JP4070857B2 - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ特性制御装置に関する、特に油圧によりカムシャフトを変位させてバルブ特性を変更するバルブ特性制御装置の油路の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
バルブ特性を変更するバルブ特性制御装置には、大きく分けて2つの種類がある。一方は、バルブの開弁期間そのものを変化させるものであり、他方は開弁期間は変化させずに開弁期間を移動するものである。前者の場合は、カムシャフトを軸方向に動かすものが多く後者の場合はカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変化させるものが多いが、いずれも、油圧によりカムシャフトを動かすものが殆どである。
【0003】
例えば、後者の例として、特開平8−326515号公報に開示されたバルブ特性制御装置がある。同公報の装置は、プーリとカムシャフトの間に形成され作動油が供給されるとバルブの開閉位相を進角側に移動する様にカムシャフトの回転位相を変更する進角油室と、作動油が供給されるとバルブの開閉位相を進角側に移動する様にカムシャフトの回転位相を変更する遅角油室とを備えていて、カムシャフトを支持する軸支部材内に配置された作動油供給制御弁から、進角油室と遅角油室に作動油が供給される。
【0004】
そして、作動油は作動油供給制御弁から、軸支部材内に形成された軸支部材内進角油路と軸支部材内遅角油路とを通って、それぞれ、カムシャフトとカムシャフトを軸支する軸支部材の摺動部に設けられた環状進角油路と環状遅角油路に送られ、そこから、カムシャフト内に形成されカムシャフト内進角油路とカムシャフト内遅角油路とを通って、進角油室及び遅角油室に導く遅角油室に導入される。
【0005】
ここで、軸支部材内進角油路と環状進角油路、および、軸支部材内遅角油路と環状遅角油路はそれぞれ直接に連通されているので、軸支部材内進角油路と軸支部材内遅角油路を離間させねばならない。その結果、環状進角油路と環状遅角油路との間の距離も大きくなってしまう。したがって、エンジンの軸方向の長さが増大し、その結果、エンジンの搭載性が悪く、また、重量が増加する、という問題がある。この問題は位相を変えるタイプのバルブ特性制御装置に限られるものではなく、作動油の給排のために同じ様な構造を有するバルブ特性制御装置に共通の問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に鑑み、エンジンの軸方向の長さを増大させないバルブ特性制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、カムシャフトで開閉駆動される内燃機関のバルブの開閉の特性を制御するバルブ特性制御装置であって、
作動油が供給されるとカムシャフトを第1の方向に変位せしめる力を発生する第1油室と、
作動油が供給されるとカムシャフトを第1の方向とは反対の第2の方向に変位せしめる力を発生する第2油室と、
カムシャフトを支持する軸支部材内に配置され、第1油室と第2油室に供給する作動油を制御する作動油供給制御弁であって、第1油室に作動油を供給するときは第2油室の作動油を排出し、第2油室に作動油を供給するときは第1油室の作動油を排出するように制御する作動油供給制御弁と、
作動油供給制御弁から作動油を第1油室に導く第1油路及び作動油供給制御弁から作動油を第2油室に導く第2油路と、を具備し、
第1油路と第2油路が、
カムシャフトとカムシャフトを軸支する軸支部材の摺動部に設けられた環状第1油路と環状第2油路と、
カムシャフト内に形成され環状第1油路と第1油室とを結ぶカムシャフト内第1油路と、カムシャフト内に形成され環状第2油路と第2油室とを結ぶカムシャフト内第2油路と、
軸支部材内に形成され環状第1油路と作動油供給制御弁とを結ぶ軸支部材内第1油路と、軸支部材内に形成され環状第2油路と作動油供給制御弁とを結ぶ軸支部材内第2油路と、から成り、
軸支部材内第1油路と軸支部材内第2油路が同じ軸方向位置に配設されていて、
環状油路と、軸支部材内油路のカムシャフト側開口部の間の軸支部材側にベアリングメタルが配設されていて、一方の軸支部材内油路は作動油供給制御弁からベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って軸方向に延びる背面油路を経て、背面到達点と軸方向位置が異なるところで対応する環状油路と連通しており、他方の軸支部材内油路は、ベアリングメタルのカムシャフト支持面を貫通する貫通穴を介して、対応する環状油路と連通しているバルブ特性制御装置が提供される。
【0008】
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、作動油を作動油供給制御弁から軸支部材内第1油路、環状第1油路、カムシャフト内第1油路を通って第1油室に供給してカムシャフトを第1の方向に変位せしめて、あるいは、作動油を作動油供給制御弁から軸支部材内第2油路、環状第2油路、カムシャフト内第2油路を通って第2油室に供給してカムシャフトを第2の方向に変位せしめて、バルブ特性を変更する。軸支部材内第1油路と軸支部材内第2油路が同じ軸方向位置に配設されていて、一方の油室に向かう作動油は作動油供給制御弁から一方の軸支部材内油路を通り、環状油路と軸支部材内油路のカム側開口部の間に配設されたベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って軸方向に延びる背面油路を経て、背面到達点と軸方向位置が異なるところで対応する環状油路に流入する。他方の油室へ向かう作動油は作動油供給制御弁から他方の軸支部材内油路を通り、ベアリングメタルのカムシャフト支持面を貫通する貫通穴を介して、対応する環状油路に流入する。
