JP2009135453A - 半導体装置の作製方法、半導体装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性の低い基板をベース基板とするSOI基板で、レーザ光で表面を溶融させることにより、機械的な研磨が不要な半導体装置を提供する。
【解決手段】ベース基板101、絶縁層116、接合層114、半導体層115を有するSOI基板に、レーザー光122を照射することにより半導体層115上面を溶融させ、冷却、固化することで、機械的な研磨を行わなくても、平坦性が優れたSOI半導体装置を提供できる。また、レーザー光の端部が照射された領域の半導体層は半導体素子として用いずに、レーザー光の端部以外が照射された領域の半導体層を半導体素子として用いることにより、半導体装置の性能を大きく向上することができる。
【選択図】図2

Description

半導体装置の作製方法、該方法を用いて作製した半導体装置及び電子機器に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、半導体回路はもちろんのこと、表示装置等も半導体装置に含まれるものとする。
近年、バルク状のシリコンウエハに代わり、SOI(Silicon On Insulator)基板を使った集積回路が開発されている。絶縁層上に形成された薄い単結晶シリコン層の特長を生かすことで、集積回路中のトランジスタ同士を完全に分離して形成することができ、また、トランジスタを完全空乏型とすることができるため、高集積、高速駆動、低消費電力など付加価値の高い半導体集積回路が実現できる。
SOI基板を製造する方法の1つに、水素イオンの注入と、これによる剥離を組み合わせた、水素イオン注入剥離法が知られている。水素イオン注入剥離法の代表的な工程を以下に示す。
はじめに、シリコンウエハに水素イオンを注入することによって、表面から所定の深さに損傷領域を形成する。次に、ベース基板となる別のシリコンウエハを酸化して酸化シリコン膜を形成する。その後、水素イオンを注入したシリコンウエハと、別のシリコンウエハの酸化シリコン膜とを接合させて、2枚のシリコンウエハを貼り合わせる。そして、加熱処理を行うことにより、損傷領域を劈開面としてウエハを劈開させる。なお、貼り合わせにおける結合力を向上させるため、劈開させる際の加熱処理とは別の加熱処理を行っている。
また、水素イオン注入剥離法を用いて、ガラス基板上に単結晶シリコン層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、イオン注入によって形成された欠陥層や、剥離面の数nm〜数十nmの段差を除去するために、剥離面を機械研磨している。
特開平11−097379号公報
ガラス基板はシリコンウエハよりも大面積且つ安価な基板であり、主として、液晶表示装置等の表示装置を製造する際に用いられている。ガラス基板をベース基板として用いることで、大面積で安価なSOI基板を作製することが可能になる。
しかしながら、ガラス基板には、所定の歪み点が存在し、耐熱性が低い。このため、ガラス基板の耐熱温度を超える温度で加熱することはできず、プロセス温度は歪み点以下に制限されてしまう。つまり、剥離面における結晶欠陥を除去し、表面凹凸を低減する際にも、プロセス温度の制約がある。また、ガラス基板に貼り付けられた単結晶シリコン層からトランジスタを製造するときにも、プロセス温度の制約がある。
また、基板が大型の場合には、使用できる装置や処理方法にも制約が生じる。例えば、特許文献1において示されている剥離面の機械研磨は、加工精度や装置に係るコスト等の観点から、大面積の基板に用いるのは現実的ではない。しかしながら、半導体素子の特性を引き出すためには、剥離面における表面凹凸や半導体層中の欠陥密度を一定以下に抑えておく必要がある。特に、単結晶シリコン層を半導体素子の活性層(例えばトランジスタのチャネル形成領域)として用いる場合には、この点は極めて重要である。
このように、大面積且つ耐熱性の低いガラス基板の如き基板をベース基板として用いる場合には、半導体層の表面凹凸や欠陥密度を抑えることが困難であり、所望の特性を得ることが難しいという問題があった。
上述の問題点に鑑み、耐熱性の低い基板をベース基板とするSOI基板を用いて高性能な半導体装置を提供することを課題の一とする。または、機械的な研磨を行わずに高性能な半導体装置を提供することを課題の一とする。または、該半導体装置を用いた電子機器を提供することを課題の一とする。
開示する発明では、レーザー光を照射することにより半導体層の平坦性を向上させ、また、半導体層中の欠陥を低減させる。これにより、機械的な研磨を行わずに、高性能な半導体装置を提供することができる。また、レーザー光が照射された領域の中でも、特に優れた特性を有する領域を用いて半導体装置を作製する。具体的には、レーザー光の端部が照射された領域の半導体層は半導体素子として用いずに、レーザー光の端部以外が照射された領域の半導体層を半導体素子として用いる。これにより、半導体装置の性能を大きく向上することができる。また、優れた電子機器を提供することができる。
開示する発明の半導体装置の作製方法の一は、単結晶半導体基板の主表面にイオンを照射して損傷領域を形成し、単結晶半導体基板の主表面に絶縁層を形成し、絶縁層と、絶縁表面を有する基板とを接合させ、単結晶半導体基板を、損傷領域において分離させることにより、絶縁表面を有する基板上に単結晶半導体層を形成し、単結晶半導体層の一部の領域にパルスレーザー光を照射することにより、単結晶半導体層の欠陥を低減し、且つ、表面の平坦性を向上させ、パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の単結晶半導体層を用いて半導体素子の活性層を形成することを特徴としている。
また、開示する発明の半導体装置の作製方法の他の一は、単結晶半導体基板の主表面にイオンを照射して損傷領域を形成し、絶縁表面を有する基板上に絶縁層を形成し、単結晶半導体基板と、絶縁層とを接合させ、単結晶半導体基板を、損傷領域において分離させることにより、絶縁表面を有する基板上に単結晶半導体層を形成し、単結晶半導体層の一部の領域にパルスレーザー光を照射することにより、単結晶半導体層の欠陥を低減し、且つ、表面の平坦性を向上させ、パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の単結晶半導体層を用いて半導体素子の活性層を形成することを特徴としている。
上記において、絶縁層は、有機シランガスを用いて化学気相成長法により形成される絶縁層を含む構成であっても良い。また、絶縁層は、積層構造で形成されても良い。
開示する発明の半導体装置の作製方法の他の一は、絶縁表面上に単結晶半導体層を有する半導体基板を用いた半導体装置の作製方法であって、半導体基板は、単結晶半導体層の一部の領域にパルスレーザー光が照射されることにより、単結晶半導体層の欠陥が低減され、且つ、表面の平坦性が向上されたものであり、パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の単結晶半導体層を用いて半導体素子の活性層を形成することを特徴としている。
上記において、パルスレーザー光の端部以外における光強度は、単結晶半導体層が完全溶融する光強度未満、且つ、完全溶融と部分溶融との境界となる光強度の85%以上であり、パルスレーザー光の端部における光強度は、境界となる光強度の85%未満である。また、パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の単結晶半導体層表面の平均面粗さは1.5nm未満であり、二乗平方根粗さは2nm未満であり、パルスレーザー光の端部が照射された領域の単結晶半導体層表面の平均面粗さは1.5nm以上であり、二乗平方根粗さは2nm以上である。また、パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の単結晶半導体層のラマンピークの波数(ラマンスペクトルにおけるピーク波数)は520.4cm−1以上であり、パルスレーザー光の端部が照射された領域の単結晶半導体層のラマンピークの波数(ラマンスペクトルにおけるピーク波数)は520.4cm−1未満である。
また、上記において、パルスレーザー光は、エキシマレーザー光であってもよい。また、パルスレーザー光は、線状の形状を有していても良い。また、上記において、パルスレーザー光の照射領域の一部が重なるようにレーザー光を照射しても良い。この場合において、オーバーラップ率は5%以上20%以下とすることが好ましい。
上述の半導体装置の作製方法を用いて、様々な半導体装置を作製することができる。また、該半導体装置を用いて、様々な電子機器を提供することができる。
なお、上記において、単結晶半導体とは、結晶構造が一定の規則性を持って形成されており、どの部分においても結晶軸が同じ方向を向いている半導体をいうものとする。つまり、欠陥の多少については問わない。
開示の発明では、耐熱温度の低い基板を用いつつも、機械的な研磨を行わずに単結晶半導体層の表面凹凸及び欠陥を低減している。これにより、耐熱性の低い基板をベース基板とするSOI基板を用いて、高性能な半導体装置を提供することができる。また、レーザー光の端部が照射された領域を半導体素子の活性層として用いないことにより、一層の高性能化を図ることができる。また、該半導体装置を用いて様々な電子機器を提供することができる。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、発明の趣旨から逸脱することなく形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の形態や実施例に係る構成は、適宜組み合わせて実施することができる。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の作製方法の一例について説明する。
はじめに、半導体装置に用いるSOI基板の作製方法について、図1乃至3を参照して説明する。
はじめに、ベース基板101を用意する(図1(A)参照)。ベース基板101には、液晶表示装置など電子工業用に使用されている透光性のガラス基板を用いることができる。ガラス基板としては、歪み点が580℃以上(好ましくは、600℃以上)である基板を用いると良い。また、ガラス基板は無アルカリガラス基板であることが好ましい。無アルカリガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。
なお、ベース基板101としては、ガラス基板の他、セラミック基板、石英基板やサファイア基板などの絶縁体でなる絶縁性基板、金属やステンレスなどの導電体でなる導電性基板、シリコンやガリウムヒ素など半導体でなる半導体基板などを用いることもできる。
次に、ベース基板101を洗浄し、その上面に10nm以上400nm以下の厚さの絶縁層102を形成する(図1(B)参照)。絶縁層102は単層構造、2層以上の多層構造とすることができる。
絶縁層102を構成する膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム膜、酸化窒化ゲルマニウム膜、窒化酸化ゲルマニウム膜などのシリコンまたはゲルマニウムを組成に含む絶縁膜を用いることができる。また、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウムなどの金属の酸化物でなる絶縁膜、窒化アルミニウムなどの金属の窒化物でなる絶縁膜、酸化窒化アルミニウムなどの金属の酸化窒化物でなる絶縁膜、窒化酸化アルミニウムなどの金属の窒化酸化物でなる絶縁膜を用いることもできる。
なお、本明細書において、酸化窒化物とは、その組成において、窒素よりも酸素の含有量が多いものを示し、例えば、酸化窒化シリコンとは、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以下、珪素が25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化物とは、その組成において、酸素よりも窒素の含有量が多いものを示し、例えば、窒化酸化シリコンとは、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上55原子%以下、珪素が25原子%以上35原子%以下、水素が10原子%以上30原子%以下の範囲で含まれるものをいう。但し、上記範囲は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合のものである。また、構成元素の含有比率の合計は100原子%を超えない。
ベース基板101にアルカリ金属やアルカリ土類金属などの半導体装置の信頼性を低下させる不純物を含むような基板を用いた場合、このような不純物が、ベース基板101から、半導体層に拡散することを防止できるような膜を少なくとも1層以上設けることが好ましい。このような膜には、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜などがある。このような膜を含ませることで、絶縁層102をバリア層として機能させることができる。
例えば、絶縁層102を単層構造のバリア層として形成する場合、厚さ10nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜で形成することができる。
絶縁層102をバリア層として機能させ、2層構造とする場合は、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜、窒化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜の積層膜、窒化酸化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜、窒化酸化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜の積層膜等の構造を採用することができる。なお、前述の2層構造においては、先に記載した膜をベース基板101上面に形成される膜(下層の膜)とすることが好ましい。また、上層の膜としては、下層のブロッキング効果の高い膜の内部応力が半導体層に作用しないように、応力を緩和することができるような材料からなる膜を選択することが好ましい。また、上層の厚さは10nm以上200nm以下、下層の厚さは10nm以上200nm以下とすることができる。
本実施の形態では、下層を、プロセスガスとしてSiH及びNHを用いてプラズマCVD法で形成した窒化酸化シリコン膜103、上層を、プロセスガスとしてSiH及びNOを用いてプラズマCVD法で形成した酸化窒化シリコン膜104とした2層構造を用いる。
図1(A)及び(B)に示す工程と並行して半導体基板を加工する。まず、半導体基板111を用意する(図1(C)参照)。半導体基板111を薄片化した半導体層をベース基板101に貼り合わせることで、SOI基板が作製される。半導体基板111としては単結晶半導体基板を用いることが好ましいが、多結晶半導体基板を用いることもできる。また、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、炭化シリコンなどの第4属元素でなる半導体基板を用いることができる。もちろん、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体でなる半導体基板を用いてもよい。半導体基板のサイズ等に制限は無いが、例えば、直径5インチ(125mm)、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)、18インチ(450mm)等の半導体基板を、適当な大きさ、適当な形状に加工して用いることができる。
次に、半導体基板111を洗浄する。そして、その後、半導体基板111表面に保護膜112を形成する(図1(D)参照)。保護膜112には、イオンを照射する際に半導体基板111が不純物により汚染されることを防止する効果や、照射されるイオンの衝撃で半導体基板111が損傷することを防止する効果などがある。保護膜112は、CVD法などを用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを堆積させて形成することができる。また、半導体基板111を酸化又は窒化することで、保護膜112を形成することもできる。
次に、保護膜112を介して、電界で加速されたイオンでなるイオンビーム121を半導体基板111に照射し、半導体基板111の表面から所定の深さの領域に損傷領域113を形成する(図1(E)参照)。損傷領域113が形成される領域の深さは、イオンビーム121の加速エネルギーとイオンビーム121の入射角によって制御することができる。イオンの平均侵入深さと同程度の深さ領域に損傷領域113が形成される。
上述の損傷領域113が形成される深さにより、半導体基板111から分離される半導体層の厚さが決定される。損傷領域113が形成される深さは50nm以上500nm以下であり、好ましい厚さの範囲は50nm以上200nm以下である。
イオンを半導体基板111に照射する際には、イオン注入装置やイオンドーピング装置などを用いることができる。イオン注入装置では、ソースガスを励起してイオン種を生成し、生成されたイオン種を質量分離して、所定の質量を有するイオン種を被処理物に注入する。イオンドーピング装置は、プロセスガスを励起してイオン種を生成し、生成されたイオン種を質量分離せずに被処理物に照射する。なお、質量分離装置を備えているイオンドーピング装置では、イオン注入装置と同様に、質量分離を伴うイオンの照射を行うことができる。本明細書において、特に明記しないときは、いずれの装置を用いてイオンの照射を行っても良いこととする。
イオンドーピング装置を用いる場合のイオンの照射工程は、例えば、以下の条件で行うことができる。
・加速電圧 10kV以上100kV以下(好ましくは30kV以上80kV以下)
・ドーズ量 1×1016/cm以上4×1016/cm以下
・ビーム電流密度 2μA/cm以上(好ましくは5μA/cm以上、より好ましくは10μA/cm以上)
イオンドーピング装置を用いる場合、イオン照射工程のソースガスには水素ガスを用いることができる。水素ガス(Hガス)を用いることによりイオン種としてH、H 、H を生成することができる。水素ガスをソースガスとして用いる場合には、H を多く照射することが好ましい。H イオンを多く照射することで、H、H を照射する場合よりもイオンの照射効率が向上する。つまり、イオン照射に掛かる時間を短縮することができる。また、損傷領域113からの分離がより容易になる。また、H を用いることで、イオンの平均侵入深さを浅くすることができるため、損傷領域113をより浅い領域に形成することができる。
イオン注入装置を用いる場合には、質量分離により、H イオンが注入されるようにすることが好ましい。もちろん、H を注入してもよい。ただし、イオン注入装置を用いる場合には、イオン種を選択して注入するため、イオンドーピング装置を用いる場合と比較して、イオンの照射効率が低下する場合がある。
イオンドーピング装置を用いる場合は、イオンビーム121に、H、H 、H の総量に対してH イオンが70%以上含まれるようにすることが好ましい。また、H イオンの割合は80%以上とすることがより好ましい。このようにH の割合を高めておくことで、損傷領域113に1×1020atoms/cm以上の濃度で水素を含ませることもが可能である。なお、損傷領域113に5×1020atoms/cm以上の濃度で水素を含ませることで、半導体層の分離が容易になる。
イオン照射工程のソースガスには水素ガスの他に、ヘリウムやアルゴンなどの希ガス、フッ素ガスや塩素ガスに代表されるハロゲンガス、フッ素化合物ガス(例えば、BF)などのハロゲン化合物ガスから選ばれた一種または複数種類のガスを用いることができる。ソースガスにヘリウムを用いる場合は、質量分離を行わないことで、Heイオンの割合が高いイオンビーム121を作り出すことができる。このようなイオンビーム121を用いることで、損傷領域113を効率よく形成することができる。
また、複数回のイオン照射工程を行うことで、損傷領域113を形成することもできる。この場合、イオン照射工程毎にソースガスを異ならせても良いし、同じソースガスを用いてもよい。例えば、ソースガスとして希ガスを用いてイオン照射を行った後、水素ガスをソースガスとして用いてイオン照射を行うことができる。また、初めにハロゲンガス又はハロゲン化合物ガスを用いてイオン照射を行い、次に、水素ガスを用いてイオン照射を行うこともできる。
以下において、発明の特徴の一とも言えるイオンの照射方法について考察する。
