JP4396507B2 - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のバルブ特性制御装置に関するものである。
機関出力やエミッション等の向上を目的として、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性(バルブタイミングやバルブリフト量等)を変更する可変バルブ機構が知られている。
このような可変バルブ機構は、上記バルブ特性が機関運転状態に基づいて設定される目標値となるように同バルブ特性の実値と目標値との偏差に基づき、フィードバック制御される。ここで、油圧を利用して駆動される可変バルブ機構では、機関低温時(冷間時)などのように油温が低い状況において駆動速度が低下するため、そのような状況でフィードバック制御が行われるとハンチングやオーバシュートが生じやすくなり、可変バルブ機構の制御性が不安定になるおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の装置では、機関低温時等における可変バルブ機構の制御態様としてインチング制御を行うようにしている。このインチング制御では可変バルブ機構の強制駆動と駆動休止とが繰り返し行われ、これにより同可変バルブ機構は微動を繰り返しながら目標値に向かうようになる。このインチング制御では、バルブ特性の実値が少しずつ目標値に向かうため、ハンチングやオーバシュートが生じにくく、可変バルブ機構の制御性が安定するようになる。
特開2003−254017号公報
ところで、上記インチング制御ではバルブ特性の実値が少しずつ目標値に向かうため、バルブ特性の変化速度は遅くなる。従って、特許文献1に記載の装置のように、バルブ特性の変更に際し、その変更開始から変更完了に至るまでインチング制御を行うようにすると可変バルブ機構の駆動制御についてその応答性が低下するといった不具合が生じてしまう。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関低温時における可変バルブ機構の駆動制御についてその安定性を確保しつつ応答性を向上させることのできる内燃機関のバルブ特性制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、圧力室への流体の供給に基づいて駆動して機関バルブのバルブ特性を変更する可変バルブ機構について、これを前記バルブ特性の目標値と実値との関係に基づいて制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブ特性の実値が目標値に向けて変更されるときに前記バルブ特性の目標値と実値との偏差が判定値よりも大きいことに基づいて、強制駆動の制御により前記可変バルブ機構を駆動し、前記バルブ特性の実値が目標値に向けて変更されるときに前記バルブ特性の目標値と実値との偏差が前記判定値よりも小さいことに基づいて、強制駆動と駆動休止とを繰り返すインチング制御により前記可変バルブ機構を駆動する強制駆動手段を備えることを要旨としている。
同構成では、バルブ特性の目標値と実値との偏差が判定値以下になるまで可変バルブ機構を強制駆動するようにしているため、バルブ特性の実値は目標値付近にまで速やかに変更される。そのため、上記従来の装置のように、バルブ特性の変更に際してその変更開始から変更完了に至るまでインチング制御を行う場合と比較して、可変バルブ機構の駆動制御についてその応答性を向上させることができるようになる。
そして、バルブ特性の実値が目標値付近にまで変更された後の可変バルブ機構の駆動制御は上述したようなインチング制御に変更されるため、同駆動制御の安定性も確保される。
また、機関低温時などのように流体の温度が低い状況であっても、同構成では、上記偏差が判定値以下になるまで可変バルブ機構は強制駆動され、同偏差が判定値以下になると同可変バルブ機構の駆動制御はインチング制御に変更される。そのため、機関低温時であっても確実にバルブ特性の実値を目標値に変更することができる。
従って、上記構成によれば、機関低温時における可変バルブ機構の駆動制御についてその安定性を確保しつつ応答性を向上させることができるようになる。ちなみに、可変バルブ機構の強制駆動に際しては、バルブ特性の変化速度が最大となるように駆動パラメータを設定することにより、上記応答性を好適に向上させることができる。
ちなみに上記特許文献1に記載されるごとく、バルブ特性の変更開始時における上記偏差の大きさに応じて強制駆動時間(可変バルブ機構を強制駆動させる時間)を予め設定するようにしても、バルブ特性の実値を目標値付近にまで速やかに変更することは可能であるが、この場合には次のような不具合の発生が懸念される。すなわち、強制駆動中のバルブ特性の変化量は様々な要因(偏差に基づいて強制駆動時間を設定するためのマップ適合値と実際の最適値とのずれ、流体の温度変化など)によって変化する可能性がある。そのため、強制駆動時間が予め設定されている場合にあって強制駆動中のバルブ特性の変化量が不足していた場合には、強制駆動完了後の偏差がそれほど小さくなっていない、換言すれば実際の偏差を目標とする偏差(上記判定値に相当する偏差)にすることができないおそれがある。