【0009】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、2つの環状油路の内の一方がベアリングメタルの軸方向の中間の位置に設けられ、他方はベアリングメタルの軸方向端部近傍の位置に設けられていて、
ベアリングメタルの軸方向の中間の位置に設けられた環状の油路は、作動油供給制御弁からベアリングメタルの背面に達している対応する軸支部材内油路と、背面到達点と同じ軸方向位置で、ベアリングメタルのカムシャフト支持面を貫通する貫通穴を介して、連通され、
ベアリングメタルの軸方向の端部近傍の位置に設けられた環状の油路は、ベアリングメタルの端部に沿って形成された迂回油路を介して、対応する軸支部材内油路につながる背面油路に連通されているバルブ特性制御装置が提供される。
【0010】
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、一方の油室に供給される作動油は、作動油供給制御弁よりベアリングメタルの背面に達した軸支部材内油路から、同じ軸方向位置で、ベアリングメタルのカムシャフト支持面を貫通する穴を介して、ベアリングメタルの軸方向の中間の位置に設けられた環状の油路に流入する。
他方の油室に供給される作動油は、作動油供給制御弁よりベアリングメタルの背面に達した軸支部材内油路から、ベアリングメタルの背面に沿ってベアリングメタルの端部に延びている背面油路、ベアリングメタルの端部に沿って形成された迂回通路を介して、ベアリングメタルの軸方向の端部近傍の位置に設けられた環状の油路に流入する。
【0011】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明において、ベアリングメタルが2分割され、貫通穴が設けられたベアリングメタルと、迂回油路の設けられたベアリングメタルが異なるバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、2つの油室に供給される作動油は、それぞれ、別個のベアリングメタルに設けられた貫通穴と迂回通路を通って各軸支部材内油路から対応する各環状油路に流入する。
【0012】
請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、ベアリングメタルで被われる領域内に設けられた環状の油路に対応する軸支部材内油路は、ベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って周方向に延びる背面油路を経て貫通穴に達しているバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、一方の油室に供給される作動油は、軸支部材内油路でベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って周方向に延びる背面油路、貫通穴を経て、ベアリングメタルで被われる領域内に設けられた対応する環状の油路に流入する。
【0013】
請求項5の発明によれば、請求項2の発明において、ベアリングメタルの端部にフランジが設けられ、前記迂回油路がフランジの基部を貫通して形成されているバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、一方の油室に供給される作動油は、軸支部材内油路でベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って軸方向に端部へ延びる背面油路、ベアリングメタルの端部のフランジの基部を貫通して形成された迂回油路を経て、ベアリングメタルで覆われない領域に設けられた対応する環状の油路に流入する。
【0014】
請求項6の発明によれば、請求項2の発明において、第1油室と第2油室に作動油を供給することによりカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変更し、バルブが開いている開弁期間は変えずに、バルブが開いている開弁期間をずらして、運転状態に応じた最適なバルブ特性に変更するようにしたバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、第1油室と第2油室に作動油を供給することによりカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相が変更され、バルブが開いている開弁期間は変えずに、バルブが開いている開弁期間をずらして、運転状態に応じた最適なバルブ特性に変更される。
【0015】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明において、カムシャフトを進角方向に変位させるために油室に要求される力と、カムシャフトを遅角方向に変位させるために油室に要求される力に差があるときには、ベアリングメタルに被われる領域内に設けられている環状油路を通る作動油が、より大きな力が要求される油室に供給されることを特徴とする請求項6に記載のバルブ特性制御装置が提供される。
【0016】
上記の様に構成されたバルブ特性制御装置では大きな力が要求されるカムシャフトの変位をおこなう油室に、ベアリングメタルに被われる領域内に設けられている環状油路を通って作動油が供給され、ベアリングメタルの端部を通らないので作動油の洩れが少なく、大きな力が要求されるカムシャフトの変位の応答性がよい。
【0017】