開示の発明では、水素(H)に由来するイオン(以下「水素イオン種」と呼ぶ)を単結晶半導体基板に対して照射している。より具体的には、水素ガス又は水素を組成に含むガスを原材料として用い、水素プラズマを発生させ、該水素プラズマ中の水素イオン種を単結晶半導体基板に対して照射している。
(水素プラズマ中のイオン)
上記のような水素プラズマ中には、H、H 、H といった水素イオン種が存在する。ここで、各水素イオン種の反応過程(生成過程、消滅過程)について、以下に反応式を列挙する。
e+H→e+H+e ・・・・・ (1)
e+H→e+H +e ・・・・・ (2)
e+H→e+(H→e+H+H ・・・・・ (3)
e+H →e+(H →e+H+H ・・・・・ (4)
+H→H +H ・・・・・ (5)
+H→H+H+H ・・・・・ (6)
e+H →e+H+H+H ・・・・・ (7)
e+H →H+H ・・・・・ (8)
e+H →H+H+H ・・・・・ (9)
図27に、上記の反応の一部を模式的に表したエネルギーダイアグラムを示す。なお、図27に示すエネルギーダイアグラムは模式図に過ぎず、反応に係るエネルギーの関係を厳密に規定するものではない点に留意されたい。
(H の生成過程)
上記のように、H は、主として反応式(5)により表される反応過程により生成される。一方で、反応式(5)と競合する反応として、反応式(6)により表される反応過程が存在する。H が増加するためには、少なくとも、反応式(5)の反応が、反応式(6)の反応より多く起こる必要がある(なお、H が減少する反応としては他にも(7)、(8)、(9)が存在するため、(5)の反応が(6)の反応より多いからといって、必ずしもH が増加するとは限らない。)。反対に、反応式(5)の反応が、反応式(6)の反応より少ない場合には、プラズマ中におけるH の割合は減少する。
上記反応式における右辺(最右辺)の生成物の増加量は、反応式の左辺(最左辺)で示す原料の密度や、その反応に係る速度係数などに依存している。ここで、H の運動エネルギーが約11eVより小さい場合には(5)の反応が主要となり(すなわち、反応式(5)に係る速度係数が、反応式(6)に係る速度係数と比較して十分に大きくなり)、H の運動エネルギーが約11eVより大きい場合には(6)の反応が主要となることが実験的に確認されている。
荷電粒子は電場から力を受けて運動エネルギーを得る。該運動エネルギーは、電場によるポテンシャルエネルギーの減少量に対応している。例えば、ある荷電粒子が他の粒子と衝突するまでの間に得る運動エネルギーは、その間に通過した電位差分のポテンシャルエネルギーに等しい。つまり、電場中において、他の粒子と衝突することなく長い距離を移動できる状況では、そうではない状況と比較して、荷電粒子の運動エネルギー(の平均)は大きくなる傾向にある。このような、荷電粒子に係る運動エネルギーの増大傾向は、粒子の平均自由行程が大きい状況、すなわち、圧力が低い状況で生じ得る。
また、平均自由行程が小さくとも、その間に大きな運動エネルギーを得ることができる状況であれば、荷電粒子の運動エネルギーは大きくなる。すなわち、平均自由行程が小さくとも、電位差が大きい状況であれば、荷電粒子の持つ運動エネルギーは大きくなると言える。
これをH に適用してみる。プラズマの生成に係るチャンバー内のように電場の存在を前提とすれば、該チャンバー内の圧力が低い状況ではH の運動エネルギーは大きくなり、該チャンバー内の圧力が高い状況ではH の運動エネルギーは小さくなる。つまり、チャンバー内の圧力が低い状況では(6)の反応が主要となるため、H は減少する傾向となり、チャンバー内の圧力が高い状況では(5)の反応が主要となるため、H は増加する傾向となる。また、プラズマ生成領域における電場(又は電界)が強い状況、すなわち、ある二点間の電位差が大きい状況ではH の運動エネルギーは大きくなり、反対の状況では、H の運動エネルギーは小さくなる。つまり、電場が強い状況では(6)の反応が主要となるためH は減少する傾向となり、電場が弱い状況では(5)の反応が主要となるため、H は増加する傾向となる。
(イオン源による差異)
ここで、イオン種の割合(特にH の割合)が異なる例を示す。図28は、100%水素ガス(イオン源の圧力:4.7×10−2Pa)から生成されるイオンの質量分析結果を示すグラフである。なお、上記質量分析は、イオン源から引き出されたイオンを測定することにより行った。横軸はイオンの質量である。スペクトル中、質量1、2、3のピークは、それぞれ、H、H 、H に対応する。縦軸は、スペクトルの強度であり、イオンの数に対応する。図28では、質量が異なるイオンの数量を、質量3のイオンを100とした場合の相対比で表している。図28から、上記イオン源により生成されるイオンの割合は、H:H :H =1:1:8程度となることが分かる。なお、このような割合のイオンは、プラズマを生成するプラズマソース部(イオン源)と、当該プラズマからイオンビームを引き出すための引出電極などから構成されるイオンドーピング装置によっても得ることが出来る。
図29は、図28とは異なるイオン源を用いた場合であって、イオン源の圧力がおおよそ3×10−3Paの時に、PHから生成したイオンの質量分析結果を示すグラフである。上記質量分析結果は、水素イオン種に着目したものである。また、質量分析は、イオン源から引き出されたイオンを測定することにより行った。図28と同様、横軸はイオンの質量を示し、質量1、2、3のピークは、それぞれH、H 、H に対応する。縦軸はイオンの数量に対応するスペクトルの強度である。図29から、プラズマ中のイオンの割合はH:H :H =37:56:7程度であることが分かる。なお、図29はソースガスがPHの場合のデータであるが、ソースガスとして100%水素ガスを用いたときも、水素イオン種の割合は同程度になる。
図29のデータを得たイオン源の場合には、H、H 及びH のうち、H が7%程度しか生成されていない。他方、図28のデータを得たイオン源の場合には、H の割合を50%以上(上記の条件では80%程度)とすることが可能である。これは、上記考察において明らかになったチャンバー内の圧力及び電場に起因するものと考えられる。
(H の照射メカニズム)
図28のような複数のイオン種を含むプラズマを生成し、生成されたイオン種を質量分離しないで単結晶半導体基板に照射する場合、単結晶半導体基板の表面には、H、H 、H の各イオンが照射される。イオンの照射からイオン導入領域形成にかけてのメカニズムを再現するために、以下の5種類のモデルを考える。
1.照射されるイオン種がHで、照射後もH(H)である場合
2.照射されるイオン種がH で、照射後もH (H)のままである場合
3.照射されるイオン種がH で、照射後に2個のH(H)に分裂する場合
4.照射されるイオン種がH で、照射後もH (H)のままである場合
5.照射されるイオン種がH で、照射後に3個のH(H)に分裂する場合。
(シミュレーション結果と実測値との比較)
上記のモデルを基にして、水素イオン種をSi基板に照射する場合のシミュレーションを行った。シミュレーション用のソフトウェアとしては、SRIM(the Stopping and Range of Ions in Matter:モンテカルロ法によるイオン導入過程のシミュレーションソフトウェア、TRIM(the Transport of Ions in Matter)の改良版)を用いている。なお、計算の関係上、モデル2ではH を質量2倍のHに置き換えて計算した。また、モデル4ではH を質量3倍のHに置き換えて計算した。さらに、モデル3ではH を運動エネルギー1/2のHに置き換え、モデル5ではH を運動エネルギー1/3のHに置き換えて計算を行った。
なお、SRIMは非晶質構造を対象とするソフトウェアではあるが、高エネルギー、高ドーズの条件で水素イオン種を照射する場合には、SRIMを適用可能である。水素イオン種とSi原子の衝突により、Si基板の結晶構造が非単結晶構造に変化するためである。
図30に、モデル1乃至モデル5を用いて水素イオン種を照射した場合(H換算で10万個照射時)の計算結果を示す。また、図28の水素イオン種を照射したSi基板中の水素濃度(SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)のデータ)をあわせて示す。モデル1乃至モデル5を用いて行った計算の結果については、縦軸を水素原子の数で表しており(右軸)、SIMSデータについては、縦軸を水素原子の密度で表している(左軸)。横軸はSi基板表面からの深さである。実測値であるSIMSデータと、計算結果とを比較した場合、モデル2及びモデル4は明らかにSIMSデータのピークから外れており、また、SIMSデータ中にはモデル3に対応するピークも見られない。このことから、モデル2乃至モデル4の寄与は、相対的に小さいことが分かる。イオンの運動エネルギーがkeV程度なのに対して、H−Hの結合エネルギーは数eV程度に過ぎないことを考えれば、モデル2及びモデル4の寄与が小さいのは、Si元素との衝突により、大部分のH やH が、HやHに分離しているためと思われる。
以上より、モデル2乃至モデル4については、以下では考慮しない。図31乃至図33に、モデル1及びモデル5を用いて水素イオン種を照射した場合(H換算で10万個照射時)の計算結果を示す。また、図28の水素イオン種を照射したSi基板中の水素濃度(SIMSデータ)及び、上記シミュレーション結果をSIMSデータにフィッティングさせたもの(以下フィッティング関数と呼ぶ)を合わせて示す。ここで、図31は加速電圧を80kVとした場合を示し、図32は加速電圧を60kVとした場合を示し、図33は加速電圧を40kVとした場合を示している。なお、モデル1及びモデル5を用いて行った計算の結果については、縦軸を水素原子の数で表しており(右軸)、SIMSデータ及びフィッティング関数については、縦軸を水素原子の密度で表している(左軸)。横軸はSi基板表面からの深さである。
フィッティング関数はモデル1及びモデル5を考慮して以下の計算式により求めることとした。なお、計算式中、X、Yはフィッティングに係るパラメータであり、Vは体積である。
[フィッティング関数]
=X/V×[モデル1のデータ]+Y/V×[モデル5のデータ]
現実に照射されるイオン種の割合(H:H :H =1:1:8程度)を考えればH の寄与(すなわち、モデル3)についても考慮すべきであるが、以下に示す理由により、ここでは除外して考えた。
・モデル3に示される照射過程により導入される水素は、モデル5の照射過程と比較して僅かであるため、除外して考えても大きな影響はない(SIMSデータにおいても、ピークが現れていない)。
・モデル5とピーク位置の近いモデル3は、モデル5において生じるチャネリング(結晶の格子構造に起因する元素の移動)により隠れてしまう可能性が高い。すなわち、モデル3のフィッティングパラメータを見積もるのは困難である。これは、本シミュレーションが非晶質Siを前提としており、結晶性に起因する影響を考慮していないことによるものである。
図34に、上記のフィッティングパラメータをまとめる。いずれの加速電圧においても、導入されるHの数の比は、[モデル1]:[モデル5]=1:42〜1:45程度(モデル1におけるHの数を1とした場合、モデル5におけるHの数は42以上45以下程度)であり、照射されるイオン種の数の比は、[H(モデル1)]:[H (モデル5)]=1:14〜1:15程度(モデル1におけるHの数を1とした場合、モデル5におけるH の数は14以上15以下程度)である。モデル3を考慮していないことや非晶質Siと仮定して計算していることなどを考えれば、実際の照射に係るイオン種の比(H:H :H =1:1:8程度)に近い値が得られていると言える。
(H を用いる効果)
図28に示すようなH の割合を高めた水素イオン種を基板に照射することで、H に起因する複数のメリットを享受することができる。例えば、H はHやHなどに分離して基板内に導入されるため、主にHやH を照射する場合と比較して、イオンの導入効率を向上させることができる。これにより、半導体基板の生産性向上を図ることができる。また、同様に、H が分離した後のHやHの運動エネルギーは小さくなる傾向にあるから、薄い半導体層の製造に向いている。
なお、本明細書では、H を効率的に照射するために、図28に示すような水素イオン種を照射可能なイオンドーピング装置を用いる方法について説明している。イオンドーピング装置は廉価で、大面積処理に優れているため、このようなイオンドーピング装置を用いてH を照射することで、半導体特性の向上、大面積化、低コスト化、生産性向上などの顕著な効果を得ることができる。一方で、H の照射を第一に考えるのであれば、イオンドーピング装置を用いることに限定して解釈する必要はない。
損傷領域113を形成した後、エッチングにより保護膜112を除去する。そして、半導体基板111の上面に、接合層114を形成する(図1(F)参照)。保護膜112を除去せず、保護膜112上に接合層114を形成しても良い。
接合層114は、平滑な親水性表面を有する層である。このような接合層114としては、化学的な反応により形成される絶縁膜が好ましく、中でも酸化シリコン膜が好ましい。接合層114の厚さは10nm以上200nm以下とすることができる。好ましい厚さは10nm以上100nm以下であり、より好ましくは20nm以上50nm以下である。なお、接合層114を形成する工程において、半導体基板111の加熱温度は損傷領域113に存在する元素や分子が離脱しない温度とする必要がある。具体的には、加熱温度は400℃以下とすることが好ましい。
接合層114の酸化シリコン膜をプラズマCVD法で形成する場合には、シリコンのソースガスとして有機シランガスを用いることが好ましい。酸素のソースガスとしては酸素(O)ガスを用いることができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)などを用いることができる。また、シリコンのソースガスとしては有機シランガス以外にも、シラン(SiH)やジシラン(Si)などを用いることができる。
プラズマCVD法以外にも、熱CVD法を用いることで酸化シリコン膜を形成することができる。この場合、シリコンのソースガスとしてはシラン(SiH)やジシラン(Si)などを、酸素のソースガスとしては酸素(O)ガスや一酸化二窒素(NO)ガスなどを用いることができる。加熱温度は200℃以上500℃以下とすることが好ましい。なお、接合層114は絶縁性材料を用いて形成されることが多く、この意味において接合層114を絶縁層に含めることができる。
次に、ベース基板101と半導体基板111とを貼り合わせる(図1(G)参照)。まず、絶縁層102が形成されたベース基板101、及び接合層114が形成された半導体基板111を超音波洗浄などの方法で洗浄し、その後、絶縁層102と接合層114を密着させる。これにより、絶縁層102と接合層114が接合する。なお、接合のメカニズムとしては、ファン・デル・ワールス力が関わるメカニズムや、水素結合が関わるメカニズムなどが考えられる。
このように、接合層114として、有機シランを用いてプラズマCVD法で形成した酸化シリコン膜や、熱CVD法で形成した酸化シリコン膜などを用いることで、絶縁層102と接合層114を常温で接合することができる。従って、ベース基板101として、ガラス基板をはじめとする耐熱性の低い基板を用いることが可能である。
なお、本実施の形態においては示さないが、絶縁層102の形成を省略することもできる。この場合には、接合層114とベース基板101とを接合することになる。ベース基板101がガラス基板の場合には、接合層114として、有機シランを用いてCVD法で形成した酸化シリコン膜、熱CVD法で形成した酸化シリコン膜、シロキサンを原料に形成した酸化シリコン膜等を用いることにより、ガラス基板と接合層114を常温で接合させることができる。
結合力をより強固なものにするために、例えば、絶縁層102の表面を酸素プラズマ処理若しくはオゾン処理して、その表面を親水性にする方法がある。この処理によって絶縁層102の表面に水酸基が付加されるため、接合層114との接合界面に水素結合を形成することができる。なお、絶縁層102を形成しない場合には、ベース基板101の表面を親水性にする処理を行ってもよい。
ベース基板101と半導体基板111を密着させた後、加熱処理又は加圧処理を行うことが好ましい。加熱処理又は加圧処理を行うことで、絶縁層102と接合層114の結合力を向上させることができるためである。加熱処理の温度は、ベース基板101の耐熱温度以下であることが好ましく、加熱温度は400℃以上耐熱温度以下とすると良い。例えば、ベース基板101としてガラス基板を用いる場合には、歪み点を耐熱温度とみなしてもよい。加圧処理は、接合界面に垂直な方向に力が加わるように行い、加える圧力はベース基板101及び半導体基板111の強度を考慮して決定する。
次に、半導体基板111を半導体基板111´と半導体層115に分離する(図1(H)参照)。半導体基板111の分離は、ベース基板101と半導体基板111を貼り合わせた後、半導体基板111を加熱することにより行う。半導体基板111の加熱温度はベース基板の耐熱温度に依存するが、例えば、400℃以上(700℃以下)とすることができる。
上述のように、400℃以上の温度範囲で熱処理を行うことにより、損傷領域113に形成された微小な空孔の体積変化が生じ、損傷領域113に亀裂が生ずる。その結果、損傷領域113に沿って半導体基板111が分離する。接合層114はベース基板101と接合しているので、ベース基板101上には半導体基板111から分離された半導体層115が残存することになる。また、この熱処理で、ベース基板101と接合層114の接合界面が加熱されるため、接合界面に共有結合が形成され、接合界面での結合力が向上する。
以上により、ベース基板101に半導体層115が設けられたSOI基板131が作製される。SOI基板131は、ベース基板101上に絶縁層102、接合層114、半導体層115が順に積層された多層構造の基板であり、絶縁層102と接合層114の界面において接合が形成されている。なお、絶縁層102を形成しない場合には、ベース基板101と接合層114との界面において接合が形成されることになる。
半導体基板111を分離し、SOI基板131を形成した後、さらに、400℃以上の温度で熱処理を行うこともできる。この加熱処理によって、SOI基板131の接合層114と絶縁層102との結合力をより一層向上させることができる。加熱温度の上限はベース基板101の耐熱温度を超えないようにすることはいうまでもない。
半導体層115の表面には、分離工程やイオン照射工程による欠陥が存在し、また、その平坦性は損なわれている。このような凹凸のある半導体層115の表面に、薄く、且つ、高い絶縁耐圧のゲート絶縁層を形成することは困難である。そのため、半導体層115の平坦化処理を行う。また、半導体層115に欠陥が存在する場合には、ゲート絶縁層との界面における局在準位密度が高くなるなど、トランジスタの性能及び信頼性に悪影響を与えるため、半導体層115の欠陥を減少させる処理を行う。
開示する発明において、半導体層115の平坦化、および欠陥の減少は、半導体層115にレーザー光122を照射することで実現される(図2(A)参照)。レーザー光122を半導体層115の上面側から照射することで、半導体層115上面を溶融させる。溶融した後、半導体層115が冷却、固化することで、その上面の平坦性が向上した半導体層115Aが得られる(図2(B)参照)。平坦化処理では、レーザー光122を用いているため、ベース基板を加熱する必要が無く、ベース基板101の温度上昇が抑えられる。このため、ガラス基板のような耐熱性の低い基板をベース基板101に用いることが可能になる。また、研磨処理を行わずとも十分な平坦性を確保することができる。もちろん、ベース基板の耐熱温度の範囲内における加熱を行う構成としても良い。ベース基板を加熱することにより、比較的低いエネルギー密度のレーザー光を用いる場合であっても、欠陥の低減を効果的に進めることができる。
なお、レーザー光122の照射による半導体層115の溶融は、部分溶融とする必要がある。完全溶融させた場合には、液相となった半導体層115における無秩序な核発生により、半導体層115が再結晶化(微結晶化)することとなり、半導体層115Aの結晶性が低下するためである。部分溶融させることにより、溶融されていない固相部分から結晶成長が進行する。これにより、半導体層115の欠陥を減少させることができる。なお、完全溶融とは、半導体層115が接合層114との界面まで溶融され、液体状態になることをいう。他方、部分溶融とは、この場合、上部は溶融して液相となるが、下部は溶融せずに固相のままであることをいう。
