JP2009135222A - 巻線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ部と非曲げ部を含むコイルを高速で巻回する巻線装置の提供。
【解決手段】曲げ角度が均しい複数の曲げ部12cと曲げ部12c間に延在する非曲げ部とを含み、平角材15が巻回されることで形成されるコイル12を製造するエッジワイズ巻線装置10において、コイル12が形成された際に内周側となる平角材15の内周側面15aに当接し、平角材15の曲げ部12cを平角材15の厚み方向に挟持する挟持シャフト67と、コイル12が形成された際に外周側となる平角材15の外周側面15bに当接し、挟持シャフト67と共同して平角材15を押さえた状態で回動し、平角材15を曲げて曲げ部12cを形成する曲げ治具77と、を備え、曲げ治具77は、平角材15の積層方向に進退可能に構成されると共に、コイル12の曲げ部12cまたは非曲げ部と同数が、挟持シャフト67の周囲に等角度間隔を維持したまま回動可能に構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、エッジワイズ巻き線装置を用いてコイルを効率よく巻回するための技術である。
回転電機に用いられるコイルは、円形断面の線材を巻回するものの他に、平角断面の線材を巻回するものがある。
コイルに流す電流の量を増やすためには、コイルに用いる線材の太さを太くする必要がある。線材の断面積を大きくすることで、円形断面の線材を巻回して形成したコイルは占積率が悪化する傾向にある。一方、平角断面の線材を巻回して形成したコイルは、線材の断面積が大きくなっても、占積率は悪化しにくい。
車載される回転電機に用いられるコイルは、小型でかつ高性能なものが求められる。特に車の駆動部分に用いられる回転電機には大電流を流す必要があり、一方でエンジンルームに収めなければならないために大きさの制約も厳しい。
したがって、占積率を高めることができる平角断面を有する線材である平角材を用いたコイルの方が、車載用の駆動モータに用いるにはメリットが大きい。
しかしこのような回転電機には、円形でなく非円形、それもコイルエンドの長さを縮める為に、極力長方形に近い形状のコイルが求められる。
このような非円形コイルは、長辺と短辺で巻回速度が異なるために、様々な問題を引き起こす。極端に低速で巻回すれば、非円形コイルであっても巻回し易くなるが、生産性を高めるためには、非円形コイルを高速で巻回しなければならない。
特許文献1には、このような平角材を用いるコイルを製作する技術について開示されている。
長円筒状の巻芯軸を回転させることで、巻芯軸に平角材を巻回する機構であり、平角材を巻芯軸に巻回することで、巻芯軸の形状をコイルに転写する。また、巻芯軸と共に回転する固定駒に対して、押さえ駒で平角材を押さえることで、平角材の膨らみや巻回の際に発生するブレを押さえることが可能となる。
この押さえ駒は形成されるコイルの厚み方向に摺動可能であり、平角材の巻回が進むにつれて、固定駒から押さえ駒が遠ざかる構造となっている。そして、巻芯軸の直交する所定位置に平角材の走行に抵抗を生じるブレーキ手段を設け、このブレーキ手段は押さえ駒と一体に巻芯軸も回動可能である。
このように、押さえ駒で平角材を押さえつけながら巻回するので、長円筒形状の巻芯軸に平角材を巻回する際に、長辺と短辺で巻回速度が異なることによる平角材の慣性振れを抑えることができ、高速にコイルを巻回することが可能となる。
特許文献2には、矩形コイル、矩形状コイルの製造方法及び矩形状コイルの製造装置についての技術が開示されている。
平角材をエッジワイズ曲げ加工する曲折装置には、直線状の平角材を把持するために、平角材の幅と同じ幅の溝が形成された把持手段と、平角材をエッジワイズ曲げ加工する際に平角材の内側に当接するローラ状の拘束手段と、平角材をエッジワイズ曲げ加工する際に平角材の外側に当接し、回転することで平角材をエッジワイズ曲げ加工する押圧手段とを備えている。
この曲折装置に平角材を通し、押圧手段を回転させることで平角材の所定の部位をエッジワイズ曲げ加工した後、次のエッジワイズ加工する部位まで平角材を送り、再度同じ作業を繰り返す。これを繰り返すことで、平角材をエッジワイズ曲げ加工して形成されるコイルが製作される。
特開2002−184639号公報 特開2006−288025号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2を用いて平角材を用いたコイルを形成するには、以下のような課題があると考えられる。
特許文献1に記載の方法でコイルを形成する場合、巻芯軸の形状がコイルの内径側に転写されることになる。
しかし、固定子等にコイルを挿入する場合には、占積率を極力高めたいという要望がある。したがって、長円筒形状ではなく台形状にコイルを形成することが望ましいが、巻芯軸を円錐形状とすることは、押さえ駒が移動できなくなることを意味するため、特許文献1の方法を単純に適用することは難しい。
また、コイルの長辺と短辺の差が大きくなると、必然的に平角材の慣性振れが大きくなるため、特許文献1の方法では慣性振れを吸収しきれない虞がある。しかし、回転電機の出力を高め、滑らかな駆動を実現するためには用いるコイルの数は多い方が有利であり、その為にはコイルの長辺と短辺の差を大きくせざるを得ない。
一方、特許文献2の方法では、コイルの長辺と短辺の差が大きな場合にも対応し易いが、特許文献2の構成の場合、押圧手段を回転させた後、平角材を送る前に押圧手段を元の位置に戻さなければ、平角材を送ることができない。
つまり、平角材をエッジワイズ曲げ加工する際に押圧手段を回転させ、曲げ加工が終了した段階で押圧手段を所定の位置に戻し、平角材を送って、再び押圧手段を回転させる必要がある。
回転電機を低コストで提供するためには、回転電機1個あたりに複数用いるコイルのコストダウンは必須である。
コイルのコストダウンを実現するためには、コイルを高速で形成する必要がある。しかし、特許文献2の方法では押圧手段を回転させ、戻す動作が必須であるため、高速巻回の妨げになる。
つまり、特許文献1の技術では長辺と短辺の差が大きいコイルの形成は困難であり、特許文献2の技術では、高速でコイルを巻回することは困難であると考えられる。
近年のハイブリットカーなどに搭載されるモータは、高出力化が求められると同時に小型化を要求される。更に、コスト的な競争力をも求められるため、長辺と短辺の差が大きなコイルの高速巻回を実現することが切望されている。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、曲げ部と非曲げ部を含むコイルを高速で巻回する巻線装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明による巻線装置は以下のような特徴を有する。
(1)曲げ角度が均しい複数の曲げ部と前記曲げ部間に延在する非曲げ部とを含み、線材が非円形エッジワイズ曲げ加工により巻回されることで形成されるコイルを製造する巻線装置において、を製造する巻線装置において、
前記コイルが形成された際に内周側となる前記線材の内周側面に当接し、前記線材の前記曲げ部を前記線材の厚み方向に挟持する挟持手段と、前記コイルが形成された際に外周側となる前記線材の外周側面に当接し、前記挟持手段と共同して前記線材を押さえた状態で回動し、前記線材を曲げて前記曲げ部を形成する曲げ手段と、を備え、前記曲げ手段は、巻線の積層方向に進退可能に構成されると共に、前記コイルの一巻きあたりの前記曲げ部または前記非曲げ部と同数が、前記挟持手段の周囲に等角度間隔を維持したまま回動可能に構成されることを特徴とする。
(2)(1)に記載の巻線装置において、
前記線材の前記内周側面の一部に当接して配置される振れ止めを備え、前記線材の巻回と共に前記振れ止めを回動させて、前記コイルの崩れを防止することを特徴とする。
(3)(2)に記載の巻線装置において、
巻径が次第に小さくなる前記コイルを形成する場合に、前記振れ止めが、前記コイル側面の傾斜に一致する傾斜面を備え、前記線材の巻回に同期して、形成されつつある前記コイルの回動方向の前後にスライドさせつつ回動させることを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の巻線装置において、
前記曲げ手段に、回動する角度を補正する角度補正機構を備え、前記線材をエッジワイズ曲げする際に、前記角度補正機構により前記曲げ手段が回動する角度を補正させることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明による巻線装置により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(1)に記載される発明は、曲げ角度が均しい複数の曲げ部と曲げ部間に延在する非曲げ部とを含み、線材が非円形エッジワイズ曲げ加工により巻回されることで形成されるコイルを製造する巻線装置において、を製造する巻線装置において、コイルが形成された際に内周側となる線材の内周側面に当接し、線材の曲げ部を線材の厚み方向に挟持する挟持手段と、コイルが形成された際に外周側となる線材の外周側面に当接し、挟持手段と共同して線材を押さえた状態で回動し、線材を曲げて曲げ部を形成する曲げ手段と、を備え、曲げ手段は、巻線の積層方向に進退可能に構成されると共に、コイルの一巻きあたりの曲げ部または非曲げ部と同数が、挟持手段の周囲に等角度間隔を維持したまま回動可能に構成されるものである。
線材をエッジワイズ曲げ加工する際には、挟持手段と曲げ手段を用いて行われる。挟持手段は、線材の厚み方向を一定の幅になるように線材の厚みだけ隙間を空けて固定し、線材の内周側と接する。つまり、コの字状に線材の3面に接する。厚み方向にはズレを防ぐために若干潰す様に力を加えても良い。
そして、巻線の積層方向に進退可能な曲げ手段が、挟持手段の周囲に複数備えられることで、特許文献2に記載されるような曲げ手段に相当する押圧手段の戻り工程を不要とし、コイルを巻回する時間を短縮することが可能になる。
