JP5827304B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関において、吸気弁または排気弁である機関弁を開閉駆動する動弁カムを有するカム軸を駆動して機関弁の弁開閉時期を変更可能な油圧式の可変バルブタイミング機構を備える動弁装置に関し、より詳細には、可変バルブタイミング機構の作動油が流通する油路構造に関する。
内燃機関の動弁装置が、機関本体(例えば、シリンダヘッド)に設けられたカムホルダに回転可能に支持されるカム軸と、機関弁(例えば、吸気弁)を開閉駆動する動弁カム(例えば、吸気カム)を有するカム軸を駆動して機関弁の弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期との間で変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構とを備え、該可変バルブタイミング機構には、油圧制御弁により作動油の給排が行われる進角油室および遅角油室が設けられ、可変バルブタイミング機構は、進角油室の容積が最大になると共に遅角油室の容積が最小になるとき弁開閉時期を最進角時期に設定し、進角油室の容積が最小になると共に遅角油室の容積が最大になるとき弁開閉時期を最遅角時期に設定するものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許3497462号公報
動弁装置の油圧式可変バルブタイミング機構に設けられた進角油室および遅角油室に対して油圧制御弁が作動油を給排する場合、進角油室と油圧制御弁との間で作動油が流通する進角油路および遅角油室と油圧制御弁との間で作動油が流通する遅角油路は、それぞれ、カムホルダの軸受部材とカム軸のジャーナル部との間に設けられた進角ジャーナル油路および遅角ジャーナル油路と、進角ジャーナル油路と油圧制御弁の間で作動油が流通する進角接続油路および遅角ジャーナル油路と油圧制御弁の間で作動油が流通する遅角接続油路とを有する。そして、これら進角接続油路および遅角接続油路の通路長はほぼ同一であり、しかも各接続油路は、軸受部材の分割面に設けられた分割面油路を有する。
また、可変バルブタイミング機構では、運転されていた内燃機関が停止して、作動油の供給が停止すると、カムホルダやシリンダヘッドなど作動油が流通する油路が形成された部材の合わせ面または摺接面の微小な隙間から作動油が徐々に漏出することに起因して、進角油室および遅角油室内の作動油が油路を通じて流出して減少するため、各油室の油圧が低下する。このとき、動弁カムを介して作用する機関弁の反力によりカム軸は逆回転方向に付勢されて、停止時間の増加につれて、進角油室の容積が次第に小さくなる一方、遅角油室の容積が次第に大きくなって、最終的には、進角油室の容積が最小となり、遅角油室の容積が最大となる状態で、したがって弁開閉時期が最遅角時期の状態で、可変バルブタイミング機構が停止する。
このような可変バルブタイミング機構では、機関停止時に弁開閉時期が最遅角時期に設定されるため、機関始動開始後に弁開閉時期を早期に進角させることが困難である。このため、例えば、吸気弁の弁開閉時期を進角させてバルブオーバラップ期間を早期に増加させることが困難になり、バルブオーバラップ期間の増加による排気ガス浄化装置の暖機の促進(すなわち、バルブオーララップ期間の増加により燃焼室内に残留する排気ガス量(すなわち、「内部EGR量」)が増加して燃焼室内での燃焼が緩慢になり、排気通路での排気ガスの温度が上昇することに基づく。)や体積効率の増加が制限される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、進角油室および遅角油室が設けられた可変バルブタイミング機構を備える動弁装置において、機関始動開始後、機関弁の弁開閉時期を、機関停止時に可変バルブタイミング機構により設定された初期開閉時期から早期に進角または遅角させること、およびカム軸を支持すると共に進角油室および遅角油室に対して給排される作動油が流通する油路が設けられた軸受部材の小型化を図ることを目的とする。
さらに、本発明は、可変バルブタイミング機構に対する作動油の給排を行う油圧制御弁および油路の配置により、油圧制御弁が取り付けられる機関本体の、カム軸の軸方向での小型化を図ることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の機関本体に設けられたカムホルダに回転可能に支持されるカム軸と、機関弁を開閉駆動する動弁カムを有する前記カム軸を駆動して前記機関弁の弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期との間で変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の動弁装置であって、前記カムホルダの軸受部材は、分割面により分割されると共に前記カム軸のジャーナル部を挟んで回転可能に支持する第1軸受部および第2軸受部から構成され、前記可変バルブタイミング機構には、作動油供給源からの作動油の供給を制御する油圧制御弁により、前記軸受部材に設けられた制御油路を通じて作動油の給排が行われる進角油室および遅角油室が設けられ、前記制御油路は、前記進角油室および前記遅角油室の一方である第1油室と前記機関本体のシリンダヘッドに取り付けられた前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第1油路と、前記進角油室および前記遅角油室の他方である第2油室と前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第2油路とから構成され、前記第1油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第1ジャーナル油路と、前記第1ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第1本体側油路とを有し、前記第2油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第2ジャーナル油路と、前記第2ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第2本体側油路とを有し、前記第1本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延びる第1接続油路を有し、前記第2本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延び且つ前記第1接続油路と平行な第2接続油路を有し、前記第1ジャーナル油路および前記第2ジャーナル油路は、前記カム軸の回転中心線に沿う方向に互いに離間して並設され、前記油圧制御弁の弁軸線は、前記カム軸の回転中心線に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置し、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記特定カム直交平面上に配置され、前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室の容積が第1所定値になると共に前記第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になり、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向視で、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記カム軸の回転中心線に対して同じ側に配置されると共に、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口よりも前記回転中心線に近く配置されていることを特徴とする内燃機関の動弁装置である
求項に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記第1接続油路および前記第2接続油路は、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向と平行に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、内燃機関の機関本体に設けられたカムホルダに回転可能に支持されるカム軸と、機関弁を開閉駆動する動弁カムを有する前記カム軸を駆動して前記機関弁の弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期との間で変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の動弁装置であって、前記カムホルダの軸受部材は、分割面により分割されると共に前記カム軸のジャーナル部を挟んで回転可能に支持する第1軸受部および第2軸受部から構成され、前記可変バルブタイミング機構には、作動油供給源からの作動油の供給を制御する油圧制御弁により、前記軸受部材に設けられた制御油路を通じて作動油の給排が行われる進角油室および遅角油室が設けられ、前記制御油路は、前記進角油室および前記遅角油室の一方である第1油室と前記機関本体のシリンダヘッドに取り付けられた前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第1油路と、前記進角油室および前記遅角油室の他