レーザー光の照射には、パルス発振レーザーを用いることが好ましい。これは、瞬間的に高エネルギーのパルスレーザー光を発振することができ、部分溶融状態を作り出すことが容易となるためである。発振周波数は、1Hz以上10MHz以下程度とすることが好ましい。より好ましくは、10Hz以上1MHz以下である。上述のパルス発振レーザーとしては、Arレーザー、Krレーザー、エキシマ(ArF、KrF、XeCl)レーザー、COレーザー、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、GdVOレーザー、Yレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザー、金蒸気レーザー等を用いることができる。なお、部分溶融させるためにはパルス発振レーザー光を用いることが好ましいが、これに限定して解釈されるものではない。
レーザー光122の波長は、半導体層115に吸収される波長とする必要がある。その波長は、レーザー光の表皮深さ(skin depth)などを考慮して決定すればよい。例えば、250nm以上700nm以下の範囲とすることができる。また、レーザー光122のエネルギー密度は、レーザー光122の波長、レーザー光の表皮深さ、半導体層115の膜厚などを考慮して決定することができる。レーザー光122のエネルギー密度は、例えば、300mJ/cm以上800mJ/cm以下の範囲とすればよい。本実施の形態においては、パルス発振レーザーとしてXeClエキシマレーザー(波長:308nm)を用いた場合について説明することとする。
なお、イオン照射工程においてイオンの侵入深さを調節し、半導体層115の厚さを50nmより大きくすることで、レーザー光122のエネルギー密度の調節が容易になる。これにより、レーザー光122の照射による半導体層115表面の平坦性の向上、および結晶性の向上を、歩留まりよく実現することができる。なお、半導体層115を厚くするとレーザー光122のエネルギー密度を高くする必要が出てくるため、半導体層115の厚さは200nm以下とすることが好ましい。
レーザー光122の照射は、大気雰囲気のような酸素を含む雰囲気、または窒素雰囲気のような不活性雰囲気で行うことができる。不活性雰囲気中でレーザー光122を照射するには、気密性のあるチャンバー内でレーザー光122を照射し、このチャンバー内の雰囲気を制御すればよい。チャンバーを用いない場合は、レーザー光122の被照射面に窒素ガスなどの不活性ガスを吹き付けることで、窒素雰囲気を形成することもできる。
なお、窒素などの不活性雰囲気で行うほうが、大気雰囲気よりも半導体層115の平坦性を向上させる効果は高い。また、大気雰囲気よりも不活性雰囲気のほうがクラックやリッジの発生を抑える効果が高く、レーザー光122の使用可能なエネルギー範囲が広くなる。なお、レーザー光122の照射は、真空中で行ってもよい。真空中でレーザー光122を照射した場合には、不活性雰囲気における照射と同等の効果を得ることができる。
ここで、パルス発振レーザーを用いて半導体層115にレーザー光122を照射する場合のレーザー光122のプロファイル及び半導体層115の様子を図3に示す。本実施の形態において、レーザー光の形状は、生産性向上のため、線状となっている。もちろん発明が、線状のレーザー光に限定して解釈されるものではない。図3(A)は、線状のパルスレーザー光の長手方向に垂直な方向のビームプロファイルである。長手方向に平行な方向のビームプロファイルについては図3(A)と同様であるが、詳細については省略することとする。図3(A)において、縦軸はレーザー光のエネルギー密度(光強度)を示しており、横軸は座標を示している。図3(B)は、図3(A)に示すビームプロファイルのレーザー光が照射された半導体層115の断面図であり、図3(C)は、その平面図である。
図3(A)において、照射されるレーザー光122のエネルギー密度が概ね一定の領域aでは半導体層115が溶融(部分溶融)し、半導体の表面張力により平坦化が進行する。同時に、ガラス基板への熱の拡散により半導体層115の冷却が進み、半導体層115中には深さ方向に温度勾配が生じ、下部の界面付近から表面の方向に固液界面が移動して、再結晶化する。この場合、半導体層115は部分溶融であるため、下部の界面付近には溶融しない領域が残存しており、当該領域を核として再結晶化が進行するものと考えられる。
上記の領域aは、平坦性が極めて高く、また、欠陥密度が十分に低減されている。したがって、該領域aを半導体素子の活性層(例えば、トランジスタのチャネル形成領域)として用いることにより、極めて特性の良好な半導体素子を実現できることになる。
一方で、照射されるレーザー光122のエネルギー密度が急激に変化する領域b(レーザー光の端部が照射された領域と呼んでも良い)では、照射面に平行な方向(以下、横方向)に急峻なエネルギー密度の変動を伴うから、横方向に固液界面が移動するいわゆるラテラル成長となる。ラテラル成長では、固液界面の移動による横方向の体積移動を伴うため、半導体層115の表面凹凸が増大するという問題が生じてしまう(図3(B)、(C)参照)。なお、領域cは、レーザー光122が照射されていない領域であり、領域cの表面凹凸は領域bより大きくなっている。
そこで、開示する発明においては上記の領域aのみを半導体素子の活性層として用いて、領域b(及び領域c)については活性層として用いない。これにより、特性が良好な半導体素子のみを用いて半導体装置を作製することができるため、半導体装置の性能を大きく向上させることができる。なお、半導体装置の作製工程については、後に詳細を述べる。
ここで、レーザー光のエネルギー密度が、完全溶融と部分溶融との境界値(すなわち、部分溶融となる最大値)の85%未満となるような状況では、欠陥の低減が十分ではなくなる。さらに、図3(A)において示すプロファイルの場合、レーザー光のエネルギー密度の最大値の85%未満の領域(領域2)では、85%以上の領域(領域1)と比較して、エネルギー密度の変動が激しい。レーザー光のエネルギー密度の上限が、半導体層が完全溶融しないエネルギー密度であることを考慮すれば、上述の領域a、領域b、領域cは、照射されたレーザー光のエネルギー密度を用いて以下のように定義することができる。
・領域a:半導体層が完全溶融(又は微結晶化)するエネルギー密度未満、且つ、完全溶融と部分溶融との境界となるエネルギー密度の85%以上
・領域b:完全溶融と部分溶融との境界となるエネルギー密度の85%未満(1%以上)
・領域c:完全溶融と部分溶融との境界となるエネルギー密度の1%未満(実質的なゼロ)
また、上述の領域a、領域b、領域cについて、平均面粗さと自乗平均面粗さを用いて表面の平坦性を評価した。平均面粗さと自乗平均面粗さを平坦性のパラメータとして用いて各領域を定義すれば、次のようになる。
・領域a:平均面粗さが1.5nm未満、自乗平均面粗さが2nm未満
・領域b:平均面粗さが(7nm未満)1.5nm以上、自乗平均面粗さが(10nm未満)2nm以上
・領域c:平均面粗さが7nm以上、自乗平均面粗さが10nm以上
上記表面粗さの分析には、原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)を用いた。ここで、平均面粗さ(Ra)とは、JISB0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている中心線平均粗さを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したものである。なお、上記のJISB0601:2001では、中心線平均粗さを「Ra」としているが、本明細書においては、平均面粗さを表す場合にのみ「Ra」を用いることとする。ここで、平均面粗さは、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値と表現でき、次式で与えられる。
なお、測定面とは、全測定データの示す面であり、下記の式で表される。ここで、測定データは三つのパラメータ(X,Y,Z)から成り立っており、X(及びY)の範囲は0乃至XMAX(及びYMAX)であり、Zの範囲はZMIN乃至ZMAXである。
また、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(X,Y)(X,Y)(X,Y)(X,Y)で表される4点により囲まれる長方形の領域とし、指定面が理想的に平坦であるとしたときの面積をSとする。なお、Sは下記の式で求められる。
また、基準面とは、指定面の高さの平均値をZとするとき、Z=Zで表される平面である。基準面はXY平面と平行となる。なお、Zは下記の式で求められる。
自乗平均面粗さ(Rms)とは、断面曲線に対する自乗平均粗さを、測定面に対して適用できるよう、中心線平均粗さと同様に三次元に拡張したものである。基準面から指定面までの偏差の自乗を平均した値の平方根と表現でき、次式で与えられる。
なお、本実施の形態においては、最大高低差(P−V)については評価パラメータとして用いていないが、最大高低差を評価パラメータとして用いても良い。最大高低差は、指定面において、最も高い山頂の標高Zmaxと最も低い谷底の標高Zminの差を用いて表現でき、次式で与えられる。
ここでいう山頂と谷底とはJISB0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている「山頂」「谷底」を三次元に拡張したものであり、山頂とは指定面において最も標高の高いところ、谷底とは指定面において最も標高の低いところである。
平均面粗さ、自乗平均面粗さ、最大高低差の測定条件を以下に説明する。
・原子間力顕微鏡(AFM):走査型プローブ顕微鏡SPI3800N/SPA500(セイコーインスツルメンツ社製)
・測定モード:ダイナミックフォースモード(DFMモード)
・カンチレバー:SI−DF40(シリコン製、バネ定数40N/m以上45N/m以下、共振周波数250kHz以上390kHz以下、探針の先端R≦10nm)
・走査速度:1.0Hz
・測定点数:256×256点
なお、DFMモードとは、ある周波数(カンチレバーに固有の周波数)でカンチレバーを振動させ、近づいてくる試料に対し、間欠的に接触し振動振幅の減少によって表面の形状を表示するモードのことである。このDFMモードは試料の表面を非接触で測定するため、試料の表面を傷つけることなく測定できる。
なお、本実施の形態における平坦性の評価に際しては、測定面積を20μm×20μm以下、好ましくは5μm×5μm以上10μm×10μm以下とする。測定面積が小さすぎる場合や大きすぎる場合には正確な評価ができなくなるため、留意が必要である。
さらに、上述の領域a、領域b、領域cについて、ラマンスペクトルにおけるピーク波数(cm−1)を評価した。ピーク波数をパラメータとして用いて各領域を定義すれば、次のようになる。なお、一般的なバルク単結晶シリコンにおけるラマンスペクトルのピーク波数は520.6cm−1である。
・領域a:ピーク波数は520.4cm−1以上(520.6cm−1以下)
・領域b:ピーク波数は520.4cm−1未満519.0cm−1以上
・領域c:ピーク波数は519.0cm−1未満
なお、上記ラマン散乱の測定に用いた条件は以下の通りである。
・ラマン装置:U1000(堀場製作所製)
・励起波長:532nm(Nd:YAGレーザーの第2高調波)
・測定面積:約1μmΦ
以上のように、各領域は様々な観点から半導体層を評価することが可能である。レーザー光が照射された領域の半導体層、とりわけ領域aは、非常に良好な特性を有していることが分かる。
本実施の形態において、レーザー光の照射は、ベース基板101又はレーザー光122を移動させながら行う。これにより、半導体層115に対してレーザー光が走査されることとなり、半導体層115全面へのレーザー光の照射が可能になる。例えば、線状の形状のレーザー光122を用いる場合には、レーザー光の長手方向に対して垂直な方向に、ベース基板101又はレーザー光122を移動させて半導体層115にレーザー光を照射するとよい。
なお、レーザー光122の形状を線状とする場合には、レーザー光122の長手方向に平行な方向の長さが半導体層115の一辺より大きくなるようにレーザー光を成形することが好ましい。これは、一度の走査で半導体層115の全面にレーザー光122を照射することができ、効率的なレーザー光の照射を実現できるためである。レーザー光122の長手方向に垂直な方向の長さについては、作製しようとする半導体素子の大きさや、使用するレーザー発振器の出力などに合わせて適宜変更することができる。
開示する発明では、1パルスのレーザー光照射で半導体層の平坦性の向上及び欠陥の低減を実現できる。これは、半導体層における領域aでは、パルスレーザー光の照射回数に関わらず良好な特性が得られるためである。これにより、同じ領域に複数回のパルスレーザー光を照射しなくとも、優れた特性の半導体素子及び半導体装置を作製することができる。すなわち、多パルスの照射を必要とする場合と比較して、半導体素子及び半導体装置の作製効率を向上することができる。もちろん、多パルスを同じ領域に照射して、より一層の平坦性向上及び欠陥低減を図っても良いことはいうまでもない。
なお、パルスレーザー光の照射に際して、レーザー光の照射領域の一部が重なるようにレーザー光を照射しても良い。照射領域が重なりを有することにより、領域aの面積(S)に対する領域bの面積(S)を小さくすることができるため、半導体層115を有効に利用できるようになる。この時、重なりの度合い(オーバーラップ率)は、1パルスのレーザー光が照射された面積(S+S)と、直後の1パルスが照射された領域との重なりの領域の面積(SOL)を用いて、100×SOL/(S+S)で表すことができる。
レーザー光122の長手方向に平行な方向の長さが半導体層115の一辺より大きい場合には、1パルスを照射した後には、領域bが領域aを挟んで二つに分断されている構成となる(図3(C)の状態に相当)。この場合において領域aの面積(S)に対する領域bの面積(S)を最小にするためには、分断された領域bの一方の面積(0.5×S)と、重なりの領域の面積(SOL)とが等しくなるようにすればよい。つまり、SOL=0.5×Sとすればよい。なお、ここでは、レーザー光は対称な形状を有するものとして考えている。
具体的には、オーバーラップ率を3%以上30%以下、より好ましくは5%以上20%以下とする。このようなオーバーラップ率を採用することで、領域bの面積を効率的に低減することができる。なお、上記範囲はあくまでも領域aを効率的に用いる場合に限ってのものであり、他の目的により、オーバーラップ率を30%より大きくし、又は3%未満とすることを妨げるものではない。
もちろん、開示の発明は、レーザー光の照射領域が重ならない場合(すなわち、オーバーラップ率がゼロの場合)であっても問題なく適用することができる。例えば、表示装置(特に大型の表示装置)の画素領域などでは、半導体素子が比較的離れて配置されることがある。このような場合には、レーザー光の照射領域を重ねることにより、かえって生産性の低下を招くことがある。つまり、半導体素子の形成が予定されていない領域にまでレーザー光を照射しても、大きな意味は無い。このような場合にまで、あえて、レーザー光の照射領域を重ねる必要はない。
以上のように、オーバーラップ率はその目的に合わせて適宜変更することができる。
上述のようにレーザー光122を照射した後には、半導体層115Aの膜厚を小さくする薄膜化工程を行っても良い(図2(C)参照)。半導体層115Aの薄膜化には、ドライエッチングまたはウエットエッチングの一方、または双方を組み合わせたエッチング処理を適用すればよい。例えば、半導体基板111がシリコン基板の場合、SFとOをプロセスガスに用いたドライエッチング処理で、半導体層115Aを薄くすることができる。以上により、薄い半導体層115Bを有するSOI基板131Bを作製することができる。もちろん、エッチング処理に代えてエッチバック処理を適用しても良い。
なお、本実施の形態においては、レーザー光の照射により表面を平坦化等した後でエッチング処理又はエッチバック処理を行う構成を例に挙げているが、発明はこれに限定して解釈されるものではない。例えば、レーザー光の照射前にエッチング処理又はエッチバック処理を行ってもよい。この場合には、エッチング処理又はエッチバック処理により半導体層表面の凹凸や欠陥をある程度低減することができる。また、レーザー光の照射前及び照射後の両方に上記処理を適用しても良い。また、レーザー光の照射と上記処理を交互に繰り返しても良い。このように、レーザー光の照射とエッチング処理(又はエッチバック処理)を組み合わせて用いることにより、半導体層表面の凹凸、欠陥等を著しく低減することができる。
また、レーザー光122を照射した後に、ベース基板101の耐熱温度以下における加熱処理を施しても良い。これにより、レーザー光122の照射による効果が促進され、効率的な欠陥の除去や平坦性の向上が可能になる。もちろん、上述のエッチング処理やエッチバック処理、加熱処理等を常に用いる必要はない。
以上の工程により、SOI基板を作製することができる。なお、半導体基板の大面積化を図る場合には、1枚のベース基板101に上に複数の半導体層115Bを貼り付けた構成とすればよい。例えば、図1(C)乃至(F)を用いて説明した工程を、複数回繰り返し、損傷領域113が形成された半導体基板111を複数枚用意する。次いで、図1(G)の接合工程を複数回繰り返して、1枚のベース基板101に複数の半導体基板111を固定する。そして、図1(H)の加熱工程を行い、各半導体基板111を分離することで、ベース基板101上に、複数の半導体層115が固定されたSOI基板131が作製される。その後、図2(A)〜図2(C)に示す工程を行うことで、複数の半導体層115Bが貼り付けられたSOI基板131Bを形成することができる。もちろん、ベース基板101に複数の半導体基板111を同時に固定して、同時に複数の半導体層115を形成する構成としても良い。
次に、図4乃至6を参照して、上記半導体基板を用いた半導体装置の作製方法について説明する。ここでは、半導体装置の一例として複数のトランジスタからなる半導体装置の作製方法について説明することとする。なお、以下において示すトランジスタを組み合わせて用いることで、様々な半導体装置を形成することができる。
図4(A)は、上述の工程により作製した半導体基板の断面図を示している。
半導体層115Bには、TFTのしきい値電圧を制御するために、硼素、アルミニウム、ガリウムなどのp型を付与する不純物元素、若しくはリン、砒素などのn型を付与する不純物元素を添加しても良い。不純物元素を添加する領域、および添加する不純物元素の種類は、適宜変更することができる。例えば、nチャネル型TFTの形成領域にはp型を付与する不純物元素を添加し、pチャネル型TFTの形成領域にn型を付与する不純物元素を添加することができる。上述の不純物元素を添加する際には、ドーズ量が1×1015/cm以上1×1017/cm以下程度となるように行えばよい。
レーザー光が照射された半導体層115Bには、領域a及び領域bが存在している。領域bをトランジスタのチャネル形成領域等に用いることは好ましくないため、ここでは、領域bを除去し、領域aのみを用いてトランジスタを作製することとする。しかしながら、例えば、トランジスタのソース領域やドレイン領域のように、半導体層の特性がさほど重要ではない部位に領域bを用いることは可能である。図4においては領域cが存在していないが、このように、レーザー光が照射されない領域がなくなるようにレーザー光を照射することで、半導体層115Bの利用効率を向上させることができる。また、領域bが重なって形成されるようにレーザー光を照射することで、より一層の有効利用が可能である。一方で、レーザー光の照射領域の重複部分を大きくしすぎた場合には、領域aの面積が減少し、半導体層115Bを有効に利用することができなくなるため、気をつける必要がある。
領域bの除去は、半導体層115Bを島状に分離する際に行うことができる。ここでは、エッチングにより、半導体層115Bの領域bを除去すると共に、半導体層115Bを島状に分離して、半導体層402、及び半導体層404を形成する(図4(B)参照)。
次に、半導体層402と半導体層404を覆うように、ゲート絶縁層406を形成する(図4(C)参照)。ここでは、プラズマCVD法を用いて、酸化珪素膜を単層で形成することとする。その他にも、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル等を含む膜を、単層構造又は積層構造で形成することによりゲート絶縁層406としても良い。
