかわる演算をおこない出力インターフェイス250を介して、電子スロットル251、点火栓253や後述のバルブ特性制御装置100、100’に出力して本発明の制御を実行するが、その他、空燃比のフィードバック制御、点火時期の制御等をおこなう。
【0023】
そして、吸気バルブ(図示しない)の開弁期間の位相、および、排気バルブ(図示しない)の開弁期間の位相を変えてオーバーラップ期間を変更するために、同じ構造のベーンタイプのバルブ特性制御装置100と100’が、吸気カムシャフト50、排気カムシャフト50’に取り付けられている。
そこで、以下、吸気カムシャフト50に取り付けられたバルブ特性制御装置100を例にして説明する。
【0024】
なお、同じ番号で“’”が付されたのは排気用のものである。
【0025】
図2は吸気カムシャフト50に取り付けられたこのベーンタイプのバルブ特性制御装置100を吸気カムシャフト50の中心軸線Xを通る平面で切った断面図である。
図2を参照すると、クランクシャフト(図示しない)によりチェーン(図示しない)を介して1/2の回転比で駆動されるギア10に、ギア10と共働して進角油室110と遅角油室120を形成するハウジング20とサイドカバ−30がB1(4本の内1本のみ図示)により固定されている。ハウジング20の内側にはロータ40が所定角度回動自在に配設されている。ロータ40は吸気カムシャフト50にボルトB2で固定されている。
【0026】
図3はサイドカバー30とボルトB1、ボルトB2を除去した状態でバルブ特性制御装置1を軸端側(図1の左側)から見た図である。
図3に示されるようにハウジング20は外周部21と4つの内側突起部22からなる。内側突起部22の内周側にはシール部材23が配設されている。24はボルトB1が通る穴である。図2においては、ハウジング20は吸気カムシャフト50の中心軸線Xよりも上側では外周部21と内側突起部22が一体でシール部材23と共に示され、吸気カムシャフト50の中心軸線Xよりも下側ではハウジング20は外周部21が示されており、破線20aは外周部21と内側突起部22の境目である。
【0027】
また、図3に示されるように、ロータ40はボス41とそこから放射状に外側に突き出た4つのベーン42から成る。各ベーン40の外周側にはシール部材43が配設されている。図2においては、ロータ40は、吸気カムシャフト50の中心軸線Xよりも上側ではボス41のみが示され、吸気カムシャフト50の中心軸線Xよりも下側ではボス41とベーン42が一体でシール部材43と共に示されており、破線40aはボス41とベーン42の境目である。
【0028】
ロータ40のボス41には進角時にカムシャフト内進角油路55を通って来た作動油をボス41の中央部のボルトB2の周りに形成される中央油室44に導く2本の傾斜油路45と、中央油室44から、ロータ40のベーン42とハウジング20の内側突起部22の間に形成される、進角油室110に作動油を導入する4本の分配油路46が形成されている。
【0029】
図2に戻り吸気カムシャフト50に注目すると、吸気カムシャフト50は外側フランジ51と内側フランジ52の間で、半割りの上側メタルベアリング60A、下側メタルベアリング60Bを介して、シリンダヘッド70とカムキャップ80により回転自在に支持されている。そして、外側フランジ51と内側フランジ52の間で、内側フランジ52に近い方に環状進角油路53が、外側フランジ52に近い方に環状遅角油路54が形成されている。
【0030】
環状進角油路53は中心軸線Xに平行に形成されたカムシャフト内進角油路55と短い油路55aを介して連通している。そしてカムシャフト内進角油路55はロータ40の傾斜油路45に連通している。
環状遅角油路54は中心軸線Xに平行に形成されたカムシャフト内遅角油路56と短い油路56aを介して連通している。カムシャフト内進角油路56は外側フランジ51よりも軸端側に設けられている軸端側環状遅角油路57に連通している。
【0031】
軸端側環状遅角油路57は、ギヤ10の内周側に設けられたギヤ内環状油路11とギヤ内分配油路12を介して、遅角油室120に連通している。
【0032】
一方、シリンダヘッド70には各油室への作動油の供給を制御するオイルコントロールバルブ90が嵌入されている。
図4にオイルコントロールバルブ90の詳細を示す。図4に示されているようにオイルコントロールバルブ90はスリーブ91内で電磁ソレノイド92のプランジャ93とスプリング94によってスプール弁95を移動して作動油の流れ方向を切り換える。