一方、請求項1に記載の構成では、偏差が判定値以下になるまで可変バルブ機構の強制駆動が行われるため、実際の偏差を確実に且つ速やかに目標とする偏差(上記判定値に相当する偏差)にすることができ、これにより従来の装置よりも応答性の向上を図ることができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記強制駆動手段は、前記バルブ特性の実値が目標値に向けて変更されるとき且つ前記バルブ特性の実値が目標値を超える前に、前記偏差が前記判定値よりも小さいことに基づいて前記インチング制御により前記可変バルブ機構を駆動することを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記強制駆動手段は、前記インチング制御においての強制駆動及び駆動休止の期間を前記偏差に基づいて可変設定することを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記可変バルブ機構は、前記圧力室への流体の供給量を調整する制御バルブにより制御されるものであり、前記強制駆動手段は、前記偏差が前記判定値以下になるまで前記制御バルブの駆動信号を前記強制駆動に対応した信号に保持し、前記偏差が前記判定値以下となった後に前記駆動信号を前記強制駆動に対応した信号と前記駆動休止に対応した信号とに交互に切り替えることを要旨としている。
同構成によれば、バルブ特性の目標値と実値との偏差が上記判定値以下になるまで上記制御バルブの駆動信号が強制駆動に対応した信号に保持されるため、可変バルブ機構を確実に強制駆動することができるようになる。また、同偏差が上記判定値以下となった後の駆動信号は、強制駆動に対応した信号と駆動休止に対応した信号とに交互に切り替えられる。そのため、可変バルブ機構は微動を繰り返しながら目標値に向かうようになり、確実にインチング動作させることができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記可変バルブ機構は、排気バルブのバルブタイミングを変更するものであり、前記強制駆動手段は、このバルブタイミングが遅角側に変更されるときに前記強制駆動及び前記インチング制御を行うものであることを要旨としている。
排気バルブのバルブタイミングを遅角側に変更してバルブオーバラップ量を増大させると、排気通路に排出された排気が再び燃焼室に吸入されるようになるため、排気中に含まれる未燃HC(炭化水素)を次の燃焼行程で燃焼させることができ、もってHCの排出量を低減することができる。ここで、可変バルブ機構の応答性が低い場合には、バルブタイミングを速やかに遅角させることができないため、しばらくの間、上述したようなHCの低減効果を得ることができない。この点、上記構成によれば、排気バルブのバルブタイミングを速やかに遅角させることができるため、HCの低減効果を速やかに得ることができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、機関冷間始動時に前記排気バルブのバルブタイミングを遅角側に変更することを要旨としている。
機関の冷間始動に際しては、HCの排出量が増大する傾向にある。そこで、上記発明によるように、機関の冷間始動に際して、上記バルブタイミングの遅角側への変更を実施するようにすることで、機関の冷間始動時におけるHCの排出量を好適に低減することができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記制御手段は、前記排気バルブのバルブタイミングが遅角側に変更されるとき且つ前記排気バルブのバルブタイミングの目標値として最遅角が設定されるとき、前記可変バルブ機構の強制駆動のみを通じて前記バルブ特性の実値を目標値に近づけるものであり、前記排気バルブのバルブタイミングが遅角側に変更されるとき且つ前記排気バルブのバルブタイミングの目標値として最遅角が設定されていないとき、前記強制駆動及び前記インチング制御を行うものであることを要旨としている。
以下、この発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置が適用されるガソリン機関1の概略構成を示している。
ガソリン機関1のシリンダブロック2は複数のシリンダ3を備えている。上記シリンダ3内に設けられたピストン4は、クランクシャフト5にコンロッド6を介して連結されている。このコンロッド6によりピストン4の往復運動がクランクシャフト5の回転運動へと変換されるようになっている。
上記シリンダブロック2の上部には、シリンダヘッド7が取り付けられている。そして、上記シリンダ3においてピストン4の上端とシリンダヘッド7との間には、燃焼室8が形成されている。また、シリンダヘッド7には、燃焼室8内に燃料を直接噴射するインジェクタ16や点火プラグ11が設けられている。上記燃焼室8に対応して設けられた吸気ポート12及び排気ポート13は、それぞれ吸気通路14及び排気通路15に接続されている。
上記燃焼室8に対応して設けられた吸気バルブ17及び排気バルブ18は、前記吸気ポート12及び排気ポート13をそれぞれ開閉する。同吸気バルブ17及び排気バルブ18は、それぞれ吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト32の回転に伴い、吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト32にそれぞれ設けられたカム(図示略)が回転することによって開閉動作する。吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト32の先端に各々設けられたタイミングプーリ33、34は、タイミングベルト35を介してクランクシャフト5に駆動連結されており、クランクシャフト5が2回転すると各タイミングプーリ33、34が1回転するようになっている。そして、ガソリン機関1の運転時には、クランクシャフト5の回転力はタイミングベルト35及び各タイミングプーリ33、34を介して吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト32に伝達される。こうして、吸気バルブ17、及び排気バルブ18はクランクシャフト5の回転に同期して、すなわち各ピストン4の往復移動に対応して所定のタイミングで開閉駆動される。