曲げ手段は、挟持手段の外周を囲むように備えられて、等角度間隔を維持したまま回動可能である。したがって、例えば回転方向とは直角に前進させた第1曲げ手段で線材をエッジワイズ曲げ加工した後、第1曲げ手段を後退させる。そして、線材を所定量送ると共に第2曲げ手段を前進させ、エッジワイズ曲げ加工を行う。つまり、曲げ手段は常に一方向に回転させ、回転方向と直角に前進、後退させることでエッジワイズ曲げ加工の準備が可能となるため、戻り時間分が短縮されることになる。
例えば線材を10層積層させて長方形のコイルを形成する場合、1回のエッジワイズ曲げ加工につき短縮できる時間が0.2秒であったと仮定して、コイルを形成するにあたり8秒の時間短縮が可能となる。
特許文献2の場合は、曲げ手段に相当する押圧手段が曲げ角度と同じ距離だけ戻らなければならず、単純に考えて倍の時間を必要とする。線材の送りの時間を考慮したとしても、戻り工程のロスはコイル形成にかかる全体の時間の中で大きなウェイトを占めるものと考えられる。したがって、戻り工程を不要とすることでの高速化は大きな効果が期待できる。
また、このように挟持手段と曲げ手段とで共同して線材のエッジワイズ曲げ加工を行うので、短辺と長辺の差が大きいコイルに対応可能である。
また、(2)に記載される発明は、(1)に記載の巻線装置において、線材の内周側面の一部に当接して配置される振れ止めを備え、線材の巻回と共に振れ止めを回動させて、コイルの崩れを防止するものである。
曲げ手段と挟持手段を用いて回動させながらコイルを巻回するため、コイルは回転中心を移動しつつ回動しながら形成されることになる。コイルを高速で巻回する場合、線材の固有振動数などの関係により、速度を上げるほど線材が大きく振動するようになる。このコイルの振動を押さえる役目を果たすのが、振れ止めであり、コイルの内周側を押さえながら、コイルといっしょに回動させることでコイルの崩れを防止することが可能となる。
したがって、巻回時のコイルの振れや崩れを抑えることができるので、コイルの高速巻回に貢献することが可能となる。
また、(3)に記載される発明は、(2)に記載の巻線装置において、巻径が次第に小さくなるコイルを形成する場合に、振れ止めが、コイル側面の傾斜に一致する傾斜面を備え、線材の巻回に同期して、形成されつつあるコイルの回動方向の前後にスライドさせつつ回動させるので、巻径が次第に小さくなる台形断面のコイルを形成することが可能となる。
回転電機の固定子にコイルを挿入する場合、占積率を高める観点からもコイルの形状は巻径が次第に小さくなる台形断面の形状となる方が望ましい。
また、(4)に記載される発明は、(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の巻線装置において、曲げ手段に、回動する角度を補正する角度補正機構を備え、線材をエッジワイズ曲げする際に、角度補正機構により曲げ手段が回動する角度を補正させるので、例えば線材を90°分エッジワイズ曲げ加工する場合には、90°+α分だけ曲げ手段を回動させることで、線材のバネ性などによる物質的特性によって発生するスプリングバック分を吸収し、線材を目的の角度に精度良くエッジワイズ曲げすることが可能となる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態のエッジワイズ巻線装置10の平面図を示す。また、図2に、エッジワイズ巻線装置10の側面図を示す。また、図3に、コイル12の斜視図を示す。なお、図1及び図2は、縮尺の関係で部分的に省略している。
エッジワイズ巻線装置10は、アンコイラ20と、癖取り機構30と、送り機構40と、曲げ機構60を備えている。
エッジワイズ巻線装置10によって、平角断面を有する導体である平角材15のエッジワイズ曲げ加工を行い、コイル12を形成する。
コイル12は図3に示される通り長方形に巻回されており、短辺12aと長辺12bとが存在する。短辺12a及び長辺12bは非曲げ部にあたり、曲げ部12cの間に延在する。
短辺12aに対して長辺12bは数倍以上の差がある。曲げ部12cはコイル12の1ターン当たり4カ所存在する。それぞれ第1曲げ部12c1、第2曲げ部12c2、第3曲げ部12c3、及び第4曲げ部12c4とする。
なお、コイル12は台形断面に形成されているため、短辺12aは、積層されるにしたがって徐々に長さが長くなる。
アンコイラ20はボビン16に巻かれた平角材15を引き出す機能を備えている。ボビン16には、長方形断面の平角材15が巻回されている。平角材15の長辺はボビン16の巻軸と平行になるように巻回されている。
この平角材15は、ポリイミドやアミドイミドなどを用いた絶縁被覆が施されてボビン16に巻回されている。
癖取り機構30は、平角材15をボビン16から引き出した後、ボビン16に巻かれた状態で付いた癖を取る機能がある。複数のローラを備え、その間に平角材15を通すことで、平角材15に付いた癖を矯正する。
送り機構40は、平角材15を任意の距離だけ送ることが可能である。また、曲げ機構60は、平角材15をエッジワイズ曲げ加工することが可能である。
この、送り機構40及び曲げ機構60について詳細に示すのが図4乃至図7である。
図4は、曲げ機構60の断面図を示す。図5は、送り機構40のうち長辺コイル送りスライダ41側の断面を示す。図6は、送り機構40のうち短辺コイル送りスライダ51側の断面を示す。図7には、送り機構40と曲げ機構60の接続図を示す。なお、図4乃至図6の断面図には、同じ断面にない構造を同一断面に表現している箇所がある。
送り機構40には、長辺コイル送りスライダ41と短辺コイル送りスライダ51、及び長辺送り用クランプ機構42、短辺送り用クランプ機構52が備えられている。長辺コイル送りスライダ41と短辺コイル送りスライダ51の構造は基本的に同じであるが、平角材15の送り量を変えるために、異なる長さのクランクを備えている。
長辺送り用クランプ機構42又は短辺送り用クランプ機構52は、平角材15を長辺コイル送りスライダ41又は短辺コイル送りスライダ51に対して押さえつける機構であり、平角材15が適切な距離だけ送られるようにクランプを行う。
一方、長辺コイル送りスライダ41及び短辺コイル送りスライダ51の駆動は、曲げ機構60と連動する必要があるため、ローラギア90で動力が伝達される。曲げ機構60に備えられる曲げ駆動用ローラギア90a、長辺コイル送りスライダ41に備えられる長辺送り用ローラギア90b、短辺コイル送りスライダ51に備えられる短辺送り用ローラギア90cは、カップリング92によって接続され、連動する。
なお、以後、単にローラギア90と称する場合は、曲げ駆動用ローラギア90a、長辺送り用ローラギア90b、短辺送り用ローラギア90cのいずれか一つ或いは全てを指すものとする。
ローラギア90の動力は、動力モータ91であり、カップリング92で曲げ駆動用ローラギア90aに接続されている。
まず、図5に示される長辺コイル送りスライダ41の構成から詳細に説明する。
長辺コイル送りスライダ41には、長辺送り用ローラギア90bに備えられた長辺送り用出力ギア93bから、長辺送り用補正ギア43bに動力が伝達される。
ハーモニックドライブを応用した長辺送り用ディファレンシャルギア94bによって、長辺送り用ディファレンシャルギア94bの上側に取り付けられた長辺送り用補正ギア43bから入力された動力を、長辺送り用ディファレンシャルギア94bの下側に取り付けられた長辺送り用第2伝達ギア43cへ出力している。
長辺送り用ディファレンシャルギア94bには、長辺送り用補正モータ46が取り付けられており、長辺送り用補正モータ46を作動させることで、長辺送り用第1伝達ギア43aと長辺送り用第2伝達ギア43cとの回転数に差が出るような構成となっている。
長辺送り用第2伝達ギア43cは長辺送り用送りギア43dに接続されている。長辺送り用送りギア43dは、長辺送り用偏心カム45に接続されている。長辺送り用偏心カム45が回転することで、長辺送り用スライドテーブル49を図5の紙面垂直方向にスライド動作させることができる。
長辺送り用出力ギア93bは長辺送り用第1伝達ギア43aへ動力を伝達し、長辺送り用第1伝達ギア43aは長辺送り用第3伝達ギア43eに動力を伝達する。長辺送り用第3伝達ギア43eに接続される長辺送り用偏心カムガイド47を駆動している。
長辺送り用偏心カムガイド47は、長辺送り用偏心カム45のガイドをし、長辺送り用スライドテーブル49の送り量の微調整に関与する。平角材15をエッジワイズ曲げ加工する場合、塑性加工の性質上狙い通りの位置をエッジワイズ曲げ加工することは困難である。このため、微調整可能な機構を設けておくことで、精度の向上を図ることが可能となる。
長辺送り用偏心カム45は、長辺送り用スライドテーブル49に備えられる長辺送り用ガイド溝49aに対して、長辺送り用送りギア43dが回転することで長辺送り用ガイド溝49aを移動しながら長辺送り用スライドテーブル49を移動させる。ただし、長辺送り用スライドテーブル49の移動量は長辺送り用偏心カム45のアームの長さで決まる。
このため、長辺送り用偏心カムガイド47を移動させて、長辺送り用偏心カム45の回転中心を偏心させ、結果的に長辺送り用スライドテーブル49の移動量を調整することが可能となる。
また、長辺送り用出力ギア93bには、長辺送り用第4伝達ギア48が接続されている。長辺送り用第4伝達ギア48には第1クラッチ48aが組み込まれており、動力の伝達をカットすることもできる。
長辺送り用ローラギア90bの入力軸には昇降用第1カム95aが備えられており、長辺送り用リンク44を介して、長辺送り用クランプ機構42を昇降させることが可能である。
長辺送り用クランプ機構42が下降端にいるときは、平角材15を長辺送り用スライドテーブル49にクランプしている状態となる。長辺送り用クランプ機構42が上昇すると、平角材15をアンクランプすることができる。
長辺送り用スライドテーブル49は、図5の紙面垂直方向に動作するので、長辺送り用クランプ機構42が下降した状態で、平角材15は、長辺送り用スライドテーブル49と共に移動する。この結果、ボビン16から平角材15が引き出されて、曲げ機構60側に送られることになる。