方である第2油室と前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第2油路とから構成され、前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室の容積が第1所定値になると共に前記第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になり、前記第1油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第1ジャーナル油路と、前記第1ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第1本体側油路とを有し、前記第2油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第2ジャーナル油路と、前記第2ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第2本体側油路とを有し、前記第1本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延びる第1接続油路を有し、前記第2本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延び且つ前記第1接続油路と平行な第2接続油路と、前記分割面に設けられ前記第2接続油路と前記第2ジャーナル油路とを接続する分割面油路とを有し、前記第1接続油路および前記第2接続油路は、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向と平行に設けられ、前記油圧制御弁は、前記カム軸の鉛直方向下側に設けられ、前記第1ジャーナル油路および前記第2ジャーナル油路は、前記カム軸の回転中心線に沿う方向に互いに離間して並設され、前記油圧制御弁の弁軸線は、前記カム軸の回転中心線に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置し、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記特定カム直交平面上に配置され、前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室の容積が第1所定値になると共に前記第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になり、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向視で、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記カム軸の回転中心線に対して同じ側に配置されると共に、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口よりも前記回転中心線に近く配置されていることを特徴とする内燃機関の動弁装置である。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記第2本体側油路は、前記分割面に設けられて前記第2ジャーナル油路に直接接続された分割面油路と、前記分割面油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる前記第2接続油路と、を有し、前記第2ジャーナル油路と前記分割面油路とは、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向視で略く字状に屈曲していることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記機関弁は、吸気弁を含み、前記カム軸は、吸気カム軸を含み、前記可変バルブタイミング機構は、前記吸気カム軸を駆動する吸気可変バルブタイミング機構を含み、前記吸気可変バルブタイミング機構において、前記第1油室は前記進角油室であり、前記第2油室は前記遅角油室であり、前記第1油室に連通する前記第1本体側油路の通路長は、前記第2油室に連通する前記第2本体側油路の通路長よりも短いことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記機関弁は、排気弁を含み、前記カム軸は、排気カム軸を含み、前記可変バルブタイミング機構は、前記排気カム軸を駆動する排気可変バルブタイミング機構を含み、前記排気可変バルブタイミング機構において、前記第1油室は前記遅角油室であり、前記第2油室は前記進角油室であり、前記第1油室に連通する前記第1本体側油路の通路長は、前記第2油室に連通する前記第2本体側油路の通路長よりも短いことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記第1軸受部および前記第2軸受部は、互いにボルトで締結されており、前記ボルトの締結部は、前記油圧制御弁の弁軸線方向で、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口と前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口との間に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記第2ジャーナル油路は、前記第1ジャーナル油路よりも前記可変バルブタイミング機構側に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関の動弁装置であって、前記軸受部材は、前記油圧式可変バルブタイミング機構が設置される伝動室と前記機関弁が設置される動弁室とを仕切る仕切壁に設けられ、前記仕切壁は、前記伝動室側に膨出する膨出部を有し、当該膨出部に前記第2ジャーナル部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、前記第1本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延びる第1接続油路を有し、前記第2本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延び且つ前記第1接続油路と平行な第2接続油路を有し、前記第1ジャーナル油路および前記第2ジャーナル油路は、前記カム軸の回転中心線に沿う方向に互いに離間して並設され、前記油圧制御弁の弁軸線は、前記カム軸の回転中心線に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置し、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記特定カム直交平面上に配置されることを特徴とする内燃機関の動弁装置を提供することができる。
本発明が適用された動弁装置を備える内燃機関において、シリンダ軸線方向から見たとき(図2のI矢視に相当)のシリンダヘッドの要部の図である。 図1のII−II線でのシリンダヘッドの断面図であり、カム軸の回転中心線に直交すると共にシリンダ軸線を含む平面でのシリンダブロックの断面図である。 図1の内燃機関のシリンダヘッドを軸方向から見た要部の図であり、カム軸については図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線での、動弁装置の吸気および排気可変バルブタイミング機構を中心とする断面図である。 図4のV−V線での吸気可変バルブタイミング機構の断面図である。 図4のVI−VI線での排気可変バルブタイミング機構の断面図である。 図1のVII−VII線での、油路構造の油圧制御弁を中心とする断面図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図7を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された動弁装置20を備える内燃機関Eは、複数としての4つのシリンダ1a(図1には、それらシリンダ1aの一部が示されている。)と、各シリンダ1aに往復運動可能に嵌合するピストン4と、各ピストン4にコンロッド5を介して連結されるクランク軸6とを備える多気筒内燃機関であり、搭載対象としての車両に、クランク軸6の回転中心線が左右方向に指向する横置き配置で搭載される。
内燃機関Eは、4つのシリンダ1aが直列に配列されて一体に設けられたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上側端部に結合されるシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上側端部に結合されるヘッドカバー3とから構成される機関本体を備える。
シリンダ1a毎に、該シリンダ1aのシリンダ軸線Lcに平行な方向であるシリンダ軸線方向でピストン4とシリンダヘッド2との間には、シリンダ1aとピストン4とシリンダヘッド2とにより燃焼室7が形成される。
なお、この明細書において、軸方向は動弁装置20のカム軸21i,21eの回転中心線Li,Leに平行な方向であるとする。
また、実施形態において、直交方向は、軸方向から見たとき(以下、「軸方向視」という。)、シリンダ軸線Lcに直交する方向であるとし、前後方向は、車両の前後方向に一致するとする。そして、シリンダ軸線Lcに直交する平面であるシリンダ直交平面に対して、上方となる側を上側、下方となる側を下側という。
