JP2004245192A - 可変バルブタイミング機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング制御を改善してエンジン性能を向上する。
【解決手段】エンジン運転状態に基づいて設定した吸気バルブの目標バルブタイミングが、最大進角位置からフィードバック制御時の制御バラツキ(振れ幅)相当の所定量を超えて離れて設定されているときは、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいて、油圧式可変バルブタイミング機構への油圧を切り換える電磁切換弁への通電デューティ比をフィードバック制御し(S1〜S5)、前記所定量以内に設定されているときは、前記電磁切換弁へ通電を持続してフィードフォワード制御を行い、バルブタイミングを最大進角位置に維持する(S6)。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジン運転状態に基づいて設定した吸気バルブの目標バルブタイミングが、最大進角位置からフィードバック制御時の制御バラツキ(振れ幅)相当の所定量を超えて離れて設定されているときは、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいて、油圧式可変バルブタイミング機構への油圧を切り換える電磁切換弁への通電デューティ比をフィードバック制御し(S1〜S5)、前記所定量以内に設定されているときは、前記電磁切換弁へ通電を持続してフィードフォワード制御を行い、バルブタイミングを最大進角位置に維持する(S6)。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのバルブタイミングを可変制御する可変バルブタイミング機構の制御装置に関し、特に、制御方式の切り換えによってエンジン運転性能を改善できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、吸・排気バルブの開閉時期(バルブタイミング)を連続的に可変制御する構成の可変バルブタイミング機構として、特開平9−282005号公報に開示されるような油圧式のものがある。
【0003】
上記油圧式の可変バルブタイミング機構の具体的な構成としては、カムスプロケットに固定される筒状のハウジングの内周面に凹部を形成する一方、カム軸に固定される羽車の羽部(ベーン)が前記凹部に収容させ、前記凹部内で前記羽部が移動できる範囲内でカム軸がカムスプロケットに対して相対的に回転できるよう構成したものが一般的である。
【0004】
そして、前記羽部が前記凹部を回転方向の前後に区画して形成される一対の油圧室に対して相対的に油を給排することで、前記羽部を前記凹部の中間位置に保持させ、バルブタイミングの連続的な可変制御を行わせる構成となっており、前記一対の油圧室の油圧が目標バルブタイミングが得られる油圧に調整されると、油圧通路を制御バルブで閉じて油の給排を停止させるよう構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記可変バルブタイミング機構によるバルブタイミングの制御についてより詳細に説明すると、例えば、吸気バルブの場合、エンジン始動時(停止時)のエンジン駆動されるオイルポンプからの油圧が低いときには、前記可変バルブタイミング機構はリターンスプリングの付勢力によってバルブタイミングは最大遅角値にセットされている。
【0006】
この状態からエンジン運転状態に基づいて目標バルブタイミングを設定しつつ実バルブタイミングを検出し、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいて、電磁弁で構成される前記制御バルブの電流値(通電デューティ比)を制御して目標バルブタイミングに収束させるようにフィードバック制御するようになっている。
【0007】
かかるフィードバック制御では、偏差の存在を前提としているため、実バルブタイミングは、目標バルブタイミングを中心として前後に振れる制御バラツキを生じる。したがって、例えば吸気バルブの場合、目標バルブタイミングを最大進角値に制御した場合、実バルブタイミングは該目標バルブタイミング相当の最大進角値より、さらに前記制御バラツキ(振れ幅)分余分に進角することとなる。
【0008】
一方、前記可変バルブタイミング機構により例えば吸気バルブのバルブタイミングが進角方向に所定量以上制御すると、リフトする吸気バルブと上昇するピストンとの干渉が問題となる。このため、ピストン冠面にバルブとの干渉よけとなるリセス(凹み)を設けている。
【0009】
ここで、前記ピストン冠面に設けるリセスは、前記目標バルブタイミング相当の最大進角値に前記制御バラツキ分を加えた実バルブタイミングの最大進角値に合わせた大きさに形成する必要があるが、リセスを大きくすると燃焼悪化を招いたりピストン冠面強度を確保する上で重量の増加を招くこととなった。
【0010】
リセスの増大を抑制するため、目標バルブタイミングの最大進角値(吸気バルブの場合)を小さくすることは、可変バルブタイミング機構による制御範囲を狭めることになり、バルブタイミング制御性能を低下させることとなる。
【0011】
なお、排気バルブのバルブタイミングについては、エンジン始動時(停止時)に最大進角値を初期値として遅角方向に制御されるが、この場合も所定量以上遅角すると、ピストンと干渉する可能性もあり、この場合、吸気バルブの場合と同様のが問題を生じる。