次に、図6に示される短辺コイル送りスライダ51の構成を詳細に説明する。短辺コイル送りスライダ51は長辺コイル送りスライダ41とほぼ同じ構成である。
短辺コイル送りスライダ51には、短辺送り用ローラギア90cに備えられた短辺送り用出力ギア93cから、短辺送り用補正ギア53bに動力が伝達される。
短辺送り用ディファレンシャルギア94cによって、短辺送り用ディファレンシャルギア94cの上側に取り付けられた短辺送り用補正ギア53bから入力された動力を、短辺送り用ディファレンシャルギア94cの下側に取り付けられた短辺送り用第2伝達ギア53cへ出力している。
短辺送り用ディファレンシャルギア94cには、短辺送り用補正モータ56が取り付けられており、短辺送り用補正モータ56が作動させることで、短辺送り用第1伝達ギア53aと短辺送り用第2伝達ギア53cとの回転数に差が出るような構成となっている。
短辺送り用第2伝達ギア53cは、短辺送り用送りギア53dに接続されている。短辺送り用送りギア53dは、短辺送り用偏心カム55に接続されている。短辺送り用偏心カム55を回転させることで、短辺送り用スライドテーブル59を図6の紙面垂直方向にスライド動作させることができる。
短辺送り用出力ギア93cは短辺送り用第1伝達ギア53aへ動力を伝達し、短辺送り用第1伝達ギア53aは短辺送り用第3伝達ギア53eに動力を伝達する。短辺送り用第3伝達ギア53eに接続される短辺送り用偏心カムガイド57を駆動している。
短辺送り用偏心カムガイド57は、短辺送り用偏心カム55のガイドをし、短辺送り用スライドテーブル59の送り量の微調整に関与する。
短辺送り用偏心カム55は、短辺送り用スライドテーブル59に備えられる短辺送り用ガイド溝59aに対して、短辺送り用送りギア53dが回転することで短辺送り用ガイド溝59aを移動しながら短辺送り用スライドテーブル59を移動させる。ただし、短辺送り用スライドテーブル59の移動量は短辺送り用偏心カム55のアームの長さで決まる。
このため、短辺送り用偏心カムガイド57を移動させて、短辺送り用偏心カム55のアームの回転中心を偏心させ、結果的に短辺送り用スライドテーブル59の移動量を調整することが可能となる。
コイル12は図3に示すように固定子の外周に行くほど短辺12aの長さが長く設定されている。これは、図示しない固定子が内周側よりも外周側の周長が長くなることに、コイル12が対応するためである。したがって、短辺コイル送りスライダ51の送り距離は徐々に長くなるように設定される。
また、短辺送り用出力ギア93cには、短辺送り用第4伝達ギア58が接続されている。短辺送り用第4伝達ギア58には第2クラッチ58aが組み込まれており、動力の伝達をカットすることもできる。
また、短辺送り用ローラギア90cの入力軸には、昇降用第2カム95bが備えられており、短辺送り用リンク54を介して、短辺送り用クランプ機構52を昇降させることが可能である。短辺送り用クランプ機構52が下降端にいるときは、平角材15を短辺送り用スライドテーブル59にクランプしている状態となる。短辺送り用クランプ機構52が昇降すると、平角材15をアンクランプすることができる。
短辺送り用スライドテーブル59は、図6の紙面水垂直方向に動作するので、短辺送り用クランプ機構52が下降した状態で、平角材15は、短辺送り用スライドテーブル59と共に移動する。この結果、ボビン16から平角材15が引き出されて曲げ機構60側に送られることになる。
なお、昇降用第1カム95aと昇降用第2カム95bは、位相が異なるように取り付けられているため、長辺コイル送りスライダ41と短辺コイル送りスライダ51が同時に平角材15をクランプすることはなく、どちらか一方が平角材15に作用するように構成されている。
次に、曲げ機構60の構成について詳細に説明する。
曲げ機構60には、曲げ駆動用ローラギア90aから取り出した動力を、曲げ機構用出力ギア93aによって、曲げ機構用補正ギア63bに伝えている。
曲げ機構用補正ギア63bは、曲げ機構用ディファレンシャルギア94aの上側に取り付けられ、入力された動力を曲げ機構用ディファレンシャルギア94aの下側に取り付けられた曲げ機構用第1伝達ギア63aに伝達する。
曲げ機構用ディファレンシャルギア94aには、曲げ機構用補正モータ70が取り付けられており、平角材15の曲げ角度の補正を行うことが可能である。
平角材15をコイル12になるようにエッジワイズ曲げ加工するには、曲げ部を90°にエッジワイズ曲げ加工できれば良い。しかし、平角材15の素材の影響でスプリングバックがある。したがって、単純に90°だけでなく、+αの角度だけ送って曲げ部12cを形成することで、平角材15を90°エッジワイズ曲げ加工することができる。この補正のための動力が曲げ機構用補正モータ70である。
曲げ機構用第1伝達ギア63aに伝えられた動力は、回転テーブル75を回転させる。回転テーブル75には4つの曲げ治具77が備えられており、回転テーブル75と共に曲げ治具77も回転する。
昇降用モータ61には、曲げ機構用昇降ギア62が取り付けられており、曲げ機構用昇降ギア62によって曲げ機構用第1伝達ギア63aに動力が伝達される。曲げ機構用第1伝達ギア63aにはカム溝が形成された曲げ機構用カムガイド71が固定されている。
曲げ機構用カムガイド71には、第1カム溝71aと第2カム溝71bが備えられ、第1カム溝71aを曲げツール昇降カム73が転動し、第2カム溝71bを挟持シャフト昇降カム72が転動する。
挟持シャフト昇降カム72は、挟持シャフト67を昇降させる。挟持シャフト67は、圧縮バネ74によって下方に付勢されているので、挟持シャフト67は常に挟持シャフト昇降カム72が第2カム溝71bの下側に押し付けられている位置に保持される。
圧縮バネ74は、平角材15を下方に挟む機能の他に、平角材15を挟持シャフト鍔67aで押しすぎてかじり、ロックすることを防ぐ目的もある。
すなわち、挟持シャフト鍔67aと回転テーブル75の距離は、第1カム溝71aのカム曲線によって決定されることになる。その結果、平角材15が膨らもうとした場合に、挟持シャフト鍔67aと回転テーブル75の距離で平角材15の厚みを決定し、それ以上膨らまないように矯正することが可能である。
挟持シャフト鍔67aと回転テーブル75の距離は、挟持シャフト67の上昇端にある時には、平角材15の厚みに加えて数mmのクリアランスが得られるように設定され、挟持シャフト67の下降端にあるときには、平角材15の厚みとほぼ同じになるように設定されている。
したがって、挟持シャフト昇降カム72が第2カム溝71bを転動することで、挟持シャフト67が昇降し、挟持シャフト67の上昇端では平角材15をアンクランプし、挟持シャフト67の下降端では平角材15をクランプすることが可能である。
曲げツール昇降カム73は、曲げツール昇降シャフト76に取り付けられており、曲げツール昇降カム73が第1カム溝71aを転動することで、曲げツール昇降シャフト76が昇降し、この昇降に伴って曲げ治具77が昇降する。
図8に、図5に示される曲げ機構60の部分拡大図を示す。
曲げツール第1昇降カム73aと曲げ機構用カムガイド71が協働し、図8では第1曲げ治具77aが上昇端にある。一方、第3曲げ治具77cは下降端にある。
曲げ治具77は、回転テーブル75に第1曲げ治具77a乃至第4曲げ治具77dの4つが備えられている。なお、以下、特に断らずに曲げ治具77と称する場合は、第1曲げ治具77a乃至第4曲げ治具77dのいずれか一つ或いは全てを示しているものとする。
曲げ治具77は、上昇することで回転テーブル75よりも上方にせり出し、平角材15をガイドすることができる。
曲げツール昇降シャフト76も、曲げ治具77にあわせて4つ備えられている。それぞれ、第1曲げ治具77a乃至第4曲げ治具77dに対応する曲げツール昇降シャフト76を曲げツール第1昇降シャフト76a乃至曲げツール第4昇降シャフト76dと称する。なお、特に断らずに曲げツール昇降シャフト76と称する場合は、曲げツール第1昇降シャフト76a乃至曲げツール第4昇降シャフト76dのいずれか1つ或いは全てを示しているものとする。
振れ止め治具68は、コイル12の回転に伴って形成されつつあるコイル12の内面側を支えながら回転する治具である。振れ止め治具68は、回転スライダ機構69に取り付けられている。
回転スライダ機構69は、振れ止め治具68の複雑な動作を実現するために、3つの動力が供給されている。1つは、曲げ駆動用ローラギア90aからの動力であり、1つは、長辺送り用ローラギア90bからの動力であり、1つは短辺送り用ローラギア90cからの動力である。
このうち、長辺送り用ローラギア90bと短辺送り用ローラギア90cは第1クラッチ48a及び第2クラッチ58aによって切り換えられ、回転スライダ機構69には同時にどちらか一方の動力が作用するように構成されている。
曲げ駆動用ローラギア90aからの動力は、第1振れ止め用ギア66aに伝えられ、第1振れ止め用ギア66aから第2振れ止め用ギア66bに動力が伝達される。
第2振れ止め用ギア66bはシャフトによって曲げ用動力第1伝達ギア64aに結合されているので、第2振れ止め用ギア66bが回転すると共に、曲げ用動力第1伝達ギア64aも回転する。
曲げ用動力第1伝達ギア64aからの動力は、曲げ用動力第2伝達ギア64bに伝えられる。曲げ用動力第2伝達ギア64bは偏心カム保持テーブル78に接続され、偏心カム保持テーブル78を回転させる。
偏心カム保持テーブル78に取り付けられた振れ止め用第1偏心カム79は、回転スライダ機構69を回転させる。
長辺送り用ローラギア90bからの動力は、長辺送り用第4伝達ギア48を介して第3振れ止め用ギア66cへ動力が伝達される。
第3振れ止め用ギア66cは、クランクシャフト80に接続されており、クランクシャフト80の先端に備えられるクランクアーム80aを回転させる。クランクアーム80aは回転することで、回転スライダ機構69に備えられた長辺用カム溝69aに長辺用カム80bを転動させる。
短辺送り用出力ギア93cからの動力は、短辺送り用第4伝達ギア58を介して第4振れ止めギア66dへ動力が伝達される。