プラズマCVD法以外の作製方法としては、スパッタリング法や、高密度プラズマ処理による酸化または窒化による方法が挙げられる。高密度プラズマ処理は、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガスと、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを用いて行う。この場合、プラズマの励起をマイクロ波の導入により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体層の表面を酸化または窒化することにより、1nm以上20nm以下、望ましくは2nm以上10nm以下の絶縁膜を半導体層に接するように形成する。
上述した高密度プラズマ処理による半導体層の酸化または窒化は固相反応であるため、ゲート絶縁層406と半導体層402及び半導体層404との界面準位密度をきわめて低くすることができる。また、高密度プラズマ処理により半導体層を直接酸化または窒化することで、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを抑えることが出来る。また、半導体層が結晶性を有するため、高密度プラズマ処理を用いて半導体層の表面を固相反応で酸化させる場合であっても、結晶粒界における不均一な酸化を抑え、均一性が良く、界面準位密度の低いゲート絶縁層を形成することができる。このように、高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜をトランジスタのゲート絶縁層の一部または全部に用いることで、特性のばらつきを抑制することができる。
プラズマ処理によるゲート絶縁層406の作製方法のより具体的な一例について説明する。亜酸化窒素(NO)を、アルゴン(Ar)を用いて1倍以上3倍以下(流量比)に希釈し、10Pa以上30Pa以下の圧力下で3kW以上5kW以下のマイクロ波(2.45GHz)電力を印加して、半導体層402と半導体層404の表面を酸化または窒化させる。この処理により1nm以上10nm以下(好ましくは2nm以上6nm以下)のゲート絶縁層406の下層を形成する。さらに、亜酸化窒素(NO)とシラン(SiH)を導入し、10Pa以上30Pa以下の圧力下で3kW以上5kW以下のマイクロ波(2.45GHz)電力を印加して気相成長法により酸化窒化シリコン膜を形成し、ゲート絶縁層406の上層とする。このように、固相反応と気相成長法を組み合わせてゲート絶縁層406を形成することにより界面準位密度が低く絶縁耐圧の優れたゲート絶縁層406を形成することができる。なお、この場合においてゲート絶縁層406は2層構造となる。
或いは、半導体層402と半導体層404を熱酸化させることで、ゲート絶縁層406を形成するようにしても良い。このような熱酸化を用いる場合には、耐熱性の比較的高いベース基板を用いることが好ましい。
なお、水素を含むゲート絶縁層406を形成し、その後、350℃以上450℃以下の温度による加熱処理を行うことで、ゲート絶縁層406中に含まれる水素を半導体層402及び半導体層404中に拡散させるようにしても良い。この場合、ゲート絶縁層406として、プラズマCVD法を用いた窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを用いることができる。なお、プロセス温度は350℃以下とすると良い。このように、半導体層402及び半導体層404に水素を供給することで、半導体層402中、半導体層404中、ゲート絶縁層406と半導体層402の界面、及びゲート絶縁層406と半導体層404の界面における欠陥を効果的に低減することができる。
次に、ゲート絶縁層406上に導電層を形成した後、該導電層を所定の形状に加工(パターニング)することで、半導体層402と半導体層404の上方に電極408を形成する(図4(D)参照)。導電層の形成にはCVD法、スパッタリング法等を用いることができる。導電層は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等の材料を用いて形成することができる。また、上記金属を主成分とする合金材料を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与する不純物元素をドーピングした多結晶珪素など、半導体材料を用いて形成しても良い。
本実施の形態では電極408を単層の導電層で形成しているが、半導体装置は該構成に限定されない。電極408は積層された複数の導電層で形成されていても良い。2層構造とする場合には、例えば、モリブデン膜、チタン膜、窒化チタン膜等を下層に用い、上層にはアルミニウム膜などを用いればよい。3層構造の場合には、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造や、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜の積層構造などを採用するとよい。
なお、電極408を形成する際に用いるマスクは、酸化珪素や窒化酸化珪素等の材料を用いて形成してもよい。この場合、酸化珪素膜や窒化酸化珪素膜等をパターニングしてマスクを形成する工程が加わるが、レジスト材料と比較して、エッチング時におけるマスクの膜減りが少ないため、より正確な形状の電極408を形成することができる。また、マスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的に電極408を形成しても良い。ここで、液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
また、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節し、所望のテーパー形状を有するように導電層をエッチングすることで、電極408を形成することもできる。また、テーパー形状は、マスクの形状によって制御することもできる。なお、エッチング用ガスとしては、塩素(Cl)、塩化硼素(BCl)、塩化珪素(SiCl)もしくは四塩化炭素(CCl)などの塩素系ガス、四弗化炭素(CF)、弗化硫黄(SF)もしくは弗化窒素(NF)などのフッ素系ガス又は酸素(O)などを適宜用いることができる。
次に、図5(A)に示すように、電極408をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素を半導体層402、半導体層404に添加する。本実施の形態では、半導体層402にn型を付与する不純物元素(例えばリンまたはヒ素)を、半導体層404にp型を付与する不純物元素(例えばボロン)を添加する。なお、n型を付与する不純物元素を半導体層402に添加する際には、p型の不純物が添加される半導体層404はマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。また、p型を付与する不純物元素を半導体層404に添加する際には、n型の不純物が添加される半導体層402はマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。又は、半導体層402及び半導体層404に、p型を付与する不純物元素又はn型を付与する不純物元素の一方を添加した後、一方の半導体層のみに、より高い濃度でp型を付与する不純物元素又はn型を付与する不純物元素の他方を添加するようにしても良い。上記不純物元素の添加により、半導体層402に不純物領域410、半導体層404に不純物領域412が形成される。
次に、図5(B)に示すように、電極408の側面にサイドウォール414を形成する。サイドウォール414は、例えば、ゲート絶縁層406及び電極408を覆うように新たに絶縁層を形成し、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、該絶縁層を部分的にエッチングすることで形成することができる。なお、上記の異方性エッチングにより、ゲート絶縁層406を部分的にエッチングしても良い。サイドウォール414を形成するための絶縁層としては、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、有機材料などを含む膜を、単層構造又は積層構造で形成すれば良い。本実施の形態では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。また、エッチングガスとしては、CHFとヘリウムの混合ガスを用いることができる。なお、サイドウォール414を形成する工程は、これらに限定されるものではない。
次に、図5(C)に示すように、ゲート絶縁層406、電極408及びサイドウォール414をマスクとして、半導体層402、半導体層404に一導電型を付与する不純物元素を添加する。なお、半導体層402、半導体層404には、それぞれ先の工程で添加した不純物元素と同じ導電型の不純物元素をより高い濃度で添加する。なお、n型を付与する不純物元素を半導体層402に添加する際には、p型の不純物が添加される半導体層404はマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。また、p型を付与する不純物元素を半導体層404に添加する際には、n型の不純物が添加される半導体層402はマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。
上記不純物元素の添加により、半導体層402に、一対の高濃度不純物領域416と、一対の低濃度不純物領域418と、チャネル形成領域420とが形成される。また、上記不純物元素の添加により、半導体層404に、一対の高濃度不純物領域422と、一対の低濃度不純物領域424と、チャネル形成領域426とが形成される。高濃度不純物領域416、高濃度不純物領域422はソース又はドレインとして機能し、低濃度不純物領域418、低濃度不純物領域424はLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する。
なお、半導体層402上に形成されたサイドウォール414と、半導体層404上に形成されたサイドウォール414は、キャリアが移動する方向(いわゆるチャネル長に平行な方向)における幅が同じになるように形成しても良いが、該幅が異なるように形成しても良い。pチャネル型トランジスタとなる半導体層404上のサイドウォール414の幅は、nチャネル型トランジスタとなる半導体層402上のサイドウォール414の幅よりも長くすると良い。なぜならば、pチャネル型トランジスタにおいてソース及びドレインを形成するために注入されるボロンは拡散しやすく、短チャネル効果を誘起しやすいためである。pチャネル型トランジスタにおいて、サイドウォール414の幅をより長くすることで、ソース及びドレインに高濃度のボロンを添加することが可能となり、ソース及びドレインを低抵抗化することができる。
ソース及びドレインをさらに低抵抗化するために、半導体層402及び半導体層404の一部をシリサイド化したシリサイド層を形成しても良い。シリサイド化は、半導体層に金属を接触させ、加熱処理(例えば、GRTA法、LRTA法等)により、半導体層中の珪素と金属とを反応させて行う。シリサイド層としては、コバルトシリサイド又はニッケルシリサイドを用いれば良い。半導体層402や半導体層404が薄い場合には、半導体層402、半導体層404の底部までシリサイド反応を進めても良い。シリサイド化に用いることができる金属材料としては、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ネオジム(Nd)、クロム(Cr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等が挙げられる。また、レーザー光の照射などによってもシリサイド層を形成することができる。
上述の工程により、nチャネル型トランジスタ428及びpチャネル型トランジスタ430が形成される。なお、図5(C)に示す段階では、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層は形成されていないが、これらのソース電極又はドレイン電極として機能する導電層を含めてトランジスタと呼ぶこともある。
次に、図5(D)に示すように、nチャネル型トランジスタ428、pチャネル型トランジスタ430を覆うように絶縁層432を形成する。絶縁層432は必ずしも設ける必要はないが、絶縁層432を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がnチャネル型トランジスタ428、pチャネル型トランジスタ430に侵入することを防止できる。具体的には、絶縁層432を、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成するのが望ましい。本実施の形態では、膜厚600nm程度の窒化酸化珪素膜を、絶縁層432として用いる。この場合、上述の水素化の工程は、該窒化酸化珪素膜形成後に行っても良い。なお、本実施の形態においては、絶縁層432を単層構造としているが、積層構造としても良いことはいうまでもない。例えば、2層構造とする場合には、酸化窒化珪素膜と窒化酸化珪素膜との積層構造とすることができる。
次に、nチャネル型トランジスタ428、pチャネル型トランジスタ430を覆うように、絶縁層432上に絶縁層434を形成する。絶縁層434は、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いて形成するとよい。また、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることもできる。ここで、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、又は芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層させることで、絶縁層434を形成しても良い。また、絶縁層434は、その表面をCMP法などにより平坦化させても良い。
絶縁層434の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
次に、半導体層402と半導体層404がそれぞれ一部露出するように絶縁層432及び絶縁層434にコンタクトホールを形成する。そして、図6(A)に示すように、該コンタクトホールを介して半導体層402と半導体層404に接する導電層436、導電層438を形成する。導電層436及び導電層438は、トランジスタのソース電極又はドレイン電極として機能する。なお、本実施の形態においては、コンタクトホール開口時のエッチングに用いるガスとしてCHFとHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
導電層436、導電層438は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的には、導電層436、導電層438として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることができる。また、上記材料を主成分とする合金を用いても良いし、上記材料を含む化合物を用いても良い。また、導電層436、導電層438は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
アルミニウムを主成分とする合金の例としては、アルミニウムを主成分として、ニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方を含むものを挙げることができる。アルミニウムやアルミニウムシリコン(Al−Si)は抵抗値が低く、安価であるため、導電層436、導電層438を形成する材料として適している。特に、アルミニウムシリコンは、パターニングの際のレジストベークによるヒロックの発生を抑制することができるため好ましい。また、珪素の代わりに、アルミニウムに0.5%程度のCuを混入させた材料を用いても良い。
導電層436、導電層438を積層構造とする場合には、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造などを採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物などを用いて形成された膜である。バリア膜の間にアルミニウムシリコン膜を挟むように導電層を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより一層防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、半導体層402と半導体層404上に薄い酸化膜が形成されていたとしても、バリア膜に含まれるチタンが該酸化膜を還元し、導電層436と半導体層402、及び導電層438と半導体層404のコンタクトを良好なものとすることができる。また、バリア膜を複数積層するようにして用いても良い。その場合、例えば、導電層436、導電層438を、下層からチタン、窒化チタン、アルミニウムシリコン、チタン、窒化チタンのように、5層構造又はそれ以上の積層構造とすることもできる。
また、導電層436、導電層438として、WFガスとSiHガスから化学気相成長法で形成したタングステンシリサイドを用いても良い。また、WFを水素還元して形成したタングステンを、導電層436、導電層438として用いても良い。
なお、導電層436はnチャネル型トランジスタ428の高濃度不純物領域416に接続されている。導電層438はpチャネル型トランジスタ430の高濃度不純物領域422に接続されている。
図6(B)に、図6(A)に示したnチャネル型トランジスタ428及びpチャネル型トランジスタ430の平面図を示す。ここで、図6(B)のA−Bにおける断面が図6(A)に対応している。ただし、図6(B)においては、簡単のため、導電層436、導電層438、絶縁層432、絶縁層434等を省略している。
なお、本実施の形態においては、nチャネル型トランジスタ428とpチャネル型トランジスタ430が、それぞれゲート電極として機能する電極408を1つずつ有する場合を例示しているが、発明は該構成に限定されない。開示する発明で作製されるトランジスタは、ゲート電極として機能する電極を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造を有していても良い。
開示する発明では、耐熱温度の低い基板を用いつつも、機械的な研磨を行わずに単結晶半導体層の表面凹凸及び欠陥を低減している。また、レーザー光の端部が照射された領域(表面凹凸が存在し、欠陥の低減が十分ではない領域)を半導体素子の活性層として使用せずに、十分に平坦性が高く、欠陥が低減された領域のみを半導体素子の活性層として使用している。本実施の形態において示したように、平坦性が高く、欠陥が少ない領域を用いてトランジスタを作製することで、ゲート絶縁層の薄膜化および半導体層中及び界面における局在準位密度の低減が可能になる。これにより、高速動作が可能で、サブスレッショルド値が低く、電界効果移動度が高く、低電圧で駆動可能なトランジスタを作製することができる。
なお、開示する発明では、1パルスのレーザー光照射で半導体層の平坦性の向上及び欠陥の低減を実現できる。これにより、同じ領域に複数回のパルスレーザー光を照射しなくとも、優れた特性の半導体素子及び半導体装置を作製することができる。すなわち、多パルスの照射を必要とする場合と比較して、半導体素子及び半導体装置の作製効率を向上することができる。
また、大面積化に不向きなCMP処理を用いずに済むため、高性能な半導体装置の大面積化を実現することができる。もちろん、大面積に限定されず、小型の基板であっても、良好な半導体装置を提供できる。
なお、本実施の形態において用いる半導体基板の主表面は、(100)面であっても良いし、(110)面であっても良いし、(111)面であっても良い。(100)面を用いる場合には、界面準位密度を小さくすることができるため、トランジスタの作製に向いている。また、(110)面を用いる場合には、接合層を構成する元素と半導体を構成する元素(例えばシリコン元素)との結合が密に形成されるため、絶縁層と半導体層との密着性が向上する。すなわち、半導体層の剥離を抑制することができるようになる。また、(110)面では原子が密に配列しているため、作製したSOI基板における単結晶シリコン層の平坦性を一層向上させることができる。すなわち、該半導体層を用いて作製したトランジスタは非常に優れた特性を有することになる。なお、(110)面は(100)面と比較してヤング率が大きく、劈開しやすいというメリットも有している。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図7及び8を参照してSOI基板の作製方法の別の一例について説明する。