また、クランクシャフト5に近接してクランク角センサ41が設けられている。このクランク角センサ41は、クランクシャフト5の回転位相(クランク角)を検出しており、またその検出結果に基づいてガソリン機関1(クランクシャフト5)の機関回転速度NEが検出される。また、吸気カムシャフト31に近接して吸気側カム角センサ42aが設けられており、同吸気側カム角センサ42a及びクランク角センサ41の出力信号に基づいて吸気カムシャフト31の回転位相(カム角)が検出される。同様に、排気カムシャフト32に近接して排気側カム角センサ42bが設けられており、同排気側カム角センサ42b及びクランク角センサ41の出力信号に基づいて排気カムシャフト32の回転位相(カム角)が検出される。
前記点火プラグ11にはイグナイタから出力される高電圧が印加される。点火プラグ11の点火タイミングは、イグナイタからの高電圧出力タイミングにより決定される。そして、ガソリン機関1は、吸気通路14からの吸入空気とインジェクタ16から噴射された燃料とからなる混合気を点火プラグ11にて点火し、燃焼室8内で爆発させて機関出力を得る。また、このときに発生する燃焼ガスは排気通路15へ排出され、触媒70にて浄化される。
前記吸気通路14の一部には、吸気の脈動を抑えるためのサージタンク51が設けられている。サージタンク51の上流側には、アクセルペダルの操作に基づいて開度が変更されるスロットルバルブ53が設けられており、このスロットルバルブ53の開度を変更することにより燃焼室8内へ吸入される空気量が調節されるようになっている。また、スロットルバルブ53の近傍には同スロットルバルブ53の開度を検出するスロットル開度センサ54が取り付けられている。また、上記スロットルバルブ53の上流側には、ガソリン機関1に吸入される吸入空気量Qaに応じた出力が得られるエアフロメータ55が設けられている。
本実施の形態において、吸気カムシャフト31に設けられたタイミングプーリ33には可変バルブ機構である吸気バルブタイミング可変機構60aが設けられている。また、排気カムシャフト32に設けられたタイミングプーリ34にも可変バルブ機構である排気バルブタイミング可変機構60bが設けられている。
この吸気バルブタイミング可変機構60aは、クランクシャフト5に対するタイミングプーリ33と吸気カムシャフト31との相対回転位相を油圧の作用により変更することで、吸気バルブ17のバルブ特性であるバルブタイミングを連続的に変更する機構である。また、排気バルブタイミング可変機構60bは、クランクシャフト5に対するタイミングプーリ34と排気カムシャフト32との相対回転位相を油圧の作用により変更することで、排気バルブ18のバルブ特性であるバルブタイミングを連続的に変更する機構である。
吸気バルブタイミング可変機構60aは、タイミングプーリ33に対し吸気カムシャフト31の相対回転位相を進めるための進角側圧力室と、同相対回転位相を遅らせるための遅角側圧力室とを備えており、進角側圧力室には進角側油圧通路P1aを通じて、遅角側圧力室には遅角側油圧通路P2aを通じて流体である潤滑油がそれぞれ供給される。同様に、排気バルブタイミング可変機構60bは、タイミングプーリ34に対する排気カムシャフト32の相対回転位相を進めるための進角側圧力室と、同相対回転位相を遅らせるための遅角側圧力室とを備えており、進角側圧力室には進角側油圧通路P1bを通じて、遅角側圧力室には遅角側油圧通路P2bを通じて潤滑油がそれぞれ供給される。
オイルパン65に貯留されている潤滑油はオイルポンプ62によって吸入され、この吸入された潤滑油は同オイルポンプ62によってオイルコントロールバルブ(以下、OCVという)63a、63bに供給される。これらOCV63a、63bは、スプール弁を備えるリニアソレノイドバルブであって、内蔵された電磁ソレノイドへの駆動信号を変化させる、より具体的には印加する電圧のデューティ比DRを変化させることにより、潤滑油の供給先や供給量を変更することができるようになっている。
OCV63aに供給された潤滑油は、進角側油圧通路P1a、あるいは遅角側油圧通路P2aのいずれかに供給され、各油圧通路に選択的に油が供給されることにより、クランクシャフト5に対する吸気カムシャフト31の相対回転位相が変更され、もって吸気バルブ17のバルブタイミングが変更される。より具体的には、OCV63aの駆動信号のデューティ比である吸気側デューティ比DRinが「50%」近傍のときに進角側油圧通路P1a及び遅角側油圧通路P2aは閉鎖され、これにより吸気バルブタイミング可変機構60aの駆動は停止されて、吸気バルブ17のバルブタイミングは現状値に保持される。また、吸気側デューティ比DRinが「50%」近傍よりも大きくなると、進角側油圧通路P1aへの潤滑油供給がなされて、吸気バルブタイミング可変機構60aは進角側に駆動され、もって吸気バルブ17のバルブタイミングは進角側に変更される。このときには吸気側デューティ比DRinが大きくなるほど潤滑油の流量が増大し、吸気バルブタイミング可変機構60aの進角側への駆動速度は速くなる。一方、吸気側デューティ比DRinが「50%」近傍よりも小さくなると、遅角側油圧通路P2aへの潤滑油供給がなされて、吸気バルブタイミング可変機構60aは遅角側に駆動され、もって吸気バルブ17のバルブタイミングは遅角側に変更される。このときにも吸気側デューティ比DRinが小さくなるほど潤滑油の流量が増大し、吸気バルブタイミング可変機構60aの遅角側への駆動速度は速くなる。
