JP3873809B2 - 内燃機関のバルブタイミング可変制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のバルブタイミング可変制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車用の内燃機関として、燃焼室に直接燃料を噴射供給する筒内噴射式のものが知られている。こうした内燃機関の制御装置として、例えば、本出願人による特願2001−131129に開示したものがある。この内燃機関の制御装置では、冷間時に、吸気側バルブタイミング可変機構を最進角させてバルブオーバーラップ量(吸気バルブと排気バルブのオーバーラップ量)を大とすることで、内部EGRを発生させて、黒煙を抑制するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術では、冷間時にバルブタイミング制御用オイル粘度が高くバルブタイミング制御が困難であるため、吸気側バルブタイミング可変機構を、進角側へ突き当て位置(ハード上のガード)まで変位させて最進角させるしかない。このため、バルブタイミング制御が困難な機関状態、例えば始動時の冷却水温が0℃以下、および冷却水温が0℃より高い機関状態で、内部EGRを適宜変更できないという問題があった。その結果、始動時の冷却水温が0℃以下の機関状態では、内部EGRを増やせないために黒煙の発生を十分に抑制できなかったり、冷却水温が0℃より高い機関状態では、内部EGRが多くなり過ぎて燃焼が不安定になり、失火するおそれ等があった。
【0004】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング制御が困難な機関状態であっても内部EGRを可変にすることができ、黒煙発生の抑制と燃焼状態の安定化を図った内燃機関のバルブタイミング可変制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に係る発明は、油圧の給排態様の調節を通じて内燃機関の吸気バルブのバルブタイミングを可変とする吸気側バルブタイミング可変機構、及び油圧の給排態様の調節を通じて内燃機関の排気バルブのバルブタイミングを可変とするものであって前記吸気側バルブタイミング可変機構とは変位角が異なる態様にて構成される排気側バルブタイミング可変機構を備える内燃機関に適用され、冷間時に前記吸気側バルブタイミング可変機構の最進角制御及び前記排気側バルブタイミング可変機構の最遅角制御の少なくとも一方を行なうバルブタイミング制御手段を備える内燃機関のバルブタイミング可変制御装置であって、前記バルブタイミング制御手段は、冷間始動時の機関温度が第1の設定温度以上であり且つ第2の設定温度以下のときには前記両バルブタイミング可変機構のうち前記変位角の大きい方のみを制御して前記吸気バルブと前記排気バルブとのバルブオーバラップ量が大きくなる側へ突き当て位置まで変位させるとともに、同冷間始動時の機関温度が前記第2の設定温度より高いときには前記両バルブタイミング可変機構のうち前記変位角の小さい方のみを制御して前記バルブオーバラップ量が大きくなる側へ突き当て位置まで変位させることを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、冷間始動時の機関温度が上記温度範囲に入っているときには前記両バルブタイミング可変機構のうち変位角の大きい方のみを制御して吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量が大きくなる側へ突き当て位置まで変位させる。これにより、バルブタイミング制御用オイル粘度が高くバルブタイミング制御(VVT制御)が困難な機関温度の比較的低い状態であっても、内部EGRを増やすことができ、黒煙の発生を抑制できるとともに、燃焼状態の安定化を図ることができる。しかも、このような低温時には、空気量が多く、燃焼に余裕ができているので、内部EGRが増えても燃焼状態が不安定になるおそれはない。
【0009】
一方、冷間始動時の機関温度が上記第2の設定温度より高いときには、前記両バルブタイミング可変機構のうち変位角の小さい方のみを制御して上記バルブオーバラップ量が大きくなる側へ突き当て位置まで変位させる。これにより、前記低温時の場合よりも内部EGR量が減るので、上記低温時ほどには多くの空気を入れていない機関状態で、内部EGRを入れ過ぎて失火するのを回避できる。ここにいう「内部EGR」とは、燃料燃焼時の燃焼室内に残る排気ガスをいう。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング可変制御装置において、前記バルブタイミング制御手段は、冷間始動時の機関温度が前記第1の設定温度以下のときには、前記吸気側バルブタイミング可変機構の最進角制御及び前記排気側バルブタイミング可変機構の最遅角制御を共に行うことを要旨とする。
【0011】