【0033】
スリーブ91は進角ポート91a、遅角ポート91b、供給ポート91c、ドレインポート91d、91eを有している。一方、スプール弁95は、4つのランド95a、95b、95c、95dと、3つの溝通路95e、95e、95fを有する。
そして電磁ソレノイド92は電子コントロールユニット(以下ECU)200からの信号によりデューテイ制御で励磁されるがそのデューティ比を変えることによりスプール弁95の位置が変化させて作動油の進角油室110、遅角油室120への給排を制御する。
【0034】
例えば、デューティ比100%で励磁されるとスプール弁95は最も左側まで移動し進角ポート91aは全開で供給ポート91cと連通され、遅角ポート91bが全開でドレインポート91eと連通され、バルブ特性制御装置100の進角油室110に向けて作動油が最大能力で供給され、遅角油室120から作動油が最大能力で排出され、吸気カムシャフト50はクランクシャフトに対して最大速度で進角方向に移動する。
【0035】
また、デューテイ比0%(励磁されない)の場合は、スプール弁95は最も右側まで移動し供給ポート91cと遅角ポート91bが全開で連通され、進角ポート91aがドレインポート91dと全開で連通され、バルブ特性制御装置100の遅角油室120に向けて作動油が最大能力で供給され、進角油室110から作動油が最大能力で排出され、吸気カムシャフト50はクランクシャフトに対して最大速度で遅角方向に移動する。
【0036】
図4はこの供給ポート91cと遅角ポート91bが全開で連通された状態を示している。
【0037】
一方、エンジン1は前述のように吸気カムシャフト50のクランクシャフトに対する位相差を検出する吸気カム角センサ214を有していて(図1参照)、吸気カムシャフト50のクランクシャフトに対する位相差が予め定めた位相差になると、電磁ソレノイド92は中間のデューテイ比で励磁されスプール弁95はランド95a、95b、95c、95dによって、進角ポート91aと供給ポート91c、ドレインポート91dとの連通をそれぞれ遮断し、遅角ポート91bと供給ポート91c、ドレインポート91dとの連通をそれぞれ遮断する位置で停止し、吸気カムシャフト50はクランクシャフトに対してその位相差を保つ。
【0038】
図2において、71で示されるのはオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aと吸気カムシャフト50に形成された環状進角油路53を連通するためのシリンダヘッド内進角油路である。また、72で示されるのはオイルコントロールバルブ90の遅角ポート91bと吸気カムシャフト50に形成された環状遅角油路54を連通するためのシリンダヘッド内遅角油路である。
【0039】
同じく、図2において73で示されるのはオイルコントロールバルブ90の供給ポート91cとオイルポンプ(図示しない)を連通するための供給油路であり、74で示されるのはオイルコントロールバルブ90のドレーンポート91d、91eとオイルパンを連通するためのドレーン油路である。
【0040】
図5は図2の4−4線に沿って見た断面図であって、環状進角油路53とシリンダヘッド内進角油路71との連通、および、環状遅角油路54とシリンダヘッド内遅角油路72との連通を示している。
図4に示されるように、シリンダヘッド内進角油路71はオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aからカムキャップ80に向かって上方に延伸しシリンダヘッド70の上面76に突き抜けている。
【0041】
このシリンダヘッド内進角油路71と上側ベアリングメタル60Aの外側を結ぶようにカムキャップ80の下面81に溝82が形成されている。一方、上側ベアリングメタル60Aには穴61が形成されていて、穴61の径は環状進角油路53の幅よりも大きく設定されている。そして、この穴61とカムキャップ80の下面81に溝82を連通するように傾斜油路83が形成されている。
【0042】
一方、シリンダヘッド内遅角油路72はオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aからカムキャップ80に向かって上方に延伸するが途中で斜めに曲がって下側ベアリングメタル60Bの外側の開口72aに達している。