【0012】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング制御性能を低下させることなく、ピストン冠面に設けるバルブとの干渉回避用のリセスの大きさを最小限としてエンジン運転性能を改善できる可変バルブタイミング機構の制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、目標バルブタイミングが、該目標バルブタイミングに制御されるバルブがピストンとの干渉が増大する方向に最大限駆動される限界位置から所定量を超えて離れているときは、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいてフィードバック制御すると共に、前記目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量以内のときは該限界位置まで駆動させるフィードフォワード制御に切り換える構成とした。
【0014】
これにより、目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量以内のときは、フィードフォワード制御によって該限界位置まで駆動する。この場合、フィードフォワード制御であるため、ピストン冠面に形成されるバルブとの干渉回避用のリセスを、この制御可能な限界位置に合わせた大きさに形成すればよく、フィードバック制御における制御バラツキ(振れ幅)分大きくする必要がない。したがって、リセス増大による燃焼悪化やピストン冠面強度を確保するための重量増加ひいては燃費の悪化を防止できる。
【0015】
また、目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量を超えて離れたときは、フィードバック制御とすることにより、高精度な制御を行える。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の全体構成を示すシステム図である。
エンジン1の吸気通路2には、吸入空気量を検出するエアフローメータ3が設けられ、スロットル弁4により吸入空気量を調節する。
【0017】
機関1の各気筒には、燃焼室6内に燃料を噴射する燃料噴射弁7、燃焼室6内で火花点火を行う点火プラグ8が設けられており、吸気バルブ9を介して吸入された空気に対して前記燃料噴射弁7から燃料を噴射して混合気を形成し、該混合気を前記燃焼室6内で圧縮し、点火プラグ8による火花点火によって着火する。
【0018】
エンジン1の排気は、排気バルブ10を介して燃焼室6から排気通路11に排出され、図示しない排気浄化触媒及びマフラーを介して大気中に放出される。
前記吸気バルブ9及び排気バルブ10は、それぞれ吸気バルブ側カム軸12及び排気バルブ側カム軸13に設けられたカムにより開閉駆動される。
【0019】
吸気バルブ側カム軸12、排気バルブ側カム軸13には、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、吸、排気バルブのバルブタイミング(開閉時期)を進遅角する油圧駆動式の可変バルブタイミング機構(以下、VTC機構という)14がそれぞれ設けられている。
【0020】
ここで、前記スロットル弁4、燃料噴射弁7及び点火プラグ8の作動は、前記エンジン制御回路(ECU)21により制御され、該ECU21には、クランク角センサ15、カム軸センサ16A,16B、水温センサ17、エアフローメータ3等からの信号が入力される。
【0021】
また、ECU21は、機関の負荷(燃料噴射量)、回転速度Ne、冷却水温度Tw等の情報に基づいて吸気側カム軸12及び排気側カム軸13のクランク軸に対する目標回転位相(進角値又は遅角値)つまり吸気バルブ9と排気バルブ10の目標バルブタイミングをそれぞれ決定する一方、クランク角センサ15及び吸気側、排気側それぞれのカム軸センサ16A,16Bからの検出信号に基づいて、ランク軸に対する吸気カム軸12及び排気カム軸13の回転位相つまり吸気バルブ9及び排気バルブ10の実バルブタイミングを検出し、実バルブタイミングが目標バルブタイミングとなるように制御する。
【0022】
前記ベーン式のVTC機構14は、図2に示すように、クランク軸(図示省略)によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケットの円筒状のハウジング51と、前記カム軸(12,13)の端部に固定されて前記ハウジング51内に回転自在に収容された回転部材52と、該回転部材52をハウジング51に対して相対的に回転させる油圧回路53とを備えている。
【0023】
前記ハウジング51の内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング51の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部51Aが90°間隔で突設されている。
【0024】
前記回転部材52は、カム軸の前端部に固定されており、円環状の基部52Aの外周面に90°間隔で4つのベーン52Bが設けられて、前記ハウジング51の各隔壁部51A間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン52Bの両側と各隔壁部51Aの両側面との間に、進角側油圧室61と遅角側油圧室62を構成する。
【0025】
前記油圧回路53は、進角側油圧室61に対して油圧を給排する第1油圧通路81と、遅角側油圧室62に対して油圧を給排する第2油圧通路82との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路81,82には、供給通路83とドレン通路84A,84Bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁91を介して接続されている。前記供給通路83は、オイルパン内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプに接続される一方、ドレン通路84A,84Bの下流端がオイルパンに接続している。