請求項8の発明によれば、請求項2の発明において、カムシャフトの変位によって、バルブのオーバーラップの拡大と縮小をおこない、バルブのオーバーラップの縮小のために油室に要求される力がバルブのオーバーラップの拡大のために油室に要求される力と同じあるいは、それ以上の場合は、ベアリングメタルに被われる領域内に設けられた環状の油路を通る作動油が、オーバーラップを縮小する方向にカムシャフトを変位せしめる油室に供給されるバルブ特性制御装置が提供される。
吸気バルブと排気バルブが両方とも開いているオーバーラップは小さい方がエンジンの燃焼は安定し、軽負荷ではオーバーラップは小さくするのが好ましい。一方、エンジンは負荷をあげたときよりも、下げたときのほうが変化が早い。したがって、オーバーラップの縮小は素早く実施されねばならない。
上記の様に構成されたバルブ特性制御装置では、ベアリングメタルに被われる領域内に設けられた環状の油路を通り途中の洩れが少なく作動油が供給され、応答性良くカムシャフトを変位する力を発生する油室が、オーバーラップを縮小させるので、ベアリングメタルに被われない領域内に設けられた環状の油路を通り、途中の洩れが大きい作動油が供給される油室によりオーバーラップを縮小させる場合よりもオーバーラップの縮小が素早くおこなわれる。
【0018】
請求項9の発明によれば、請求項1の発明において、ベアリングメタルに被われる領域に設けられる環状油路がカムシャフトに形成されているバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、カムシャフトに形成されている環状油路を通る作動油の給排がおこなわれる。
【0019】
請求項10の発明によれば、請求項1の発明において、ベアリングメタルに被われる領域に設けられる環状油路が、ベアリングメタルの内面に形成されているバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、ベアリングメタルの内面に形成されている環状油路を通る作動油の給排がおこなわれる。
【0020】
請求項11の発明によれば、請求項1の発明において、ベアリングメタルに被われる領域に設けられる環状油路が、カムシャフトとベアリングメタルの内面の両方に形成されているバルブ特性制御装置が提供される。
この様に構成されたバルブ特性制御装置では、カムシャフトとベアリングメタルの内面の両方に形成されている環状油路を通る作動油の給排がおこなわれる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1はエンジン(図示しない)の吸気バルブを開閉するカムシャフトに取り付けられた本発明の第1の実施の形態のベーンタイプのバルブ特性制御装置100をカムシャフト50の中心軸線Xを通る平面で切った断面図である。
図1を参照すると、クランクシャフト(図示しない)によりチェーン(図示しない)を介して1/2の回転比で駆動されるギア10に、ギア10と共働して進角油室110と遅角油室120を形成するハウジング20とサイドカバ−30がB1(4本の内1本のみ図示)により固定されている。ハウジング20の内側にはロータ40が所定角度回動自在に配設されている。ロータ40はカムシャフト50にボルトB2で固定されている。
【0022】
図2はサイドカバー30とボルトB1、ボルトB2を除去した状態でバルブ特性制御装置1を軸端側(図1の左側)から見た図である。
図2に示されるようにハウジング20は外周部21と4つの内側突起部22からなる。内側突起部22の内周側にはシール部材23が配設されている。24はボルトB1が通る穴である。図1においては、ハウジング20は、カムシャフト50の中心軸線Xよりも上側では外周部21と内側突起部22が一体でシール部材23と共に示され、カムシャフト50の中心軸線Xよりも下側ではハウジング20は外周部21が示されている。破線20aは外周部21と内側突起部22の境目である。
【0023】
また、ロータ40はボス41とそこから放射状に外側に突き出た4つのベーン42から成る。ベーンの外周側にはシール部材43が配設されている。図1においては、ロータ40は、カムシャフト50の中心軸線Xよりも上側ではボス41のみが示され、カムシャフト50の中心軸線Xよりも下側ではボス41とベーン42が一体でシール部材43と共に示されている。破線40aはボス41とベーン42の境目である。
ボス41には進角時にカムシャフト内進角油路55を通って来た作動油をボス41の中央部のボルトB2の周りに形成される中央油室44に導く2本の傾斜油路45と、中央油室44から、ロータ40のベーン42とハウジング20の内側突起部22の間に形成される進角油室110に作動油を導入する4本の分配油路46が形成されている。
【0024】
一方、図1を参照すると、カムシャフト50は外側フランジ51と内側フランジ52の間で、半割りの上側メタルベアリング60A、下側メタルベアリング60Bを介して、シリンダヘッド70とカムキャップ80により回転自在に支持されている。そして、外側フランジ51と内側フランジ52の間で、内側フランジ52に近い方に環状進角油路53が、外側フランジ52に近い方に環状遅角油路54が形成されている。
環状進角油路53は中心軸線Xに平行に形成されたカムシャフト内進角油路55と短い油路55aを介して連通している。そしてカムシャフト内進角油路55はロータ40の傾斜油路45に連通している。
環状遅角油路54は中心軸線Xに平行に形成されたカムシャフト内遅角油路56と短い油路56aを介して連通している。カムシャフト内進角油路56は外側フランジ51よりも軸端側に設けられている軸端側環状遅角油路57に連通している。
軸端側環状遅角油路57は、ギヤ10の内周側に設けられたギヤ内環状油路11とギヤ内分配油路12を介して、遅角油室120に連通している(図2参照)。
【0025】