上記の開口72aの径よりも幅の大きな断面三日月状の溝78が、この開口72aから軸端方向に向かって、下側ベアリングメタル60Bを受けるシリンダヘッド70に形成されている。
【0043】
一方、下側ベアリングメタル60Bには、そのフランジ部60Fが立ち上がる角部に切り欠き62が形成されている。切り欠きを軸方向から見た大きさは少なくとも溝78の三日月状の断面よりも大きく、切り欠きを軸に直角な方向から見た時の幅は、この部分に内接する吸気カムシャフト50の環状遅角油路54の幅よりも大きい。
【0044】
したがって、進角用の作動油はオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aから、シリンダヘッド内油路71、カムキャップ80の溝82、傾斜油路83、上側ベアリングメタル60Aの穴61を通って、吸気カムシャフト50の環状進角油路53に達する。環状進角油路53からは短い連絡油路55aを通ってカムシャフト内進角油路55に入って軸端方向に進み、ロータ40の傾斜油路45を通って中央油室44に達し、そこから分配油路46を通って各進角油室110に分配される。
【0045】
また、遅角用の作動油はオイルコントロールバルブ90の遅角ポート91bからシリンダヘッド内油路72から、断面三日月状の溝78と下側ベアリングメタル60Bの背面の間に形成される油路79に入って軸端方向に進み、下側ベアリングメタル60Bの軸端のフランジ部60Fが立ち上がる角部に形成された切り欠き62を通って吸気カムシャフト50の環状遅角油路54に達する。環状遅角油路54からは短い連絡油路56aを通ってカムシャフト内遅角油路56に入って軸端方向に進み、短い連絡油路56bを通って軸端側環状遅角油路57に達する。そこからは、軸端側環状遅角油路57に対向してギヤ10に形成された環状油路11を経て傾斜分配油路12に入り、各遅角油室120に分配される。
【0046】
次に、排気マニホールド6の長さの最適化について説明する。前述したように、このエンジンは排気マニホールド6の長さが最適にされてオーバーラップの期間に排気ポートの圧力Peが負圧になるようにされている。
したがって、スロットル開度が大きくなると排気ポートの圧力よりも吸気ポートPiの圧力が高くなり吸気が排気ポートへ吹き抜ける。図6はその説明図である。
【0047】
以下、上記の様に構成された、本発明の実施の形態における制御について説明する。
この制御は、図7に示すように負荷に応じてオーバーラップの量が設定されていて、負荷の変化にともないオーバーラップの量を変える時にショックが発生しないようにするものである。
【0048】
図8はオーバーラップ無し、中、大の時の吸気カム50および排気カム50’の位相を示したものであって、以下のように設定されている。
<オーバーラップ量が無しの場合>
吸気カム50の位相 :遅れ側のINRET
排気カム50’の位相:進み側のEXADV
<オーバーラップ量が中の場合>
吸気カム50の位相 :進み側のINADV
排気カム50’の位相:進み側のEXADV
<オーバーラップ量が大の場合>
吸気カム50の位相 :進み側のINRET
排気カム50’の位相:進み側のEXADV
【0049】
図9はオーバーラップ無し、中、大の時の排気バルブと吸気バルブの開き始め位置と開き終わり(閉じ)位置の例を示したものであって、
(a)はオーバーラップ無しの場合、
(b)はオーバーラップ中の場合、
(c)はオーバーラップ大の場合である。
【0050】
図10〜図13が制御を実行するためのフローチャートである。
図10のステップ101から106までは、各パラメータを読み込むステップである。ステップ107では負荷、例えばスロットル開度THA、の今回の値と、前回の値を比較することによって、加速(一定速を含む)か、減速かを判定し、加速の場合は図11のステップ108に進み、減速の場合は図12のステップ119に進む。
【0051】
先ず、加速と判定された場合について説明する。加速には次の様なケースが想定される。
(1)図7のオーバーラップ無し(軽負荷)の領域からオーバーラップ大(高負荷)の領域への急加速。
(2)図7のオーバーラップ無し(軽負荷)の領域からオーバーラップ中(中負荷)の領域への加速。
(3)図7のオーバーラップ中(中負荷)の領域からオーバーラップ大(高負荷)の領域への加速。
(4)各領域内での小さな加速。