シリンダ軸線方向でシリンダブロック1の上側に配置されたシリンダヘッド2には、シリンダ1a毎(すなわち、燃焼室7毎)に、燃焼室7に開口する1対の吸気口を有する吸気ポート8および1対の排気口を有する排気ポート9と、前記1対の吸気口および前記1対の排気口をそれぞれ開閉する1対の第1機関弁としての吸気弁10および1対の第2機関弁としての排気弁11と、燃焼室7に臨む点火栓12とが設けられる。点火栓12は、点火コイルと共にシリンダヘッド2に設けられる円筒状の収容筒13内に配置される。収容筒13は、シリンダヘッド2に一体成形されると共に点火栓12が取り付けられる取付孔14aが設けられた円筒状の収容部14に嵌合する。
内燃機関Eは、シリンダヘッド2およびヘッドカバー3により形成される動弁室15内に配置されると共に吸気弁10および排気弁11を開閉駆動する動弁装置20のほかに、さらに、シリンダヘッド2の吸気側に取り付けられると共に内燃機関Eの外部から取り入れた吸入空気を吸気ポート8を経て燃焼室7に導く吸気装置16と、シリンダヘッド2の吸気側に取り付けられると共に吸入空気と混合して混合気を形成する燃料を噴射する燃料噴射弁(図示されず)と、シリンダヘッド2の排気側に取り付けられると共に燃焼室7内での混合気の燃焼により発生した燃焼ガスを排気ガスとして排気ポート9を経て内燃機関Eの外部に導く排気装置17とを備える。また、この排気装置17は、排気ガス浄化装置としての触媒装置17aを備えている。
そして、ピストン4は、燃焼室7内の混合気が点火栓12により点火されて燃焼して発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動し、コンロッド5を介してクランク軸6を回転駆動する。
なお、吸気側とは、シリンダ1aのシリンダ軸線Lcを含むと共に回転中心線Li,Leに平行な平面であるシリンダ中心平面に対して、吸気弁10の全体または大部分が位置する側を意味し、排気側とは、該シリンダ中心平面に対して、排気弁11の全体または大部分が位置する側を意味する。
また、この実施形態では、内燃機関Eは、シリンダ軸線Lcが鉛直方向に対して所定の傾斜角で前傾するように、車体に傾斜して搭載される。そして、前記機関本体においては、後側となる吸気側が前側となる排気側に対して上方寄りに位置する。
動弁装置20は、第1動弁カムとしての吸気カム22iを有する第1カム軸としての吸気カム軸21iおよび第2動弁カムとしての排気カム22eを有する第2カム軸としての排気カム軸21eから構成されるカム軸と、吸気弁10および排気弁11にそれぞれ当接すると共に吸気カム22iおよび排気カム22eによりそれぞれ駆動されて吸気弁10および排気弁11を開閉する吸気ロッカアーム25iおよび排気ロッカアーム25eと、吸気弁10および排気弁11を閉弁方向に常時付勢する弁バネ26と、クランク軸6の回転と同期して各カム軸21i,21e(したがって各カム22i,22e)を回転駆動する回転駆動部材Mと、吸気弁10および排気弁11の弁開閉時期(すなわち、バルブタイミング)をそれぞれ変更可能とするために制御装置90(図7参照)により制御される第1可変バルブタイミング機構としての吸気可変バルブタイミング機構Tiおよび第2可変バルブタイミング機構としての排気可変バルブタイミング機構Teから構成される可変バルブタイミング機構とを備える。
各ロッカアーム25i,25eは、シリンダヘッド2に設けられる支持部材としてのラッシュアジャスタ27に揺動可能に支持される。そして、吸気カム22iおよび排気カム22eは、吸気ロッカアーム25iおよび排気ロッカアーム25eを介して、吸気弁10および排気弁11をそれぞれ開閉駆動する。
図1,図3を参照すると、回転駆動部材Mは、駆動軸としてのクランク軸6に設けられた駆動回転体である駆動スプロケット(図示されず)と、各カム軸21i,21eに可変バルブタイミング機構Ti,Teを介して設けられる被動回転体としての被動スプロケット28i,28eと、これら駆動スプロケットおよび両被動スプロケット28i,28eに掛け渡された無端伝動帯としての無端のチェーン29とを備える巻掛け伝動装置から構成され、各カム軸21i,21eをクランク軸6の1/2の回転速度で回転方向R(図2参照)に回転駆動する。
回転駆動部材Mは、軸方向での一方向側におけるシリンダヘッド2およびシリンダブロック1のそれぞれの側壁2a,1aと、それら側壁2a,1aに結合されるカバーCとにより形成される伝動室としてのチェーン室Ca内に配置される。
各カム軸21i,21eは、シリンダヘッド2に固定されて一体に設けられるカムホルダ(以下、単に「カムホルダ」という。)に回転可能に支持される。カムホルダは、軸方向に間隔を置いて配置される複数の軸受部材Bから構成される。該複数の軸受部材Bのうちで、特定の軸受部材である1つの軸受部材30以外の軸受部材Bは、可変バルブタイミング機構Ti,Teの作動油用の油路51i,53i,61i〜63i,51e〜53e,61e,63eが設けられていない点で軸受部材30と相違するものの、基本的な構造は同一であるので、以下の説明では、軸受部材30を中心に説明する。
各カム軸21i,21eをそのジャーナル部23i,23e,24i,24e(図1において、軸受部材30に支持されるジャーナル部が符号24i,24eで示され、軸受部材30以外の軸受部材Bで支持されるジャーナル部が符号23i,23eで示される。)にて回転可能に支持する軸受部材30は、シリンダヘッド2に一体成形されて設けられた第1軸受部としての下軸受部31(軸受部材30以外の軸受部材Bについては、図1で、下軸受部が符号B1で示される。)と、下軸受部31に結合手段としてのボルト95により結合された上軸受部32(軸受部材30以外の軸受部材Bについては、上軸受部は図示されていない。)とから構成される。下軸受部31には、ボルト95がねじ込まれるネジ孔96が設けられている。
図4を併せて参照すると、下軸受部31は、直交方向で収容部14を挟んで、該収容部14に連なる吸気下軸受部31iおよび排気下軸受部31eから構成される。また、上軸受部32は、互いに直交方向に離隔した吸気上軸受部32iおよび排気上軸受部32eから構成される。なお、図4では、排気側の軸受部材30およびカム軸21eに関連する符号が括弧内に記載されている。
ジャーナル部24i,24eの外周面が摺接する軸受面33i,33e,34i,34eを有する下軸受部31i,31eおよび上軸受部32i,32eは、それぞれの合わせ面35i,36i同士および合わせ面35e,36e同士が互いに接触した状態でボルト95により締結されて一体化される。このように、軸受部材30は、各合わせ面35i,36iである分割面37iおよび各合わせ面35e,36eである37eにより、下軸受部31i,31eおよび上軸受部32i,32eの2つに分割される。分割面37i,37eは、シリンダ軸線Lcと交差する平面上、この実施形態ではシリンダ直交平面上にある。
そして、この二分割構造は、軸受部材30以外の軸受部材Bについても同様である。
軸方向で可変バルブタイミング機構Ti,Teに最も近い位置にある軸受部材30は、軸方向に配列された前記複数の軸受部材Bにおいて、軸方向での前記一方向側の端部に位置する端部軸受部材である。シリンダヘッド2において動弁室15とチェーン室Caとを仕切る仕切壁38に一体成形された下軸受部31は、軸方向に直交する平面に沿って平壁状に延びている仕切壁38の一部としての上側部分であり、仕切壁38は側壁2aの上側部分である。
仕切壁38には、軸受面33i,34i,33e,34eおよび該軸受面33i,34i,33e,34eに設けられるジャーナル油路53i,63i,53e,63eよりも下方に、動弁室15の底壁15a(図2参照)よりもやや上方に開口する1以上の、ここでは1対の通気口である窓部39i,39eが、カム軸21i,21eよりも径方向外方において、軸方向視で部分的に可変バルブタイミング機構Ti,Teと重なる位置(図3参照)に、かつ吸気側および排気側にそれぞれ設けられる。窓部39i,39eが設けられることにより、シリンダヘッド2が軽量化され、しかも各窓部39i,39eを通じて、動弁室15とチェーン室Caとの間での気体およびオイルミストの移動が容易化される。また、窓部39iに比べて下方に位置する窓部39eは、動弁室15内の前記底壁15a上のオイルをチェーン室Ca内に流出させる。そして、窓部39eからチェーン室Ca内に流入したオイルは、チェーン29や前記駆動スプロケットを潤滑した後に、チェーン室Caを通じて内燃機関Eのオイルパンに戻る。このため、窓部39eは戻り油路の機能を有する。
図1〜図7を参照して、可変バルブタイミング機構Ti,Teについて説明する。なお、各可変バルブタイミング機構Ti,Teは、基本的構造が同様であることから、以下では、説明の便宜上、主に吸気可変バルブタイミング機構Tiに関連して説明し、排気可変バルブタイミング機構Teに関連する説明については、用語または符号が異なる場合などに、必要に応じて、それらを括弧内に記載する。
なお、図4,図7では、排気可変バルブタイミング機構Teに関連する符号が括弧内に記載されている。
弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期の間で連続的に変更することができる可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、回転駆動部材Mとカム軸21i(21e)との間での相対回転を生じさせる装置であり、回転駆動部材Mからカム軸21i(21e)への回転駆動力の伝達経路上で回転駆動部材Mとカム軸21i(21e)との間に設けられて、クランク軸6に対するカム軸21i(21e)、したがってカム22i(22e)の位相を変更可能である。