一方、シリンダヘッド70には各油室への作動油の供給を制御するオイルコントロールバルブ90が嵌入されている。図3にオイルコントロールバルブ90の詳細を示す。図3に示されているようにオイルコントロールバルブ90はスリーブ91内で電磁ソレノイド92のプランジャ93とスプリング94によってスプール弁95を移動して作動油の流れ方向を切り換える。
【0026】
スリーブ91は進角ポート91a、遅角ポート91b、供給ポート91c、ドレインポート91d、91eを有している。一方、スプール弁95は、4つのランド95a、95b、95c、95dと、3つの溝通路95e、95e、95fを有する。
そして電磁ソレノイド92は電子コントロールユニット(以下ECU)200からの信号によりデューテイ制御で励磁されるがそのデューティ比を変えることによりスプール弁95の位置が変化させて作動油の進角油室110、遅角油室120への給排を制御する。
【0027】
例えば、デューティ比100%で励磁されるとスプール弁95は最も左側まで移動し進角ポート91aが供給ポート91cと連通され、遅角ポート91bがドレインポート91eと連通され、バルブ特性制御装置100の進角油室110に向けて作動油が供給されカムシャフト50はクランクシャフトに対して進角方向に移動する。
また、デューテイ比0%(励磁されない)の場合は、スプール弁95は最も右側まで移動し供給ポート91cと遅角ポート91bが連通され、進角ポート91aがドレインポート91dと連通され、バルブ特性制御装置1の進角油室120に向けて作動油が供給されカムシャフト50はクランクシャフトに対して遅角方向に移動する。図3はこの供給ポート91cと遅角ポート91bが連通された状態を示している。
【0028】
後述するがカムシャフト50のクランクシャフトに対する位相差を検出するカム角センサ212を有していて、予め定めた位相差になると、電磁ソレノイド92は中間のデューテイ比で励磁されスプール弁95はランド95a、95b、95c、95dによって、進角ポート91aと供給ポート91c、ドレインポート91dとの連通をそれぞれ遮断し、遅角ポート91bと供給ポート91c、ドレインポート91dとの連通をそれぞれ遮断する位置で停止し、カムシャフト50はクランクシャフトに対してその位相差を保つ。
【0029】
図1に戻って、71で示されるのはオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aとカムシャフト50に形成された環状進角油路53を連通するためのシリンダヘッド内進角油路である。また、72で示されるのはオイルコントロールバルブ90の遅角ポート91bとカムシャフト50に形成された環状遅角油路54を連通するためのシリンダヘッド内遅角油路である。
同じく、図1において73で示されるのはオイルコントロールバルブ90の供給ポート91cとオイルポンプ(図示しない)を連通するための供給油路であり74、75で示されるのはオイルコントロールバルブ90のドレーンポート91d、91eとオイルパンを連通するためのドレーン油路である。
【0030】
図4は図1の4−4線に沿って見た断面図であって、環状進角油路53とシリンダヘッド内進角油路71との連通、および、環状遅角油路54とシリンダヘッド内遅角油路72との連通を示している。
図4に示されるように、シリンダヘッド内進角油路71はオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aからカムキャップ80に向かって上方に延伸しシリンダヘッド70の上面76に突き抜けている。このシリンダヘッド内進角油路71と上側ベアリングメタル60Aの外側を結ぶようにカムキャップ80の下面81に溝82が形成されている。一方、上側ベアリングメタル60Aには穴61が形成されていて、穴61の径は環状進角油路53の幅よりも大きく設定されている。そして、この穴61とカムキャップ80の下面81に溝82を連通するように傾斜油路83が形成されている。なお、図5は上記の構成を分かりやすく示す上側ベアリングメタル60Aとカムキャップ80の分解組み立て図である。
【0031】
一方、シリンダヘッド内遅角油路72はオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aからカムキャップ80に向かって上方に延伸するが途中で斜めに曲がって下側ベアリングメタル60Bの外側の開口72aに達している。
ここで、下側ベアリングメタル60Bとシリンダヘッド70の構造を分解組み立て図で示した図6を参照すると、上記の開口72aの径よりも幅の大きな断面三日月状の溝78が、この開口72aから軸端方向に向かって、下側ベアリングメタル60Bを受けるシリンダヘッド70の半円断面受け部77に形成されている。
【0032】
一方、下側ベアリングメタル60Bには、そのフランジ部60Fが立ち上がる角部に切り欠き62が形成されている。切り欠きを軸方向から見た大きさは少なくとも溝78の三日月状の断面よりも大きく、切り欠きを軸に直角な方向から見た時の幅は、この部分に内接するカムシャフト50の環状遅角油路54の幅よりも大きい。
なお、ベアリングメタルにフランジを設けずに同じ作用をする別体の部品を設けることもできる。
【0033】
したがって、進角用の作動油はオイルコントロールバルブ90の進角ポート91aから、シリンダヘッド内油路71、カムキャップ80の溝82、傾斜油路83、上側ベアリングメタル60Aの穴61を通って、カムシャフト50の環状進角油路53に達する。環状進角油路53からは短い連絡油路55aを通ってカムシャフト内進角油路55に入って軸端方向に進み、ロータ40の傾斜油路45を通って中央油室44に達し、そこから分配油路46を通って各進角油室110に分配される。