第4振れ止めギア66dと短辺送り第2動力伝達ギア64dはシャフトで結合されている。短辺送り第2動力伝達ギア64dは短辺送り第1動力伝達ギア64cに動力を伝達し、短辺送り第1動力伝達ギア64cは中空シャフト81を介して長辺送り第1動力伝達ギア64eに接続されている。長辺送り第1動力伝達ギア64eは長辺送り第2動力伝達ギア64fに動力を伝達している。
長辺送り第2動力伝達ギア64fには、振れ止め用第1偏心カム79が備えられており、長辺送り第2動力伝達ギア64fの回転によって、短辺用カム溝69bに振れ止め用第1偏心カム79を転動させる。
このように、振れ止め用第1偏心カム79、長辺用カム80b、及び偏心カム保持テーブル78の協働によって、回転スライダ機構69に固定される振れ止め治具68を回動させることになる。
第1実施形態は上記のような構成であるので、以下に説明するような作用を示す。
図9乃至図16に、コイル12を巻回していく様子を模式的に示す。
図9に、コイル12の巻回工程の第1ステップの模式図を示す。図中、ハッチングを施してある曲げ治具77は、リフトアップしている状態であることを示している。ハッチングが施されていない曲げ治具77は、リフトダウンしている状態であることを示している。
曲げ治具77は、第1曲げ治具77a乃至第4曲げ治具77dが挟持シャフト67の周囲に等間隔に配置されている。挟持シャフト67は上端に位置している。
第1曲げ治具77aはリフトアップしており、平角材15は第1曲げ治具77aと挟持シャフト67の間に挟まれている状態である。
平角材15がコイル12に形成されたときに内周側に面する内周側面15aは、短辺送り用偏心カムガイド57に接している。平角材15がコイル12に形成されたときに外周側に面する外周側面15bは第1曲げ治具77aに接している。
この状態で平角材15は、挟持シャフト67と第1曲げ治具77aにガイドされて矢印の方向に一定距離送られる。長辺コイル送りスライダ41の働きによって、長辺12bの長さ分だけ送られる。
図10に、コイル12の巻回工程の第2ステップの模式図を示す。
平角材15を一定距離送った後、挟持シャフト67を下降端に移動させる。そして、回転テーブル75を回転させ、曲げ治具77を移動させる。この時、第1曲げ治具77aがリフトアップしているため、外周側面15bに第1曲げ治具77aが当接しながら回転し、平角材15は挟持シャフト67に沿って曲げられる。
また、挟持シャフト67が下降端まで下がっていることで、挟持シャフト鍔67aと回転テーブル75の距離によって平角材15の厚みが決定され、エッジワイズ曲げ加工時に平角材15の内周側が膨らむことを抑えることが可能となる。
こうして、コイル12の第1曲げ部12c1が形成される。
平角材15をエッジワイズ曲げ加工し終わった後、第1曲げ治具77aはリフトダウンし、第4曲げ治具77dをリフトアップさせる。また、挟持シャフト67を上昇端に移動させる。
図11に、コイル12の巻回工程の第3ステップの模式図を示す。
第4曲げ治具77dをリフトアップした後、平角材15を再び送る。短辺コイル送りスライダ51の働きによって、挟持シャフト67と第4曲げ治具77dにガイドされながら短辺12aの長さ分だけ送られる。
図12に、コイル12の巻回工程の第4ステップの模式図を示す。
第4曲げ治具77dがリフトアップしている状態で、挟持シャフト67を下降端に移動させる。そして、回転テーブル75を回転させ、曲げ治具77を移動させる。この結果、第4曲げ治具77dがリフトアップしていることで、第4曲げ治具77dが外周側面15bに当接しながら回転し、平角材15は挟持シャフト67に沿って曲げられる。
こうして、コイル12の第2曲げ部12c2が形成される。
平角材15をエッジワイズ曲げ加工し終わった後、第4曲げ治具77dをリフトダウンさせる。また、挟持シャフト67を上昇端に移動させる。
図13に、コイル12の巻回工程の第5ステップの模式図を示す。
第4曲げ治具77dをリフトダウンさせるのと同期して、第3曲げ治具77cをリフトアップさせる。そして、長辺コイル送りスライダ41によって、長辺12b分だけ平角材15を送る。
平角材15を送り終わった際に、第1曲げ治具77aもリフトアップする。
図14に、コイル12の巻回工程の第6ステップの模式図を示す。
第3曲げ治具77cをリフトアップしている状態で、挟持シャフト67を下降端に移動させる。そして、回転テーブル75を回転させ、曲げ治具77を移動させる。この結果、第3曲げ治具77cがリフトアップしていることで、第3曲げ治具77cは外周側面15bに当接しながら回転し、平角材15は挟持シャフト67に沿って曲げられる。
こうして、コイル12の第3曲げ部12c3が形成される。なお、第1曲げ治具77aもリフトアップしている状態であるので、平角材15の先端は、エッジワイズ曲げ加工されている部分よりも上に持ち上げられ、結果的に重なり合ってコイル状に平角材15が巻回されることになる。
平角材15をエッジワイズ曲げ加工し終わった後、第3曲げ治具77cをリフトダウンさせる。また、挟持シャフト67を上昇端に移動させる。
図15に、コイル12の巻回工程の第7ステップの模式図を示す。
第3曲げ治具77cをリフトダウンすると共に、第2曲げ治具77bをリフトアップする。そして、短辺コイル送りスライダ51によって、平角材15を送ることで、短辺12a分だけコイル12を移動させる。この際、平角材15は挟持シャフト67と第2曲げ治具77bにガイドされている。
図16に、コイル12の巻回工程の第8ステップの模式図を示す。
第2曲げ治具77bがリフトアップしている状態で、挟持シャフト67を下降端に移動させる。そして、回転テーブル75を回転させ、曲げ治具77を移動させる。この結果、第2曲げ治具77bがリフトアップしていることで、第2曲げ治具77bが外周側面15bに当接しながら回転し、平角材15は挟持シャフト67に沿って曲げられる。
こうして、コイル12の第4曲げ部12c4が形成される。
平角材15をエッジワイズ曲げ加工し終わった後、第2曲げ治具77bをリフトダウンさせる。また、挟持シャフト67を上昇端に移動させる。
図17に、コイル12の巻回工程の2巻目の第1ステップの模式図を示す。
この図17は、図9に対応しており、同様に平角材15を長辺コイル送りスライダ41で送る。以下図10乃至図16の動作を繰り返し、コイル12を巻回する。
このようにして、エッジワイズ巻線装置10を用いてコイル12を巻回するが、高速で巻回するためには振れ止め治具68を用いる必要がある。
図18に、振れ止め治具68を挿入した状態の側面断面図を示す。また、図19に、振れ止め治具68を挿入した状態の回転テーブル75周辺の拡大断面図を示す。図18と図19とは90°異なる方向からの断面図である。図20に、振れ止め治具68をコイル12から抜いた状態を示す側面断面図を示す。
振れ止め治具68は、コイル抑え鍔68aと振れ止め挿入部68bからなる。振れ止め挿入部68bは、コイル12の内周よりも小さく形成されている。したがって、図18及び図19に示されるように、振れ止め挿入部68bとコイル12の間には隙間が出来る。また、図19に示されるように、振れ止め治具68の短辺方向はコイル12の内周に沿って傾斜がつけられている。
コイル12を巻回する際には、挟持シャフト67に近接する位置まで振れ止め治具68を降下させた後、平角材15のエッジワイズ曲げ加工を開始する。
そして、コイル12を巻回終了後、図示しないリフターで振れ止め治具68を上昇させる。曲げ機構60に備えられるリニアシャフト65を摺動するリニアガイド65aに、回転スライダ機構69が取り付けられているので、振れ止め治具68を回転スライダ機構69と共に上昇させることが可能である。
次に、振れ止め治具68の動作について説明する。図21乃至図28に振れ止め治具68の動作について順に説明を行う。
図21は、振れ止め治具68の動作の第1ステップの模式図を示す。図21は、図9に対応する。
平角材15が長辺コイル送りスライダ41で送られると共に、コイル12の内周部分に挿入された振れ止め治具68も、コイル12の内周と当接しながら同じ方向に移動する。平角材15の内周側面15aに当接するように移動するのである。振れ止め治具68は、長辺コイル送りスライダ41と連動する機構であるため、同期して動作する。
図22は、振れ止め治具68の動作の第2ステップの模式図を示す。図22は、図10に対応する。
曲げ治具77の回転移動に伴い、回転テーブル75と同期して動く振れ止め治具68も、同様に回転する。この時の振れ止め治具68の軌跡は、コイル12の回転中心と異なり、コイル12の内周のうち、相対的に対角の位置に移動するようにコイル12の内周を支持しながら回転する。
以下、図23は、第3ステップを示し図11に対応する。図24は、第4ステップを示し図12に対応する。図25は、第5ステップを示し図13に対応する。図26は、第6ステップを示し図14に対応する。図27は、第7ステップを示し図15に対応する、図28は、第8ステップを示し図16に対応している。
振れ止め治具68は、図21乃至図28に示されるように、コイル12の内周のうち回転時には相対的に対角の位置に移動するようにコイル12の内周を支持しながら回転する。また、長辺コイル送りスライダ41又は短辺コイル送りスライダ51で送られる際には、振れ止め治具68はコイル12の内周のうち対向する辺に接するように移動する。
なお、振れ止め挿入部68bのコイル12の内周に対する大きさについては、振れ止め治具68の追従性能にあわせて適宜変更することが望ましい。完全に同期可能であれば振れ止め挿入部68bの大きさは、コイル12の内周に対して隙間無く形成すればよい。一方追従性が悪い場合には、振れ止め挿入部68bの大きさは、コイル12の内周に対して小さくする必要がある。コイル12を高速巻回するほど、この追従性はシビアになってくるため、若干クリアランスを設けておく方が望ましい。
以上、エッジワイズ巻線装置10の長辺コイル送りスライダ41、短辺コイル送りスライダ51及び曲げ機構60、振れ止め治具68の動きについて説明したが、図29にこれらのタイミングを総合的に示すタイミングチャートを示し、全体の動きを説明する。