同様に、OCV63bに供給された潤滑油は、進角側油圧通路P1b、あるいは遅角側油圧通路P2bのいずれかに供給され、各油圧通路に選択的に油が供給されることにより、クランクシャフト5に対する排気カムシャフト32の相対回転位相が変更され、もって排気バルブ18のバルブタイミングが変更される。より具体的には、OCV63bの駆動信号のデューティ比である排気側デューティ比DRexが「50%」近傍のときに進角側油圧通路P1b及び遅角側油圧通路P2bは閉鎖され、これにより排気バルブタイミング可変機構60bの駆動は停止されて、排気バルブ18のバルブタイミングは現状値に保持される。また、排気側デューティ比DRexが「50%」近傍よりも大きくなると、遅角側油圧通路P2bへの潤滑油供給がなされて、排気バルブタイミング可変機構60bは遅角側に駆動され、もって排気バルブ18のバルブタイミングは遅角側に変更される。このときには排気側デューティ比DRexが大きくなるほど潤滑油の流量が増大し、排気バルブタイミング可変機構60bの遅角側への駆動速度は速くなる。一方、排気側デューティ比DRexが「50%」近傍よりも小さくなると、進角側油圧通路P1bへの潤滑油供給がなされて、排気バルブタイミング可変機構60bは進角側に駆動され、もって排気バルブ18のバルブタイミングは進角側に変更される。このときにも排気側デューティ比DRexが小さくなるほど潤滑油の流量が増大し、排気バルブタイミング可変機構60bの進角側への駆動速度は速くなる。
上記ガソリン機関1の点火時期制御、燃料噴射量制御、あるいは各バルブタイミング機構の位相制御に基づくバルブタイミングの制御等の各種制御は、制御装置(以下、ECUという)80によって行われる。この制御装置80は中央処理制御装置(CPU)を備えるマイクロコンピュータを中心として構成されている。例えば制御装置80には、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)が設けられている。また制御装置80には、演算結果や予め記憶されたデータ等を機関停止後も保存するためのバックアップRAM、入力インターフェース、出力インターフェース等も設けられている。そして、前記クランク角センサ41、吸気側カム角センサ42a、排気側カム角センサ42b、冷却水温を検出する水温センサ43、スロットル開度センサ54、及びエアフロメータ55等からの出力信号が前記入力インターフェースを通じて入力されるようになっている。これら各センサ41〜43、54、55等の出力信号により、ガソリン機関1の運転状態が検出される。
一方、出力インターフェースは、各々対応する駆動回路等を介してインジェクタ16、点火プラグ11用のイグナイタ、OCV63a及びOCV63b等に接続されている。
そして、制御装置80は上記各センサ41〜43、54、55等からの信号に基づき、ROM内に格納された制御プログラム及び初期データに従い、上記インジェクタ16、イグナイタ、OCV63a(吸気バルブタイミング可変機構60a)、及びOCV63b(排気バルブタイミング可変機構60b)等を好適に制御する。
上記制御装置80は、吸気バルブタイミング可変機構60aの駆動制御を通じて吸気バルブ17のバルブタイミング制御を行う。こうした吸気バルブ17のバルブタイミング制御では、同吸気バルブ17の実バルブタイミングが機関運転状態に基づいて設定される目標バルブタイミングとなるように吸気バルブタイミング可変機構60aが駆動される。ここで、吸気バルブ17の実バルブタイミングとしては吸気カムシャフト31の実際の変位角である吸気側実変位角VTinが用いられ、吸気バルブ17の目標バルブタイミングとしては吸気カムシャフト31の目標変位角である吸気側目標変位角VTTinが用いられる。そして、吸気側実変位角VTinと吸気側目標変位角VTTinとの偏差ΔVTinに応じて吸気側デューティ比DRinが可変設定されて吸気バルブタイミング可変機構60aの駆動がフィードバック制御されることにより、吸気バルブ17のバルブタイミングは速やかに目標バルブタイミングに調整される。
同様に、上記制御装置80は、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御を通じて排気バルブ18のバルブタイミング制御を行う。こうした排気バルブ18のバルブタイミング制御では、同排気バルブ18の実バルブタイミングが機関運転状態に基づいて設定される目標バルブタイミングとなるように排気バルブタイミング可変機構60bが駆動される。ここで、排気バルブ18の実バルブタイミングとしては排気カムシャフト32の実際の変位角である排気側実変位角VTexが用いられ、排気バルブ18の目標バルブタイミングとしては排気カムシャフト32の目標変位角である排気側目標変位角VTTexが用いられる。そして、排気側実変位角VTexと排気側目標変位角VTTexとの偏差ΔVTexに応じて排気側デューティ比DRexが可変設定されて排気バルブタイミング可変機構60bの駆動がフィードバック制御されることにより、排気バルブ18のバルブタイミングは速やかに目標バルブタイミングに調整される。
なお、上記の各バルブタイミング制御で用いられる変位角とは、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を表す値であって、その変化角度はクランク角度(°CA)に換算されている。上記吸気側実変位角VTinは、クランク角センサ41及び吸気側カム角センサ42aからの検出信号に基づき求められる。吸気側実変位角VTinは、吸気バルブ17のバルブタイミングが最大限遅角されているときに「0°CA」とされるものであり、この最大遅角タイミングから吸気バルブ17のバルブタイミングがどれだけ進角されているかを表す値となっている。また、上記排気側実変位角VTexは、クランク角センサ41及び排気側カム角センサ42bからの検出信号に基づき求められる。この排気側実変位角VTexは、排気バルブ18のバルブタイミングが最大限進角されているときに「0°CA」とされるものであり、この最大進角タイミングから排気バルブ18のバルブタイミングがどれだけ遅角されているかを表す値となっている。
