JP2009203682A - 作業機械のフック構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作業機械のトラックフレーム9における長手方向の一端にフックを繋止する第一繋止部1aを設けるとともに、他端に第二繋止部2aを設ける。
これらの繋止部1a,2aを、アイドラサポート3及び走行モータサポート5と一体に鋳造形成してもよい。
あるいは、アイドラサポート3及びトラックフレームボディ4間に第一ベースプレート部1を介装し、走行モータ5及びトラックフレームボディ4間に第二ベースプレート部2を介装して、第一ベースプレート部1及び第二ベースプレート部2に繋止部1a,2aを設けてもよい。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、トラックローラフレームの左右側面部に設けられた足掛け用のステップにフック引掛け穴を開穿した建設機械の固定用フック装置が記載されている。この技術では、緊張工具の一方のフックをフック引掛け穴に引掛けるとともに他方のフックを輸送用車両の荷台に引掛けて、下部走行体を荷台に対して固定できるようになっている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、輸送運搬時における機体姿勢を安定させることができるようにした作業機械のフック構造を提供することを目的とする。
なお、このフック構造は、例えばワイヤーやチェーン等を引っ掛けて用いられるものである。また、該一端及び該他端とは、該トラックフレームの前後両端近傍のことを意味する。
この場合、該アイドラサポートにおける該第一繋止部の形成位置は任意である。例えば、該トラックフレームボディとの接続フランジや補強リブに設けてもよく、あるいは、天板や側板に設けてもよい。
また、請求項5記載の本発明の作業機械のフック構造は、請求項2記載の構成に加えて、該アイドラサポート及び該トラックフレームボディ間に介装されるとともに該作業機械の車幅方向外側へ向けて延設された第一ベースプレート部と、該トラックフレームボディ及び該走行モータサポート間に介装されるとともに該作業機械の車幅方向外側へ向けて延設された第二ベースプレート部とをさらに備え、該第一繋止部が、該第一ベースプレート部に形成されるとともに、該第二繋止部が、該第二ベースプレート部に形成されることを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明の作業機械のフック構造は、請求項1〜6の何れか1項に記載の構成において、該第一繋止部及び該第二繋止部が、該作業機械の車幅方向外側へ向けて鉤形に形成されていることを特徴としている。
また、本発明の作業機械のフック構造(請求項4)によれば、アイドラサポート,走行モータサポートにおけるトラックフレームボディとの接続フランジに繋止部を設けることにより、第一繋止部及び第二繋止部に必要とされる剛性,強度を容易に確保することができる。
また、本発明の作業機械のフック構造(請求項6)によれば、ベースプレート部に穴を開けることで、容易に第一繋止部及び第二繋止部を形成することができる。
また、本発明の作業機械のフック構造(請求項8)によれば、第一繋止部及び第二繋止部を丸吊り及びタイダウン兼用のフック穴とすることで、利便性を高めることができる。
図1〜図5は、本発明の一実施形態にかかる作業機械のフック構造を説明するためのものであり、図1は本フック構造を備えた作業機械の全体構成を示す斜視図、図2はそのベースフレームの上面図、図3(a),(b)はそのベースフレームの部分断面図、図4は本フック構造を利用したタイダウン状態を示す作業機械の側面図、図5は本フック構造を利用した丸吊りの状態を示す作業機械の側面図である。なお、図6(a)〜(c)は本発明の変形例としての作業機械のフック構造を示す側面図である。
本発明に係るフック構造は、図1に示す油圧ショベル11の下部走行体10に適用されている。この油圧ショベル11は、ブレードを装備していないタイプのものである。
下部走行体10の骨格をなす構造体のことを、ベースフレーム7と呼ぶ。このベースフレーム7は、左右一対のトラックローラフレーム(トラックフレーム)9とそれらの間を水平方向に架け渡して車両の旋回中心を支えるカーボディ6とを備えて構成される。トラックローラフレーム9は車体前後方向に延在する構造体であり、その周囲に履帯8を巻回されている。また、カーボディ6はベースフレーム7の中央に位置する構造体であり、上部旋回体を水平に旋回させるためのリング状のスイングサークルを備えている。
トラックフレームボディ4の前端部には、第一ベースプレート(第一ベースプレート部)1を介してアイドラサポート3が固設されている。一方、トラックフレームボディ4の後端部には、第二ベースプレート(第二ベースプレート部)2を介して走行モータサポート5が固設されている。
アイドラサポート3は、履帯8のテンションを調節するアイドラを固定するための部材である。図2に示すように、第二ベースプレート2の一方の面にアイドラサポート3が溶接固定され、他方の面にトラックフレームボディ4の端部及びカーボディ6の端部が溶接固定されている。
図3(a)中に第一ベースプレート1の延長部1bを破線ハッチで囲んで示す。第一フック穴1aは延長部1bの略中心に穿孔されており、図3(a)中の破線ハッチの部分が、第一フック穴1aの中心を通る水平線に対して上下対称形状となっている。つまり、延長部1bの外形が第一フック穴1aの中心に対して上下対称形状に形成されている。また、図3(b)中にも第二ベースプレート2の延長部2bを破線ハッチで囲んで示す。第一ベースプレート1と同様に、第二ベースプレート2の第二フック穴2aも延長部2bの略中心に穿孔されている。