図4〜図6を参照すると、カム軸21i(21e)において軸受部材30から軸方向で前記一方向側に突出する軸端部21i1(21e1)に設けられる油圧式のアクチュエータである可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、互いに摺動可能であると共に相対回転可能な駆動側回転体40i(40e)およびカム側回転体41i(41e)を備える。
回転駆動部材M(図3参照)により回転駆動されて該回転駆動部材Mと一体に回転する駆動側回転体40i(40e)には、被動スプロケット28i(28e)が一体に設けられる。カム側回転体41i(41e)は、軸端部21i1(21e1)に結合手段としてのボルト42により一体に結合されて、カム軸21i(21e)と一体に回転する。両回転体40i(40e),41i(41e)の径方向での突出部の間には、両回転体40i(40e),41i(41e)により、1以上の、ここでは4つずつの進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)が、シール部材45により油密にされた状態で、カム軸21i(21e)の周方向に間隔を置いて形成される。
カム側回転体41i(41e)には、後述するオイルポンプ18からの作動油の供給が停止する機関停止時に、進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)の一方である第1油室としての進角油室43i(遅角油室44e)の容積が第1所定値としての最小値になると共に進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)の他方である第2油室としての遅角油室44i(進角油室43e)の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値としての最大値になることで、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を、初期開閉時期としての吸気弁10の最遅角時期(排気弁11の最進角時期)に設定するロック部材46が設けられる。
ロック部材46は、この実施形態では、弁開閉時期が最遅角時期(最進角時期)となる最遅角位置(最進角位置)に両回転体40i(40e),41i(41e)を留めてそれら回転体40i(40e),41i(41e)の相対回転を防止する。
カム側回転体41i(41e)に摺動自在に嵌合するピンからなるロック部材46は、バネ47により、駆動側回転体40i(40e)に設けられた係合部48のロック孔48aに挿入された状態で係合部48と係合する方に付勢されている。そして、油路(図示されず)を通じてロック孔48aに導かれる進角油室43i(遅角油室44e)の作動油により、バネ47の付勢力に抗してロック部材46と係合部48との係合が解除されて、両回転体40i(40e),41i(41e)が相対回転できるようになる。
また、排気可変バルブタイミング機構Teには、機関停止時に弁バネ26(図2参照)の付勢力に打ち勝って進角油室43eの容積が最大値(したがって、遅角油室44eの容積が最小値)となるように両回転体40e,41eを周方向に付勢する付勢手段としての戻しバネ49が、進角油室43e内に設けられる。
そして、油圧制御弁70i(70e)(図1参照)による進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)に対する作動油の給排により、可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、進角油室43i(43e)の容積が増加すると共に遅角油室44i(44e)の容積が減少することにより吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を進角させ、進角油室43i(43e)の容積が減少すると共に遅角油室44i(44e)の容積が増加することにより該弁開閉時期を遅角させて、クランク軸6に対するカム軸21i(21e)の位相が変更される。
このようにして、可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、カム側回転体41i(41e)が駆動回転体40i(40e)に対して前記最進角位置を占めて、進角油室43i(43e)の容積が最大値になると共に遅角油室44i(44e)の容積が最小値になるときに弁開閉時期を最進角時期に設定し、カム側回転体40i(40e)が駆動回転体40i(40e)に対して前記遅角位置を占めて、進角油室43i(43e)の容積が最小値になると共に遅角油室44i(44e)の容積が最大値になるときに弁開閉時期を最遅角時期に設定する。
次に、図1,図3〜図7を参照して、内燃機関Eに備えられて、可変バルブタイミング機構Ti(Te)を作動させる作動油が流通する油路構造について説明する。
内燃機関Eが備える潤滑系統を構成すると共にクランク軸6の動力で駆動されるオイルポンプ18(図3参照)は、内燃機関Eのクランク軸6やピストン4(図2参照)などの潤滑箇所にオイルを供給する一方で、吐出したオイルの一部を可変バルブタイミング機構Ti(Te)の作動油として供給する作動油供給源である。
そして、前記油路構造は、内燃機関Eの運転時に作動油を供給すると共に機関停止時に作動油の供給を停止するオイルポンプ18と、可変バルブタイミング機構Ti(Te)に対してオイルポンプ18からの作動油の供給を制御する油圧制御弁70i(70e)と、オイルポンプ18と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる給油路Sと、油圧制御弁70i(70e)と可変バルブタイミング機構Ti(Te)の進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)との間で作動油を流通させる制御油路と、油圧制御弁70i(70e)からの作動油が排出されるドレン空間とから構成される。前記ドレン空間は、この実施形態では動弁室15(図2も参照)である。
給油路Sは、オイルポンプ18からの作動油が供給されると共にシリンダブロック1に設けられる上流給油路S1と、上流給油路S1からの作動油を油圧制御弁70i(70e)に供給すると共にシリンダヘッド2に設けられた下流給油路S2とを有する。上流給油路S1は、前記潤滑系統を構成するメインギャラリ19を含み、該メインギャラリ19からは内燃機関Eの多数の潤滑箇所にオイルを供給する多数の分岐油路が分岐している。
油圧制御弁70i(70e)により進角油室43i(43e)および遅角油室44ie(44e)に対して給排される作動油が流通する前記制御油路は、進角油室43i(遅角油室44e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油が流通する第1油路50i(60e)と、遅角油室44i(進角油室43e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油が流通する第2油路60i(50e)とから構成される。
図1,図3,図7を参照すると、シリンダヘッド2に着脱可能に取り付けられる油圧制御弁70i(70e)は、仕切壁38に設けられた収容孔78に収容された状態でボルト79により取り付けられる。油圧制御弁70i(70e)は、収容孔78に挿入される円筒状の弁ボディ72と、弁ボディ72の内部に摺動可能に嵌合する円柱状のスプール73と、弁ボディ72に固定されてスプール73を駆動する駆動部としてのソレノイド74と、内燃機関Eの停止時にソレノイド74が消磁されたときスプール73が初期位置を占めるように付勢する戻しバネ75とを備えるスプール弁である。
ここで、弁ボディ72およびスプール73は、前記制御油路の後述する第1,第2接続油路51i(61e),61i(51e)が接続される弁部71を構成する。
内燃機関Eが備える制御装置90により電流量をデューティ制御されて作動するソレノイド74は、スプール73の端部に当接する駆動部材76を駆動して、スプール73を戻しバネ75の付勢力に抗してスプール73の中心軸線(油圧制御弁70i(70e)の中心軸線でもある。)である弁軸線Lvに平行な弁軸線方向に無段階に移動させる。
制御装置90は、内燃機関Eの機関状態(例えば、機関回転速度)を検出する機関状態検出手段と、該機関状態検出手段からの検出信号が入力される電子制御ユニットとを備え、前記機関状態検出手段により検出された機関状態に基づいて判定される機関運転状態に応じて、油圧制御弁70i(70e)を制御する。
弁ボディ72には、下流給油路S2に開口する供給ポート80と、第1油路50i(60e)および第2油路60i(50e)にそれぞれ開口する進角ポート81i(遅角ポート82e)および遅角ポート82i(進角ポート81e)と、1対のドレンポート83,84とが設けられる。一方、スプール73には、中央グルーブ85aと、弁軸線方向で中央グルーブ85aの両側に位置する1対のランド86,86と、該両ランド86,86の両側に位置する1対の端部グルーブ85b,85cとが設けられる。