【0052】
本実施例では、上記の各ケースの内、(4)のケースはオーバーラップの変更の必要がないので何もしないようにする。(1)〜(3)のケースの内、(1)のケースは本発明の特徴としてショックをさけるために吸気カムシャフト50の位相変更が要求される位相変更量に対して予め定めた割合に達してから排気カムシャフト50’の位相変更してからおこなう。
【0053】
ステップ108の判定は吸気カムシャフト50の現在の位相INACTがマップから求めた目標値INMAPに一致していないか否かの判定であるので、図8より、上記(1)、(2)のケースでは肯定判定され、(3)、(4)のケースでは否定判定される。
(1)、(2)のケースでは、上記のようにステップ108で肯定判定された後、ステップ110、111において吸気カムシャフト50のセット値(指令値)INSETをオーバーラップ大にするための値INRETにしてステップ112に進む。
【0054】
ステップ112では排気カムシャフト50’の現在の位相EXACTがマップから求めた目標値EXMAPに一致していないか否かの判定をおこなう。
(2)のケースでは排気カムシャフト50’の位相は変わらないから否定判定されそのままリターンする。
(1)のケースでは肯定判定されステップ113に進む。
【0055】
ステップ113では吸気カムシャフト50の位相変更が要求される位相変更量に対して予め定めた割合に達していないか否かを判定する。
ステップ113で肯定判定された場合はステップ114で排気カムシャフト50’の位相のセット値を現在の値にして、すなわちマップから求めた目標値EXMAPにするのを中止して、リターンする。
【0056】
やがて、吸気カムシャフト50の位相変更が要求される位相変更量に対して予め定めた割合に達すると、ステップ113で否定判定される。
吸気カムシャフト50の位相変更が要求される位相変更量に対して予め定めた割合に達すると排気カムシャフト50’の位相のセット値をマップから求めた目標値EXMAPにするが、その前にステップ115、116で噴射時期の変更を完了せしめる。この噴射時期の変更については後述する。
【0057】
そして、噴射時期の変更が完了した後、ステップ117、118で排気カムシャフト50’の位相のセット値をマップから求めた目標値EXMAPにしてリターンする。
【0058】
一方、(3)、(4)のケースの場合はステップ108で否定判定されステップ109に進む。
ステップ109では排気カムシャフト50’の現在の位相EXACTがマップから求めた目標値EXMAPに一致していないか否かの判定がされるので(4)のケースの場合は否定判定され、そのまま何もせずにリターンする。(3)のケースの場合はステップ109で肯定判定され、その後、(1)のケースの場合と同様に、ステップ115、116で噴射時期の変更を完了せしめてから、ステップ117、118で排気カムシャフト50’のセット値をマップから求めた目標値EXMAPにしてリターンする。
【0059】
次に、減速と判定された場合について説明する。減速には次の様なケースが想定される。
(5)図7のオーバーラップ大(高負荷)の領域からオーバーラップ無し(軽負荷)の領域への減速。
(6)図7のオーバーラップ大(高負荷)の領域からオーバーラップ中(中負荷)の領域への減速。
(7)図7のオーバーラップ中(中負荷)の領域からオーバーラップ無し(軽負荷)の領域への減速。
(8)各領域内での小さな減速。
【0060】
本実施例では、上記の各ケースの内、(8)のケースはオーバーラップの変更の必要がないので何もしないようにする。(5)〜(8)のケースの内、(6)のケースは最終的にはオーバーラップを中にするものであるが、減速にともなう燃焼の不安定を回避するために、この場合も一旦オーバーラップ無しにしてからオーバーラップ中に戻すようにする。
【0061】
ステップ119の判定は排気カムシャフト50’の現在の位相EXACTがマップから求めた目標値EXMAPに一致していないか否かの判定であるので、図8より、上記(5)、(6)のケースでは肯定判定され、(7)、(8)のケースでは否定判定される。
(5)、(6)のケースでは、上記のようにステップ119で肯定判定された後、ステップ120、121において排気カムシャフト50’のセット値EXSETをオーバーラップ無しにするための値EXADVにする。
【0062】