実施の形態1と同様に、SOI基板のベース基板となるベース基板101を用意する(図7(A)参照)。図7(A)はベース基板101の断面図である。また、半導体基板111を用意する(図7(B)参照)。図7(B)は半導体基板111の断面図である。
半導体基板111を洗浄した後、半導体基板111表面に、絶縁層116を形成する(図7(C)参照)。絶縁層116は単層構造、2層以上の多層構造とすることができる。その厚さは10nm以上400nm以下とすることができる。
絶縁層116を構成する膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化ゲルマニウム膜、窒化ゲルマニウム膜、酸化窒化ゲルマニウム膜、窒化酸化ゲルマニウム膜などのシリコンまたはゲルマニウムを組成に含む絶縁膜を用いることができる。また、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウムなどの金属の酸化物でなる絶縁膜、窒化アルミニウムなどの金属の窒化物でなる絶縁膜、酸化窒化アルミニウムなどの金属の酸化窒化物でなる絶縁膜、窒化酸化アルミニウムなどの金属の窒化酸化物でなる絶縁膜を用いることもできる。
絶縁層116を構成する絶縁膜の形成方法としては、CVD法、スパッタ法、半導体基板111の酸化(又は窒化)による方法等が挙げられる。
ベース基板101にアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属などの半導体装置の信頼性を低下させる不純物を含むような基板を用いた場合、このような不純物がベース基板101から、SOI基板の半導体層に拡散することを防止できるような膜を少なくとも1層以上設けることが好ましい。このような膜には、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜などがある。このような膜を含ませることで、絶縁層116をバリア層として機能させることができる。
例えば、絶縁層116を単層構造のバリア層として形成する場合、厚さ10nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜で形成することができる。
絶縁層116をバリア層として機能させ、2層構造とする場合には、例えば、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜、酸化窒化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜、酸化シリコン膜と窒化酸化シリコン膜の積層膜、酸化窒化シリコン膜と窒化酸化シリコン膜の積層膜等の構造を採用することができる。なお、例示した2層構造では、先に記載した膜を半導体基板111側(下層)に形成することが好ましい。また、下層の膜としては、上層のブロッキング効果の高い膜の内部応力が半導体層に作用しないように、応力を緩和することができるような材料からなる膜を選択することが好ましい。また、上層の厚さは10nm以上200nm以下、下層の厚さは10nm以上200nm以下とすることができる。
本実施の形態では、下層を、プロセスガスとしてSiHおよびNOを用いてプラズマCVD法で形成した酸化窒化シリコン膜117、上層を、プロセスガスとしてSiHおよびNHを用いてプラズマCVD法で形成した窒化酸化シリコン膜118とした2層構造を用いる。
次に、絶縁層116を介して、電界で加速されたイオンでなるイオンビーム121を半導体基板111に照射し、半導体基板111の表面から所定の深さの領域に、損傷領域113を形成する(図7(D)参照)。この工程は、図1(E)を用いて説明した場合と同様に行うことができる。絶縁層116には、イオン照射の際に半導体基板111の汚染を防止する効果や、照射されるイオンの衝撃で半導体基板111が損傷することを防止する効果などがある。
損傷領域113を形成した後、絶縁層116の上面に接合層114を形成する(図7(E)参照)。
なお、本実施の形態においては、イオン照射工程の後に接合層114を形成しているが、イオン照射工程の前に形成することもできる。この場合、図7(C)の絶縁層116を形成した後、絶縁層116上に接合層114を形成する。そして、その後、接合層114および絶縁層116を介して、イオンビーム121が半導体基板111に照射される。
また、実施の形態1に示したように、保護膜112を形成してイオン照射を行うこともできる。この場合、図1(C)〜図1(E)に示す工程を行った後、保護膜112を除去し、絶縁層116、接合層114を半導体基板111上に形成すればよい。
次に、ベース基板101と半導体基板111を貼り合わせる(図7(F)参照)。この貼り合わせの工程は、以下のようにして行われる。まず、接合界面を形成するベース基板101と接合層114の表面を超音波洗浄などの方法で洗浄する。次に、実施の形態1において説明した接合工程と同様にして、ベース基板101と接合層114を密着させる。これにより、ベース基板101と接合層114が接合する。
ベース基板101と接合層114を接合させる前に、ベース基板101の表面を酸素プラズマ処理若しくはオゾン処理して親水性にしても良い。これにより、ベース基板101と接合層114との結合をより強力なものとすることができる。また、ベース基板101と接合層114を密着させた後、結合力を向上させるために、実施の形態1において説明した加熱処理又は加圧処理を行うこともできる。
次に、半導体基板111を半導体基板111´と半導体層115に分離する(図7(G)参照)。本実施の形態に示す分離工程は、実施の形態1において説明した分離工程と同様に行うことができる。半導体基板111の分離は、ベース基板101と半導体基板111を貼り合わせた後、半導体基板111を加熱することにより行う。半導体基板111の加熱温度はベース基板の耐熱温度に依存するが、例えば、400℃以上700℃以下とすることができる。
以上により、ベース基板101に半導体層115が設けられたSOI基板132が作製される。SOI基板132は、ベース基板101上に、接合層114、絶縁層116、半導体層115が順に積層された多層構造の基板であり、ベース基板101と接合層114の界面において接合が形成されている。
その後、SOI基板132にレーザー光122を照射する(図8(A)参照)。このレーザー光を照射する工程は、実施の形態1において示した場合と同様に行うことができる。図8(A)に示すように、レーザー光122を半導体層115の上面側から照射し、半導体層115を部分溶融させることで、平坦性が向上し、且つ欠陥が減少された半導体層115Aが形成される(図8(B)参照)。
レーザー光122を照射して、半導体層115Aを有するSOI基板132Aを形成した後、半導体層115Aを薄くする半導体層の薄膜化工程を行ってもよい(図8(C)参照)。この薄膜化工程は、実施の形態1において示した薄膜化工程と同様にして行うことができる。具体的には、半導体層115Aをエッチング(又はエッチバック)し、半導体層115Aを薄くする。最終的な半導体層115Bの厚さは、5nm以上100nm以下とすることが好ましく、5nm以上50nm以下とするとより好ましい。
なお、本実施の形態においては、レーザー光の照射により表面を平坦化等した後でエッチング処理又はエッチバック処理を行う構成を例に挙げているが、発明はこれに限定して解釈されるものではない。例えば、レーザー光の照射前にエッチング処理又はエッチバック処理を行ってもよい。この場合には、エッチング処理又はエッチバック処理により半導体層表面の凹凸や欠陥をある程度低減することができる。また、レーザー光の照射前及び照射後の両方に上記処理を適用しても良い。また、レーザー光の照射と上記処理を交互に繰り返しても良い。このように、レーザー光の照射とエッチング処理(又はエッチバック処理)を組み合わせて用いることにより、半導体層表面の凹凸、欠陥等を著しく低減することができる。
また、レーザー光122を照射した後に、ベース基板101の耐熱温度以下における加熱処理を施しても良い。これにより、レーザー光122の照射による効果が促進され、効率的な欠陥の除去や平坦性の向上が可能になる。もちろん、上述のエッチング処理やエッチバック処理、加熱処理等を常に用いる必要はない。
図7(A)〜図8(C)に示す工程を行うことにより、半導体層115Bが貼り付けられたSOI基板132Bを形成することができる。
なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態においても、1枚のベース基板101に上に複数の半導体層115Bを貼り付けたSOI基板132Bを作製することができる。また、ベース基板101に複数の半導体基板111を同時に固定して、同時に複数の半導体層115を形成することもできる。
本実施の形態は、実施の形態1と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、図9及び10を参照してSOI基板の作製方法の別の一例について説明する。
実施の形態1と同様に、SOI基板のベース基板となるベース基板101を用意し(図9(A)参照)、ベース基板上に絶縁層102を形成する。本実施の形態でも、絶縁層102は、窒化酸化シリコン膜103と酸化窒化シリコン膜104でなる2層構造の膜とする。次に、絶縁層102上に接合層105を形成する(図9(B)参照)。この接合層105は、実施の形態1又は実施の形態2にて示した、半導体基板111に形成される接合層114と同様に形成することができる。
図9(C)〜図9(E)は、図1(C)〜図1(E)と同様の工程を示している。実施の形態1で説明したように、半導体基板111に保護膜112を形成し、半導体基板111に損傷領域113を形成する。損傷領域113を形成した後、図9(F)に示すように、保護膜112を除去する。なお、保護膜112を除去した後、図1(F)と同様に接合層114を形成することもできる。また、保護膜112を残したまま、次の接合工程を行っても良い。また、保護膜112を残した状態で、保護膜112上に接合層114を形成することもできる。
次に、ベース基板101と半導体基板111とを貼り合わせる(図9(G)参照)。この接合工程は、実施の形態1において示した接合工程と同様に行うことができ、半導体基板111と接合層105を密着させて半導体基板111と接合層105を接合させる。
半導体基板111と接合層105を接合させる前に、半導体基板111の表面を酸素プラズマ処理若しくはオゾン処理して親水性にしても良い。また半導体基板111と接合層105を接合させた後、この結合力を向上させるため、実施の形態1で説明した加熱処理や加圧処理を行うことができる。
次に、半導体基板111を半導体基板111´と半導体層115に分離する(図9(H)参照)。本実施の形態の分離工程は、実施の形態1において示した分離工程と同様に行うことができる。つまり、半導体基板111と接合層105を接合した後、半導体基板111を400℃以上700℃以下の温度で加熱すればよい。いうまでもないが、加熱温度の上限はベース基板101の歪み点を超えないようにする。
以上により、ベース基板101に半導体層115が設けられたSOI基板133が作製される。SOI基板133は、ベース基板101上に、絶縁層102、接合層105、半導体層115が順に積層された多層構造の基板であり、半導体層115と接合層105の界面において接合が形成されている。
その後、SOI基板133にレーザー光122を照射する(図10(A)参照)。このレーザー光の照射工程は、実施の形態1に示した場合と同様に行うことができる。図10(A)に示すように、レーザー光122を半導体層115の上面側から照射し、半導体層115を部分溶融させることで、平坦性が向上し、且つ欠陥が減少された半導体層115Aが形成される(図10(B)参照)。
レーザー光122を照射して、半導体層115Aを有するSOI基板133Aを形成した後、半導体層115Aを薄くする半導体層の薄膜化工程を行ってもよい(図10(C)参照)。この薄膜化工程は、実施の形態1において示した薄膜化工程と同様に行うことができる。具体的には、半導体層115Aをエッチング(又はエッチバック)し、半導体層115Aを薄くする。最終的な半導体層115Bの厚さは、5nm以上100nm以下とすることが好ましく、5nm以上50nm以下とするとより好ましい。
なお、本実施の形態においては、レーザー光の照射により表面を平坦化等した後でエッチング処理又はエッチバック処理を行う構成を例に挙げているが、発明はこれに限定して解釈されるものではない。例えば、レーザー光の照射前にエッチング処理又はエッチバック処理を行ってもよい。この場合には、エッチング処理又はエッチバック処理により半導体層表面の凹凸や欠陥をある程度低減することができる。また、レーザー光の照射前及び照射後の両方に上記処理を適用しても良い。また、レーザー光の照射と上記処理を交互に繰り返しても良い。このように、レーザー光の照射とエッチング処理(又はエッチバック処理)を組み合わせて用いることにより、半導体層表面の凹凸、欠陥等を著しく低減することができる。
また、レーザー光122を照射した後に、ベース基板101の耐熱温度以下における加熱処理を施しても良い。これにより、レーザー光122の照射による効果が促進され、効率的な欠陥の除去や平坦性の向上が可能になる。もちろん、上述のエッチング処理やエッチバック処理、加熱処理等を常に用いる必要はない。
図9(A)〜図10(C)に示す工程を行うことにより、半導体層115Bが貼り付けられたSOI基板133Bを形成することができる。
なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態の工程によっても、1枚のベース基板101に上に複数の半導体層115Bを貼り付けたSOI基板133Bを作製することができる。また、ベース基板101に複数の半導体基板111を同時に固定して、同時に複数の半導体層115を形成することもできる。
本実施の形態は、実施の形態1又は2と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、半導体装置を作製する際に領域b(及び領域c)を除去して島状の半導体層を形成する方法について、図11及び12を用いて説明する。
はじめに、レーザー光の照射痕を用いて半導体層をパターニングする方法について、図11を参照して説明する。なお、図11はあくまで模式図であり、発明は図11の構成に限定されるものではない。
まず、実施の形態1乃至3にて示す方法に従って、ベース基板1100上に領域a、領域b、及び領域cを有する半導体層を形成する(図11(A)参照)。ここで、領域aは照射されたレーザー光のエネルギー密度が概ね一定の領域であり、領域bは照射されたレーザー光のエネルギー密度が急激に変化する領域であり、領域cは実質的にレーザー光が照射されていない領域である。なお、図11では領域cを有する例について示しているが、レーザー光の照射条件を変更することで、領域cが存在しない半導体層を形成することもできる。図11(A)にて示すように、基板の上方から見た場合には、領域a、領域b、領域cが周期的に配列した構造となっている。レーザー光の照射領域(領域a又は領域b)とレーザー光が照射されなかった領域(領域c)との結晶性の違いや、レーザー光照射領域の端部(領域b)に生じる表面凹凸等を利用して、レーザー光の照射痕を検知することができる。
次に、半導体層上にレジスト材料を塗布して露光し、レジストマスク1102を形成する(図11(B)参照)。露光の際に用いるメタルマスクと、レーザー光の照射痕との位置合わせには、CCDカメラ等を用いることができる。なお、メタルマスクは半導体層における領域b及び領域cが除去されるようなパターンに形成されている。ここで、半導体層の特性がさほど要求されない領域(例えば、トランジスタにおけるソース領域やドレイン領域など)に使用することを目的として、領域bや領域cを残存させてもよい。また、本実施の形態においては、メタルマスクを用いてレジストマスク1102を作製する方法について説明しているが、発明はこれに限られない。インクジェット法に代表される液滴吐出法を用いて形成しても良い。この場合にも、レーザー光が照射された領域とレーザー光が照射されなかった領域との結晶性の違いや、レーザー光照射領域の端部に生じる表面凹凸等を利用して、位置合わせを行うことができる。
次に、レジストマスク1102を用いて半導体層をエッチングして、島状の半導体層1104を形成する(図11(C)参照)。ここでは、領域b及び領域cが除去されるようにレジストマスク1102を形成しているため、領域aのみからなる島状の半導体層1104を形成することができる。つまり、欠陥が十分に低減されており、表面の平坦性に優れた単結晶半導体のみを用いて半導体装置を作製することができる。なお、エッチングにより島状の半導体層1104を形成した後には上記のレジストマスク1102は除去する。
次に、アライメント用のパターンを形成して半導体層をパターニングする方法について、図12を参照して説明する。
ベース基板1200上にアライメント用のパターン1210を形成する方法は複数あるが、例えば、アライメント用のパターンとなる層を形成した後に、該層をエッチングすることで形成することができる。また、レーザー光の照射等により、ベース基板1200や、ベース基板1200上に存在する絶縁層などをアブレーションさせることにより形成しても良い。上述の如き方法を用いて、ベース基板1200上に半導体層を形成する前、又は半導体層を形成した後にアライメント用のパターン1210を形成することができる。ここでは、半導体層を形成する前にアライメント用のパターン1210を形成した場合について示す(図12(A)参照)。
半導体層を形成した後に、アライメント用のパターン1210に合わせてレーザー光の照射領域を調節し、領域a、領域b、及び領域cを有する半導体層を形成する(図12(B)参照)。この際、半導体装置を作製しない領域に試験的にレーザー光の照射を行い、該レーザー光の照射痕を用いて、レーザー照射位置等の微調整を行っても良い。その他の詳細については実施の形態1乃至3を参照することができる。なお、図12(B)においても、領域a、領域b、及び領域cが周期的に配列した構造となっている。
次に、半導体層上にレジスト材料を塗布して露光し、レジストマスク1202を形成する(図12(C)参照)。露光の際に用いるメタルマスクの位置合わせは、アライメント用のパターン1210を用いて行うことができる。本実施の形態においては、メタルマスクを用いてレジストマスク1202を作製する方法について説明しているが、発明はこれに限られない。インクジェット法に代表される液滴吐出法を用いて形成しても良い。
次に、上記のレジストマスク1202を用いて半導体層をエッチングして、島状の半導体層1204を形成する(図12(D)参照)。ここでは、領域b及び領域cが除去されるようにレジストマスク1202を形成しているため、領域aのみからなる島状の半導体層1204を形成することができる。つまり、欠陥が十分に低減されており、表面の平坦性に優れた単結晶半導体のみを用いて半導体装置を作製することができる。なお、エッチングにより島状の半導体層1204を形成した後には上記のレジストマスク1202は除去する。
本実施の形態は、実施の形態1乃至3と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、半導体装置の製造方法の一例について、図13乃至16を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、半導体装置の一例として液晶表示装置を挙げて説明するが、半導体装置は液晶表示装置に限られるものではない。
はじめに、実施の形態1乃至3に示した方法などを用いて、絶縁表面を有する基板上に単結晶半導体層を形成する(図13(A)参照)。ここでは、絶縁表面を有する基板1300の上に絶縁層1302、接合層を含む絶縁層1304、単結晶半導体層1306を順に設けた構成を用いて説明するが、発明はこれに限られるものではない。
次に、単結晶半導体層1306及び絶縁層1304を所望の形状にパターニングして、島状の単結晶半導体層を形成する。この際、実施の形態1における領域aに相当する領域以外の単結晶半導体層1306を、エッチングにより除去する。なお、パターニングの際のエッチング加工としては、ドライエッチング(プラズマエッチング等)、ウエットエッチングのどちらを採用しても良いが、大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、四弗化炭素(CF)、弗化窒素(NF)、塩素(Cl)、塩化硼素(BCl)、などのフッ素系又は塩素系のガスを用い、ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスク層を形成することなくエッチングを行うことができる。なお、本実施の形態においては、絶縁層1304の一部をエッチングにより除去する構成としたが、絶縁層1304をエッチングしない構成としても良い。