【0026】
前記電磁切換弁91は、内部のスプール弁体92が前記各油圧通路81,82と供給通路83及びドレン通路84A,84Bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
【0027】
前記ECU21は、前記電磁切換弁91のソレノイド93に対する通電量を制御する。
例えば、ソレノイド93への通電量を増大すると、図2(A)に示すように、作動油は、第1油圧通路81を通って進角側油圧室61内に供給されると共に、遅角側油圧室62内の作動油が第2油圧通路82及びドレン通路84Aを通ってオイルパンに排出され、遅角側油圧室62が低圧になる。
【0028】
このため、回転部材52は、ベーン52Bを介して進角側へ回転する。吸気バルブ9側の可変バルブタイミング機構14の場合、吸気バルブ9の開時期が早くなり(進角され)、排気バルブ10とのオーバーラップが大きくなる。吸気バルブ9側の可変バルブタイミング機構14の場合、吸気バルブ9の開時期が早くなり(進角され)、排気バルブ10とのオーバーラップが大きくなる。
【0029】
一方、ソレノイド93への通電量を減少すると、オイルポンプから圧送された作動油は、第2油圧通路82を通って遅角側油圧室62に供給されると共に、進角側油圧室61内の作動油が、第1油圧通路81を通ってドレン通路84Bからオイルパン内に排出される。
【0030】
従って、遅角側油圧室62の内圧が高、進角側油圧室61の内圧が低となって、回転部材52は、ベーン52Bを介して遅角側に回転する。吸気バルブ9側の可変バルブタイミング機構14の場合、吸気バルブ9の開時期が遅くなり、排気バルブ10とのオーバーラップが小さくなる。
【0031】
吸気側のVTC機構14の本発明にかかる制御について説明すると、基本的には前記電磁切換弁91のソレノイド93への通電量を通電デューティ比(%)によりフィードバック制御するが、吸気バルブ9の目標バルブタイミング(進角値)が所定量以上であるときは、通電(ON)を維持するフィードフォワード制御とするように切り換える。なお、エンジン駆動されるオイルポンプの油圧はエンジン始動時には低く、この状態で前記回転部材52は図示しないリターンスプリングの付勢力で進角側油圧室61内の容積を最小(0)とする最大遅角位置に維持され、この状態から運転状態毎に設定される目標バルブタイミングまで進角方向に制御される。
【0032】
以下、図3のフローチャートにしたがって説明する。
ステップ(図ではSと記す。以下同様)1では、エンジン運転状態(回転速度、負荷)に基づいて、吸気バルブ9の目標バルブタイミング(前記最大遅角位置に対する進角値)を設定する。
【0033】
ステップ2では、前記目標バルブタイミングが、最大進角位置から所定量を超えて離れているか(前記最大遅角位置に対する進角値が所定値以下か)を判定する。ここで、前記最大進角位置からの所定量は、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に応じたフィードバック制御時の制御バラツキ(振れ幅)相当の値(制御バラツキより少し大きめに設定した値)として設定される。
【0034】
そして、所定量を超えていると判定された場合は、ステップ3以降へ進んでフィードバック制御を実行する。
すなわち、ステップ3では、前記目標バルブタイミングと、前記クランク角センサ15及びカム軸センサ16Aによって検出された実バルブタイミングとの偏差を算出する。
【0035】
ステップ4では、前記偏差に応じて前記電磁切換弁91のソレノイド93への通電デューティ比(%)を設定する。ここで、偏差が大きいときほど目標バルブタイミングへの収束を早めるように通電デューティ比を大きく設定し、偏差が減少するにしたがってオーバーシュートを抑制するように通電デューティ比を減少させて設定する。
【0036】
ステップ5では、再度算出した目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が所定値以内であるかを判定し、所定値以内になるまではステップ4に戻り、所定値以内になったときは十分に目標バルブタイミングに収束したと判断して制御を停止する。
【0037】
一方、ステップ2で、前記目標バルブタイミングが最大進角位置から所定量以内に設定されていると判定されたときは、ステップ6へ進んでフィードバック制御を禁止し、前記電磁切換弁91のソレノイド93へ通電し続けるフィードフォワード制御に切り換える。
【0038】
これにより、前記第1油圧通路81と進角側油圧室61とが全開に維持され、進角側油圧室61にオイルポンプからの高油圧が供給されつづけて該進角側油圧室61の容積が最大となり遅角側油圧室62の容積が最小となる位置まで前記回転部材52が回転し、吸気バルブ9は最大進角位置に維持される。
【0039】
次に、以上の制御による作用・効果を説明する。
図4に示すように、目標バルブタイミングにフィードバック制御するときは、偏差の発生に応じて該偏差を無くす方向に通電量を増減する制御であるため、オーバーシュートとアンダーシュートを細かく繰り返し、同図(A)とその拡大図(B)に示すように、目標バルブタイミングを中心として前後に振れる。このため、従来のようにフィードバック制御のみとする場合は、目標バルブタイミングの最大進角値に対し、実バルブタイミングは前記フィードバック制御時の制御バラツキ(振れ幅)を加えた分さらに進角することになる。したがって、図4(C)に示すように吸気バルブを進角させたときにピストンとの干渉を回避するためのリセスを、前記制御バラツキ分大きくとる必要があった。
【0040】