その後、ステップ122、123において噴射時期の変更を完了せしめてからステップ124、125において吸気カムシャフト50のセット値INSETをオーバーラップ無しにするための値INRETにする。
【0063】
上述したように、(6)のケースでは吸気カムシャフト50の位相をINRETにした後に再びINADVに戻す必要がある。
そこで、ステップ126において吸気カムシャフト50のセット値INSETがINADVであるかどうかの判定をおこなう。(6)のケースでは肯定判定されるが、(5)のケースでは否定判定される。
【0064】
(5)のケースで否定判定された場合はそのままリターンする。そして、(6)のケースで肯定判定された場合はステップ127に進み、吸気カムシャフト50の現在の位相INACTが前回の位相INACTOLD より遅れ側にあるか否かを判定する。
ステップ127で肯定判定されるということはこれは吸気カムシャフト50の位相がINRETに変更中であって、すなわちINRETに達していないことを意味するので、この場合は、何もせずにリターンする。
【0065】
逆にステップ127で否定判定された場合は、吸気カムシャフト50の位相がINRETに達したことを意味するのでその場合はステップ128、129において目標位相INSETをINMAPにしてリターンする。
【0066】
次に前述の(7)のケースの場合を考える。この場合は図8の表から排気カムシャフト50’は目標位相EXSETが変わらないのでステップ119で否定判定されステップ130に進む。
ステップ130では吸気カムシャフト50の現在の位相が目標位相INMAPと異なるか否かを判定する。したがって、(7)のケースの場合は肯定判定されてステップ131、132で目標位相INMAPをセットしてリターンする。
【0067】
なお、(8)のケースの場合はステップ130で否定判定され何もせずにリターンする。
【0068】
次に、上記のようにおこなわれるオーバーラップ量の変更について説明する。オーバーラップを拡大する場合について以下説明する。オーバーラップの拡大は、指令値に従って吸気バルブの開弁期間を進角側にずらすこと、および、または、排気バルブの開弁期間を遅角側にずらすことにより行われる。
これらは、吸気カムシャフト50と排気カムシャフト50’の回転位相をそれぞれ、進角側と遅角側に移動することにより達成される。このカムシャフトの移動は、クランクポジションセンサ212と吸気カム角センサ214と排気カム角センサ214’で、吸気カムシャフト50と排気カムシャフト50’の位相を検出しながら以下のようにしてフィードバック制御でおこなう。
【0069】
現在の吸気カムシャフト50、排気カムシャフト50’の位相はクランクポジションセンサ212からの信号と、吸気カム角センサ214、排気カム角センサ214’からの信号に基づいてもとめる。この位相をあらわすパラメータとして#1気筒の圧縮上死点から吸気カム角センサ214、排気カム角センサ214’が信号を発生する時点、すなわち#1気筒のカムの最大リフト時点、までのクランク角を計算する。なお、圧縮上死点は前述のようにクランクポジションセンサ212が欠歯部の信号を発生してから所定のクランク角を過ぎた点としてもとめる。
【0070】
吸気バルブと排気バルブを、例えば、図9の(c)に示すように開閉せしめるための位相は図8に示されていて、図8にはEXRET、INADVで示されているが、実際には前述のカムシャフトの位相の測定に用いたのと同じパラメータで、すなわち、#1気筒の圧縮上死点から吸気カム角センサ214、排気カム角センサ214’が信号を発生する時点、すなわち#1気筒のカムの最大リフト時点、までのクランク角で、記憶されている。
【0071】
そして、マップからもとめたカムシャフトの目標位相値に対して、実測したカムシャフトの位相が遅れていた場合は、例えば、吸気カムシャフト50の位相を変える場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92にデューテイ比100%の励磁電流を送る指令を出し、バルブタイミング制御装置100の進角油室110に作動油が流れるようにして、カムシャフトの位相を進めて目標の位相に近づける。逆に、マップからもとめたカムシャフトの目標位相値に対して、実測したカムシャフトの位相が進んでいた場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92を消磁する指令を出して、バルブタイミング制御装置100の遅角油室120に作動油が流れるようにして、カムシャフトの位相を遅らせ目標の位相に近づける。そして、カムシャフトの位相が目標値と一致したら中間のデューテイ比の励磁電流を送り、その位相を保持する。