図4に示すように、油圧ショベル11をトレーラの荷台に乗せた状態で、第一フック穴1aにフックを引っ掛け、荷台側に設けられた取付金具13に対してワイヤーやチェーン、緊張用器具等を用いて緊結する。同様に、第二フック穴2aに対してもフックやシャックルを引っ掛け、ワイヤー,チェーン,緊張用器具等を用いて緊結する。このように、油圧ショベル11が左右のトラックローラフレーム9において合計4カ所で緊結され、荷台上に固定される。
トラックフレームボディ4の前後端のベースプレート1,2を延長した部分にフック穴1a,2aを設けることにより、タイダウンや丸吊り用の別部品(ブラケット等)を設ける必要がなくなり、コストを低減させることができる。また、ベースプレート1,2はトラックローラフレーム9の構造体の一部をなす部材であるため、強度的な信頼性が高く、車体を安定した状態で固定、あるいは揚重することができる。また、フック穴1a,2aはベースプレート1,2に穴を開けるだけでよく、構成が簡素であって容易に形成することができる。
また、フック穴1a,2aの穿孔位置が各ベースプレート1,2の延長部1b,2bの略中心となっているため、例えばフック穴1a,1bに引っかけられたフックやシャックルの引張方向に対する剛性,強度の偏りを小さくすることができる。これにより、フック穴1a,1bに引っ掛けたワイヤーやチェーンを上下何れの方向へも引っ張ることができ、タイダウン用にも丸吊り用にも使うことができる。丸吊り及びタイダウン兼用のフック穴1a,2aを設けることで、利便性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では第一繋止部,第二繋止部がフック穴1a,2aとして形成されているが、これらの部位は少なくともフックを繋止可能な形状であればよい。例えば、図6(a)に示すように、ベースプレート1の延長部1bの外縁から内側へ凹部14を設けてフックを繋止させる構成としてもよい。あるいは、図6(b)に示すように、第一繋止部,第二繋止部を車幅方向外側へ向けて鉤形に形成することも考えられる。この場合、鉤形の突起15にフックを引っ掛けることができる。さらに、図6(c)に示すように、複数個の鉤形状の突起15,16を設けてもよい。このような構成により、フックを掛けやすくすることができる。
また、上述の実施形態では、本発明を油圧ショベル11の下部走行体10に適用したものを例示したが、本発明の適用対象はこれに限定されず、クローラ装置を備えた自走式破砕機等の作業機械に適用することが可能である。
1a 第一フック穴(第一繋止部)
2 第二ベースプレート(第二ベースプレート部)
2a 第二フック穴(第二繋止部)
3 アイドラサポート
4 トラックフレームボディ
5 走行モータサポート
6 カーボディ
7 ベースフレーム
8 履帯
9 トラックローラフレーム(トラックフレーム)
10 下部走行体
11 油圧ショベル
Claims (8)
- 作業機械の下部走行体に設けられたトラックフレームと、
該トラックフレームにおける長手方向の一端に設けられてフックを繋止する第一繋止部と、
該トラックフレームにおける長手方向の他端に設けられてフックを繋止する第二繋止部と
を備えたことを特徴とする、作業機械のフック構造。 - 該トラックフレームが、トラックフレームボディと、該トラックフレームボディの前端部に接合されたアイドラサポートと、該トラックフレームボディの後端部に接合された走行モータサポートとを有し、
該第一繋止部が、該トラックフレームボディの該アイドラサポートとの接合部よりも前端側に設けられるとともに、
該第二繋止部が、該トラックフレームボディの該走行モータサポートとの接合部よりも後端側に設けられる
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械のフック構造。 - 該第一繋止部が、該アイドラサポートと一体に鋳造形成されるとともに、
該第二繋止部が、該走行モータサポートと一体に鋳造形成される
ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械のフック構造。 - 該第一繋止部が、該アイドラサポートにおける該トラックフレームボディとの接合部に配設されるとともに、
該第二繋止部が、該走行モータサポートにおける該トラックフレームボディとの接合部に配設される
ことを特徴とする、請求項3記載の作業機械のフック構造。 - 該アイドラサポート及び該トラックフレームボディ間に介装されるとともに該作業機械の車幅方向外側へ向けて延設された第一ベースプレート部と、
該トラックフレームボディ及び該走行モータサポート間に介装されるとともに該作業機械の車幅方向外側へ向けて延設された第二ベースプレート部とをさらに備え、
該第一繋止部が、該第一ベースプレート部に形成されるとともに、
該第二繋止部が、該第二ベースプレート部に形成される
ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械のフック構造。 - 該第一繋止部が、該第一ベースプレート部に穿設された第一フック穴として形成され、
該第二繋止部が、該第二ベースプレート部に穿設された第二フック穴として形成される
ことを特徴とする、請求項5記載の作業機械のフック構造。 - 該第一繋止部及び該第二繋止部が、該作業機械の車幅方向外側へ向けて鉤形に形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の作業機械のフック構造。 - 該第一繋止部及び該第二繋止部が、丸吊り及びタイダウン兼用の繋止部として形成されていることを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の作業機械のフック構造。
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