そして、油圧制御弁70i(70e)は、機関停止時に図7に示される初期位置を占める。この初期位置では、スプール73を付勢するソレノイド74の付勢力が消失するため、スプール73が戻しバネ75により付勢されて、進角ポート81i(遅角ポート82e)が供給ポート80に対して遮断された状態でドレンポート83と連通し、遅角ポート82i(進角ポート81e)がドレンポート84に対して遮断された状態で供給ポート80と連通する。
ドレンポート83が設けられている弁ボディ72の露出部としての先端部72aは、収容孔78を貫通して、動弁室15内に露出した状態で突出している。ドレンポート83は、ドレン油路を介することなく動弁室15(図2も参照)に直接開口し、しかも軸方向視で窓部39i(39e)を通じて目視可能な位置にあり、該窓部39i(39e)を通じて進角油室43i(遅角油室44e)から排出された作動油をチェーン室Ca内に流出させる。一方、ドレンポート84は、仕切壁38に設けられてチェーン室Caに開口するドレン油路88i(88e)を通じて遅角油室44i(進角油室43e)から排出された作動油をチェーン室Ca内に流出させる。そして、各ドレンポート83,84から放出されたオイルは、チェーン室Ca内で回転駆動部材Mのチェーン29および被動スプロケット28i,28eなどの潤滑に使用される。
弁ボディ72は、軸方向で、軸受部材30の前記一方向側の(または可変バルブタイミング機構Ti(Te)に軸方向で対向する)端面30i(30e)に対して、軸方向で内側に位置する。また、下軸受部31i(31e)は、シリンダ軸線方向で上軸受部32i(32e)に対して弁ボディ72寄りに位置する。
油圧制御弁70i(70e)は、その弁軸線Lvが、カム軸21i(21e)の回転中心線Li(Le)に直交するカム直交平面のうちの特定カム直交平面上にほぼ位置する(または、該特定カム直交平面に含まれる)ように、そして、シリンダ軸線方向から見たとき、回転中心線Li(Le)に対して直交する方向に平行となるように、かつ直交方向に平行になるように、配置される。
図4を併せて参照すると、第1油路50i(60e)は、軸受部材30の下軸受部31i(31e)および上軸受部32i(32e)とジャーナル部24i(24e)との協働により形成される第1ジャーナル油路53i(63e)と、第1ジャーナル油路53i(63e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第1本体側油路51i(61e)と、第1ジャーナル油路53i(63e)と進角油室43i(遅角油室44e)との間で作動油を流通させる第1カム側油路56i(66e)とを有する。
第1ジャーナル油路53i(63e)は、両軸受面33i(33e),34i(34e)にそれぞれ設けられた半円環状の環状溝とジャーナル部24i,24eの外周面とにより形成される下ジャーナル油路54i(64e)および上ジャーナル油路55i(65e)から構成される。
第1本体側油路51i(61e)は、進角ポート81i(遅角ポート82e)から弁軸線Lvに直交する方向に直線状に延びている第1接続油路51i(61e)のみにより構成される。第1接続油路51i(61e)は、下ジャーナル油路54i(64e)に開口する第1ジャーナル側開口51i1(61e1)を有し、第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続されている。別の例として、第1ジャーナル側開口51i1(61e1)は下ジャーナル油路54i(64e)の最下部に開口していてもよい。
第1カム側油路56i(66e)は、ジャーナル部24i(24e)および軸端部21i1(21e1)の内部に設けられた軸内油路57i(67e)と、カム側回転体40i(40e),41i(41e)に設けられて径方向に延びている径方向の油路58i(68e)(図5,図6参照)とから構成される。
同様に、第2油路60i(50e)は、軸受部材30の下軸受部31i(31e)および上軸受部32i(32e)とジャーナル部24i(24e)との協働により形成される第2ジャーナル油路63i(53e)と、第2ジャーナル油路63i(53e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第2本体側油路61i,62i(51e,52e)と、第2ジャーナル油路63i(53e)と遅角油室44i(進角油室43e)との間で作動油を流通させる第2カム側油路66i(56e)とを有する。
第2ジャーナル油路63i(53e)は、両軸受面33i(33e),34i(34e)にそれぞれ設けられた半円環状の環状溝とジャーナル部24i,24eの外周面とにより形成される下ジャーナル油路64i(54e)および上ジャーナル油路65i(55e)から構成される。
第1,第2ジャーナル油路53i(63e),63i(53e)は、軸方向に並んでカム直交平面にほぼ平行に配置され、第2ジャーナル油路63i(53e)は、軸方向で第1ジャーナル油路53i(63e)に対して前記一方向側にあり、動弁室15の外側、または軸端部21i1(21e1)寄りにある。
なお、「ほぼ」との表現は、「ほぼ」との修飾語がない場合を含むと共に、「ほぼ」との修飾語がない場合とは厳密には一致しないものの、「ほぼ」との修飾語がない場合と比べて作用効果に関して有意の差異がない範囲を意味する。
第2本体側油路61i,62i(51e,52e)は、各合わせ面35i,36i(35e,36e)に設けられて第2ジャーナル油路63i(53e)に直接接続された分割面油路62i(52e)と、分割面油路62i(52e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第2接続油路61i(51e)とを有する。分割面油路62i(52e)は、各合わせ面35i,36i(35e,36e)に形成された溝により形成されて64i(54e)および上ジャーナル油路65i(55e)に第2ジャーナル側開口62i1(52e1)で開口する。第2接続油路61i(51e)は、下軸受部31i(31e)およびシリンダヘッド2の仕切壁38に渡って設けられて遅角ポート82i(進角ポート81e)から弁軸線Lvに直交する方向に直線状に延びていて、合わせ面35i(35e)において分割面油路62i(52e)に分割面側開口61i1(51e1)で開口する。
第2カム側油路66i(56e)は、ジャーナル部24i(24e)および軸端部21i1(21e1)の内部に設けられた軸内油路67i(57e)と、カム側回転体40i(40e),41i(41e)に設けられて径方向に延びている径方向の油路68i(58e)(図5,図6参照)とから構成される。
第1,第2接続油路51i(61e),61i(51e)は、少なくとも軸受部材30に設けられ、この実施形態では、下軸受部31i(31e)およびシリンダヘッド2の仕切壁38に渡って設けられるが、別の例では、油圧制御弁70i(70e)が下軸受部31i(31e)に取り付けられるなどして、第1接続油路51i(61e)が下軸受部31i(31e)のみに設けられてもよい。また、別の例として、第1,第2ジャーナル油路53i(63e),63i(53e)は、軸受面33i(33e),34i(34e)とジャーナル部24i(24e)の外周面に設けられた環状溝とにより形成されてもよい。
そして、第1接続油路51i(61e)の通路長は、第2接続油路61i(51e)の通路長と分割面油路62i(52e)の通路長との合計である第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長よりも短く、さらに第2接続油路61i(51e)の通路長よりも短い。
図1,図3を参照すると、第1接続油路51i(61e)の全体および第2接続油路61i(51e)の全体は、したがって、第1ジャーナル側開口51i1(61e1)および分割面側開口61i1(51e1)は、回転中心線Li(Le)に直交すると共に油圧制御弁70i(70e)の弁部71と交わる1つのカム直交平面と交わる位置に配置され、シリンダ軸線方向から見たとき、第1ジャーナル側開口51i1(61e1)および分割面側開口61i1(51e1)は弁軸線Lvに沿う方向または回転中心線Li(Le)に直交する方向に、かつ弁軸線方向または直交方向に並んで位置する。
また、第1接続油路51i(61e)の全体および第2接続油路61i(51e)の全体は、互いに平行であり、かつ弁軸線Lv、分割面37i,37eおよびシリンダ直交平面に直交するように直線状に延びており、弁軸線方向で、第1,第2接続油路51i(61e),61i(51e)は回転中心線Li(Le)に対して同じ側に配置されると共に、第1接続油路51i(61e)は第2接続油路61i(51e)よりも回転中心線Li(Le)および油圧制御弁70i(70e)の先端面71aに近い。
さらに、第2ジャーナル側開口62i1(52e1)は、第1接続油路51i(61e)の第1ジャーナル側開口51i1(61e1)よりも軸方向で軸端部21i1(21e1)に近い位置にある。そして、分割面油路62i(52e)は、シリンダ軸線方向から見たとき、直交方向で分割面側開口61i1(51e1)から第2ジャーナル側開口62i1(52e1)に近づくにつれて、軸方向で分割面側開口61i1(51e1)に対して軸端部21i1(21e1)寄りに次第に偏倚して、軸方向で第2ジャーナル油路63i(53e)と同じ位置まで延びている偏倚部62i3(52e3)を有し、該偏倚部62i3(52e3)は、この実施形態では、分割面油路62i(52e)のほぼ全体が傾斜する傾斜部である。