他方、本実施形態におけるガソリン機関1では、機関の冷間始動に際して触媒70の排気浄化性能を早期に発揮させるべく、触媒の急速暖機制御が実施される。この触媒急速暖機制御では、圧縮行程での燃料噴射、吸入空気量の増大による燃料噴射量の増大、及び点火時期の遅角を実施することによって排気温度の上昇を図り、これにより触媒70を早期に活性化させるようにしている。また、この触媒急速暖機制御が実行されるときには、同時に排気通路に排出されるHCの量を減少させるために、混合気の空燃比をリーン化して未燃HCの酸化を促進させるとともに、排気バルブ18のバルブタイミングを遅角させるようにしている。このように排気バルブ18のバルブタイミングを遅角してバルブオーバラップ量を増大させると、排気通路15に排出された排気が再び燃焼室8に吸入されるようになるため、排気中に含まれる未燃HCを次の燃焼行程で燃焼させることができ、もってHCの排出量を低減することができる。なお、このように触媒急速暖機制御の実行に併せて実施される排気バルブ18のバルブタイミング遅角に際しては、機関での燃焼状態や排気性状の悪化を抑制することのできる範囲で可能な限り遅角量が大きくなるように、排気側目標変位角VTTexが機関運転状態に基づき設定される。
ここで、冷間始動時などのように機関温度が低い状態では、油温が低く潤滑油の粘度が高くなるため、OCV63bの作動速度が低下したり、潤滑油の流動速度が低下したりする等して排気バルブタイミング可変機構60bの駆動速度が低下するようになる。そのため、このような状況で排気バルブタイミング可変機構60bの駆動をフィードバック制御すると、ハンチングやオーバシュートが生じやすくなり、同機構の制御性が不安定になるおそれがある。
一方、そのような機関低温時において、排気バルブタイミング可変機構60bの強制駆動と駆動休止とを繰り返し行うことで同機構を繰り返し微動させる制御、いわゆるインチング制御を実施する場合には、バルブタイミングが少しずつ目標値に向かうため、ハンチングやオーバシュートが生じにくく、同機構の制御性は安定するようになる。ただし、このインチング制御による動作、いわゆるインチング動作では排気バルブ18のバルブタイミングが少しずつ目標値に向かうため、その変化速度は遅くなる。従って、バルブタイミングの変更に際し、その変更開始から変更完了に至るまでインチング制御を行うようにすると、実値が目標値に到達するまでの時間が長くなり、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御についてその応答性が低下するといった不具合が生じてしまう。このように排気バルブタイミング可変機構60bの応答性が低下すると、排気バルブ18のバルブタイミングを速やかに遅角させることができなくなり、HCの低減効果を速やかに得ることができないといった不具合も生じるようになる。
そこで本実施形態では、排気バルブタイミング可変機構60bを強制駆動態様を変更する強制駆動手段を備えるようにしており、以下に説明する触媒急速暖機時のデューティ比設定処理を実施することにより、機関低温時における排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御についてその安定性を確保しつつ応答性を向上させるようにしている。そして、この応答性の向上を図ることにより、機関の冷間始動に際して排気バルブ18のバルブタイミングを速やかに遅角させ、もってHCの低減効果を速やかに得るようにしている。
図2は、制御装置80によって実行される触媒急速暖機時の上記デューティ比設定処理についてその手順を示している。なお、本処理は、機関始動時にあって上記触媒急速暖機制御の実行中に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、排気側目標変位角VTTexが最遅角位置に設定されているか、すなわち排気バルブタイミング可変機構60bの可動範囲内においてその最大遅角位置に相当する変位角に排気側目標変位角VTTexが設定されているか否かが判断される(S100)。そして、排気側目標変位角VTTexが最遅角位置に設定されている場合には(S100:YES)、上記排気側デューティ比DRexが「100%」に設定され(S110)、排気バルブタイミング可変機構60bは最大速度にて遅角側に駆動される。そして本処理は一旦終了される。このときには、排気バルブタイミング可変機構60bがその可動範囲内における最大遅角位置まで駆動されるため、この駆動を通じて排気バルブ18のバルブタイミングは自ずと最遅角位置に変更される。
一方、排気側目標変位角VTTexが最遅角位置に設定されていない場合には(S100:NO)、本処理の実行タイミングにおける排気側目標変位角VTTexと排気側実変位角VTexとの偏差ΔVTexが判定値αを超えているか否かが判断される(S120)。本実施形態では、この判定値αを「5°CA」に設定しているが、この他の値を適宜設定してもよい。
そして、偏差ΔVTexが判定値αを超えている旨判断される場合には(S120:YES)、同偏差ΔVTexが大きいため、このままインチング制御にて排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御を行うと、速やかに排気バルブ18のバルブタイミングを目標値にまで遅角させることができないおそれがある。すなわちHCの低減効果を速やかに得ることができないおそれがある。そこで、このように判断されたときには、排気側デューティ比DRexが「100%」に設定され(S110)、排気バルブタイミング可変機構60bは最大速度にて遅角側に強制駆動されて、本処理は一旦終了される。そして本処理が繰り返し実行され、偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで、排気側デューティ比DRexは強制駆動信号である「100%」に保持される。従って、ステップS120で否定判定されるまで排気バルブタイミング可変機構60bは連続的に強制駆動されつづけることになる。