吸気側バルブタイミング可変機構の最進角制御と排気側バルブタイミング可変機構の最遅角制御いずれの場合も、内部EGRが増える。この構成によれば、冷間始動時の機関温度が上記第1の設定温度以下の場合、吸気側バルブタイミング可変機構の最進角制御と前記排気側バルブタイミング可変機構の最遅角制御とを共に行なうことで、内部EGRを機関温度が上記第1の設定温度以上であり且つ上記第2の設定温度以下であるときよりもさらに増やすことができる。
具体的には、請求項3に記載の発明によるように、前記吸気側バルブタイミング可変機構を、その変位角が前記排気側バルブタイミング可変機構の変位角よりも大きくされてなる構成とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング可変制御装置を自動車用の筒内噴射火花点火式エンジンに適用した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
図1に示されるエンジン1においては、二つに分岐した状態の吸気通路2から燃焼室3へと空気が吸入され、燃料噴射弁4から燃焼室3内に噴射供給される燃料と上記空気とからなる混合気に対して点火プラグ5による点火が行われる。この点火プラグ5の点火時期はイグナイタ5aによって調整される。そして、この点火により燃焼室3内の混合気が燃焼すると、そのときの燃焼エネルギによりピストン6が往復移動し、燃焼後の混合気は排気として排気通路7に送り出されるようになる。
【0014】
エンジン1における燃焼室3内での混合気の燃焼形態は、エンジン1の運転状態に応じて、例えば成層燃焼、弱成層燃焼、及び均質燃焼の間で切り換えられる。成層燃焼では、圧縮行程での燃料噴射により点火プラグ5周りのみに可燃混合気が存在する成層混合気を形成し、その状態での点火プラグ5による点火で成層混合気の燃焼が行われる。均質燃焼では、吸気行程での燃料噴射により空気に対し燃料が均等に混合された均質混合気を形成し、その状態での点火プラグ5による点火で均質混合気の燃焼が行われる。また、弱成層燃焼では、吸気行程と圧縮行程との両方での燃料噴射により、燃焼室3内の混合気の状態が上述した成層混合気と均質混合気との中間の状態とされ、その状態での点火プラグ5による点火で上記中間状態の混合気の燃焼が行われる。
【0015】
これら各燃焼形態のうちのいずれかを実行することにより、ピストン6が往復移動するようになる。このピストン6の往復移動は、コネクティングロッド8によってエンジン1の出力軸であるクランクシャフト9の回転へと変換される。そして、クランクシャフト9が回転すると、その回転に対応した信号がクランクポジションセンサ10から出力されるとともに、同回転が変速機等を介して自動車のタイヤに伝達される。また、エンジン1が駆動されるときには冷却水によってエンジン1が冷却されるが、その冷却水の温度は水温センサ36によって検出される。
【0016】
吸気通路2において、その上流部分には燃焼室3に吸入される空気の量(吸入空気量)を調節すべく開閉動作するスロットルバルブ11が設けられ、スロットルバルブ11よりも下流には吸気通路2内の圧力(吸気圧)を検出するためのバキュームセンサ12が設けられている。スロットルバルブ11の開度(スロットル開度)は、アクセルペダル13の踏込量(アクセル踏込量)に応じて調整される。なお、アクセル踏込量はアクセルポジションセンサ14によって検出され、スロットル開度はスロットルポジションセンサ15によって検出される。
【0017】
吸気通路2の二つに分岐した部分のうちの一方には、混合気の良好な燃焼が得られるよう燃焼室3内のガスの流動状態を変更する気流制御弁16が設けられている。この気流制御弁16は、吸気通路2内の圧力(負圧)と大気圧との差圧に基づき作動するアクチュエータ17によって開閉駆動される。その差圧がアクチュエータ17を作動可能な値に達しているときには、同アクチュエータ17を作動させて気流制御弁16を閉弁することができるようになる。
【0018】
気流制御弁16が閉弁しているときには二つに分岐した吸気通路2のうちの一方のみから空気が燃焼室3に吸入されるが、この状態にあっては燃焼室3に吸入されるガスの流速が速まって燃焼室3内のガス流の乱れが大となり、燃焼室3内でのガスの混合が促進される。これに対し、気流制御弁16が開弁しているときには、燃焼室3内のガス流の乱れが小とはなるが、高負荷高回転時等であればエンジン1の吸気抵抗を低減することができる。
【0019】
エンジン1において、吸気通路2と燃焼室3との間は吸気バルブ20の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路7と燃焼室3との間は排気バルブ21の開閉動作によって連通・遮断される。そして、吸気バルブ20及び排気バルブ21は、クランクシャフト9の回転が伝達される吸気カムシャフト22及び排気カムシャフト23の回転に伴い開閉される。
【0020】
吸気カムシャフト22および排気カムシャフト23は、図2に示すシリンダブロック19の上側に設けられるシリンダヘッド50に、それぞれ複数の軸受(図示せず)にて回転可能に支持されている。また、各気筒(本例では4気筒の各々)には、吸気バルブ20および排気バルブ21がそれぞれ2つずつ配設されている。吸気カムシャフト22には、各気筒毎に2つの吸気カム22aが一体的に設けられている。排気カムシャフト23にも、各気筒毎に2つの排気カム23aが一体的に設けられている。