内燃機関Eが運転を開始すると、オイルポンプ18はクランク軸6により駆動されて、給油路Sに作動油を供給する。制御装置90が制御する油圧制御弁70i(70e)により、機関運転状態に応じて、進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)に対して第1,第2油路60i(50e)を通じて作動油が給排され、両回転体40i(40e),41i(41e)が相対回転することで、クランク軸6に対するカム軸21i(21e)の位相、したがって吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期が進角側または遅角側に変更される。
また、油圧制御弁70i(70e)により、機関運転状態に応じて、各油室43i(43e),44ie(44e)に対する作動油の給排が行われることなく、作動油が各油室43i(43e),44ie(44e)に閉じこめられることにより、両回転体40i(40e),41i(41e)が相対回転することなく一体に回転して、クランク軸6に対するカム軸21i,21eの位相、したがって吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期が保持される。
また、軸受面33i(33e),34i(34e)とジャーナル部24i(24e)の外周面との間に形成される微小な隙間は、カム軸21i(21e)を回転可能に支持する必要性から、下軸受部31i(31e)および上軸受部32i(32e)がボルト95により締め付けられる軸受部材30の分割面37i(37e)での微小な隙間に比べて大きい。このため、機関停止時に第1,第2油路50i(60e),60i(50e)を形成する部材間の微小な隙間から第1,第2油路50i(60e),60i(50e)内に侵入した空気は、オイルポンプ18による作動油の供給開始時に、分割面油路62i(52e)に比べて第1,第2ジャーナル油路53i(63e),63i(53e)から排出されやすい。そして、第1ジャーナル油路53i(63e)内に侵入した空気は、第1接続油路51i(61e)が第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続されていることにより、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)に比べて圧力損失が小さい作動油により、一層排出されやすい。この結果、第1油路50i(60e)には、第2油路60i(50e)に比べて、空気の混入が少ない作動油が供給されるので、進角側(遅角側)への可変バルブタイミング機構Ti(Te)の作動応答性が向上する。
機関停止時には、オイルポンプ18が停止して、給油路Sへの作動油の供給が停止し、油圧制御弁70i(70e)は図7に示される初期位置を占める。このため、進角油室43i(遅角油室44e)および第1油路50i(60e)の作動油は、進角ポート81i(遅角ポート82e)およびドレンポート83を通じて、時間の経過と共に比較的速やかに動弁室15に流出する。一方、遅角油室44i(進角油室43e)および第2油路60i(50e)の作動油は、第2油路60i(50e)が遅角ポート82i(進角ポート81e)および供給ポート80を通じてメインギャラリ19を含む給油路Sと連通した状態にあり、第2油路60i(50e)および給油路Sを形成する部材間の僅かな隙間から徐々に流出する。
そして、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長が第1本体側油路51i(61e)の通路長よりも長く、かつ第2本体側油路61i,62i(51e,52e)が分割面油路62i(52e)を有すること、および第1本体側油路51i(61e)がドレン空間としての動弁室15に開放することにより、第1油路50i(60e)では、第2油路60i(50e)での排出流速よりも大きい排出速度で作動油が排出する。
このため、内燃機関の運転停止後に、内燃機関が冷機状態になるまでの長い時間停止状態にあった後の始動である冷機始動時の場合にはもちろん、内燃機関が停止したときから比較的短い時間しか経過していないときの始動であって、内燃機関Eが暖機完了状態にあるときの始動である再始動時の場合にも、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を、その初期開閉時期である最遅角時期(最進角時期)に迅速に戻すことができるので、可変バルブタイミング機構Ti(Te)による再始動開始後の弁開閉時期の制御精度を高めることができる。そのうえ、再始動時に回転駆動部材Mのチェーン29により駆動側回転体40i(40e)が回転を開始するときに、可変バルブタイミング機構Ti(Te)では、両回転体40i(40e),41i(41e)は、弁開閉時期が最遅角時期(最進角時期)となる前記最遅角位置(前記最進角位置)を確実に占めるので、両回転体40i(40e),41i(41e)の相対回転が防止されて、被動スプロケット28i(28e)とカム軸21i(21e)とが一体に回転するため、この点でも、再始動開始後の弁開閉時期の制御精度を高めることができる。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
内燃機関Eの動弁装置20において、カムホルダの軸受部材30は、分割面37i(37e)により分割されると共にカム軸21i(21e)のジャーナル部24i(24e)を挟んで回転可能に支持する下軸受部31i(31e)および上軸受部32i(32e)から構成され、油圧式可変バルブタイミング機構Ti(Te)には、内燃機関Eの停止時に作動油の供給を停止するオイルポンプ18からの作動油の供給を制御する油圧制御弁70i(70e)により、軸受部材30に設けられた前記制御油路を通じて作動油の給排が行われる進角油室43i(43e)および遅角油室44ie(44e)が設けられ、可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、機関停止時に、進角油室43i(遅角油室44e)の容積が最小値になると共に遅角油室44i(進角油室43e)の容積が最大値になることで、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を初期開閉時期としての最遅角時期(最進角時期)に設定し、前記制御油路は、進角油室43i(遅角油室44e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油が流通する第1油路50i(60e)と、遅角油室44i(進角油室43e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油が流通する第2油路60i(50e)とから構成され、第1油路50i(60e)は、軸受部材30とジャーナル部24i(24e)との協働により形成される第1ジャーナル油路53i(63e)と、第1ジャーナル油路53i(63e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第1本体側油路51i(61e)とを有し、第2油路60i(50e)は、軸受部材30とジャーナル部24i(24e)との協働により形成される第2ジャーナル油路63i(53e)と、第2ジャーナル油路63i(53e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第2本体側油路62i(51e)とを有し、第1本体側油路51i(61e)の通路長は、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長よりも短く、第1本体側油路51i(61e)は、分割面37i(37e)を通ることなく第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続された第1接続油路51i(61e)のみを有し、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)は、分割面37i,37eに設けられて第2ジャーナル油路63i(53e)に直接接続された分割面油路62i(52e)と、分割面油路62i(52e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第2接続油路61i(51e)とを有する。
この構造により、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)に比べて第1本体側油路51i(61e)が短い分、油圧制御弁70i(70e)と進角油室43i(遅角油室44e)との間の第1油路50i(60e)の通路長が短くなる。また、第1本体油路51i(61e)の全体である第1接続油路51i(61e)は、軸受部材30の分割面37i(37e)を通ることなく第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続されるので、第1本体側油路51i(61e)は分割面37i(37e)に設けられる分割面油路を有しておらず、軸受部材30の分割面37i,37eには、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の分割面油路62i(52e)のみが設けられる。