ここで、目標バルブタイミングの最大進角値を実バルブタイミングのストッパで規制される最大進角値と一致させてフィードバック制御を行うと、図5(A)に示すように、ストッパで最大進角値規制されているときは、通電量は補正されないが、油圧やエンジン振動などにより最大進角値より遅角側に移動すると目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの間に偏差を生じる。この偏差を解消するべく、同図(B)に示すように、通電量は増量補正分が積分されて増大していく。この状態から運転状態が変化して目標バルブタイミングが小進角値に切り換えられると、同図(C)に示すように、切換前の通電量が過度に増大しているため、切換後の目標バルブタイミングとなるのに遅れを生じ、かつ、オーバーシュート(アンダーシュート)も増大して収束に遅れを生じることとなり、基本的な制御性能を悪化させてしまうので、実質的に採用できない。
【0041】
目標バルブタイミングの最大進角値を制御バラツキ分減少することは、それだけ、バルブタイミングの制御範囲が狭められることとなる。
これに対し、本願発明では図5(D)に示すように、目標バルブタイミングが最大進角値から所定量以内に設定されたときは、通電を持続するフィードフォワード制御とすることにより、吸気バルブ9のバルブタイミングは、回転部材52が進角側油圧室61を形成する隔壁部51A側面に突き当たる(ストッパ機構による)最大進角値に維持され、この間、フィードバック制御が禁止されるので、フィードバック制御時の通電デューティ比が積分により増大するようなこともない。
【0042】
したがって、その後、目標バルブタイミングが最大進角値から所定量を超えて離れた進角値に切り換えられ、フィードバック制御が再開されたときに、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいて設定される通電デューティ比が過剰となることがなく、応答性よく速やかに収束する。なお、フィードバック制御再開時の通電デューティ比の初期値は、固定値(例えば50%)としてもよいが、前回フィードフォワード制御に切り換えられる直前のフィードバック制御終了時における通電デューティ比を記憶しておき、これを初期値とするようにしてもよく、より、応答性よく目標バルブタイミングに収束させることができる。
【0043】
そして、このように安定した制御が行われ、かつ、可変バルブタイミング機構のストッパ機構で規制される最大進角値まで制御可能であるため、該最大進角値に合わせてピストン冠面に形成するリセスを形成すればよく、制御バラツキのために余分にリセスを大きくする必要がない。したがって、可変バルブタイミング機構の制御量を制限されることなく、リセスを減少することができ、リセス増大による燃焼悪化やピストン冠面強度を確保するための重量増加ひいては燃費の悪化を防止できる。
【0044】
なお、本実施形態では吸気側の可変バルブタイミング機構に適用したものを示したが、排気バルブのバルブタイミングを遅角することによってもピストンとの干渉を回避するためのリセスを設ける必要がある場合には、排気側の可変バルブタイミング機構に適用することもできる。
【0045】
すなわち、排気バルブの目標バルブタイミングが最大遅角値から制御バラツキ相当値の所定量以内に設定されたときにフィードバック制御から電磁切換弁への通電を持続するフィードフォワード制御に切り換えて、回転部材52が遅角側油圧室62を形成する隔壁部51A側面に突き当たる最大遅角値に維持する構成とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成を示すシステム図。
【図2】同上実施形態における可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング制御状態を示す断面図。
【図3】同上実施形態における可変バルブタイミング機構による吸気バルブのバルブタイミング制御を示すフローチャート。
【図4】バルブタイミングのフィードバック制御時の様子と、吸気バルブを進角方向に制御したときのピストンとの干渉を説明するためのタイムチャート。
【図5】本実施形態の作用・効果を従来制御時と比較して示したタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
9…吸気バルブ
10…排気バルブ
12…吸気バルブ側カム軸
13…排気バルブ側カム軸
14…可変バルブタイミング機構
15…クランク角センサ
16A,16B…カム軸センサ
21…エンジン制御回路(ECU)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのバルブタイミングを可変制御する可変バルブタイミング機構の制御装置に関し、特に、制御方式の切り換えによってエンジン運転性能を改善できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、吸・排気バルブの開閉時期(バルブタイミング)を連続的に可変制御する構成の可変バルブタイミング機構として、特開平9−282005号公報に開示されるような油圧式のものがある。
【0003】
上記油圧式の可変バルブタイミング機構の具体的な構成としては、カムスプロケットに固定される筒状のハウジングの内周面に凹部を形成する一方、カム軸に固定される羽車の羽部(ベーン)が前記凹部に収容させ、前記凹部内で前記羽部が移動できる範囲内でカム軸がカムスプロケットに対して相対的に回転できるよう構成したものが一般的である。
【0004】