【0021】
各気筒の2つの吸気バルブ20は、2つの吸気カム22aに2つのバルブリフタ22bをそれぞれ介して駆動連結されている。また、各気筒の2つの排気バルブ21は、2つの排気カム23aに2つのバルブリフタ23bをそれぞれ介して駆動連結されている。
【0022】
クランクシャフト9には、図2に示すように、クランクシャフトプーリ18が設けられている。クランクシャフト9の回転は、クランクシャフトプーリ18から、タイミングベルト51を介して吸気カムシャフト22と排気カムシャフト23とにそれぞれ伝達される。クランクシャフト9が2回転する毎に、吸気カムシャフト22および排気カムシャフト23がそれぞれ1回転するようになっている。また、吸気カムシャフト22の近傍には、同シャフト22の回転位置を検出するためのカムポジションセンサ24が設けられている。排気カムシャフト23の近傍にも、同シャフト23の回転位置を検出するためのカムポジションセンサ37が設けられている。
【0023】
図1および図2に示すように、吸気カムシャフト22には、クランクシャフト9の回転に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を変更することで、吸気バルブ20のバルブタイミング(開閉タイミング)を変更する吸気側バルブタイミング可変機構25が設けられている。一方、排気カムシャフト23には、クランクシャフト9の回転に対する排気カムシャフト23の相対回転位相を変更することで、排気バルブ21のバルブタイミング(開閉タイミング)を変更する排気側バルブタイミング可変機構45が設けられている。
【0024】
吸気側バルブタイミング可変機構25には、図1に示すように、進角側油路26及び遅角側油路27が接続されている。これら油路26,27は、吸気側オイルコントロールバルブ(OCV)28と、供給通路29及び排出通路30とを介して、エンジン1のオイルパン31内に繋がっている。
【0025】
同様に、排気側バルブタイミング可変機構45には、進角側油路46及び遅角側油路47が接続されている。これら油路46,47は、排気側オイルコントロールバルブ(OCV)38と、供給通路29及び排出通路30とを介して、オイルパン31内に繋がっている。
【0026】
上記供給通路29には、クランクシャフト9の回転に伴って駆動されるオイルポンプ32が設けられている。また、上記OCV28は、互いに逆方向に働くコイルスプリング33及び電磁ソレノイド34の付勢力によって切換動作し、供給通路29及び排出通路30と進角側油路26及び遅角側油路27との接続状態を変更する。同様に、上記OCV38も、互いに逆方向に働くコイルスプリング43及び電磁ソレノイド44の付勢力よって切換動作し、供給通路29及び排出通路30と進角側油路46及び遅角側油路47との接続状態を変更する。
【0027】
すなわち、OCV28は、電磁ソレノイド34の消磁状態にあっては、図1に示すように、遅角側油路27と供給通路29とを連通するとともに、進角側油路26と排出通路30とを連通する。この場合、オイルパン31内のオイル(作動油)がオイルポンプ32により遅角側油路27へ送り出されるとともに、進角側油路26内にあったオイルがオイルパン31内へ戻される。このとき、吸気側バルブタイミング可変機構25には遅角側油路27を通じてオイルが供給される。これにより、吸気側バルブタイミング可変機構25は、クランクシャフト9に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を遅角させるよう油圧駆動される。その結果、吸気バルブ20のバルブタイミングが遅角側に変化する。
【0028】
同様に、OCV38は、電磁ソレノイド44の消磁状態にあっては、図1に示すように、遅角側油路47と供給通路29とを連通するとともに、進角側油路46と排出通路30とを連通する。この場合、排気側バルブタイミング可変機構45は、クランクシャフト9に対する排気カムシャフト23の相対回転位相を遅角させるよう油圧駆動される。その結果、排気バルブ21のバルブタイミングが遅角側に変化する。
【0029】
また、OCV28は、電磁ソレノイド34が励磁されたときには、遅角側油路27と排出通路30とを連通するとともに、進角側油路26と供給通路29とを連通する。この場合、オイルパン31内のオイルがオイルポンプ32により進角側油路26に送り出されるとともに、遅角側油路27内にあったオイルがオイルパン31内へ戻される。このとき、吸気側バルブタイミング可変機構25には進角側油路26を通じてオイルが供給される。これにより、吸気側バルブタイミング可変機構25は、クランクシャフト9に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を進角させるよう油圧駆動される。その結果、吸気バルブ20のバルブタイミングが進角側に変化する。