この結果、進角油室43i(遅角油室44e)の容積が遅角油室44i(進角油室43e)の容積よりも小さくなることで、機関停止時に最遅角時期(最進角時期)を設定する可変バルブタイミング機構Ti(Te)において、進角油室43i(遅角油室44e)に対して給排される作動油が流通する第1油路50i(60e)の通路長が、遅角油室44i(進角油室43e)に対して給排される作動油が流通する第2油路60i(50e)よりも、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)に比べて第1本体側油路51i(61e)が短い分だけ短くなるので、機関始動開始後に、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を、最遅角時期(最進角時期)から、より早期に進角または遅角させることができる。さらに、内燃機関Eの再始動時の場合にも、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を初期開閉時期である最遅角時期(最進角時期)に迅速に戻すことができるので、可変バルブタイミング機構Ti(Te)による再始動時開始後の該弁開閉時期の制御精度を高めることができる。
そして、冷機状態からの機関始動開始後、吸気弁10の弁開閉時期を早期に進角させ、排気弁11の弁開閉時期を早期に遅角させることができることにより、機関始動開始後の早期に、吸気弁10および排気弁11のバルブオーバラップ期間を増加させることができるので、体積効率を向上させることができ、また触媒装置17aの暖機を促進できる。
さらに、軸受部材30の分割面37i(37e)には、第1,第2本体側油路51i(61e),61i,62i(51e,52e)において、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の分割面油路62i(52e)のみが設けられ、第1本体側油路51i(61e)は分割面油路を有していないので、第1,第2本体側油路51i(61e),61i,62i(51e,52e)のそれぞれの分割面油路が軸受部材30に設けられる場合に比べて、軸受部材30を小型化できる。
油圧制御弁70i(70e)の弁軸線Lvは、カム軸21i(21e)の回転中心線Li(Le)に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置し、第1接続油路51i(61e)の全体および第2接続油路61i(51e)の全体は、回転中心線Li(Le)に直交すると共に油圧制御弁70i(70e)の弁部71と交わる1つのカム直交平面と交わる位置に配置される。
この構造により、弁軸線Lvがカム軸21i(21e)の回転中心線Li(Le)に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置するように配置された油圧制御弁70i(70e)において、第1接続油路51i(61e)の全体および第2接続油路61i(51e)の全体が、1つのカム直交平面と交わる位置に配置されるので、第1接続油路51i(61e)および第2接続油路61i(51e)が軸方向でコンパクトに配置される。
この結果、第1油路50i(60e)および第2油路60i(50e)を通じて可変バルブタイミング機構Ti(Te)の進角油室43i(43e)および遅角油室44ie(44e)に対する作動油の給排を行う油圧制御弁70i(70e)を軸方向でコンパクトに配置でき、しかも、油圧制御弁70i(70e)に接続される第1接続油路51i(61e)および第2接続油路61i(51e)を軸方向でコンパクトに配置できるので、機関本体を構成するシリンダヘッド2を、軸受部材30付近および油圧制御弁70i(70e)付近において、軸方向で小型化できる。
油圧制御弁70i(70e)の弁軸線Lvに平行な弁軸線方向で、第1接続油路51i(61e)の全体は第2接続油路61i(51e)の全体よりもカム軸21i(21e)の回転中心線Li(Le)に近いことにより、油圧制御弁70i(70e)の弁軸線方向で、第1接続油路51i(61e)の全体が第2接続油路61i(51e)の全体よりもカム軸21i(21e)の回転中心線Li(Le)に近いので、第1接続油路51i(61e)の通路長の短縮化が容易になる。
この結果、油圧制御弁70i(70e)の簡単な配置により、第1接続油路51i(61e)のみで構成される第1本体側油路51i(61e)の通路長を、第2接続油路61i(51e)を有する第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長よりも短くできる。
軸受部材30は、カムホルダにおいてカム軸21i(21e)の軸方向での端部に位置すると共にカム軸21i(21e)の軸端部21i1(21e1)に設けられた可変バルブタイミング機構Ti,Teに最も近い端部軸受部材であり、第2ジャーナル油路63i(53e)での分割面油路62i(52e)の開口である第2ジャーナル側開口62i1(52e1)は、軸方向で第1接続油路51i(61e)の開口である第1ジャーナル側開口51i1(61e1)よりも可変バルブタイミング機構Ti(Te)および軸端部21i1(21e1)に近い位置にあり、分割面油路62i(52e)は、分割面油路62i(52e)での第2接続油路61i(51e)の分割面側開口61i1(51e1)から第2ジャーナル側開口62i1(52e1)に近づくにつれて軸方向で前記分割面側開口61i1(51e1)に対して軸端部21i1(21e1)寄りに偏倚して第2ジャーナル油路63i(53e)と同じ軸方向位置まで延びている偏倚部62i3(52e3)を有する。
この構造により、油圧制御弁70i(70e)に接続される第1,第2接続油路51i(61e),61i(51e)が、軸方向で第2ジャーナル油路63i(53e)に対して軸端部21i1(21e1)とは反対側に配置されるので、その分、油圧制御弁70i(70e)を、軸方向で軸端部21i1(21e1)とは反対寄りに配置することができる。
この結果、軸方向でカム軸21i(21e)の軸端部21i1(21e1)とは反対寄りの油圧制御弁70i(70e)の配置により、油圧制御弁70i(70e)が軸方向で端部軸受部材30から軸端部21i1(21e1)側に張り出すことが防止または抑制されるので、シリンダヘッド2を、油圧制御弁70i(70e)付近において軸方向で小型化できる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
カムホルダの下軸受部は、シリンダヘッドとは別個の部材により構成され、シリンダヘッドに結合手段(例えば、ボルト)により固定されて一体に設けられてもよい。
第1可変バルブタイミング機構および第2可変バルブタイミング機構と、吸気カム軸および排気カム軸とは、前述の実施形態での組み合わせのほかに、あらゆる組み合わせが可能である。また、第1または第2可変バルブタイミング機構は、吸気カムおよび排気カムを有する単一のカム軸に設けられてもよい。さらに、第1または第2可変バルブタイミング機構は、吸気カム軸または排気カム軸のみに設けられてもよい。
分割面である合わせ面は、曲面または段差を有する複数の平面であってもよい。
カムホルダは、シリンダブロックに設けられてもよい。
可変バルブタイミング機構は、機関停止時に、ロック部材により設定される初期開閉時期が最遅角時期(最進角時期)以外の弁開閉時期であってもよく、その場合、前記第1所定値は最小値よりも大きい値であり、第2所定値は最大値よりも小さい値である。
内燃機関は、圧縮点火式機関であってもよく、さらに、V型機関、または1つのシリンダを備える単気筒機関であってもよい。
内燃機関が搭載される対象は、車両以外の機械、例えば、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置、または発電装置であってもよい。
2…シリンダヘッド、10…吸気弁、11…排気弁、15…動弁室、20…動弁装置、21i,21e…カム軸、被動スプロケット28i,28e、チェーン…29、38…仕切壁、39i,39e…窓部、70i,70e…油圧制御弁、83…ドレンポート、
E…内燃機関、Ca…チェーン室、Ti,Te…可変バルブタイミング機構。

Claims (9)

  1. 内燃機関の機関本体に設けられたカムホルダに回転可能に支持されるカム軸と、機関弁を開閉駆動する動弁カムを有する前記カム軸を駆動して前記機関弁の弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期との間で変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の動弁装置であって、
    前記カムホルダの軸受部材は、分割面により分割されると共に前記カム軸のジャーナル部を挟んで回転可能に支持する第1軸受部および第2軸受部から構成され、
    前記可変バルブタイミング機構には、作動油供給源からの作動油の供給を制御する油圧制御弁により、前記軸受部材に設けられた制御油路を通じて作動油の給排が行われる進角油室および遅角油室が設けられ、
    前記制御油路は、前記進角油室および前記遅角油室の一方である第1油室と前記機関本体のシリンダヘッドに取り付けられた前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第1油路と、前記進角油室および前記遅角油室の他方である第2油室と前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第2油路とから構成され、
    前記第1油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第1ジャーナル油路と、前記第1ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第1本体側油路とを有し、