【0072】
図14、15は、それぞれ、吸気カムシャフト50の位相を最も進角する場合、排気カムシャフト50’の位相を最も遅角する場合のバルブ特性制御装置100、100’のバルブハウジング20、20’の内側突起部22、22’とロータ40、40’のベーン42、42’の相対位置関係を示している。
なお、各図において、ハウジング20、20’ロータ40、40’は図中矢印の様に時計周りに回転する。また各図においては見やすくするために最小限の符号しか示していない。
【0073】
まず、図14の様に吸気カムシャフト50の位相を最も進角する場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92をデューテイ比100%で励磁し太い破線の矢印で示されるように導入された作動油で進角油室110を満たし、逆に遅角油室120の作動油をすべて排出し、その後、デューテイ比を中間の値にしてその状態を保持する。
【0074】
一方、図15の様に吸気カムシャフト50’の位相を最も遅角する場合は、オイルコントロールバルブ90’の電磁ソレノイド92’を消磁し、太い破線の矢印で示されるように導入された作動油で遅角油室120’を満たし、逆に進角油室110’の作動油をすべて排出し、その後、デューテイ比を中間の値にしてその状態を保持する。
【0075】
なお、オイルコントロールバルブ90、90’は電磁ソレノイド92、92’をデューテイ比を100%に励磁してはじめて進角ポート91a、91a’が開く、また、0%(消磁)ではじめて遅角ポート91b、91b’が開く,というものではなく、100%よりも低い、あるいは0%よりも大きい、デューテイ比から徐々に開き始め、100%、0%(消磁)で最大開度に達するというものであり、常に、100%、0%にする必要はない。むしろ、常に、100%、0%で制御しようとすると、オーバーシュートが発生し目標位相に到達するのに時間がかかるので望ましくない。そこで、この実施の形態においては、目標位相との差に応じてデューテイ比を変更するようにされているが詳細は省略する。
【0076】
次に、図11のフローチャートのステップ115、116および図12のフローチャートのステップ122、123における噴射時期の変更について説明する。
この実施の形態において、燃料噴射時期は回転数と負荷に基づき予め定めたマップにしたがって決定するのが基本であって、燃料噴射フラグFINJ=0の時に、この決定方法にしたがって燃料噴射時期が決定される。そして、公知の様に、吸気弁の開弁前に噴射が完了するようにした方が燃料の霧化が良くなる。したがって、マップはその様に設定されている。
【0077】
ところが、本実施の形態の内燃機関では、負荷が大きいところでは前述のように排気ポート負圧が吸気ポート負圧より大きくなり、上述のように燃料噴射時期を設定していると気筒内に導入された燃料の一部が空気とともに排気ポートに吹き抜けてしまい未燃のHC(ハイドロカーボン)の排出量が増大する。
そこで、この実施の形態においては高負荷への移行にともなう排気カムシャフト50’の位相の変更の前に燃料噴射がオーバーラップ終了後の排気バルブ閉、吸気バルブ開の状態でおこなわれるようにする。燃料噴射フラグFINJ=1の時にこの様な燃料噴射時期とされる。
【0078】
図15に示すのがそのフローチャートであって、フラグFINJが1になった場合(ステップ1502で肯定判定された場合)には、図8のマップから排気バルブの閉じ時期TEXVCを計算し(ステップ1503)、排気バルブの閉じ時期TEXVCに予め定めた適切な時間TASを加算して燃料噴射弁の開弁時期TIBGNを決定し(ステップ1504)、燃料噴射弁の開弁時期TIBGNに別途計算される燃料噴射時間TAUを加算して燃料噴射弁の閉弁時期TIFINを決定する(ステップ1506)。図14のフローチャートのルーチンの実行において空気量決定方法フラグFOLGが0の場合(ステップ1502で否定判定された場合)にはステップ1505で通常のマップ(図示せず)からTIBGNを決定する。
【0079】