単結晶半導体層1306及び絶縁層1304をパターニングした後には、しきい値電圧を制御するために、硼素、アルミニウム、ガリウムなどのp型を付与する不純物元素を添加すると良い。例えば、p型を付与する不純物元素として、硼素を5×1016/cm以上1×1018/cm以下の濃度で添加することができる。
絶縁層1304は、接合層に加えて、不純物元素に対するバリア層を有していることが好ましい。上記のバリア層は、例えば、窒化シリコンや窒化酸化シリコン等材料を用いて形成することができる。バリア層を設ける場合には、例えば、絶縁表面を有する基板に接する側から接合層、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンの積層構造とすることができる。窒化酸化シリコンに代えて窒化シリコンを用いても良い。また、酸化窒化シリコンに代えて酸化シリコンを用いても良い。
次に、島状の単結晶半導体層を覆うゲート絶縁層1308を形成する(図13(B)参照)。なお、ここでは便宜上、パターニングによって形成された島状の単結晶半導体層をそれぞれ単結晶半導体層1310、単結晶半導体層1312、単結晶半導体層1314と呼ぶことにする。ゲート絶縁層1308はプラズマCVD法またはスパッタ法などを用い、厚さを10nm以上150nm以下として珪素を含む絶縁膜で形成する。具体的には、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンに代表される珪素の酸化物材料又は窒化物材料等の材料で形成すればよい。なお、ゲート絶縁層1308は単層構造であっても良いし、積層構造としても良い。さらに、単結晶半導体層とゲート絶縁層との間に、膜厚1nm以上100nm以下、好ましくは1nm以上10nm以下、より好ましくは2nm以上5nm以下の薄い酸化シリコン膜を形成してもよい。なお、低い温度でリーク電流の少ないゲート絶縁膜を形成するために、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませても良い。
次に、ゲート絶縁層1308上にゲート電極層として用いる第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜の膜厚は20nm以上100nm以下程度、第2の導電膜の膜厚は100nm以上400nm以下程度とすれば良い。また、第1の導電膜と第2の導電膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の手法により形成することができる。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム等から選ばれた元素、又は前記の元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料等を用いて形成すればよい。また、第1の導電膜や第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金などを用いてもよい。なお、本実施の形態においては2層構造の導電層を用いて説明しているが、発明はこれに限定されない。3層以上の積層構造としても良いし、単層構造であっても良い。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジスト材料からなるマスク1316a、マスク1316b、マスク1316c、マスク1316d、及びマスク1316eを形成する。そして、前記のマスクを用いて第1の導電膜と第2の導電膜を所望の形状に加工し、第1のゲート電極層1318a、第1のゲート電極層1318b、第1のゲート電極層1318c、第1のゲート電極層1318d、第1の導電層1318e、導電層1320a、導電層1320b、導電層1320c、導電層1320d、及び導電層1320eを形成する(図13(C)参照)。
ここで、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、所望のテーパー形状となるようにエッチングを行うことができる。また、マスクの形状によって、テーパーの角度等を制御することもできる。なお、エッチング用ガスとしては、塩素(Cl)、塩化硼素(BCl)、塩化珪素(SiCl)もしくは四塩化炭素(CCl)などを代表とする塩素系ガス、四弗化炭素(CF)、弗化硫黄(SF)もしくは弗化窒素(NF)などを代表とするフッ素系ガス、又は酸素(O)を適宜用いることができる。本実施の形態では、CF、Cl、Oからなるエッチング用ガスを用いて第2の導電膜のエッチングを行い、連続してCF、Clからなるエッチング用ガスを用いて第1の導電膜をエッチングする。
次に、マスク1316a、マスク1316b、マスク1316c、マスク1316d、及びマスク1316eを用いて、導電層1320a、導電層1320b、導電層1320c、導電層1320d、及び導電層1320eを所望の形状に加工する。このとき、導電層を形成する第2の導電膜と、第1のゲート電極層及び第1の導電層を形成する第1の導電膜との選択比が高いエッチング条件でエッチングする。このエッチングによって、第2のゲート電極層1322a、第2のゲート電極層1322b、第2のゲート電極層1322c、第2のゲート電極層1322d、及び第2の導電層1322eを形成する。本実施の形態では、第2のゲート電極層及び第2の導電層もテーパー形状を有しているが、そのテーパー角は、第1のゲート電極層及び第1の導電層の有するテーパー角より大きい。なお、テーパー角とは対象物の底面と側面とが作る角度を言うものとする。よって、テーパー角が90度の場合、導電層は底面に対して垂直な側面を有することになる。テーパー角を90度未満とすることにより、積層される膜の被覆性が向上するため、欠陥を低減することが可能となる。なお、本実施の形態では、第2のゲート電極層及び第2の導電層を形成するためのエッチング用ガスとしてCl、SF、Oを用いる。
以上の工程によって、周辺駆動回路領域1380に、ゲート電極層1324a、ゲート電極層1324b、画素領域1382に、ゲート電極層1324c、ゲート電極層1324d、及び導電層1324eを形成することができる(図13(D)参照)。なお、マスク1316a、マスク1316b、マスク1316c、マスク1316d、及びマスク1316eは、上記工程の後に除去する。
次に、ゲート電極層1324a、ゲート電極層1324b、ゲート電極層1324c、ゲート電極層1324dをマスクとして、n型を付与する不純物元素を添加し、第1のn型不純物領域1326a、第1のn型不純物領域1326b、第1のn型不純物領域1328a、第1のn型不純物領域1328b、第1のn型不純物領域1330a、第1のn型不純物領域1330b、第1のn型不純物領域1330cを形成する(図14(A)参照)。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH)を用いてドーピングを行う。ここでは、第1のn型不純物領域に、n型を付与する不純物元素であるリン(P)が1×1016/cm以上5×1019/cm以下程度の濃度で含まれるようにする。
次に、単結晶半導体層1310、単結晶半導体層1314の一部を覆うマスク1332a、マスク1332b、マスク1332cを形成する。そして、マスク1332a、マスク1332b、マスク1332c、及び第2のゲート電極層1322bをマスクとしてn型を付与する不純物元素を添加する。これにより、第2のn型不純物領域1334a、第2のn型不純物領域1334b、第3のn型不純物領域1336a、第3のn型不純物領域1336b、第2のn型不純物領域1340a、第2のn型不純物領域1340b、第2のn型不純物領域1340c、第3のn型不純物領域1342a、第3のn型不純物領域1342b、第3のn型不純物領域1342c、第3のn型不純物領域1342dが形成される。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH)を用いてドーピングを行う。ここでは、第2のn型不純物領域にn型を付与する不純物元素であるリン(P)が1×1017/cm以上1×1021/cm以下程度の濃度で含まれるようにする。第3のn型不純物領域1336a、第3のn型不純物領域1336bには、第3のn型不純物領域1342a、第3のn型不純物領域1342b、第3のn型不純物領域1342c、第3のn型不純物領域1342dと同程度、もしくは少し高めの濃度でn型を付与する不純物元素が添加される。また、チャネル形成領域1338、チャネル形成領域1344a及びチャネル形成領域1344bが形成される(図14(B)参照)。
第2のn型不純物領域は高濃度不純物領域であり、ソース又はドレインとして機能する。一方、第3のn型不純物領域は低濃度不純物領域であり、いわゆるLDD(Lightly Doped Drain)領域となる。第3のn型不純物領域1336a、第3のn型不純物領域1336bは、第1のゲート電極層1318bと重なる領域に形成されている。これにより、ソース又はドレイン近傍の電界を緩和して、ホットキャリアによるオン電流の劣化を防止することができる。一方、第3のn型不純物領域1342a、第3のn型不純物領域1342b、第3のn型不純物領域1342c、第3のn型不純物領域1342dはゲート電極層1324c、ゲート電極層1324dと重なっておらず、オフ電流を低減する効果がある。
次に、マスク1332a、マスク1332b、マスク1332cを除去し、単結晶半導体層1312、単結晶半導体層1314を覆うマスク1346a、マスク1346bを形成する。そして、マスク1346a、マスク1346b、ゲート電極層1324aをマスクとしてp型を付与する不純物元素を添加する。これにより、第1のp型不純物領域1348a、第1のp型不純物領域1348b、第2のp型不純物領域1350a、第2のp型不純物領域1350bが形成される。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてジボラン(B)を用いてドーピングを行う。ここでは、第1のp型不純物領域、及び第2のp型不純物領域にp型を付与する不純物元素である硼素(B)が1×1018/cm以上5×1021/cm以下程度の濃度で含まれるようにする。また、チャネル形成領域1352が形成される(図14(C)参照)。
第1のp型不純物領域は高濃度不純物領域であり、ソース又はドレインとして機能する。一方、第2のp型不純物領域は低濃度不純物領域であり、いわゆるLDD(LightlyDoped Drain)領域となる。
その後、マスク1346a、マスク1346bを除去する。マスクを除去した後に、ゲート電極層の側面を覆うように絶縁膜を形成してもよい。該絶縁膜は、プラズマCVD法や減圧CVD(LPCVD)法を用いて形成することができる。また、不純物元素を活性化するために、加熱処理、強光の照射、レーザー光の照射等を行ってもよい。
次いで、ゲート電極層、及びゲート絶縁層を覆う層間絶縁層を形成する。本実施の形態では、絶縁膜1354と絶縁膜1356の積層構造とする(図15(A)参照)。絶縁膜1354として窒化酸化シリコン膜を膜厚100nmにて形成し、絶縁膜1356として酸化窒化シリコン膜を膜厚900nmにて形成する。本実施の形態においては、2層の積層構造としたが、単層構造でも良く、3層以上の積層構造としても良い。本実施の形態では、絶縁膜1354及び絶縁膜1356を、プラズマCVD法を用いて、大気に晒さずに連続的に形成する。なお、絶縁膜1354及び絶縁膜1356は上記材料に限定されるものではない。
絶縁膜1354、絶縁膜1356は、他に、酸化シリコンや窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料を用いて形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂をいう。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、有機基(例えばアルキル基、アリール基)やフルオロ基を用いても良い。有機基は、フルオロ基を有していてもよい。また、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、ポリシラザン等の有機絶縁性材料を用いることもできる。
次いで、レジスト材料からなるマスクを用いて絶縁膜1354、絶縁膜1356、ゲート絶縁層1308に単結晶半導体層及びゲート電極層に達するコンタクトホール(開口部)を形成する(一部は図示せず)。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。本実施の形態では、酸化窒化シリコン膜である絶縁膜1356と、窒化酸化シリコン膜である絶縁膜1354及びゲート絶縁層1308と選択比が取れる条件で、第1のエッチングを行い、絶縁膜1356を除去する。次に、第2のエッチングによって、絶縁膜1354及びゲート絶縁層1308を除去し、ソース又はドレインに達する開口部を形成する。
その後、開口部を覆うように導電膜を形成し、該導電膜をエッチングする。これにより、各ソース領域又はドレイン領域の一部とそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層1358a、ソース電極層又はドレイン電極層1358b、ソース電極層又はドレイン電極層1360a、ソース電極層又はドレイン電極層1360b、ソース電極層又はドレイン電極層1362a、ソース電極層又はドレイン電極層1362bを形成する。ソース電極層又はドレイン電極層には、アルミニウム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ネオジム、クロム、ニッケル、白金、金、銀、銅、マグネシウム、スカンジウム、コバルト、亜鉛、ニオブ、シリコン、リン、硼素、ヒ素、ガリウム、インジウム、錫などから選択された一つ又は複数の元素、または、前記元素を成分として含有する化合物や合金材料(例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、アルミニウムネオジム(Al−Nd)、マグネシウム銀(Mg−Ag)など)、もしくは、これらの化合物を組み合わせた物質等が用いられる。その他にも、シリサイド(例えば、アルミニウムシリコン、モリブデンシリコン、ニッケルシリサイド)や、窒素を含有する化合物(例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデン)、リン(P)等の不純物元素をドーピングしたシリコン(Si)等を用いることもできる。
以上の工程で周辺駆動回路領域1380にpチャネル型薄膜トランジスタ1364、及びnチャネル型薄膜トランジスタ1366を、画素領域1382にnチャネル型薄膜トランジスタ1368、容量配線1370が形成される(図15(B)参照)。
次に第2の層間絶縁層として絶縁膜1372を形成する。絶縁膜1372としては酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ膜、ポリシラザン、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン等の有機絶縁性材料を用いることもできる。
次に、画素領域1382の絶縁膜1372にコンタクトホールを形成し、画素電極層1374を形成する(図15(C)参照)。画素電極層1374は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化シリコンを混合した導電性材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、又はタングステン、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、コバルト、ニッケル、チタン、白金、アルミニウム、銅、銀等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物を用いて形成することができる。
また、画素電極層1374としては導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いることもできる。導電性組成物は、薄膜におけるシート抵抗が10000Ω/sq.以下であることが好ましい。また、光透過性を有する画素電極層として薄膜を形成する場合には、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
上記の導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、又は、これらの共重合体等が挙げられる。
共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−オクトキシピロール)、ポリ(3−カルボキシルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルピロール)、ポリN−メチルピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−オクトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−オクチルアニリン)、ポリ(2−イソブチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
上記の導電性高分子を、単独で用いても良いし、膜の特性を調整するために有機樹脂を添加して使用しても良い。
さらに、導電性組成物にアクセプタ性のドーパントやドナー性のドーパントをドーピングすることで、共役導電性高分子の共役電子の酸化還元電位を変化させ、電気伝導度を調節してもよい。
上述の如き導電性組成物を水または有機溶剤(アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤など)に溶解させて、塗布法、コーティング法、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、印刷法等により画素電極層1374となる薄膜を形成することができる。
次に、画素電極層1374及び絶縁膜1372を覆うように、配向膜と呼ばれる絶縁層1602を形成する(図16(B)参照)。絶縁層1602は、スクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いて形成することができる。なお、図16は、半導体装置の平面図及び断面図を示しており、図16(A)は半導体装置の平面図、図16(B)は図16(A)のC−Dにおける断面図である。半導体装置には、外部端子接続領域1376、封止領域1378、周辺駆動回路領域1380、画素領域1382が設けられる。
絶縁層1602を形成した後、ラビング処理を行う。配向膜として機能する絶縁層1606についても、絶縁層1602と同様にして形成することができる。
その後、対向基板1600と、絶縁性表面を有する基板1300とを、シール材1614及びスペーサ1616を介して貼り合わせ、その空隙に液晶層1604を設ける。なお、対向基板1600には、配向膜として機能する絶縁層1606、対向電極として機能する導電層1608、カラーフィルターとして機能する着色層1610、偏光子1612(偏光板ともいう)等が設けられている。なお、絶縁性表面を有する基板1300にも偏光子1618(偏光板)を設けるが、発明はこれに限られない。例えば、反射型の液晶表示装置においては、偏光子は、一方に設ければ良い。
続いて、画素領域と電気的に接続されている端子電極層1620に、異方性導電体層1622を介して、FPC1624を接続する。FPC1624は、外部からの信号を伝達する役目を担う。上記の工程により、液晶表示装置を作製することができる。
本実施の形態においては、実施の形態1などに示した方法を用いて液晶表示装置を作製している。このため、液晶のスイッチングを司る半導体素子(例えば、画素領域におけるトランジスタ)の特性を大きく向上することができる。また、駆動回路領域の半導体素子の動作速度を大きく向上することができる。したがって、液晶表示装置の表示特性を大きく向上させることができる。