このタイミングチャートのうち、「1ターン目」乃至「4ターン目」とあるのは、平角材15をエッジワイズ曲げ加工する際の順番であり、コイル12の4つある角のうちの1つを「1ターン目」とし、以降曲げられる順に「2ターン目」乃至「4ターン目としている。
また、「センター」とあるのは、挟持シャフト67の昇降を示している。また、「曲げモータ」とあるのは、曲げ駆動用ローラギア90aから出力される曲げ機構用出力ギア93aの動きを示している。また、「補正モータ」とあるのは、曲げ補正に用いる曲げ機構用補正モータ70の駆動を示している。
また、「長辺送り」とあるのは、長辺コイル送りスライダ41の送りのタイミングを示しており、「短辺送り」とあるのは、短辺コイル送りスライダ51の送りタイミングを示している。
また、「振れ止め」とあるのは、振れ止め治具68の動作を示している。振れ止め治具68の動作は送りと曲げの2パターンあるため、送りのタイミングを下側に、曲げのタイミングを上側に示している。
横軸に取っている角度は、主軸である動力モータ91の回転角度である。
第1ステップから順に説明すると、第1ステップでは、平角材15を長辺コイル送りスライダ41によって所定距離送る。振れ止め治具68も、長辺送り用ローラギア90bから動力が伝えられ、平角材15の送りに同期して所定距離移動する。
第2ステップでは、コイル12の1ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第1曲げ部12c1を形成する。この際に、挟持シャフト67は下降端にあり、平角材15の幅が増加しないように保持している。
曲げ加工の動力は、曲げ機構用出力ギア93aからの出力によって伝達される。この際に曲げ機構用補正モータ70も駆動するので、回転テーブル75は90°よりも数度多く回転し、90°の位置に戻す。こうすることで、平角材15のスプリングバック分を吸収して確実に90°分エッジワイズ曲げ加工される。振れ止め治具68も曲げ機構用出力ギア93aから曲げ用動力第1伝達ギア64aに動力が伝達され、曲げ機構用出力ギア93aと同期して回転する。
第3ステップでは、平角材15を短辺コイル送りスライダ51によって所定距離送る。振れ止め治具68も、短辺送り用ローラギア90cから動力が伝えられ、平角材15の送りに同期して所定距離移動する。この際には挟持シャフト67は上昇している。
第4ステップでは、コイル12の2ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第2曲げ部12c2を形成する。この際に、挟持シャフト67は下降端にあり、平角材15の幅が増加しないように保持している。曲げ加工の動力は、曲げ機構用出力ギア93aからの出力によって伝達される。この際に曲げ機構用補正モータ70も駆動するので、回転テーブル75は90°よりも数度多く回転し、90°の位置に戻す。こうすることで、平角材15のスプリングバック分を吸収して確実に90°分エッジワイズ曲げ加工される。
なお、短辺送り後の2ターン目は1ターン目のエッジワイズ曲げ加工の位置が近いため、平角材15のスプリングバック分が大きくなる。このため、回転テーブル75の補正角度は1ターン目よりも大きくしておく必要がある。
振れ止め治具68も曲げ機構用出力ギア93aから曲げ用動力第1伝達ギア64aに動力が伝達され、曲げ機構用出力ギア93aと同期して回転する。
第5ステップでは、平角材15を長辺コイル送りスライダ41によって所定距離送る。振れ止め治具68も、長辺送り用ローラギア90bから動力が伝えられ、平角材15の送りに同期して所定距離移動する。この際には挟持シャフト67は上昇している。
第6ステップでは、コイル12の3ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第3曲げ部12c3を形成する。この際に、挟持シャフト67は下降端にあり、平角材15の幅が増加しないように保持している。曲げ加工の動力は、曲げ機構用出力ギア93aからの出力によって伝達される。この際に曲げ機構用補正モータ70も駆動するので、回転テーブル75は90°よりも数度多く回転し、90°の位置に戻す。こうすることで、平角材15のスプリングバック分を吸収して確実に90°分エッジワイズ曲げ加工される。この際の補正角度は第2ステップと同等で良い。
振れ止め治具68も曲げ機構用出力ギア93aから曲げ用動力第1伝達ギア64aに動力が伝達され、曲げ機構用出力ギア93aと同期して回転する。
第7ステップでは、平角材15を短辺コイル送りスライダ51によって所定距離送る。振れ止め治具68も、短辺送り用ローラギア90cから動力が伝えられ、平角材15の送りに同期して所定距離移動する。この際には挟持シャフト67は上昇している。
第8ステップでは、コイル12の4ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第4曲げ部12c4を形成する。この際に、挟持シャフト67は下降端にあり、平角材15の幅が増加しないように保持している。曲げ加工の動力は、曲げ機構用出力ギア93aからの出力によって伝達される。この際に曲げ機構用補正モータ70も駆動するので、回転テーブル75は90°よりも数度多く回転し、90°の位置に戻す。こうすることで、平角材15のスプリングバック分を吸収して確実に90°分エッジワイズ曲げ加工される。なお、短辺送り後の4ターン目は3ターン目のエッジワイズ曲げ加工の位置が近いため、平角材15のスプリングバック分が大きくなる。このため、回転テーブル75の補正角度は3ターン目よりも大きくしておく必要がある。
振れ止め治具68も曲げ機構用出力ギア93aから曲げ用動力第1伝達ギア64aに動力が伝達され、曲げ機構用出力ギア93aと同期して回転する。
第1実施形態は、上述するような構成及び作用を示すので、以下に説明するような効果を奏する。
まず、コイル12の高速巻回が可能である点が挙げられる。
曲げ角度が均しい複数の曲げ部12cと、曲げ部12c間に延在する短辺12a及び長辺12bと、を含む、平角材15が非円形エッジワイズ曲げ加工により巻回されることで形成されるコイル12を製造するエッジワイズ巻線装置10において、コイル12が形成された際に内周側となる平角材15の内周側面15aに当接し、平角材15の曲げ部12cを平角材15の厚み方向に挟持する挟持シャフト67及び回転テーブル75と、コイル12が形成された際に外周側となる平角材15の外周側面15bに当接し、挟持シャフト67及び回転テーブル75と共同して平角材15を押さえた状態で回動し、平角材15を曲げて曲げ部12cを形成する曲げ治具77と、を備え、曲げ治具77は、平角材15の積層方向に進退可能に構成されると共に、コイル12の一巻きあたりの曲げ部12cまたは非曲げ部と同数が、挟持シャフト67の周囲に等角度間隔を維持したまま回動可能に構成される。
平角材15をエッジワイズ曲げ加工する際には、挟持シャフト67と回転テーブル75及び曲げ治具77を用いて行われるが、平角材15の積層方向に進退可能な回転テーブル75に曲げ治具77が複数備えられることで、特許文献2に記載されるような曲げ治具77に相当する押圧手段の戻り工程を不要とし、コイル12を巻回する時間を短縮することが可能になる。
曲げ治具77は、挟持シャフト67の外周側に備えられて、等角度間隔を維持したまま回動可能である。したがって、上昇端に移動させた第1曲げ治具77aで平角材15をエッジワイズ曲げ加工した後、第1曲げ治具77aを下降端に移動させる。
そして、平角材15を所定量送ると共に第2曲げ治具77bを上昇端に移動させ、エッジワイズ曲げ加工を行う。
つまり、曲げ治具77は常に一方向に回転テーブル75と共に回転させ、上昇、下降させることでエッジワイズ曲げ加工の準備が可能となるため、戻り時間分が短縮されることになる。
特許文献2に記載される方法では、曲げ治具77に相当する押圧手段が曲げ角度と同じ距離だけ戻らなければならず、単純に考えて倍の時間を必要とする。第1実施形態では、曲げ治具77を回転テーブル75に4つ、挟持シャフト67を中心に均等な角度で配置することで、このロスを極力減らすことが可能となり、高速化が期待できる。
また、このように挟持シャフト67と曲げ治具77とで共同して平角材15のエッジワイズ曲げ加工を行うので、短辺12aと長辺12bの差が大きいコイル12に対応可能である。
つまり、短辺12aと長辺12bの差が大きい長細いコイルを高速に巻回することが可能となり、コストダウンに貢献する。
コイル12は固定子1つあたりに、数十個必要とするため、単体でのコストダウンは少なくとも全体的には大きなコストダウンに貢献することが可能となる。
リードタイムを短縮することで、エッジワイズ巻線装置10の台数を減らすことが可能となるので、イニシャルコスト及びランニングコストの低減に貢献する。
また、平角材15を高速に巻回する場合、形成されている途中のコイル12が自らの質量によって型くずれしてしまうことがある。
しかし、平角材15の内周側面15aの一部に当接して配置される振れ止め治具68を備え、平角材15の巻回と共に振れ止め治具68を回動させて、コイル12の崩れを防止する。
このように振れ止め治具68を用いることで、形成されつつあるコイル12が巻回中に型くずれするような速度でも、型くずれさせずにコイル12を形成することが可能となる。
高速巻回を妨げる要因として、巻回速度を上げると平角材15のコシだけではコイル12の慣性による力を抑えきれない領域が存在することが挙げられる。特許文献1に示すように、巻芯軸を用いてコイル12を巻回すればこのような問題は避けられるが、それでは課題でも示した通り短辺12aと長辺12bの長さの比が大きいと、巻回時に速度差が生じ平角材15の慣性振れが大きくなってしまう。
短辺12aと長辺12bの長さの比は、固定子を用いたモータの出力及び滑らかさを考慮した場合、短辺12aを極力短くして、固定子に装着するコイル12を多くした方が有利である。
第1実施形態では、このようなモータの要請に応えるコイル12の高速巻回を可能とするエッジワイズ巻線装置10を提供することができる。