    前記第2油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第2ジャーナル油路と、前記第2ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第2本体側油路とを有し、
    前記第1本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延びる第1接続油路を有し、
    前記第2本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延び且つ前記第1接続油路と平行な第2接続油路を有し、
    前記第1ジャーナル油路および前記第2ジャーナル油路は、前記カム軸の回転中心線に沿う方向に互いに離間して並設され、
    前記油圧制御弁の弁軸線は、前記カム軸の回転中心線に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置し、
    前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記特定カム直交平面上に配置され
    前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室の容積が第1所定値になると共に前記第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になり、
    前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向視で、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記カム軸の回転中心線に対して同じ側に配置されると共に、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口よりも前記回転中心線に近く配置されている
    ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 前記第1接続油路および前記第2接続油路は、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向と平行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 内燃機関の機関本体に設けられたカムホルダに回転可能に支持されるカム軸と、機関弁を開閉駆動する動弁カムを有する前記カム軸を駆動して前記機関弁の弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期との間で変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の動弁装置であって、
    前記カムホルダの軸受部材は、分割面により分割されると共に前記カム軸のジャーナル部を挟んで回転可能に支持する第1軸受部および第2軸受部から構成され、
    前記可変バルブタイミング機構には、作動油供給源からの作動油の供給を制御する油圧制御弁により、前記軸受部材に設けられた制御油路を通じて作動油の給排が行われる進角油室および遅角油室が設けられ、
    前記制御油路は、前記進角油室および前記遅角油室の一方である第1油室と前記機関本体のシリンダヘッドに取り付けられた前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第1油路と、前記進角油室および前記遅角油室の他方である第2油室と前記油圧制御弁との間で作動油が流通する第2油路とから構成され、
    前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室の容積が第1所定値になると共に前記第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になり、
    前記第1油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第1ジャーナル油路と、前記第1ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第1本体側油路とを有し、
    前記第2油路は、前記軸受部材と前記ジャーナル部との協働により形成される第2ジャーナル油路と、前記第2ジャーナル油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる第2本体側油路とを有し、
    前記第1本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延びる第1接続油路を有し、
    前記第2本体側油路は、前記油圧制御弁から前記分割面側へ直線的に延び且つ前記第1接続油路と平行な第2接続油路と、前記分割面に設けられ前記第2接続油路と前記第2ジャーナル油路とを接続する分割面油路とを有し、
    前記第1接続油路および前記第2接続油路は、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向と平行に設けられ、
    前記油圧制御弁は、前記カム軸の鉛直方向下側に設けられ、
    前記第1ジャーナル油路および前記第2ジャーナル油路は、前記カム軸の回転中心線に沿う方向に互いに離間して並設され、
    前記油圧制御弁の弁軸線は、前記カム軸の回転中心線に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置し、
    前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記特定カム直交平面上に配置され、
    前記シリンダの軸線方向視で、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口、および前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記カム軸の回転中心線に対して同じ側に配置されると共に、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口は、前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口よりも前記回転中心線に近く配置されている
    ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  4. 前記第2本体側油路は、前記分割面に設けられて前記第2ジャーナル油路に直接接続された分割面油路と、前記分割面油路と前記油圧制御弁との間で作動油を流通させる前記第2接続油路と、を有し、
    前記第2ジャーナル油路と前記分割面油路とは、前記機関本体に設けられたシリンダの軸線方向視で略く字状に屈曲していることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 前記機関弁は、吸気弁を含み、
    前記カム軸は、吸気カム軸を含み、
    前記可変バルブタイミング機構は、前記吸気カム軸を駆動する吸気可変バルブタイミング機構を含み、
    前記吸気可変バルブタイミング機構において、前記第1油室は前記進角油室であり、前記第2油室は前記遅角油室であり、
    前記第1油室に連通する前記第1本体側油路の通路長は、前記第2油室に連通する前記第2本体側油路の通路長よりも短いことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  6. 前記機関弁は、排気弁を含み、
    前記カム軸は、排気カム軸を含み、
    前記可変バルブタイミング機構は、前記排気カム軸を駆動する排気可変バルブタイミング機構を含み、
    前記排気可変バルブタイミング機構において、前記第1油室は前記遅角油室であり、前記第2油室は前記進角油室であり、
    前記第1油室に連通する前記第1本体側油路の通路長は、前記第2油室に連通する前記第2本体側油路の通路長よりも短いことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  7. 前記第1軸受部および前記第2軸受部は、互いにボルトで締結されており、
    前記ボルトの締結部は、前記油圧制御弁の弁軸線方向で、前記第1接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口と前記第2接続油路の前記油圧制御弁と反対側の開口との間に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  8. 前記第2ジャーナル油路は、前記第1ジャーナル油路よりも前記可変バルブタイミング機構側に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  9. 前記軸受部材は、前記油圧式可変バルブタイミング機構が設置される伝動室と前記機関弁が設置される動弁室とを仕切る仕切壁に設けられ、
    前記仕切壁は、前記伝動室側に膨出する膨出部を有し、当該膨出部に前記第2ジャーナル部が設けられていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の動弁装置。
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