【0030】
同様に、OCV38は、電磁ソレノイド44が励磁されたときには、遅角側油路47と排出通路30とを連通するとともに、進角側油路46と供給通路29とを連通する。この場合、排気側バルブタイミング可変機構45は、クランクシャフト9に対する排気カムシャフト23の相対回転位相を進角させるよう油圧駆動される。その結果、排気バルブ21のバルブタイミングが進角側に変化する。
【0031】
なお、本実施形態において、吸気側バルブタイミング可変機構25は、変位角が40°のものに作ってある。すなわち、吸気側バルブタイミング可変機構25を、最遅角位置から進角側へ40°変位させると、最進角位置を規定するハード上の突き当て(制限)にぶつかるようになっている。また、排気側バルブタイミング可変機構45は、変位角が吸気側バルブタイミング可変機構25よりも小さい20°のものに作ってある。すなわち、排気側バルブタイミング可変機構45を、最進角位置から遅角側へ20°変位させると、最遅角位置を規定するハード上の突き当て(制限)にぶつかるようになっている。こうして、吸気バルブタイミングの最進角位置と排気バルブタイミングの最遅角位置とを、適宜に設定してある。
【0032】
次に、本実施形態の制御装置の電気的構成について説明する。
この制御装置は、エンジン1を運転制御すべく自動車に搭載されたバルブタイミング制御手段としての電子制御装置35を備えている。この電子制御装置35は、イグナイタ5a、燃料噴射弁4、スロットルバルブ11、アクチュエータ17、およびOCV28,38を駆動制御する。また、電子制御装置35には、クランクポジションセンサ10、バキュームセンサ12、アクセルポジションセンサ14、スロットルポジションセンサ15、カムポジションセンサ24,37、および水温センサ36といった各種センサからの検出信号が入力される。
【0033】
電子制御装置35は、クランクポジションセンサ10、スロットルポジションセンサ15、バキュームセンサ12、及びアクセルポジションセンサ14からの検出信号に基づき、エンジン回転速度NE、吸気圧PM、アクセル踏込量ACCP、スロットル開度TAを求める。そして、電子制御装置35は、最大機関負荷に対する現在の負荷割合を示す値である負荷率KLを、エンジン回転速度NEと、スロットル開度TA、アクセル踏込量ACCP、及び吸気圧PMなどエンジン1の吸入空気量に関係するパラメータとに基づき算出する。
【0034】
電子制御装置35は、エンジン回転速度NEや負荷率KLなどエンジン1の運転状態に応じて、次のようなエンジン1の各種運転制御を実行する。すなわち、電子制御装置35は、点火時期制御、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、吸入空気量制御、気流制御弁16の開閉制御、吸気バルブ20および排気バルブ21のバルブタイミング制御、及び燃焼形態切換制御などを実行する。
【0035】
次に、エンジン1の始動時に実行される吸気バルブ20および排気バルブ21のバルブタイミング制御である「始動時VVT制御ルーチン」について、図3を参照して説明する。この始動時VVT制御ルーチンは、電子制御装置35により、例えば所定クランク角毎の角度割り込みにて周期的に実行される。
【0037】
この始動時VVT制御ルーチンにおいては、まず始動時の冷却水温が0℃以下か否かが判断される(ステップS110)。始動時の冷却水温が0℃以下であると判断される場合には、ステップS120に進みIN−VVTを最進角に制御する。すなわち、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御を行なう。この場合、例えば、OCV28の駆動制御に用いるデューティ比を「100%」に設定する。このデューティ比は、電子制御装置35によりOCV28の電磁ソレノイド34に対する印加電圧のデューティ制御に用いられる。こうしてデューティ比を「100%」に設定したデューティ制御により、吸気側バルブタイミング可変機構25は、クランクシャフト9に対する吸気カムシャフト22の相対回転位相を最も進角させるように油圧駆動される。これにより、吸気側バルブタイミング可変機構25が、最遅角位置から進角側へ40°変位すると、最進角位置を規定するハード上の突き当て(制限)にぶつかり、それ以上変位できなくなる。その結果、吸気側バルブタイミング可変機構25が最進角位置(図4に示すIN−VVT最進角位置)まで変位し、吸気バルブ20のバルブタイミングが最進角状態になる。
【0038】
こうして、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御を行なった後、本処理を一旦終了する。