また、巻径が次第に小さくなるコイル12を形成する場合に、コイル12側面の傾斜に一致する傾斜面を備えた振れ止め治具68を挿入し、コイル12の回動に同期して回動方向の前後にスライドさせつつ回動させることで、台形断面のコイル12の巻回を可能とし、コイル12の型くずれを防止することが可能となる。
さらに、回転テーブル75及び曲げ治具77に、回動する角度を補正する曲げ機構用ディファレンシャルギア94a及び曲げ機構用補正モータ70を備え、平角材15をエッジワイズ曲げする際に、曲げ機構用ディファレンシャルギア94a及び曲げ機構用補正モータ70により回転テーブル75及び曲げ治具77が回動する角度を補正させるので、例えば線材を90°分エッジワイズ曲げ加工する場合には、90°+α分だけ曲げ手段を回動させることで、平角材15のバネ性などによる物質的特性によって発生するスプリングバック分を吸収し、平角材15を目的の角度に精度良くエッジワイズ曲げすることが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態と同等の加工が実現可能であるが、動力の伝達方法が少々異なる。以下に、異なる部分の説明を行う。なお、同じ符号を付してある部分は、同様の機能を果たすものとする。
図30に、第2実施形態のエッジワイズ巻線装置10の上面視図を示す。図30は図1に対応する。
図31に、エッジワイズ巻線装置10の側面図を示す。図31は図2に対応する。
第2実施形態のうち第1実施形態と大きく異なるのは、動力の伝達方法である。第1実施形態ではローラギア90によって伝達を行うが、第2実施形態ではゼネバ機構を用いて動力を伝達し間欠運転を行っている点で異なる。
したがって、アンコイラ20、及び癖取り機構30の構成はほぼ同じである。
図32に、エッジワイズ巻線装置10の動力伝達図を示す。図32のハッチングは省略している。
また、図33に、曲げ機構60の拡大図を示す。図34に、送り機構40の長辺コイル送りスライダ41の拡大図を示す。また、図35に、送り機構40の短辺コイル送りスライダ51の拡大図を示す。
なお、図33は細かい部分が判断しにくいので、図36に、図33に示す曲げ機構60の部分拡大図を示している。
まず、図34に示される長辺コイル送りスライダ41の構成を説明する。
長辺コイル送りスライダ41は、動力モータ91から発生する動力によって駆動する。そして、図33に示される動力モータ91の出力側に接続される動力シャフト135には、送り駆動用ピンホイール131aと、コイル曲げ用ピンホイール132aと、振れ止め長辺送り用ピンバホイール133aと、振れ止め短辺送り用ピンバホイール134aが取り付けられ、それぞれのゼネバ機構に動力を伝達する。
図37に、送り駆動用ピンホイール131a及び送り駆動用ゼネバホイール131bの平面図を示す。
送り駆動用ピンホイール131aには、送り駆動用ゼネバホイール131bに動力を伝達し、送り駆動用ゼネバホイール131bに接続する長辺送り用第1伝達ギア143aには、長辺送り用第2伝達ギア143bと噛み合っている。
長辺送り用第2伝達ギア143bは、長辺送り用ディファレンシャルギア94bの上側に取り付けられ、長辺送り用ディファレンシャルギア94bを介して下側に取り付けられる長辺送り用第3伝達ギア143cに動力を伝達する。
長辺送り用ディファレンシャルギア94bには長辺送り用補正モータ46が設けられているので、長辺送り用第3伝達ギア143cと長辺送り用第2伝達ギア143bとの回転差を微調整可能である。
長辺送り用第3伝達ギア143cから長辺送り用第4伝達ギア143dに伝達された動力は、カップリング92を介して長辺送り用偏心カムガイド47に伝えられる。
又、長辺送り用第1伝達ギア143aに同期する長辺送り用第5伝達ギア143eは、長辺送り用第6伝達ギア143fに動力を伝達する。
長辺送り用第6伝達ギア143fは、長辺送り用偏心カムガイド47に取り付けられており、長辺送り用偏心カム45の微調整を行うことができる。
長辺送り用スライドテーブル49には、長辺送り用ガイド溝49aが設けられており、長辺送り用偏心カム45の動きによって、平角材15を送るように長辺送り用スライドテーブル49が前進後退運動を行う。
長辺送り用クランプ機構42は、図35に示される送り切換カム機構50と連動しており、送り切換カム機構50によって、平角材15を長辺送り用スライドテーブル49にクランプさせるかどうかが決定される。
送り切換カム機構50によって、長辺コイル送りスライダ41側で平角材15を送るようにセレクトされていれば、長辺送り用スライドテーブル49は図34の紙面垂直方向にスライド動作するので、長辺送り用クランプ機構42が降下した状態で、平角材15は、長辺送り用スライドテーブル49と共に移動する。この結果、ボビン16から平角材15が引き出されて、曲げ機構60側に送られることになる。
次に、図35に示される短辺コイル送りスライダ51の構成を説明する。
短辺コイル送りスライダ51には、図33に示される動力モータ91からの出力を、送り駆動用ピンホイール131aを介して長辺送り用第5伝達ギア143eに伝達され、短辺送り用第1伝達ギア153aに伝達される。
短辺送り用第1伝達ギア153aは、短辺送り用ディファレンシャルギア94cの上側に取り付けられ、動力を短辺送り用ディファレンシャルギア94cの下側に取り付けられる短辺送り用第2伝達ギア153bに伝達する。
短辺送り用ディファレンシャルギア94cには、短辺送り用補正モータ56が設けられているので、短辺送り用第3伝達ギア153cと短辺送り用第2伝達ギア153bとの回転差を微調整可能である。
短辺送り用第2伝達ギア153bは、短辺送り用第3伝達ギア153cと噛み合い、カップリング92を介して、短辺送り用偏心カム55に動力を伝達する。
短辺送り用偏心カム55は、短辺送り用偏心カムガイド57によって動きが規正される。短辺送り用偏心カムガイド57は、長辺送り用第5伝達ギア143eから動力が伝達される、短辺送り用第4伝達ギア153dと接続されている。
短辺送り用偏心カム55は、短辺送り用スライドテーブル59に形成される短辺送り用ガイド溝59aを摺動して、短辺送り用スライドテーブル59を図35の紙面垂直方向にスライド動作させることが可能である。
短辺送り用クランプ機構52は、短辺送り用スライドテーブル59に対して近接することで平角材15をクランプすることができる。
短辺送り用偏心カムガイド57のセンターと短辺送り用偏心カム55のシャフトのセンターはずれているので、短辺送り用偏心カムガイド57が回転することで、短辺送り用偏心カム55のストロークを調整することが可能となる。つまり短辺送り用スライドテーブル59のストロークを調整可能となる。コイル12は、取り付けられる固定子側の都合により図3に示すように台形断面になっている。つまり、短辺12aの長さは固定子外側に向かうにつれて徐々に長くなる。このストロークの調整を短辺送り用偏心カムガイド57と短辺送り用偏心カム55によって実現している。
短辺送り用クランプ機構52は、送り切換カム機構50と連動しており、送り切換カム機構50によって、平角材15を短辺送り用スライドテーブル59にクランプさせるかどうかが決定される。
送り切換カム機構50によって、短辺コイル送りスライダ51側で平角材15を送るようにセレクトされていれば、短辺送り用スライドテーブル59は図35の紙面垂直方向にスライド動作するので、短辺送り用クランプ機構52が下降した状態で、平角材15は、短辺送り用スライドテーブル59と共に移動する。この結果、ボビン16から平角材15が引き出されて、所定距離だけ曲げ機構60側に送られることになる。
送り切換カム機構50の動力は、動力モータ91の出力側に設けられた第1タイミングギア136aから、第2タイミングギア136bに伝達され、第2タイミングギア136bと噛み合う第3タイミングギア136cを介して伝えられている。
第1タイミングギア136aは常時回転し続けているので、送り切換カム機構50も回転し続け、送り切換カム機構50に設けられているカム溝によって、長辺コイル送りスライダ41か短辺コイル送りスライダ51のいずれかを選択することになる。なお、長辺コイル送りスライダ41及び短辺コイル送りスライダ51の動力は、送り駆動用ピンホイール131a及び送り駆動用ゼネバホイール131bによって間欠運転で伝達されることになるので、曲げ機構60との相互運動が可能となる。
次に、図33及び図36に示される曲げ機構60の構成について説明する。
図38に、コイル曲げ用ピンホイール132a及びコイル曲げ用ゼネバホイール132bの平面図を示す。
曲げ機構60には、動力モータ91から取り出した動力が、コイル曲げ用ピンホイール132a及びコイル曲げ用ゼネバホイール132bによって、間欠運転で伝達される。
図37に、コイル曲げ用ピンホイール132a及びコイル曲げ用ゼネバホイール132bの平面図を示す。
コイル曲げ用ピンホイール132aからコイル曲げ用ゼネバホイール132bに伝達された動力は、コイル曲げ用ゼネバホイール132bに接続される曲げ機構用第1伝達ギア163aに伝達される。
曲げ機構用第1伝達ギア163aは、曲げ機構用第2伝達ギア163bと噛み合っており、曲げ機構用第2伝達ギア163bは曲げ機構用ディファレンシャルギア94aに取り付けられている。
曲げ機構用ディファレンシャルギア94aの上側に取り付けられる曲げ機構用第2伝達ギア163bは、曲げ機構用ディファレンシャルギア94aを介して曲げ機構用ディファレンシャルギア94aの下側に取り付けられる曲げ機構用第3伝達ギア163cに動力を伝えている。
曲げ機構用ディファレンシャルギア94aには、曲げ機構用補正モータ70が接続されており、曲げ機構用第2伝達ギア163bと曲げ機構用第3伝達ギア163cの回転差を微調整可能である。平角材15は90°にエッジワイズ曲げ加工できればよいが、平角材15の素材の影響でスプリングバックがある。したがって、単純に90°だけでなく、+αの角度だけ送って曲げ部12cを形成することで、平角材15を90°エッジワイズ曲げ加工することができる。
曲げ機構用第3伝達ギア163cは曲げ機構用第4伝達ギア163dに動力を伝達している。