なお、本実施の形態においては液晶表示装置を作製する方法について説明したが、発明はこれに限られるものではない。本実施の形態は、実施の形態1乃至4と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、発光素子を有する半導体装置(エレクトロルミネッセンス表示装置)について説明する。なお、周辺回路領域や画素領域等に用いられるトランジスタの作製方法は、実施の形態5を参照することができるため、詳細については省略する。
なお、発光素子を有する半導体装置には、下面放射、上面放射、両面放射のいずれかの方式が用いられる。本実施の形態では、下面放射方式を用いた半導体装置について、図17を用いて説明するが、発明はこれに限られるものではない。
図17の半導体装置は、下方(図中の矢印の方向)に光を放射する。ここで、図17(A)は半導体装置の平面図であり、図17(B)は、図17(A)のE−Fにおける断面図である。図17において半導体装置は、外部端子接続領域1730、封止領域1732、駆動回路領域1734、画素領域1736を有している。
図17に示す半導体装置は、素子基板1700、薄膜トランジスタ1750、薄膜トランジスタ1752、薄膜トランジスタ1754、薄膜トランジスタ1756、発光素子1760、絶縁層1768、充填材1770、シール材1772、配線層1774、端子電極層1776、異方性導電層1778、FPC1780、封止基板1790によって構成されている。なお、発光素子1760は、第1の電極層1762と発光層1764と第2の電極層1766とを含む。
第1の電極層1762としては、発光層1764より放射する光を透過できるように、光透過性を有する導電性材料を用いる。一方、第2の電極層1766としては、発光層1764より放射する光を反射することができる導電性材料を用いる。
第1の電極層1762としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物等を用いることができる。勿論、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)等を用いても良い。
また、第1の電極層1762としては、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いることもできる。なお、詳細については実施の形態4を参照することができるため、ここでは省略する。
第2の電極層1766としては、チタン、タングステン、ニッケル、金、白金、銀、銅、タンタル、モリブデン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、およびそれらの合金からなる導電膜などを用いることができる。可視光の領域で反射性が高い物質を用いることがよく、本実施の形態では、アルミニウム膜を用いることとする。
なお、上面放射、両面放射の各方式を用いる場合には、適宜電極層の設計を変更してやれば良い。具体的には、上面放射の場合には、反射性を有する材料を用いて第1の電極層1762を形成し、光透過性を有する材料を用いて第2の電極層1766を形成する。両面放射の場合には、光透過性を有する材料を用いて第1の電極層1762及び第2の電極層1766を形成すれば良い。なお、下面放射、上面放射においては、光透過性を有する材料を用いて一方の電極層を形成し、光透過性を有する材料と光反射性を有する材料の積層構造により、他方の電極層を形成する構成としても良い。電極層に用いることができる材料は下面放射の場合と同様であるため、ここでは省略する。
なお、一般に、光透過性を有さないと考えられる金属のような材料であっても、膜厚を小さく(5nm以上30nm以下程度)することにより、光を透過させることができる。これにより、上述の光反射性材料を用いて、光を透過する電極層を作製することも可能である。
また、封止基板1790にカラーフィルター(着色層)を形成する構成としてもよい。カラーフィルター(着色層)は、蒸着法や液滴吐出法によって形成することができる。また、色変換層を用いる構成であっても良い。
本実施の形態においては、実施の形態1などに示した方法を用いてエレクトロルミネッセンス表示装置を作製している。このため、エレクトロルミネッセンス表示装置の発光を司る半導体素子(例えば、画素領域におけるトランジスタ)の特性を大きく向上することができる。また、駆動回路領域の半導体素子の動作速度を大きく向上することができる。したがって、エレクトロルミネッセンス表示装置の表示特性を大きく向上させることができる。
なお、本実施の形態ではエレクトロルミネッセンス表示装置を用いて説明したが、発明はこれに限られるものではない。本実施の形態は、実施の形態1乃至5と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、半導体装置の別の例について、図18及び19を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、マイクロプロセッサ及び電子タグ(無線タグとも呼ぶ)を例に挙げて説明するが、半導体装置はこれらに限られるものではない。
図18に、マイクロプロセッサの構成の一例を示す。図18のマイクロプロセッサ1800は、開示発明の半導体基板を用いて製造されるものである。該マイクロプロセッサ1800は、演算回路1801(Arithmetic logic unit(ALU))、演算回路制御部1802(ALU Controller)、命令解析部1803(Instruction Decoder)、割り込み制御部1804(Interrupt Controller)、タイミング制御部1805(Timing Controller)、レジスタ1806(Register)、レジスタ制御部1807(Register Controller)、バスインターフェース1808(Bus I/F)、ROM1809(Read Only Memory、読み出し専用メモリ)、及びROMインターフェース1810(ROM I/F)を有している。
バスインターフェース1808を介してマイクロプロセッサ1800に入力された命令は、命令解析部1803に入力され、デコードされた後、演算回路制御部1802、割り込み制御部1804、レジスタ制御部1807、タイミング制御部1805に入力される。演算回路制御部1802、割り込み制御部1804、レジスタ制御部1807、タイミング制御部1805は、デコードされた命令に基づき各種制御を行う。具体的には、演算回路制御部1802は、演算回路1801の動作を制御するための信号を生成する。また、割り込み制御部1804は、マイクロプロセッサ1800のプログラム実行中に、外部の入出力装置や周辺回路からの割り込み要求を、その優先度等から判断して処理する。レジスタ制御部1807は、レジスタ1806のアドレスを生成し、マイクロプロセッサ1800の状態に応じてレジスタ1806の読み出しや書き込みを行う。タイミング制御部1805は、演算回路1801、演算回路制御部1802、命令解析部1803、割り込み制御部1804、レジスタ制御部1807の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミング制御部1805は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。なお、図18に示すマイクロプロセッサ1800の構成は、あくまで一例であり、その用途によって適宜構成を変更することができる。
本実施の形態においては、実施の形態1などに示した方法を用いてマイクロプロセッサを作製している。これにより、半導体素子の動作速度が大きく向上し、マイクロプロセッサの性能の向上に寄与する。
次に、非接触でデータの送受信を行うことのできる演算機能を備えた半導体装置の一例について図19を参照して説明する。図19は無線通信により外部装置と信号の送受信を行って動作する無線タグの一例である。なお、該無線タグは内部に中央処理装置(CPU)を有しており、いわば小型のコンピュータである。無線タグ1900は、アナログ回路部1901とデジタル回路部1902を有している。アナログ回路部1901として、共振容量を有する共振回路1903、整流回路1904、定電圧回路1905、リセット回路1906、発振回路1907、復調回路1908、変調回路1909を有している。デジタル回路部1902は、RFインターフェース1910、制御レジスタ1911、クロックコントローラ1912、CPUインターフェース1913、CPU1914、RAM1915、ROM1916を有している。
このような構成の無線タグ1900の動作は以下の通りである。アンテナ1917が外部から信号を受けると、共振回路1903は該信号を元に誘導起電力を発生する。整流回路1904を経た誘導起電力により、容量部1918が充電される。この容量部1918はセラミックコンデンサーや電気二重層コンデンサーなどで形成されていることが好ましい。容量部1918は無線タグ1900と一体にて形成されていても良いし、別の部品として無線タグ1900を構成する絶縁表面を有する基板に取り付けられていても良い。
リセット回路1906は、デジタル回路部1902をリセットし初期化する信号を生成する。例えば、電源電圧の上昇のタイミングから遅れて立ち上がる信号をリセット信号として生成する。発振回路1907は、定電圧回路1905により生成される制御信号に応じて、クロック信号の周波数とデューティー比を変更する。ローパスフィルタで形成される復調回路1908は、例えば振幅変調(ASK)方式の受信信号の振幅の変動を二値化する。変調回路1909は、振幅変調(ASK)方式の送信信号の振幅を変動させて送信する。変調回路1909は、共振回路1903の共振点を変化させることにより通信信号の振幅を変化させている。クロックコントローラ1912は、電源電圧又はCPU1914における消費電流に応じてクロック信号の周波数とデューティー比を変更するための制御信号を生成している。電源電圧の監視は電源管理回路1919が行っている。
アンテナ1917から無線タグ1900に入力された信号は復調回路1908で復調された後、RFインターフェース1910で制御コマンドやデータなどに分けられる。制御コマンドは制御レジスタ1911に格納される。制御コマンドには、ROM1916に記憶されているデータの読み出し命令、RAM1915へのデータの書き込み命令、CPU1914への演算命令などが含まれている。CPU1914は、CPUインターフェース1913を介してROM1916、RAM1915、制御レジスタ1911にアクセスする。CPUインターフェース1913は、CPU1914が要求するアドレスより、ROM1916、RAM1915、制御レジスタ1911のいずれかに対するアクセス信号を生成する機能を有している。
CPU1914の演算方式は、ROM1916にOS(オペレーティングシステム)を記憶させておき、起動とともにプログラムを読み出し実行する方式を採用することができる。また、演算回路を構成して、演算処理をハードウェア的に処理する方式を採用することもできる。ハードウェアとソフトウェアを併用する方式では、専用の演算回路で一部の処理を行い、残りの演算を、プログラムを用いてCPU1914が実行する方式を適用することができる。
本実施の形態においては、実施の形態1などに示した方法を用いて無線タグを作製している。これにより、半導体素子の動作速度が大きく向上し、無線タグの性能の向上に寄与する。
なお、本実施の形態は、実施の形態1乃至6と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、半導体装置、特に表示装置を用いた電子機器について、図20及び21を参照して説明する。
開示発明の半導体装置(特に表示装置)を用いて作製される電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図20(A)はテレビ受像器又はパーソナルコンピュータのモニタである。筺体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。表示部2003には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能なテレビ受像器又はパーソナルコンピュータのモニタを提供することができる。
図20(B)はデジタルカメラである。本体2011の正面部分には受像部2013が設けられており、本体2011の上面部分にはシャッターボタン2016が設けられている。また、本体2011の背面部分には、表示部2012、操作キー2014、及び外部接続ポート2015が設けられている。表示部2012には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能なデジタルカメラを提供することができる。
図20(C)はノート型パーソナルコンピュータである。本体2021には、キーボード2024、外部接続ポート2025、ポインティングデバイス2026が設けられている。また、本体2021には、表示部2023を有する筐体2022が取り付けられている。表示部2023には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能なノート型パーソナルコンピュータを提供することができる。
図20(D)はモバイルコンピュータであり、本体2031、表示部2032、スイッチ2033、操作キー2034、赤外線ポート2035等を含む。表示部2032にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部2032には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能なモバイルコンピュータを提供することができる。
図20(E)は画像再生装置である。本体2041には、表示部2044、記録媒体読み込み部2045及び操作キー2046が設けられている。また、本体2041には、スピーカー部2047及び表示部2043それぞれを有する筐体2042が取り付けられている。表示部2043及び表示部2044それぞれには、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能な画像再生装置を提供することができる。
図20(F)は電子書籍である。本体2051には操作キー2053が設けられている。また、本体2051には複数の表示部2052が取り付けられている。表示部2052には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能な電子書籍を提供することができる。
図20(G)はビデオカメラであり、本体2061には外部接続ポート2064、リモコン受信部2065、受像部2066、バッテリー2067、音声入力部2068、操作キー2069が設けられている、また、本体2061には、表示部2062を有する筐体2063が取り付けられている。表示部2062には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能なビデオカメラを提供することができる。
図20(H)は携帯電話であり、本体2071、筐体2072、表示部2073、音声入力部2074、音声出力部2075、操作キー2076、外部接続ポート2077、アンテナ2078等を含む。表示部2073には、開示発明の半導体装置が用いられている。開示発明により、高性能な携帯電話を提供することができる。
図21は、電話としての機能と、情報端末としての機能を併せ持った携帯電子機器2100の構成の一例である。ここで、図21(A)は正面図、図21(B)は背面図、図21(C)は展開図である。携帯電子機器2100は、電話と情報端末の双方の機能を備えており、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な、いわゆるスマートフォンと呼ばれる電子機器である。
携帯電子機器2100は、筐体2101及び筐体2102で構成されている。筐体2101は、表示部2111、スピーカー2112、マイクロフォン2113、操作キー2114、ポインティングデバイス2115、カメラ用レンズ2116、外部接続端子2117等を備え、筐体2102は、キーボード2121、外部メモリスロット2122、カメラ用レンズ2123、ライト2124、イヤフォン端子2125等を備えている。また、アンテナは筐体2101内部に内蔵されている。上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
表示部2111には、開示発明の半導体装置が組み込まれている。なお、表示部2111に表示される映像(及びその表示方向)は、携帯電子機器2100の使用形態に応じて様々に変化する。また、表示部2111と同一面にカメラ用レンズ2116を備えているため、映像を伴う音声通話(いわゆるテレビ電話)が可能である。なお、スピーカー2112及びマイクロフォン2113は音声通話に限らず、録音、再生等に用いることが可能である。カメラ用レンズ2123(及び、ライト2124)を用いて静止画及び動画の撮影を行う場合には、表示部2111はファインダーとして用いられることになる。操作キー2114は、電話の発信・着信、電子メール等の簡単な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動等に用いられる。
重なり合った筐体2101と筐体2102(図21(A))は、スライドし、図21(C)のように展開し、情報端末として使用できる。この場合には、キーボード2121、ポインティングデバイス2115を用いた円滑な操作が可能である。外部接続端子2117はACアダプタやUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電やコンピュータ等とのデータ通信を可能にしている。また、外部メモリスロット2122に記録媒体を挿入し、より大容量のデータの保存及び移動に対応できる。上記機能に加えて、赤外線などの電磁波を用いた無線通信機能や、テレビ受信機能等を有していても良い。開示発明により、高性能な携帯電子機器を提供することができる。
以上の様に、開示発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。なお、本実施の形態は、実施の形態1乃至7と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、半導体装置、特に無線タグ(RFIDタグとも呼ぶ)の用途について、図22を参照して説明する。
開示発明により無線タグとして機能する半導体装置を形成することができる。無線タグの用途は多岐にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図22(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図22(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図22(B)参照)、乗物類(自転車等、図22(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図22(E)、(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。なお、図22において、無線タグは2200で示すものである。
なお、電子機器とは、例えば、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)、携帯電話の他、実施の形態5にて示した物品等を指す。また、上記半導体装置を、動物類、人体等に用いることができる。
無線タグは、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなる包装用容器等であれば当該有機樹脂に埋め込むとよい。紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等にRFIDタグを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等にRFIDタグを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。開示発明により作製することが可能な無線タグは、安価ながらも高い信頼性を有しており、さまざまな物品に対して適用することができる。
開示発明により形成することが可能な無線タグを、物の管理や流通のシステムに応用することで、システムの高機能化を図ることができる。例えば、荷札に設けられるRFIDタグに記録された情報を、ベルトコンベアの脇に設けられたリーダライタで読み取ることで、流通過程及び配達先等の情報が読み出され、商品の検品や荷物の分配を容易に行うことができる。