【0034】
また、遅角用の作動油はオイルコントロールバルブ90の遅角ポート91bからシリンダヘッド内油路72から、断面三日月状の溝78と下側ベアリングメタル60Bの背面の間に形成される油路79に入って軸端方向に進み、下側ベアリングメタル60Bの軸端の角部に形成された切り欠き62を通ってカムシャフト50の環状遅角油路54に達する。環状遅角油路54からは短い連絡油路56aを通ってカムシャフト内遅角油路56に入って軸端方向に進み、短い連絡油路56bを通って軸端側環状遅角油路57に達する。そこからは、軸端側環状遅角油路57に対向してギヤ10に形成された環状油路11を経て傾斜分配油路12に入り、各遅角油室120に分配される。
【0035】
ここで、ベアリングメタルが配設されていない従来技術と比較すると、従来技術では、シリンダヘッド内の2本の油路の軸方向の位置が重ならないようにしなければならないのに対して、本発明では、図1に示されているようにシリンダヘッド内の2本の通路の軸方向の位置を重ねて配置することができ、2つ環状油路の間の距離も必要最低限にされている。結果的にエンジンの軸方向長さの増大が抑制されている。
【0036】
上述した進角用の作動油が辿る経路と、遅角用の作動油が辿る経路を比較すると、遅角用に供給される作動油が辿る経路は各ベアリングメタルのフランジ部とカムの外側フランジ51の間からの洩れが大きい。
【0037】
次に、図4を参照して、上記の様に構成されたバルブ特性制御装置100の制御について説明する。この制御は運転条件に応じたバルブ特性、すなわち、クランクシャフト回転に対するカムシャフト50の回転の位相差を求め、カムシャフト50の実際の位相差が要求された値になるようにオイルコントロールバルブ90でフィードバック制御するものである。
そこで、ECU200によりこの制御をおこなうわけであるが、ECU200は相互に連結された入力インターフェイス210、中央演算処理装置(CPU)220、ランダムアクセスメモリ(RAM)230、リードオンリメモリ(ROM)240、出力インターフェイス250から成るデジタルコンピュータである。
【0038】
ECU200の入力インターフェイス210には、上記の制御に必要な各センサからの信号が入力される。
まず、クランクポジションセンサ211から信号が入力される。クランクポジションセンサ211の構造の詳細は省略するが、例えば、クランクシャフトに取り付けられた信号発生円板の突起に近接して電磁ピックアップが配され、この電磁ピックアップが突起が通過する毎に信号電圧を発生する。信号発生円板の突起は10°毎に設けられているが、2つ欠歯しているので34個ある。欠歯箇所は例えば1番気筒の上死点に対して所定の角度位置に設けられているので、欠歯箇所が発した信号から上死点を正確に求めるもとができる。そして、10°おきに発生される信号はさらに分周され計測時点の上死点からのクランク角度を精確にもとめることができる。
【0039】
カム角センサ212は、カムシャフト50の適切な場所に信号発生突起が設けられ、その突起に近接して電磁ピックアップが配され、この電磁ピックアップが突起を通過する毎に信号電圧を発生する。この突起は、カムシャフト50の1回転につき1回、すなわちクランクシャフト2回転につき1回信号を発生する。この突起は、例えば、第1気筒のカムシャフトの最大リフト時に信号を発生する様に設けられている。
吸気管圧力センサ213は負荷としての吸気管圧力PMを検出する。
これらの信号は入力インターフェイス210でCPU220での演算処理に適した形に変換されてCPU220に送られる。
【0040】
CPU220は、バルブタイミングの制御に関して以下のような制御をおこなう。
まず、クランクポジションセンサ211からの信号と、カム角センサ212からの信号に基づき、現在のカムシャフトの位相をもとめる。この位相をあらわすパラメータとして第1気筒の圧縮上死点からカム角センサが信号を発生する時点、すなわち第1気筒のカム山の最大リフト時点、までのクランク角を計算する。圧縮上死点は前述のようにクランクポジションセンサが欠歯部の信号を発生してから所定のクランク角を過ぎた点としてもとめる。
また、クランクポジションセンサ211からの信号に基づき、エンジン回転数NEを演算する。このエンジン回転数NEと、吸気管圧力センサ213が検出した吸気管圧力PMにで規定される運転条件に対応する目標のカムシャフトの位相をバルブタイミングをROM240に予め記憶しておいたマップから読み込む。マップには前述のカムシャフトの位相の測定に用いたのと同じパラメータで記憶されている。
【0041】
図7に示すのがマップに記憶されている運転条件に対応した吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する位相である。軽負荷では燃焼の安定性を優先してオーバーラップが少なくなるように最大に遅角させる。負荷が大きくなるにつれ進角させてオーバーラップを大きくして内部EGR率を高めポンピングロスをなくし燃費の向上とエミッションの向上をはかる。そして、高回転高負荷では体積効率が向上するように、吸気バルブの閉じのタイミングをやや早めるようにされている。
【0042】
そして、マップからもとめたカムシャフトの目標位相値に対して、実測したカムシャフトの位相が遅れていた場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92にデューテイ比100%の励磁電流を送る指令を出し、バルブタイミング制御装置100の進角油室110に作動油が流れるようにして、カムシャフトの位相を進めて目標の位相に近づける。逆に、マップからもとめたカムシャフトの目標位相値に対して、実測したカムシャフトの位相が進んでいた場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92を消磁する指令を出して、バルブタイミング制御装置100の遅角油室120に作動油が流れるようにして、カムシャフトの位相を遅らせ目標の位相に近づける。そして、カムシャフトの位相が目標値と一致したら中間のデューテイ比の励磁電流を送り、その位相を保持する。