曲げ機構用第4伝達ギア163dに伝えられた動力は、回転テーブル75を回転させる。回転テーブル75には4つの曲げ治具77が備えられており、回転テーブル75と共に曲げ治具77も回転する。
曲げ機構用第5伝達ギア163eは、長辺送り用第5伝達ギア143eから動力を伝達される。
長辺送り用第5伝達ギア143eは送り駆動用ゼネバホイール131bと同期しているため、曲げ機構用第5伝達ギア163eも送り駆動用ゼネバホイール131bと同期することになる。すなわち、長辺コイル送りスライダ41又は短辺コイル送りスライダ51と同期することになる。
曲げ機構用第5伝達ギア163eによって曲げ機構用カムガイド71が回転すると、第1カム溝71aを摺動する曲げツール昇降カム73と、第2カム溝71bを摺動する挟持シャフト昇降カム72に作用する。
曲げツール昇降カム73は曲げツール昇降シャフト76に接続されて曲げ治具77の昇降に寄与する。
挟持シャフト昇降カム72は、挟持シャフト67を昇降させる。
挟持シャフト67は、圧縮バネ74によって下方に付勢されているので、挟持シャフト67は常に挟持シャフト昇降カム72が第2カム溝71bの下側に押し付けられている位置に保持される。
圧縮バネ74は、平角材15を下方に挟む機能の他に、平角材15を挟持シャフト鍔67aで押しすぎてかじり、ロックすることを防ぐ目的もある。
すなわち、挟持シャフト鍔67aと回転テーブル75の距離は、第1カム溝71aのカム曲線によって決定されることになる。その結果、平角材15が膨らもうとした場合に、挟持シャフト鍔67aと回転テーブル75の距離で平角材15の厚みを決定し、それ以上膨らまないように矯正することが可能である。
曲げツール昇降カム73は、曲げツール昇降シャフト76に取り付けられており、曲げツール昇降カム73が第1カム溝71aを転動することで、曲げツール昇降シャフト76が昇降し、この昇降に伴って曲げ治具77が昇降する。
曲げ治具77と挟持シャフト67が協働することで平角材15がエッジワイズ曲げ加工されることは、第1実施形態と同様である。
振れ止め治具68は、コイル12の回転に伴ってコイル12の内面を支えながら回転する治具である。振れ止め治具68は、回転スライダ機構69に取り付けられている。
回転スライダ機構69は、振れ止め治具68の複雑な動作を実現するために、3つの動力が供給されている。1つは、送り駆動用ピンホイール131aから伝達される動力であり、1つは振れ止め長辺送り用ピンバホイール133aから伝達される動力であり、1つは振れ止め短辺送り用ピンバホイール134aから伝達される動力である。
図39に、振れ止め長辺送り用ピンバホイール133a及び振れ止め長辺送り用ゼネバホイール133b、又は振れ止め短辺送り用ピンバホイール134a及び振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bの平面図を示す。
振れ止め長辺送り用ピンバホイール133a及び振れ止め長辺送り用ゼネバホイール133bと、振れ止め短辺送り用ピンバホイール134a及び振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bは、都立軽装が異なるだけで基本的には同じ構成である。
送り駆動用ピンホイール131aからの動力は、長辺送り用第5伝達ギア143eから曲げ機構用第6伝達ギア163fに伝達される。そして、曲げ機構用第6伝達ギア163fから、第1振れ止め用ギア166aに動力は伝達される。
第1振れ止め用ギア166aは第2振れ止め用ギア166bに動力を伝達し、第2振れ止め用ギア166bと接続される振れ止め動力第1伝達ギア164aに伝達する。振れ止め動力第1伝達ギア164aから振れ止め動力第2伝達ギア164bに動力が伝達されると、振れ止め動力第2伝達ギア164bと接続される偏心カム保持テーブル78に動力が伝達される。
偏心カム保持テーブル78には、振れ止め動力第3伝達ギア164cが偏心して取り付けられており、偏心カム保持テーブル78が回転することで振れ止め動力第3伝達ギア164cに取り付けられた振れ止め用第1偏心カム79を回転させることが可能となる。この振れ止め用第1偏心カム79の動きが、平角材15のエッジワイズ曲げ加工時のコイル12の動きに対応する。
振れ止め長辺送り用ピンバホイール133aの動力は、振れ止め長辺送り用ゼネバホイール133bと接続される第5振れ止め用ギア166eから、第6振れ止め用ギア166fに動力が伝達される。
第6振れ止め用ギア166fに接続されるクランクシャフト80は、第6振れ止め用ギア166fの回転によって、クランクシャフト80の先端に備えられるクランクアーム80aを回転させる。このクランクアーム80aの動きによって、振れ止め用第1偏心カム79がスライドすることになり、平角材15を長辺コイル送りスライダ41で送ったときのコイル12の動きに対応することが可能となる。
振れ止め短辺送り用ピンバホイール134aからの動力は、振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bに伝達され、振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bから、振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bに接続される第3振れ止め用ギア166cに伝達される。そして、第3振れ止め用ギア166cから第4振れ止め用ギア166dに動力が伝達される。
第4振れ止め用ギア166dには、振れ止め動力第5伝達ギア164eが接続されており、振れ止め動力第5伝達ギア164eと噛み合う振れ止め動力第6伝達ギア164fに動力が伝達される。
振れ止め動力第6伝達ギア164fは中空シャフト81と接続され、中空シャフト81に接続される振れ止め動力第4伝達ギア164dに動力を伝達する。
振れ止め動力第4伝達ギア164dは振れ止め動力第3伝達ギア164cに動力を伝達するので、振れ止め用第1偏心カム79は、回転スライダ機構69をスライドさせることが可能となる。
このように、偏心カム保持テーブル78を回転させることで、回転スライダ機構69を回転させ平角材15のエッジワイズ曲げ加工に対応し、クランクシャフト80を回転させることで、回転スライダ機構69をスライドさせ、長辺コイル送りスライダ41の動きに対応し、振れ止め動力第3伝達ギア164cを回転させることで、回転スライダ機構69をスライドさせ、短辺コイル送りスライダ51の動きに対応することができる。
第2実施形態のエッジワイズ巻線装置10の巻回動作、及び振れ止めの動作については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。詳しくは、図9乃至図16、及び図21乃至図28を参照されたい。
図41に、ゼネバ機構の動きを表したタイミングチャートを示す。
「1ターン目」「2ターン目」「3ターン目」「4ターン目」及び「センター」は、図29と同じ意味であり、同じタイミングを示しているので説明を省略する。
「送り駆動ゼネバ機構」は送り駆動用ゼネバホイール131bの動作タイミングを示している。「曲げ駆動ゼネバ機構」はコイル曲げ用ゼネバホイール132bの動作タイミングを示している。「振れ止めゼネバ機構」の「長辺」は振れ止め長辺送り用ゼネバホイール133bの動作タイミングを示している。また「短辺」は振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bの動作タイミングを示している。
第1ステップから順に説明すると、第1ステップでは、平角材15を長辺コイル送りスライダ41によって所定距離送る。
送り駆動用ピンホイール131aから送り駆動用ゼネバホイール131bに動力を伝達され、長辺コイル送りスライダ41を駆動することになる。送り切換カム機構50によって、長辺コイル送りスライダ41がセレクトされているためである。
また、振れ止め長辺送り用ピンバホイール133aから振れ止め長辺送り用ゼネバホイール133bに動力が伝達されるため、回転スライダ機構69はクランクアーム80aによってスライドし、結果的に振れ止め治具68を平角材15の送りに同期して所定距離移動させる。
第2ステップでは、コイル12の1ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第1曲げ部12c1を形成する。この際に、挟持シャフト67は下降端にあり、平角材15の幅が増加しないように幅を規正している。
曲げ加工の動力は、コイル曲げ用ピンホイール132aからコイル曲げ用ゼネバホイール132bに動力が伝達されることで、回転テーブル75に伝達され、回転テーブル75は曲げ治具77と共に回転する。
この際に曲げ機構用補正モータ70も駆動するので、回転テーブル75は90°よりも数度多く回転し、90°の位置に戻す。こうすることで、平角材15のスプリングバック分を吸収して確実に90°分エッジワイズ曲げ加工される。
また、コイル曲げ用ピンホイール132aからコイル曲げ用ゼネバホイール132bに動力が伝達されることで、曲げ機構用第6伝達ギア163f、第1振れ止め用ギア166a、第2振れ止め用ギア166b、振れ止め動力第1伝達ギア164aと動力が伝達され、偏心カム保持テーブル78が回転することで回転スライダ機構69も回転する。したがって、振れ止め治具68は、回転スライダ機構69と一緒に回転することになる。
第3ステップでは、平角材15を短辺コイル送りスライダ51によって所定距離送る。送り駆動用ピンホイール131aから送り駆動用ゼネバホイール131bに動力が伝達され、短辺コイル送りスライダ51を駆動することになる。送り切換カム機構50によって短辺コイル送りスライダ51がセレクトされているためである。
また、振れ止め短辺送り用ピンバホイール134aから振れ止め短辺送り用ゼネバホイール134bに動力が伝達されるため、回転スライダ機構69は振れ止め用第1偏心カム79によってスライドし、結果的に振れ止め治具68を平角材15の送りに同期して所定距離移動させる。
第4ステップでは、コイル12の2ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第2曲げ部12c2を形成する。この際に、挟持シャフト67は下降端にあり、平角材15の幅が増加しないように幅を規正している。