このようにして決定されたタイミングで燃料を噴射することにより燃料は排気ポートに吹き抜けることなく気筒内に流入することができ、気筒内に残留する空気とともに適切な空燃比の混合気を形成し燃焼の悪化等の問題の発生が防止される。
【0080】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、吸気バルブの開閉タイミングと、排気バルブの開閉タイミングが同時にオーバーラップ増大方向に変更されることがなくオーバーラップの急増が防止されショックの発生が防止される。
特に請求項2のようにすれば負荷が高負荷から軽負荷に急激に減少される場合は、吸気バルブの開閉タイミングと、排気バルブの開閉タイミングが同時にオーバーラップ無しになるように変更され、負荷の急減による燃焼の不安定化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体の構成を示す図である。
【図2】バルブタイミング制御装置の構造をカム中心軸を通る平面で切った断面図である。
【図3】図1の装置を軸方向から見た図である。
【図4】オイルコントロールバルブ90の構造を示す図である。
【図5】図1の4−4線に沿って見たオイルコントロールバルブ90とカムシャフト50内の油路の連通を示す断面図である。
【図6】排気管長の最適化による排気ポート圧力の低下を説明する図である。
【図7】機関回転数NEとスロットル開度THAに対するオーバーラップの量の変化を示すマップである。
【図8】各オーバーラップ量に対する排気カムと吸気カムの位相を示す図表である。
【図9】オーバーラップ大、中、無しの時の排気バルブと吸気バルブの開弁期間、オーバーラップ期間を示す図であって、
(a)オーバーラップ無しの場合、
(b)オーバーラップ中の場合、
(c)オーバーラップ大の場合、である。
【図10】オーバーラップ制御のルーチンのフローチャートである。
【図11】オーバーラップ制御のルーチンのフローチャートである。
【図12】オーバーラップ制御のルーチンのフローチャートである。
【図13】吸気カムシャフトの位相を、最も進角する場合のバルブ特性制御装置100のバルブハウジング20とロータ40の相対位置関係を示している。
【図14】排気カムシャフトの位相を、最も遅角する場合のバルブ特性制御装置100’のバルブハウジング20’とロータ40’の相対位置関係を示している。
【図15】噴射タイミングの演算のフローチャートである。
【符号の説明】
2…吸気管
3…サージタンク
4…吸気マニホールド
5…エアクリーナ
6…排気マニホールド
7…排気管
10…ギヤ
20、20’…ハウジング
22、22’…内側突出部
30…サイドカバー
40、40’…ロータ
42、42’…ベーン
50、50’…カムシャフト
70…シリンダヘッド
80…カムキャップ
90…オイルコントロールバルブ
100、100’…バルブ特性制御装置
200…ECU
211…エアフローメータ
212…クランクポジションセンサ
213…冷却水温センサ
214、214’…カム角センサ
215…O2 センサ
251…電子スロットル
253…点火栓
Claims (3)
- 運転負荷を検出する運転負荷検出手段と、
運転負荷に応じて設定された吸気バルブと排気バルブの目標開閉タイミングを記憶する目標バルブ開閉タイミング記憶手段と、
吸気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように吸気バルブの開閉タイミングを調整する吸気バルブ特性制御装置と、
排気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように排気バルブの開閉タイミングを調整する排気バルブ特性制御装置とを備え、
目標バルブ開閉タイミング記憶手段が記憶している目標開閉タイミングは、
第1段階の軽負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが遅れ側の吸気第1タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第2段階の中負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第3段階の高負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが遅れ側の排気第2タイミングであって、