【0043】
図8、9、10はそれぞれカムシャフトの位相を、最も進角する場合、最も遅角する場合、その中間にする場合のバルブ特性制御装置100のバルブハウジング20の内側突起部22とロータ40のベーン42の相対位置関係を示している。
なお、各図において、ハウジング20、および、ハウジング20により駆動されるロータ40は図中矢印の様に時計周りに回転する。また各図においては見やすくするために最小限の符号しか示していない。
【0044】
まず、図8の様にバルブの開閉位相を最も進角する場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92をデューテイ比100%で励磁し太い破線の矢印で示されるように導入された作動油で進角油室110を満たし、逆に遅角油室120の作動油をすべて排出し、デューテイ比を中間の値にしてその状態を保持する。
一方、図9の様にバルブの開閉位相を最も遅角する場合は、オイルコントロールバルブ90の電磁ソレノイド92を消磁し、太い破線の矢印で示されるように導入された作動油で遅角油室120を満たし、逆に進角油室110の作動油をすべて排出し、デューテイ比を中間の値にしてその状態を保持する。
【0045】
なお、オイルコントロールバルブ90は電磁ソレノイド92をデューテイ比を100%に励磁してはじめて進角ポート91aが開く、また、0%(消磁)で初めて遅角ポート91bが開く,というものではなく、100%よりも低い、あるいは0%よりも大きい、デューテイ比から徐々に開き始め、100%、0%(消磁)で最大開度に達するというものであり、常に、100%、0%にする必要はない。むしろ、常に、100%、0%で制御しようとすると、オーバーシュートが発生し目標位相に到達するのに時間がかかるので望ましくない。そこで、この実施の形態においては、目標位相との差に応じてデューテイ比を変更するようにさているが詳細は省略する。
【0046】
また、図10の様にバルブの開閉位相を中間にする場合は、より遅角状態から変化させる場合は上述の前者の様にして進角油室110に作動油を導き遅角油室120の作動油を抜いて所望の状態に達したところで保持し、より進角状態から変化させる場合は上述の後者の様にして遅角油室120に作動油を導き進角油室110の作動油を抜いて所望の状態に達したところで保持する。
【0047】
ところで、進角油室110への作動油の導入はハウジング20の内側突出部22がロータ40のベーン42に近づこうとするのに抗して行わねばならず高い油圧が要求される。一方、遅角油室120への作動油の導入はハウジング20の内側突出部22自体がギヤ10を介してクランクシャフトの力によりロータ40のベーン42に近づこうとするのを助勢するものであるので高い油圧は要求されない。
そこで、高い油圧が要求されない遅角用の作動油が洩れの大きい経路を辿り、高い油圧が要求される進角用の作動油が洩れの小さい経路を辿る様にされているわけである。
【0048】
また、この第1の形態は、吸気バルブを駆動するカムシャフトに適用されているので、このカムシャフトの位相を進角させるということは、吸気バルブの開きが早く排気バルブと吸気バルブが両方とも開いているオーバーラップ期間を増大するということである。逆に、このカムシャフトの位相を遅角させるということは、オーバーラップ期間を縮小するということである。
オーバーラップを小さくすると、吸気管側への混合気の吹き返しを減らし、内部EGRを減らし、エンジンの燃焼を安定させる。
一方、オーバーラップを大きくすると、内部EGRが増大しポンピングロスが減少して、燃費が向上する。
【0049】
したがって、燃焼の安定性が要求されるアイドリング、および、軽負荷では、カムシャフトの位相を遅角させ、高負荷ではカムシャフトの位相を進角させている。
ここで高負荷から低負荷への変化の速さと、低負荷から高負荷への変化を比較すると高負荷から低負荷への変化の速さの方が速い。したがって、オーバーラップを縮小する遅角の動作の方が速さを要求される。
この第1の実施の形態において、進角時の動作と、遅角時の動作を、比較すると、遅角時はハウジング20の内側突出部22自体がギヤ10を介してクランクシャフトの大きな力でロータ40のベーン42に近づこうとするので動作が速い。
したがって、この第1の実施の形態における、進角用と、遅角用の油室の選択は、上記の要求に適っているということである。
【0050】
次に、第1の実施の形態と同様なベーンタイプのバルブ特性制御装置を排気バルブに応用した場合を考える。排気バルブに応用した場合は、オーバーラップを縮小させるためには、排気バルブ用のカムシャフトを進角させねばならなず、オーバーラップを縮小させるために油室は大きな力を発生することが要求される。逆に、オーバーラップを拡大させるために、カムシャフトを遅角させるので、前述のように油室は大きな力を発生することが要求されない。
オーバーラップの縮小はできるだけ素早くおこなわなければならないから、環状油路がベアリングメタルに被われ洩れが少ない経路を通る作動油によりオーバーラップの縮小がおこなわれる。
【0051】
次に、第2の実施の形態として、駆動プーリとカムシャフトの間にヘリカルギヤを介装して、このヘリカルギヤを、第1の実施の形態と同様な、2つの環状油路を通る作動油で移動せしめてカムシャフトを変位せしめる場合を考える。