以上の様に、開示発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる物品に対して用いることが可能である。なお、本実施の形態は、実施の形態1乃至8と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、実施の形態1などに示す方法で作製したSOI基板の表面凹凸を観察した。本実施例の観察において用いたSOI基板は、ガラス基板上に酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、単結晶シリコンを順に積層した構造である。また、ガラス基板の厚さは0.7mm、酸化珪素の膜厚は50nm、窒化酸化珪素の膜厚は50nm、酸化窒化珪素の膜厚は50nm、単結晶シリコンの膜厚は120nmであった。
単結晶シリコンの表面の平坦性の分析には、例えば、光学顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)、走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)などを用いることができる。
本実施例では、実施の形態1における領域a(照射されたレーザー光のエネルギー密度が概ね一定の領域)と、領域b(照射されたレーザー光のエネルギー密度が急激に変化する領域)の表面凹凸を、AFMを用いて観察した。なお、本実施例において用いた試料を作製する際のレーザー光照射条件は以下の通りであった。
・波長:308nm(XeClエキシマレーザー)
・エネルギー密度:661.7mJ/cm(ピーク値)
・繰り返し周波数:30Hz
・走査速度:1mm/sec
・照射パルス数:約10パルス(オーバーラップ率:89%)
上記の条件においては、オーバーラップ率が89%と高いが、レーザー光が照射された領域の様子を確認するための条件にすぎず、実際の半導体装置の作製条件が上記の条件に限定して解釈されるものではない。なお、オーバーラップ率は89パーセントであるから、同じ地点に約10パルスのレーザー光が照射されたことになる。
図23(A)及び(B)は、単結晶シリコン層の領域aの表面をAFMで観察した平面観察像及び断面プロファイルの例である。なお、本実施例においては5μm×5μmの領域について観察したものを示している。図23(A)及び(B)の右側に示されているのが断面プロファイルであり、左側に示されているのが平面観察像である。図23(A)及び(B)のデータを元に計算された表面粗さのパラメータを図23(C)に示す。なお、測定装置やデータの処理方法などについては実施の形態1と同様である。
同様の観察を領域bに対しても行った。図24(A)及び(B)は、単結晶シリコン層の領域bの表面をAFMで観察した平面観察像及び断面プロファイルの例である。また、図24(C)に、図24(A)及び(B)のデータを元に計算された表面粗さのパラメータを示す。
図23及び24に示した観察結果より、領域aと領域bにおける平均面粗さ(Ra)と自乗平均面粗さ(Rms)の範囲は以下の通りであることが分かる。
・領域a:平均面粗さが1.5nm未満、自乗平均面粗さが2nm未満
・領域b:平均面粗さが1.5nm以上、自乗平均面粗さが2nm以上
なお、レーザー光を照射しない領域(実施の形態1における領域c)における平均面粗さは7nm以上であり、自乗平均面粗さは10nm以上である。つまり、レーザー光を照射しない領域cと比較した場合には、領域bであっても平坦性は十分に高いということができる。したがって、極めて高い平坦性を求められる領域以外であれば、領域bを用いることに何ら差し障りはない。また、同じ地点に多数のパルスを照射していることから、シリコンの剥離形成時の凹凸は完全に消失しており、領域bの凹凸が、純粋にレーザー光の端部の照射のみに起因していることが分かる。
図25に、図23及び24とは測定領域を変えて行った観察の結果を示す(測定領域:90μm×90μm)。図25(A)は平面観察像であり、図25(B)は図25(A)のP−Qにおける断面プロファイルである。図25(A)及び(B)から、レーザー光の端部が照射された領域bが縞状になっていることが分かる。また、領域aと領域bは交互に出現している。
本実施例は、実施の形態1乃至9と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、SOI基板における単結晶シリコン層の結晶性を評価するために、ラマン散乱測定を行った。本実施例のラマン散乱測定において用いたSOI基板は、ガラス基板上に酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、単結晶シリコンを順に積層した構造である。また、ガラス基板の厚さは0.7mm、酸化珪素の膜厚は50nm、窒化酸化珪素の膜厚は50nm、酸化窒化珪素の膜厚は50nm、単結晶シリコンの膜厚は100nmであった。
本実施例において用いた試料の平坦性向上のためのレーザー光の照射条件は以下の通りであった。
・波長:308nm(XeClエキシマレーザー)
・レーザー光のエネルギー密度:567.1mJ/cm(ピーク値)
・繰り返し周波数:30Hz
・走査速度:8mm/sec
・照射パルス数:約1パルス(オーバーラップ率:11%)
なお、本実施例において用いた試料は、レーザー光を照射する際の基板温度を420℃として作製したものである。基板を加熱することにより、比較的低いエネルギー密度及び少ない照射パルス数であっても、欠陥の低減が効果的に進む。一方で、420℃程度の温度では欠陥の低減は進まず、この意味において、レーザー光の照射は必須であることが分かっている。
図26に、ラマン散乱の測定結果を示す。縦軸はラマンシフト(cm−1)、横軸は座標(μm)である。ここで、ラマンシフトの値としては、各座標におけるラマンスペクトルのピークの値を採用した。また、ラマンスペクトルの測定は、励起レーザー光を走査させて2μm間隔で行った。その他の測定条件については実施の形態1と同様である。
図26から、ラマンシフトが520.4cm−1を下回る領域が周期的に存在していることが分かる。該領域が、実施の形態1における領域bに対応する領域である。理想的な単結晶シリコンにおけるラマンシフトの値は520.6cm−1であり、これに近づくほど元素の結合状態が理想的なものになるから、ラマンシフトがこの値からはずれるということは、理想的な結合状態からはずれていることを意味する。なお、座標520μm付近に、ラマンシフトが520.4cm−1を下回る領域が存在するが、これはミスデータである。
図26に示した測定結果より、領域aと領域bにおけるラマンスペクトルのピーク位置は以下の範囲であることが分かる。
・領域a:520.4cm−1以上(520.6cm−1以下)
・領域b:520.4cm−1未満
本実施例は、実施の形態1乃至9、実施例1と適宜組み合わせて用いることができる。
SOI基板を作製する方法を説明する断面図である。 SOI基板を作製する方法を説明する断面図である。 レーザー光、及びレーザー光が照射された領域の半導体層の様子を示す図である。 半導体装置を作製する方法を説明する断面図である。 半導体装置を作製する方法を説明する断面図である。 半導体装置の断面図及び平面図である。 SOI基板を作製する方法を説明する断面図である。 SOI基板を作製する方法を説明する断面図である。 SOI基板を作製する方法を説明する断面図である。 SOI基板を作製する方法を説明する断面図である。 島状の半導体層の作製方法を説明する図である。 島状の半導体層の作製方法を説明する図である。 半導体装置を作製する方法を説明する断面図である。 半導体装置を作製する方法を説明する断面図である。 半導体装置を作製する方法を説明する断面図である。 半導体装置の断面図及び平面図である。 半導体装置の断面図及び平面図である。 半導体装置の構成を説明する図である。 半導体装置の構成を説明する図である。 電子機器について説明する図である。 電子機器について説明する図である。 半導体装置の使用方法を説明する図である。 AFMによる半導体層表面の観察像、断面プロファイル、及び平坦性を示すパラメータである。 AFMによる半導体層表面の観察像、断面プロファイル、及び平坦性を示すパラメータである。 AFMによる半導体層表面の観察像、及び断面プロファイルである。 レーザー光が照射された半導体層における、ラマンスペクトルのピーク波数の分布を示す図である。 水素イオン種のエネルギーダイアグラムについて示す図である。 イオンの質量分析結果を示す図である。 イオンの質量分析結果を示す図である。 加速電圧を80kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値及び計算値)を示す図である。 加速電圧を80kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値、計算値、及びフィッティング関数)を示す図である。 加速電圧を60kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値、計算値、及びフィッティング関数)を示す図である。 加速電圧を40kVとした場合の水素元素の深さ方向のプロファイル(実測値、計算値、及びフィッティング関数)を示す図である。 フィッティングパラメータの比(水素元素比及び水素イオン種比)をまとめた図である。
符号の説明
101 ベース基板
102 絶縁層
103 窒化酸化シリコン膜
104 酸化窒化シリコン膜
105 接合層
115A 半導体層
115B 半導体層
111 半導体基板
112 保護膜
113 損傷領域
114 接合層
115 半導体層
116 絶縁層
117 酸化窒化シリコン膜
118 窒化酸化シリコン膜
121 イオンビーム
122 レーザー光
131 SOI基板
131B SOI基板
132 SOI基板
132A SOI基板
132B SOI基板
133 SOI基板
133A SOI基板
133B SOI基板
402 半導体層
404 半導体層
406 ゲート絶縁層
408 電極
410 不純物領域
412 不純物領域
414 サイドウォール
416 高濃度不純物領域
418 低濃度不純物領域
420 チャネル形成領域
422 高濃度不純物領域
424 低濃度不純物領域
426 チャネル形成領域
428 nチャネル型トランジスタ
430 pチャネル型トランジスタ
432 絶縁層
434 絶縁層
436 導電層
438 導電層
1100 ベース基板
1102 レジストマスク
1104 半導体層
1200 ベース基板
1202 レジストマスク
1204 半導体層
1210 パターン
1300 基板
1302 絶縁層
1304 絶縁層
1306 単結晶半導体層
1308 ゲート絶縁層
1310 単結晶半導体層
1312 単結晶半導体層
1314 単結晶半導体層
1316a マスク
1316b マスク
1316c マスク
1316d マスク
1316e マスク
1318a ゲート電極層
1318b ゲート電極層
1318c ゲート電極層
1318d ゲート電極層
1318e 導電層
1320a 導電層
1320b 導電層
1320c 導電層
1320d 導電層
1320e 導電層
1322a ゲート電極層
1322b ゲート電極層
1322c ゲート電極層
1322d ゲート電極層
1322e 導電層
1324a ゲート電極層
1324b ゲート電極層
1324c ゲート電極層
1324d ゲート電極層
1324e 導電層
1326a n型不純物領域
1326b n型不純物領域
1328a n型不純物領域
1328b n型不純物領域
1330a n型不純物領域
1330b n型不純物領域
1330c n型不純物領域
1332a マスク
1332b マスク
1332c マスク
1334a n型不純物領域
1334b n型不純物領域
1336a n型不純物領域
1336b n型不純物領域
1338 チャネル形成領域
1340a n型不純物領域
1340b n型不純物領域
1340c n型不純物領域
1342a n型不純物領域
1342b n型不純物領域
1342c n型不純物領域
1342d n型不純物領域
1344a チャネル形成領域
1344b チャネル形成領域
1346a マスク
1346b マスク
1348a p型不純物領域
1348b p型不純物領域
1350a p型不純物領域
1350b p型不純物領域
1352 チャネル形成領域
1354 絶縁膜
1356 絶縁膜
1358a ドレイン電極層
1358b ドレイン電極層
1360a ドレイン電極層
1360b ドレイン電極層
1362a ドレイン電極層
1362b ドレイン電極層
1364 pチャネル型薄膜トランジスタ
1366 nチャネル型薄膜トランジスタ
1368 nチャネル型薄膜トランジスタ
1370 容量配線
1372 絶縁膜
1374 画素電極層
1376 外部端子接続領域
1378 封止領域
1380 周辺駆動回路領域
1382 画素領域
1600 対向基板
1602 絶縁層
1604 液晶層
1606 絶縁層
1608 導電層
1610 着色層
1612 偏光子
1614 シール材
1616 スペーサ
1618 偏光子
1620 端子電極層
1622 異方性導電体層
1624 FPC
1700 素子基板
1730 外部端子接続領域
1732 封止領域
1734 駆動回路領域
1736 画素領域
1750 薄膜トランジスタ
1752 薄膜トランジスタ
1754 薄膜トランジスタ
1756 薄膜トランジスタ
1760 発光素子
1762 電極層
1764 発光層
1766 電極層
1768 絶縁層
1770 充填材
1772 シール材
1774 配線層
1776 端子電極層
1778 異方性導電層
1780 FPC
1790 封止基板
1800 マイクロプロセッサ
1801 演算回路
1802 演算回路制御部
1803 命令解析部
1804 制御部
1805 タイミング制御部
1806 レジスタ
1807 レジスタ制御部
1808 バスインターフェース
1809 ROM
1810 ROMインターフェース
1900 無線タグ
1901 アナログ回路部
1902 デジタル回路部
1903 共振回路
1904 整流回路
1905 定電圧回路
1906 リセット回路
1907 発振回路
1908 復調回路
1909 変調回路
1910 RFインターフェース
1911 制御レジスタ
1912 クロックコントローラ
1913 CPUインターフェース
1914 CPU
1915 RAM
1916 ROM
1917 アンテナ
1918 容量部
1919 電源管理回路
2001 筺体
2002 支持台
2003 表示部
2004 スピーカー部
2005 ビデオ入力端子
2011 本体
2012 表示部
2013 受像部
2014 操作キー
2015 外部接続ポート
2016 シャッターボタン
2021 本体
2022 筐体
2023 表示部
2024 キーボード
2025 外部接続ポート
2026 ポインティングデバイス
2031 本体
2032 表示部
2033 スイッチ
2034 操作キー
2035 赤外線ポート
2041 本体
2042 筐体
2043 表示部
2044 表示部
2045 記録媒体読み込み部
2046 操作キー
2047 スピーカー部
2051 本体
2052 表示部
2053 操作キー
2061 本体
2062 表示部
2063 筐体
2064 外部接続ポート
2065 リモコン受信部
2066 受像部
2067 バッテリー
2068 音声入力部
2069 操作キー
2071 本体
2072 筐体
2073 表示部
2074 音声入力部
2075 音声出力部
2076 操作キー
2077 外部接続ポート
2078 アンテナ
2100 携帯電子機器
2101 筐体
2102 筐体
2111 表示部
2112 スピーカー
2113 マイクロフォン
2114 操作キー
2115 ポインティングデバイス
2116 カメラ用レンズ
2117 外部接続端子
2121 キーボード
2122 外部メモリスロット
2123 カメラ用レンズ
2124 ライト
2125 イヤフォン端子

Claims (12)

  1. 単結晶半導体基板の主表面にイオンを照射して損傷領域を形成し、
    前記単結晶半導体基板の主表面に絶縁層を形成し、
    前記絶縁層と、絶縁表面を有する基板とを接合させ、
    前記単結晶半導体基板を、前記損傷領域において分離させることにより、前記絶縁表面を有する基板上に単結晶半導体層を形成し、
    前記単結晶半導体層の一部の領域にパルスレーザー光を照射することにより、前記単結晶半導体層の欠陥を低減し、且つ、表面の平坦性を向上させ、
    前記パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の前記単結晶半導体層を用いて半導体素子の活性層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 単結晶半導体基板の主表面にイオンを照射して損傷領域を形成し、
    絶縁表面を有する基板上に絶縁層を形成し、
    前記単結晶半導体基板と、前記絶縁層とを接合させ、
    前記単結晶半導体基板を、前記損傷領域において分離させることにより、前記絶縁表面を有する基板上に単結晶半導体層を形成し、
    前記単結晶半導体層の一部の領域にパルスレーザー光を照射することにより、前記単結晶半導体層の欠陥を低減し、且つ、表面の平坦性を向上させ、
    前記パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の前記単結晶半導体層を用いて半導体素子の活性層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記絶縁層は、有機シランガスを用いて化学気相成長法により形成される絶縁層を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記絶縁層は、積層構造で形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 絶縁表面上に単結晶半導体層を有する半導体基板を用いた半導体装置の作製方法であって、
    前記半導体基板は、前記単結晶半導体層の一部の領域にパルスレーザー光が照射されることにより、前記単結晶半導体層の欠陥が低減され、且つ、表面の平坦性が向上されたものであり、
    前記パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の前記単結晶半導体層を用いて半導体素子の活性層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一において、
    前記パルスレーザー光の端部以外における光強度は、前記単結晶半導体層が完全溶融する光強度未満、且つ、完全溶融と部分溶融との境界となる光強度の85%以上であり、
    前記パルスレーザー光の端部における光強度は、前記境界となる光強度の85%未満であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一において、
    前記パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の前記単結晶半導体層表面の平均面粗さは1.5nm未満であり、二乗平方根粗さは2nm未満であり、
    前記パルスレーザー光の端部が照射された領域の前記単結晶半導体層表面の平均面粗さは1.5nm以上であり、二乗平方根粗さは2nm以上であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一において、
    前記パルスレーザー光の端部以外が照射された領域の前記単結晶半導体層のラマンピークの波数は520.4cm−1以上であり、
    前記パルスレーザー光の端部が照射された領域の前記単結晶半導体層のラマンピークの波数は520.4cm−1未満であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一において、
    前記パルスレーザー光は、エキシマレーザー光であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一において、
    前記パルスレーザー光は、線状の形状を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一に記載の方法により作製された半導体装置。
  12. 請求項11に記載の半導体装置を用いた電子機器。
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