曲げ加工の動力は、コイル曲げ用ピンホイール132aからコイル曲げ用ゼネバホイール132bに動力が伝達されることで、回転テーブル75に伝達され、回転テーブル75は曲げ治具77と共に回転する。この際に曲げ機構用補正モータ70も駆動する。この際に短辺12aの距離が短いので、第1曲げ部12c1の影響があると考えられる。したがって、より曲げ角度を多くすることで、確実に90°分エッジワイズ曲げ加工される。
また、コイル曲げ用ピンホイール132aからコイル曲げ用ゼネバホイール132bに動力が伝達されることで、偏心カム保持テーブル78が回転し、回転スライダ機構69も回転する。したがって、振れ止め治具68は、回転スライダ機構69と一緒に回転することになる。
第5ステップでは、平角材15を長辺コイル送りスライダ41によって所定距離送る。各機構の動作は第1ステップと同様であるので割愛する。
第6ステップでは、コイル12の3ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第3曲げ部12c3を形成する。各機構の動作は第2ステップと同様であるので割愛する。
第7ステップでは、平角材15を短辺コイル送りスライダ51によって所定距離送る。各機構の動作は第3ステップと同様であるので割愛する。
第8ステップでは、コイル12の4ターン目をエッジワイズ曲げ加工し、第4曲げ部12c4を形成する。各機構の動作は第4ステップと同様であるので割愛する。
このような、第1ステップから第8ステップまでの動作を繰り返すことで、コイル12を形成する。
第2実施形態は、上述のような構成を備え、第1実施形態と同一の作用を示すので、以下に説明するような効果を奏する。
第2実施形態では第1実施形態とほぼ同等の効果が得られ、コイル12の高速巻回が可能である。また、リードタイムを短縮することで、エッジワイズ巻線装置10の台数を減らすことが可能となるので、イニシャルコスト及びランニングコストの低減に貢献する。
また、巻径が次第に小さくなるコイル12を形成する場合に、コイル12側面の傾斜に一致する傾斜面を備えた振れ止め治具68を挿入し、コイル12の回動に同期して回動方向の前後にスライドさせつつ回動させることで、台形断面のコイル12の巻回を可能とし、コイル12の型くずれを防止することが可能となる。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、第1実施形態で用いたローラギア90や第2実施形態で用いたゼネバ機構以外にも、同等の効果を得られる構成を用いることを妨げない。
また、ボビン16に巻回される平角材15には、最初から絶縁被覆が施されているとしているが、絶縁被覆の損傷を避けるために平角材15を素線のままコイル12を形成し、その後、絶縁被覆処理をすることを妨げない。
第1実施形態の、エッジワイズ巻線装置10の平面図を示している。 第1実施形態の、エッジワイズ巻線装置10の側面図を示している。 第1実施形態の、コイル12の斜視図を示している。 第1実施形態の、曲げ機構60の断面図を示している。 第1実施形態の、送り機構40のうち長辺コイル送りスライダ41側の断面を示している。 第1実施形態の、送り機構40のうち短辺コイル送りスライダ51側の断面を示している。 第1実施形態の、送り機構40と曲げ機構60の接続図を示している。 第1実施形態の、曲げ機構60の拡大断面図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第1ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第2ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第3ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第4ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第5ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第6ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第7ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の1巻目の第8ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、コイル12の巻回工程の2巻目の第1ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68を挿入した状態の側面断面図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68を挿入した状態の回転テーブル75周辺の拡大断面図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68をコイル12から抜いた状態を示す側面断面図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第1ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第2ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第3ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第4ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第5ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第6ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第7ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、振れ止め治具68の動作の第8ステップの模式図を示している。 第1実施形態の、エッジワイズ巻線装置10によってコイル12を巻回する際のタイミングチャートを示している。 第2実施形態の、エッジワイズ巻線装置10の上面視図を示している。 第2実施形態の、エッジワイズ巻線装置10の側面図を示している。 第2実施形態の、エッジワイズ巻線装置10の動力伝達図を示している。 第2実施形態の、曲げ機構60の断面図を示している。 第2実施形態の、送り機構40のうち長辺コイル送りスライダ41側の断面図を示している。 第2実施形態の、送り機構40のうち短辺コイル送りスライダ51側の断面図を示している。 第2実施形態の、曲げ機構60の部分拡大断面図を示している。 第2実施形態の、送り駆動用ピンホイール131a及び送り駆動用ゼネバホイール131bの平面図を示している。 第2実施形態の、コイル曲げ用ピンホイール132a及びコイル曲げ用ゼネバホイール132bの平面図を示している。 第2実施形態の、振れ止め長辺送り用ピンバホイール133a及び振れ止め長辺送り用ゼネバホイール133bの平面図を示している。 第2実施形態の、ゼネバ機構の動きを表したタイミングチャートを示している。
符号の説明
10 エッジワイズ巻線装置
12 コイル
15 平角導体
16 ボビン
20 アンコイラ
30 癖取り機構
40 送り機構
41 長辺コイル送りスライダ
42 長辺送り用クランプ機構
46 長辺送り用補正モータ
49 長辺送り用スライドテーブル
51 短辺コイル送りスライダ
52 短辺送り用クランプ機構
56 短辺送り用補正モータ
59 短辺送り用スライドテーブル
60 曲げ機構
61 昇降用モータ
67 挟持シャフト
67a 挟持シャフト鍔
68 振れ止め治具
69 回転スライダ機構
70 曲げ機構用補正モータ
72 挟持シャフト昇降カム
75 回転テーブル
76 曲げツール昇降シャフト
77 曲げ治具
90 ローラギア
91 動力モータ

Claims (4)

  1. 曲げ角度が均しい複数の曲げ部と前記曲げ部間に延在する非曲げ部とを含み、線材が非円形エッジワイズ曲げ加工により巻回されることで形成されるコイルを製造する巻線装置において、
    前記コイルが形成された際に内周側となる前記線材の内周側面に当接し、前記線材の前記曲げ部を前記線材の厚み方向に挟持する挟持手段と、
    前記コイルが形成された際に外周側となる前記線材の外周側面に当接し、前記挟持手段と共同して前記線材を押さえた状態で回動し、前記線材を曲げて前記曲げ部を形成する曲げ手段と、を備え、
    前記曲げ手段は、巻線の積層方向に進退可能に構成されると共に、前記コイルの一巻きあたりの前記曲げ部または前記非曲げ部と同数が、前記挟持手段の周囲に等角度間隔を維持したまま回動可能に構成されることを特徴とする巻線装置。
  2. 請求項1に記載の巻線装置において、
    前記線材の前記内周側面の一部に当接して配置される振れ止めを備え、
    前記線材の巻回と共に前記振れ止めを回動させて、前記コイルの崩れを防止することを特徴とする巻線装置。
  3. 請求項2に記載の巻線装置において、
    巻径が次第に小さくなる前記コイルを形成する場合に、
    前記振れ止めが、前記コイル側面の傾斜に一致する傾斜面を備え、
    前記線材の巻回に同期して、形成されつつある前記コイルの回動方向の前後にスライドさせつつ回動させることを特徴とする巻線装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の巻線装置において、
    前記曲げ手段に、回動する角度を補正する角度補正機構を備え、
    前記線材をエッジワイズ曲げする際に、前記角度補正機構により前記曲げ手段が回動する角度を補正させることを特徴とする巻線装置。
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