上記ステップS110に再び進んだ際に、始動時の冷却水温が0℃より高いと判断される場合には、ステップS130に進みEX−VVTを最遅角に制御する。すなわち、排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御を行なう。この場合、OCV38の駆動制御、すなわち電子制御装置35によりOCV38の電磁ソレノイド44に対する印加電圧のデューティ制御に用いデューティ比を例えば「0%」に設定する。こうしてデューティ比を「0%」に設定したデューティ制御により、排気側バルブタイミング可変機構45は、クランクシャフト9に対する排気カムシャフト23の相対回転位相を最も遅角させるように油圧駆動される。これにより、排気側バルブタイミング可変機構45が、最進角位置から遅角側へ20°変位すると、最遅角位置を規定するハード上の突き当て(制限)にぶつかり、それ以上変位できない。その結果、排気側バルブタイミング可変機構45が最遅角位置(図4に示すEX−VVT最遅角位置)まで変位し、排気バルブ21のバルブタイミングが最遅角状態になる。
【0039】
こうして、排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御を行なった後、本処理を一旦終了する。
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0040】
・吸気側バルブタイミング可変機構25の変位角を40°とするとともに、排気側バルブタイミング可変機構45の変位角を20°とすることで、吸気バルブタイミングの最進角位置と排気バルブタイミングの最遅角位置とを、適宜に設定してある。そして、始動時の冷却水温が0℃以下であると判断される場合(ステップS110でYESの場合)には、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御を行ない、同可変機構25を、最進角位置を規定するハード上の突き当て位置まで変位させる(ステップS120)。一方、始動時の冷却水温が0℃より高いと判断される場合(ステップS110でNOの場合)には、排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御を行ない、同可変機構45を、最遅角位置を規定するハード上の突き当て位置まで変位させる(ステップS130)。
【0041】
このように始動時の冷却水温に応じて(機関状態に応じて)、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御と排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御の一方を選択する。これにより、バルブタイミング制御用オイル粘度が高く、バルブタイミング制御が困難な機関状態(冷却水温が0℃以下の低温状態)であっても、燃焼室3内に残留する内部EGRを可変にすることができ、黒煙の発生を抑制できるとともに、燃焼状態の安定化を図ることができる。
【0042】
・バルブタイミング制御手段としての電子制御装置35は、始動時の冷却水温が設定温度である0℃以下の低温時と判断されたとき(ステップS110でYES)、両可変機構25,45のうち変位角の大きい方をバルブオーバラップ量が大になる側へ突き当て位置まで変位させる。すなわち、排気側バルブタイミング可変機構45より変位角の大きい吸気側バルブタイミング可変機構25を、バルブオーバラップ量が大になる進角側へ突き当て位置まで変位させる。これにより、バルブタイミング制御用オイル粘度が高くバルブタイミング制御が困難である状態であっても、燃焼室3内に残留する内部EGRを増やすことができる。このような低温時には、空気量が多く、燃焼に余裕ができているので、内部EGRが増えても燃焼状態が不安定になるおそれはない。
【0043】
また、始動時の冷却水温が設定温度である0℃より高いと判断されたとき(ステップS110でNO)、両可変機構25,45のうち変位角の小さい方をバルブオーバラップ量が大になる側へ突き当て位置まで変位させる。すなわち、吸気側バルブタイミング可変機構25より変位角の小さい排気側バルブタイミング可変機構45を、バルブオーバラップ量が大になる遅角側へ突き当て位置まで変位させる。これにより、前記低温時の場合よりも内部EGR量が減るので、低温時ほどには多くの空気を入れていない機関状態で、内部EGRを入れ過ぎて失火するのを回避できる。
【0044】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記一実施形態では、本発明を4気筒のエンジン1に適用した例を示したが、本発明は4気筒以外の多気筒の内燃機関に広く適用可能である。
【0046】
・上記一実施形態において、電子制御装置35は、始動時の冷却水温が0℃よりさらに低い極低温であると判断されたとき、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御と排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御とを同時に行なうように構成してもよい。
【0047】
吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御と排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御いずれの場合も、燃焼室3内に残存する内部EGRが増える。したがって、この構成によれば、始動時の冷却水温が極低温の場合、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御と排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御とを同時に行なうので、内部EGRを前記低温時よりもさらに増やすことができる。すなわち、始動時の冷却水温が例えば0℃より高い領域のように、内部EGRを入れ過ぎる領域では、失火しないように内部EGRを少なくし、冷却水温が0℃以下の低温領域では内部EGRを多くし、そして、極低温の領域では、低温領域よりもさらに内部EGRを多くすることができる。
【0048】
・上記一実施形態では、吸気側バルブタイミング可変機構25の変位角を40°とし、排気側バルブタイミング可変機構45の変位角を20°としているが、両可変機構の各変位角は適宜変更可能である。
【0049】
・上記一実施形態において、排気側バルブタイミング可変機構45の変位角を吸気側バルブタイミング可変機構25の変位角よりも大きくしてもよい。この場合には、始動時の冷却水温が0℃以下の低温時と判断されたとき、排気側バルブタイミング可変機構45をバルブオーバラップ量が大になる遅角側へ突き当て位置まで変位させるようにする。
【0050】
・上記一実施形態では、始動時冷却水温が0℃以下の場合には、吸気側バルブタイミング可変機構25の最進角制御を行い(ステップS120)、冷却水温が0℃より高い場合には、排気側バルブタイミング可変機構45の最遅角制御を行なう(ステップS130)ようにしているが、本発明はこれに限定されない。始動時冷却水温以外のパラメータに基づき、前記最進角制御と前記最遅角制御のいずれか一方或いは両方を選択する場合にも本発明は適用可能である。例えば、エンジンオイルの油温を検出する油温センサを設け、このセンサで検出したエンジンオイルの油温が設定温度以下の場合には上記最進角制御を行い、その油温が設定温度より高いときには上記最遅角制御を行なうように構成した場合にも本発明は適用可能である。また、エンジンオイルの油温に代えて、自動変速機に用いるトランスミッションオイル(A/T作動油)の油温を用いるように構成した場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態に係る内燃機関のバルブタイミング可変制御装置を概略的に示す構成図。
【図2】 同制御装置が適用される可変バルブタイミング機構付き内燃機関を概略的に示す構成図。
【図3】 同制御装置の実行する始動時VVT制御ルーチンを示すフローチャート。
【図4】 同始動時VVT制御ルーチンの説明に用いるタイミングチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、25…吸気側バルブタイミング可変機構、35…バルブタイミング制御手段としての電子制御装置、45…排気側バルブタイミング可変機構。
Claims (3)
- 油圧の給排態様の調節を通じて内燃機関の吸気バルブのバルブタイミングを可変とする吸気側バルブタイミング可変機構、及び油圧の給排態様の調節を通じて内燃機関の排気バルブのバルブタイミングを可変とするものであって前記吸気側バルブタイミング可変機構とは変位角が異なる態様にて構成される排気側バルブタイミング可変機構を備える内燃機関に適用され、冷間時に前記吸気側バルブタイミング可変機構の最進角制御及び前記排気側バルブタイミング可変機構の最遅角制御の少なくとも一方を行なうバルブタイミング制御手段を備える内燃機関のバルブタイミング可変制御装置であって、
前記バルブタイミング制御手段は、冷間始動時の機関温度が第1の設定温度以上であり且つ第2の設定温度以下のときには前記両バルブタイミング可変機構のうち前記変位角の大きい方のみを制御して前記吸気バルブと前記排気バルブとのバルブオーバラップ量が大きくなる側へ突き当て位置まで変位させるとともに、同冷間始動時の機関温度が前記第2の設定温度より高いときには前記両バルブタイミング可変機構のうち前記変位角の小さい方のみを制御して前記バルブオーバラップ量が大きくなる側へ突き当て位置まで変位させる
ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング可変制御装置。 - 前記バルブタイミング制御手段は、冷間始動時の機関温度が前記第1の設定温度以下のときには、前記吸気側バルブタイミング可変機構の最進角制御及び前記排気側バルブタイミング可変機構の最遅角制御を共に行う請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング可変制御装置。
- 前記吸気側バルブタイミング可変機構は、その変位角が前記排気バルブタイミング可変機構の変位角よりも大きくされてなる
請求項1又は2に記載の内燃機関のバルブタイミング可変制御装置。
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