図11が上記の第の実施の形態の構造を示す図である。図11において、510はクランクシャフト(図示しない)により駆動されるプーリである。プーリ510にはハウジング520が固定されている。一方、550はカムシャフトであって、カムシャフト550にはピストン受け部材540がボルトB3により固定されている。
【0052】
530はピストンであって、外周側と内周側にそれぞれヘリカルスプライン531と532が形成されていて、外周側のヘリカルスプライン531はハウジング520に形成されたヘリカルシプライン521と噛み合い、内周側のヘリカルスプライン532はピストン受け部材540に形成されたヘリカルシプライン542と噛み合っている。
【0053】
ピストン530の軸方向内側の油室533に油路555を通った作動油を供給し、また、軸方向外側の油室534に油路556を通った作動油を供給することにより、カムシャフト550のプーリ510に対する位相を変化せしめることができる。カムシャフト550のプーリ510に対する位相を変化させるときに、加えられる力は、油室533と油室534に供給された作動油による力のみであって、ピストン550の受圧面の面積もほぼ等しくされている。
この第2の実施の形態においては、第1の実施の形態とは異なり、進角するのにピストンに要求される力と、遅角するのにピストンに要求される力は変わらない。
【0054】
ここで、油路555、556までの、オイルコントロールバルブからの経路は省略してあるが、第1の実施の形態におけるカム内第1油路55、カム内第2油路までの油路と同じである。したがって、油路555に到達した作動油の方が途中の洩れが少なくピストン530の動きが早く、カムシャフトの変位も早くなるなるので、この油室533に作動油が供給された場合にオーバーラップが縮小するようにされている。
【0055】
なお、以上説明してきた、第1、第2の実施の形態はいずれも、バルブの開弁期間を変えずに移動するようにカムシャフトの位相をずらすものであるが、本発明は例えばカムシャフトを軸方向に変位させて開弁期間を変える場合にも適用できるものである。
【0056】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、エンジンの軸方向の長さを増大させないバルブ特性制御装置が提供され、バルブ特性制御装置を取り付けたエンジンの重量増が抑制され、また、車両への搭載性も悪化しない。
特に請求項7の発明のようにすれば、応答性よくカムシャフトのクランクシャフトに対する位相の変化を実現できる。
特に請求項8の発明のようにすれば、オーバーラップの縮小が素早くおこなわれる。
特に請求項9の発明のようにすれば、環状油路がカムシャフトに形成されるので環状油路をベアリングメタルに形成する必要がなくベアリングメタルの厚さを薄くすることができる。
特に請求項10の発明のようにすれば、環状油路がベアリングメタルに形成されるのでカムシャフトの径を大きくする必要がなく重量の増大が抑制される。
特に請求項11の発明のようにすれば、環状油路がカムシャフトとベアリングメタルに形成されるので大きな油路を確保することが可能であり応答性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブタイミング制御装置の構造をカム中心軸を通る平面で切った断面図である。
【図2】図1の装置を軸方向から見た図である。
【図3】オイルコントロールバルブ90の構造を示す図である。
【図4】図1の4−4線に沿って見たオイルコントロールバルブ90とカムシャフト50内の油路の連通を示す断面図である。
【図5】カムキャップ80と上側ベアリングメタル60Aに設けられた油路を説明する分解組立て図である。
【図6】シリンダヘッドと下側ベアリングメタル60Bに設けられた油路を説明する分解組立て図である。
【図7】運転条件に対する吸気カムの位相のマップである。
【図8】カムシャフトの位相を、最も進角する場合のバルブ特性制御装置100のバルブハウジング20とロータ40の相対位置関係を示している。
【図9】カムシャフトの位相を、最も遅角する場合のバルブ特性制御装置100のバルブハウジング20とロータ40の相対位置関係を示している。
【図10】カムシャフトの位相を、最も進角する場合と最も遅角する場合の中間にする場合のバルブ特性制御装置100のバルブハウジング20とロータ40の相対位置関係を示している。
【図11】第2の実施の形態の構造を説明する図である。
【符号の説明】
10…ギヤ
11…ギヤ内環状油路
12…ギヤ内分配油路
20…ハウジング
21…外周部
22…内側突出部
23…シール部材
30…サイドカバー
40…ロータ
41…ボス
42…ベーン
43…シール部材
44…中央油室
45…傾斜油路
50…カムシャフト
53…環状進角油路
54…環状遅角油路
55…カムシャフト内進角油路
56…カムシャフト内遅角油路
57…軸端側環状遅角油路
60A…上側ベアリングメタル
60B…下側ベアリングメタル
61…穴
62…切り欠き
70…シリンダヘッド
71…シリンダヘッド内進角油路
72…シリンダヘッド内遅角油路
73…供給油路
74、75…ドレーン油路
78…溝
80…カムキャップ
82…溝
83…傾斜油路
90…オイルコントロールバルブ
91…スリーブ
91a…進角ポート
91b…遅角ポート
91c…供給ポート
91d、91e…ドレーンポート
92…電磁ソレノイド
93…プランジャ
95a、95b、95c、95d…ランド
95e、95f、95g…溝
110…進角油室
120…遅角油室
510…プーリ
520…ハウジング
530…ピストン
521、531…外側ヘリカルスプライン
532、542…内側ヘリカルスプライン
533…遅角油室
534…進角油室