そして、前記羽部が前記凹部を回転方向の前後に区画して形成される一対の油圧室に対して相対的に油を給排することで、前記羽部を前記凹部の中間位置に保持させ、バルブタイミングの連続的な可変制御を行わせる構成となっており、前記一対の油圧室の油圧が目標バルブタイミングが得られる油圧に調整されると、油圧通路を制御バルブで閉じて油の給排を停止させるよう構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記可変バルブタイミング機構によるバルブタイミングの制御についてより詳細に説明すると、例えば、吸気バルブの場合、エンジン始動時(停止時)のエンジン駆動されるオイルポンプからの油圧が低いときには、前記可変バルブタイミング機構はリターンスプリングの付勢力によってバルブタイミングは最大遅角値にセットされている。
【0006】
この状態からエンジン運転状態に基づいて目標バルブタイミングを設定しつつ実バルブタイミングを検出し、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいて、電磁弁で構成される前記制御バルブの電流値(通電デューティ比)を制御して目標バルブタイミングに収束させるようにフィードバック制御するようになっている。
【0007】
かかるフィードバック制御では、偏差の存在を前提としているため、実バルブタイミングは、目標バルブタイミングを中心として前後に振れる制御バラツキを生じる。したがって、例えば吸気バルブの場合、目標バルブタイミングを最大進角値に制御した場合、実バルブタイミングは該目標バルブタイミング相当の最大進角値より、さらに前記制御バラツキ(振れ幅)分余分に進角することとなる。
【0008】
一方、前記可変バルブタイミング機構により例えば吸気バルブのバルブタイミングが進角方向に所定量以上制御すると、リフトする吸気バルブと上昇するピストンとの干渉が問題となる。このため、ピストン冠面にバルブとの干渉よけとなるリセス(凹み)を設けている。
【0009】
ここで、前記ピストン冠面に設けるリセスは、前記目標バルブタイミング相当の最大進角値に前記制御バラツキ分を加えた実バルブタイミングの最大進角値に合わせた大きさに形成する必要があるが、リセスを大きくすると燃焼悪化を招いたりピストン冠面強度を確保する上で重量の増加を招くこととなった。
【0010】
リセスの増大を抑制するため、目標バルブタイミングの最大進角値(吸気バルブの場合)を小さくすることは、可変バルブタイミング機構による制御範囲を狭めることになり、バルブタイミング制御性能を低下させることとなる。
【0011】
なお、排気バルブのバルブタイミングについては、エンジン始動時(停止時)に最大進角値を初期値として遅角方向に制御されるが、この場合も所定量以上遅角すると、ピストンと干渉する可能性もあり、この場合、吸気バルブの場合と同様のが問題を生じる。
【0012】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング制御性能を低下させることなく、ピストン冠面に設けるバルブとの干渉回避用のリセスの大きさを最小限としてエンジン運転性能を改善できる可変バルブタイミング機構の制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、目標バルブタイミングが、該目標バルブタイミングに制御されるバルブがピストンとの干渉が増大する方向に最大限駆動される限界位置から所定量を超えて離れているときは、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいてフィードバック制御すると共に、前記目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量以内のときは該限界位置まで駆動させるフィードフォワード制御に切り換える構成とした。
【0014】
これにより、目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量以内のときは、フィードフォワード制御によって該限界位置まで駆動する。この場合、フィードフォワード制御であるため、ピストン冠面に形成されるバルブとの干渉回避用のリセスを、この制御可能な限界位置に合わせた大きさに形成すればよく、フィードバック制御における制御バラツキ(振れ幅)分大きくする必要がない。したがって、リセス増大による燃焼悪化やピストン冠面強度を確保するための重量増加ひいては燃費の悪化を防止できる。
【0015】
また、目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量を超えて離れたときは、フィードバック制御とすることにより、高精度な制御を行える。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の全体構成を示すシステム図である。
エンジン1の吸気通路2には、吸入空気量を検出するエアフローメータ3が設けられ、スロットル弁4により吸入空気量を調節する。
【0017】
機関1の各気筒には、燃焼室6内に燃料を噴射する燃料噴射弁7、燃焼室6内で火花点火を行う点火プラグ8が設けられており、吸気バルブ9を介して吸入された空気に対して前記燃料噴射弁7から燃料を噴射して混合気を形成し、該混合気を前記燃焼室6内で圧縮し、点火プラグ8による火花点火によって着火する。
【0018】
エンジン1の排気は、排気バルブ10を介して燃焼室6から排気通路11に排出され、図示しない排気浄化触媒及びマフラーを介して大気中に放出される。
前記吸気バルブ9及び排気バルブ10は、それぞれ吸気バルブ側カム軸12及び排気バルブ側カム軸13に設けられたカムにより開閉駆動される。
【0019】
吸気バルブ側カム軸12、排気バルブ側カム軸13には、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、吸、排気バルブのバルブタイミング(開閉時期)を進遅角する油圧駆動式の可変バルブタイミング機構(以下、VTC機構という)14がそれぞれ設けられている。