一方、偏差ΔVTexが判定値α以下である旨判断される場合には(S120:NO)、同偏差ΔVTexが十分に小さいため、インチング制御にて排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御を行っても、速やかに排気バルブ18のバルブタイミングを目標値にまで遅角させることができ、HCの低減効果も速やかに得ることができる。そこで、このように判断されたときには、インチング制御の実行許可を示すインチングフラグINFが「1」に設定され、インチング制御が実行される(S130)。そして本処理は一旦終了される。
このインチング制御では、駆動休止時間Trの間、OCV63bに駆動休止信号(排気側デューティ比DRex=50%)が入力されて、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動は休止される。そして駆動休止時間Trが経過すると、強制駆動時間Tcの間、OCV63bに強制駆動信号(排気側デューティ比DRex=100%)が入力されて、排気バルブタイミング可変機構60bは強制駆動される。このような強制駆動信号と駆動休止信号とが交互に切り替えられることにより、排気バルブタイミング可変機構60bは断続的に強制駆動され、もって同機構は微動を繰り返しながら目標値に向かうようになる。そして、排気側実変位角VTexが排気側目標変位角VTTexになると、OCV63bには上記駆動休止信号が入力されて排気バルブ18のバルブタイミングの変更が完了される。
なお、本実施形態では、上記強制駆動時間Tc及び駆動休止時間Trを上記デューティ比設定処理の実行タイミングにおける偏差ΔVTexに応じて可変設定するようにしているが、それらの値は予め設定された固定値としてもよい。
次に、上記デューティ比設定処理の実行を通じた排気側実変位角VTexの変更態様を、図3を併せ参照して説明する。
機関の冷間始動がなされ、上述したような触媒急速暖機制御が開始されると、これに併せて排気バルブ18のバルブタイミングを遅角させるべく、排気側目標変位角VTTexが遅角側に設定される(時刻t1)。このように排気側目標変位角VTTexが遅角側に設定されると偏差ΔVTexが大きくなるため、OCV63bには強制駆動信号(排気側デューティ比DRex=100%)が入力され、同偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで(時刻t2)、この強制駆動信号は保持される。
そして時刻t2においてインチングフラグINFが「1」に設定されると、インチング制御が開始される。すなわち、駆動休止時間Trの間、排気側デューティ比DRexは「50%」に設定されて排気バルブタイミング可変機構60bの駆動は休止される。そして駆動休止時間Trが経過すると、強制駆動時間Tcの間、排気側デューティ比DRexは「100%」に設定されて排気バルブタイミング可変機構60bは強制駆動される。このような強制駆動信号と駆動休止信号とが交互に切り替えられることにより、排気側実変位角VTexは徐々に排気側目標変位角VTTexへ向けて変更されていき、排気側実変位角VTexが排気側目標変位角VTTexに到達すると(時刻t3)、排気側デューティ比DRexは「50%」に保持される。
そしてその後、触媒急速暖機制御が終了すると(時刻t4)、上記インチングフラグINFは「0」に設定されるとともに、排気バルブ18のバルブタイミングはそのときの機関運転状態に応じたタイミングに変更される。
このように本実施形態にかかるデューティ比設定処理では、排気側目標変位角VTTexと排気側実変位角VTexとの偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで、排気バルブタイミング可変機構60bを強制駆動するようにしているため(時刻t1〜時刻t2)、排気側実変位角VTexは排気側目標変位角VTTexの付近にまで速やかに変更される。そのため、上記従来の装置のように、バルブ特性の変更に際してその変更開始から変更完了に至るまでインチング制御を行う場合と比較して、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御についてその応答性が向上するようになる。
そして、排気側実変位角VTexが排気側目標変位角VTTexの付近にまで変更された後(時刻t2以降)の排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御は、上述したようなインチング制御に変更されるため、同駆動制御の安定性も確保される。
また、機関低温時などのように潤滑油の温度が低い状況であっても、偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで排気バルブタイミング可変機構60bは強制駆動され、同偏差ΔVTexが判定値α以下になると同機構の駆動制御はインチング制御に変更される。そのため、機関低温時であっても確実に排気側実変位角VTexを排気側目標変位角VTTexに変更することができる。
また、機関からのHC排出量が増大しやすい同機関の冷間始動に際して、排気バルブ18のバルブタイミングを遅角させるときに上記デューティ比設定処理を実行するようにしている。そのため、排気バルブ18のバルブタイミングが速やかに遅角され、もって機関の冷間始動時におけるHCの排出量が十分に低減されるようになる。
なお、上記特許文献1に記載されるごとく、バルブ特性の実値と目標値との偏差であってバルブ特性の変更開始時における偏差の大きさに応じて可変バルブ機構の強制駆動時間を予め設定するようにしても、バルブ特性の実値を目標値付近にまで速やかに変更することは可能であるが、この場合には次のような不具合の発生が懸念される。すなわち、強制駆動中のバルブ特性の変化量は様々な要因(偏差に基づいて強制駆動時間を設定するためのマップ適合値と実際の最適値とのずれ、流体の温度変化など)によって変化する可能性がある。そのため、強制駆動時間が予め設定されている場合にあって強制駆動中のバルブ特性の変化量が不足していた場合には、強制駆動完了後の偏差がそれほど小さくなっていない、換言すれば実際の偏差を目標とする偏差(上記判定値αに相当する偏差)にすることができないおそれがある。