550…カムシャフト
555…カム内進角油路
556…カム内遅角油路

Claims (11)

  1. カムシャフトで開閉駆動される内燃機関のバルブの開閉の特性を制御するバルブ特性制御装置であって、
    作動油が供給されるとカムシャフトを第1の方向に変位せしめる力を発生する第1油室と、
    作動油が供給されるとカムシャフトを第1の方向とは反対の第2の方向に変位せしめる力を発生する第2油室と、
    カムシャフトを支持する軸支部材内に配置され、第1油室と第2油室に供給する作動油を制御する作動油供給制御弁であって、第1油室に作動油を供給するときは第2油室の作動油を排出し、第2油室に作動油を供給するときは第1油室の作動油を排出するように制御する作動油供給制御弁と、
    作動油供給制御弁から作動油を第1油室に導く第1油路及び作動油供給制御弁から作動油を第2油室に導く第2油路と、を具備し、
    第1油路と第2油路が、
    カムシャフトとカムシャフトを軸支する軸支部材の摺動部に設けられた環状第1油路と環状第2油路と、
    カムシャフト内に形成され環状第1油路と第1油室とを結ぶカムシャフト内第1油路と、カムシャフト内に形成され環状第2油路と第2油室とを結ぶカムシャフト内第2油路と、
    軸支部材内に形成され環状第1油路と作動油供給制御弁とを結ぶ軸支部材内第1油路と、軸支部材内に形成され環状第2油路と作動油供給制御弁とを結ぶ軸支部材内第2油路と、から成り、
    軸支部材内第1油路と軸支部材内第2油路が同じ軸方向位置に配設されていて、
    環状油路と、軸支部材内油路のカムシャフト側開口部の間の軸支部材側にベアリングメタルが配設されていて、一方の軸支部材内油路は作動油供給制御弁からベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って軸方向に延びる背面油路を経て、背面到達点と軸方向位置が異なるところで、対応する環状油路と連通しており、他方の軸支部材内油路は、ベアリングメタルのカムシャフト支持面を貫通する貫通穴を介して、対応する環状油路と連通していることを特徴とするバルブ特性制御装置。
  2. 2つの環状油路の内の一方がベアリングメタルの軸方向の中間の位置に設けられ、他方はベアリングメタルの軸方向の端部近傍の位置に設けられていて、
    ベアリングメタルの軸方向の中間の位置に設けられた環状の油路は、作動油供給制御弁からベアリングメタルの背面に達している対応する軸支部材内油路と、背面到達点と同じ軸方向位置で、ベアリングメタルのカムシャフト支持面を貫通する貫通穴を介して、連通され、
    ベアリングメタルの軸方向の端部近傍の位置に設けられた環状の油路は、ベアリングメタルの端部に沿って形成された迂回油路を介して、対応する軸支部材内油路につながる背面油路に連通されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ特性制御装置。
  3. ベアリングメタルが2分割され、貫通穴が設けられたベアリングメタルと、迂回油路の設けられたベアリングメタルが異なることを特徴とする請求項2に記載のバルブ特性制御装置。
  4. ベアリングメタルで被われる領域内に設けられた環状の油路に対応する軸支部材内油路は、ベアリングメタルの背面に到達した後、ベアリングメタルの背面に沿って周方向に延びる背面油路を経て貫通穴に達していることを特徴とする請求項2に記載のバルブ特性制御装置。
  5. ベアリングメタルの端部にフランジが設けられ、前記迂回油路がフランジの基部を貫通して形成されていることを特徴とする請求項2に記載のバルブ特性制御装置。
  6. 第1油室と第2油室に作動油を供給することによりカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変更し、バルブが開いている開弁期間は変えずに、バルブが開いている開弁期間をずらして、運転状態に応じた最適なバルブ特性に変更することを特徴とする請求項2に記載のバルブ特性制御装置。
  7. カムシャフトを進角方向に変位させるために油室に要求される力と、カムシャフトを遅角方向に変位させるために油室に要求される力に差があるときには、ベアリングメタルに被われる領域内に設けられている環状油路を通る作動油が、より大きな力が要求される油室に供給されることを特徴とする請求項6に記載のバルブ特性制御装置。
  8. カムシャフトの変位によって、バルブのオーバーラップの拡大と縮小をおこない、バルブのオーバーラップの縮小のために油室に要求される力がバルブのオーバーラップの拡大のために要求される力と同じあるいは、それ以上の場合は、
    ベアリングメタルに被われる領域内に設けられた環状の油路を通る作動油がオーバーラップを縮小する方向にカムシャフトを変位せしめる油室に供給されることを特徴とする請求項2に記載のバルブ特性制御装置。
  9. ベアリングメタルに被われる領域に設けられる環状油路が、カムシャフトに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ特性制御装置。
  10. ベアリングメタルに被われる領域に設けられる環状油路が、ベアリングメタルの内面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ特性制御装置。
  11. ベアリングメタルに被われる領域に設けられる環状油路が、カムシャフトとベアリングメタルの内面の両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ特性制御装置。
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