【0020】
ここで、前記スロットル弁4、燃料噴射弁7及び点火プラグ8の作動は、前記エンジン制御回路(ECU)21により制御され、該ECU21には、クランク角センサ15、カム軸センサ16A,16B、水温センサ17、エアフローメータ3等からの信号が入力される。
【0021】
また、ECU21は、機関の負荷(燃料噴射量)、回転速度Ne、冷却水温度Tw等の情報に基づいて吸気側カム軸12及び排気側カム軸13のクランク軸に対する目標回転位相(進角値又は遅角値)つまり吸気バルブ9と排気バルブ10の目標バルブタイミングをそれぞれ決定する一方、クランク角センサ15及び吸気側、排気側それぞれのカム軸センサ16A,16Bからの検出信号に基づいて、ランク軸に対する吸気カム軸12及び排気カム軸13の回転位相つまり吸気バルブ9及び排気バルブ10の実バルブタイミングを検出し、実バルブタイミングが目標バルブタイミングとなるように制御する。
【0022】
前記ベーン式のVTC機構14は、図2に示すように、クランク軸(図示省略)によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケットの円筒状のハウジング51と、前記カム軸(12,13)の端部に固定されて前記ハウジング51内に回転自在に収容された回転部材52と、該回転部材52をハウジング51に対して相対的に回転させる油圧回路53とを備えている。
【0023】
前記ハウジング51の内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング51の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部51Aが90°間隔で突設されている。
【0024】
前記回転部材52は、カム軸の前端部に固定されており、円環状の基部52Aの外周面に90°間隔で4つのベーン52Bが設けられて、前記ハウジング51の各隔壁部51A間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン52Bの両側と各隔壁部51Aの両側面との間に、進角側油圧室61と遅角側油圧室62を構成する。
【0025】
前記油圧回路53は、進角側油圧室61に対して油圧を給排する第1油圧通路81と、遅角側油圧室62に対して油圧を給排する第2油圧通路82との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路81,82には、供給通路83とドレン通路84A,84Bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁91を介して接続されている。前記供給通路83は、オイルパン内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプに接続される一方、ドレン通路84A,84Bの下流端がオイルパンに接続している。
【0026】
前記電磁切換弁91は、内部のスプール弁体92が前記各油圧通路81,82と供給通路83及びドレン通路84A,84Bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
【0027】
前記ECU21は、前記電磁切換弁91のソレノイド93に対する通電量を制御する。
例えば、ソレノイド93への通電量を増大すると、図2(A)に示すように、作動油は、第1油圧通路81を通って進角側油圧室61内に供給されると共に、遅角側油圧室62内の作動油が第2油圧通路82及びドレン通路84Aを通ってオイルパンに排出され、遅角側油圧室62が低圧になる。
【0028】
このため、回転部材52は、ベーン52Bを介して進角側へ回転する。吸気バルブ9側の可変バルブタイミング機構14の場合、吸気バルブ9の開時期が早くなり(進角され)、排気バルブ10とのオーバーラップが大きくなる。吸気バルブ9側の可変バルブタイミング機構14の場合、吸気バルブ9の開時期が早くなり(進角され)、排気バルブ10とのオーバーラップが大きくなる。
【0029】
一方、ソレノイド93への通電量を減少すると、オイルポンプから圧送された作動油は、第2油圧通路82を通って遅角側油圧室62に供給されると共に、進角側油圧室61内の作動油が、第1油圧通路81を通ってドレン通路84Bからオイルパン内に排出される。
【0030】
従って、遅角側油圧室62の内圧が高、進角側油圧室61の内圧が低となって、回転部材52は、ベーン52Bを介して遅角側に回転する。吸気バルブ9側の可変バルブタイミング機構14の場合、吸気バルブ9の開時期が遅くなり、排気バルブ10とのオーバーラップが小さくなる。
【0031】
吸気側のVTC機構14の本発明にかかる制御について説明すると、基本的には前記電磁切換弁91のソレノイド93への通電量を通電デューティ比(%)によりフィードバック制御するが、吸気バルブ9の目標バルブタイミング(進角値)が所定量以上であるときは、通電(ON)を維持するフィードフォワード制御とするように切り換える。なお、エンジン駆動されるオイルポンプの油圧はエンジン始動時には低く、この状態で前記回転部材52は図示しないリターンスプリングの付勢力で進角側油圧室61内の容積を最小(0)とする最大遅角位置に維持され、この状態から運転状態毎に設定される目標バルブタイミングまで進角方向に制御される。
【0032】
以下、図3のフローチャートにしたがって説明する。
ステップ(図ではSと記す。以下同様)1では、エンジン運転状態(回転速度、負荷)に基づいて、吸気バルブ9の目標バルブタイミング(前記最大遅角位置に対する進角値)を設定する。
【0033】