一方、本実施形態では、偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで排気バルブタイミング可変機構60bの強制駆動が行われるため、実際の偏差を確実に且つ速やかに目標とする偏差(上記判定値αに相当する偏差)にすることができ、これにより従来の装置よりも排気バルブタイミング可変機構60bの応答性の向上を図ることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)上記デューティ比設定処理では、排気バルブ18のバルブタイミングを目標値に向けて変更する際、排気側目標変位角VTTexと排気側実変位角VTexとの偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで排気バルブタイミング可変機構60bを強制駆動するようにしている。そのため、排気側実変位角VTexは排気側目標変位角VTTexの付近にまで速やかに変更されるようになり、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御についてその応答性を向上させることができるようになる。
また、同デューティ比設定処理では、偏差ΔVTexが判定値α以下となった後、すなわち排気側実変位角VTexが排気側目標変位角VTTexの付近にまで変更された後の排気バルブタイミング可変機構60bの制御態様を、同排気バルブタイミング可変機構60bが強制駆動と駆動休止とを繰り返すインチング制御に変更するようにしている。そのため、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御の安定性も確保される。
また、上述したように偏差ΔVTexが判定値α以下になるまで排気バルブタイミング可変機構60bを強制駆動し、同偏差ΔVTexが判定値α以下になると同機構の駆動制御をインチング制御に変更するようにしている。そのため、機関低温時などのように潤滑油の温度が低い状況であっても、確実にバルブ特性の実値を目標値に変更することができる。
従って、上記デューティ比設定処理を実行することによって、機関低温時における排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御についてその安定性を確保しつつ応答性を向上させることができるようになる。
(2)上記排気バルブタイミング可変機構60bは、上記各圧力室への潤滑油供給量を調整するOCV63bによってその駆動が制御される機構とされている。そして上記デューティ比設定処理では、偏差ΔVTexが判定値α以下になるまでOCV63bの駆動信号を、排気バルブタイミング可変機構60bの強制駆動に対応した信号(上記強制駆動信号)に保持するようにしている。また、偏差ΔVTexが判定値α以下となった後は、同駆動信号を上記強制駆動信号と排気バルブタイミング可変機構60bの駆動休止に対応した信号(上記駆動休止信号)とに交互に切り替えるようにしている。
従って、排気側目標変位角VTTexと排気側実変位角VTexとの偏差ΔVTexが判定値α以下になるまでOCV63bの駆動信号は強制駆動信号に保持されるようになり、排気バルブタイミング可変機構60bを確実に強制駆動することができるようになる。また、同偏差ΔVTexが判定値α以下となった後の同駆動信号は、強制駆動信号と駆動休止信号とに交互に切り替えられる。そのため、排気バルブタイミング可変機構60bは微動を繰り返しながら目標値に向かうようになり、確実にインチング動作させることができるようになる。
(3)HCの排出量が増大する機関の冷間始動に際して、排気バルブ18のバルブタイミングを遅角側に変更するようにしており、そのときの排気バルブタイミング可変機構60bの駆動制御について上記デューティ比設定処理を実行するようにしている。従って、排気バルブ18のバルブタイミングを速やかに遅角させることができ、もってバルブオーバラップ量を増大させることによるHCの低減効果を速やかに得ることができるようになる。そしてこれにより機関の冷間始動時におけるHCの排出量を好適に低減させることができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・触媒急速暖機制御の実行に併せて上記デューティ比設定処理を実行するようにしたが、少なくとも機関の冷間始動に際して排気バルブ18のバルブタイミングを遅角側に変更する場合において同デューティ比設定処理を実行するようにすれば、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
・触媒急速暖機制御が実施されるような機関の冷間始動に際して、上記デューティ比設定処理を実行するようにしたが、同処理は機関の冷間運転時や暖機完了後にも実行することができる。この場合にも、上記(1)や(2)に記載の効果を得ることができる。
・強制駆動信号の排気側デューティ比DRexを「100%」に設定したが、排気バルブタイミング可変機構60bを確実に駆動させることのできるデューティ比であればこれ以外の値を設定することもできる。また、駆動休止信号の排気側デューティ比DRexを「50%」に設定したが、排気バルブタイミング可変機構60bの駆動を確実に休止させることのできるデューティ比であればこれ以外の値を設定することもできる。
・上記実施形態では、排気バルブ18のバルブタイミングを表す値として変位角を用いた。しかしながら、これは一例であって、排気バルブ18のバルブタイミングを表す他のパラメータを用いてもよい。