負荷が1段階のみ増大された場合には、吸気バルブまたは排気バルブのいずれか一方の開閉タイミングのみ変更し、
負荷が軽負荷から高負荷に急激に増大される場合は、吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第1タイミングから吸気第2タイミングへの変更が全変更量に対して所定の割合に達した後に、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第1タイミングから排気第2タイミングへ変更を開始する、ことを特徴とする内燃機関。 - 運転負荷を検出する運転負荷検出手段と、
運転負荷に応じて設定された吸気バルブと排気バルブの目標開閉タイミングを記憶する目標バルブ開閉タイミング記憶手段と、
吸気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように吸気バルブの開閉タイミングを調整する吸気バルブ特性制御装置と、
排気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように排気バルブの開閉タイミングを調整する排気バルブ特性制御装置とを備え、
目標バルブ開閉タイミング記憶手段が記憶している目標開閉タイミングは、
第1段階の軽負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが遅れ側の吸気第1タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第2段階の中負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第3段階の高負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが遅れ側の排気第2タイミングであって、
負荷が1段階のみ増大された場合には、吸気バルブまたは排気バルブのいずれか一方の開閉タイミングのみ変更し、
負荷が高負荷から軽負荷に急激に減少される場合は、吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第2タイミングから吸気第1タイミングへの変更と、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第2タイミングから排気第1タイミングへの変更とを同時に開始することを特徴とする内燃機関。 - 運転負荷を検出する運転負荷検出手段と、
運転負荷に応じて設定された吸気バルブと排気バルブの目標開閉タイミングを記憶する目標バルブ開閉タイミング記憶手段と、
吸気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように吸気バルブの開閉タイミングを調整する吸気バルブ特性制御装置と、
排気バルブが設定された目標開閉タイミングで開閉するように排気バルブの開閉タイミングを調整する排気バルブ特性制御装置とを備え、
目標バルブ開閉タイミング記憶手段が記憶している目標開閉タイミングは、
第1段階の軽負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが遅れ側の吸気第1タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第2段階の中負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが進み側の排気第1タイミングであって、
第3段階の高負荷に対しては吸気バルブの開閉タイミングが進み側の吸気第2タイミングで、排気バルブの開閉タイミングが遅れ側の排気第2タイミングであって、
負荷が1段階のみ増大された場合には、吸気バルブまたは排気バルブのいずれか一方の開閉タイミングのみ変更し、
負荷が高負荷から中負荷に減少された場合に、排気バルブ特性制御装置による排気バルブの開閉タイミングの排気第2タイミングから排気第1タイミングへの変更に加えて、
吸気バルブ特性制御装置による吸気バルブの開閉タイミングの吸気第2タイミングから吸気第1タイミングへの変更を同時におこない、その後、吸気バルブ特性制御装置により吸気バルブの開閉タイミングを吸気第1タイミングから吸気第2タイミングへ変更することを特徴とする内燃機関。
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