ステップ2では、前記目標バルブタイミングが、最大進角位置から所定量を超えて離れているか(前記最大遅角位置に対する進角値が所定値以下か)を判定する。ここで、前記最大進角位置からの所定量は、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に応じたフィードバック制御時の制御バラツキ(振れ幅)相当の値(制御バラツキより少し大きめに設定した値)として設定される。
【0034】
そして、所定量を超えていると判定された場合は、ステップ3以降へ進んでフィードバック制御を実行する。
すなわち、ステップ3では、前記目標バルブタイミングと、前記クランク角センサ15及びカム軸センサ16Aによって検出された実バルブタイミングとの偏差を算出する。
【0035】
ステップ4では、前記偏差に応じて前記電磁切換弁91のソレノイド93への通電デューティ比(%)を設定する。ここで、偏差が大きいときほど目標バルブタイミングへの収束を早めるように通電デューティ比を大きく設定し、偏差が減少するにしたがってオーバーシュートを抑制するように通電デューティ比を減少させて設定する。
【0036】
ステップ5では、再度算出した目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が所定値以内であるかを判定し、所定値以内になるまではステップ4に戻り、所定値以内になったときは十分に目標バルブタイミングに収束したと判断して制御を停止する。
【0037】
一方、ステップ2で、前記目標バルブタイミングが最大進角位置から所定量以内に設定されていると判定されたときは、ステップ6へ進んでフィードバック制御を禁止し、前記電磁切換弁91のソレノイド93へ通電し続けるフィードフォワード制御に切り換える。
【0038】
これにより、前記第1油圧通路81と進角側油圧室61とが全開に維持され、進角側油圧室61にオイルポンプからの高油圧が供給されつづけて該進角側油圧室61の容積が最大となり遅角側油圧室62の容積が最小となる位置まで前記回転部材52が回転し、吸気バルブ9は最大進角位置に維持される。
【0039】
次に、以上の制御による作用・効果を説明する。
図4に示すように、目標バルブタイミングにフィードバック制御するときは、偏差の発生に応じて該偏差を無くす方向に通電量を増減する制御であるため、オーバーシュートとアンダーシュートを細かく繰り返し、同図(A)とその拡大図(B)に示すように、目標バルブタイミングを中心として前後に振れる。このため、従来のようにフィードバック制御のみとする場合は、目標バルブタイミングの最大進角値に対し、実バルブタイミングは前記フィードバック制御時の制御バラツキ(振れ幅)を加えた分さらに進角することになる。したがって、図4(C)に示すように吸気バルブを進角させたときにピストンとの干渉を回避するためのリセスを、前記制御バラツキ分大きくとる必要があった。
【0040】
ここで、目標バルブタイミングの最大進角値を実バルブタイミングのストッパで規制される最大進角値と一致させてフィードバック制御を行うと、図5(A)に示すように、ストッパで最大進角値規制されているときは、通電量は補正されないが、油圧やエンジン振動などにより最大進角値より遅角側に移動すると目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの間に偏差を生じる。この偏差を解消するべく、同図(B)に示すように、通電量は増量補正分が積分されて増大していく。この状態から運転状態が変化して目標バルブタイミングが小進角値に切り換えられると、同図(C)に示すように、切換前の通電量が過度に増大しているため、切換後の目標バルブタイミングとなるのに遅れを生じ、かつ、オーバーシュート(アンダーシュート)も増大して収束に遅れを生じることとなり、基本的な制御性能を悪化させてしまうので、実質的に採用できない。
【0041】
目標バルブタイミングの最大進角値を制御バラツキ分減少することは、それだけ、バルブタイミングの制御範囲が狭められることとなる。
これに対し、本願発明では図5(D)に示すように、目標バルブタイミングが最大進角値から所定量以内に設定されたときは、通電を持続するフィードフォワード制御とすることにより、吸気バルブ9のバルブタイミングは、回転部材52が進角側油圧室61を形成する隔壁部51A側面に突き当たる(ストッパ機構による)最大進角値に維持され、この間、フィードバック制御が禁止されるので、フィードバック制御時の通電デューティ比が積分により増大するようなこともない。
【0042】
したがって、その後、目標バルブタイミングが最大進角値から所定量を超えて離れた進角値に切り換えられ、フィードバック制御が再開されたときに、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいて設定される通電デューティ比が過剰となることがなく、応答性よく速やかに収束する。なお、フィードバック制御再開時の通電デューティ比の初期値は、固定値(例えば50%)としてもよいが、前回フィードフォワード制御に切り換えられる直前のフィードバック制御終了時における通電デューティ比を記憶しておき、これを初期値とするようにしてもよく、より、応答性よく目標バルブタイミングに収束させることができる。
【0043】
そして、このように安定した制御が行われ、かつ、可変バルブタイミング機構のストッパ機構で規制される最大進角値まで制御可能であるため、該最大進角値に合わせてピストン冠面に形成するリセスを形成すればよく、制御バラツキのために余分にリセスを大きくする必要がない。したがって、可変バルブタイミング機構の制御量を制限されることなく、リセスを減少することができ、リセス増大による燃焼悪化やピストン冠面強度を確保するための重量増加ひいては燃費の悪化を防止できる。