・上記デューティ比設定処理は、排気バルブ18のバルブタイミングを進角側に変更するとき、吸気バルブ17のバルブタイミングを遅角側に変更するとき、あるいは吸気バルブ17のバルブタイミングを進角側に変更するとき、といった各位相変更時における可変バルブ機構の駆動制御にも同様な原理を用いて適用することができる。そしてこれらの場合にも上記(1)や(2)に記載した効果と同等な効果を得ることができる。
・上記可変バルブ機構は、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブタイミングを変更する機構であった。しかし、本発明にかかるバルブ特性制御装置の適用対象となる可変バルブ機構は、そのような可変バルブ機構に限定されるものではない。例えば、機関バルブのリフト量及びバルブタイミングを変更する可変バルブ機構や、機関バルブのリフト量のみを変更する可変バルブ機構にも適用可能である。
・上記実施形態では、ガソリン機関1に本発明にかかるバルブ特性制御装置を適用した。しかしながら、適用対象となる内燃機関はこのガソリン機関1に何ら限定するものではない。要するに、圧力室への流体供給により駆動される機構であって機関バルブのバルブ特性を変更する可変バルブ機構を備える内燃機関であれば、上記実施形態及びその変形例にかかるバルブ特性制御装置は適用可能である。
本実施の形態にかかるバルブ特性制御装置が適用されるガソリン機関1の概略構成図。 同実施形態におけるデューティ比設定についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において、上記デューティ比設定処理の実行を通じたバルブ特性の変更態様を示すタイミングチャート。
符号の説明
1…ガソリン機関、2…シリンダブロック、3…シリンダ、4…ピストン、5…クランクシャフト、6…コンロッド、7…シリンダヘッド、8…燃焼室、11…点火プラグ、12…吸気ポート、13…排気ポート、14…吸気通路、15…排気通路、16…インジェクタ、17…吸気バルブ、18…排気バルブ、31…吸気カムシャフト、32…排気カムシャフト、33、34…タイミングプーリ、35…タイミングベルト、41…クランク角センサ、42a…吸気側カム角センサ、42b…排気側カム角センサ、43…水温センサ、51…サージタンク、53…スロットルバルブ、54…スロットル開度センサ、55…エアフロメータ、60a…吸気バルブタイミング可変機構、60b…排気バルブタイミング可変機構、62…オイルポンプ、63a、63b…オイルコントロールバルブ(OCV)、65…オイルパン、70…触媒、80……制御装置、P1a、P1b…進角側油圧通路、P2a、P2b…遅角側油圧通路。

Claims (7)

  1. 圧力室への流体の供給に基づいて駆動して機関バルブのバルブ特性を変更する可変バルブ機構について、これを前記バルブ特性の目標値と実値との関係に基づいて制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記バルブ特性の実値が目標値に向けて変更されるときに前記バルブ特性の目標値と実値との偏差が判定値よりも大きいことに基づいて、強制駆動の制御により前記可変バルブ機構を駆動し、前記バルブ特性の実値が目標値に向けて変更されるときに前記バルブ特性の目標値と実値との偏差が前記判定値よりも小さいことに基づいて、強制駆動と駆動休止とを繰り返すインチング制御により前記可変バルブ機構を駆動する強制駆動手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記強制駆動手段は、前記バルブ特性の実値が目標値に向けて変更されるとき且つ前記バルブ特性の実値が目標値を超える前に、前記偏差が前記判定値よりも小さいことに基づいて前記インチング制御により前記可変バルブ機構を駆動する
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記強制駆動手段は、前記インチング制御においての強制駆動及び駆動休止の期間を前記偏差に基づいて可変設定する
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記可変バルブ機構は、前記圧力室への流体の供給量を調整する制御バルブにより制御されるものであり、
    前記強制駆動手段は、前記偏差が前記判定値以下になるまで前記制御バルブの駆動信号を前記強制駆動に対応した信号に保持し、前記偏差が前記判定値以下となった後に前記駆動信号を前記強制駆動に対応した信号と前記駆動休止に対応した信号とに交互に切り替える
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記可変バルブ機構は、排気バルブのバルブタイミングを変更するものであり、
    前記強制駆動手段は、このバルブタイミングが遅角側に変更されるときに前記強制駆動及び前記インチング制御を行うものである
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    機関冷間始動時に前記排気バルブのバルブタイミングを遅角側に変更する
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
    前記制御手段は、前記排気バルブのバルブタイミングが遅角側に変更されるとき且つ前記排気バルブのバルブタイミングの目標値として最遅角が設定されるとき、前記可変バルブ機構の強制駆動のみを通じて前記バルブ特性の実値を目標値に近づけるものであり、前記排気バルブのバルブタイミングが遅角側に変更されるとき且つ前記排気バルブのバルブタイミングの目標値として最遅角が設定されていないとき、前記強制駆動及び前記インチング制御を行うものである
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
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