【0044】
なお、本実施形態では吸気側の可変バルブタイミング機構に適用したものを示したが、排気バルブのバルブタイミングを遅角することによってもピストンとの干渉を回避するためのリセスを設ける必要がある場合には、排気側の可変バルブタイミング機構に適用することもできる。
【0045】
すなわち、排気バルブの目標バルブタイミングが最大遅角値から制御バラツキ相当値の所定量以内に設定されたときにフィードバック制御から電磁切換弁への通電を持続するフィードフォワード制御に切り換えて、回転部材52が遅角側油圧室62を形成する隔壁部51A側面に突き当たる最大遅角値に維持する構成とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成を示すシステム図。
【図2】同上実施形態における可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング制御状態を示す断面図。
【図3】同上実施形態における可変バルブタイミング機構による吸気バルブのバルブタイミング制御を示すフローチャート。
【図4】バルブタイミングのフィードバック制御時の様子と、吸気バルブを進角方向に制御したときのピストンとの干渉を説明するためのタイムチャート。
【図5】本実施形態の作用・効果を従来制御時と比較して示したタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
9…吸気バルブ
10…排気バルブ
12…吸気バルブ側カム軸
13…排気バルブ側カム軸
14…可変バルブタイミング機構
15…クランク角センサ
16A,16B…カム軸センサ
21…エンジン制御回路(ECU)
Claims (5)
- エンジンのバルブタイミングを可変制御する可変バルブタイミング機構の制御装置において、
目標バルブタイミングが、該目標バルブタイミングに制御されるバルブがピストンとの干渉が増大する方向に最大限駆動される限界位置から所定量を超えて離れているときは、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づいてフィードバック制御すると共に、前記目標バルブタイミングが前記限界位置から所定量以内のときは該限界位置まで駆動させるフィードフォワード制御に切り換えることを特徴とする可変バルブタイミング機構の制御装置。 - 前記フィードフォワード制御時に、前記バルブを前記限界位置に駆動する方向への制御量を最大とし、前記バルブを可変バルブタイミング機構に設けたストッパ機構で規制される限界位置に維持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
- 可変バルブタイミング機構の制御が通電量により行われ、前記フィードバック制御は、通電デューティ比を可変とする制御であり、前記フィードフォワード制御は、通電し続ける制御であることを特徴とする請求項1に記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
- 可変バルブタイミング機構は油圧アクチュエータで駆動され、該油圧アクチュエータへの油圧の供給を制御する電磁弁の通電量を制御することにより、可変バルブタイミング機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
- 前記可変バルブタイミング制御機構は、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、バルブタイミングを連続的に可変制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
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JP2003038427A Pending JP2004245192A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 可変バルブタイミング機構の制御装置 |
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WO2008016052A1 (fr) * | 2006-08-04 | 2008-02-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Dispositif de commande de véhicule |
US7438033B2 (en) | 2005-10-24 | 2008-10-21 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Variable valve timing control apparatus for internal combustion engine and internal combustion engine including variable valve timing control apparatus |
JP2011007120A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関の動弁装置 |
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-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038427A patent/JP2004245192A/ja active Pending
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